━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.306(累計1195) 2015/02/02
購読者:31,793 (まぐまぐ:16,433 メルマ!:944 めろんぱん:14,416)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■__年末年始特別号:価値提案のTPO・T 11__■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●商品・サービスの「回りにあるもの」「対象物」に使い方が表れ
る。何を調べれば「使い方」がわかるか、考えてみよう!
┃売れたま!は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま!
┃単独でもお役に立てますし、本と併用されれば効果倍増!
┃
┃図解 実戦マーケティング戦略 →
http://tinyurl.com/a6ul5
アマゾン「オールタイムベスト ビジネス書100」のマーケティン
グ・セールス分野で 唯 一 の 日 本 人 著 者として選ばれた本です
http://ow.ly/Cd7Hc
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆年末年始特別号!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2月に入っても続く「年末年始特別号」!
年末年始恒例の「特別号」は、お馴染みのこの2人。
我らがヒロイン「売多真子」(うれた・まこ)と、真子の親戚にして
そのメンター「売多勝」(うれた・まさる)の珍道中(?)。
・売多真子:イタリアンレストラン 「そーれ・しちりあーの」社長
・売多勝 :真子の親戚・幼なじみでマーケティングコンサルタント
2人は拙著の登場人物です。お読みいただいているとは思いますが、
念のためご紹介いたします。2冊とも、小さくて軽いので荷物になら
ず、帰省の電車などでお読みいただくのにオススメです!
○「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
http://ow.ly/89pSR
売多真子が、勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
マーケティングの最初の1冊としてオススメ。
○「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
http://ow.ly/6s63d
上の本の続編。真子が社長になり、ライバルと戦っていく! 戦略構
築から実行プロセスまで、社長の視点を物語で体感!
●今回の特集は「価値提案」!
マーケティングの本丸というか、ビジネスの中核とすら言える「価値
提案」。意外なことに、今までこの特集はしてきませんでした。
例年通り、このシリーズがどれくらい続くかは、2人の活躍次第。現
時点ではわかりません。
ビジネスの中核「価値提案」とは? この特集は、肩の力を抜いてお
楽しみください!
●ここまでのあらすじ
売多真子と勝は、売多一族の年末大集会に参加。親戚一同で大騒ぎし
た後、2人は初詣に行き、近くのカフェにより、勝の講義が続く。
この物語の中では、「今」は1月1日の夜です。
今回は、連載11回目です。1回目はこちらからどうぞ↓
http://archive.mag2.com/0000111700/20141230034000000.html
「次の記事」というところをクリックすると、その次に進めます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆まずは前号の復習から!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1月1日の夜。売多真子と勝は、親戚一同で泊まっている旅館で夕食
を終え、ロビーで講義を続ける。
勝が1人でロビーのソファに座り、膝の上に置いたノートパソコンの
モニタに集中している。
勝の死角からそっと真子が忍び寄り、勝の頬によく冷えた缶ジュース
をぴた、と当てる。
「うわあああ」
ロビーに響き渡る声を勝がはき出す。回りの注目が勝に集まる。真子
が勝の隣にぽふ、と座る。
「勝さん、大声出さないでよ……もー、恥ずかしーなー」
「誰のせーだよ! オマエ、そーゆーの、マジやめろ!」
「きゃはは、そんなに驚いてくれるなんて、う、れ、し、い、な♪」
「ふ、ざ、け、る、な。あのな、人が集中を乱されると……」
「そ、そんな怒らないでよ。古典的ラブコメによくある手じゃん」
「ラブコメの相手が今一体どこにいるんだ? え?」
「わかったからもーいーじゃん。ほら、勝さんの水も買って来たよ」
「……ありがと」
真子が缶ジュースをぷしゅ、と開けると、炭酸の泡が吹き出る。真子
の手を伝ってこぼれていく。
「わ、わ、や、やだ……」
「な、何やってんだ、パソコンにかけんなよ」
「えー、パソコンより真子の心配してよー」
「どう考えたって真子よりパソコンの方が大事だ。あーあ……」
勝がパソコンのモニタにこぼれた泡をティッシュで拭く。真子も服に
ついた泡をハンカチで拭き取る。
「まだモニタで良かった。キーボードにかかったら大惨事だったぞ」
「ごめんなさーい」
「とにかく続けるぞ」
「はーい」
真子:じゃあ復習から。今習ってるのは「価値提案」。価値は使い方
に表れる。使い方はTPO、Time、Place、Occasion。
勝 :それで?
