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■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
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━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.386(累計1262) 2015/09/24
購読者:33,483(まぐ:16,317 メルマ:955 めろん:14,355 自社:1,856)
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■■■__弱みで勝つ!15:城の工事を観光の目玉に__■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●「脅威」は「機会」。「ピンチ」を「チャンス」に変える方法を考
えよう!
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◆「大規模修理」を観光アピールに使うお城
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●「大規模修理」を観光アピールにする青森・弘前城
青森は弘前市の観光名所、弘前城が大規模修理に入ったとのこと。
大事な観光資源がなくなるから大変かと思いきや、むしろ……
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
◇『青森県弘前市の観光名所、弘前城の大規模修理が始まった。内堀
は既に埋められ、目玉の天守は6年間、別の場所に引っ越す。観光
には大きな痛手と思いきや、同市は修理を逆手に取った企画を次々
と仕掛け、今こそ稼ぎ時と意気が上がる』
◇『修理事業の今年最大の見ものが、重さ400トンの天守を解体せ
ず立ったまま移設する「曳家(ひきや)」だ。天守を持ち上げて地
面から浮かす8月16日の「地切」を皮切りに、10月末まで2カ
月半かけて約70メートル離れた仮置き場所まで移動させる』
◇『市は大型連休を含む9月20〜27日を「曳家ウイーク」とし、
市民や観光客に天守が乗る台を実際に引いてもらう体験イベントを
開く。100人ずつ毎日4回実施し、計3200人が参加する見通
し。参加者は一般公募するほか、旅行会社が曳家体験を組み込んだ
ツアーを販売する。期間中の20、21日は、曳家の様子を東京の
JR新宿駅東口広場に生中継し、東京でも仮想体験できるイベント
を開く』
◇『葛西憲之市長は「今の位置での天守が見られなくなるのは観光面
で大きなリスクだが、プラス思考で様々なPRを展開する。工事中
の今しかできない魅力的な企画を展開し、弘前市の認知度と誘客の
拡大を図りたい」と意気込みを語る』
2015/08/03 日経MJ P.9
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
工事の理由を弘前市のHPから抜粋しますと、石垣に崩落の危険があ
るからとのこと。前の工事から100年ほどたっており、再び石垣の
解体修理を行う必要があるそうです。天守閣が今の場所にあるとその
工事ができないために、天守閣を移動させる「曳家」(ひきや)とい
う工事が行われる、ということのようです。
(参考資料:弘前市HP
http://ow.ly/SC4ZL)
「曳家」とは、建築物を解体せずに他の場所へと移動させる工事、と
いうことのようです。引っ張るから曳家なんでしょうか……?
お城を引っ張って、70mも移動させるなんてすごいですよね!
確かに見てみたい感じがします。
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◆復習:弱みで勝つ!
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●あばたもえくぼ:弱みは強み、強みは弱み
拙著「白いネコは何をくれた」*の名文句(?)が「強みは弱み、弱
みは強み」です。
*「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm
一見「弱み」に分類されるものでも、やり方次第で「強み」に転化す
ることはできます。
「弱みで勝つ!」とは、このように一見弱みと分類されることを、強
みとして、ウリにしてしまおう、ということです。
●事実を強みとして「解釈」しよう!
そもそも、そんなに強みばっかりの会社・人はいません。
強み弱み分析のようなことをして、「うわ、うちは弱みばっかりだ」
と「諦めモード」に入ってしまったら最悪です。
そうではなく、
「事実を羅列し、これをどう強みとして使うか」
と考えるんです。
「事実」は「事実」です。弱みになるか、強みになるか、それは、使
い方次第、使う人次第です。
弱みを強みに転化し、弱みで勝つ!
