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2010年2月8日月曜日

売れたま!特別編Vol.079 2010/02/08 新春特別号:ボロが教える戦略BASiCS 10

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
 〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.079 2010/02/08
購読者:21,377 (まぐまぐ:15,586 メルマ!:675 めろんぱん:5,116)

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 ■■_新春特別号:ボロが教える戦略BASiCS 10_■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●BASiCSを顧客セグメントごとにつくろう。それぞれが違う
 「戦場」になる。


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◆新春特別講義 ボロが教える戦略BASiCS 〜 白ネコ 外伝
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「白いネコは何をくれた?」のメンター、白いネコのボロが教える、
戦略BASiCSの奥義。

希代の戦略家、ボロが教えるBASiCS実戦講座!

白いネコは何をくれた 「あれから3ヶ月後」

です。

今回は連載10回目!

今回を含めて、あと2回(つまり次号)で完結します(予定です)。


●これまでのあらすじ


広告代理店、サンデー広告社は、大口取引先の化粧品会社を失うとい
うピンチを、営業担当(当時)の日向実直(ひなたさねなお)、制作
担当(当時)の鳥野智子(とりのともこ)、高見理香(たかみりか)
の活躍で何とか乗り越えた。

そのときのメンターが、言葉を話す白いネコ、「ボロ」。

(この活躍は、拙著「白いネコは何をくれた」でどうぞ)。


その活躍により、日向実直は初代戦略プランナー、鳥野智子は初代ク
リエイティブプランナーに就任。高見理香はアートディレクターに昇
進。3人で仕事を進めるようになった。

同時に、危機を乗り越えて共鳴しあった実直と智子は恋人同士として
その仲を深めていった。

実直は、あらたなクライアント、サンライズビルからの発注を得た。
サンデー広告が入居する超高層オフィスビルだ。その営業戦略と営業
ツールを見直して欲しい、という。

早速、実直と智子は戦略BASiCSで営業戦略を考えて行くことに
した。クライアントはオフィスビルなので、その顧客であるテナント
は法人。BtoCである化粧品と違い、BtoBの営業戦略の戦略提
案には戸惑いを感じた。

実直と智子は深夜まで会社の会議室で2人は議論を重ねるが、行き詰
まり、いつしか深い眠りへと落ちると、いつの間にか白いネコ、ボロ
が目の前に現れ、教えを授けると、消えてしまった。ボロの教えは、
やはりBASiCS。


それをヒントに、クライアントのサンライズビルにとっては顧客とな
る自分の会社の三出社長に、オフィスビルのニーズをヒアリング。つ
いに切り口が見えた!

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◆ヒアリング結果から、戦略BASiCSを考えよう!
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ついにヒアリングが終了!

実直たちは、ヒアリング結果をまとめながら、戦略BASiCSの作
成を開始した。実直、智子、理香の3人が会議室に陣取り、ホワイト
ボードを前に議論を始めようとしていた。


実直:ヒアリングお疲れ様。これだけやると、大分わかってきたね。

智子:お客様によってこれだけニーズが違う、っていうのはやっぱり
   聞かないとわからなかったよね。

理香:で、これからどうするんだ?

実直:うん、BASiCSをまとめよう。高見さんも一緒に入ってよ


わかりやすいところから始めよう、ということで、実直と智子が一緒
にヒアリングに行った、外資系C社から始めることにした。


例によって、実直がホワイトボードに、タテにBASiCSとまずは
大きく書いた。

B:戦場・競合   前にいたビル、他に検討したビル
A:独自資源    サンライズにしかない資源
St:強み・差別化  差別化された価値
C:顧客      顧客の部署・使い方
Sm:メッセージ   響く売り文句

智子:顧客は、外資系の本社、ということでいいよね?

実直:そうだね。戦場・競合は、六本木ヨルズだったよね。

智子:前にいたビルは小さいビルって言ってたよね。それは競合じゃ
   なくていいの?

実直:あ、それも一応書いておこうか。次は、強み、か……

智子:独自資源からじゃなくていいの?

実直:いや、強みが先だと思う。で、その強みを考える独自資源は何
   か、って考えた方が早いよ。

理香:何でだ?

