アフィリエイト活動に役立つ優良ツールとマニュアルです。詳細説明

2015年9月1日火曜日

売れたま!特別編Vol.324 2015/08/31 夏休み特別号:プロダクトフロー 6

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
 〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.324(累計1255) 2015/08/31
購読者:32,611 (まぐまぐ:16,176 メルマ!:952 めろんぱん:15,483)

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 ■■■■__夏休み特別号:プロダクトフロー 6__■■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●「売りたい商品」は、「稼ぐ」ための商品。もしなければ、作って
 みよう!!


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◆夏休み特別号!
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夏真っ盛り! お盆休み!

夏は毎年、この特集の季節。今年もあの本の登場人物たちが大騒ぎ!


「新人OL〜シリーズ」の登場人物
・売多真子:イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」社長
・売多勝 :売多真子の親戚 コンサルティング会社経営
・上原望 :売多真子の同僚「そーれ・しちりあーの」役員

「経営戦略虎の巻 CD」付属小説の登場人物
・松井恵利:売多真子の友人 果物ジュース・ケーキショップ店長


○入門書:「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」佐藤義典
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売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!

○戦略書:「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典
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真子が社長になり競合と戦う戦略構築〜実行プロセスを、物語で体感



●マインドフロー本発売記念 プロダクトフロー特集!

今回の特集は、「プロダクトフロー」!

今更ですが、4月発売の「マインドフローの本」発売記念です。

「実戦 顧客倍増マーケティング戦略」佐藤義典著
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プロダクトフローはマインドフローを構成する理論体系の一部ですが
単独でも使える、強力なツール。

・あげる商品 :商品サンプルなどの「あげる」もの
・売れる商品 :低単価の「買いやすい」商品
・売りたい商品:高単価・高利益率の「稼ぐ」ための商品

という3段階で考えるのがプロダクトフロー。


今回は、連載6回目です。1回目はこちらからどうぞ↓

http://archive.mag2.com/0000111700/20150814025000000.html

「次の記事」というところをクリックすると、その次に進めます。

全7回程度の予定です。お楽しみください!



●ここまでのあらすじ

イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」の社長「売多真子」
(うれた・まこ)と役員「上原望」(うえはら・のぞみ)、真子の友
人「松井恵利」(まつい・えり)は、真子の親戚にしてコンサルタン
トの「売多勝」(うれた・まさる)と勉強会を兼ねた「合宿」。

8月の中旬、4人は揃って高原のペンションへ向かった。到着するや
いなやテラス席に陣取り、早々に勉強会が始まる。



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◆まずは、前号の復習から!
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夜の闇が覆う高原のペンション。街路灯も少なく、周囲は闇だ。高原
の夜は静かで、車が通る音もほとんどしなくなった。

外は静かだが、ペンションのあるテーブルは大騒ぎだ。オーナーが、
デザートを配膳して説明を始めたところだ。

「きゃーデザートデザート!」
「真子、いちいちうるさい」

「今日は、抹茶のロールケーキにワッサーを載せてみました」
「ワッサー?」
「はい、信州の果物で、桃とネクタリンを掛け合わせた品種です」
「へー、初めて聞くねー」
「あと、ぶどうのゼリーにブルーベリーのアイス、それにカモミー
 ルティーです」

「いっただきまーす……へー、このワッサーって、おいしー」
「結構しっかりした果肉だね」
「ロールケーキのクリーム、ふわっふわだー」
「んー、し、あ、わ、せー♪」

「じゃあ、食べながらでいいから再開するぞ」
「はーい」


望 :今回は、私に復習させてくださいね。前回は「良い」売れる商
   品、について考えてきたんですよね。

勝 :そうだね。


望が、「私も恵利ちゃんを見習ってまとめてみました」と言いながら
自分のノートを広げた。


○「良い売れる商品」

・効果測定ができる:TBCのエステは、250円プラン顧客の半数
 は他のプランを申し込む。効果測定が出来るからこそ破格なプラン
 を継続できる。


・「強み」になる売れる商品:食品スーパーの「売れる商品」は、生
 鮮・総菜だが、それらは同時に対競合(コンビニ)の「強み」(=
 お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由)になっている。

