アフィリエイト活動に役立つ優良ツールとマニュアルです。詳細説明

2010年2月1日月曜日

売れたま!特別編Vol.077 2010/02/01 新春特別号:ボロが教える戦略BASiCS 8

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
 〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.077 2010/02/01
購読者:21,317 (まぐまぐ:15,561 メルマ!:674 めろんぱん:5,082)

 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 ■■■_新春特別号:ボロが教える戦略BASiCS 8_■■■
 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●「答え」はお客様が持っている! お客様に聞いてみよう!


┃売れたま!は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま!
┃単独でもお役に立てますし、本と併用されれば効果倍増!

┃図解 実戦マーケティング戦略 → http://tinyurl.com/a6ul5


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆新春特別講義 ボロが教える戦略BASiCS 〜 白ネコ 外伝
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「白いネコは何をくれた?」のメンター、白いネコのボロが教える、
戦略BASiCSの奥義。

希代の戦略家、ボロが教えるBASiCS実戦講座!

白いネコは何をくれた 「あれから3ヶ月後」

です。

今回は連載8回目、もはや「新春特別号」とは言えませんが……


●これまでのあらすじ


広告代理店、サンデー広告社は、大口取引先の化粧品会社を失うとい
うピンチを、営業担当(当時)の日向実直(ひなたさねなお)、制作
担当(当時)の鳥野智子(とりのともこ)、高見理香(たかみりか)
の活躍で何とか乗り越えた。

そのときのメンターが、言葉を話す白いネコ、「ボロ」。

(この活躍は、拙著「白いネコは何をくれた」でどうぞ)。


その活躍により、日向実直は初代戦略プランナー、鳥野智子は初代ク
リエイティブプランナーに就任。高見理香はアートディレクターに昇
進。3人で仕事を進めるようになった。

同時に、危機を乗り越えて共鳴しあった実直と智子は恋人同士として
その仲を深めていった。

実直は、あらたなクライアント、サンライズビルからの発注を得た。
サンデー広告が入居する超高層オフィスビルだ。その営業戦略と営業
ツールを見直して欲しい、という。

早速、実直と智子は戦略BASiCSで営業戦略を考えて行くことに
した。クライアントはオフィスビルなので、その顧客であるテナント
は法人。BtoCである化粧品と違い、BtoBの営業戦略の戦略提
案には戸惑いを感じた。

実直と智子は深夜まで会社の会議室で2人は議論を重ねるが、行き詰
まり、いつしか深い眠りへと落ちると、いつの間にか白いネコ、ボロ
が目の前に現れ、教えを授けると、消えてしまった。ボロの教えは、
やはりBASiCS。


それをヒントに、クライアントのサンライズビルにとっては顧客とな
る自分の会社の三出社長に、オフィスビルのニーズをヒアリング。つ
いに切り口が見えた!

その切り口に基づき、他のテナントさんにもヒアリングをついに開始
した……

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆「3つの魔法の質問」のヒアリング、開始!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

実直、智子、理香のサンデー広告社代表と、クライアントであるサン
ライズビルの担当者は手分けして、ヒアリングしていった。

サンライズビルの担当者には、BASiCSを説明し、ヒアリング内
容はそれに基づいた質問であることを入念に打ち合わせし、同意して
もらった。

ヒアリングした会社は数十社に及んだが、なるべく実直もしくは智子
のどちらかは同席するようにした。

質問内容は、以下のBASiCSの内容を基本的におさえつつも、雑
談があればそれもメモしていった。

●質問1 B:競合
・前にどんなビルにいたのか、どこから引っ越してきたのか
・サンライズビル以外にどんな候補があったのか


●質問2 S:強み
・前にいたビルからサンライズビルに引っ越してきた理由は何か
・サンライズ以外の候補ではなく、サンライズに決めた理由は何か


●質問3 C:顧客
・サンライズビルに入っているのは、本社か、営業部などの部署か、
 「使い方」は何か
・意思決定者は誰だったのか、社長か

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆実直のヒアリング:コールセンター
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

いざヒアリングを開始してみると、思っていたとおり、様々な発見が
あった。


例えば、インタビューは次のように進んだ。この会社は、あるサービ
ス業の会社、A社だ。A社の総務部長に、サンライズビルの担当者と
実直が一緒にヒアリングに行ったときのこと……

実直は自己紹介をし、ヒアリングの目的を話すとインタビューを開始
した。

実直:早速ですが、ここは御社の本社ではありませんよね?

