━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.220(累計0996) 2013/03/07
購読者:28,116 (まぐまぐ:16,361 メルマ!:943 めろんぱん:10,812)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■__年末年始特別号:セグメンテーション特集 21__■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●切り口その6は「購買履歴」。お客様が買ったモノからニーズを考
え、それに合った「お勧め」をしよう!
┃売れたま!は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま!
┃単独でもお役に立てますし、本と併用されれば効果倍増!
┃
┃図解 実戦マーケティング戦略 →
http://tinyurl.com/a6ul5
◆◆◆◆◆ 4月・5月の セ ミ ナ ー のご案内 ◆◆◆◆◆
●4月は密着軸セミナー
「顧客の隠れたニーズを探り儲けに変える経営の仕組み」
日本経営合理化協会 主催
○日程:2013年4月16日(火)
○場所:東京・目黒雅叙園
○価格:5万4千円(税込)
密着軸戦略から、その実行を支えるための「顧客データベース」の考
え方へとつなげていきます。
BASiCS→密着軸→顧客データベース、という実戦的な流れで、
密着軸戦略を実際にどう進めるのか知りたい方にお勧めです。
セミナーの詳細・お申し込みはこちらからどうぞ↓
http://jmcasemi.jp/seminar/seminar.php?CONTENT_ID=659
●5月は「戦略BASiCS 2日間集中セミナー」
戦略BASiCSの使い方を徹底的に実戦演習する2日間!
戦略BASiCS2日間集中セミナーのご案内です。
理想的な将来を得るためには、まずは行動から。
○日程:2013年5月25日(土)〜26日(日)
○場所:東京・市ヶ谷(最寄り駅はJR・東京メトロ市ヶ谷駅)
○価格:9万8千円(税込) (懇親会は別途実費)
詳細は↓へどうぞ。
http://www.sandt.co.jp/seminar-sb.htm
戦略を考えるにあたって大事なのは、まとまった時間を取ること。
戦略を集中して考えてみませんか? 周りに差をつける2日間!
今回も、土日開催です。遠方からでもご来場されやすいよう、土曜日
の昼〜日曜日の夕方、というスケジュールです。
○人数:16人限定! 少人数制です!
セミナーの詳細は↓
http://www.sandt.co.jp/seminar-sb.htm
へどうぞ!
両セミナーとも、お申し込みお待ちしております!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆年末年始特別号!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2月になっても終わる気配のない、年末年始特別号!
実戦的セグメンテーションに深く彫り込んだ、日本でも珍しい特集で
す(ひょっとして日本で初めてかも……)。
我らがヒロイン「売多真子」(うれた・まこ)と、真子の親戚にして
そのメンター「売多勝」(うれた・まさる)です。2人は以下の本の
登場人物です。まだお読みでない方はぜひ!
○「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
http://ow.ly/89pSR
売多真子が、勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
マーケティングの最初の1冊としてオススメ。
○「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
http://ow.ly/6s63d
上の本の続編。真子が社長になり、ライバルと戦っていく! 戦略構
築から実行プロセスまで、社長の視点を物語で体感!
例によってこのシリーズはどのくらいの長さになるかは、この2人の
活躍次第ですので、現時点ではわかりません。
今回の特集は、「セグメンテーション」! マーケティングで恐らく
は一番難しいことの1つです。
そのセグメンテーションにどう切り込むのか?