これがしたたかで軽やかな経営者・マーケターの態度だと思います。
●弱みを強みに変える3ステップ
「弱み」を「強み」にするセオリーは、
ステップ1)「弱み」ではなく「事実」として客観的に羅列する
ステップ2)その「事実」が「強み」になるような「解釈」を探す
ステップ3)その「解釈」を受け入れていただける顧客に提案する
というステップになります。
つまり、「事実」を「これはいい」と評価してくれる方に対して、き
ちんと提案しようということです。
別に卑屈になって、ということでは全く無く、「これが強みです」と
堂々と提案するのです。それが「強み」になるお客様であれば、「確
かにそれが強みだ」とうなずいていただけるでしょう。
種明かしをしてしまえば、これはBASiCSにおいて、自社の強み
を提案するときのプロセスと何ら変わりはありません。少々の「意外
感」があるだけです。
「弱みで勝つ」とは、実はセオリー通りの戦略的な提案なのです。
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◆「城の修理」は「脅威」か「機会」か?
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●弘前城の修理は「脅威」? それとも「機会」?
「弱みを強みに」というロジックは、「機会」と「脅威」という考え
方にもそのままあてはまります。
一般的に「脅威」と言われるものでも、そのとらえ方・活用方法次第
でその「脅威」は「機会」になるのです。
美しい天守閣がなくなることは、弘前市にとっては、観光資源がなく
なるという「脅威」でしょう。
しかし、
「いつもは見られない希少価値のある風景が見られる」
と考えれば、むしろ「新たな観光資源」になります。
まして、石垣の修理は100年ぶりです。
「100年ぶりの修理」
であれば、むしろそれは「機会」になり得ます。
そして「100年ぶり」の修理であれば、それは話題になります。
いわゆる「ニュースバリュー」(ニュースとしての価値)が出てくる
わけです。
マスコミなどで配信されれば、そしてこうやって「ネタ」として取り
上げられれば、それは……
「認知拡大の絶好の機会」
になるのです。
「脅威」は、とらえ方、活用の仕方次第で「機会」になる(ことがあ
る)のです。
ちなみに、姫路城でも同様のことをしていたことは、2013年7月
25日号の「弱みで勝つ!8」で取り上げています。
売れたま!バックナンバー↓
http://uretama.com/?p=558
姫路市のサイト↓
http://www.city.himeji.lg.jp/s70/2845684/_11311/_17981.html
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◆「曳家」を「エンターテインメントショー」にした弘前市
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●「修理事業」を「観光資源」にする発想
弘前市は、この「修理事業」を徹底して「新たな観光資源」として育
てようとしているのがわかります。
・工事のスケジュールを市のHP*で告知している
*
http://ow.ly/SC4ZL
・東京・新宿駅東口広場に生中継し、認知を高める手段としている
など、意図的にやっていることがわかります。
特に、目玉である「曳家工事」は、
・秋の大型連休を「曳家ウィーク」とし、工事をそこに合わせている
と、わざわざ工事のスケジュールをシルバーウィークの連休に合わせ
ています。市のHPでは、「弘前城曳屋ウィーク」という名前までつ
けていることから、その真剣さがわかりますね。
この工事を観光の目玉にしているわけです。
●「参加型エンターテインメントショー」に発展させた
さらにすごいな、と思ったのは、最大の目玉である「曳家」という、
「引っ張る工事」を……
○「みんなで一緒に引っ張ろう! 引っ張りに来ませんか?」
という「参加型エンターテインメント」にした発想力です。
市のHPから引用します。
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
◇『最初は全く動く気配がなかった天守も、参加者の皆さんの力が揃
うと徐々に動き出し、無事に予定した15センチメートルの曳屋に成
功しました。本日は5回の曳屋を実施し、合計75センチメートルを曳
屋しました。
弘前市HP
http://ow.ly/SC4ZL
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
400tという超重量級の物体も、みんなで引っ張れば動くんです!
