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■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング：売れたま！■
〜ＭＢＡの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.400(累計1278) 2015/11/19
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■■＿ベルトを着替える時計：マスカスタマイゼーション＿■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●「価値」は使い方に現れる。商品・サービスをカスタマイズできる
ようにして、お客様の「利用場面」に合わせやすくしよう！
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◆ベルトを「着替える」腕時計が人気
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●ベルトを服に合わせて「着替える」腕時計が人気！
腕時計と言えば、買った状態そのままで使うことが多いですよね。
別売りのベルトが売っているものもありますが、私はベルトを変えた
ことは今までありません。
が……あえて「ベルトを着替える」ことをウリにした時計が人気だそ
うです。
どういうものかと言うと……？
−−−−−−−−−−−＜ 記事引用 ＞−−−−−−−−−−−−
◇『腕時計販売のＫｎｏｔ（ノット、東京都武蔵野市）の注目度が高
まっている。腕時計を「リストファッション」と位置づけ、文字盤
とベルトを自由に組み合わせられるようにした点が受けている。国
産で１万円台からという値ごろ感も人気を後押しする。２０１４年
に腕時計のネット通販から始めた同社は今年３月、東京・吉祥寺に
実店舗を開いた』
◇『売り場面積がわずか約３３平方メートルのこの店に、月２千人ほ
どの客が訪れる』『吉祥寺の売上高は３月に５６０万円だったのが
右肩上がりで増え、７月に約１３００万円になった』
◇『同社の商品は文字盤とベルト。文字盤はデザインが２つだが、複
数の色を展開し、全部で約２０種類。ナイロン製や革製、金属製の
ほか、伝統工芸の組みひもなど多彩なベルトを合わせると、約
２０００通りのコーディネートができる』
◇『売り場では客が商品を気軽に手に取れるようガラスケースに入れ
ずに展示する。毎週来店する人や２時間も店内に滞在する客もお
り、「その場でカスタマイズできるという体験を楽しんでいる」と
遠藤社長は分析する』
◇『文字盤が同じ時計でも「ベルトを変えるだけでも全く違う印象に
なる」と遠藤弘満社長。文字盤とベルトはワンタッチで簡単に着脱
できるため、ベルトを複数持っていれば、その日の気分や服装に合
わせて交換できる』
2015/10/05 日経ＭＪ Ｐ．７
−−−−−−−−−−−＜ 記事引用 ＞−−−−−−−−−−−−
確かにベルトを変えるだけで、時計の雰囲気は大分変わりますよね。
ＨＰはこちらです↓
http://knot-designs.com/
ＨＰによれば、価格帯は、時計本体（文字盤の部分）が１万４千円〜
２万円前後、ベルトが３〜６千円前後です。
２〜３万円前後で「自分好みの時計」を作れるのであれば、人気にな
るのもわかります。
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◆マスカスタマイゼーション
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●低コストでカスタマイズを可能にするマスカスタマイゼーション
このＫｎｏｔの時計は、いわゆる「マスカスタマイゼーション」に近
い手法ですね。
売れたま！でも何回か（と言っても、前に取り上げたのは５年前です
が）取り上げています。
マスカスタマイゼーションとは、私の解釈では以下のような手法です
○大量（マス）生産システムを取り入れつつ、個々の顧客に合わせた
個別化（カスタマイゼーション）を可能にした生産・提供方法
○通常、最後の工程で「カスタマイズ」が施される。大がかりな工程
変化にしないことで、カスタマイズコストを下げる
典型例が、ピザのトッピングです。
丸い円盤の部分は一緒で、最後に載せるものが違うわけです。最後の
工程だけ「カスタマイズ」することで、たくさんのメニューになって
いるわけです。
ラーメンなども、最近は
・麺の固さ ： 固め 普通 やわらかめ
・味の濃さ ： 濃いめ 普通 薄め
・脂の量 ： 多め 普通 少なめ
のような「カスタマイズ」ができるところがありますよね。これも、
マスカスタマイゼーションに近い考え方と言えそうです。
うどんもそうですね。天ぷらのトッピングや、つゆの熱い・冷たい、
などを選べます……
が、「釜玉」については、１０分くらい待たされることもあります。
というのも、どうやら「釜玉」は、ゆでておいた麺は使えないような
のです。最初から茹でないといけないので、その分時間がかかる、と
