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■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.207 2011/07/28
購読者:25,290 (まぐまぐ:16,346 メルマ!:907 めろんぱん:8,037)
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■■■■■■■__達人マーケターへの道 5__■■■■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●上級者は、「お客様のナマの言葉」を自在に使いこなせる。お客様
と話して、お客様を観察して、お客様の言葉を身につけよう!
┃売れたま!は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま!
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◆復習:達人マーケターへの道
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●達人マーケターへの長い道のり
独断と偏見に満ちた、マーケター成長の道のり!
やけに好評なので(感動しました、というようなメールまでいただき
まして、ありがとうございます)、調子に乗って続けます。
達人マーケターになるまでには、段階を踏みます。この「段階」が、
順序よく進むとは限りませんし、全員の方にあてはまるとも限りませ
ん。あくまでも限られた私の経験と察に基づく「独断と偏見」で、異
論もあるでしょう。また、自分が「達人マーケターだ」と言うつもり
もありません。
「何だ!? オレは初級者だっていうのか!?」と、お怒りになられ
ても、正直責任は持てません……(初級者は、世間的には相当有能な
レベルです)。
「まあそういう見方もあるよね」と笑って受け流せる方は、ぜひお読
みいただければと思います。
●入門者:作りたい物を作り、売りたい物を売る
このレベルは「お客さま視点」という概念が抜けています。もしくは
意識はあるにしても、あまり実践できていません。
「こんなの作ろうぜ。『オレは』売れると思うよ」という開発担当
「安くしますので、買ってください!」 という営業担当
「これ仕入れたけど、誰に売ろうか?」という仕入担当
「この広告のコピー、オレは好きだよ」というコピーライター
「この商品の性能はすごい!」という商品カタログ
「このフラッシュ、カッコイイ! 重くて見づらいけど」というHP
というレベルです。
全体の6〜7割の方はこのレベルです。
●初級マーケター:「自分がお客様だとして」のお客様視点
マーケターと呼べるのはここからです。お客様視点があり、入門者と
比べると、遥かに上です。営業でもマーケティングでも開発でも「成
功者」の部類に入り、職場でも、指導者・リーダー的な存在です。
ただ、
○自分が欲しいモノ=お客様が欲しいモノ
という前提を無意識のうちにおくため、判断基準が「オレ」もしくは
「自分のアタマの中にいる幻想の顧客像」になってしまいます。
全体の2〜3割程度の方がこのレベルです。
●中級マーケター
ここからは「一流マーケター」です。カリスマヒットメーカー、伝説
の営業マン、と呼ばれるような方々です。本当の意味で「お客様のニ
ーズに応える」のがこのレベルです。
このレベルの方々は、
○お客様視点で考えたい。でも、どんなに頑張ってもしょせん自分は
お客様にはなれない
と悩み抜き、
○お客様に聞かないと、お客様を見ないとわからない
という「開き直りの境地」にたどり着きます。そこで、仮説を立て、
お客様に確認し、仮説を修正し……というサイクルを数千回と繰り返
して、「一流」になっていくわけですね。
全体の数%(あるいはそれ以下)の方がこのレベルです。
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◆上級マーケター
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●上級マーケターとはどんな人か?
今回からはいよいよ「上級マーケター」です。
「上級」はもはや「天才」と呼ばれる領域です。実際に「天才」なの
ではなく努力の賜なのですが、初級・中級の方から見ると「雲の上の
存在」です。すさまじく難しいことをカンタンにやってのけるので、
入門レベルだとそのすごさがわからないこともあるでしょう。
「万能」ではありませんが、マーケターとして理想的なスキル・態度
の多くを兼ね備えている存在です。
が、初級や中級の方でも、上級マーケターのスキル・考え方の一部は
「それ、自分でもやってる」というものがあるはずです。
人には誰でも得手不得手があります。仮に初級レベルだったとしても
その考え方・スキルに対しては、上級レベルに達しているので、自分
の「強み」として大切に伸ばしていくといいと思います。
恐らく、日本には数千人いるように思います。
数千〜数万人に1人という存在ですので、上級マーケターに職場で直
接教えを受けられる機会は、皆無と言っていいでしょう。
当然、職場の職位が上なら「上級」とも限りません。課長〜部長クラ
スにも存在するように思います。
なお、今までもそうでしたが、上級マーケター編は特に「属人的・感
覚的」になってくるため、個人差が多く、絶対的でもありません。必
ずしも正しいとも言い切れません。
そのあたりをご理解いただいた上でお読みいただければと思います。
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◆上級マーケター:お客様の「言語」を使いこなせる
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●お客様の言葉を自在に使いこなす上級マーケター
では、上級マーケターの特徴、最初ですね。
上級マーケターに限りませんが、マーケターのレベルの判断基準の1
つが
「お客様の言葉の使いこなし」
です。
「売り手」が、売り手の言葉を使いこなすのは当たり前ですが、買い
手であるお客様の言葉を使うのは、実は非常に難しいです。
できそうだと思っても、普通の人はまずできないでしょう。
「売り手が考えるお客様の言葉」
になってしまうんですよ。
上級ともなると、「お客様が使うお客様の言葉」を自由に使いこなし
ます。
例えば、子供がおもちゃを買うときに、その子供は「喜びの言葉」を
どう表現するでしょうか?