というような感動・驚きがあったんでしょうね。
「修理を観光資源にしよう」ということまでは思いついても、
「参加型エンターテインメントにしよう」
というところまで行くのは、かなりの発想のジャンプです。
しかも、民間企業ではなくて弘前市という「お役所」が、ですから、
ホント拍手を送りたいです。
「見る」のにわざわざ弘前まで行くのは抵抗があって、「自分でも引
っ張れる」のであれば、行く気が一気に高まりそうです。
まして、お子さんがいる家族であれば、一生の記念になるかもしれま
せんよね。
マーケティング的に分析すると、これは
「お客様を巻き込む」
という手法です。
マーケター顔負けの仕掛け、と言えますね。
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◆「脅威」を「機会」に変えよう、という心構え
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●ピンチをチャンスに変えた、弘前市の「心構え」
弘前城は、弘前市の重要な観光資源の1つです。
弘前城の修理は、やりたくてやっているわけではありません。石垣の
崩落を防ぐには石垣を修理しなければならない、そのためには天守閣
を移動しなければならない……
と、「やらなければいけない」からやっているわけです。
その間は、今の場所での天守閣は当然ありません。
当然、これは観光面では大きなマイナスになります。
嘆いて、怒って、状況が変わるのであれば嘆くという「打ち手」もあ
り得ます。
しかし、どんなに嘆いても、どんなに怒っても、状況は変わりませ
ん。
であれば、受け入れるしかありません。
困難な状況を受け入れた上で、「この状況だとしてどうする?」とい
う問いを自分に投げかけるしかないのです。
記事によれば……
『葛西憲之市長は「今の位置での天守が見られなくなるのは観光面で
大きなリスクだが、プラス思考で様々なPRを展開する。工事中の
今しかできない魅力的な企画を展開し、弘前市の認知度と誘客の拡
大を図りたい」と意気込みを語る』
とのこと。
まさにその困難な状況を受け入れた上で、「この状況だとしてどうす
る?」と考えたのでしょう。
これは、言うのはカンタンですが、実行するのはなかなかカンタンで
はありません。
平時であればそういう考え方ができても、困難な状況に陥ると、平時
とは違う心理状況になってしまうからです。
それを見事に実行した弘前市、すごいですね。
★今日の「アタマに問いかけるべき適切な質問」
「ピンチ」は「チャンス」と考える訓練をしていますか? 困難な状
況を受け入れた上で、「この状況だとしてどうする?」という問いを
自分に発することはできますか?
ぜひお考えになってみてください!
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◆今日のまとめ
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●「脅威」は「機会」。「ピンチ」を「チャンス」に変える方法を考
えよう!
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ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。
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▼今日の日記▲
寒暖の差が激しく、ちょっと変な気候が続きますね。睡眠をしっかり
取って、風邪などひかれないようにしてくださいね。
お知らせというか、進捗状況というか、「新人OL、つぶれかけの会
社をまかされる」(=ドリルを売るには穴を売れ)の、コミカライズ
が進んでいます。
多分お知らせするのは初めてだと思いますが……
真子ちゃんのあの話が、マンガになるわけです!
漫画家さんとは数回やりとりをしており、現在「ネーム」(ラフのコ
マ割りなど)が終わりつつある段階です。
文字の本については、もう十数冊書いてますので、色々な意味で経験
値があるのですが、マンガについては(よく読みはしますが)、出す
側に回るのは初めてですので、色々と考えさせられます。
マンガであらためて読んでみると……自分で言うのも何ですけど、結
構面白いです。
まだ時間はかかりそうですが、私もこの本、楽しみです!
また進捗があったらお知らせしますね。
●今日のiPod Tune:秋の夜長に夜を楽しもう!
ついに夏も終わり! もう9月、秋ですね。夜はかなり冷えるように
なってきました。
秋の夜長、「夜の歌」シリーズ開始!!
長い夜を一晩踊り明かす、なんていうのもいいかも。
ということで、今日の曲は……
○ダンシング・オールナイト by もんた&ブラザーズ
1980年を代表する大ヒット曲。オリコン年間1位(年間ですよ)
獲得曲。ザ・ベストテンでも、ずっと1位だった印象があります。も
ちろん、この曲で紅白出場を果たしました。
独特のハスキーボイスで、風邪引いたときによくモノマネしてました
(そのパターンはその後「ボヘミアン」へと引き継がれました)。
パワフルな歌唱力と勢いのあるメロディは、まさに「ダンシング・オ
ールナイト」。「オール」するのにぴったり♪
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