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ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資
〜雪ダルマ式に資産が増える52の教え〜
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こんばんは!東条雅彦(とうじょうまさひこ)です。
インデックス投資シリーズを開始して、
いつもよりも多くの質問が寄せられています。ありがとうございます。
最も多くいただいている質問は
「今、S&P500に投資したいと思っているが、
それは正しい投資行動なのでしょうか?」というものです。
現在、バンガード500インデックス・ファンド(VOO)の株価が
210ドル前後で推移しています。
バンガード500インデックス・ファンドはウォーレン・バフェットが
身内におすすめしたことによって一気に注目されるようになりました。
ETFとは
『Exchage(証券取引所で)Traded(取引される)Fund(投資信託)』の略で
証券取引所で取引される投資信託の意味です。
株式と同じようにいつでも買えるしいつでも売れます。
このVOOの株価を過去から現在までの推移を眺めると、
明らかに高値に見えます。
去年の12月に私が参加したジム・ロジャーズの講演会の中でも、
懸念を表明していました。
ロジャーズ
「米国市場がなかなか調整に入らない。
一般的には7年ぐらいの景気サイクルがあると言われている。
2008年のリーマンショックで大暴落してから、2009年に3月に底値をつけた。
そこから反転してから、もう7年以上が経過している。
別に必ずしも7年前後で調整が入らないといけないというわけではないが…」
と話していて、警戒感を露わにしていました。
それではインデックス投資において、
「売買のタイミング」を意識しなければいけないのでしょうか?
シーゲル博士は
「景気循環を予想することはそもそも難しい」と結論づけています。
そのため、インデックス投資では、
タイミングを意識せずに決まった期間で決まった金額をどんどん買っていく
という方法を取ります。
しかし、この手法に違和感を持つ人が多いのも事実でしょう。
タイミングに関係なく買い増ししていくインデックス投資の手法は
バフェットの師匠であるベンジャミン・グレアムの
「割安の株式を買って安全域を確保しよう」という方針
と真っ向から対立するものです。
そのため、この件について、本メルマガではできるだけ
慎重に扱っていきたいと考えています。
最終的には「投資する人の考え方や投資理念」に立脚するもので、
正解はないと思いますが、私はグレアムの考え方に立っています。
つまり、S&P500という指数にも割高や割安が存在していて、
割安の時に投資する方が安全でリターンが高いという考え方です。
1回の枠には収められなかったので、2週にわたってお届けします。
今回も合計で以下の6つの図表を準備しました。
<リスクとリターンの関係>
<Wikipedia英語版「S&P500のリターン表」>
<S&P500 リターン表(解説その1)>
<S&P500 リターン表(解説その2)>
<バンガード・S&P500 ETF(VOO)の株価と平均移動線(楽天証券)>
<ドル・コスト平均法と定量購入法の比較>
ご面倒をお掛けして申し訳ございませんが、
全てのURLをクリックして、グラフや図解をご確認願います。
無駄なリンクは一つも入れておらず、いずれもインデックス投資や長期投資の
根本を理解する上で役立つ情報だと思っています。
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【目次】
1. ゆっくりでいいのなら億万長者は確定!『常勝のインデックス投資法』
2. 東条雅彦のオススメ本棚
3. 編集後記『インデックス投資に関するご質問に対する回答』
4. ウォーレン・バフェットの名言
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編集後記では『インデックス投資に関するご質問に対する回答』
という話をしています。
「東条雅彦のオススメ本棚」では
私が実際に読んで役立った書籍を置いています。
2017年に入って、原田隆史さんの「達成する人の法則」を
毎週、案内していますが、このDVDは本当に素晴らしい内容になっています。
ぜひ人生の目標設定に役立ててください。
今、セール価格になっていて、
この講演をまるまる視聴できるのは間違いなくお得だと思います。
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/chdf
本日も最後までよろしくお願いします。
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■■ ゆっくりでいいのなら億万長者は確定!『常勝のインデックス投資法』
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▼どんな投資でも「リターンは平均年利、リスクは標準偏差」で表せる!