「他人に見せる社会的優越感を得られる」
というような言葉は、まず絶対に使いませんよね。
例えば、
「保育園で○○くんに見せるんだ♪」
みたいな言葉かもしれません。
例えば、年配の方がアンチエイジングの化粧品を買うときの喜びの言
葉は、
「アンチエイジングできた」
ではありませんよね。
「60才っていうと、みんなに驚かれるのよ〜」
みたいな言葉かもしれません。
これ、「当たり前だ」と思われるかもしれませんが、実際にやってみ
ると、できる方は本当に少ないですよ。
上級ともなると、言葉はもちろん、モノマネみたいなことまでやって
のけます。
渋谷で遊んでいる女子高生であれば、
「え〜まじで〜 ぎゃはは ちょーうけるんだ〜けどぉ」
巣鴨で休んでいる年配女性であれば
「どっこらせっと……くたびれたねぇ」
と、その方々が使う言葉を使い、話しているように演劇ができたりし
ます。
演技力のうまいヘタはあれど、アタマの中に映像として浮かび上がら
せることはできるでしょう。
「くたびれた」「こしらえる」などという言葉は、60代より上の方
が使う言葉ですね。それより下だと「疲れた」「作る」という言葉に
なります(古き良き日本語が失われつつあるとかそういう話は横にお
きます)。「マジで」は40代以下、「ガチで」だと、20代以下に
なるように思います。
上級マーケターは、そういう「人の言葉遣い」に非常に敏感です。
それは……
人となり・ニーズは言葉遣いに表れる
人となり・ニーズは言葉遣いに表れる
人となり・ニーズは言葉遣いに表れる
ことを知っているからです。上級マーケターは人間の思考は「言語」
「語彙」によって制約を受けることを意識的・無意識的に知ってい
ます。
要は、「言葉遣い」というのは、セグメンテーションの極めて重要な
切り口の1つなんですよね。私は勝手にWording Segmentationと呼ん
でおり、テキストマイニングと絡めて、最近の研究課題の1つだった
りします。
●言葉を使える=わかっている
「語彙の豊富さ」と「理解度」「感受性」の相関性は高いと考えられ
ます。
例えば、雪が降ったときに、「雪面」(水面と同じく、積もった雪の
表面のことです)の状態を表す言葉、というのは、日常語にはありま
せんよね。せいぜい「積もった雪」とか「凍って滑る雪」くらいでし
ょうか。
しかし、スキーヤーは、
・アイスバーン
・ザラメ
・クラスト
・パックトパウダー
・軽い新雪、重い新雪
などなど、「雪面状態」を表す「言葉」をたくさん持っています。
「今日の雪は滑らない」みたいな、妙な表現を使っても、それで意味
が通じるんですよね。
もちろん、言葉を知っているだけではなく、その「雪面の状態」によ
って滑り方を変えるわけです(私がそれをできるとは言ってません。
スキーのうまい人はできる、と言ってるだけです)。
逆に、それに対応できるスキルがないのであれば、雪面状態がわかっ
ても何の意味もありません。
同様に、おそらくソムリエは「ワインのおいしさ」を色々な言葉で表
現できるでしょう(私にはできませんが)。
コーヒーマニアは、コーヒーの焙煎を依頼するとき、「イタリアンロ
ーストの手前で止めて」みたいな感じの表現をするでしょう。それは
自分の好みをピンポイントでわかっているからです(私はもっと浅い
方が好みですが)
何が言いたいかというと、「言葉を持っている」ということは、「よ
くわかっている」ということなんです。
つまり、
「お客様の言葉を使いこなせる」
ということは
「お客様のことをよくわかっている」
ということなんですよ。
そして、うまいスキーヤーは雪面に合わせて滑り方を変えるように、
上級マーケターはお客様の使う言葉に合わせて、自分の使う言葉や対
応も変えていけるわけです。
さらに言うと、上級者なら、「お客様はそのような言葉を使わない」
と言い切ることもできます。
「使わない」と言い切れるのは、知り尽くしているからです。
英語の場合でも、「英語でそんな言い方はしない」と言い切ることが
できるのは、よっぽどの上級者ですよね。
「タクシー呼んでください」 を 英語で、
Call me Taxi !
