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2016年8月30日火曜日

売れたま!特別編Vol.338 2016/08/29 夏休み特別号:マーケティングは「嬉しさ」の体系 4

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 ■_夏休み特別号:マーケティングは「嬉しさ」の体系 4_■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●「強み」は、競合との「嬉しさの差」。「嬉しさの差」が、「お客
様が競合ではなく自社を選ぶ理由」=「強み」となる!


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◆夏休み特別号! マーケティングは「嬉しさ」の体系
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マーケティング理論は

「嬉しさ」(=お客様にとっての価値)

を軸に考えると、すさまじくシンプルかつわかりやすくなります。

ということで、夏休み特別号! テーマは……

マーケティングは「嬉しさ」の体系!

です。

マーケティングとは何か?

基本に立ち返って、本質をえぐっていきましょう。


今日はその4回目です。



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◆ここまでの復習
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今回の特集は、「嬉しさ」を軸としてマーケティング理論・戦略理論
をまとめあげようとする、恐らくは世界的にも希少な試みです

なるべく「全体像」がわかるようにしていきたいと思います。


◆1回目:マーケティングの本質=嬉しさを提供し、対価をいただく

○売上=客数×客単価
   =嬉しさを感じた人の総数 × 1人1人が感じた嬉しさ
   =自社がお客様に提供した嬉しさの総和

1)客数向上:より多くの人に嬉しさを提供する
2)客単価向上:顧客1人当たりにより多くの嬉しさを提供する

○「売上を作る力」=「お客様への嬉しさ提供力」

○利益=提供した「嬉しさ」の総和−「嬉しさ」の提供コスト

○費用1円あたりの提供した「嬉しさ」が大きいほど利益率が高まる

○「利益をあげる力」=「費用1円あたりの嬉しさ提供力」


◆2回目:嬉しさ=価値=ベネフィット=お客様が達成したい目的

○お客様は「モノ」「機能・性能」ではなく「嬉しさ」を買う

○「価値は使い方に現れる」:嬉しさを知るには、使い方を知ろう

○使い方=TPO:使い方をさらに分解するとTPOになる
 T:Time     時間
 P:Place    場所
 O:Occasion 対象物・加工方法

○「新しい価値の提案」=「新しい使い方・TPOの提案」

○「嬉しい瞬間」は1つではなく、無限にある

○BtoCの「嬉しさ」:人間の3大欲求

1)生存欲求 : 生理的なニーズ(身体的快楽)
2)社会欲求 : 他人との関係ニーズ(他人の評価)
3)自己欲求 : 自分自身で完結するニーズ(自己満足)

 3大欲求を満たすほど「嬉しさ」は増す

○BtoBの「嬉しさ」:使い方×QCD改善×PL・BS改善


◆3回目:セグメンテーション 「嬉しさ」で人を括る

○「求める嬉しさ」は人によって違うから分ける。分けることが「セ
 グメンテーション」、分けられた各グループが「セグメント」

○TPO・T:「使い方×人」で考える
 TPO(使い方)・TargetでTPO・T(ティーポット)
 同じ人でもTPOで嬉しさが変わる:朝食と夕食は違うものを食べ
 るし、常夏の国の人でも、旅行用に冬服を買う

○括って広げる3ステップ:「求める嬉しさ」で括れば人が広がる
 ステップ1:顧客像の具体化 → スタバで勉強する高校3年生
 ステップ2:ニーズの普遍化 → 静かな環境で1人で集中したい
 ステップ3:ニーズで人を括る→ スタバで本を書く中年男性

○求める「嬉しさ」がセグメンテーションの切り口
 セグメンテーション特集 http://uretama.com/?page_id=510


ここまで、

・1回目:マーケティングを「嬉しさ」中心に考える
・2回目:「嬉しさ」とは何か:ベネフィット
・3回目:「嬉しさ」で顧客を括る:セグメンテーション

と見てきました。

今号は、「強み」です。

・4回目:強みは競合との「嬉しさの差」:強み

拙著「ドリルを売るには穴を売れ」(=新人OL、つぶれかけの会社
をまかされる)の順番で進んでいます。

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◆「強み」は競合との「嬉しさの差」
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●強み=お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由=競合との嬉しさの差

「強み」の定義は、「お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由」です。

自分の自分の商品・サービスは、お客様に「嬉しさ」を提供します。

しかし、「競合」の商品・サービスも「嬉しさ」を提供しています。

自社の商品・サービスがお客様に提供する「嬉しさ」が、競合の「嬉
しさ」を上回れば、お客様は自社の商品・サービスを選びます。

すなわち、

自社が提供する嬉しさと、競合が提供する嬉しさの「差」

が「強み」(=お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由)となります。



●「ベネフィット」と「強み」の違い

「ベネフィット」と「強み」の違いは何ですか、という質問をよくい
ただきます。


・ベネフィット=自社商品・サービスがお客様に提供する「嬉しさ」

・強み=自社商品・サービスと競合との「嬉しさの差」

・自社の強み=自社のベネフィット−競合のベネフィット


となります。これが「ベネフィット」と「強み」の違い、です。


例えば、夏に、他のカフェではなくスターバックスに行く理由(=ス
ターバックスの強み)を考えてみましょう。

夏だから、冷房の効いた場所で「涼しくなれる」という「嬉しさ」も
スターバックスは提供しています。

が、競合のカフェでも同様に涼めます。スターバックスが特に涼しい
ということはないでしょう。ですから、「涼しさ」は競合との「差」
がないために、「強み」になりません。