A社:ええ、そうです。ここはコールセンターとして使っています。

実直:コールセンターと言うと……お客様からのお電話を受付する部
   門、ということでよろしいでしょうか?

A社:まあそんな感じです。結構多くの電話回線をひきましたよ。サ
   ンライズビルさんにもその節はお世話になりまして……

サン:いえいえ、お役にたてて何よりです。


実直は、ここから質問1 競合の質問を開始する。


実直:では質問させてください。コールセンターは移転されてきたん
   ですか、それとも新設ですか?

A社:拡大、ですね。以前のオフィスが手狭になったので……

実直:なるほど。その際に、他に検討された場所はありますか?

A社:都内ではここだけですね。色々な設備がしっかりしてましたの
   で……

実直:都内では、とおっしゃいますと……

A社:あ、そのとき、沖縄に移すかどうかも検討していたんですよ。

実直:え? お、沖縄ですか!?

A社:ええ……ご存じないと思いますが、沖縄はコールセンターの誘
   致に積極的なんですよ。それで当社も……

実直:そ、そうなんですか……

A社:そうですよ。今でもコールセンターが沖縄にある会社、結構あ
   りますよ。


実直は、ヒアリングシートに

競合:沖縄のビル

と書き込み、ヒアリングを続けた。

競合を確認したので、実直はヒアリングシートの「強み」の質問へと
移っていく。

実直:で、では、なぜその沖縄ではなく、サンライズビルに……

A社:やっぱり、コールセンターも東京にあったほうが便利だ、とい
   う経営判断をトップが下しました。

実直:それはなぜですか?

A社:まず、近い方が色々と指示が出しやすい、ということです。す
   ぐに見に行ったり、直接話せたりしますから。

実直:な、なるほど。

A社:それと、人材ですね。あ、沖縄がいい悪いということではなく
   て、当社のお客様は都心に住んでいる方が多いので……

実直:えっと……コールセンターのオペレーターさんも都心に住んで
   いる方が、お客様の事情がわかりやすい、と……

A社:そういうことです。あ、人材ということで言えば、サンライズ
   ビルは池袋ですよね?

実直:え、ええ……

A社:当たり前だろ、って顔してますね、ははは。

実直:い、いえ……

A社:それって結構大事な要素なんですよ。埼京線、西武池袋線、東
   武東上線などが乗り入れるターミナルですから……

実直:便利ですよね。

A社:まあそういうことなんですけど、女性社員が採用しやすいんで
   すよ。

実直:そうなんですか?

A社:ええ、当社のオペレーターの主力は30代女性ですが、足下の
   豊島区、練馬区、それに埼玉県から来てくれるんです。

サン:な、なるほど! そうか……女性が採用しやすいんだ……

実直:それで、埼京線、西武池袋線、東武東上線……私も西武線です
   けど、確かに女性の多い住宅地が背後に控えてますね……

A社:そうなんですよ。その意味では、六本木などの山手線の内側よ
   りは、ここの方がいいんですよ。

実直:あ……比較対象は沖縄のビルと同時に、六本木のビルでもある
   ってことですか?

A社:一応検討はしましたよ。六本木とは限りませんが、そういった
   ところにあるビルも。


実直は、競合の欄に「六本木のビル」と書き加えた。新たな競合が見
つかったということだ。


実直:では、その六本木のビルと比べて、サンライズビルにいらした
   理由を伺ってもいいですか?


この質問の仕方は、実直はBASiCSの要諦を完全に抑えた、とい
うことを表している。つまり、

「強みは競合によって変わる。従って、強みを聞く場合は、競合を明
 らかにしてから聞かなければいけない」

ということだ。だからいちいち「六本木のビルと比べて」と断りを入
れているわけだ。BASiCSの理解度は、このような何気ないとこ
ろに現れる。

A社:一つは、さっき言った人材の理由ですね。住宅地の人はむしろ
   池袋の方が来やすい……

実直:はい。

A社:人材で続けると、あと、ショッピングセンターとかスーパーが
   あるので、色々な意味で便利ですよね。

実直:なるほど……女性従業員にとってもありがたいですよね。

A社:あとは、地盤ですかね。

実直:はい? 地盤、って、地面に……?