実直:だって、顧客にとって大事なのは独自資源じゃなくて、強みで
   しょ。

智子:あ、なるほどね。その方が早いね。お客様に意味がない独自資
   源を考えてもしょうがないもんね。

理香:よくわからないが、とりあえず埋めてみよう。で、どんな強み
   があったんだ?

智子:わかりやすいのは、社長が眺めが気に入った、って言ってた。

実直:そうだね。眺めがいい、っていうのは強みだよね。

理香:ちょっと待て、その「眺めがいい」って、本当なのか?

実直:なんで? お客様がそう言ってるんだよ?

理香:でもさ、客観的に考えて、このビルの眺めと、ヨルズの眺めが
   そんなに違うとは思えないんだ。ヨルズの眺めだっていいぞ。

智子:そっかあ……競合は、ヨルズだもんね。前にいた小さいビルか
   ら比べれば眺めはいいけど、ヨルズと比べたら……

実直:そうかあ……同じ顧客でも、比較対象である競合によって強み
   が変わる、ということか……

智子:じゃあ、競合別に書き直した方がいいね……

実直:うん……これ、思ったより複雑だ……顧客別にBASiCSが
   できるのは想像してたけど、競合別にもできるんだね……

理香:最初は細かく書いていったほうがいいんじゃないか? こない
   だも言ったけど、具体性がないと説得力がないぞ。

実直:うん、そうだね! じゃあまずは、引っ越す前にいた小さいビ
   ルを競合とおいてみよう。そっちの方が早そうだ。

智子:そこに対しては、さっきの「眺め」とか、「いい設備」とか、
   飲食施設やホテルがある、っていうところよね。

実直:うん。「いい眺め」という強みは、「60階建ての建物」とい
   う設備が独自資源になってるね。

理香:そこは問題ないだろ。問題なのは、六本木ヨルズと比べた場合
   だよ。ヨルズに勝っているところ、お客様何か言ってないの?

実直:うーん……「眺め」「いい設備」「飲食施設・ホテル」が強み
   って言ってたけど……

理香:そこでサンライズがヨルズに勝ってるとはいいにくいよな? 
   良くて同等、ヘタすりゃ負けてる……

智子:あるとすれば、空港へのアクセスとかじゃない? ほら、ここ
   からは羽田や成田への直通リムジンが出てるから……

実直:外資系だから、本国との往来のために空港をよく使うよね。

理香:それはあるか……でもそんなに違うか? お偉いさんならリム
   ジンじゃなくてタクシーだろ、成田まで。

智子:確かに……それだけで決めるとは思えないわね……


実直がヒアリングのメモを再度パラパラとめくった。


実直:あ、大事な強みを忘れてた。サンライズの方がヨルズより賃料
   が安い!

智子:あ、そうそう! 賃料がヨルズより数割安いって言ってたわ。

理香:数割も違うのか!? そりゃ大きいな……家賃ってヘタすりゃ
   年間で億単位だろ? C社の賃料っていくらなんだ?

智子:確かに……それがわかれば、コスト削減効果が金額換算できる
   よね。借りてる面積がわかればざっくり計算できるね。

実直:そうか……それもセグメンテーションに必要な情報か……コス
   トがいくら違うかがわかるから……しまったな……

智子:それはサンライズさんの方で把握してるはずよ。今度聞いてみ
   ればいいじゃない? 各社の賃貸面積を。

実直:そうだね。ってことは……結局、「安い」っていう強みがメイ
   ンってことか……それが「メッセージ」になるのか……

智子:でもなんか、「安いビルです」っていうメッセージってあんま
   りピンと来ないよね……

理香:いや、あくまでヨルズと比べて、だろ?

実直:そうか……競合と比べて、か……でも、ヨルズより安いビルで
   す、っていうメッセージもなんかなあ……


智子がヒアリングメモをめくった。


智子:あ……「これだけのビルの割には安い」ってお客様の言葉がメ
   モってあるわ。

実直:あ……そうか! 「戦場」だ! この場合はヨルズが競合だか
   ら、「高級オフィスビル」が戦場なんだ!

理香:なるほどな。コーチみたいなもんか。

実直:何それ?