と訳す、みたいな「ギャグ」があります。これがなぜギャグか、とい
うと、これはSVOCです。「私にタクシーを」ではなく「私をタク
シーと」呼んでください」という意味になります。すると、次からこ
の人は「よう、タクシーくん」と呼ばれる、という「ギャグ」です。
ですので、Call me Taxi という言い方は「しません」(自分の名前
が本当にTaxiであれば別ですけど)。これは、英語の文法を理解して
いれば、そう言い切れます。
話をマーケティングに戻すと、上級者は、「お客様の文法」(=思考
方法、使う言葉)を理解しているわけです。
「お客様の使う言葉」を、レベル別に表現すると、このような感じに
なるでしょう。
入門: 製品の性能・カタログの言葉など「売り手の言葉」を使う
初級: 「自分がお客様として」のお客様の言葉を使える
中級: お客様によって使う言葉を変えられる
上級: お客様の言葉を、お客様が話すように使える
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◆上級マーケター:アタマにお客様のCPUを持つ
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●上級者はアタマにお客様のCPUを持って、「高速翻訳」を行う
CPUとは、パソコンの中核部品で、パソコンの「頭脳」みたいなも
のとお考えください。
上級者は、アタマの中で2つのCPUを同時に使っています。
まずは、当然自分の使っているいつものCPUです。
そして、同時に、「それはお客様にとってどうなんだ」という、「お
客様の頭脳」のCPUも持っています。お客様の思考方法のシミュレ
ーションができるので、可能なワザですね。
で、この2つのCPUを同時に動かしているんです。
そして、常に「お客様のCPU」が、「自分のCPU」にチェックを
かけるわけです。
「おい、それはお客様にとってはどうでもいいことだぞ」
「ほら、その表現はお客様にはわからないぞ」
と、ヨコから介入してくるわけです。
私は同時通訳ができるほど英語はうまくありませんが、外国語として
の英語を話すときと同じですね。
若干余談ですが、よく「英語で考える」などと言いますよね。が、私
はそんなことは、ネイティブや帰国子女でない人間には効率が悪すぎ
ると思っています。
私はTOEIC975点で、日本人としては結構高い方でしょう。し
かし、それでも、「英語で考える」なんていうのは、私にはできませ
ん。
やってみればわかりますが、
3×2
という計算を、「日本語→英訳」 vs 「英語だけで考える」で、
対決させてみましょう。どちらがラクでしょうか?
日本語で「さんかけるにはろく、それを英語にして six!」
というほうが、
英語で" 3 multiplied by 2 is 6 !"
というより、早いに決まっています。たったこれだけのかけ算でもそ
うなんですから、戦略BASiCSを考える、みたいなことを英語で
考える、というのは無茶です。少なくとも非効率です。
ネイティブとか帰国子女は別ですよ。外国語として英語を使う場合は
ということですよ。
ではどうすれば良いかというと、外国語として英語を使うコツは……
アタマの中で「超高速変換」をするんです。
複雑な思考は日本語で考えます。そして同時に別の「英訳」CPUを
動かして、日本語の思考を瞬時に翻訳していくわけです。日本語思考
用のCPUと英語翻訳用のCPUを2つ同時に動かすんです。
で……ここは人によって個人差があると思いますので、異論はあるで
しょうが、私はマーケティングの場合も同じ感覚のように思います。
翻訳するものが「英語」か「お客様の言葉」かという違いなだけなん
ですよね。
変な話、「英語」も「お客様の言葉」も、「自分が日常的に使う言語
とは違う」という意味では共通します。
「お客様の言葉が自分の言語ではない」という意味は、「自分はお客
様にはなれない」からです。
ですから、上級マーケターは、「高い言語操作能力」を持っている、
ということになります。
残念ながら、この「言語操作能力」には、ある程度の(ある程度の、
ですよ)才能のようなものがあるようです。要は英語の得意不得意と
同じようなものです。人には得手不得手があるので、それはしょうが
ないことです。
すると、普通の方には……「そんなのムリだよ」ということになりま
すよね?