サン:確かに、当ビルの地盤はしっかりしていますが……それは、他
   のビルと比べてもまず負けませんが、それが……?

A社:相当詳細な資料をサンライズビルさんからいただきましたよね

サン:そういえばそんな記憶が……

A社:コールセンターには、相当大規模なITシステムを入れるんで
   すよ。結構な投資なので……

サン:あ……耐震性ですね!

A社:そうなんですよ。地震でやられたら、社員もそうですが、シス
   テム投資も大きいですから……

実直:なるほど……コールセンターは大規模IT投資だからがゆえに
   耐震性のしっかりした場所を選ぶ、と……

A社:このビル、地盤も、ビル自体の耐震設計もしっかりしてます。
   当社のコールセンターはミッションクリティカルなんです。

実直:ミッションインポッシブル?

A社:それは映画、ははは。ミッションクリティカルって、システム
   止めたらシャレにならない、ってことなんですけど。

実直:す、すみません……

A社:ビルはともかく、地盤は変えられないですからね。

実直:!! そ、そうですよね! 確かに地盤は変えられません……


瞬間、実直は「地盤」はサンライズビルの「Asset」だと認識し
た。この近くにある大型ビルはサンライズビルだけであり、地盤は他
のビルはどうやってもマネできない。

「強み」である「耐震性」は、「地盤」というマネできない「独自資
源」に依って立っている、という関係だ。

しかし、この「独自資源」は、実直がいるサンデー広告社が気にした
とはあまり思えない。「絶対的な存在」と考えていた「独自資源」さ
え、顧客によって変わるのか……


A社:そのポイントは、結構大きかったんですよ。あとは、もちろん
   価格ですね。予算はある程度決まってるので……

実直:サンライズビルをお選びになった理由は、大体そんな感じです
   か?

A社:そうですね。


これで「競合」と「強み」の質問が終わり、実直は「顧客」へと質問
を移した。


実直:このビルに移る、という決定を下したのは、どなたですか?

A社:社内で、「コールセンター拡大プロジェクトチーム」を立ち上
   げたんですよ。

実直:なるほど、引っ越しではなく、コールセンターの拡大が先にあ
   ったわけですもんね。

A社:そのチームには私も入ってましたよ。総務代表で。それで色々
   なことを議論して、社長に上申しました。

実直:最終決定者は社長ですか?

A社:正確には取締役会だと思いますが、実質社長でしたね。

実直:なるほど……


実直が時計の針をみると、既に1時間を回っていた。ヒアリングシー
トをざっと見て、聞きモレが無いことを確認すると、実直たちは丁重
にお礼を言ってA社を退出した。

サンライズビルの担当者も、非常に感心した様子だった。


サン:いやあ日向さん、面白かったですね! 私たちも全然気付きま
   せんでしたよ、こんなこと!

実直:ええ、まさか沖縄のビルが競合になっていたなんて……

サン:既存テナントさんと話すことがこれほど勉強になるとは思いま
   せんでした。日向さん、さすがですね!

実直:い、いえ……迷ったら顧客に戻れ、というのが私の師匠の教え
   でして……

サン:なるほど……その師匠の方、きっとすごい方なんですね……

実直:え、ええ……まあ……


実直は戻ると、この内容をすぐ智子や理香と共有し、ヒアリングの仕
方などを話し合った。変な先入観をもたず、とにかくお客様の言葉を
多く引き出した方がよい、という結論に達した。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆智子のヒアリング:営業支社
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


数日後、次は智子の番だ。智子とサンライズビルの担当者が、メーカ
ーの「営業支社」としてサンライズビルに入居しているB社にヒアリ
ングすることになっていた。

智子たちはB社に自己紹介などを行い、早速ヒアリングを始める。


智子:このオフィスは、城北地区営業支社、ということですよね?

B社:はい、そうです。カンバンに書いてある通りになります。

智子:「城北地区」とは、具体的にどのあたりを指すんですか?

B社:東京北部の豊島区、練馬区、このあたりと、埼玉の川口、大宮
   あたりまでをカバーしています。

智子:なるほど……ではヒアリングさせてください。


智子は、ヒアリングシートをの、質問1 B:競合についての質問か
ら開始した。


智子:前はどんなビルにいらしたんですか?