いうことらしいです＊
つまり、「月見うどん」は、最後の一工程で卵を載せるだけですが、
「釜玉」は、最初の麺を茹でる工程から変わる、ということになり、
工程が大きく違うために時間がかかるわけです。
その意味では、同じ卵を使ったうどんでも、「月見うどん」は「マス
カスタマイゼーション」的ですが、「釜玉」は大がかりな工程変化を
伴うという意味で、マスカスタマイゼーション的ではない、とも言え
ます。
＊参考：はなまるうどんＨＰ
http://www.hanamaruudon.com/faq/
密着軸（＝個別化で差別化する戦略）を取るメーカーは、マスカスタ
マイゼーション使うことも多くありますね。
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◆時計を「着替える」という提案
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●服に合わせて時計を着替えよう、という提案
Ｋｎｏｔのうまいところは、この「マスカスタマイゼーション」とい
う手法を、
「ベルトを着替える」
という提案に使ったところです。
記事中の
『文字盤が同じ時計でも「ベルトを変えるだけでも全く違う印象にな
る」と遠藤弘満社長。文字盤とベルトはワンタッチで簡単に着脱で
きるため、ベルトを複数持っていれば、その日の気分や服装に合わ
せて交換できる』
という部分ですね。
「ベルトを換える」こと自体は、別に新しいことではありませんが、
「服装に合わせてベルトを着替えよう」
というのは、いい提案だと思います。
今でもできると言えばそれはその通りです。
が……
服に合わせて、何種類もベルトを変えているような展示は、私は今の
ところ、見たことがありません。
洋服は、いわゆる「コーディネート提案」は当たり前のように行われ
ます。上半身と下半身をコーディネートしたマネキンがあります。
カバンも、洋服に合わせてカバンを「着替える」というような展示は
見ます。
が、時計については、服装とベルトの組み合わせ展示のようなものは
見たことがないんですよね（私がないだけかもしれませんが）。
ＨＰのこの部分は、その「服に合わせた魅せ方」をしています。
http://knot-designs.com/style.html
●ベルトを「着替える」前提の文字盤のデザイン
色々なベルトが用意されているのに比べて、文字盤の部分は奇をてら
わない、スタンダードなデザインです↓
http://knot-designs.com/collection/watch/
『文字盤はデザインが２つ』と記事にあるとおり、デザインの選択肢
はほとんどありません。
ただ、文字盤の色も色々とありますので、「選べる」感じにはなって
います。
デザインをスタンダードなものにしているのは、ある意味で「ベルト
が主役」だからなのかもしれません。
文字盤が「主役」だと、ベルトが「付属物」になってしまいます。
そうではなく、あくまでも「ベルトを着替える」という前提での文字
盤のデザインなのでしょうね。
もちろん、そこまで計算してデザインしているのでしょう。
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◆価値は使い方に現れる：時計の価値は「服」によって違う
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●価値は使い方に現れる
商品・サービスの「価値は使い方に現れる」というのは、売れたま！
のかねてからの主張です。
「使い方」＝「利用場面」であり、「利用場面」とは、ＴＰＯで考え
ると考えやすいです。
Ｔ：Time 時間 いつ
Ｐ：Place 場所 どこで
Ｏ：Occasion 使い方 誰がどう使うか
という、あのＴＰＯですね。
そしてそれは、時計についても同じです。
ビジネスシーンでは、電波時計などの「正確性」が重要なＴＰＯもあ
りますね。電車に乗り遅れたり、会議に遅れたりするとまずいような
場合です。
しかし、必ずしもそういうＴＰＯばかりでもありません。
時計の「機能」の一部は、「正確な時刻を知る」ことですが、その一
方で時計は「ファッション品」でもあります。
服やカバンと同様に、時計も「他人から見られる」ものですから、
「機能」に加えて「ファッション性」も求められる（こともある）の
です。
●時計の価値（の一部）は、着ているものに現れる
ファッション性という意味での時計の価値は「着ているもの」すなわ
ち「服」に現れます。
「服」は、毎日着替えます。
であれば、「服」に合わせて「時計を着替える」という提案は、オシ
ャレな方には刺さりそうです。
しかも、そういう提案はあまり見ません。
だからこそ、記事にあるように
『毎週来店する人や２時間も店内に滞在する客もおり、「その場でカ
スタマイズできるという体験を楽しんでいる」と遠藤社長は分析す
る』
という、「時計を着替える体験」自体が楽しいわけです。
「ＴＰＯに合わせて時計を着替える」という時計の価値提案と、マ
ス・カスタマイゼーションという手法がうまくマッチした、学ぶとこ
ろの多い事例ですね。