真子:今はTPOのO、Occasion。「場合」とか「状況」。
それによってニーズが変わる。
勝 :具体的には?
真子:その商品の「回りにあるもの」であり「対象物」。カバンの場
合なら「周りにある」のは服で、対象物は「入れるもの」。
勝 :そうだよな。それによってニーズが変わる。
真子:なんと、大きなモノを入れるなら大きなバッグになる! きゃ
ははは。当たり前なんだけど、盲点になりがち。
勝 :あとは?
真子:ビデオカメラの「対象物」は「被写体」。普通のカメラだと自
分撮りがしにくいから、それ用には広角レンズにする。
勝 :「自分撮り」っていう「場合」に合わせた製品を開発したわけ
だな。
真子:あと、スピーカー。スピーカーの対象物は「聴くモノ」「つな
げるもの」。スマホをつなげると、音源の幅が広がる!
勝 :それ専用の商品も作れるよな。
真子:ね、ね、そー考えると、商品開発のネタなんかいっくらでもあ
るんだね!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆TPOのO:「対象物」 ビールの対象物は?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
勝 :じゃあ続けよう。高級ビールの「対象物」は?
真子:んーと……高級焼き肉、かな? スキヤキとか?
勝 :発想としてはそれでOK。自分で飲む場合は、な。
真子:自分で飲む以外の使い方なんてあるの?
勝 :あるだろ。「高級」ビールだぞ、発泡酒じゃ無くて。
真子:何かな……?? 料理に使う、じゃないよね? スポーツで優
勝したときにみんなで掛け合うとか……ビールかけってヤツ?
勝 :それこそ高級ビールじゃなくてもいいだろ。
勝がノートパソコンを膝の上で操作し、真子に向ける。
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
◇『ビール大手が中元商戦に向け高級ビールを相次ぎ発売する』『昨
年の中元商戦ではアサヒビールが「ドライプレミアム」をギフト専
用で発売して話題を集めた。ビールギフト全体に占める高級ビール
の比率は5割を超えたとみられ、キリンが本格参戦する今年はこの
流れがさらに加速しそうだ』
2014/04/15 日本経済新聞 朝刊 P.13
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
真子:あ! ギフト需要かあ……高級ビールなら、お中元・お歳暮は
ありだね。あげる相手、っていうことか。
勝 :そう、だから「回りにあるもの」じゃなくて「対象物」って言
ったわけ。対象「物」じゃないけどさ。
真子:自分で飲む、以外の使い方があればその分売上が上がるってい
うことだよね?
勝 :もちろんそうなんだけど、お中元用のビールはどこで買う?
真子:デパートのお中元売り場?
勝 :だろ? 「売り場」が広がるんだよ。競合も広がるけどな。
真子:あー! 確かにギフト市場は違う「戦場」だあ! 飲み物なら
ワインとかが競合でも、ギフトだとお菓子とかが競合だ!
勝 :そうだよな。「ギフト需要を狙う」っていうのは、BtoCの
で使い方を広げるセオリーの1つ。
真子:自分用とギフト用じゃ、「使い方」が全然違うよね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆TPO O:「回りにあるもの」の制約要因を外そう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
勝 :TPOのOは「回りにあるもの」。逆に言えば、「回りにある
もの」が制約要因になる。
真子:あれ? 制約要因……ってどっかで聞いたような……
勝 :さっきやったばっかだろ。TPOのP、場所のところで。
真子:あ、あれ? そうだっけ?