・「売る仕組み」を作る売れる商品:イオンの格安タブレットは、将
 来的にはそのタブレットがイオンの販促・購買端末となることを見
 越して提供されている。



勝 :お、望ちゃんもすごいね。よくまとまってる

望 :いえ、恵利ちゃんといういい見本がいたので……

真子:そんなことないよー、私は恵利のノートよく借りてたけど、こ
   んなにうまくまとめられないからー、きゃははは。

勝 :……言われる前に自分で言ったな。

恵利:勝さん、今回のキーワードは「流れ」でいいですか? 「あげ
   る商品」から「売れる商品」そして「売りたい商品」への……

勝 :そう、「流れ」。マインドフローもプロダクトフローも、「フ
   ロー」つまり流れという名前にしているのは、そういうこと。

真子:お客様にとって、自然な流れを作れ、ってことだよね。



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◆稼ぐための商品「売りたい商品」
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勝 :じゃあ、ここからはいよいよ「売りたい商品」。「売りたい商
   品」とは、要は「稼ぐ」ための商品。

真子:「稼ぐ」っていうのは、「利益を得る」ということでいい?

勝 :そうだな。「売れる商品」と対比させながら考えていこう。
   ここまでやって、「売りたい商品」もある程度わかるでしょ?

真子:じゃあ私から。当たり前だけど、「売れる商品」は、たくさん
   の人が買うんだよね?

勝 :お、まずは顧客数からか。そうだな。で、「売りたい商品」は
   その「売れる商品」を買った人の一部が買う。だから少数。

望 :ということは、「売りたい商品」は、お客様が最初に買う商品
   ではない、ということですね。慣れてから買う商品……

勝 :そうだね。「売りたい商品」は、ある意味で「ファン向け」の
   商品になる。

恵利:その、「慣れてもらう」ために買いやすい「売れる商品」があ
   る、ということですよね。「流れを作る」という意味で。

望 :その意味では、「売れる商品」は、単価が低いんですよね。逆
   に、「売りたい商品」は単価が高くなります。

真子:単価もそうだし、利益率、という意味でも、「売れる商品」
   は低利益率なんだよね? 単価を下げなきゃいけないし。

恵利:それで、「売りたい商品」は高利益率の稼ぐ「商品」となりま
   すよね。

勝 :OK、そんな感じ。じゃあ恵利ちゃん……


ノートを書きながら会話に参加していた恵利が「はい……」と言っ
て、数文字だけノートに書き加えると、3人に見せた。



○「売りたい商品」

    売れる商品          売りたい商品

  多くの人が買う   ← →  自社のファンが買う

  最初に買う商品   ← →  リピート時に買う商品

  低単価、買いやすい ← →  高単価、買いにくい

  低利益率      ← →  高利益率


真子:恵利、さっすがー。

勝 :OK。じゃあそれをアタマに置きながら、事例を見ていこう


勝が膝の上でノートパソコンを操作し、3人に渡した。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇『日経レストラン 戸田顕司編集長』
 『JR御茶ノ水駅に近い神田駿河台にあり、ビルに挟まれた昼でも
 暗い路地の奥にありながらも、にぎわっているのが立ち飲み居酒屋
 「立ち呑み ピン」だ。ピンはランチの営業はせず、日祝は定休
 日。それでいて、17坪(56平方メートル)で月商500万円』


◇『名物料理のメンチカツ(320円)は1個200グラムの特大サ
 イズで、原価率は50%にもなる。1個だけで十分に満足できる量
 だ。鴨(かも)のロースト(600円)は長さ20センチメートル
 で厚さ2センチほどの軟らかい鴨肉を使った、こちらもボリューム
 がある一品。原価率は40%だ。こうした肉料理には、付け合わせ
 の野菜をたっぷり添えて華やかに仕上げ、見た目の満足度も高めて
 いる。料理の原価率を平均すると55%に達する』