でも、「同時通訳」をする必要はありません。実務において、瞬時に
変換をする必要は、接客業・営業を除き、それほどありません。
(優秀なウェイターや営業は、目の前のお客様に合わせて使う言葉を
変えるくらいの作業は瞬時に、そして恐らくは無意識にやっているは
ずです)。
・自分の思考CPU
・お客様思考CPU
を「同時」に動かすのは、「離れ業」に近いですが、「交互に」動か
すのであれば、誰でもできます。誰でも、です。繰り返します。誰で
もできます。誰でも、です。誰でも、ですよ。
自分の言葉を、お客様の言葉に「翻訳する」という作業を丁寧に時間
をかけて行えばいいだけです。
「おい、それはお客様にとってはどうでもいいことだぞ」
「ほら、その表現はお客様にはわからないぞ」
という、別のCPUを働かせる時間をとって、チェックを丁寧にかけ
ていくわけです。
英語の練習を続けると、そのうち、「翻訳」をしなくても使える語彙
や文が増えて来ます。
極端な話、"Hi, how're you doin?" というのは別に翻訳しなくても
使えますよね? これは、この文が「自分が日常使う言語」の中に入
ってきたということです。
英語の練習を続けると、そのような「語彙」「文」が増えてくるので
わざわざ「翻訳」という作業をしなくてよくなります(恐らく、これ
をもって「英語で考える」ということを言っているのかな、と思いま
す)。
マーケティングの場合も同じで、「お客様が使う表現」が、自分の語
彙の中に「入ってくる」んですね。
上級マーケターは、そういう「語彙」が非常に多い、ということだと
思います。
だから、「お客様の言葉」への「翻訳」をかけなくても、「天才」で
あるかのようにお客様の言葉が使える、ということです。
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◆お客様の「言語」を使いこなすための訓練方法
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上級マーケター編は、「天才」の領域に入ってきます。すると、入門
や初級の方には、
「自分にはとてもムリだ」
みたいな感覚を持たれてしまいそうです……
が、そんなことないですよ。その一部はできるはずです。
そもそも生まれつきの上級マーケターなんかいないわけで、何らかの
「訓練」を通じて成長してきたわけです。
ですから、なるべく「それに近づけるようになるための訓練方法」も
載せていくようにします。
●つぶやきイメージ、動画イメージを蓄積していく。
上級者が使いこなす「お客様の言葉」は、「単なる妄想」ではありま
せん。根拠があるわけです。
その「根拠」は……
「お客様の言葉の蓄積」
です。
多くのお客様と話し、多くのお客様を観察することで、パターン認識
ができるようになっているわけです。
ですから、バッグを買っている女性を見て、
「お客様は「私は優越感を得るためにこの商品を買っている」なんて
いう言葉遣いはしない」
と言い切れるわけです。
「そうじゃなくて、お客様は「友達に、それカワイイねってほめられ
たの♪」 みたいな言葉を使うはずだ」
と言うわけですね。
それは、お客様と話したり、お客様を「観察」していればわかるはず
です。
「ナマっぽい」(=お客様が本当に使う)表現が何か、というのをそ
れまでの蓄積からわかっているわけです。
逆に言えば、知らないお客様については、上級マーケターだってわか
りません。わかっているのは、「お客様を知らないのなら、話す、観
察する必要がある」ということだけです。
「自分はお客様になれない」という、悩み抜いた末の開き直りの元、
「自分の感覚を相対化して、お客様の好みと合わせる」という作業を
繰り返していくと……
「そうか、お客様はこういう感覚を、こういう言葉で表現するんだ」
「お客様は、こういうときにこういう行動を取るんだ」
という、お客様の観察結果や、使う言葉が蓄積されていきます。
「実戦マーケティング思考」*で言うところの「つぶやきイメージ」
や「動画イメージ」が蓄積されていくんですね。