どんな投資でも「リターンは平均年利、リスクは標準偏差」で表せます。
ファイナンス理論ではリスクを「危険」ではなく、
「価格変動のバラツキ」だとみなします。
そして、このリターンとリスクの大きさは正比例します。
リターンの高い投資を狙う場合、
価格変動が大きく上下に振れる投資を実行しなければいけません。
反対にリターンの低い投資で満足する場合の見返りとして
価格変動は小さくなります。
大雑把なイメージで、
銀行預金、債券投資、株式投資の3つは次のようなイメージになります。
<銀行預金>
開始:100万円
1年後:100万円 (前年比0%)
2年後:100万円 (前年比0%)
3年後:100万円 (前年比0%)
⇒平均年利:0%、標準偏差:0%
<債券投資>
開始:100万円
1年後:98万円 (前年比−2%)
2年後:104万円 (前年比+6.12%)
3年後:106万円 (前年比+1.92%)
⇒平均年利:2%、標準偏差:3.32%
<株式投資>
開始:100万円
1年後:80万円 (前年比−15%)
2年後:110万円 (前年比−29.4%)
3年後:125万円 (前年比+13.6%)
⇒平均年利:7.7%、標準偏差:18.3%
銀行預金は完全に平和ですが、その代わり平均年利も標準偏差もほぼ0%です。
それよりも少し高いリターンを狙う債券投資では
銀行預金よりも高い利益が得られます。
その代わり、元本保証はありません。
もっと高い利益を狙う株式投資の場合、
価格変動がどうしても激しくなってしまいます。
しかし、S&P500のようなインデックス投資に投資する場合、
平均年利は常にプラスであり、
途中経過を気にしなければ、ほぼ確実に利益になります。(後で詳述します)
それでは、もし次のような投資(=「投資案件A」)があったとしましょう。
<投資案件A>
開始:100万円
1年後:200万円 (前年比+100%)
2年後:400万円 (前年比+100%)
3年後:800万円 (前年比+100%)
⇒平均年利:100%、標準偏差:0%
100万円を投資すると、200万円⇒400万円⇒800万円と
毎年、倍々ゲームで増えていきます。
投資案件Aの標準偏差を求めると、なんと0%です。
毎年、決まって2倍に増えていき、価格が上下にブレずに
前年比が常に+100%なので、標準偏差も0%となります。
超ローリスク・超ハイリターンな投資です。
さらにもう一つの投資(=「投資案件B)を紹介します。
<投資案件B>
開始:100万円
1年後:80万円 (前年比−20.0%)
2年後:50万円 (前年比−37.5%)
3年後:5万円 (前年比−90.0%)
⇒平均年利:−63.1%、標準偏差:29.7%
100万円を投資して、次の年に80万円に下がって、その翌年は50万円、
そして3年後にはなんと5万円になってしまいました。
平均年利は−63.1%となります。
前年比は−20.0%⇒−37.5%⇒−90.0%と変動しているため、
標準偏差を求めると、29.7%となります。
これはもう悲惨な投資としか言いようがありません。
超ハイリスク・超ローリターンです。
既にお気づきの方もいるかもしれませんが、投資案件Aと投資案件Bは一般的には
それぞれサギ(投資詐欺)とカモ(カモにされる)と呼ばれています。
・投資案件A=超ローリスク・超ハイリターン⇒サギ(世の中に存在しない)
・投資案件B=超ハイリスク・超ローリターン⇒カモ(投資すべきでない)
上記のような投資案件に関わってはいけません。
図解すると、次のようになります。
<リスクとリターンの関係>
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/xx27
私たち長期投資家は「投資すべき」の範囲で活動していくべきです。
そして、S&P500への投資は平均年利が9.7%、標準偏差が17%
(1965年〜2015年の値を元に算出)となっており、
「投資すべき」の範囲の中でもかなり優秀な部類に入ります。
▼英語版のWikipediaにだけ掲載されているS&P500の年次リターン表の中身
Wikipediaの英語版には「S&P500の年次リターン表」が掲載されています。
(※本当に大事な情報のため、下記のURLは必ずクリック願います。)
<Wikipedia英語版「S&P500のリターン表」(Annual returnsの項目)>
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/8vhe
この情報はとても重要なのですが、
なぜか日本語版のWikipediaでは省略されています。
大きな表となるため、スマホで見ている人は後でパソコンでも
確認することをオススメします。
これを見れば、なぜウォーレン・バフェットが身内にS&P500への投資を