●あらすじ
大晦日の夜、売多真子と勝は、年末に売多家が集まる温泉宿へと一緒
に向かった。電車の中で、そして除夜の鐘を聞きながら続いた2人の
レッスン。
一夜明けて、お正月を迎えて……
今号はシリーズ第21回目です。
最近お読み始めになられた方は、バックナンバーからどうぞ。第1回
目はコチラです↓
http://archive.mag2.com/0000111700/20121228030000000.html
ここから「次の記事」をクリックしてお読みください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆まずは、前号の復習から!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*本編の「今の時間」は、年が明けた1月1日の夜です。
1月1日、昼は初詣に出かけ、寄ったカフェで続いた真子へのレッス
ン。夜に宿に戻り夕食を終え、温泉を楽しんだ後……
ロビーのソファで男性がテーブルの上のパソコンを操作しながら、周
りをちら、ちらと気にしている。もちろん、勝だ。
浴衣姿の真子がロビーに駆けて来たかと思うと、すぐ勝に駆け寄る。
「お待たせー!」
ソファーに腰掛ける勝のすぐ横に真子が勢いよく腰を下ろし、ノート
などをバラバラと机の上に広げていく。
「おせーよ、40分後って言っただろ。10分遅刻!」
「だってー……いろいろ準備しないと……」
「まさか予習してたのか?」
「え? あ、そうそう。このために予習してたの♪」
「……絶対違うだろ」
「まあでもそんな感じ。勝さんに会うためのよ、しゅ、う♪ あれ、
勝さん、浴衣の着方が変だよ?」
「そうか? 別にいーじゃん」
「もー、ちゃんと着なよー。ほら、ここが……」
「やめろ、触るな」
「ダメだよ、真子と一緒にいる人が変なカッコなの、イヤだもん」
「オレがカッコ悪いのなんて何を今更……やめろってば」
「えっと……こうして、っと……はい、できたよ!!」
「……ありがと」
「どーいたしまして♪ でもいいお湯だったねー」
「そうだな」
「ほら、見てみて、お肌、す、べ、す、べ♪」
「そうだな」
「なんでそんな投げやりなのよー、ちゃんとお肌見てよー」
「知るか、そんなの」
「やだー、真子の美しい素肌にドキドキしちゃうんだ♪」
「誰がするかよ。いいから始めるぞ」
真子:じゃあ復習だよねー。まずはこれから……
○セグメンテーションの「括って広げる3ステップ」
ステップ1:顧客像の具体化
ステップ2:ニーズの普遍化
ステップ3:ニーズで人を括る
○セグメンテーションで「括る」ための切り口
切り口1:使い方・利用場面
・価値は使い方に現れる。逆に使い方を見ればニーズがわかる!
切り口2:困りごと
・どんなことに困っているのか、困りごとが同じならニーズが同じ!
切り口3:体質
・肌質・髪質・アルコールへの耐性などでニーズが違う!
切り口4:所有資源
・お金・時間・エネルギー・車などの持ち物などでニーズが違う!
切り口5:こだわり・マニアレベル
・ビギナーとマニアでニーズが違う!
切り口6:購買履歴
・何を買ったかで、直接の購買行動がわかる!
真子:それで先週は、切り口6:購買履歴をやりました!
勝 :購買履歴を「切り口」として使うメリットは?
真子:この4つでーす。
真子が勝にノートを見せる。
○「購買履歴」を切り口に使うメリット
1)客観性:YesNoで分けられ、曖昧さがない
2)操作容易性:表計算ソフトとかで扱いやすい
3)入手容易性:購買履歴は自社にある
4)直接性:売り物と顧客を直接つなげている
勝 :OK。こんなデータもあるんだよな。
今度は勝が真子にパソコンを見せる。
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
◇どんな商品を買ったか、消費者の記憶に頼っていたモニター調査が
会員カードなどの購買履歴と連動することで正確さを増している。
◇Pontaリサーチを運営するロイヤリティマーケティングは約
50万人のモニターを持つ。「今までの一般的な調査は『この商品
買いました』というモニターの記憶と自己申告頼み。正解率は6割
程度」(同社)。同リサーチはレジでの買い物ごとにポイントカー
ドを読み取り、各モニターの正確な購買履歴を蓄積する。
2013/01/16 日経MJ P.3
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
真子:へー、自分が何を買ったか、の「正解率は」6割なんだ! そ
れって高いの、低いの?
勝 :まあそんなもんかな、って感じがするな。少なくとも、買った
もの全部は覚えてないよな。
真子:そっかあ……ということは、さっきの「メリット」で言えば、
「客観性」が高いっていうことの証拠になるのかな?
勝 :そうだな。それに「入手容易性」が活きてくるよな。こんなに
正確かつ入手容易なデータがあるんだから、使わないと……
真子:うん、使わないと損だよねー。
勝 :でも「購買履歴」は意外に使われてないような感じがしてる。
真子:そうなの?