B社:池袋駅近くのオフィスビルですね。ここから歩いてすぐのとこ
   ろですよ。いわゆる雑居ビルみたいな感じのところです。

智子:そちらからサンライズにお引っ越しになる際に、他にご検討さ
   れたビルはありますか?

B社:いえ、特にありません。城北地区では、サンライズビルが一番
   名の通ったビルですからね。


競合を確認すると、早速智子は質問2:「強み」の質問を始める。


智子:では、その池袋駅近くのビルからこちらにお引っ越しになった
   理由は何ですか? 

B社:いくつかありましたが、車での交通の便がいい、というところ
   ですね。

智子:そうなんですか? 駅近くの方が便利なのではありませんか?


違和感があったら、それは素直に質問としてぶつけてみるのがポイン
トだ。それによって、さらに深い情報が出てくることもある。

B社:電車で動く場合はそうですけど、当社の営業は車ですから、高
   速の入り口がすぐ近くにあると便利なんです。

サン:なるほど……首都高の東池袋出入り口が、ビルの真横にありま
   すからね。

B社:ええ。すぐ埼玉にも出られるんですよ。そうなると、埼玉に営
   業所を持つ必要もなくなりますし。

智子:なるほど! 埼玉営業所の分のコストメリットもあったわけで
   すね! それなら、サンライズビルの方が家賃が高くても……

B社:そうですね、まあモトが取れる、ってことですかね。鳥野さん
   は車で池袋の駅周辺を動くことあります?

智子:いえ、あまり……

B社:あのあたり、日中はすごく混雑するので、結構時間のロスにも
   なるんですよ。それよりその分営業してほしいですからね。

智子:な、なるほど……営業の生産性も上がるわけですね……

サン:あと、地下の駐車場をご契約いただいていますよね。結構な台
   数で……

B社:あ、それを言い忘れてました。前のビルでは、駐車場が離れた
   ところにあったので、不便だったんですよ。

サン:なるほど……ここだとまとめて駐車場がありますし、雨に濡れ
   ませんよね。

智子:それはやはり、ここが営業拠点だから、ですか? 車での営業
   をされることが多い……

B社:そうですね。それに、お客様をお呼びするときに便利、という
   のはありますね。

智子:とおっしゃいますと?

B社:よくお客様を呼んでプレゼンをしたりしますが、そういうとき
   ですね。車寄せなんかもしっかりしていますし。

智子:なるほど……車寄せ、ですか……


智子は、思いも寄らなかった言葉が次々に出てくることに驚きながら
も、必死でメモを取っていった。


サン:御社は当ビルの貸し会議室をかなりご利用いただいていますが
   それも、そういった理由ですか?


智子はそう言えばサンライズビルには、自分では使ったことは無かっ
たが、1フロアまとめて貸し会議室となっているフロアがあることを
思い出した。


B社:あ、そうですね。隣のサンライズシティに、イベントホールが
   ありますよね


サンライズビルとつながった形で、ビルの横にはショッピングセンタ
ーやイベントホールがある「サンライズシティ」が存在する。


サン:はい。イベントホールが中にあるオフィスビルってそうありま
   せんよね。

B社:そうなんですよ。で、当社もよくそこでお客様向けの展示会な
   んかをするんですが、そのときに貸し会議室を使います。

智子:そこで商談されるわけですね。

B社:商談とか、具体的な説明会なんかをします。

智子:社内には会議室はないんですか?

B社:少しはありますが、ここの高い家賃を会議室にするのはもった
   いないんですよ。

サン:高いかどうかはともかく(笑)、とおっしゃいますと?

B社:だって、会議室が必要なときって限られますよね。だったら、
   固定費じゃなくて、変動費にしたほうがいいじゃないですか。

智子は顔には出さなかったが、驚いていた。そういう発想が自分には
全く無かったからだ。貸し会議室は、都度の費用だから変動費。だっ
たら、会議室は使うときだけ、お金を払ってでも借りた方がいい。

言われてみれば当たり前だが、自分では出てこない発想だった。やは
り、答えは「お客様」のところにしか無いのだ……実直が狙っていた
のはこれだったのか……

隣では、サンライズビルの担当者が必死になってメモを取っていた。
自分たちの営業方法として、このお客様の声は直接使える。

智子:先ほどのサンライズシティのイベントホールですが、これも、
   サンライズビルに引っ越す理由の1つですか?