推奨しているのかが一目瞭然でわかるでしょう。
このS&P500のリターン表は1974年から2016年までの年利を示しています。
英語で書かれている列名はそれぞれ次の意味になります。
・Year(年)
・Change in Index(年利)
・Total Annual Return Including Dividends(配当を含む年利)
・Value of $1.00 Invested on 1970-01-01
(1970年1月1日に投資した1ドルの価値)
・5 Year Annualized Return(5年間の平均年利)
・10 Year Annualized Return(10年間の平均年利)
・15 Year Annualized Return(10年間の平均年利)
・20 Year Annualized Return(10年間の平均年利)
・25 Year Annualized Return(10年間の平均年利)
これらの列名を眺めると、なんとなく伝えたい事がわかるかと思います。
この表はS&P500の保有期間が長くなればなる程、
「確実にプラスの収益が得られる」ということを示しています。
こちらの解説をご覧ください。
<S&P500 リターン表(解説その1)>
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/0oqu
S&P500の年利(配当込み)は1970年から1974年の5年間で
「+4.01%⇒14.31%⇒18.98%⇒−14.66%⇒−26.47%」(赤線の範囲)
と推移しています。
大きく上昇した年もあれば、大きく下落した年もありました。
この5年間の平均年利を求めると、−2.35%です。
S&P500は1973年と1974年に
それぞれ−14.66%、−26.47%と大きく落ち込みました。
1973年にS&P500への投資を開始して、翌年の1974年に売ってしまった人は
−14.66%と−26.47%と資産が減っていき、散々な結果に終わっています。
しかし、投資を開始したタイミングにかかわらず、
5年間、保有し続けた場合、概ねプラスになっています。
マイナスになったとしても、3%未満の値です。
・1970年〜1974年の5年間 ⇒ 平均年利−2.35%(赤色の矢印)
・1971年〜1975年の5年間 ⇒ 平均年利+3.31%(緑色の矢印)
・1972年〜1976年の5年間 ⇒ 平均年利+4.87%(青色の矢印)
さらに保有期間を伸ばして
10年にした場合の平均年利を示しているのが右隣の列です。
・1970年〜1979年の10年間 ⇒ 平均年利5.86% (紫色の矢印)
・1971年〜1980年の10年間 ⇒ 平均年利8.45%(橙色の矢印)
・1971年〜1980年の10年間 ⇒ 平均年利6.47%(黒色の矢印)
期間を延ばせば延ばす程、収益がプラスになっていきます。
▼S&P500は15年以上保有すると、ほぼ100%の確率でプラス収益になる!
さらに詳しく見ていきます。
Wikipediaに記載されているS&P500のリターン表には
とてつもなく重要な情報が潜んでいます。
保有期間を5年⇒10年⇒15年⇒20年⇒25年と伸ばしていくと、
最低リターンがどんどん切り上がっていきます。
わかりやすいように、5〜25年間の保有で
リターンがマイナスの年を赤枠で囲いました。
一番下に、High、Low、Mediumと記載していますが、
これは「最高年利、最低年利、単純平均年利(※)」となっています。
(※)
Mediumの値は標準偏差ではなく単純平均年利の値です。
最低年利を水色の枠で囲いました。下記の表をご覧ください。
<S&P500 リターン表(解説その2)>
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/ia85
5年間の保有では合計で5回、マイナスに落ち込んでいます。
マイナスになったといっても、
最低でも−2.35%になっていて、それ程、大きな落ち込みではありません。
あと、少し気になるのは21世紀に入ってからのS&P500のリターンは
落ち込んでいる点です。
マイナスリターン(赤枠)は2001年以降に集中しています。
近年のパフォーマンス低下問題は、S&P500に限った話ではなく、
バークシャー・ハサウェイでも同じです。
(⇒このことはインデックス投資よりも高いリターンを求める投資家には
大切なことです。また、別の機会で詳しく取り挙げます。)
次に5年から10年に保有期間を延ばしたケースを見ていきましょう。
10年間の保有では2008年、2009年の2回だけがマイナスリターンでした。
これはリーマンショックの影響です。
さらに10年から15年、20年、25年と保有期間を延ばしたケースを見てください。
15年以上の保有では、マイナスリターンがなんと0回!
