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2015年11月27日金曜日

売れたま!戦略編Vol.401 2015/11/26 弱みで勝つ!16:アイチじゃないよ、エヒメだよ!

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 ■■_弱みで勝つ!16:アイチじゃないよ、エヒメだよ!_■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●「転んでもタダでは起きないしたたかさ」と「まじめにふざける遊
 びゴコロ」で、弱みを強みに変えてしまおう!


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◆「アイチじゃないよ、エヒメだよ!」
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●「アイチじゃないよ、エヒメだよ!」

愛知県……じゃなくて愛媛県が、新しい観光キャッチコピーを採用し
たとのこと。

それは、何とも大胆な……


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇『愛媛県は知名度向上を狙ったキャッチフレーズとして「アイチじ
 ゃないよ、エヒメだよ!」を採用する。ともに県名に「愛」が付
 き、間違われることを逆手にとり、キャッチフレーズとして県外で
 PRする。愛知県とは共同でPRイベントも実施する』


◇『愛媛県の中村時広知事が県外のイベントで何度も「愛知県知事」
 と間違えられことで「悔しい思いもあったが、逆手にとるのは面白
 い」と考え、知事自身が発案した。キャッチフレーズを浸透させる
 ため、両県をPRするポスターを作製した。愛媛県の鯛(たい)め
 しと愛知県のひつまぶしを比べるなど、両県の知名度を高める』


◇『11月中旬には愛知県内で同県の大村秀章知事と対談するほか、
 名鉄百貨店(名古屋市)では愛媛フェアを開催する。松山空港と中
 部国際空港を結ぶ定期便を運航する全日本空輸と協力し、旅行商品
 も開発する予定だ。11月上旬には東京都内でもPRイベントを開
 く』


2015/10/28 日本経済新聞 地方経済面 四国 P.12

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


「アイチじゃないよ、エヒメだよ!」

とは、なんと開き直った、素晴らしいキャッチコピー! 

ちょっとこれ、驚きました。

愛媛県の公式キャッチコピーですからね……しかも、県知事自らお考
えになったものとのこと。

県のHPにも堂々と、大々的に載っています。

https://www.pref.ehime.jp/h30200/27ehime_aichi/27gaiyo.html


まあ確かに、愛知県と愛媛県って間違えられそうですよね……


昨今の県の観光PRの成功例は「うどん県」が記憶に新しいえすが、
最近、自治体も大分柔らかくなってきましたよね。



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◆復習:弱みで勝つ!
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●あばたもえくぼ:弱みは強み、強みは弱み

拙著「白いネコは何をくれた」*の名文句(?)が「強みは弱み、弱
みは強み」です。

*「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm


一見「弱み」に分類されるものでも、やり方次第で「強み」に転化す
ることはできます。

「弱みで勝つ!」とは、このように一見弱みと分類されることを、強
みとして、ウリにしてしまおう、ということです。



●事実を強みとして「解釈」しよう!

そもそも、そんなに強みばっかりの会社・人はいません。

強み弱み分析のようなことをして、「うわ、うちは弱みばっかりだ」
と「諦めモード」に入ってしまったら最悪です。

そうではなく、

「事実を羅列し、これをどう強みとして使うか」

と考えるんです。


「事実」は「事実」です。弱みになるか、強みになるか、それは、使
い方次第、使う人次第です。


弱みを強みに転化し、弱みで勝つ!


これがしたたかで軽やかな経営者・マーケターの態度だと思います。



●弱みを強みに変える3ステップ

「弱み」を「強み」にするセオリーは、

ステップ1)「弱み」ではなく「事実」として客観的に羅列する
ステップ2)その「事実」が「強み」になるような「解釈」を探す
ステップ3)その「解釈」を受け入れていただける顧客に提案する


というステップになります。

つまり、「事実」を「これはいい」と評価してくれる方に対して、き
ちんと提案しようということです。


別に卑屈になって、ということでは全く無く、「これが強みです」と
堂々と提案するのです。それが「強み」になるお客様であれば、「確
かにそれが強みだ」とうなずいていただけるでしょう。