理香:なんだよ、だからサエナイなんだよ……オマエ、白いネコの本
   もう1回読めよ。自分でやったプレゼンじゃないか……

智子:なおくん、あれよ、フレンドコスメさんにやったプレゼンで…

実直:あ……そうか! コーチは高級バッグなのにお手軽で安いって
   いう……高見さんが言ったアレ! なるほどお!

理香:そう。コーチの戦場はあくまで高級バッグだろ? 比較対象が
   ヴィトンとかなんだから。高級バッグとしては安いってこと。

実直:そうかあ……高級オフィスビル戦場におけるコーチ、か……同
   じなんだね……

理香:大体オマエが言ったんだよ。どんな業種業態でもそういう競合
   構造は同じだ、って……

実直:はははは……ホントだねえ……いや、まあいいじゃない。僕の
   言ったことがホントだったわけだからさ。

智子:ふふふ、そうだね。じゃあメッセージは「手の届く高級ビル」
   って感じかな? コーチと同じで。

実直:あ、それいい! さすがともちゃん! じゃあ、これで
   BASiCSを整理しようか……


実直と智子は、それぞれ、競合が「六本木ヨルズ」と「前にいた小さ
いビル」についてのBASiCSを手分けしてホワイトボードに書き
始めた。議論を尽くした後だったので、その穴埋めはスムーズに進ん
だ。


●顧客:外資系C社

B:戦場・競合  高級ビル・ヨルズ      小さいビル

A:独自資源   プリンセスホテル隣接     高級設備

St:強み    低価格・空港アクセス    眺め・設備など

C:顧客と    外資系本社         外資系立ち上げ
  使い方                  時の仮事務所

S:メッセージ  手の届く高級ビル      高級なビル?

理香:なんで「プリンセスホテル隣接」が低価格とか空港アクセスに
   つながんの?

実直:プリンセスホテルがあるから、空港行きのバスが結構出てるみ
   たいなんだよね。だから。

理香:へー、そうなんだ。じゃあ「低価格」の独自資源ってあるの?

実直:あ……ないね……立地、かなあ? 六本木に建てるよりは、池
   袋に建てる方が地価が安い、とか……

智子:あ、そうだよ、きっと。

理香:なるほどね。それはわかるよ。


実直は、独自資源に「池袋という立地:六本木より地価が安い?」と
書き加え、「ふう、これで完成か……」と息を吐いた。

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◆完成! 戦略BASiCS
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実直:こんな感じかな……ね、高見さん、これでクリエイティブ(制
   作物のこと)ってできる? パンフとかさ……

理香:無理。同じパンフに、2つの相反するメッセージが混在したら
   混乱する。競合をどっちかに絞ってくれ。

実直:確かに……ヨルズと比べて低価格、って言ったり、小さいビル
   と比べて高級、って言ったり……その場合は安くないしね……

智子:この場合は、ヨルズを競合としてしまっていいと思うな。

実直:僕もそう思う。高見さん、それならできる?

理香:ああ。高級感の中での低価格、っていう打ち出し方に絞れば、
   パンフでも何でも作れるよ。

智子:ね、なおくん、C社の社長ってアメリカ人の方だよね? そう
   すると、資料って日本語でいいのかなあ……

実直:!! そうだ! 社長が決めるんなら、社長向けに英語の資料
   なんかもあったほうがいい!!

智子:私もそう思うの。

理香:そうか……それはそうだよな……外資系の場合は英語の資料が
   いるよな……それは盲点だったよ。

実直:でも、すっごく大変ね……1つの顧客だけ見てもこれだけ色々
   考えなきゃいけないのに。

智子:私もそう思った。サンライズビルの統一メッセージなんか作れ
   ないんじゃないの?

実直:うん……競合が違えば、メッセージが違うどころか、逆のメッ
   セージだ。ヨルズよりは低価格、小さいビルよりは高価格……

智子:でも今回は個別営業でしょ? TVCMならそれは無理だけど
   営業さんがお客様ごとに言うことを変えればいいんじゃない?

