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■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.346(累計1392) 2017/01/05
購読者:23,020(まぐまぐ:16,626 メルマ:944 自社配信:5,450)
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■■■■__年末年始特別号:顧客調査の方法 3__■■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●顧客ヒアリングの2つの方法は「直接ヒアリング」と「間接ヒアリ
ング」。様々な方法を使って、お客様の声を吸い上げよう!
┃売れたま!は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま!
┃単独でもお役に立てますし、本と併用されれば効果倍増!
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◆年末年始特別号!
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年末年始は毎年恒例の「特別号」。お馴染みのこの2人。
我らがヒロイン「売多真子」(うれた・まこ)と、真子の親戚にして
そのメンター「売多勝」(うれた・まさる)の珍道中。ゴールデンウ
ィーク以来の登場です。
2人は拙著の登場人物です。お読みいただいているとは思いますが、
念のためご紹介いたします。2冊とも、小さくて軽いので荷物になら
ず、帰省の電車などでお読みいただくのにオススメです!
○「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
http://ow.ly/89pSR
売多真子が、勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
マーケティングの最初の1冊としてオススメ。
○「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
http://ow.ly/6s63d
上の本の続編。真子が社長になり、ライバルと戦っていく! 戦略構
築から実行プロセスまで、社長の視点を物語で体感!
テーマは……
「顧客調査の方法」
非常に重要な内容なのですが、日頃の売れたま!では取り上げにくい
ので特別号でやりたいと思っていました。割とマジメな特集です。
少々古いデータも多いのですが、古さは特に問題ないかと思います。
今回は3回目です!
1回目はこちらです↓
http://archives.mag2.com/0000111700/20161229231000000.html
記事の下の「次の記事へ」をクリックしていくと、続きをお読みいた
だけます。
●ここまでのあらすじ
イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」の社長「売多真子」
(うれた・まこ)と、真子の親戚にして経営コンサルタントの「売多
勝」(うれた・まさる)は、年末年始の売多家一同が集う温泉旅館へ
一緒に行った。年末年始の恒例だ。
行きの電車の中で、恒例の「勉強会」が始まり、目的地の温泉旅館に
ついても、勉強会は続く。
*今回の内容が前号の予告と若干異なること、ご了承ください
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◆まずは、前号の復習から!
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売多家恒例の年越しの宴が明けると、元旦だ。朝食会場に、売多家一
同が集まっている。
みなの朝食が終わった頃に、勝が起き出して顔を出し、親戚一同に挨
拶して回ると、真子の横の席に座った。
「もー、勝さん、おっそーい! 朝ご飯、終わっちゃうよ」
「正月早々うるさいよ。オレは食べないんだからいいんだよ」
「もー」
「それよりほら、読者の皆様にご挨拶からだろ」
「はーい。せーの……」
「あけましておめでとうございます! 本年も売れたま!をよろしく
お願い申し上げます!」
「ね、勝さん、この後コーヒー飲みに行くでしょ?」
「そうだな。一緒に行くか? 勉強会の続きも兼ねて」
「うん!」
旅館内のカフェに陣取り、注文をすませると、勝はノートパソコン
を、真子はノートをそれぞれ取り出した。
真子:じゃあ、まずは復習からだよね。前回は「顧客ヒアリング」の
やり方だったよね。
真子がノートを開けて、ページを開いた
●顧客調査の基本は、「顧客ヒアリング」
・食品スーパーのライフ:「座談会」と「売り場アンケート」。売り
場アンケートは、買い物客に直接声をかける
・ヤマザキのランチパック:お客様に直接確認しながら商品刷新
●経営者が顧客に直接ヒアリングすると、決定が早い
・ヴァリックの快活CLUB:役員が直接顧客にヒアリングして、早
ければ翌日には顧客の要望に応えられる
勝 :OK。
真子:ライフにしても快活CLUBにしても、いらしたお客様にいき
なり声をかけてヒアリングしてるんだよね?
