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━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.448(累計1341) 2016/07/11
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■__地方店をショールームに:マインドフローの最適化__■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●マインドフローで、各打ち手の「役割」を見直して、マインドフロ
ー全体を最適化しよう!
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◆地方店でネット通販を!
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●高島屋が地方店をショールーム化し、ネット通販で販売!
今、地方の百貨店は色々な意味で、大分厳しそうです。
そんな中で、高島屋がユニークな取り組みを始めたとのこと。
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
◇『高島屋が地方や郊外の店舗でインターネット通販の活用を進めて
いる。店頭は在庫を減らした「ショールーム」とし、実際の購入は
ネット通販を勧める』
◇『5月中旬、高島屋高崎店(群馬県高崎市)の地下1階にある和洋
酒売り場の一角に、期間限定の売り場「ショールームストア」が登
場した。わずか2平方メートルの売り場で品ぞろえするのは、高島
屋が今夏特に力を入れているワイン類だ』
◇『高崎店ではチラシなどに掲載している14種類を置いているもの
の、日本橋店などに比べたら取り扱う量は極端に少ない』『店頭な
どで試飲し、気に入ったので購入したいものの、すぐに持ち帰る必
要がない来店客に対して、販売員はタブレットを使って「高島屋オ
ンラインストア」の利用を促す仕組みだ。高島屋では在庫を圧縮す
るとともに、ネット通販の会員を獲得する手段としても期待する』
◇『衣料品の分野でも同様の動きが広がる。3月にはオンワードホー
ルディングスと連携し、店頭に試着用衣料だけを並べ、注文を受け
ると店員がオンワード側の在庫を確認し、取り寄せる取り組みを実
施した』『まずは岐阜店でオンワードの婦人服ブランド「ソニアリ
キエルコレクション」を導入した。9日間の限定だったが、「目標
の売り上げをほぼ達成できた」(高島屋)という』
2016/05/25 日経MJ P.9
以下、記事からの引用部分は『』で括ります
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
都心で暮らしているとわかりにくいですが、確かに地方の百貨店は、
都心のそれほどには「華やか」ではないような印象を受けます。
商圏人口の数なども問題もありますので、派手な花火を打ち上げるの
が難しいのでしょうね。
そんな厳しい環境下でのこの取り組みは、興味深いです。
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◆「ショールーミング」とマインドフロー
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●復習:マインドフロー
ビジネスの大きな目的の一つは、お客様にファンになっていただくこ
と。でも、いきなりファンにはなってもらえません。
認知: 商品・サービスの存在を認知する
興味: ニーズを感じて興味をひかれる
行動: 手に取る、HPを見る、などの行動を取る
比較: 競合商品と比較する
購買: お金を払って購買する
利用: 実際に使ってみる
愛情: 満足してファンになる
という、7つの関門を通るのが一般的です。
私は、この7つの関門を超えていく「ココロの流れ」をマインドフロ
ーと命名しました。
●「ショールーミング」という実店舗の課題
少し前から使われるようになったのが「ショールーミング」という言
葉。
実物を確認したいような商品を買うときに、実物は、実店舗に確認し
に行って、実際に買うのはそこではないネット通販、というような購
買行動を指して使われます。
実店舗が「ショールーム」代わりに使われることから「ショールーミ
ング」なのでしょう。
買い手視点としては、よくわかります。実際のサイズや色などは、見
てみないと実感できない、ということがあるからです。
しかし、実店舗サイドにとっては、由々しき問題です。実際に実物を
展示したり、店員が熱心に説明したりしても、その実店舗の売上には
ならないからです。
このショールーミングをマインドフローで分析すると……
認知・興味:何らかのかたちで商品を知る
行動・比較:実店舗で見たり手に取ったりして実物を確認する
購買 :昔は実店舗 → 今はネット通販
ということになります。
「購買」関門のところが変わったわけですね。
ネット通販がなかった時代は、実店舗で実物を展示し、店員さんが熱
心に応対すれば、買い手もその店で買うことが多かったでしょう。
しかし、ネット通販の方が、実店舗のコストを負担しない分低価格で
あれば、買い手は「実物は店舗で見て、買うのは安いネット通販で」
と考えるのは(買い手にとっては)理にかなっているわけです。
ただ、実店舗にとっては大きな脅威となります。
●「最適化されたマインドフロー」としてのショールーミング
この「ショールーミング」が起きる直接の理由は、「ネット通販」の
普及でしょう。そしてその背景にあったのが、
・ネットの一般化
・物流網の整備
だと思います。
アマゾンが提案したように、「ネットで買って、翌日届く」ようなこ
とが可能になったため、ショールーミングが起きたのだと思います。
「実店舗の機能」という側面から見ると、
・商品をお金を払って買う
・買ったものを持って帰る
という、それまでは主に実店舗が担っていた機能が、ネット通販でも
代替できる(場合によってはネット通販の方が便利)ようになった、
ということです。
平たく言えば、
「商品を持って行って、お金を払って、家に持って帰る」ことについ
ては、実店舗よりもネットの方がいい
となってしまったわけです。
言葉を変えて表現すれば……