水色の最低年利を見ると、
保有期間が長ければ長い程、成績が良くなっていることが伺えます。
<最低年利の推移(水色の枠)>
5年保有:−2.35%
10年保有:−1.35%
15年保有:+4.24%
20年保有:+7.68%
25年保有:+9.15%
S&P500への投資は「ほぼ確実に勝てる勝負」です。
しかも勝負を引き延ばせば延ばす程、
勝率が100%に限りなく近づいていきます。
20年保有で最低でも+7.68%の平均年利を獲得しているというのは
驚くべき事実でしょう。
<年利7.68%の運用を20年間、続けた場合>
・100万円 ⇒ 878万円
・500万円 ⇒ 2,196万円
・1,000万円 ⇒ 4,392万円
・2,300万円 ⇒ 1億102万円
バフェットの
「ゆっくりとお金持ちになるのはかなり簡単です」
という言葉が身にしみります。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私は一番大きな間違いは、
正しい貯金の習慣を早いうちに学ばないことだと思います。
貯金というのは習慣なのです。誰もが早くお金持ちになろうとします。
ゆっくりとお金持ちになるのはかなり簡単です。
しかし、すぐにお金持ちになるのは簡単なことではありません。
ウォーレン・バフェット
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
▼常勝のS&P500にいつ投資すればいいのか?
そこで多くの人がインデックス投資を実践する上で
「いったい、いつS&P500への投資を開始すれば良いのだろうか?」
という疑問を抱きます。
一般的なインデックス投資論では、本稿で見てきたように
「保有期間の長さ」がリターンを決定づけます。
そのため、S&P500への投資を開始するタイミングをうまく捉えるよりも
コンスタントに投資を続けて、
保有を継続することに集中することが推奨されています。
シーゲル博士の著書
「株式長期投資のすすめ」の内容(127〜128頁)を以下に引用します。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
15年以上もロバート・エガートはエコノミストの予測を集計し、
「ブルーチップ経済指標」として発表している。
1979年7月のブルーチップ経済指標によれば、多くのエコノミストが
景気後退はもう始まっていると予測していた。
しかし、NBER(全米経済研究所)は景気のピークは1980年1月と決定した。
エコノミストは、1980−82年の厳しい景気後退の予測にも失敗した。
1985年4月には、多くのエコノミストが景気拡大は1986年12月に終わると
予測していたが、これは実際よりも3年半も早すぎた。
1987年の株価暴落ののち、エコノミストは成長率予想を引き下げたが、
実際には経済成長率は4%に加速した。
(〜中略〜)
株式の価値は企業収益を基盤する。
景気循環は企業収益の重要な決定要素である。
もし景気循環を予想できたなら株のリターンはきわめて大きい。
だが実際には難しい。さまざまな経済統計が開発されているが、
予測の精度は上がらない。
最悪のやり方は、景況感を後追いすること。
これには株式をその高値で買い、安値で売ることになる。
投資家への教訓は明らか。経済分析をもってしても株に勝つのは難しい。
景気の転換点を当てるのは、
その時期を過ぎてからで、その時に株価はもう動いている。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
注目すべきは
「エコノミストは、1980−82年の厳しい景気後退の予測にも失敗した。」
という部分です。
驚くべきことに、エコノミストの景気後退の予想にもかかわらず、
S&P500はその後、約20年間にわたって黄金時代を迎えます。
1980年代、1990年代はほとんど負けることがなく、
毎年のように+20%〜+30%のペースで上昇が続いています。
この黄金時代はITバブルが崩壊する2000年に入るまで続きました。
<黄金時代>
1980年+32.50%
1981年−4.92% ←小休止
1982年+21.55%
1983年+22.56%
1984年+6.27%
1985年+31.73%
1986年+18.67%
1987年+5.25%
1988年+16.61%
1989年+31.69%
1990年−3.10% ←小休止
1991年+30.47%
1992年+7.62%
1993年+10.08%
1994年+1.32%
1995年+37.58%
1996年+22.96%
1997年+33.36%
1998年+28.58%
1999年+21.04%
<ITバブル崩壊>
2000年−9.10%
2001年−11.89%
2002年−22.10%
2003年+28.68% ←バブル崩壊から脱出!
毎年、年初に「今年の株価は上がるか?下がるか?」という特集記事が
出回りますが、この種の予想が当たらないのと本質的には同じ話です。
景気後退を予想して、S&P500への投資を見送っていると、
その期間分、機会損失になります。
シーゲル博士の結論は
「いつでもいいから、とにかくS&P500に投入せよ!」です。
▼結局、どういう買い方が良いのか?
シーゲル博士の研究結果を元に考えると、
S&P500を長期で保有すれば、損はせずに利益になることわかった!
そして、ウォーレン・バフェットが一般の人向けに
「資産の90%をS&P500に、残りの10%を債券に投資せよ」と
言っている真意もよくわかった!