勝 :そうみたいだな。
真子:できるもんだねー。お客様も応えてくれるんだね。
勝 :強引に見えるかもしれないけど、自社のお客様なんだから、お
客様からしてもそんなに違和感はないよな。
真子:私も、顧客ヒアリングを最初に始めたときはちょっと不安だっ
たけど、いざ始めてみたら、フツーに出来たよ。
勝 :まあそういうもんだ。今回は、その「ヒアリング」の方法を色
々と見ていくことにしよう
真子:「色々」って、ヒアリングの方法がそんなにあるの?
勝 :まあ基本的な方法は一緒だけど、やり方は一通りではない。
真子:へー、そうなんだ。
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◆直接ヒアリング:グループインタビュー
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勝 :ヒアリングの方法は、大別すれば「直接」と「間接」の2通り
真子:どう違うの?
勝 :ここでは「直接」とは「面と向かって」という意味。
真子:じゃあ前回やった事例も「直接」だよね? ライフとかの、お
客様に直接声をかけてヒアリングするやり方。
勝 :そうだな。ライフとか快活CLUBがやったのがお客様に直接
声をかけて「面と向かって」ヒアリングした方法だからな。
真子:「直接」意外に方法があるの?
勝 :あるよ。郵送、ネット、SNSとかは「間接」的なヒアリン
グ。お客様と「面と向かってない」という意味で。
真子:あ、なるほど。それが「間接ヒアリング」か。
勝 :直接ヒアリングの1つのやり方が、前回みたような、来店者と
かに声をかけて聞く方法。
真子:他にもあるの?
勝 :もちろん。「直接ヒアリング」の代表格が「グループインタビ
ュー」。「グルイン」ってよく言われる。
勝がノートパソコンを開き、真子に向ける。
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
◇『明治が7月に刷新したスナック菓子「カール」(税別120円)
が売れている。9月までの3カ月間の出荷数は毎月1割以上、前年
同月を上回る』
◇『カールは1968年に発売したロングセラー』『ピークは
2000年代初頭で、ここ10年は微減が続く。売り上げが落ち始
めた05年ころから本格的に挽回策を練っていた』
◇『方向性を確かめるため消費者の声を集めた。カールのどこを評価
しているのか。グループインタビューを開き100人以上の声を聞
いた。そこで集めた声は社内の想定とは真逆だった。「ふんわり軽
い食感がいい」「あっさりとした味が好き」。他のスナック菓子に
比べて弱いと想定していた点がカールの独自性だった』『軽い食感
をより生かし、しつこくない味わいの生地に仕上げる。刷新の方向
性を決めた』
2015/10/21 日経MJ P.14
以下、記事からの引用部分は『』で括ります
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
勝 :100人以上にグループインタビューってさらっと書いてある
けど、 これ、かなり大変だぜ。
真子:そうなの?
勝 :グルインって、普通8人1組くらいだから、12組くらいやっ
てることになる。で、1組2時間くらいとして……
真子:12組で2時間……うわ、聞くだけで24時間だ!
勝 :そうなる。費用も結構かかってるはず。12組なら、普通は、
数百万円はかかる。
真子:うっわー、大がかりだー。
勝 :まあ、カールの売上規模を考えれば、それくらいやらないとい
けない、っていうのもあるけどな。
真子:ね、そんなにお金をかけるなら、何でこれっていわゆる「市場
調査」をしないのかな?
勝 :知りたいのが「カールの強み」であり、「課題」は何か、だか
ら。だったらお客様に丹念に聞いていくしかない。
真子:なんで?
勝 :だから、何でカールを買うのか、買わないのかを知りたいんだ
から、1人1人に丹念に聞いていくしかないだろうが。
真子:「なんで」って言う質問をしたいなら、お客様1人1人にそう
聞いていくしかない、ってこと?
勝 :他に方法があるか?