勝 :オレが知る限りでは、な。
真子:使わないともったいないよねー。私も人のこといえないけど、
きゃははは。今からはその事例を見ていくんだよね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆購買履歴:「いつ何を買ったか」は重要な情報
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
勝 :購入履歴のわかりやすい使い方としては、まずこういうのがあ
るよな。
勝の横に座る真子が、勝のパソコンをのぞき込む。
「隣に座ると、いちいちパソコンを動かさなくていいから楽だね」
「ほら、寄るな」
「寄らないと見えないんだもーん」
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
◇サッシ大手の三協立山は約150の建材卸と窓の購入履歴管理シス
テムの運用を開始。建材卸はガラスとサッシから窓を組み立て、工
務店に販売する。サッシとガラスにバーコードラベルを張り、建材
卸が窓を出荷する際に読み取り機で受注情報と合っているか確認。
どの住宅のどの窓を販売したか、なども管理できる。
◇窓製品は結露やサビなどで断熱性能などが落ちる。建材卸が購入履
歴に基づき消費者に納入した窓を最適の時期に点検することで、改
修需要などを取り込みやすくなる。
◇新築用の窓は標準的な仕様が多いが、リフォーム向けは住宅ごとに
条件が異なるため、建材卸のネットワークを活用する。
2012/11/29 日本経済新聞 朝刊 P.11
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
真子:なるほどねー。点検したりして、傷んでるのがわかったらそれ
を改修する提案とかをしよう、ってことだよね?
勝 :そうみたいだな。それに「購買履歴」を使う、ってわけだ。
真子:でもこれ、セグメンテーションっていうよりは、顧客リストを
使って更新需要を喚起しよう、って感じじゃないの?
勝 :そうなんだけど、「どの住宅のどの窓」とか、「住宅ごとに条
件が異なる」ってあるから「違い」が重要じゃん。
真子:あ、そっか、「人によって違う」ってことか。
勝 :違う。「買ったものによって違う」ってことだ。
真子:きゃははは、そっか! 「購買履歴」だもんね。「買ったもの
によって違う」んだ。
勝 :そう、だから標準品が多い「新築向け」じゃなくて、「違い」
のあるリフォーム向けを選んだ、ってことだ。
真子:ね、ね、これだとさ、「いつ買ったか」っていうのも大事にな
るんじゃない??
勝 :お、そうそう。点検するタイミングとかもあるだろうからな。
それがわかるだけでも全然違うだろうな。
真子:うん。「取付からXX年たったので、点検のご案内を……」っ
て言われると、納得感があるよね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆切り口6:購買履歴に基づく「レコメンデーション」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
勝 :購買履歴の使い方の典型がいわゆる「レコメンデーション」っ
て呼ばれるアレだな。
真子:あ、あのアマゾンの「おすすめ」だよね。「これを買ったアナ
タにお勧めなのがこの商品です」ってヤツ。
勝 :そうそう。わかりやすいのは、同じアーティストの違うCDを
勧める、とか、同じ時代のアーティストのCDを勧めるとか。
真子:そっか、それこそ「買ったものから好みがわかる」ってことだ
勝 :単純だけど真理だろ。80sの音楽CDを買った人にクラシッ
クを勧めるよりは、80sを勧めた方が売れそうだよな。
真子:あ、それが「直接性」ってこと? 買ったものから「直接」に
好みがわかる。
勝 :そういうこと。レコメンデーションの典型がこれ。
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
◇ファミリーマートは「土用の丑の日」に向け、過去の購買履歴を基
に、購入する可能性が高そうな人を対象にうな重の割引券を発行。
「Tポイント」の会員データから同チェーンで過去にうな重を買っ
た人の属性や一緒に購入した商品を分析。購買パターンの似た人に
クーポンを渡し、効果的に客層を広げる。
◇ファミマは過去にうな重を買った顧客の年齢や好きな商品分野、来
店頻度などから「うな重を買いそうな人」をパターン化。これに当
てはまり、過去に同社でうな重の購入履歴がない人にクーポンを発
行する。
2012/07/20 日本経済新聞 朝刊 P.31
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
真子:へー、これって、まさにこのセグメンテーションそのものだ!