B社:いえ、それはむしろこっちに引っ越してからわかりました。結
   構色々なイベントが開かれてるんですね。

智子:ということは、事前にそれをお伝えすれば……

B社:もちろん魅力的なアピールポイントになったと思いますよ。私
   どもにとっては幸運でしたね。

サン:な、なるほど……ついでと言っては何ですが、貸し会議室の使
   い勝手はどうですか?? 何かご要望があれば……

B社:えっと特には……あ、そうだ、無線LANなんかを入れていた
   だくとありがたいですね。会議室を使う人には無料で……

サン:なるほど……はい、次の改善のときのポイントにあげさせてい
   ただきます。

智子:すみません、基本的な話で恐縮ですが、貸し会議室って有料で
   すよね?

サン:ええ、有料ですが、テナントさんには半額でお貸ししてます。
   サンデー広告さんはあまりお使いいただいてませんが(笑)

B社:結構便利ですよ。カフェなんかもありますから、お茶も出せま
   すしね。

智子:ふふふ、便利そうですので私どもも使わせていただきますね。

サン:ええ、ぜひ。

智子:まとめますと、サンライズに引っ越された理由は、車での移動
   や車寄せ、イベントホール、貸し会議室、ですが、他には?

B社:そんなものですかね……

智子:最初に、名の通ったビル、とおっしゃいましたが、それは重要
   でしたか?

B社:あ、まあありがたいと言えばそうですが、それだけのためには
   引っ越さないですよね。

智子:ちなみに価格的には、安くはなってないですよね?

B社:ええ、もちろん(笑)。サンライズさんがいる前では言いにく
   いですが、前のビルよりは結構高いですよ。

サン:それは申し訳ありません(笑)

智子:それは、先ほどの埼玉営業支社を兼ねるとか、営業生産性など
   のメリットが上回る、という判断ですよね?

B社:さすがですね、おっしゃるとおりです。


これで「競合」と「強み」の質問が終わり、智子は「顧客」へと質問
を移した。


智子:このビルでは、営業支社以外の業務ってされてらっしゃいます
   か?

B社:いえ、してません。営業専門です。

智子:このビルに移る、という決定を下したのは、どなたですか?

B社:えっと、そのあたりの経緯はあまりよく知りませんが、前の営
   業支社長がここに移りたい、と社長に直談判したようです……

智子:なるほど……最終的には社長判断ですね……社員の方はご満足
   されてますよね?

B社:ええ、飲食店が多く入っているので、飲み会もしやすいですし
   便利に使ってるみたいですよ。

智子:なるほど、レストランですね。昼はいつも混んでますけどね、
   ふふふ。

B社:ええ、でも夜はお客様もお連れできますし、会議のあとそのま
   ま接待にも使えますから。

智子:あ……それも大きいメリットですか? 接待に使える……

B社:あ、そういえばそうですね。会議室のあと、そのまま濡れずに
   行けるので便利ですね。

智子:飲食店はもっぱら接待ですか?

B社:いえ、支社長と営業担当との飲みニケーションにも役だってま
   す。同じ屋根の下ですから会社にも戻りやすいですしね。

智子:なるほど……本日はありがとうございました!

智子が厚くお礼を言って部屋を出ると、やはり時間は1時間を大幅に
超えていた。

サンライズビルの担当者は、実直のときと同様、興奮した面持ちで智
子に話しかけてきた。


サン:鳥野さん、面白かったですね! 日向さんとのときもそうでし
   たが、これは本当に聞いてみなければわからないことばかり。

鳥野:ええ、そうでしたね。営業所だと車寄せとか、高速の出入り口
   に貸し会議室……聞いてみれば当たり前なんですが……

サン:いや、これは聞かないとわからないですよ。実は、社内でも、
   貸し会議室で1フロア使うことは議論になってたんですが……

鳥野:もったいない、ということですか?

サン:そうなんですよ。つぶしてしまえという声もあるはあるのです
   が、それも考えものですね……

鳥野:今のお話を伺った限りでは、大きい強みの1つになりそうです
   ね、やり方次第では。

サン:ええ。会議室を変動費化する、というのは私にとっても、目か
   らウロコの発想でした。

鳥野:やはりヒアリングをしてみてよかったですね。

サン:ええ、本当にそう思います。お客様によってこんなに違うとは
   思いませんでしたよ。

鳥野:日向のときは、テナントさんがコールセンターでしたから、耐
   震設備、今回は営業支社さんなので、駐車場に車寄せ……

サン:鳥野さんたちがやりたかったことがわかってきましたよ。今後
   も楽しみです!

