売れたま！特別編Vol.344 2016/12/29 年末年始特別号：顧客調査の方法 １

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━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.344(累計1390) 2016/12/29
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　■■■■＿＿年末年始特別号：顧客調査の方法　１＿＿■■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆　今日のポイント　◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●顧客調査はマーケティングのカナメ。やれば成果が出るので必ずや
　ってみよう！


┃売れたま！は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま！
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◆年末年始特別号！
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年末年始は毎年恒例の「特別号」。お馴染みのこの２人。

我らがヒロイン「売多真子」（うれた・まこ）と、真子の親戚にして
そのメンター「売多勝」（うれた・まさる）の珍道中。ゴールデンウ
ィーク以来の登場です。


２人は拙著の登場人物です。お読みいただいているとは思いますが、
念のためご紹介いたします。２冊とも、小さくて軽いので荷物になら
ず、帰省の電車などでお読みいただくのにオススメです！


○「新人ＯＬ、つぶれかけの会社をまかされる」　佐藤義典著
http://ow.ly/89pSR

売多真子が、勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘！
マーケティングの最初の１冊としてオススメ。


○「新人ＯＬ、社長になって会社を立て直す」　佐藤義典著
http://ow.ly/6s63d

上の本の続編。真子が社長になり、ライバルと戦っていく！　戦略構
築から実行プロセスまで、社長の視点を物語で体感！



テーマは……

「顧客調査の方法」

かなり重要な内容なのですが、日頃の売れたま！では取り上げにくい
ので特別号でやりたいと思っていました。割とマジメな特集です。


少々古いデータも多いのですが、古さは特に問題ないかと思います。

今回からスタートです！



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◆売多一族の年末大集会に、売多真子・勝も参加！
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１２月３１日の昼過ぎ、ほぼ満席の新幹線。

２人席に１人で座る男性は「売多勝」（うれた・まさる）、経営コン
サルタント。時計を見ながら１人でつぶやいた。

「アイツはまた遅刻かよ……相変わらずだな……」

発車ベルが鳴り、新幹線が動き出す。勝はノートパソコンをとりだ
し、仕事を始める。

少しして、ガラガラとキャリーバッグを引っ張る音。２０代半ばのと
思しき女性が息を切らしてやってきて勝に声をかけた。

「やっほー。丁度間に合ったねー」

女性は「売多真子（うれた・まこ）」。２０代半ばにしてイタリアン
レストランのチェーン、「そーれ・しちりあーの」の社長。

「やっほーじゃねーだろ。毎度毎度遅れやがって……しかもギリギリ
　間に合うからタチが悪いよな……」

「何よー、間に合って良かったじゃん！」

真子がキャリーバッグを強引に荷物ダナにねじ込むと、窓際にどすん
と座る。勝は通路側。

２人は親戚にして、幼なじみ。若くして社長になった真子の頼れるメ
ンターが勝だ。


真子・勝たちの一族、売多家は、年１回だけ集まり杯を酌み交わす。
２人はその会場である温泉旅館に向かう道中だ。


勝があらためてノートパソコンを開く。


真子：ねーねー、勝さん、今何の仕事してたの？

勝　：あー、顧客調査の方法についてまとめてた。年明けにプレゼン
　　　しなきゃいけなくてな。

真子：顧客調査の方法って？

勝　：その通りの意味。お客様の求めるものをいかに引き出すか。

真子：何それ、私も知りたい知りたい知りたい知りたい！！

勝　：知りたい、って、真子の会社はもうやってるだろうが。

真子：そうだけどさー、ちょっとマンネリ化してきたし……

勝　：なるほどな……じゃあ良い機会だから今回のテーマはそれだな

真子：うん！　お願いしまーす！


では、「顧客調査の方法！」特集、はじまりはじまりぃ〜〜



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◆「顧客調査」とは「顧客の求めるものを引き出す方法」
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真子：ねー、そもそも「顧客調査」って何？　いわゆる「市場調査」
　　　とは違うの？


真子がノートを取り出し、書き込みながら勝に聞いた。


勝　：お、いい質問。ここで「顧客調査」って言っているのは、「顧
　　　客の求めるものを引き出す方法」くらいの意味。

真子：それって「市場調査」とかとどう違うの？

勝　：「市場調査」って言葉の意味は広いよな。競合情報とか、何が
　　　いくらで売ってる、みたいな情報も含むことが多い。

真子：「顧客調査」は？

勝　：「顧客調査」はだから「顧客の求めるものを引き出す」こと。
　　　むしろ「顧客ヒアリング」に近い。

真子：「顧客ヒアリング」はやってるよ！　「他店ではなくうちを選
　　　ぶ理由」とかは、勝さんに言われて直接ヒアリングしてる。

勝　：ここでいう「顧客調査」はむしろそっちに近い。

真子：じゃあ「顧客調査」と「顧客ヒアリング」とはどう違うの？

勝　：「顧客調査」は「顧客ヒアリング」よりも少し広い。ヒアリン
　　　グがメインになるけど、それ以外の方法も含むから。

真子：例えば？

勝　：例えば「テストマーケティング」だって「顧客調査」の１つ。
　　　実際に売って「顧客の求めるものを引き出す」わけだから。

真子：なーるほど。じゃあ「顧客調査」は「顧客ヒアリング」＋α、
　　　くらいの感じ？

勝　：まあそんな感じ。

真子：わっかりましたー！



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◆「顧客調査」は成果が出る　１　イオンのコロッケ
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勝　：そもそもなんで「顧客調査」が重要か、っていう話から。当然
　　　だけど、やれば売れるようになるから。