勝 :そうだな。イメージにするとこういう感じ。
勝が、横にいる真子のノートに勝手に書き始める。「キレイに書いて
よー」という真子を無視して走り書きしていく勝。
うな重 年齢 よく買う商品 来店頻度
顧客1 購入 A A A
顧客2 未購入 B B B
顧客3 未購入 C C C
顧客4 未購入 A A A
勝 :さー、マコちゃん問題です! 顧客1は、うな重を買ったこと
がある人です。顧客2,3,4の誰が買ってくれそうですか?
真子:はいはいはーい、顧客4でーす。
勝 :それはなぜですか?
真子:はーい、うな重を買ったことがある顧客1と、行動が似てるか
らです! 近いニーズを持つと考えられまーす!!
勝 :せーかい!!
真子:そっかー。購買履歴でそーゆーのがやりやすくなるんだねー。
年齢だけだと、決め手に欠けるんだろうね。
勝 :そうそう、年齢はあった方がいいにしても、それ「だけ」じゃ
真子の言う通り、決め手に欠ける。
真子:それで、同じような「購買履歴」を持つ人を「括る」んだね。
勝 :そうだな。この場合は「クーポンを渡す」っていう行為をもっ
て「括ってる」わけだけど。
真子:行動に直結してるね!!
勝 :購買履歴は、業種業態に関わりなく使いやすいぞ。
勝が言いながらパソコンのモニタを開くのを真子が眺める。
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
◇化粧品などを製造・販売するネイチャーズウェイの通販サイト。肌
の乾燥に悩む女性が商品を探すと、「おすすめセレクション」に保
湿クリームなどの関連商品が次々と表示された。翌日に届いたメー
ルマガジンでは、気になっていた人気商品がずらりと並ぶ。
◇同サイトが活用しているのはシステム開発のナビプラスが提供する
「レコメンド」機能。年齢や性別などの顧客情報、検索・購入履歴
のデータを分析して、顧客一人ひとりの嗜好や興味に沿った商品・
キャンペーン情報を配信。ネイチャーズウェイのネット事業の売上
高は導入後に1.6倍に増えた。
2012/08/01 日本経済新聞 朝刊 P.13
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
真子:そっか、「乾燥肌」向けの商品をクリックしたり買ったりすれ
ば、お肌の悩みがわかるんだ。
勝 :そうそう。探しているもの、買ったものに、ニーズが現れるこ
ともある。
真子:なるほどねー。だから売上が「1.6倍」になるのか……
勝 :それでさ、化粧品っていうと、思い出さないか? 前に出てき
た切り口では、何だった?
真子:そう言えばやったよね……あ、「切り口3:体質」だ。肌質は
体質の一部だね。
勝 :そう。ということは?
真子:購買履歴、検索履歴をみれば「体質」がわかる! だから、切
り口を組み合わせて考える!
勝 :お、そうそう。まさに「組み合わせ」で考えていく。するとど
んどん顧客像が具体化されていく。
真子:あっちがわかればこっちがわかる、みたいな感じだね。
勝 :そうそう。クロスワードパズルみたいな感じ。
真子:なるほどー。
勝が「金融でもそうなんだよな」と言いながら、次のデータを開く。
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
◇横浜銀行は、地銀5行と金融商品の顧客管理システムを共同運用。
預金口座の出入金動向や金融商品の購入履歴などを分析、顧客の求
める金融サービスや商品を予測できる横浜銀のシステムを改良。
◇このシステムは日々更新される顧客の取引情報に基づき、どのよう
な助言や営業が効果的かを予測できる。例えば、顧客の国債に満期
が近づいた場合に「満期後の資金の使い道を聞く」よう行員に促し
新たな金融商品の販売につなげる。
2012/11/13 日本経済新聞 朝刊 P.7
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
真子:金融でもそうなんだねー。
勝 :まずは単純に、「国債の満期日」がわかれば、買い替えを勧め
ることができるようになる。
真子:うん。
勝 :それ、さっきやったのと同じだよな?
真子:え? えっと……あ! 窓だ! 窓が傷んだら、買い替えとか
改修を勧める!
勝 :そうそう。そういうところは、金融も建築物も同じ。あとは?
真子:あとは……わかりませーん。ヒントください!!