智子は、戻ると興奮気味に実直や理香とこの内容を共有した。想像以
上の収穫に、実直も驚いた。

やはり、「答えはお客様が持っている」のだ、と再認識した。

さらに、BASiCSに基づき、仮説を立ててヒアリングをすること
により、これほど充実したヒアリングになるとは……顧客ニーズを探
るとは、こういうことなのか……

<次号に続く>

えっと……終わりには近づいているはずなのですが……私にも、あと
何号で終わるか、はっきりわかりません……(笑)。

もう少しだけ続きますので、お楽しみくださいね! 多分あと2号く
らいだと思います。


これ、きちんと書くと戦略BASiCS BtoB編として、1冊の
本に出来そうですね。BtoBの本はいずれきっちり書くことにして
います。


ぜひご感想をお待ちしています!

さて……お気づきかもしれませんが、この「外伝」にはモデルがあり
ます。そうです……拙著「経営戦略立案シナリオ」のZビルの事例で
す。


●「経営戦略立案シナリオ」 佐藤義典 著 かんき出版
経営戦略のガイドブック:経営者は必読!
http://www.sandt.co.jp/scenario.htm


本には結果だけを載せていますが、実際には私が悩み苦しみながら、
考えていきました。

もちろんボロはいませんでしたし、彼女とこんなに楽しそうに打ち合
わせしながら進めたわけでもありませんが、考え方のプロセスは割と
リアルにシミュレーションしています。


経営戦略立案シナリオのケースの背景にある考えるプロセスとしても
この「外伝」はお楽しみいただけます。お持ちの方、今一度経営戦略
立案シナリオを読み返してみてください。


サエナイ主人公、日向実直と、アイスドール 鳥野智子、アイアンレ
ディー 高見理香の3人が織りなす珠玉のラブロマンス……ではなく
て人生戦略物語!


「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
 物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま!を解除するには
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

売れたま!は、以下の3つの配信会社さんから配信されています。

こちらには読者様のアドレスはわかりません。配信会社さんをご確認
の上、以下から解除をご自身にてお手続き下さい


○まぐまぐ
http://www.mag2.com/m/0000111700.html

○melma!
http://www.melma.com/backnumber_92209/

○めろんぱん
http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=010361


ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。

◆◆◆◆◆◆◆ お奨めメルマガ 紹介コーナー! ◆◆◆◆◆◆◆

--------------------------------------------------------------

購読者千人以上のビジネス系メルマガの発行者さん、1万人メルマガ
売れたま!との相互紹介をしてみませんか?

 ●詳細は、http://www.mpara.com/sougo.htmをお読みください●

お読みいただいていないと思われるメールには御返事できないこと、
ご了承いただければ幸いです。発行前のメルマガのご紹介は原則とし
て行っておりません。ご了承下さい。

アフィリエイト、e-bookの宣伝などは全てお断りしております。返事
をする時間すら惜しいので、恐縮ですが無視させていただきます。

また、「ビジネス系メルマガ」に限らせていただいています。


**************************************************************
▼今日の日記▲

先週は1週間、おなかを壊していまして、ポカリスウェットだけで生
きていたようなものですがようやく復調してきました。普通のモノが
食べられるようになりました。とりあえず人間は3,4日はポカリス
ウェットだけで生きられるという人体実験終了です(良い子の皆さん
は絶対マネしないでくださいね)。

とにかく、胃袋が小さくなりました。妻がパスタを作ってくれたので
すが、50g(乾麺)で十分! 前は、乾麺300gだったのに、で
すよ!? (前が食べ過ぎ、とかそういうのはおいといて)。食べな
と、胃袋、小さくなるんですね〜。さすがにこの量だとそのうち栄養
失調にでもなりそうなので、胃袋は大きくなっていくでしょうが、し
ばらくは小さいままの方が良さそうですね。

で……これも妻が作ってくれたトリュフのおいしかったこと!! 生
きてて良かった、とまでは言いませんが、食べられる幸せ、というの
をあらためて感じました。

次は……ラーメンかな、やっぱり(笑) 人間は己の好きなモノで滅
ぶ、とよく言われますが、私の場合はラーメンとコーヒー?