実直:そうだね……営業担当がいるわけだからね……営業さんが、お
   客様に合わせてメッセージを変えて営業すればいいんだね。

智子:うん。だから、戦場ごとにBASiCSをまとめればいいんだ
   と思うわ。

実直:そうか……戦場ごと、お客様ごとにBASiCSを作って、そ
   れに合わせて営業をすればいいんだ!

智子:うん。セールストークも、お客様がどの戦場にいるのか、それ
   で変えればいいはずよ。

実直:ということは、このまま、戦場別のBASiCSを作っていけ
   ばいいってことだよね。

智子:じゃあ、他の会社さんについてもやってみようよ。

実直:うん、じゃあウチの会社、サンデー広告についてやってみよう
   よ。このパターンって結構出てきたから、もう考えてあるんだ


実直は、ホワイトボードに、サンデー広告の社長へのヒアリングに基
づいたBASiCSを書いていった。

●顧客:中小企業 サンデー広告社

B:戦場・競合  雑居ビル

A:独自資源   ビルとしての「格」   高級設備・繁華街立地
          ↑↓            ↑↓
St:強み    顧客の信頼度       人材の定着率向上

C:顧客と    中小企業の本社        自社従業員
  使い方

S:メッセージ 「へえ、サンライズにいる   優秀な社員が定着
         んだ」と御社の顧客に    します。
         言ってもらえます。


智子:へえ、面白いね。自社従業員も「顧客」とみるんだね。

実直:うん。意思決定者の社長にとっては、自社の従業員はある意味
   顧客だよね。「社員の定着率向上」という意味で。

理香:人材の定着率向上、ってもう一言なんかないのか? まだ「具
   体性」に欠けると思うぞ。

実直:あ、それはね、コスト削減とかにもつながる。誰かがやめたら
   新規採用・教育しなきゃいけないよね?

理香:なるほど、採用・教育コストが減るわけだな。だから家賃が高
   くてもモトが取れると……これはいいんじゃないか?

実直:やったあ、高見さんに褒められた。

理香:ウチらだって、高級ビルに入っている方がいいよな。まあサエ
   ナイが「優秀な社員」かどうかは別にして。

実直:うん、これからそうなるからいいよ。こうやってBASiCS
   を練習して使えるようになってさ

理香:お、ポジティブになったなあ。さすが「ともちゃん」の愛する
   「なおくん」だ。

智子:理香!

理香:おお、「ともちゃん」もこわいこわい。

智子:ふーんだ、悔しかったら理香もステキなカレシ作ればいいじゃ
   ないの。なおくんみたいにステキなカ、レ、シを。

実直:ね、ともちゃん

理香:こ、このバカップルが……


開き直った智子に見事に一本返され、理香は苦笑した。


ペースをつかんだ3人は、次々とBASiCSを完成させていった。

●顧客:コールセンターA社

B:戦場・競合  沖縄のビル        都心のビル

A:独自資源   都心立地・住宅地    強固な地盤・耐震性
          ↑↓             ↑↓
St:強み   ・都心の女性採用     地震でもIT設備が
        ・近くて指示しやすい   破損しにくい

C:顧客と    コールセンター:女性オペレーターを大量に採用
  使い方    する、巨大IT設備を導入する

S:メッセージ  強みに同じ

●顧客:B社 営業支社 

B:戦場・競合  池袋近くの雑居ビル

A:独自資源   立地(高速出入り口)   貸し会議室
         車寄せ・駐車場
          ↑↓            ↑↓
St:強み    車での営業に便利     使わないスペースを
         埼玉営業所不要      変動費化できる

C:顧客と    東京北部・埼玉南部をカバーする営業拠点
  使い方    営業は車で行う。

S:メッセージ  強みと同じ

実直:じゃあ、また一貫性を確認して……

智子:戦場にいる競合に対する強みになってるよね……

実直:うん……大丈夫そうだね……あと、強みと独自資源の一貫性も
   あるよね……

理香:ああ。あと顧客と強みの一貫性もあるよな……うん、大丈夫そ
   うだな。

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◆「セグメンテーション」とは「ニーズで括る」こと
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実直:細かいところはおいといて、大分できた感じだね……

智子:でも、数が相当あるね。テナントさんの数だけBASiCSが
   できるわけでしょ?