真子：きゃはは、そりゃそーだー。


勝がノートパソコンを操作し、真子に向けて「読んでみて」と言う。
真子がパソコンのモニタを覗き込む。


−−−−−−−−−−−＜　記事引用　＞−−−−−−−−−−−−

◇『イオンが総菜売り場の主力商品、コロッケの原料や製法を見直し
　た。２０１１年にプライベートブランド（ＰＢ＝自主企画）商品を
　出したが「夕食のおかずには物足りない」などの声があり、昨夏に
　全面刷新した』


◇『１３年に改良し１個９８円の商品を発売後、全面刷新したのは
　１４年８月。消費者調査から「出来たてはおいしいけど家でサクッ
　とした食感がない」「おやつには良いが、おかずには物足りない」
　などの声を受け止め、原料や製法をがらりと変えた。ジャガイモは
　北海道産の男爵イモを採用。小麦の胚乳や表皮、胚芽などを含めて
　砕いた全粒粉をパン粉に混ぜ、ミネラルなど栄養価が高めつつ、サ
　クサクとした食感に揚がるようにした』


◇『１カ月強で６７０万個が売れ、当初目標を３４％上回るヒット商
　品になった。さらに全国の店頭で、計１千人以上の消費者を対象に
　モニター調査を実施。「もっと肉のコクを味わいたい」「素材のこ
　だわりを知りたい」などの要望を拾い、今年４月に再び刷新した』


◇『４月以降、来店客の買い上げ率は従来のＰＢ商品の２倍に高まっ
　た』


2015/06/17 日経ＭＪ　Ｐ．１５

以下、記事からの引用部分は『』で括ります

−−−−−−−−−−−＜　記事引用　＞−−−−−−−−−−−−


真子：へー、イオンのコロッケかあ。こういうのでも顧客調査ってや
　　　るんだねー。

勝　：そうだよな。あんまりそういう印象はないけど、やればやっぱ
　　　り売れるようになるんだよな。

真子：『従来のＰＢ商品の２倍』ってすごいね！

勝　：それがこの顧客調査の成果。「聞いては改良し、聞いては改良
　　　して」っていうのを繰り返してるから……

真子：「お客様が本当に欲しいモノ」に近づいていく！

勝　：まさにそういうこと。

真子：ねー、これってどうやって調査したのかな　『モニター調査』
　　　って書いてあるけど……

勝　：『モニター』が具体的にどんな方かはわからないけど、お客様
　　　に直接ヒアリングしたんだと思う。直接か、アンケートか、で

真子：コロッケとかでも、お店の作りたいように作ってるだけじゃダ
　　　メなんだね……

勝　：そう！　メーカー品はどこで買っても一緒だけど、総菜は店に
　　　よってかなり味が違う。違いが出せるから差別化できる。

真子：だからこそ、ちゃんと顧客調査をする必要があるんだ！



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◆「顧客調査」は成果が出る　２　青森港の外国クルーズ船誘致
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勝　：こういうのもある。青森港が外国クルーズ船の誘致に成功して
　　　るんだけど、そのヒミツは……

真子：なになに？


再び勝が真子にノートパソコンを向ける。


−−−−−−−−−−−＜　記事引用　＞−−−−−−−−−−−−

◇『クルーズ船や高速船など、船で日本を訪れる観光客のインバウン
　ド消費が熱い』『マイナーな観光地がクルーズ船で脚光を浴びるこ
　ともある。４月下旬、米国のクルーズ船で青森に来た約７０人が訪
　れたのは同市の青龍寺。青森港を訪れる外国人クルーズ客の間で
　は、約３０年前に建てられた高さ約２１メートルの「昭和大仏」が
　人気だ』


◇『青森港が独自に外国クルーズ船誘致に力を入れ始めたのは１０年
　前。「日本のクルーズ船は寄港地同士の争奪戦が既に激しかったの
　で、外国船に目を付けた」。青森港国際化推進協議会の理事、細川
　英邦さんは振り返る。県・市の職員らと年１回渡米しては船会社を
　８社ほど回り、ねぶた祭りの衣装を着て踊り、何をＰＲすればいい
　のか地道に聞いて回る「どぶ板営業」に徹した』