●今日のiPod Tune:ココロあたたまるポップスソング!


今日から2月ということもあり、新シリーズ!

もうすぐ立春とはいえ、まだまだ寒いです。気候が寒くても、お財布
の中が寒くても、ココロの中さえあたたかければ幸せ!


ということで、ココロあたたまるポップスソング特集! 和洋問わず
ココロあたたまる曲(例によって独断と偏見で)をとりあげていきま
す!


最初の曲は……


ひだまりの詩 by ル・クプル


1997年の大ヒット曲。Le Coupleの名の通り、夫婦のお二人の曲
です(HPによると離婚されたようですが……)

ピアノを中心にしたシンプルなアレンジが、素朴な歌詞にぴったりで
す。まさに「ひだまり」にいるかのように温かくなれる曲です。

このような曲は将来にずっと歌い継がれていってほしいですね。

**************************************************************
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓<免責事項等>〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●紹介した会社の各商標は各会社の登録商標です。紹介した会社・商
 品等は、例であり、戦略や商品の良し悪しの評価ではありません。
●無断転載は禁じますが企画や会議のネタにぜひどうぞ。全文転送な
 ら構いませんので、部下・上司・同僚など周囲の方にもお勧めを!
●メルマガの内容の実行は、読者さんの責任でお願いします。
●自社の売上向上のために使うのは歓迎ですが、このメルマガの内容
 の販売・コンサルティングへの利用で利益を得る行為は禁じます。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓<発行者情報>〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●発行者:佐藤義典   ●発行頻度:月・木の週2回目標
●感想、質問、実行の結果などは uretama@mpara.com へどうぞ!
http://www.mpara.com(マーケティングパラダイス)
●バックナンバー抜粋 http://www.mpara.com/backno.htm

マーケティングコンサルティング・研修・セミナーは
ストラテジー&タクティクス株式会社へ
http://www.sandt.co.jp/index.htm

Copyright 2003-2010 Yoshinori Sato

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま!提携メルマガ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
以下は、売れたま!独自の基準で厳選している提携メルマガです。

●あなたは一国一城の主!小さな会社を成功させる方法
http://www.mag2.com/m/0000111010.html

お奨め書 「売りこむな!期待をくすぐれ!!」
http://tinyurl.com/4vyk4

●行列のできるお店のためのマーケティング戦略
http://www.mag2.com/m/0000122871.html

●エンジニアがビジネス書を斬る!
http://www.mag2.com/m/0000132223.html

●後悔しないための読書【ビジネス書の本格的書評】
http://www.mag2.com/m/0000125885.html

--------------------------------------------------------------

ご参加希望のメルマガ発行者はuretama@mpara.comまでメールをどう
ぞ。提携メルマガオーナーに声をかけます。提携基準は厳しいので、
提携できるとは限らないこと、あらかじめご了承ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま!発行者 佐藤義典 の本 : 合わせて読めば最強!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●最新刊 「売れる会社のすごい仕組み」 佐藤義典著
 青春出版社
 売れる戦略構築から実行プロセスまでを物語で体感!
http://www.sandt.co.jp/shikumi.htm

-------------------< 経営戦略の最高峰 >-------------------

●「経営戦略立案シナリオ」 佐藤義典 著 かんき出版
経営戦略のガイドブック:経営者は必読!
http://www.sandt.co.jp/scenario.htm

-----------< マーケティング戦略のベストセラー >-----------

●「図解 実戦マーケティング戦略」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略入門:戦略はここから
 日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/jissen.htm

●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
 日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/check.htm

----------------< マーケティングの思考法 >----------------

●最新刊 「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
 日本能率協会マネジメントセンター
 右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
http://www.sandt.co.jp/shiko.htm

-----------------< 超わかりやすい入門書 >-----------------

●「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
 物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm

●「ドリルを売るには穴を売れ」 佐藤義典著 青春出版社
 マーケティング入門:読みやすい小説
http://www.sandt.co.jp/drill.htm

●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
 ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
http://www.sandt.co.jp/kotowaza.htm

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆次号予告:新春特別号 その9
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●この長編小説も、そろそろ終了……か?? (笑) もう少し続き
 ます。お楽しみに!

▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!

▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!


売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……

〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
のバックナンバー・配信停止はこちら
http://archive.mag2.com/0000111700/index.html

0 件のコメント:

コメントを投稿