「甘くて冷たいメニューが他より豊富(フラペチーノなど)」

というのはあるかもしれません。

この場合には、商品の「おいしさの差」が「嬉しさの差」となる、と
いうことになります。



●価格1円あたりの「嬉しさの差」

厳密に言えば、「強み」は

「価格1円あたりの嬉しさの差」

です。

・同じ価格なら、より「嬉しい方」を買う。
・同じ嬉しさなら、より「安い方」を買う(安い方が「嬉しい」)

ということです。

「費用対効果」「コストパフォーマンス」といった表現を使う場合、
この「効果」「パフォーマンス」は「嬉しさ」「価値」になります。

ここから先は、「嬉しさ」といった場合、この「価格1円あたりの嬉
しさの差」という意味を含むことにします。



●「強み」は「使い方」(=TPO)によって変わる

2回目の復習ですが、

○お客様は「モノ」「機能・性能」ではなく「嬉しさ」を買う

のです。

同様に「強み」も「機能・性能の差」ではなく「嬉しさの差」です。

例えば、ノイズキャンセリングヘッドホン。周囲の雑音をカットして
音楽などが聴きやすいヘッドホンです。最近、電車の中でも見ます。

他のヘッドホンにノイズキャンセリング(騒音低減)機能がないとす
れば、「機能の差」はあります。

電車や飛行機の中などでは非常に「嬉しい」機能です。

が、そもそも「雑音がある場所」で音楽を聴かない(そのような「使
い方」(=TPO)をしない)のなら、この「機能」が「嬉しさ」に
つながりません。


「価値は使い方に現れる」というのは売れたま!の定理です。「嬉し
さ」は「使い方(=TPO)」で変わります。

「強み」(=嬉しさの差)も同様に「使い方」(=TPO)で変わる
のです。



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◆「事実」としての「差」と、「意味」としての「差」
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●「事実」としての「差」と、「意味」としての「差」

「強み」は、2つの要素から構成されています。

というか、同じことが2つの側面を持つ、と言った方が正確かもしれ
ません。

それは「事実」としての競合との差、と、「意味」としての競合との
差、です。

○事実としての差:性能・機能・形・提供速度などの物理的な違い
○意味としての差:お客様の「嬉しさ」の違い

「強み」は「嬉しさの差」ですが、それは「意味としての差」です。

ただ、その「意味としての差」は、「事実としての差」がなければ産
まれません。


例えば、デジカメの画素数。

私のスマホの画素数は、800万画素です。別のスマホが、1600
万画素、という2倍の画素数になったとします。


○事実としての差:デジカメの画素数が2倍


この「性能の差」が「嬉しさの差」になれば、「強み」になります。

が、そうなるとは限りません。

普通に人物写真を撮って年賀状に使うという「使い方(=TPO)」
においては、800万画素すら不要です。500万画素もあれば恐ら
く十分で、800万画素も1600万画素も一緒です。

ですので、「画素数2倍」は、この「使い方(=TPO)」では強み
になりません。画素数を増やすと年賀状の印刷速度が遅くなるでしょ
うから、「弱み」にすらなります。


ですのでこれを「意味」としての「差」に転化する必要があります。


A4、A3などのサイズの「印刷物」に使う場合には、画素数があっ
た方が、一般論としてキレイに印刷できます。


○意味としての差:大型の印刷物がキレイに印刷できる


また、「トリミング」というのもあります。例えば、東京の家の窓か
ら見える富士山を年賀状に使うとします。富士山は遠いので、ズーム
しても、限界があります。

画素数が少ないと、富士山だけを切り出して拡大すると、粗くなって
しまいます。この場合には、画素数が多いほど有利です。


○意味としての差:遠くのものをキレイに拡大できる


まとめますと、

○事実としての差:デジカメの画素数が2倍

○意味としての差:大型の印刷物がキレイに印刷できる
○意味としての差:遠くのものをキレイに拡大できる


ということです。

これで、「画素数の差」という「モノの差」が「嬉しさの差」になり
ました。


両者の違いは何でしょうか?