「ショールーミング」が、「買い手にとって最適化されたマインドフ
ロー」になってしまっている、ということです。
だからこそ、買い手はそのような行動を取るわけです。
「ショールーミングはけしからん」と言う意見もあるかもしれません
が、お客様を責めても何も変わりません。
実店舗が、この環境変化に対応しきれていないために、ショールーミ
ングが起きているとも言えます。
ということは、逆に売り手の側から、違うカタチでの「買い手にとっ
て最適化されたマインドフロー」を提示できれば、ショールーミング
を防げる、ということになります。
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◆実店舗を「ショールーム」にした高島屋
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●実店舗を「ショールーム」にした高島屋
今回の高島屋の「ショールームストア」は、まさに実店舗を「ショー
ルーム」にしたわけです。
「ショールーミング」を逆手にとって、というか、むしろ「ショール
ーミング」そのものを実現しました。
いわゆる「ショールーミング」と違うのは、「自社のネット通販」へ
と流すようにしたことです。
記事のこの部分です
『すぐに持ち帰る必要がない来店客に対して、販売員はタブレットを
使って「高島屋オンラインストア」の利用を促す仕組みだ』
実店舗で売れようが、自社のネット通販で売れようが、高島屋全体と
しては同じです。
いわゆる「ショールーミング」である「他社のネット通販に流れる」
ことを防止できます。
実店舗のスタッフのやる気を上げるためには、「ネット通販の売上を
実店舗のスタッフの売上として計上する」などの仕組み上の改善は必
要かもしれませんが、それは社内の手続き上の話ですから、変えれば
よい話です。
●「実店舗」の役割を見直し、マインドフローを「最適化」
高島屋の「ショールームストア」をマインドフローで見ると、以下の
ようになるでしょう。
認知・興味:高島屋「ショールームストア」で行うイベントなど
行動・比較:試飲や店員との会話
購買 :自社のネット通販
「実店舗」は、今まで、商品を在庫し、販売し、お客様に渡す、とい
う機能を持っていました。これが「購買」関門の役割です。
この実店舗の「購買」関門の機能を「自社のネット通販」に代替させ
たわけです。
高島屋は、地方の店舗を「ショールーム」すなわち「売らない店舗」
と位置づけ直すことで、
「別のカタチでの、買い手にとって最適化されたマインドフロー」
を提案している、ということです。
●自社のネット通販の「認知・興味・行動」の打ち手
その上で、「実店舗」には、「自社のネット通販」の活用を促進する
機能を新たに持たせました。
記事中のこの部分です
『高島屋では在庫を圧縮するとともに、ネット通販の会員を獲得する
手段としても期待する』
実店舗には、リアルな「人」(店員)がいます。店員と直接に話せて
気軽に質問ができたりする、というのは「ネット通販」ではなかなか
難しいことです。
そのリアルな「人」である店員を使って、「自社のネット通販」へと
誘導できるわけです。
マインドフローで見ると、このようになります。
認知・興味:高島屋「ショールームストア」で行うイベントなど
行動・比較:試飲や店員との会話
↓↓↓↓↓↓ = 店員の役割
購買 :自社のネット通販
「自社のネット通販」へと、店員さんが直接に誘導できます。リアル
な「人」がいることは、ネット通販に対する、実店舗の「独自資源」
です。
それを積極的に活用し、「自社のネット通販」の利用拡大にしよう、
ということですね。
店員がタブレットを持って、その場で「自社のネット通販」の使い方
・買い方などを教えてくれるわけです。
そしてそれは、「自社のネット通販」にとっては、「認知・興味・行
動」の打ち手となります。
お客様がタブレットをお持ちであれば、店員にやり方を聞きながら、
その場で会員登録して、その場で購入するかもしれません。それは、
「自社のネット通販」にとってはマインドフローの全ての関門を通過
する、ということになる(かもしれない)のです。
このようなことは、実店舗を持たないネット通販には難しいことで
す。まさに「実店舗」をが「独自資源」になるわけです。
逆に、「実店舗」にとっては、「自社のネット通販への誘導」という
新たな存在意義(=価値)を見いだした、ということになります。
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◆「ショールームストア」の発想の転換
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●「ショールームストア」の発想の転換
高島屋のこの打ち手は、「発想の転換」として、非常に面白いと思い
ます。
1)弱みを帳消しにする
「ショールームストア」は、地方の百貨店の悩みである
・売り残しのリスクのために、多くの在庫が置けない
・メーカーが在庫を置くのを渋る
という「弱み」を帳消しにしてくれます。
実店舗が「ショールーム」なのであれば、実店舗で売る必要はなく、
自社のネット通販で売ればいいことです。
2)敵を味方に
また、実店舗の「敵」である「ショールーミング」を、「味方」とし
て積極的に活用しました。
「ネットで買うのがそんなに便利なら、むしろそれを利用しよう」
という発想ですね。
3)「売らない店舗」という発想
2)が、「ショールームストア」という、ある意味での「売らない店
舗」という発想につながります。
「売り場」としての店を、「自社のネット通販へ流す場」としたわけ
です。
ちなみに……
「百貨店の店を売らない店舗に」という発想は、拙著「白いネコは何
をくれた」*で、2008年に提唱しています。ショールーミングと
いう言葉がまだ無かった頃(だと思います)です。
「実店舗」を化粧品の「診断」の場として捉え、実際の購入は通販で
というのが主人公達が提唱したモデルです。
「白いネコは……」はフィクションの小説ですが、現実が小説に追い
ついてきた、という感じもします。
*「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm
●打ち手の「役割」を見直し、マインドフローを最適化しよう!