実直:いや、ここからまとめればいいんだと思う。コールセンターは
   コールセンター、営業支社は営業支社で。

智子:あ……そうか、そうやってまとめればいいのね!

実直:うん。サンライズ広告のパターンって、繰り返し出てくる。
   「信頼感を上げるためにいいビルに入る」、って…

智子:あ! 営業支社もそうだった。営業車を使うのに便利、とか、
   貸し会議室とか……同じようなコメントがたくさん出てきたわ

理香:なるほどな、同じようなパターンが繰り返し出る……それなら
   それを括ってしまえばいいってことか。

実直:そう! それがセグメンテーションなんだよ。外資系じゃなく
   ても「空港アクセス」なんていうニーズもあったでしょ?

智子:うん、あったあった! 商社のお客さんなんかそうだったよ。

理香:そりゃそうか……外資系じゃなくても、空港アクセスが大事な
   会社はあるだろうしな……そのニーズは同じか。

実直:そうそう。外資系で括ってもいいけど、そのセグメントには商
   社も入っていいかもしれない。ニーズが同じだからね。

智子:なるほどぉ! そうか、ニーズで括るのよ! 最初これがわか
   らなかったからセグメンテーションできなかったのよ!

理香:なるほどな……最初業種業態とか、企業規模を見ながら、わか
   らないわからないって言ってたよな……具体性が無かったんだ

実直:そうそう。具体性がなかった。僕、勘違いしてた。セグメンテ
   ーションって「分けること」だと思ってた。

智子:違うの? ボロちゃ……いえ、あの先生もそう言ってたよ?

実直:それには多分続きがあるんだと思う。セグメンテーションって
   「括る」ことなんだよ。同じニーズの人たちを。

理香:お、私にもわかった。ニーズを個別具体的に見たからこそ「括
   れる」わけだな。具体的ニーズがわかんなきゃ括れないだろ。

実直:そうそう。大きいところから「分ける」から見えないんだ。ま
   ずはお客様の「顔」を見て、それから近い人を「括る」んだ。

智子:考える順番が間違ってたってことね……なるほどね〜。

実直:うん、今回すっごく勉強になった。これは、BtoCだとわか
   りにくい感覚だけど、ホントはBtoCもそうなんだよ。

理香:確かに。BtoBだと本当に「顔が見える」からな。

実直:そう。コールセンターで1セグメント、営業支社で1セグメン
   ト、外資系+商社で1セグメント、って感じかな……

智子:あれ、それぞれが違う戦場だよね、きっと。競合が違うから。

実直:うん。その意味で、戦場と顧客は限りなく一致する。それが例
   の「一貫性」ってヤツだと思う。

理香:面白いな。具体性があるから、一貫性が取れるってことだな。

智子:へえ、「具体性」があるから「一貫性」が取れる、かあ。ね、
   なおくん、セグメントの数っていくつくらいになりそう?

実直:これから「括って」みるけど、7〜8セグメントじゃないかな

智子:そうかあ……それに合わせて違うメッセージを出すってことね

実直:うん。営業プロセスも、パンフも、その数だけ必要になるね。
   セグメントに合わせて営業トークも変えることになる。

智子:確かに……外資系なら英語のパンフ持っていって……

実直:営業支社として使うなら、駐車場、車寄せとか貸し会議室、イ
   ベントホールなんかを「メッセージ」としてアピールする。

智子:コールセンターなら、地盤の強さとか、女性オペレーターの採
   用しやすさを「メッセージ」とにするのね。

実直:そう! うん、これでいいよ!

智子:うん、これでできたね!! やったあ! 完成だ!

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◆そんなことできるのか?
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理香:ちょっと待て、そんな複雑な営業できるのか?

智子:なんで? 相手に合わせて営業トークを変えるのなんか、営業
   の基本でしょ?

理香:相手のニーズがわかっていれば、な。営業さんはどのタイミン
   グで、お客様の戦場とかニーズがわかるんだ?

智子:そっか……最初に訪問するときとかはお客様の情報が無いわけ
   だからね……競合のビルとかがわからないから……

実直:最初に営業に行ったときに聞けばいいんじゃない? 競合のビ
   ルにはどんなビルをお考えですか、って。

理香:でも、どんな情報を持っていけばいいか、わからないだろ? 
   全セグメント向けの資料一式全部持っていくのか?