勝 :さっきの化粧品と同じ。買うものによって……何が違う?
真子:えっと……金融商品に対するニーズ、かな?
勝 :そう。株を買う人と、国債を買う人では、「リスクの許容度」
が多分違う。株を買う人の方がリスクが取れる。
真子:えっと……「リスクの許容度」が「購買履歴」に現れるんだ!
確かにさっきの化粧品と似てる!
勝 :そういうこと。こういう風に見ていくと、「窓」、「化粧品」
に「金融商品」、それに「うな重」って幅広く使える。
真子:きゃははは、ホントだー! みんなおんなじなんだねー。
勝 :セグメンテーションの切り口って、こうやって業種業態を超え
て使えたりするんだよな。っていうことは?
真子:っていうことは……他の業種から学べる!!
勝 :大正解!! BASiCSと同じで、他の業種の考え方は非常
に参考になる!
真子:自分の業種にはなかった切り口で見られれば、違う手が打てる
ってことだ!
勝 :そうそう。レコメンデーションではアマゾンが有名だけど、ど
の業種でも、そういう考え方は参考になるな。
真子:ねー、こーゆーのって分析大変なんじゃないの?
勝 :超大変。今になってやっとビッグデータとかって言われて注目
されるようになったけど、オレは10年以上前からやってた。
真子:へー、そーなんだ!
勝 :当時は、PCの性能が今ほど高くなかったから、数十MBのデ
ータでさえ動作が重くってさ……よくPCがフリーズしてた。
真子:「購買履歴」の分析で?
勝 :そうだよ。
真子:そっか、やっぱりやってたんだあ。うちの店だと、どうなるの
かなあ……?
勝 :イタリアンレストランなんて滅茶苦茶わかりやすいだろ。ワイ
ンの好みとか、食事とお酒の組み合わせのお勧めとか。
真子:あ、そっか。じゃあ、今までの注文を洗い出して、どんなもの
を食べる人はどんなお酒が、とか分析すればいいんだ!
勝 :まさにそうなんだけど、やってないのか??
真子:さあ?
勝 :オマエなあ……
「ねー、そーゆー分析はどーやればいいの?」
「こっちに寄るな。離れろ、ほら……」
「何よ今さらー」
「数が少なきゃExcelでできるだろ。ピボットテーブルとかで」
「ピボット? バスケ?」
「あははは、そう来るか。いいオヤジギャグじゃねーか」
「ち、違うもん」
「何だ、素だったのか」
「……いーじゃん。だからどーやるの?」
「真子にエクセル教えてもなあ……砂漠に水まくみたいなもんだ」
「あ! 染みこむのが早い! 真子は飲み込みがいいんだよね!」
「オマエほんとポジティブだな。無意味、ってことだ」
「あー、ひっどーい! 真子は砂漠のオアシスってことでしょ?」
「もう何でもいいけどさ……ピボットはできた方がいいんだよな」
「じゃあ今度教えてよー。何なら今からでも……」
「砂漠に水まくのはイヤだから、望ちゃんか恵利ちゃんと一緒にな」
「ちぇっ……でも望ちゃんにやってもらった方がいっか」
「そりゃそうだろ。望ちゃんに会いたいなあ……」
「何よー、隣に真子がいるのにー」
「はいはい、世界一カワイイ真子ちゃんがいますねー」
「やっと認めたか」
「そのしつこさは認めるわ……」
次号に続きます!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆今日のまとめ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●切り口6は「購買履歴」。買ったモノから推測されるニーズに合わ
せて顧客に合った「レコメンデーション」をしよう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま!を解除するには
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
売れたま!は、以下の3つの配信会社さんから配信されています。
こちらには読者様のアドレスはわかりません。配信会社さんをご確認
の上、以下から解除をご自身にてお手続き下さい
○まぐまぐ
http://www.mag2.com/m/0000111700.html
○melma!
http://www.melma.com/backnumber_92209/
○めろんぱん
http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=010361
ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆ 「事例でわかる! 実戦マーケティング戦略ワークブック」 ◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
有料メルマガ発行中! BASiCSの本当の実戦演習! 実際の事
例をとりあげて、私がBASiCSを「添削」する、まさに読む「コ
ンサルティング」。BASiCSを「使う力」を身につけたい方はぜ
ひどうぞ。
お申し込み・詳細はこちらから↓
http://biz-spice.jp/public/detail/1004/1004/
●発行頻度 月1回 、420円/月
●誌上コンサルティングを応募中!