真子:……ない……のかな?
勝 :グルイン以外の方法で聞くこともできるけど、「理由」を聞き
たければ、それは理由を聞いていくしかない。
真子:やっぱそーかー……
勝 :でさ、グルインで得られた知見に意味があったわけだろ。『そ
こで集めた声は社内の想定とは真逆だった』っていう部分
真子:あ、うん、軽さとかあっさり感っていう『他のスナック菓子に
比べて弱いと想定していた点がカールの独自性だった』
勝 :社内の意見と、お客様の意見が真逆だったんだな。
真子:お客様からすれば、当たり前な感じがするけどね。重いのが食
べたいときは、ポテトチップス食べるよね、きゃははは。
勝 :まさにそういうこと。「お客様の当たり前」を確認するために
顧客ヒアリングをした。売上という意味での成果も出てる。
真子:お客様にとっての当たり前は、自社にとっての当たり前じゃな
いんだよね……
勝 :だから顧客調査をするんだろうが。
真子:そうなんだけど、ね。
勝 :グルインは割と「正式な調査」っていう感じがするけど、必ず
しもそればかりでもない。
真子:どういうこと?
勝 :知り合いに聞いたって別にいいんだぜ。例えば……
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
◇『グリコ乳業のゼリー菓子「カフェゼリー」(税別150円)が6
月の刷新以降、ファンを増やしている。1979年発売のロングセ
ラーだが低迷が続いていた』
◇『だが2000年代に入り伸び悩む。競合商品が増え、スーパーな
どの量販店では特売品になることも。そこで価格を100円に下
げ、デフレ下の価格競争に打って出た。しかし売り上げは伸びなか
った』
◇『カフェゼリーの特徴は何か、消費者は何を求めているのか──』
『答えを求めて価格を下げた2000年代の刷新前の味を知る消費
者の声を集めた。刷新前の商品を知る消費者は50歳代以上が多
い。そこで知人の父が所属する草野球のチームに出向いて話を聞い
た。陶芸教室にも顔を出し、バイヤーにも話を聞いた。集まった声
は「自分へのご褒美で食べていた」』『消費者がカフェゼリーに求
めているのは安さではない。ぜいたくな気分が味わえ、自分の時間
を楽しむことのできる商品。方向性が定まった』
◇『今回の刷新で質を上げると同時に価格を1・5倍にしたものの、
刷新後2カ月の販売数量は前年同期を約5%上回る』
2015/09/09 日経MJ P.14
以下、記事からの引用部分は『』で括ります
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
真子:あ、カフェゼリーかぁ。
勝 :これ、調査会社に発注した「正式なグルイン」というより、
「知り合いに片っ端から聞きまくった」って感じだよな。
真子:きゃははは、そーだねー。『知人の父が所属する草野球のチー
ムに出向いて』とかねー。何でこうしたのかな?
勝 :ヒアリングしたい人が「2000年代に価格を下げたときより
前のカフェゼリーを知る人」っていう縛りがあるからだろうな
真子:それはグルインじゃダメなの?
勝 :そもそもこういう人を見つけるのが難しいだろうから、とにか
く探して聞きまくった、ということじゃないか? 多分だけど
真子:なーるほどぉ。他にやり方がなかったのかぁ。
勝 :調査対象者が少ないなら、とにかく集めることが優先だからな
真子:そりゃそーだね。
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◆直接ヒアリング:「ホンネを引き出せる場」を作る
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勝 :グルインとか座談会なんかは会社の「会議室」でやることが多
いけど、必ずしもそうする必要はない。
真子:うちの場合なら、お店でやるけどねー。普通の会社だと、会議
室しかないんじゃないの?