それでは、いきなり全資産の90%を
S&P500に投入するのが正しい方法なのでしょうか。
シーゲル博士は「配当をひたすら再投資する」という手法を勧めています。
しかしながら、具体的にS&P500の購入手法についてまでは踏み込んでいません。
ヒントになるのが、シーゲル博士の著書
「株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド」で
語られている「平均移動戦略」です。
シーゲル博士は平均移動戦略の有効性に一定の評価を下しています。
株価が平均移動線に近づいた時(または平均移動線よりも下回った時)が
買い時だということは特に目新しい話ではありません。
(短期トレーダーに好まれている手法です。)
平均移動線とは
一定期間の株価の終値の平均値をつなぎ合わせた折れ線グラフのことです。
例えば、10日移動平均線であれば10日分の終値を合計して
10で割った株価を求めます。
営業日が1日進む毎に直近10日分の終値の平均株価を求めていき、
その10日分の平均株価を繋げた線を「10日移動平均線」と呼びます。
10日移動平均線よりも現在の株価の方が高ければ、
過去10日間の平均に比べて、
株価が高くなっているということが一目でわかります。
最終的な結論として、
シーゲル博士は「バイ&ホールド」には勝てないという立場を貫いており、
移動平均線はあくまで目安程度に留めておいた方が良さそうです。
<バンガード・S&P500 ETF(VOO)の株価と平均移動線(楽天証券)>
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/f5dm
・緑の線=25日移動平均線
・赤の線=50日移動平均線
・紫の線=75日移動平均線
今のS&P500はいずれの平均移動線よりも高くなっており、
少し相場が加熱していることが伺えます。
逆に2015年8〜9月、2016年1〜2月の株価は平均移動線よりも下回っており、
バイ&ホールドをしたい人にとっては良いタイミングでした。
繰り返しますが、あくまで平均移動線は一般的な目安であって、
これを信じて、短期的な売買を行ってはいけません。
▼ドル・コスト平均法で購入すると、リスクが大幅に減る!
S&P500等の株式は500社に分散されているとはいえ、
価格変動がとても大きいという特性を持っています。
過去のデータではS&P500は1年で±37%程度の上下運動がありえます。
もしある一時期に一点集中で購入した場合、
運悪く高値で掴まされると、
プラスの収益に到達するまでに時間がかかってしまいます。
そこで長期投資家の間で
よく使われている購入手法が「ドル・コスト平均法」(定額購入法)です。
一度に購入せず、資金を分割して均等額ずつ定期的に継続して投資します。
例えば「予定資金を12分割して、月末ごとに資金の1/12を投入し、
一年かけて全量を買う」という手法です。
価格が高い時は購入数量が少なく、安い時には多くなるため、
単純な数量分割に比べ、平均取得単価が下がるというメリットがあります。
価格が下がった場合のみならず、
上がった時にも買う点で難平買いとは異なります。
ドル・コスト平均法はシーゲル博士が推奨している
「配当金をひたすら再投資する」という手法とも相性が良い点にも注目です。
(S&P500の配当金支払いは年4回です。博士のアドバイスに従えば、
結果的に年4回、配当金をドル・コスト平均法で購入することになります。)
参考までにドル・コスト平均法を下記に図解で示します。
比較のために「定量購入法」も併記します。
【定量購入法】
毎回10株と決まった数量を買い付ける→購入価格は毎回変わる
【ドル・コスト平均法(定額購入法)】
毎回1万円と決まった金額で買い付ける→購入株数は毎回変わる
<ドル・コスト平均法と定量購入法の比較>
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/skgk
市場株価がどのように動いても、定量購入法よりも
ドル・コスト平均法(定額購入法)の方が平均購入単価が安くなります。
一見、不思議に感じるのですが、理屈は簡単です。
ドル・コスト平均法は毎回1万円と投入金額を固定しているので、
株価が割高になっている時は購入株数が少なくなり、
反対に割安になっている時は購入株数が多くなります。
その結果、平均購入単価が下がるというカラクリです。
次回は「S&P500を購入する際に割安・割高は本当に関係ないのか?」
という点についてベンジャミン・グレアムの観点に立って、
インデックス投資への適用を試みます。
「シーゲル博士 VS グレアム師匠」の対決です。乞うご期待願います♪
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■■ 2. 東条雅彦のオススメ本棚