◇『一方で、ドリンクの原価率は低く抑えることで、利益が出るよう
 にバランスを取る。具体的にはお客が生ビール(450円)より
 も、原価率の低い各種ハイボール(350円〜)を注文したくなる
 ように導く』


◇『大きな効果を上げているのが、入店後の1杯目に限り320円で
 提供する「とりあえず角ハイボール」だ。通常の角ハイボールは通
 常350円なので、多くのお客が注文する。「最初にハイボールを
 飲んだお客様は、その後もビールを飲まず、ハイボールを飲み続け
 る傾向がある」と福田社長は説明する。お客の心理を読んだ販売策
 が奏功し、角ハイボールの1カ月当たりの出数は5000杯で、生
 ビールの2倍に上る。これにより、ドリンク全体の原価率は23%
 で済んでいる』


2014/07/04 日経MJ P.15

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


望 :料理の原価率が55%って高いですね。普通は30%から
   40%以下におさえると言われてますから……

勝 :そうだよね。

望 :その意味では、料理は「売れる商品」ですね。お客様から見る
   と「オトク」ですから。

恵利:その分、飲み物で稼いでるんですね。原価率23%ですから、
   こちらが高利益率の「売りたい商品」ですね。

勝 :そうなるね。

望 :すごいな、と思ったのは、最初にハイボールを頼んだお客様は
   その後もハイボールを注文し続ける、という指摘です。

恵利:あ、そーだよね。確かにさ「2杯目はどうしますか?」って聞
   かれると、考えるの面倒だから「同じの」って答えがち。

真子:たーしかにー。酔っ払ってると考えられないし、きゃははは。

勝 :そういうところ、よく考えてるよな。立ち飲み屋のメニューだ
   って計算尽く、戦略尽くだぜ。

真子:でもさー、「売りたい商品」って「高単価」ってさっき言って
   なかったっけ?

勝 :「高単価」になる理由は、「利益」を取りたいから。低単価で
   も利益が取れるんなら、それでいいだろ?

真子:あ、そっか。「売りたい商品」の本質は「利益」ってことか。

勝 :そういうこと。稼げればいい。こういう店って結構ある。食べ
   物で集客して飲み物で稼ぐ店。

真子:っていうか、お酒を出す飲食店は普通そうでしょ? イタリア
   ンなんかは、ワインで稼ぐんだから。

勝 :もちろんそうなんだけど、「飲み物で稼ぐぞー」感がありあり
   じゃなくて、さりげなくハイボールで稼ぐ、みたいな感じ。

望 :高いワインで稼ぐんじゃなくて、350円のハイボールで稼ぐ
   というのが面白いですよね。

恵利:それに、食べものの看板メニューがあるわけですよね。この店
   の320円のメンチカツ、みたいな。

望 :そういう看板メニュー、ってまさに「売りたい商品」だよね。
   「あの店安い」って思ってもらえるし。

勝 :そうそう、そういうメリハリがついてる。意図的にやっている
   っていうのがわかる。

真子:まあ、確かにハイボールはビールに比べれば原価率低いから。

勝 :そうらしいな。ハイボールが一気に広がったのは、消費者に受
   け入れられたのはもちろんだけど……

望 :飲食店にとっては「儲かる」すなわち「売りたい商品」になる
   からですよね。

勝 :そうだね。でさ、ちょっと余談なんだけど、ハイボール広めた
   のって誰だ?

真子:サントリーでしょ?

勝 :そうだな。ビール代わりのハイボールだよな。

真子:それがどうかしたの?

勝 :ビールで強いのはどこだ? サントリーか?

望 :えっと……アサヒとキリン……あ!!

恵利:あ! なるほどぉ……ビールが強い会社は、ビール代わりの飲
   み物っていうのは勧めにくいんだ!

真子:なるほど、そういうことか! サントリーが「ビール代わりに
   ハイボール」っていうのは、他社から取って来られるんだ。

勝 :真相は知らんが、多分そういうことじゃないか、と思ってる。

望 :なんかそんな感じがしますよね。



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◆「量」を増やした「売りたい商品」
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勝 :で、基本的には利益率が高い商品が「売りたい商品」になるけ
   ど、必ずしもそうとは限らない。

真子:例えば?