種明かしをしてしまえば、これはBASiCSにおいて、自社の強み
を提案するときのプロセスと何ら変わりはありません。少々の「意外
感」があるだけです。

「弱みで勝つ」とは、実はセオリー通りの戦略的な提案なのです。



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◆「弱みで勝つ!」心構え1:転んでもタダでは起きないしたたかさ
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記事中の、中村県知事の

『「悔しい思いもあったが、逆手にとるのは面白い」』

という一言は、まさに「弱みを強みに転化する」という発想です。

「愛知と間違えられる」という「弱み」を逆手にとって、観光PRに
した、面白い発想ですよね。


今回は、「弱みで勝つ!」の「心構え」「メンタリティ」について深
掘りしていきたいと思います。

弱みで勝つ!という「やり方」を理解することは重要です。が、「弱
みで勝つ!」ためには、それだけでは不十分です。

ある種の「心構え」「メンタリティ」があってこそ、実際に実行に移
せるように思います。



●悔しさをネタに変えるしたたかさ

まずは、「したたかさ」です。

記事によれば、中村県知事は『「悔しい思いもあったが、逆手にとる
のは面白い」と考え、知事自身が発案した』とのこと。

「悔しい」と思っても、何も起きません。それをグチったとしても、
何も起きません。

「悔しい」と考えるのは自然ですが、何もしなければ「悔しいまま」
ですよね。

「だったら、どうすればそれをうちのトクにできるか考えよう」

という、「転んでもタダでは起きないしたたかさ」があることで、こ
のような「悔しさをネタに変える」という発想が可能になるのだと思
います。



●名古屋という大市場を狙う「したたかな計算」

そのしたたかさは、名古屋で愛媛フェアを行う、という行動にも表れ
ています。

名古屋は、もちろん一大消費地です。

「アイチじゃないよ、エヒメだよ!」

には、「名古屋という大市場を狙えるのではないか?」という計算も
あったのではないでしょうか?


良い意味で、したたかなメンタリティが見て取れますね。



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◆「弱みで勝つ!」心構え2:まじめにふざける遊びゴコロ
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●まじめにふざける遊びゴコロ

もう1つの心構えは、「まじめにふざける遊びゴコロ」です。

大企業や地方自治体の行動は、どうしても「お堅い」感じになってし
まいます。

ちょっと遊びゴコロをもったことをすると

「ふざけるな、マジメにやれ」

と言われてしまうかもしれません。


しかし、それでは、お客様にとっても面白くない、つまり「刺さらな
い」わけです。

例えば

「果物がおいしい愛媛県」

と「マジメ」にやっても、全然面白くないですよね。メディアにも取
り上げられないでしょう。


「アイチじゃないよ、エヒメだよ!」

には、遊びゴコロがあるからこそ、面白いと思われてメディアや消費
者の注意を引くわけです。

「認知」「興味」の関門を超えられるわけですね。


「アイチじゃないよ、エヒメだよ!」は、観光PRです。

観光PRは、観光客の誘客につながらなければ意味がありません。


ということはですよ……?

「マジメ」にやって、「刺さらない観光PR」になったとしまったと
したら、それこそ「不真面目」ではありませんか? 「マジメで刺さ
らない観光PR」に、県の貴重な予算を使っていいんですか?


観光PRは、「お客様に刺さってナンボ」です。

ということは、「ふざけた遊びゴコロ」でお客様に刺さるのが、本当
の意味での「マジメ」な観光PRなんです。

なので、「お客様に刺さる」ためには、「マジメにふざける」メンタ
リティが必要なんですね。



●「クス」と笑えるユーモア

お客様の共感を呼ぶには、

・あーそうそう、そーだよねー
・あはは、なんか面白いねー

といった感じの、クスと笑えるレベルのユーモアが適しています。

お下品・お下劣にすると、反感を招く場合もありますから、「クス」
くらいがいいですね。

このあたりは個人の感覚値になりますが、

「アイチじゃないよ、エヒメだよ!」

は、丁度いい感じのように思います。


このような「遊びゴコロ」「ユーモア」を持った心構えがあると、弱
みを強みにしやすくなります。



●ふざけたとしても、他人の「非難・中傷」はダメ

「ふざける遊びゴコロ」と言っても、何をやっても良いというわけで
はありません。

特に重要なことは、

・他人を非難・中傷しない、傷つけない

ということです。

となると、お勧めは「自虐ネタ」です。

「アイチじゃないよ、エヒメだよ!」

は、誰が悪いというわけでもないでしょうから、誰も傷つけていませ
んよね。



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◆セオリー通りの「対決」
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●「対決」は、販促のセオリーの1つ