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将来、お金持ちになることを望んでいる人は絶対に読むべき良書です。
この本は一生捨てずに何回も読み返しましょう。
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■■ 3. 編集後記 『インデックス投資に関するご質問に対する回答』
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インデックス投資に関して、
読者さんからいつもより多くのご質問をいただいています。
一部、早めに回答します。
今回、取り上げた以外にも多くのご質問をいただいているのですが、
その分については定期的に開催しているQ&Aのコーナーで回答致します。
<Q1>
前々回と前回のメルマガを拝見して、S&P500にすぐにでも
銀行預金を移したいと思っておりますが、タイミングがわかりません。
米国の株価が上昇中の現時点でも移行すべきなのか、
それとも、リーマンショックのような下落した時に
移行すべきなのかがわかりません。
<A1>
なかなか一言では回答しにくい難しさがあります。
本稿で解説した通り、インデックス投資におけるリターンは
保有期間が最も大きな要因となります。
【Wikipedia英語版「S&P500のリターン表」(Annual returnsの項目)】
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/8vhe
一例を挙げると、上記のS&P500の年次リターン表を確認すると、
次の5年間は明らかにバブっています。
1995年(+37.58%)、1996年(+22.96%)、1997年(+33.36%)、
1998年(+28.58%)、1999年(+21.04%)
しかし、このような高値で購入してしまったとしても、
10年以上、保有を継続していると、
この後のどの時点においても概ねプラスの収益になっています。
景気後退を過度に心配して、投資を控えている場合、
逆にチャンスを取り逃がす可能性もあります。
(エコノミストによる1980〜1982年の厳しい景気後退の予測は大外れでした。)
シーゲル博士の理論ではタイミングを予想せずにバイ&ホールドを
続けるというのが一般的な考え方です。
次週、グレアム的な観点から、この点について詳しく考察していきます。
来週号も読んで、総合的にご判断いただければ嬉しく思います。
また、手持ちの資産を一気にS&P500に割り当てるのではなく、
「ドル・コスト平均法」で時間分散した方が、
若干、価格変動の波を抑えられる効果があります。
<Q2>
前号のメルマガの「平均年利がプラスであれば、
標準偏差の値にかかわらず、その投資は利益になるのです。」
という一文に強烈にカウンターパンチを食らったような衝撃が走りました。
日経平均株価の平均年利はプラスなのでしょうか?
実は私は日経平均株価に連動する投資信託に投資していまして、
S&P500によるインデックス投資の解説を聞いて、
間違ったことをしているように感じました。
平均年利や標準偏差のことを意識していませんでした。
<A2>
シーゲル博士の研究によれば、
どの国であってもインデックス投資は通用するという結果になっています。
日本の株式であってもインフレ調整後で5〜7%のリターンが期待できると
されていますが、この点にはとても懐疑的です。
未来のことは誰にもわからないため、今後、日経平均株価がS&P500の
パフォーマンスを上回る可能性がないとは言いません。
しかし、個人的にはインデックス投資を実践する場合は
本場のS&P500やダウ平均で実践した方が良いように思います。
どんなものでもやはり本場には勝てないものです。
私は一度だけアメリカのロサンゼルスでお寿司を食べたことがあります。
カッチカチのシャリの上に、
キンキンに冷えた半分凍っているネタが乗っていました。
まったく美味しくなかったのですが、残すと失礼だと思って、
なんとか頑張って食べ切りました。
やっぱりアメリカの食べ物は不味いな〜と思って、半分、諦めながら、
次の日に、ハンバーガーを食べたら、とても美味しかったのです。
アメリカで生まれた食べ物は美味しい!
そして、海外の物を見よう見まねで作った料理は恐ろしく不味い!
どんなものに「本場」というものがあるんだなと痛感しました。
日本株でインデックス投資を実践した場合、
カッチカチのシャリの上に半分凍ったネタを乗せたような
お寿司になる可能性もあるということは心に留めておいた方が良いと思います。
(この件は今回のインデックス投資シリーズの中で詳しく取り挙げます。)
<Q3>
S&P500やバークシャーのリターンが21世紀に入って大幅に落ちていると
解説されていましたが、今後も低い成長が続くという予定で、
資産形成の計画を行った方がよいのでしょうか?