今回の事例は、小売業の事例です。
が、今回の事例のポイントの1つが、
「実店舗の役割を見直したこと」
であり、それによって
「新たなマインドフローの最適化を試みたこと」
です。
「店は在庫を持って、お客様に渡す場所」
という固定観念を外したからこそ
「在庫を持たない店舗」「売らない店舗」
という発想が出てきたのだと思います。
ファンを増やすためには、マインドフローの「認知」→「愛情」まで
スムーズに流せれば良いわけです。「店舗かネットか」と言った個別
の議論ではなく、
○お客様はスムーズに「認知」→「愛情」へと流れるか
というマインドフローの「最適化」が重要なのです。
「実店舗」も「ネット」も、マインドフローの「1つの媒体」でしか
ありません(それぞれに重要な媒体ではありますが)。
重要なのは、「マインドフロー全体の最適化」であり、それを考える
ことで「売らない店舗」のような発想が出てくるわけですね。
ネットの登場などの環境変化によって、お客様にとって「最適なマイ
ンドフロー」は変化していきます。
常に「自社のマインドフローは最適化されているか?」とチェックし
続けることが重要なのですね。
★今日の「アタマに問いかけるべき適切な質問」
あなたのマインドフローは最適化されていますか? 変化に対応でき
ていますか?
ぜひお考えになってみてください!
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◆今日のまとめ
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●マインドフローで、各打ち手の「役割」を見直して、マインドフロ
ー全体を最適化しよう!
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◆売れたま!を解除するには
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売れたま!は、以下の3つの配信会社から配信されています。下記の
ページの中段、青色の部分からご自身にて解除下さい
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ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。
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▼今日の日記▲
昨日は全国的に参院選。私ももちろん行きました。
結果についての論評は専門家に任せるとして(と言いつつ、昔、都知
事選の分析を売れたま!で試みたこともありましたが)……
今回、最も一番顔を売った方は誰でしょうか?
多分ですが、候補者ではなく、広瀬すずさんではないでしょうか?
だって、「18歳選挙権の顔」として、これだけ多くのポスターが街
中に貼られて、って……すごい知名度アップですよね。若者で彼女を
知らない方は少ないでしょうが、全世代がこれで彼女の「顔」を知っ
たことになったと思います。誰が仕掛けたのかは存じませんが、腕利
きですね。
あと、驚いたのが……「支持政党なし」という政党名。
初めてポスターを見かけたとき、「何これ?」と思ってじっと読んで
みて……政党名だとわかったときは笑ってしまいました。調べてみた
ら3年くらい前からこの名前が使われているんですね。
考えた人はある意味すごいですが、こんな政党名が認可されたことに
も驚き。ネーミングの題材になりそうですね。
●今日のiPod Tune:雨を楽しむ歌 2016
関東地方もついに梅雨入り!
ということで、例年通りのこのシリーズ。雨を楽しむ歌!
今日の曲は……
○Heartbreak Cafe by 山瀬まみ
1986年リリース、山瀬まみさん3枚目のシングル。売れたかどう
かと言われると……失礼ながら……うーん……
その後、彼女はいわゆる「バラドル」として大成功を収めますが、実
は相当な歌唱力を持っています。すごく歌うまいです。初期の曲は良
質なアイドルポップスに高い歌唱力が結びついたんですが……あまり
ヒットしませんでしたね……。
この曲も、タイトル通りの悲恋の歌。雨を主題にしたアイドルポップ
スって意外に少ないんですが、王道の1曲♪
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「インド人を右に」とレスするたびに右に動いていくスレ
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1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 14:05:17.71
ID:yDRFQxCW0┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓┃ ┃┣
11 年前
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