最後に、「アイチじゃないよ、エヒメだよ!」のマーケティングの戦
術的な部分についても言及しておきます。

「アイチじゃないよ、エヒメだよ!」は、「対決」というテーマの販
促です。

ポスター*には、

・ひつまぶし×鯛めし
・エビフライ×じゃこ天

のような、愛知と愛媛の対決を強調したものもあります。

*愛知県HP
https://www.pref.ehime.jp/h30200/27ehime_aichi/27aichi.html

この「対決」というのは、販促などのテーマの定石の1つです。

・ゴジラvsキングギドラ
・地球連邦軍vsジオン公国

など、映画のプロットもその多くが「対決」をテーマにしています。
人をひきつける何かがあるのでしょうね。


そのような意味でも、「アイチじゃないよ、エヒメだよ!」は、よく
考えられていると言えそうです。



★今日の「アタマに問いかけるべき適切な質問」

あなたは、「転んでもタダでは起きないしたたかさ」と「まじめにふ
ざける遊びゴコロ」を持っていますか?


ぜひお考えになってみてください!


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◆今日のまとめ
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●「転んでもタダでは起きないしたたかさ」と「まじめにふざける遊
 びゴコロ」で、弱みを強みに変えてしまおう!


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▼今日の日記▲

今日まで福井県でセミナーでした。

福井と言えば、海の幸!! この季節、越前ガニが解禁されます。

最近、越前ガニは色々と「ブランド化」の試みをしているとのこと。
大型のモノは「極」(きわみ)というそうで、相当高価です。それに
近いものをいただく機会がありました。身もおいしいですが、カニミ
ソが本当に濃厚でうまみがあり、素晴らしい味でした。

で、地元の方はそんな高価なものではなく、「セイコガニ」(メス)
を食べるとのこと。オスの大きいカニに比べて、セイコガニはまるで
「子供」のような小ささです。その分安価だそうで、1杯千円以下で
食べられると、タクシーの運転手さんがおっしゃっていました。

そちらもいただいたのですが、こちらも身が詰まっていておいしいん
ですよね。思わず白米を頼んでしまいました。


こんなことばっかり書いていると「何しに行ったんだ……」と言われ
そうですが、肝心の仕事はもちろん頑張ってきましたよ。多くの方に
ご参加いただき、BASiCSについて真剣に討議されていました。

BASiCSを使って既にかなりの成果をあげていらっしゃる方もい
らして、お役に立てている実感があって嬉しかったです。

Tさん、カニとエスプレッソ、ご馳走さまでした! Uさん、コーデ
ィネートありがとうございました!。



●今日のiPod Tune:秋の夜長に夜を楽しもう!

もうそろそろ12月、秋も終わりつつあり、いよいよ冬ですね。

この曲で、このシリーズも最後です。

夜の終わりは、「夜明け」ですね。

ということで、最後の曲は……


○瑠璃色の地球 by 松田聖子


1986年リリースのアルバム、SUPREMEの最後を飾る曲。シ
ングルカットはされていないと思いますが、紅白で2回歌われるなど
よく知られた曲ですね。

合唱曲としても歌われるようで、私たちの世代のアイドルだった歌手
の歌が学生の合唱で歌われるというのは、不思議な感じです。

松本隆氏の手になる歌詞がとてもキレイ。

朝の光が放たれれば、それは夜明け♪



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 上の本の続編。主人公が社長になり、戦略構築から実行プロセスま
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 BtoBマーケティング戦略の標準テキスト
 日本能率協会マネジメントセンター
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●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
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●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
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