真子がノートをめくっていく。
真子:あ、コードレス掃除機は「場所」っていう「制約要因」を外し
て、使う場所を広げた! これだ!
勝 :それそれ。Oでも同じ。制約要因を外してあげる。
真子:どういうこと?
勝 :真子、プリンタって持ってる? 家にあるか?
真子:もちろん。パソコンで作った資料とか印刷するし。
勝 :そうだよな。ってことは、パソコンがなければプリンタは使え
ないってことだよな。
真子:そりゃそーだよ、きゃははは。
勝 :だからそういう話なんだよ。これを読んでみて。
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
◇『年賀はがきの発売を控え、大手メーカーの年賀状印刷に向いた家
庭用インクジェットプリンターの新製品が出そろった。スマートフ
ォン(スマホ)で写真を撮る人が増えているのに対応し、今年はパ
ソコンを介さずにスマホから手軽に印刷できる機能が進化してい
る』
2014/10/29 日本経済新聞 朝刊 P.35
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
真子:へー、スマホからプリンタで印刷できるんだ……
勝 :「制約要因」っていう意味では?
真子:パソコンを持ってないと使えない、っていう「制約要因」を外
して、スマホでも使えるようにした!
勝 :そうそう。「つなぐもの」を増やしたんだよな。
真子:確かに、パソコン持ってない友達も結構いるね。スマホだけで
十分とか言って。
勝 :メールとネットくらいなら、スマホでいいよな。仕事用のパソ
コンは会社にあるだろうし。
真子:ってなっちゃうと、パソコンにつなぐものとしてのプリンタは
売れなくなっちゃうからだね。
勝 :そういうこと。
真子:でもさー、スマホから何を印刷するんだろうね……
勝 :いい質問だな。印刷する「対象物」がなければ、ニースがない
もんな。
真子:あのさー、スマホにも写真ってずっと入れておけないでしょ?
メモリーも結構すぐなくなるし。
勝 :だったら?
真子:だったら、スマホの中のいい写真を選んで、記念写真っぽくし
て残しておくとか、そーゆーのがいいかも。
勝 :スマホなら、画像の加工はパソコンよりむしろラクかもな。そ
ういうアプリとかあるみたいだし。
真子:あ、さっき2人の写真撮ったじゃん? 勝さんの顔がおっきー
ヤツ!* (*前号参照)
勝 :大きなお世話だ。それで?
真子:それにね、2015年お正月記念、はーと、とかって2人のメ
ッセージを書き込んで印刷すれば記念になるね!
勝 :発想としてはそういう発想だよな。
真子:やったー、じゃー後でやろうね、はーと。
勝 :やるとは言ってないだろ。発想がいいって言っただけだ。
真子:だーめ、やるのー。発言には責任を持ってくださーい!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ホテルの「対象物」 シティホテルですることは?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
勝 :じゃあ次。「シティホテル」の「対象物」は?
真子:それはさすがに「人」でしょ?
勝 :そりゃそうなんだけどさ。で?
真子:で? って?
勝 :だからホテルの「使い方」を考えた場合に、「対象物」は何だ
っていう話。
真子:えっと……泊まる、とか?
勝 :まあシティホテルだから、泊まって当たり前だわなあ……
真子:あ! 誰と泊まるか、とか?