実直:そっか……

智子:それに必ず会って説明できるとは限らないわ。資料を送って、
   っていう場合のときもあるよね?

実直:確かに……どんな資料を送ればいいのか、わからない……

智子:それだったら、今まで通り、全セグメント共通のパンフ送る?

実直:それじゃ意味ないよ。お客様によってメッセージを変えないと
   いけないことだけは確かだと思う……

智子:でも、どうすれば……?

実直:ううん……どうしようか……

<次号に続く>


さて、この悩み、あなただったらどうやって解決するでしょうか? 
ぜひ考えてみてくださいね。


いよいよ次号、完結!!


さて……お気づきかもしれませんが、この「外伝」にはモデルがあり
ます。そうです……拙著「経営戦略立案シナリオ」のZビルの事例で
す。


●「経営戦略立案シナリオ」 佐藤義典 著 かんき出版
経営戦略のガイドブック:経営者は必読!
http://www.sandt.co.jp/scenario.htm


本には結果だけを載せていますが、実際には私が悩み苦しみながら、
考えていきました。

もちろんボロはいませんでしたし、彼女とこんなに楽しそうに打ち合
わせしながら進めたわけでもありませんが、考え方のプロセスは割と
リアルにシミュレーションしています。


経営戦略立案シナリオのケースの背景にある考えるプロセスとしても
この「外伝」はお楽しみいただけます。お持ちの方、今一度経営戦略
立案シナリオを読み返してみてください。


サエナイ主人公、日向実直と、アイスドール 鳥野智子、アイアンレ
ディー 高見理香の3人が織りなす珠玉のラブロマンス……ではなく
て人生戦略物語!


「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
 物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm

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▼今日の日記▲

先週は、愛媛県・松山市に出張。ある団体さんにお招きいただいて、
BASiCSをご教授申し上げてまいりました。生まれて初めて行っ
たということもあり、駆け足ですが、街を見て参りました。今の松山
市のメッセージはシンプルで、「坂の上の雲の街」です。そうです、
主人公秋山兄弟の出身地です。「坂の上の雲ミュージアム」というす
ごく立派な建物もあり、にぎわってました。私、まだ読んでないので
すが色々と共感できそうな内容なので、読んでみようかと思います。
司馬遼太郎氏がその40代を捧げたのが「坂の上の雲」だそうです。
私の40代は、BASiCSに捧げるのだろうなあ、と思いながら、
見てました。


今日は、あるお客様のご親族を「偲ぶ会」でした。大変立派な会でし
た。そこに、故人の方の生涯や業績を説明する写真パネルがありまし
た。私だったら、どんな年表を書かれるのだろうか……と考えながら
見ていました。あ、もちろん将来の年表、ですよ。「氏はその後半生
を、戦略BASiCSの普及に捧げた」と書かれるとして、2010
年はどんな年として書かれるだろうか……そんなことを考えながら、
「偲んで」まいりました。

●今日のiPod Tune:ココロあたたまるポップスソング!


もう立春とはいえ、まだまだ寒いです。気候が寒くても、お財布の中
が寒くても、ココロの中さえあたたかければ幸せ!


ということで、ココロあたたまるポップスソング特集! 和洋問わず
ココロあたたまる曲(例によって独断と偏見で)をとりあげていきま
す!


今日の曲は……


君に逢いたくなったら… by ZARD


1997年、ZARD20枚目のシングル。90年代を代表する女性
ボーカルですね。私も大好きなアーティストの1人です。当時、出す
曲出す曲が売れまくってましたが、これも絶頂期の曲の1つです。

この歌の歌詞みたいなこと彼女に言われたら幸せでしょうね〜。色々
な意味で、ほのぼのします。

坂井さんに「逢いたくなっ」ても、もう逢えないと思うと残念ですが
私たちが聴き続ける限り、曲は永遠に残ります。

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Copyright 2003-2010 Yoshinori Sato

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 11号に渡った長期連載、次号、いよいよ完結!!


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▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

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