勝 :そうとは限らない。例えば……
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
◇『キャンプ場内に本社を置き、顧客とキャンプ用品やサービスにつ
いて直接対話するスノーピークは独自流で市場を切り開く。JR燕
三条駅から車で約40分。広大な野原を進むとスノーピーク本社
(新潟県三条市)が見えてくる。5万坪の敷地のなかに約60人の
従業員が働く本社やたき火台の製造工場、直営店舗、そしてキャン
プ場を併設している』
◇『特徴的なのが98年から本社を含む全国で開催するキャンプイベ
ント「スノーピークウエイ」だ。抽選で選ばれた50〜100組の
顧客と社員が夕食後、たき火を囲んで商品やサービスについて話し
合う。「キャンパーという共通項でつながり合い、本音の意見を聞
けている」(山井社長)』
◇『こうした直接対話から改善を重ねていったのがシェル型の「リビ
ングシェル」だ。悪天候や寒い時期でも快適に過ごしやすい。14
年は前年比2割以上の売れ行きとなった大ヒット商品だ』
2015/08/07 日経MJ P.1
以下、記事からの引用部分は『』で括ります
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
真子:わー、キャンプ場の中に会社があるんだ! すごいねー。
勝 :そうだよな。それで、そのキャンプ場でお客様と話し合うわけ
だ。お客様にヒアリングできる「場」を作ってる。
真子:でもさー、わざわざキャンプ場でしなくても……
勝 :あのなー、キャンプ用品作ってる会社だぞ? 自社商品を使っ
てるその場で聞けるなんてそんな素晴らしいことがあるか。
真子:あ……そっか、私たちレストラン業だとお客様の利用場面が目
の前にあるのは当然だけど、メーカーだとそうじゃない!
勝 :そういうこと。自社製品を使っているまさにそのときに、お客
様の声が聞けるなんて、すごいことだ。
真子:そんなにすごいの?
勝 :オレもボーイスカウトでよくキャンプしてたからわかるんだけ
どさ……
真子:?
勝 :飯ごうとかで飯作って、一息ついて、たき火でお茶わかして、
たき火囲んでるときって「同じ時間を共有してる」感じがする
真子:へー、そうなの? 今も私たち、同じ時間を共有してるよ?
勝 :そうだけど、キャンプは特別「同じ時間を共有してる」感がす
ごく強い。あの独特の「場」が重要なんだと思う。
真子:あ! お客様のホンネが聞きやすいんだ!
勝 :そう! 「同志」として、「仲間」として「ホンネを引き出せ
る場」を意図的に作りだしてるっていうことだろうな。
真子:そっかー。「キャンプしてる仲間同士としてヒアリングする」
っていう状況が大事なんだね。
勝 :そういうこと。それでホンネを引き出しやすくなる。キャンプ
用品なんてまさにそうだよな。会議室だと話しにくそうだ。
真子:ねー、じゃあ私たちもキャンプいこーよー。そーすれば勝さん
だって私にホンネを語ってくれるんでしょ?
勝 :オマエは何にも手伝わなさそうだからイヤだ。テント張るのと
か、薪拾って火くべてメシ作るのとか結構大変なんだぞ?
真子:それは全部勝さんのお、し、ご、と♪
勝 :真子とは絶対に、い、か、な、い。
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◆間接ヒアリング:アプリ・SNS
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勝 :ここまでが、お客様と「面と向かって」ヒアリングする直接ヒ
アリング。ここからは間接的に聞く「間接ヒアリング」、な。
真子:面と向かってやらない、っていうだけで、お客様の声を聞く、
っていうところは同じなんだよね?
勝 :もちろん。典型的なのが「郵送」や「ネット」なんかでお客様
の声を集める方法。いわゆる「調査」っぽい方法。
真子:他にもあるの?