<A3>
私は悲観的なストーリーと楽観的なストーリーの二段構えで
計画を立てています。
将来のことは誰にもわからないので、
二段構えで計画を立てることをオススメします。
実は去年のバークシャーの株主宛ての書簡(通称、バフェットからの手紙)でも、
その点について触れられていました。
米国の成長を心配する人たちに向けて
バフェットは次のように反論していました。
【2015年度版『バフェットからの手紙』から読み解く複利の力】
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/ayx1
S&P500やバークシャーのリターンが落ちているといっても、
マイナスになっているわけではありません。
もし今後、低成長が続いたとしても、
「複利の力」を活用すれば、十分に資産形成が可能です。
少なくとも2020年代に入れば、AI革命が始まり、
一人当たりの生産性が大幅に上昇するという予想を発表する
シンクタンクも増えてきています。(=楽観的なストーリー)
どちらのストーリーでも心配には及びません。資産は増えていきます。
<Q4>
東条さんもブログで取り挙げていましたが、
バークシャーは昨年11月の米大統領選以降、株式を
約120億ドル(約1兆3600億円)買い越していました。
現在、米国市場は高値に見えるのですが、これはどういうことでしょうか?
<A4>
確かに米国市場全体ではやや高値になりつつあります。
現在、米国市場のPERは22.2倍、PBRは3.0倍です。
世界ランキングで上から9番目に位置しています。
【世界各国のPER・PBR・時価総額(毎月更新)】
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/mevo
PERは18倍から23倍ぐらいまでは適正な範囲内の動きだと思います。
そのため、今の米国市場はまだセーフティーエリア内です。
1980年代の日本株のPERは80倍以上になっていて、
バブルが弾ける直前の1989年前後はPERが100〜200倍でした。
(こういう状況になれば誰が見ても「バブル」です。)
あと、ウォーレン・バフェットはあくまで「個別銘柄」で勝負しています。
個別銘柄を見ていくと、まだ射程圏内の銘柄は多数あります。
(例)
APPL=PER(予)14.86倍、IBM=PER(予)14.49倍、WFC=PER(予)13.59倍、
2月14日までにバークシャーがどの銘柄に投資したのかが明らかになります。
今からとても楽しみですね。
個人的にはWFC、IBM、アップルの買い増しの可能性が高いと見ています。
【参考:バフェットは大統領選後に1.3兆円をどの企業に投資したのか?】
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/v96u
この記事には書いていなかったのですが、昨年、バークシャーは
ウォルマート株を5,619万株から1,297万株に減らしました。(約77%減)
この教科書的バフェット銘柄への投資縮小は意外な決断でした。
もし、今回、IBMやアップル(情報空間系企業)を買い増すのなら、
ウォルマート(物理空間系企業)への投資を縮小したことが腑に落ちます。
バークシャーは資金を物理空間から情報空間へ移しているという持論が
より強化される結果になります。
個人的な妄想も含めて言えば、
バークシャーは将来的にIBMとアップルの保有率を50%以上に高めて、
この2社を合併させるのが最も得策だと思います。
他にもアメリカン航空への追加投資の可能性とか言いたいことは
たくさんあるのですが、いただいたご質問の主旨からどんどん離れていくので、
この辺りで妄想はやめておきます。
もう予想を言い出すと、選択肢が多すぎてキリがないですね。
話そうと思えば、この話だけであと1、2時間はいけそうです・・・。
Q&Aは以上となります。
いつもご質問やご感想をお寄せいただき、ありがとうございます。
「インデックス投資」シリーズについて、当初は2〜3週で終わる予定でしたが、
さらにもう3週間程、延長してお届けします。
あと、インデックス投資とは関係ない記事が単発で入り込むかもしれませんが、
その点は予めご了承願います。
バークシャーに大きな動きがあった場合などは、そちらを優先します。
なお、質問や感想については下記の【1】または【2】で受け付けています。
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この90分の講演会を聴くために、北海道、沖縄、ロンドンから200名が
集結したそうです。それだけのお金と時間を投資する価値がある
ということは中身を見れば、納得できると思います。
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■■ 4. 本日のバフェットの名言
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多くのプロの投資家は、投資対象の過去の数値は気にするのにもかかわらず、
そのライバル企業が何をし、
またどのような財務状態なのかを調査することすらしません。これは誤りです。
ウォーレン・バフェット
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「インド人を右に」とレスするたびに右に動いていくスレ
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1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 14:05:17.71
ID:yDRFQxCW0┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓┃ ┃┣
11 年前
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