*「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
http://www.sandt.co.jp/shiko.htm
この本は、上級マーケターになるためのスキルをかなり網羅的にカ
バーしていますので、オススメです。
このような、観察結果を蓄積していくことにより、お客様の「思考プ
ロセス」を体感できるようになります。
それが2つめのCPUである「お客様思考CPU」になっていくわけ
です。
例えば若いマーケターが年配者向けの商品開発するとき、
「自分はお年寄りにはなれない、という事実を受け止める。その上で
どこまで近づけるか」
という発想をするわけです。
そして、「所詮お客様にはなれない」とわかっているので、
・聞いてみる
・観察してみる
という行動を取ります。
聞いてわかる場合は聞きますし、聞いてもわからない場合は、観察し
ます。すると「こしらえる」という、若い世代の言葉には出てこない
言葉を使っていることがわかりますよね。
「達人マーケターへの道 2」で、マルエツが拘束器具をつけて、高
齢者の感覚を体験する、という例を紹介しましたが、そこまでやった
りもします。
マーケティングのうまいメーカーだと、「ユーザーの利用場面調査」
などというのは普通にしますよね。
洗剤メーカーなら、実際にお客様がいつどこで何をどう洗濯するのか
をお客様に「尋ねる」のではなく、お客様が実際に洗濯している場面
を「観察する」んです。
なぜ「尋ねる」のではなく「観察する」のかというと「お客様はウソ
をつく」からです。悪意のウソではありません。お客様は、自分でも
自分のニーズに気づいていないんですよ。
ですから、状況が許すのであれば、「尋ねる」より「観察する」のが
いい、ということを上級マーケターはわかっています。
洗濯の場面を観察してみると、仕事がある人は
・夜に洗うから、外に出せない(日が照ってない)
・面倒だから洗濯カゴなんか使わずに洗濯機に下着を投げ込む
とか、
エコ意識のある人は
・残り湯を洗面器ですくって洗濯機に入れる
みたいな、観察しないとわかりづらいことがわかります。
陰干し用の洗剤、というのは最近のヒット商品ですが、消費者がこの
ような洗濯の仕方をするのは、そのずっと前からだと思われます。そ
のニーズが掘り起こせていなかったんですね。
お客様には当たり前のことが、売り手にはわからないんですよ。
お客様に「尋ねる」のは中級です(もちろん、制約があって、そうす
ることしかできない場合は別です)。
上級マーケターは、
「価値は使い方に表れる」
ということがわかっているので、「利用の現場」を「観察する」わけ
です。
お客様(候補)が回りにいないから話せない、観察できない、という
場合は、「お客様が読む雑誌を読む」ことは1つの訓練方法です。
私は、どうしても「女性」の感覚がつかめなかったので(別に今はつ
かめてるとは言いません)、一時期、色々な女性誌を読みあさってま
した。そのときの私は、「初級」レベルでした。
「読者投稿欄」とか「相談コーナー」なんかが充実しているような雑
誌がいいですね。わりと「お下品」な雑誌の方が、極端なカタチでの
「お客様が使う言葉」が載ってます。最初に読んだときは、「うわあ
こんなこと考えてるのか……」と結構衝撃でした。
それで、「こりゃダメだ。自分は女性の立場になんか立てるはずがな
い」という開き直りを得て、「じゃあどうしよう」と中級への道を歩
み始めたように思います。
BtoBの場合でも、例えば建設業界がお客様なら、建設業界の雑誌
や業界紙を読むくらいのことはしますよね(というか、しないとダメ
だと思います)。
すると「お客様の使う言葉」という意味での「共通言語」ができます
よね。その言葉をお客様と話すときに使ってみたりして、また言葉を
蓄積していけばいいわけです。
英語でも、そもそも語彙がなければ話せないのと同じで「お客様の使
う言葉」がわからなければ、お客様のニーズもわからない、というこ
とかと思います。
ということで、達人への道、
○お客様の使う言葉を知ろう!
○お客様の使う言葉遣いで話せるようになろう!