勝 :最近は色々ある。例えばマクドナルドは、スマホの「アプリ」
でお客様の声を集めてる。
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
◇『4月下旬。同社は来店客が意見を簡単に投稿できる新アプリ
「KODO(コド)」を導入。30万件以上の声が寄せられた。熊
本市内の益城熊本空港インター店ではKODOを通じ、「BGMの
音量が大きい」との意見が届いた。店長は「少し気になっていたが
やはりそうか」と受け止め、即座に音量を絞った』
2015/06/26 日本経済新聞 朝刊 P.2
◇『マクドナルド新横浜駅前店(横浜市)の京藤皇一郎店長はスマホ
から寄せられる顧客の声に驚いた。しっかり店内を清掃しているつ
もりだったが、予想外に「客席のテーブルが汚い」という指摘が多
かったためだ。同店ではマニュアル通り、店員が客席フロアを見回
り、店内が汚れていないかチェックする体制を作っていたつもりだ
った。だが、トイレやゴミ箱周辺の汚れを徹底的にきれいにしなけ
ればと思う余り、「テーブル回りはさほど注意が行き届かなかっ
た」のが実情だ』
◇『顧客の目からすれば、まず何より、気持ちよく食事をするために
テーブルの上の汚れが気になる。当たり前のことなのに「顧客の視
点と自分たちの考えがずれていることに気づかされた」(京藤店
長)という』
2015/09/02 日経MJ P.9
以下、記事からの引用部分は『』で括ります
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
勝 :「アプリ」使うなんて面白いよな。マクドナルドは前からケー
タイのクーポンとか良くやってたし、相性がいいのかもな。
真子:30万件の声ってすごいねー。でも勝さん、直接ヒアリングし
た方がいいって言ってなかった?
勝 :直接ヒアリングは別にやってるみたい。でも1店1店の個別の
改善となると、仕組みでやるべきだと判断したんだろうな。
真子:まあ、マックくらいの規模になるとそうなんだろうねー。
勝 :このアプリがいいのは、お客様と店舗を結びつけてるところ。
店側の気づきを促してる。
真子:あ、うん、『予想外に「客席のテーブルが汚い」という指摘が
多かった』みたいなところだよね。
勝 :それそれ。お客様が気になるところと、自社がやっていること
の「ズレ」があぶり出される。
真子:アプリを通じての方が言いやすいこともあるんだろうね。
勝 :確かに、「テーブルが汚れてる」なんていちいち文句をつけに
いかないよな。面倒だし。アプリならそれも言いやすい。
真子:そっかー、間接的に聞くメリットもあるんだねー。
勝 :もちろん。次は森永製菓の例。
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
◇『森永製菓がファンサイトを通じた消費者との相互交流に力を入れ
ている』『消費者の生の声から「食シーン」の変化を探り、商品開
発や販売促進策に生かす狙いだ』
◇『「夏の暑い時期は朝食代わりにアイスを食べている」──。森永
製菓のファンサイト「エンゼル PLUS(プラス)」には、消費
者からユニークな意見が寄せられる。見えてくるのはアンケート調
査や店頭販促、小売店のPOS(販売時点情報管理)データ分析で
は決してつかめなかった消費者の新たな動向だ』『消費者の声か
ら、糖質やカルシウムを効率良く摂取できる点をアピールして朝食
代わりにサンドアイスを勧める「朝アイスキャンペーン」が新たに
生まれた』
2015/01/16 日経MJ P.14
以下、記事からの引用部分は『』で括ります
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
真子:あ、これ私もやってるー! アイスの朝ご飯。
勝 :その気持ちはすっごくよくわかる。オレも夏は主食がアイスに
なることはあるからな……その良し悪しは別にして。
真子:ね、こういうのもなかなか気づきにくいってことだよね? 聞
いてみないとわからないんだよね?
勝 :そうだろうな。そこで得た気づきからそれで『朝アイスキャン
ペーン』っていう 新しい販促が産まれたりするわけだ。
真子:だったら、夏の「朝ご飯用のアイス」があってもいいのにね?
勝 :だからそういうことだよ。商品開発にも活かせるだろ。
真子:これは、ネットで聞いてるんだよね?