誌上で取り上げる事例を募集中です。BASiCSに関する質問にも
誌上でお答えしますのでぜひどうぞ。
この売れたま!にご返信いただければ、私にメールが届きます。
**************************************************************
▼今日の日記▲
先日、ある会で、ある方が「勤め人をやめて独立します!」といきな
りの独立宣言。夫婦で新しいビジネスを始めるとのこと。
マーケティングに詳しい方の集まりでしたので、その会は一気にその
「新しいビジネス」はどうすればいいのか、そもそもそこに将来はあ
るのか、「戦場」はどうなっているのか、「強み」はあるのか、など
の議論で(もちろんBASiCSで)盛り上がりました。
もちろんみんなその「新しいビジネス」の業態のプロではまったくな
いのですが、だからこそ「言いたい放題」で、色々なアイディアが出
るものですね。
私も、最初は「厳しい戦場かな?」と思いましたが、議論しているう
うちに、「これは誰もマジメにやってない空白の戦場かも……」と感
じ始めました。
どうなるかはやってみないとわからないことばかりなのですが、まず
は「独立」して、「こちら側の世界」にいらっしゃったことを私から
祝いたいと思います。
明日は、表参道で「マーケティング脳を鍛えるトレーニング」セミナ
ーです。お会いできるのを楽しみにしています!
○1000号間近! 勝手にカウントダウン
*今号で(多分)累計996号 1000号まであと4号!
●売れたま!1000号に向けてその10:「戦略指標」
iPodコーナーはちょっとお休みして、記念すべき1000号に向けて
過去をつらつらと振り返ってみたいな、と思います。
マインドフローや売上5原則のような「数値化ツール」は用意してい
ましたが、「BASiCSそのもの」を数値化できないか……という
のは、BASiCSを考えたときからの課題意識でした。
それに対する答えが出せたのが、「戦略指標」です。「戦略そのもの
が数値化できる」という主張です。
これはもちろん経営ツールとして重要ですが、私にとっての意味も非
常に大きなものでした。これはBASiCSと並ぶ非常に大きなブレ
ークスルーであり、記念碑的な存在でもあります。BASiCSを超
えられない……という葛藤に対して、1つ大きな進歩があった、とい
うことでもあったんです。
戦略指標という言葉を公に出したのは、売れたま!の2009年7月
9日号です。そして、その直後の「売れる会社のすごい仕組み」
(=新人OL、社長になって会社を立て直す)で書籍として発表しま
した。
大体の考え方としては既にできあがっていたのですが、それを「言語
化」するキッカケをいただいたのは、やはり編集者さんでした。その
結果「売れる数字」という書籍として結実しました。
「気づいたらそこにあった」BASiCSと違って、戦略指標は理詰
めで考えていったものです。
この頃に、理論の進化・深化のパターンが自分の中でできあがりつつ
ありました。売れたま!を出し始めてから6年目になってからです。
「売れる会社のすごい仕組み」で言うところの「サイクルが回り始め
た」状態ですね。「戦略指標」は、「理論の構築方法の体系化」が進
んだからこそできたブレークスルー、という感じがします。
また、戦略指標は、「人事論」へのマーケティングからのアプローチ
という意味でも、(自分としては)希少な考え方だと思っています。
BASiCS、戦略指標、マインドフロー、で経営戦略、マーケティ
ング、実行方法、などが「ツール」としては一通り揃い、より、それ
らの「使い方」へと課題意識が変わっていくことになります。
で……プロ野球の戦略指標として「売れる数字」で提唱した「全進塁
数」(売れたま!でも「プロ野球の戦略指標」として取り上げまし
た)は、一度きちんと分析してみたいんですよね……(日本シリーズ
を分析していただいたKさん、ありがとうございました)。去年のジ
ャイアンツの阿部選手なんかは、おそらくは凄まじい数字をたたき出
しているはずです。「全員で目指すべき重要な1つの指標」という考
え方は、経営でもスポーツでも一緒なのではないか、という仮説を検
証してみたいなあ、とは思っています。
このコーナー、1000号まで(勝手に)続きます。
**************************************************************
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓<免責事項等>〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●紹介した会社の各商標は各会社の登録商標です。紹介した会社・商
品等は、例であり、戦略や商品の良し悪しの評価ではありません。
●無断転載は禁じますが企画や会議のネタにぜひどうぞ。全文転送な
ら構いませんので、部下・上司・同僚など周囲の方にもお勧めを!