◇『外国クルーズ船は２０１４年度には１２回寄港。外国客数も９年
　前の約６倍となる１・１万人を超えた』


2015/05/11 日経ＭＪ　Ｐ．１

以下、記事からの引用部分は『』で括ります

−−−−−−−−−−−＜　記事引用　＞−−−−−−−−−−−−


真子：へー、すごいね、アメリカまで行って、クルーズ船の会社にヒ
　　　アリングしてるんだ！

勝　：インバウンド熱が高まった最近じゃなく、１０年前からだぜ。
　　　地道にヒアリングを重ねてるんだよな。

真子：そしたら、『外国客数も９年前の約６倍となる』ってすごい！
　　　やっぱり、お客様の意見を聞くって大事だねー。

勝　：特にさ、外国人には何が受けるかわかりにくいからな。記事に
　　　出てきた『昭和大仏』なんて、オレ知らないぞ。

真子：まあ確かにそうだよねー。確か奈良の大仏とかより大きかった
　　　と思うけど、あんまり知られてないかな。

勝　：へー、日本人にはともかく、外国人には刺さるんだな。

真子：なるほど、そういうのが顧客調査をするとわかるようになるっ
　　　てことかぁ。

勝　：確かにさ、外国人には何か受けるかわかりづらい。温泉に入る
　　　猿とかが大人気になるからな……

真子：きゃはは、スノーモンキーちゃんだねー。

勝　：わからないなら、もう直接聞くしかない。だから「顧客調査」
　　　ってこと。『どぶ板営業』って記事にあるけど、ほんと地道。

真子：それをやり続けるのもすごいよね？　これ、毎年やってるんだ
　　　よね？

勝　：そうみたいだな。粘り強くやって、成果を出してる。

真子：そういうのも大事だよね。やり続ける、っていうのも。

勝　：しかも『ねぶた祭りの衣装を着て踊り』ながらだぜ。それが受
　　　けるかどうかの確認も含めて。

真子：らせらーらせらー♪

勝　：ってやったのかもな。

真子：きっとそうだよ！

勝　：よし、じゃあここまでをまとめてくれ。

真子：うん！


真子がノートにまとめていく。


○顧客調査＝「顧客の求めるものを引き出す方法」

○顧客調査の意義：成果が出る＝売れる！

・イオンが顧客調査に基づきコロッケを改良、買上率が従来の２倍に
・青森港がクルーズ船会社に聞いて回り、外国客数が９年前の６倍に


勝　：うん、そうだな。次からは、どんな「調査方法」があるか、見
　　　ていくことにしよう。


「でさ……真子、おなか減らないか？　オレまだ昼飯食ってない」
「あ、私も私も。お弁当買ってきたよ！　勝さんの分もあるよ」
「お、気が利くじゃん。ありがと！」

真子が大きなビニール袋から食べものを次々に取り出していく。

「うわ……こんなに誰が食うんだ」
「もちろん、勝ちゃんと真子ちゃん♪」
「まあ確かに食えそうだけどさ……」
「じゃあ、いっただきまーす！」

２人は次から次へと食べものを口に放り込み始めた。



★今日の「アタマに問いかけるべき適切な質問」

あなたは「顧客調査」を行っていますか？

ぜひお考えになってみてください！


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◆今日のまとめ
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●顧客調査はマーケティングのカナメ。やれば成果が出るので必ずや
　ってみよう！

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▼今日の日記▲

ついに冬休み、という感じでしょうか。世間はもうＵターンラッシュ
のようですね。

私はいつものように東京にいます。混んでいるときは東京にいたいの
で、時期をずらして出かけることにしました。

というか私、東京出身なので「帰省先」がないんですよね……

今年の年末〜お正月は、家族で紅白見たり、お雑煮食べたりして過ご
したいと思います。

その間に、来年書きたい本の構成も進めていきます。


本年も色々とありがとうございました！

よいお年をお迎えください。



●今日のiPod Tune：George Michaelを惜しむ歌

クリスマス明けに飛び込んで来たGeorge Michaelの訃報。

彼を惜しむ特集です。

２回目にして、最後の極は……


○Careless Whisper by Wham!


１９８４年リリース、世界中で大ヒットしたWham!の代表曲。

Wake Me Up Before You Go-Goでノリノリの曲が大ヒットした後の、
切ないバラードソング。当時、日本でも大ヒットして、どこに行って
もこの曲がかかっていたような記憶があります。

日本では、西城秀樹さんと郷ひろみさんが同時期にカバーされていた
のを今でも覚えています。

１９８５年の全米年間チャートでは、この曲が１位で、３位が
Wake Me Up Before You Go-Go。人気のすさまじさが伺え、まさに当
時「世界一の人気」を誇っていたと言っても過言ではないでしょう。

ご冥福をお祈りします。



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◆次号予告：年末年始特別号　その２
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●「顧客調査の方法」、続きます。次回は、具体的な調査方法に入っ
　ていきます！


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