勝 :いい線行ってる。単身、カップル、ファミリーとか、だな。で
も今言いたいのはそれじゃなくって……
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
◇『アールエヌティーホテルズ社長成田鉄政さん(トップの戦略)』
『外食大手のロイヤルホールディングス傘下のアールエヌティーホ
テルズ(東京・世田谷)が運営するビジネスホテル「リッチモンド
ホテル」は米系調査会社から7年連続で最優秀ホテルに選定される
など評価が高い』『(聞き手は日経MJ編集長 下原口徹)』
◇『「5年前と今では、お客様の客室での過ごし方が変わっていま
す。ビジネス利用でのお客様は以前は部屋に入ると椅子に座って、
ノートパソコンを広げたり、書類をめくったりしました。今はまず
ベッドに横たわり、タブレット端末やスマートフォン(スマホ)を
触ります。となるとベッドにはコンセントが最低2つは必要。客室
には充電器も要ります」』
◇『「当社はiPhone(アイフォーン)5、iPad(アイパッ
ド)、ネクサス7の各端末に対応した充電器を全室に常備。今夏に
は無線LAN(構内情報通信網)も全室に整備しました。最低でも
お客様の自宅と同じ条件、あるいは半歩先を考えた設備投資が求め
られます」「平日は8割がビジネス客。一度、うちのホテルに宿泊
された方は、ほかの都市に出張した際も備品が整備されていると考
えて、携帯の充電器は持って行きません。またお客様は匂いとホコ
リに敏感。このため加湿器付きの空気清浄機を全客室に置いていま
す。ブランドの軸をしっかり定めて備品・設備を整備できれば、競
合との差異化につながります」』
2013/10/28 日経MJ P.3
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
真子:リッチモンドって、勝さんのオフィスの近くにもあるよね?
勝 :あるな。入ったことあるけど、結構高級感あるぞ。
真子:ホテルですること、かあ……それが変わってるんだね。
勝 :オレは、ホテルに入ったらまずパソコンを立ち上げるけど、今
はスマホなんだな。
真子:きゃははは、勝さん「5年前」の人だー!
勝 :10年以上前からそうだけどな。だからホテル側で必要な設備
も変わる。コンセントを増やす必要があるし……
真子:スマホの充電器まで用意してくれてるんだ! 便利だね。
勝 :荷物が減る、っていうのは結構大きいベネフィットだよな。
真子:うん。でもさ、その「ホテルですること」がわからないから、
難しいって話じゃなかったっけ?
勝 :その通り。それがわからないから「TPO」を考えようって話
だな。
真子:だったら意味ないじゃん。「ホテルでやること」なんてどうせ
わかんないんだから。
勝 :そんなことないだろ。お客様に聞けばいい。
真子:そんなこと言ったら全てそーじゃん。
勝 :だから、「すること」を知るには、「対象物」を知ろうってい
う話だろうが。最初の質問に戻って、ホテルの「対象物」は?
真子:んーと……ホテルでやること?
勝 :なんでそこで戻すんだよ……それを知るためには、何が必要な
んだって話だぞ。
真子:うーん……過ごす時間?
勝 :いや、だからさ、ホテルですることが変わったんだろ?
真子:うん。パソコンからスマホ……あ! それだ!
勝 :そうそう。それにニーズが表れる
真子:そっか、「ホテルに持ってくるもの」が「対象物」なんだ!
勝 :そういうこと。オレはいつも携帯用エスプレッソマシンとか、
コーヒー道具持ってくるだろ? コーヒー豆とか。
真子:勝さん、携帯用の湯沸かし器まで持ってきてるよね。
勝 :あと携帯用浄水器とコップな。
真子:きゃははは、だからあんなに荷物が増えるんだ!
勝 :湯沸かしはたまに無い宿があるからな。ポットのぬるいお湯だ
け、とかさ。
真子:だから、コーヒーマシンがあるといいよね……あ! だから勝
さんが選ぶペンションにはエスプレッソマシンがあるんだ!
勝 :そういうこと。荷物が減るし。
真子:でもそんな人、そんなにたくさんいないでしょ? 顧客ターゲ
ットとしてどーなの?
勝 :だからそういう話。どんな人をターゲットにするか、は結局、
「部屋で何をするか」「何を部屋に持ち込むか」に表れる。
真子:なるほど!! 「誰か」じゃなくて「何をするか」にニーズが
表れるんだ! それで、それは「持ち物」に表れる!
勝 :前号で「カバン」の話をしたの、覚えてるよな?
真子:……あ! カバンの中身にニーズが表れる! ホテルの場合は
まさにそーなんだ!