勝 :例えば、同じモノをたくさん売ってもいい。DVDの5枚パッ
   クとか、ポテトチップスの大きいの、とか。

真子:あ、なるほどね。利益率は同じでも、5枚パックなら、利益の
   金額は5倍になるわけだー。

勝 :そういうこと。だから単純に「売れる商品の量が大きいもの」
   というのも「売りたい商品」になりうる。

恵利:ガムなんかでも5個パックとか売ってますもんね。

勝 :そうそう。5個パックなんかヘビーユーザー向けだよな。

望 :「売りたい商品」の特徴の1つである「ヘビーユーザー向け」
   なんですね。

真子:そういう意味では、缶ビールのケース売りもそうだね。

勝 :そうだよな。あと、例えばポテトチップスの大きい袋買うとす
   るじゃん? すると、どうなる?

真子:すぐに全部食べちゃう! 袋が大きくても小さくても!

勝 :……まあそういう効果は確かにあるけど、そうじゃなくて……

望 :ポテトチップスが残っている間は、他のお菓子を買わない、と
   いうことですか?

勝 :そう! 競合を使わなくなるんだよ。

恵利:なるほど……DVDの5個パックも、残っている間は、競合商
   品を買いませんよね。

真子:えー、そんなこと考えないよー。お菓子は買っちゃうよー。

恵利:そんなことないでしょ、食材とか買うときって、「うちにあっ
   たかな?」って考えるわよ。

望 :私、今、冷凍庫にあずきバー6本セットを常備してますけど、
   確かにそういう感じです。なくなったら補充します。

勝 :真子はともかく、まあそうだよね。だから、「量を増やした商
   品」というのは、「売りたい商品」になり得る。

真子:ねー、うちみたいなイタリアンレストランは? 大盛り出す、
   っていうことじゃないよね?

望 :コース料理とかになるんじゃないですか?

勝 :そう! メニューの組み合わせでいいじゃん。

真子:あ、そっか……

勝 :オレさ、甘い物大好きなんだよ。

真子:もちろん知ってるよー。

勝 :それで、イタリアンに行って、デザート3つか頼むじゃん?

真子:きゃははは、そんな人いないよー。

勝 :そうみたいだな。「お一人でですか?」とか聞かれるわけだ。
   ホント大きなお世話だ。

望 :す、すみません……私もやってしまっています……

勝 :で何が言いたいかっていうと、デザート2個セットとか、3個
   セットがなんでないんだ、って話。

望 :あ……ホントですね……

真子:でもさー、別々に3つ頼めばいい話じゃん。

望 :そんなことないわ、例えば2名でいらして、3個注文されて、
   シェアされるかもしれないし……

真子:あ! そっか、そういう使い方もあるんだ……でもさー、3個
   セットとかだと値下げしなきゃいけないかなー……

勝 :そんなことないだろ、むしろ量増やせばいいじゃん。3個頼め
   ばもう1個ついてくる、とかさ。オレはその方が嬉しいぞ。

真子:な、なるほどー。でも勝さん食べ過ぎー、きゃははは。

勝 :サービス業の場合なんかは、「長期契約」みたいのが「売りた
   い商品」になることもある。

望 :勝さんのお仕事のコンサルティングの場合などですか?

勝 :例えば、ね。年間契約とかにすればいい。雑誌の長期購読なん
   かも同じ。ビジネス週刊誌だと、確か「5年契約」とかある。

真子:うわー、なっがいねー。5年かぁ。

勝 :でもどうせ読み続けるなら、それでもいいだろ、更新の手間が
   かからないし。

恵利:「量を増やす」というのは、色々と応用が利くんですね。



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◆「売りたい商品」がなければ、作ってみよう
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勝 :それでさ、「売れる商品」は普通はあるけど、「売りたい商
   品」がない、っていうケースが結構あるんだよな。

真子:そうなの?

勝 :だから、真子の店だって「デザート3個セット」とか用意して
   ないだろうが

真子:あ……ない、っていうか、単に気づいてなかったんだよねー…

勝 :だからそういうことだよ。「デザート3個セット」があって、
   何か困ることあるか?