ですね。
これは、「突然覚醒する」ようなものではなく、地道に増やしていく
しかありません。
ですから、上級マーケターは突然生まれないんです。自らを育ててい
くんです。
このシリーズ、長くなりそうです……
上級マーケター編もまだ続きますし、「その上」もありますから……
でも、「マーケターの資質」というのは誰かが定義しておいが方がよ
いと思いますし、それは私の役割のような気がしますので、頑張って
いきたいと思います。
ということで、もうしばらくおつきあいくださいね!
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◆今日のまとめ
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●お客様と話し、お客様を観察して、お客様の語彙・言葉遣いを自在
に使えるようになろう! 少しずつでも増やしていこう!
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◆売れたま!を解除するには
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売れたま!は、以下の3つの配信会社さんから配信されています。
こちらには読者様のアドレスはわかりません。配信会社さんをご確認
の上、以下から解除をご自身にてお手続き下さい
○まぐまぐ
http://www.mag2.com/m/0000111700.html
○melma!
http://www.melma.com/backnumber_92209/
○めろんぱん
http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=010361
ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。
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▼今日の日記▲
お中元とかで乾麺をいただいたりすることありますよね。
おそばは好きですので、大変ありがたいのですが、おいしく茹でるの
がなかなか難しくて、いつも悩んでしまいます……
ということで、検索してみました。「乾麺のそばのおいしい茹で方」
か何かで検索をかけてみると……
なんと、茹でる前に水に5〜10分くらいつけておくと、そばをおい
しく茹でられるとのこと。直感的には「??」と思ったのですが、そ
ば屋さんのサイトで、「プロがそう言うなら……」と思ってやってみ
ました。
すると……見た目からして違います!
そば屋さんの、あのツヤに近い感じに……これは期待できそう……
ドキドキしながら食べてみると……
うまい!
確かにおいしいんですよ! そばの味自体が変わるわけではないので
すが、舌触りが明らかに違うんですね。気を付けたのは2つだけ。茹
でる前に水をつけることと、茹でる時間を、コマメにそばを味見しな
がら調整すること、だけ。
正直、ちょっと驚きました。ちょっと水につけるだけでこれだけ変わ
るとは……今までの人生で作って来た乾麺のそばって何だったのって
感じです(大げさですけど)。
麺をゆでるためのお湯をわかす時間に、そばを水につけておくだけ。
ちなみに、麦茶を入れる1Lのガラス瓶につけてました。
やっぱり、ちょっとした一工夫で、劇的に変わるものなんですね……
暑い季節のおそばが楽しみになりました。
●今日のiPod Tune:猛暑を楽しもう! 夏の歌2011
もう夏休み! 夏真っ盛り!
夏の歌2011です! 去年は、洋楽ばかりだったので、今年は和洋
乱れ撃ち!
連日の30度超えでしたが、この数字は、少し過ごしやすかったです
よね……でも今日くらいからまた熱帯夜みたいですね。今も相当暑い
です……
夏というと、やっぱり女性が輝く季節!
ということで、今日の1曲は……
○夏のヒロイン by 河合奈保子
1982年のヒットシングル。この曲で紅白にも出てるはずです。
河合さんというと、底抜けに明るい笑顔がはじける、すごくノリの良
い曲が多いですが、これもそのうちの1つ。
底抜けに元気で明るい曲ですね。これから来る将来は明るいモノだと
信じているような曲です。実際時代はバブル前期で、そういう時代で
した。当時は、こういう華やかで、元気な時代が永遠に続くものと思
っていたのですが、短かったですね……
とはいえ、我々が意気消沈していてもしょうがないので、この曲みた
いに底抜けに明るく夏をすごしましょう!
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マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
日本能率協会マネジメントセンター
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●「売れる会社のすごい仕組み」 佐藤義典著
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売れる戦略構築から実行プロセスまでを物語で体感!
http://www.sandt.co.jp/shikumi.htm
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◆次号予告:達人マーケターへの道 6
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●次も上級マーケター編です。えー……このシリーズ、しばらく続き
そうです。最初は長くても3〜4回だろうと思っていたんですが。
とは言え、有意義な特集だと思いますし、差別化されている内容だ
と思いますので、頑張ってまいります!
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!
▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!
売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……
〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
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