★今日の「アタマに問いかけるべき適切な質問」
あなたの商品・サービスを「カスタマイズ」できるようにして、より
顧客の「利用場面」に合わせられるようにできませんか？
ぜひお考えになってみてください！
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◆今日のまとめ
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●「価値」は使い方に現れる。商品・サービスをカスタマイズできる
ようにして、お客様の「利用場面」に合わせやすくしよう！
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◆売れたま！を解除するには
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売れたま！は、以下の３つの配信会社から配信されています。下記の
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ご購読ありがとうございました！ ご活躍をお祈りしております。
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▼今日の日記▲
某所で、たまたま２０代くらいの方々と一緒になる機会があり、ひょ
んなことから「アニメ」「オタク」の話に。
２０代くらいの方だと、「オタク」に嫌悪感はない、というのはよく
聞いてはいましたが、実際にそうみたいですね。
私の世代ですと、ガンダムはＯＫ、エヴァでギリギリセーフ、セーラ
ームーンはアウト、というような感じだったように思います。
ですが、２０代の方々はかなり大丈夫というか、男女関係なくエヴァ
あたりは全然ＯＫみたいですね。それ以上の話もあったようなのです
が、ついていけず……
ちょっと前に「４月は君の嘘」という漫画が好き、という話をここで
したときも、反応してくださったのは、私より下の世代の方でした。
こういうのがリアルにわかるので、違う世代の方々との交わりはいい
ですね。
ところで、今回で戦略編が４００回。戦略編１回目は、２００６年の
８月。そのときに、売れたま！の戦略変更をしたのですが、もう１０
年前なのですね……。感慨深いです。
●今日のiPod Tune：秋の夜長に夜を楽しもう！
もう秋も大分深まってきました。秋の夜長、「夜の歌」シリーズ！！
続きます。
今日の曲は……
○勝手にしやがれ by 沢田研二
１９７７年リリース、その年を代表するメガヒット。同年のレコード
大賞受賞曲。当時のレコード大賞は、本当に「国民全員」が注目する
イベントでした。子供でしたが覚えています。記憶が誤っているかも
しれませんが、レコード大賞受賞者全員で合唱していた映像がアタマ
に残っています。どこかに動画ないかなあ……
当時は自分自身が子供だったので「大分年配の方だなあ」と思ってい
ましたが、今動画を見ると「うわー、ジュリー若い！」って感じです
ね（笑）。こっちが年を取ったんですね。
この曲のシーンは当然夜。恋人と別れた夜に「レコード」を聴きなが
ら、お酒に酔う。そんな夜があってもいいかも♪
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品等は、例であり、戦略や商品の良し悪しの評価ではありません。
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──────＜ 物語でわかるマーケティング ＞────────
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マーケティング入門：読みやすい小説
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マーケティング戦略実践：実行のためのチェックリスト
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◆次号予告：めんたいこの「ふくや」の新展開
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●博多のおみやげと言えば「めんたいこ」。有名なのが「ふくや」で
すね。そのふくやのツナ缶が人気。でも普通のツナ缶ではなく……
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を！
▼彼氏・彼女・家族との、知的な話題づくりに！
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう！
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう！
売れたま！があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……
〓〓次号の売れたま！でお会いできるのを楽しみにしています！〓〓
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