望 :いえ、何にも……メニューが1行増えるだけですから。別に、
   在庫が増えるわけではありませんから……

勝 :でしょ? さっきの雑誌の購読期間の話もそう。「5年契約」
   とか「10年契約」とか、用意するだけすればいい。

真子:誰も注文しなくても、全然困らないってことか!

勝 :そう。DVD5個パックを10個セットにしてもいい。売れな
   かったら5個パックにバラせばいいだけ。

真子:きゃははは、そーだねー。だったら作った方がいいよね。1人
   でも買われる方がいるかもしれないわけだから。

勝 :あとはセットメニューとかな。

望 :セットメニューですか?

勝 :例えばさ、缶ビールなんかだと、バラのビールが「売れる商
   品」で、「売りたい商品」がお中元だったりするでしょ?

望 :あ、はい、そうですね。お中元やお歳暮は数がはけそうですし

勝 :それでさ、同じビールたくさんもらってもいいけど、つまみつ
   きのお中元があってもいいと思わない? 地域特産とかの。

望 :どういうことですか?

勝 :だから、例えば北陸なら北陸の珍味とビールの詰め合わせを、
   お中元用に作ればれいいじゃん、ってこと。

真子:あ、それ面白そう! 地域毎にいろんなのができるね!

勝 :だろ? 別にビールじゃなくてもなんでもいいんだけどさ。
   っていうか、もうあるかもしれないけどな。

望 :ハンバーガー単品じゃなくて、セットメニューを売れ、という
   ことですね。

勝 :例えば、ね。普通は「売れる商品」はあるんだよね。でも「あ
   げる商品」「売りたい商品」はないこともある。

真子:両方とも、なかったら作ればいい、ってことだねー。

勝 :「なかったら作る」という意味では、前にも取り上げた*この
   事例がいい例になるな。

*2014年12月11日号


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇『そんな中、コンサート前の時間を使ってあこがれの歌手とコミュ
 ニケーションできる「VIPツアー」なるものがあると聞き、足を
 運んでみた。お邪魔したのは、米ロックバンド、TOTOのVIP
 ツアー。一般の入場に約2時間先駆けて、午後4時15分から始ま
 った。2万7500円(コンサート代金別)を支払って入場券を手
 に入れたファンは60人だ』


◇『名ギタリスト、スティーブ・ルカサーらがリハーサルする中、舞
 台すぐ下、最前列に招かれる。スマホやデジカメでの撮影も可能
 だ』『ギターを持参した男性が「僕のギター、弾いてみて」と頼む
 と、舞台上から受け取り、2曲ほど即興で演奏する。すぐにドラム
 やピアノも伴奏を付けるなど、アットホームな雰囲気だ』


◇『今回のVIPツアーも、1回60人で165万円の収益になる計
 算。来日公演すべてで実施すると「コンサート1回分程度の売り上
 げになる」(森会長)』


2014/05/05 日経MJ P.4

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


望 :あ、はい、読みました。アーティストのVIPツアーが「売り
   たい商品」なんですよね、高利益率の。

恵利:これ、コストが増えるわけではありませんから、いいビジネス
   でしょうね。

勝 :そうそう。言葉は悪いけど、コンサートの「副産物」みたいな
   もんだからね。

真子:ねーねー、うちの店の場合は?

勝 :真子の会社なら、VIP向けに「美人役員とのお食事会」とか
   でもやればいいじゃん。

真子:きゃーはは、面白いねー。そっかー、「美人社長」かあ。もー
   困っちゃうなー。

勝 :「美人社長」じゃなくて「美人役員」って言ったんだ。真子よ
   り望ちゃんの方が人気あるだろうからな。

真子:そっかー、美人社長との食事会かー、そっちの方が人気になっ
   ちゃうなー、困るなー。

勝 :オマエじゃなくて望ちゃんだっつーの。

望 :いえ、私と食事したい人なんか、誰もいませんよ……


「はいはいはーい、オレしたいでーす」
「うふふふ、私で良ければいつでも来てくださいね」
「出た出たー、望ちゃんのあざとい攻撃ー」
「だから別にあざとくないだろ」

勝が残ったデザートを全て口に放り込む。

「ふう……おいしかった」
「おいしかったねー。ご馳走さまでしたー」

「じゃあ、今夜はこれで解散、な。また明日」
「勝さんはこれからどうするの?」
「ここに来た目的を果たす。オレはこのままここで仕事していくよ。
 真子達は風呂にでも入ってきたらどうだ?」