「事実としての差」の主語は「モノ」です。「このデジカメは」画素
数が2倍、です。

「意味としての差」の主語は「お客様」です。「お客様が」キレイに
印刷できる、キレイに拡大できる、です。

そして「意味としての差」は、「使い方」になっています。ある使い
方における「嬉しさ」なのです。


つまり、

○事実としての差:主語は「モノ」 モノ、機能・性能の差

○意味としての差:主語は「顧客」 ある使い方における嬉しさの差

ということです。


「静音性の高い車」などでも同じです。


○事実としての差:この車(主語)は、他社より○○デシベル静か

○意味としての差:お客様(主語)が子供とドライブ中、子供がぐっ
         すり眠れる

○意味としての差:お客様(主語)がクラシック音楽を聴いていると
         きに、音楽の細かいニュアンスが聞き取れる

となりますね。

「事実としての差」と「意味としての差」が両方揃って、「強み」と
なるのです。



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◆「嬉しさ」の差別化をしよう! 「嬉しさ」の競争をしよう!
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●「製品差別化」ではなく「嬉しさの差別化」を考えよう

「差別化」も同じです。「差別化」も、「モノ・機能・性能」ではな
く、「嬉しさ」で差別化すべきです。

「製品差別化」という言葉がありますが、これはあまり使いたくない
言葉です。

差別化するのは「製品」ではなく「嬉しさ」だからです。

「事実の差」(=製品の差)がなければ、「意味の差」(=嬉しさの
差=強み)が産まれません。

しかし「事実の差」(=製品の差)があったとしても、それを「意味
の差」に転化できなければ、「強み」(=お客様が競合ではなく自社
を選ぶ理由)にはならないのです。

「製品差別化」は、あくまでも「嬉しさの差別化」の手段です。


競争すべきは、「機能・性能」ではなく「嬉しさ」なのです。

私たちは、「機能・性能」競争をしているのではありません。

提供する「嬉しさ」の競争をしているのです。



●今号のまとめ

○強み=お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由=競合との嬉しさの差
 正確には、「価格1円あたりの嬉しさの差」

○「ベネフィット」と「強み」の違い
 ベネフィット=自社商品・サービスがお客様に提供する「嬉しさ」
 強み=自社商品・サービスと競合との「嬉しさの差」
 自社の強み=自社のベネフィット−競合のベネフィット

○「強み」は「使い方」(=TPO)によって変わる

○「事実」としての「差」と、「意味」としての「差」

 事実としての差:主語は「モノ」 モノ、機能・性能の差
 意味としての差:主語は「顧客」 ある使い方における嬉しさの差

 ○事実としての差:デジカメの画素数が2倍
 ○意味としての差:大型の印刷物がキレイに印刷できる
 ○意味としての差:遠くのものをキレイに拡大できる

○嬉しさ競争:「製品差別化」ではなく「嬉しさの差別化」を!



★今日の「アタマに問いかけるべき適切な質問」

あなたの「強み」は、「競合との嬉しさの差」になっていますか?
「製品差別化」ではなく「嬉しさ競争」に集中していますか?


ぜひお考えになってみてください!


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◆今日のまとめ
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●「強み」は、競合との「嬉しさの差」。「嬉しさの差」が、「お客
様が競合ではなく自社を選ぶ理由」=「強み」となる!


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ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。


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▼今日の日記▲

今日は、東京はちょっと不思議な天気でした。朝雨が降って、降り止
んだと思ったら、いきなり暑くなって……で、夜にはまた降ったり止
んだり……傘を開いたら雨が止むというのを何回か繰り返しました。

明日は台風が来るようですが、お気を付けてくださいね。


で、今日は帰りが遅かったので、コンビニでお弁当を物色。コンビニ
弁当は、味の改良ペースが早く、どれもおいしくなりますね。最近は
麺類がおいしいのにびっくりしました。

ということで、「トンコツラーメン」を選択。540円と少々お高め
(そのくらい払えばリアルトンコツラーメンが食べられそう)ですが
提供する「嬉しさ」が違います。

結構長時間レンジにかけて、いただいてみると……

それなりにおいしい! もちろんリアルトンコツラーメンと比べては
いけませんが、「帰り際に買ってレンジで食べられる食事」としては
全然OK! 高菜なんかも入って結構本格的。

調味料を加えて味のカスタマイズをすれば、かなり自分好みになりそ
うです。一蘭の「秘伝のタレ」なんかを加えれば、結構よさげ。もっ
とも、その「秘伝のタレ」は手に入らないから「秘伝」なんでしょう
けど。

調味料を用意して、もう1回食べてみたい味でした。



●今日のiPod Tune:サマーソング! 2016

そろそろ夏の終わり。

こんなときは、海の美しい島で過ごしたい……


ということで、今日の曲は……


○カナリア諸島にて by 大瀧詠一


1981年、「君は天然色」のB面としてリリース。80年代を代表
する超大ヒットアルバム、A LONG VACATIONからのシ
ングルカット、でもあります。

松本隆さんの詩が美しく、ホントこんなところで夏を過ごしてみたい
と思われる1曲♪



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