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■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━商品開発編Vol.033(累計1384) 2016/12/08
購読者:22,912(まぐまぐ:16,629 メルマ:946 自社配信:5,337)
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■■__シャルダン ステキプラス:自分をターゲットに__■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●「お客様」と同じニーズを持つ社内スタッフに商品開発を任せて、
「自分の欲しいモノ」を作ってもらおう!
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◆エステーの芳香剤「シャルダン ステキプラス」
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●エステーの芳香剤「シャルダン ステキプラス」が大ヒット!
芳香剤大手のエステー。「消臭力」などのブランドで知られます。
そのエステーが「若い女性」向けの商品をヒットさせました。その裏
側のストーリーは……?
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
◇『若い女性の支持を集め、エステーの芳香剤「シャルダン ステキ
プラス」が快走している。3月に発売した新シリーズは発売1カ月
で販売60万個を突破し、年間目標の200万個を大幅に超える見
通しだ』
◇『チームは20〜30代の社員4人で全員が女性。14年春、鈴木
貴子社長の「最近のエステー製品には女性の視点が欠けている。自
分たちが欲しいと思うものを開発してほしい」という鶴の一声でチ
ームが発足した』
◇『「絶対に売れます。製品化してください」。2014年秋、社内
の販売会議で女性チームが声高に主張した。卓上の製品案は既存の
商品とはまったく違うものだった。丸みを帯びた容器に王冠をモチ
ーフにしたキャップに西洋風のカギの形をした飾り。香りも「せっ
けん」や「ラベンダー」など定番ではなく、「ムーンライトシャボ
ン」という聞き慣れない響きだった』
◇『「飾りに何の意味があるのか」「よけいな生産コストがかかる」
という男性社員らの意見を押し切り、まずは静岡県限定で試験的に
販売。想定の倍以上の売れ行きで、15年3月に主力ブランド「消
臭力」からの全国発売にこぎつけた。これまで消臭芳香剤を利用し
ていなかった若い女性を中心にヒットし、9月に新ブランド「シャ
ルダン ステキプラス」として発売した』
◇『エアケア事業部の戸川明彦部長は「製品開発の過程もこれまでの
男性的な視点とまったく違った」と振り返る。通常、容器はデザイ
ン会社に依頼するが、メンバーそれぞれがお気に入りの化粧品のボ
トルの写真を持ちよった。「自分たちが欲しくなるボトル」をコン
セプトに写真を切り貼りしてデザイン案をまとめた』
◇『現在の「シャルダン ステキプラス」シリーズは計24種類。エ
ステーの消臭芳香剤分野の売り上げのうち13・6%を占めるまで
に成長した』
以下、記事からの引用部分は『』で括ります
2016/06/15 日経MJ P.5
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
ヒット商品を開発するのは難しいですが、見事に成功したとはすごい
ですね。
ステキプラスの商品HPはこちらのようです↓
www.st-c.co.jp/products/detail/air_freshener_003417.html
王冠のようなカワイイ飾りが上についており、これなら確かに若い女
性の部屋にあっても違和感がありませんよね。
若い女性に人気になるのもわかります。
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◆若い女性による、若い女性のための商品開発
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●「若い女性による、若い女性のための商品開発で成功!
この芳香剤「ステキプラス」は、記事によれば
『チームは20〜30代の社員4人で全員が女性』
とのこと。
そして、顧客ターゲットも恐らくほぼ同じでしょう。
「若い女性」を想定顧客とし、社内の「若い女性」が商品開発したわ
けです。
○商品開発者=顧客ターゲット
の関係が成り立っており、いわば、
「若い女性による、若い女性のための商品開発」
で成功したわけですね。
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◆「自分が欲しいもの」を作る商品開発
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●「自分が欲しいもの」vs「お客様が欲しいもの」
マーケティングにおいては、
「自分が欲しいモノ」
と
「お客様が欲しいモノ」
の区別は重要です。
「自分が欲しいモノ」を「お客様が欲しい」とは限らないからです。
例えば、私は「酸っぱいモノ」が苦手です。しかし当然のことながら
「酸っぱいモノ」が好きな方も大勢います。
となると、私が「酸っぱいモノ」を好きなお客様相手に商品開発して
も、全くダメでしょう。
商品開発で重要なことの1つが
○「自分が欲しいモノ」ではなく、お客様が欲しいモノを作る」
ことです。
当たり前と言えば当たり前のことですが、難しいことです。
例えば食品の商品開発などですと、この問題が起きやすいです。
「お客様がおいしいと思うモノ」ではなく、「自分がおいしいと感じ
るモノ」を作ってしまうわけです。
商品開発に限らず、
・若者がシニア向けの販促物をデザインする
というときにも同じ問題が起きます。
シニアの方向けに、小さい文字の販促物を作ってもシニアの方には読
みにくいです。「自分が読めるかどうか」ではなくお客様である「シ
ニアの方が読めるかどうか」が重要なのです。
そこで、
○いいと思っているのは「自分」なのか「お客様」なのか
という疑問を常に自分に投げかけ、「自分のニーズ」と「お客様のニ
ーズ」を意識的に区別する必要があります。
そうしないと、
「自分はいいと思ったが、お客様にはそう思っていただけなかった」
ということになります。これは失敗パターンの典型の1つです。
●商品開発の例外:「自分=顧客ターゲット」
繰り返しますが、商品開発で重要なのは、
○「自分が欲しいモノ」ではなく、お客様が欲しいモノを作る」
ことです。
しかししかし……ステキプラスは、記事によれば、
『自分たちが欲しいと思うものを開発してほしい』
という、社長の意見でチームができました。
その結果、大成功!!