「うー、それ、邪魔するな、って言ってる?」
「良くわかったな。その通りだ」
「わかったよー、じゃー、また明日の朝食でねー」

「おー、お休み」
「お休みなさーい」


勝は仕事道具一式の残っているテラス席へと戻り、紙やパソコンを広
げた。先ほどまでの喧噪がウソのように静かになり、ペンでサラサラ
と書く音や、時折ペンで机を叩く音だけが聞こえていた。



★今日の「アタマに問いかけるべき適切な質問」

あなたは、「稼ぐ」ための「売りたい商品」をきちんと作っています
か?

ぜひお考えになってみてください!



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◆今日のまとめ
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●「売りたい商品」は、「稼ぐ」ための商品。もしなければ、作って
 みよう!!


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ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。


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▼今日の日記▲

雨が続いていることもあり、ここのところ一気に涼しくなってきまし
たね。9月に入ると、さらに加速しそうです。

例年猛暑が続いていましたが、今年はそうでもなかったようで、少し
過ごしやすかったような感じがします。


しかし、もう9月ですね……1年の2/3が終わりました。

私は、今年は、というか、今年も、というか、長期的な夏休みはあり
ませんでした。8月は、お盆を除いて例年結構忙しい時期ですので、
休みが取れないんですよね。

それでも、今の夏休み特別号の舞台となっているペンションには、行
ってきました。休みというよりは仕事の作業をしに行っているのです
が、それでもリフレッシュはできました。

ちなみに、出てきている料理は、実際に私がいただいたものだったり
します。本当においしいので、それだけでも行く価値がある場所なん
ですよね。また行きたいなあ……



●今日のiPod Tune:HOT SUMMER SONGS 2015

恒例の夏の歌シリーズ!

8月も終わり、一気に涼しくなりました。

この特集も、これが最後です。個人的には、この特集が終わると、夏
も終わりか……と感じてしまいます。


最後の曲は……


○Making Love Out of Nothing at All by Air Supply


1983年リリース。全米2位まで上がった大ヒット曲であり、彼ら
の代表曲の1つです。

夏の曲ではないのですが、邦題は「渚の誓い」ですので、夏と言えば
「海」ということで、辛うじてつながっていますね。

Air Supplyのウリである、美しいメロディとハイトーンボーカルが見
事に結実した1曲。


夏の終わりを飾るのにふさわしい、美しいバラード♪



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──────< 物語でわかるマーケティング >────────

●「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
 マーケティング入門:読みやすい小説
http://ow.ly/qBY9o

●「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
 上の本の続編。主人公が社長になり、戦略構築から実行プロセスま
 で物語で体感!
http://ow.ly/6s63d

●「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
 物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm

─────< マーケティング戦略のベストセラー >──────

●「図解 実戦マーケティング戦略」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略入門:戦略はここから
 日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/jissen.htm

●「事例でわかる 実戦BtoBマーケティング」 佐藤義典著
 BtoBマーケティング戦略の標準テキスト
 日本能率協会マネジメントセンター
http://ow.ly/7Wvdq

●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
 日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/check.htm

●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
 ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
http://www.sandt.co.jp/kotowaza.htm

────────< マーケティングの思考法 >────────

●「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
 日本能率協会マネジメントセンター
 右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
http://www.sandt.co.jp/shiko.htm


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◆次号予告:夏休み特別号 7
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●次回は、最終回(の予定)、全体のまとめ編です!


▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!

▼彼氏・彼女・家族との、知的な話題づくりに!

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!


売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……

〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓

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