勝 :オレ、旅行のときは、パジャマ持ってくるんだよな。今回も。
真子:あー、いつもそーだねー。でもさ、旅館に浴衣あるじゃん。
勝 :浴衣は寒くて眠れない。だからパジャマ貸してほしい。そうし
てくれるとホントにありがたい。パジャマかさばるし。
真子:ホントにもうこのオジサンは……
勝 :あと電子レンジ。部屋になくてもいいけど、ロビーとか共用ス
ペースにぜひ欲しい。弁当とか温めたい。
真子:な、なんで? コンビニで買って温めてもらえば?
勝 :それがさー、冬だと冷めるんだよ。持って帰ってくる間に。
真子:あれ? 勝さん猫舌じゃん。
勝 :だからすっごい冷めるってことだよ。あと、オレよくお弁当を
作って出張に持って行くからな。
真子:そーゆーところ、妙にマメだよね……って、作ってるヒマなん
かあるの?
勝 :ないよ。玄米に買って来たトンカツ載せるだけとか。カツサン
ドのご飯版みたいの。
真子:きゃははは、勝さん、トンカツ好きだねー! 玄米にトンカツ
って、健康なんだか不健康なんだか……
勝 :健康的に決まってるだろうが。とにかく作って来たお弁当を温
められたらいいだろ?
真子:今はどうしてんの?
勝 :弁当箱をビニール袋にくるんで、流しでお湯を貯めて湯せん。
冷たくはないけど、ホカホカにはならないな。
真子:うっわー、強引だぁ。電子レンジがあれば温かい飲み物もでき
るしね。
勝 :だろ? そういう自分が欲しい設備があれば、そのホテルを選
ぶよな?
真子:まーねー。
勝 :で、そういうニーズは何を持ってくるかで決まるだろ? パジ
ャマなのか、弁当なのか……
真子:あ、そこに戻ってくるんだ! 持ってくるものにニーズが表れ
る! お弁当持ってくる人は、電子レンジが欲しい!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆何を調べれば「使い方」がわかるのか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
勝 :そもそも、自社商品・サービスの使い方を知るために「何がわ
かれば使い方がわかるのか」というのを把握してるか、って話
真子:この場合は「ホテルでの過ごし方」を知るためには、「ホテル
に何を持ってくるか」ってことだよね?
勝 :そうそう。そこにニーズが表れる。逆に、「ニーズが表れるも
のは何か」っていうのを考える必要があるよな。
真子:あ、うん。カバンの場合はカバンに入れるもの、ビデオカメラ
なら被写体、ホテルなら持ってくるもの、とか
勝 :それがわかっていれば、調査がしやすくなる。カバンのニーズ
は何ですか、と言われても答えられないけど……
真子:カバンに入れるもの、であればカバンの中身を見せてもらえば
いい! 見せてもらえるかどうかは別にして……
勝 :ホテルの場合も、お客様に「旅行カバンの中身」を見せてもら
えれば、ニーズがわかるよな。少しやりにくい調査だけどさ。
真子:確かにちょっとやりにくい調査だね……カバンの中身見せてっ
て言われても、なかなか見せづらいよね。
勝 :だから、何に感心したかって、お客様のホテルの使い方を社長
がきちんと把握していること。これ、結構すごいことだぞ
真子:あ、ホント!
勝 :『お客様の自宅と同じ条件、あるいは半歩先を考えた設備投資
が求められます』なんてさらりとおっしゃってるけど……
真子:お客様が「自宅」で何やってるかがわからなければ、ホテルで
何をするかがわからない……
勝 :ということは、どんな打ち手を打てばいいのかもわからない、
っていうことだからな。
真子:ね、ね、お客様の使い方がわからなければ打ち手が打てない、
っていうことはさ、それがわかってれば差別化できるよね?
勝 :なんでそう思う?
真子:だって、お客様の使い方を知るのが難しいんでしょ? ってい
うことは、競合には難しいってことじゃないの?