これはなぜ成功したかというと……
○ターゲット顧客=「若い女性」=開発スタッフ
という、
「お客様=自分」
という前提を「意図的に」「わざと」成立させたからです。
「自分が欲しいモノを作れば、お客様が欲しがる。なぜかと言えば、
自分=お客様だからだ」
という状態を作ったのです。
これは、
○「自分が欲しいモノ」ではなく、お客様が欲しいモノを作る」
の「例外規定」のようなものです。
「お客様=自分」
という前提が成り立てば、
「自分が欲しいモノを作れば、お客様が欲しがる」
ということになります。
今回は、偶然ではなく、これを意図的にやっています。
『「最近のエステー製品には女性の視点が欠けている。自分たちが欲
しいと思うものを開発してほしい」という鶴の一声でチームが発足
した』
という社長の意見は、まさに
○ターゲット顧客=「若い女性」=開発スタッフ
という「お客様=自分」となる状況を意図的に作ったことを示してい
ます。
言ってみれば、「社内にいるお客様に商品を開発してもらった」とい
うことです。
このように、例外的ではありますが、
「お客様=自分」
という前提を成立させていれば、
「自分が欲しいモノを作る」という商品開発プロセスは、成功パター
ンの1つとしてあり得ます。
●「自分が欲しいモノを作ったら売れた」の「前提」に注意
この意味で、
「自分が欲しいものを作れば売れる、作ったら売れた」
という意見・経験談には注意する必要があります。
エステーのように、
「自分=お客様」
「自分が欲しいモノ=お客様が欲しいモノ
という前提を置いて、意図的にやったのであれば良いと思います。
が、それが「たまたま、自分=お客様」だったのであれば、次に同じ
ことをやって成功するとは限らないからです。
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◆「誰のために作っているのか」を常に意識しよう!
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●「新しい顧客」を取るためには、「新しいこと」をしよう!
このチームの成果の1つが、記事にあるように、
『これまで消臭芳香剤を利用していなかった若い女性を中心にヒッ
ト』
という「新しい顧客」を獲得したことです。
私の仮説ですが、成功要因の1つが「デザイン」です。
というのも、部屋に置く消臭剤は「人に見られる商品」だからです。
友人を呼んだときに隠さなければいけないようなデザインでは、若い
女性が買いにくいでしょう。
そこで、顧客ターゲットである若い女性の部屋に置いても違和感のな
いデザインにしたりすることで、「若い女性」という「新しい顧客」
が取れたのではないでしょうか。
「新しい顧客」を取るためには、今と同じことをしていても取れませ
ん。同じことをしていて取れるのであれば「新しい顧客」ではなく、
「既存顧客」になっているはずです。
ただ「新しいこと」をしようとすると、社内の反対が起きることもあ
ります。
今回は実際そうでした。記事によれば……
『「飾りに何の意味があるのか」「よけいな生産コストがかかる」
という男性社員らの意見』
があったわけです。
こういう生々しい社内事情は、なかなか外に出てこないので、非常に
有り難い記事です。
●「お客様」以外の人から、「お客様の意見」を守ろう!
特に大手企業が商品開発をするときは、関係者が多くなりがちです。
すると、「顧客ターゲット」以外の方々が意見を言うことが多くなり
ます。
例えば……
「若い女性」がターゲットなのに、60代の男性役員が「オレはいら
ん」と言ったところで、何にも意味はないはずです。その方は顧客タ
ーゲットではないからです。
そのような「お客様以外の人」から「お客様の意見」を守る「防壁」
が必要になります。
今回は、恐らく鈴木貴子社長(もちろん女性です)が、その「守る役
割」も担われたのではないでしょうか?