勝 :媒体はネットだけど、「ファンが集う場所」っていうニュアン
スが強いように思う。
真子:そっか。リアルに集まってはいないだけで、ネット上の「ファ
ンが集う場所」でヒアリングしてるんだ。
勝 :そうそう。その意味では、さっきの「ホンネを引き出せる場」
でもあるんだろうな。
真子:ねー、こういうのって直接ヒアリングじゃダメなの?
勝 :いや、別にできるだろ。逆に、さっきの「カール」の場合でも
こういう間接ヒアリングでもできそうな気がする。
真子:え? じゃあどっちでもいいの?
勝 :「顧客調査」の定義って何だっけ? 最初にやったよな。
真子が「ええっと……」と良いながらノートをめくり戻る。
真子:あった。顧客調査は「顧客の求めるものを引き出す方法」!
勝 :そうだよな。だったら?
真子:だったら……「顧客の求めるもの」が引き出せさえすれば、聞
く場所はどこでもいいってことかな?
勝 :まあそうだな。「何でもいい」っていうか、「その時々で取り
得る最適な媒体」を使えばいい。
真子:「媒体」って?
勝 :例えばファンサイトがあって、そこで「顧客の求めるもの」が
聞けるのならそれを使えばいいし、知り合いに聞けるなら……
真子:知り合いに聞けばいい! そっかー。
勝 :だから「キャンプ場」で「直接」聞くのが最適なら、そうすれ
ばいい。
真子:やり方は色々あるってことだー。
勝 :そうそう。知恵次第で色々できる。お金がなければ知恵を出す
っていうのはここでも同じ。
真子:勝さんはどうしてるの?
勝 :売れたま!で顧客調査をしてるし、セミナーにいらしたお客様
にはなるべく色々と尋ねるようにしてる。
真子:セミナーにいらしたお客様にはどうやって聞いてるの?
勝 :アンケートしたり、懇親会のときに直接聞いたりとか。だから
直接と間接の両方を使ってる。
真子:同じお客様に対して、違う媒体で聞いてるってこと?
勝 :そうだよ。
真子:それでも別にいいんだー。目の前にお客様がいらっしゃるのに
何でアンケートするの?
勝 :記録に残しやすいから。懇親会のときに聞いたこともメモはす
るけど、書き切れないこともあるし。
真子:なるほどねー。それぞれのやり方に特徴があるんだね。
勝 :お金とか時間が無限にあれば何でもできるけど、そうじゃない
からな。できる範囲で知恵を絞ろう、ってこと。
真子:唯一最高の方法はないってことかー。
勝 :整理の手間もあるから多ければいいとは言わないけど、色々な
やり方があっていいと思う。じゃあここまでをまとめてくれ。
真子:うん!
真子が考えながら、ノートにまとめていく。
○顧客ヒアリングの「媒体」
1)直接ヒアリング
・グループインタビュー
・知り合いに聞いてリニューアルした「カフェゼリー」
・キャンプという「ホンネを引き出せる場」を作ったキャンプ用品メ
ーカーのスノーピーク
2)間接ヒアリング
・マクドナルドは店舗改善のために、顧客ヒアリングの「仕組み」と
してのスマホ「アプリ」を導入。アプリならではの「言いやすさ」
というメリットもありそう
・ネットのファンサイトを使ってホンネを拾う森永製菓。「ファンが
集う場所」という「ホンネ」を引き出しやすい場を作った。
○出来る範囲内で最適の「媒体」を使う
顧客調査は「顧客の求めるものを引き出す方法」だから、それができ
るのならどんな媒体でも良い。「唯一最高の方法」はないから、でき
ることに応じて最適な「媒体」を使う。
真子:こんな感じでいーい?