勝 :そう! そうなんだよ。こういう「使い方の知識」っていうの
はそれだけで差別化につながる。
真子:お客様が欲しいものがわかれば、それを強化すればいいんだも
んね。だから、まずは「使い方」なのかあ……
勝 :そういうこと。
「ふう……」
真子が缶ジュースの炭酸飲料を口にする。
「炭酸が抜けちゃったぁ」
「そりゃそうだな。さっき派手にこぼしてたからな」
「きゃははは、そーだよね」
勝もミネラルウォーターのボトルのキャップを開けて一口水を飲む。
ふと回りを見ると、いつの間にか灯りが消された場所もあり、前より
少し暗くなっている。
回りの人影もだんだんまばらになって来ている。
「さすがに疲れたな……」
「なんかさー、朝からずっとこれやってる感じがするねー」
「っていうか実際これずっとやってるだろ……アタマがTPOになっ
てきたか?」
「あ、なってきたなってきた! きゃははは」
「よし、じゃあ今日のところはこれで終わり。部屋に戻るか」
「はーい」
荷物を片付け、立ち上がる2人。
「勝さん、お風呂入るの?」
「そうだな。入りたいな」
「じゃー一緒にお風呂に行こー!」
「一緒に行く意味がないだろ」
2人は楽しそうに語らないながら、客室へ向かうエレベーターに乗り
込んだ。
(次号に続きます)
★今日の「アタマに問いかけるべき適切な質問」
あなたの商品・サービスの「使い方を反映するもの」を把握していま
すか? 何を調べれば、使い方がわかりますか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆今日のまとめ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●商品・サービスの「回りにあるもの」「対象物」に使い方が表れ
る。何を調べれば「使い方」がわかるか、考えてみよう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま!を解除するには
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
売れたま!は、以下の3つの配信会社さんから配信されています。
こちらには読者様のアドレスはわかりません。配信会社さんをご確認
の上、以下から解除をご自身にてお手続き下さい
○まぐまぐ
http://www.mag2.com/m/0000111700.html
○melma!
http://www.melma.com/backnumber_92209/
○めろんぱん
http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=010361
ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。
**************************************************************
▼今日の日記▲
3日は節分ですね。こないだまでお正月だと思っていたら、いつの間
にか1か月たっていましたね……
一応我が家でも豆まきらしきことはしました。年の分だけマメを食べ
る、というのはもうさすがにできなくなりました。数が多くて途中で
わからなくなりますし、そもそもそんなにマメを食べられないとい
う……変なところで年を感じてしまいました。
今は、豆まきよりも恵方巻き、という感じになってしまいました。豆
の単価は100円・200円ですが、恵方巻きの単価はその数倍〜十
倍ですから、そちらに販促の重心がいくのはある意味で自然です。
節分が終わると、というか、もう街は既にバレンタインモード。
既婚者にバレンタインはあまり関係ないと言えばないのですが、それ
でも、チョコレートの品揃えが一気に増えるという楽しみはあります
よね。普段は見かけないトリュフチョコレートがあったので早速買っ
てみたら、とろけるようなおいしさ。エスプレッソによく合う甘さ。
小売りの店頭は常に季節の販促ですが、それを楽しむのもまた、楽し
いですね。
●今日のiPod Tune:節分の歌!?
節分! ということで節分の歌! と行きたいところですが、思いつ
かなかったのでちょっとひねってみました。
鬼は外、福は内! ですから、そこから。まずは「鬼」。
「鬼」というか、悪魔ですが……
○やさしい悪魔 by キャンディーズ
1977年リリース、キャンディーズ13曲目にして代表曲の1つと
なった大ヒット曲。この曲で紅白にも出ています。
かなり難しい歌で、私はまだ子どもでしたが、「これは歌えない」と
思ったことを記憶しています。歌詞としてもメロディとしても、やっ
ぱりムリでしたね……
こんなカワイイ悪魔たちなら、「外」どころか「内」にいて欲しいも
のです♪
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓<免責事項等>〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●紹介した会社の各商標は各会社の登録商標です。紹介した会社・商
品等は、例であり、戦略や商品の良し悪しの評価ではありません。
●無断転載は禁じますが企画や会議のネタにぜひどうぞ。全文転送な
ら構いませんので、部下・上司・同僚など周囲の方にもお勧めを!