年配の男性役員に「あなたは顧客ターゲットじゃないから口を出さな
いでください」と言えない場合は、
○「お客様の意見」「お客様のニーズ」を見える化
して、「お客様はこう言っています」と主張していくのが王道だと思
います。
今回の事例で素晴らしいのは、社内の反対意見に対して、「意見を戦
わせた」のではなく、テストマーケティングをしたことです。さらに
言えばその「テストマーケティング」を許可したことです。
『まずは静岡県限定で試験的に販売』
と、お客様に直接問うたわけです。お客様の答えは……
『想定の倍以上の売れ行き』
だったわけです。結果が出れば誰も文句は言わなくなりますよね。
なお、年配の男性役員が商品開発に口を出してはダメ、とは一言も言
っていません。
「顧客のニーズなのか、自分のニーズなのかを区別しよう」
と言っているのです。
年配の男性役員が、
「それは本当に顧客ターゲットである若い女性が欲しがるのか?」
という疑問を投げるのは、むしろ良いことであり、それこそ役員の大
事な役割の1つです。
それは、商品開発者の「思い込み」だのみの商品開発を防ぎます。
○「それは顧客ターゲットが欲しがるのか?」
○「それはオレはいらない」
この2つは全く違います。前者は「お客様に寄り添え」と言っている
のに対し、後者は「お客様のニーズは関係ない。オレのニーズが大事
だ」と言っているからです。
要は、
○「この商品・サービスは、誰のために作っているのか」
ということを、全員が意識すれば良いわけですね。
若い女性のためにその商品を作っているなら、
・若い女性のお客様
・若い女性の社内スタッフ
の意見に耳を傾ける、という当たり前のことです。
しかし、それは現実的には極めて難しいことです。
私も含めて、どうしても「自分の意見」を「お客様の意見」より優先
させたくなるからです。
ですので、「お客様の意見」を優先させるような開発プロセスを意図
的に作り出す必要があります。
今回の事例は、まさにそれをしたのです。
「お客様のニーズに応えるために、社内にいる「お客様」に商品開発
してもらって成功した」
という、非常に面白い商品開発プロセスでした。
★今日の「アタマに問いかけるべき適切な質問」
「いいと思っているのは「自分」なのか「お客様」なのか」と自分に
問うて、「自分のニーズ」と「お客様のニーズ」を意識的に区別して
いますか?
ぜひお考えになってみてください!
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◆今日のまとめ
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●「お客様」と同じニーズを持つ社内スタッフに商品開発を任せて、
「自分の欲しいモノ」を作ってもらおう!
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ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。
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▼今日の日記▲
先日大阪から帰京したとき、「寒いな」と思いました。もう東京は真
冬という感じでしょうか。
で、冬においしい野菜が、白菜!! 白菜は大好物で、毎日のように
食べてるんですが、この季節は特に美味。
美味な白菜をさらにおいしくするのが豆乳! いつもはカプチーノ用
に買う豆乳が、この時期は鍋用になります。
というわけで、早速作りました。
圧力鍋にたっぷりの白菜、挽肉、ニンジン、玉ねぎあたりを適当に入
れて、水とコンソメを加えて、圧力かけます。その後で豆乳をどばっ
と! 水と豆乳の比率は2:1くらいでしょうか(いつもかなり適
当)。味付けはこれだけ。
豆乳を入れて圧力なべにかけると、白いのが分離してうまくいかない
んですよね……(どうすればいいんですかね?)。ですので、私は一
旦水で煮込んでから、後で豆乳を加えてまた少し煮込みます。
豆乳は、あの緑のアレです。昔は紀文、今はキッコーマン。豆乳には
味がついてますが、それが丁度いいアクセントになるんですよね。
野菜もたっぷりとれますよ。
今週末は、戦略設計図集中セミナー。私のセミナーの中でも一番実戦
度の高いセミナーとなります。
東京はかなり寒いです。あたたかくしてお越しくださいね!
●今日のiPod Tune:クリスマスに聴きたい曲! 2016
さあ、ついに12月! いつの間にか年末!
売れたま!の風物詩、クリスマスソング特集!
静かなクリスマスに似合うのがこの曲。
○メリー・クリスマス ミスターローレンス by 坂本龍一
1983年の映画「戦場のメリークリスマス」より。この映画、ビー
トたけしさん、坂本龍一さん、デヴィッド・ボウイ、などすごいメン
バーが出演されてます。同年はデヴィッド・ボウイの"Let's Dance"
がリリースされた年でもありますね。
坂本さんの代表曲・代名詞ともなったこの曲。ピアノの切ないメロデ
ィが印象的。聴く人を問わず、なぜか懐かしさを感じさせますね。
雪がしんしんと降る窓の外の風景を眺めながら、様々な思い出に耽り
たいときに聴きたい曲♪
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マーケティング理論の本質を「嬉しさ」「価値」を中核としてまとめ
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こんな記事は、ここにしかないと思います。
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佐藤義典著 朝日新聞出版
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◆次号予告:くら寿司のメニュー拡大を支える○○○○
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●業績好調の「無添 くら寿司」。豊富なサイドメニューも人気の一
因だと思いますが、それを可能にしたのがその○○○○で……
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!
▼彼氏・彼女・家族との、知的な話題づくりに!
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!
売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……
〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
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「インド人を右に」とレスするたびに右に動いていくスレ
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1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 14:05:17.71
ID:yDRFQxCW0┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓┃ ┃┣
11 年前
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