勝 :いいんじゃないか。
真子:顧客ヒアリング1つとっても、色々やり方はあるんだね。
勝 :これも知恵次第ってことだな。
一段落ついた合図のように、わずかに残った冷めたコーヒーを勝が飲
み干した。
「ね、勝さん、なんかおなか減ってこない?」
「真子はさっき食ったばかり……って、もうこんな時間か……」
「ねー、そろそろお昼ご飯にしよーよー」
「そうするか……ついでに初詣にも行くか」
「うん!」
2人は、荷物を片付けると、正月の温泉街へと繰り出していった。
★今日の「アタマに問いかけるべき適切な質問」
あなたは「直接ヒアリング」や「間接ヒアリング」など、様々な方法
でお客様の声を吸い上げていますか?
ぜひお考えになってみてください!
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◆今日のまとめ
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●顧客ヒアリングの2つの方法は「直接ヒアリング」と「間接ヒアリ
ング」。様々な方法を使って、お客様の声を吸い上げよう!
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◆売れたま!を解除するには
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
売れたま!は、以下の3つの配信会社から配信されています。下記の
ページの中段、青色の部分からご自身にて解除下さい
http://sandt.co.jp/uretama.htm
ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。
**************************************************************
▼今日の日記▲
今日あたりから、ビジネスが動き出している感じでしょうか。まだ電
車は空いている感じですから、本格的に動き出すのは来週あたりから
かもしれませんね。
私は、正月休み後半に日向実直くん(拙著「白いネコは何をくれた」
の主人公)の実家へ。割と頻繁に行ってます。北国だけあって、寒か
ったですね。「にわか雪」(ひょう?)のようなものも何回か降り、
雪国!という感じを味わってきました。できればスキーもしたかった
のですが、そういう余裕はありませんでした。
東京に戻ってくると、暖かいな、と感じました。
同じ国内で気候が結構違いますから、日本は狭いようで結構広いんで
すね。
●今日のiPod Tune:2017 酉年 トリの歌!
あけましておめでとうございます!
今年は酉年! ということで、トリの歌!
今日の曲は……
○翼をください by 赤い鳥
1971年リリースですが、実際に広まったのは、音楽の教科書に採
用されてからのようです。私がこの曲を知ったのも、中学校の音楽の
時間でした。
もちろん、原曲が良かったからこそ広まったのでしょうね。この曲を
合唱曲として音楽の教科書に載せた方の選曲眼はすごい!
ずっと歌い継がれていく曲となることでしょう。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓<免責事項等>〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●紹介した会社の各商標は各会社の登録商標です。紹介した会社・商
品等は、例であり、戦略や商品の良し悪しの評価ではありません。
●無断転載は禁じますが企画や会議のネタにぜひどうぞ。全文転送な
ら構いませんので、部下・上司・同僚など周囲の方にもお勧めを!
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──────< 物語でわかるマーケティング >────────
●「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
マーケティング入門:読みやすい小説
http://ow.ly/qBY9o
●「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
上の本の続編。主人公が社長になり、戦略構築から実行プロセスま
で物語で体感!
http://ow.ly/6s63d
●「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm
─────< マーケティング戦略のベストセラー >──────
●「図解 実戦マーケティング戦略」 佐藤義典 著
マーケティング戦略入門:戦略はここから
日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/jissen.htm
●「事例でわかる 実戦BtoBマーケティング」 佐藤義典著
BtoBマーケティング戦略の標準テキスト
日本能率協会マネジメントセンター
http://ow.ly/7Wvdq
●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/check.htm
●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
http://www.sandt.co.jp/kotowaza.htm
────────< マーケティングの思考法 >────────
●「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
日本能率協会マネジメントセンター
右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
http://www.sandt.co.jp/shiko.htm
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◆次号予告:年末年始特別号 その4
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●前回予告して今回できなかった「調査すべき内容」です。「価値は
○○○に現れる」のですから……?
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!
▼彼氏・彼女・家族との、知的な話題づくりに!
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!
売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……
〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
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「インド人を右に」とレスするたびに右に動いていくスレ
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1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 14:05:17.71
ID:yDRFQxCW0┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓┃ ┃┣
12 年前
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