●メルマガの内容の実行は、読者さんの責任でお願いします。
●自社の売上向上のために使うのは歓迎ですが、このメルマガの内容
の販売・コンサルティングへの利用で利益を得る行為は禁じます。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓<発行者情報>〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●発行者:佐藤義典 ●発行頻度:月・木の週2回目標
●感想、質問、実行の結果などは
uretama@mpara.com へどうぞ!
●
http://www.mpara.com(マーケティングパラダイス)
マーケティングパラダイスはエルパラ(
www.Lpara.com)傘下サイト
●購読の登録・解除はまぐまぐ、メルマ!、Macky! の各サイトか、
http://www.mpara.com/mag.htm (マーケティングパラダイス)で
●バックナンバー抜粋
http://www.mpara.com/backno.htm
マーケティングコンサルティング・研修・セミナーは
ストラテジー&タクティクス株式会社へ
http://www.sandt.co.jp/index.htm
Copyright 2003-2013 Yoshinori Sato
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま!提携メルマガ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
以下は、売れたま!独自の基準で厳選している提携メルマガです。
●小笠原昭治の マーケティング&ストローク
http://www.mag2.com/m/0000111010.html
お奨め書 「売りこむな!期待をくすぐれ!!」
http://tinyurl.com/4vyk4
●エンジニアがビジネス書を斬る!
http://www.mag2.com/m/0000132223.html
●後悔しないための読書【ビジネス書の本格的書評】
http://www.mag2.com/m/0000125885.html
●行列のできるお店のためのマーケティング戦略(休刊中)
http://www.mag2.com/m/0000122871.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま!発行者 佐藤義典 の本 : 合わせて読めば最強!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●最新刊! 戦略BASiCSの現時点での集大成にして最高峰
経営のすべてを顧客視点で貫く<社長の最強武器>戦略BASiCS
佐藤義典著 日本経営合理化協会
http://sandt.co.jp/basicsbook.htm
─────────< 経営戦略の最高峰 >──────────
●「経営戦略立案シナリオ」 佐藤義典 著 かんき出版
経営戦略のガイドブック:経営者は必読!
http://www.sandt.co.jp/scenario.htm
●「売れる数字 〜組織を動かすマーケティング〜」
佐藤義典著 朝日新聞出版
戦略を実行に落とし込み、組織を動かそう!
http://ow.ly/32zKP
──────< 物語でわかるマーケティング >────────
●「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
マーケティング入門:読みやすい小説
http://ow.ly/qBY9o
●「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
上の本の続編。主人公が社長になり、戦略構築から実行プロセスま
で物語で体感!
http://ow.ly/6s63d
●「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm
─────< マーケティング戦略のベストセラー >──────
●「図解 実戦マーケティング戦略」 佐藤義典 著
マーケティング戦略入門:戦略はここから
日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/jissen.htm
●「事例でわかる 実戦BtoBマーケティング」 佐藤義典著
BtoBマーケティング戦略の標準テキスト
日本能率協会マネジメントセンター
http://ow.ly/7Wvdq
●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/check.htm
●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
http://www.sandt.co.jp/kotowaza.htm
────────< マーケティングの思考法 >────────
●「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
日本能率協会マネジメントセンター
右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
http://www.sandt.co.jp/shiko.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆次号予告:年末年始特別号! その12
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●次号は、TPOの3つを絡めていきます。まだまだ続きます!
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!
▼彼氏・彼女・家族との、知的な話題づくりに!
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!
売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……
〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒
http://archive.mag2.com/0000111700/index.html