●メルマガの内容の実行は、読者さんの責任でお願いします。
●自社の売上向上のために使うのは歓迎ですが、このメルマガの内容
の販売・コンサルティングへの利用で利益を得る行為は禁じます。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓<発行者情報>〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●発行者:佐藤義典 ●発行頻度:月・木の週2回目標
●感想、質問、実行の結果などは
uretama@mpara.com へどうぞ!
●
http://www.mpara.com(マーケティングパラダイス)
マーケティングパラダイスはエルパラ(
www.Lpara.com)傘下サイト
●購読の登録・解除はまぐまぐ、メルマ!、Macky! の各サイトか、
http://www.mpara.com/mag.htm (マーケティングパラダイス)で
●バックナンバー抜粋
http://www.mpara.com/backno.htm
マーケティングコンサルティング・研修・セミナーは
ストラテジー&タクティクス株式会社へ
http://www.sandt.co.jp/index.htm
Copyright 2003-2010 Yoshinori Sato
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま!提携メルマガ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
以下は、売れたま!独自の基準で厳選している提携メルマガです。
●あなたは一国一城の主!小さな会社を成功させる方法
http://www.mag2.com/m/0000111010.html
お奨め書 「売りこむな!期待をくすぐれ!!」
http://tinyurl.com/4vyk4
●行列のできるお店のためのマーケティング戦略
http://www.mag2.com/m/0000122871.html
●エンジニアがビジネス書を斬る!
http://www.mag2.com/m/0000132223.html
●後悔しないための読書【ビジネス書の本格的書評】
http://www.mag2.com/m/0000125885.html
───────────────────────────────
ご参加希望のメルマガ発行者は売れたま!にご返信ください。
提携メルマガオーナーに声をかけます。提携基準は厳しいので、提携
できるとは限らないこと、あらかじめご了承ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま!発行者 佐藤義典 の本 : 合わせて読めば最強!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●最新刊! BtoBマーケティングの標準テキスト
「事例でわかる 実戦BtoBマーケティング」
佐藤義典著 日本能率協会マネジメントセンター
サブタイトルは「お客様に頼られる存在になるための戦略実行」。お
客様に頼られる存在になる手法が満載!
http://ow.ly/7Wvdq
─────────< 経営戦略の最高峰 >──────────
●「経営戦略立案シナリオ」 佐藤義典 著 かんき出版
経営戦略のガイドブック:経営者は必読!
http://www.sandt.co.jp/scenario.htm
●「売れる数字 〜組織を動かすマーケティング〜」
佐藤義典著 朝日新聞出版
戦略を実行に落とし込み、組織を動かそう!
http://ow.ly/32zKP
──────< 物語でわかるマーケティング >────────
●「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
マーケティング入門:読みやすい小説
http://ow.ly/89pSR
●「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
上の本の続編。主人公が社長になり、戦略構築から実行プロセスま
で物語で体感!
http://ow.ly/6s63d
●「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm
─────< マーケティング戦略のベストセラー >──────
●「図解 実戦マーケティング戦略」 佐藤義典 著
マーケティング戦略入門:戦略はここから
日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/jissen.htm
●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/check.htm
●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
http://www.sandt.co.jp/kotowaza.htm
────────< マーケティングの思考法 >────────
●「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
日本能率協会マネジメントセンター
右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
http://www.sandt.co.jp/shiko.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆次号予告:年末年始特別号 セグメンテーション特集 22
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●次号は、次の7番目の切り口に入っていきましょう!!
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!
▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!
売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……
〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒
http://archive.mag2.com/0000111700/index.html