━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.210(累計0986) 2013/01/31
購読者:27,981 (まぐまぐ:16,370 メルマ!:946 めろんぱん:10,665)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■__年末年始特別号:セグメンテーション特集 11__■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●セグメンテーションの階層は「戦場・競合」の階層。ベネフィット
で「戦場・競合」を「階層化」しよう!
┃売れたま!は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま!
┃単独でもお役に立てますし、本と併用されれば効果倍増!
┃
┃図解 実戦マーケティング戦略 → http://tinyurl.com/a6ul5
●現在お申し込みいただけるセミナー
「マーケティング脳を鍛えるトレーニング」
マーケティングの入門者、初心者の方向けの1日セミナーです。
マーケティングの基本、戦略BASiCS、マインドフローなどを浅
く広く1日で学びます。
受講満足度、5段階中4.8の超高満足度セミナーです。
○2013年3月8日(金) 東京・表参道にて
詳細・お申し込みはこちらへ↓
http://ow.ly/h5xFO
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆年末年始特別号!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
年末年始好例の「特別号」は、やっぱりお馴染みのこの2人。
我らがヒロイン「売多真子」(うれた・まこ)と、真子の親戚にして
そのメンター「売多勝」(うれた・まさる)です。2人は以下の本の
登場人物です。まだお読みでない方はぜひ!
○「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
http://ow.ly/89pSR
売多真子が、勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
マーケティングの最初の1冊としてオススメ。
○「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
http://ow.ly/6s63d
上の本の続編。真子が社長になり、ライバルと戦っていく! 戦略構
築から実行プロセスまで、社長の視点を物語で体感!
例によってこのシリーズはどのくらいの長さになるかは、この2人の
活躍次第ですので、現時点ではわかりません。
今回の特集は、「セグメンテーション」! マーケティングで恐らく
は一番難しいこのと1つです。
そのセグメンテーションにどう切り込むのか?
●あらすじ
大晦日の夜、売多真子と勝は、年末に売多家が集まる温泉宿へと一緒
に向かった。電車の中で、そして除夜の鐘を聞きながら続いた2人の
レッスン。
一夜明けて、お正月を迎えて……
今号はシリーズ第11回目です。
最近お読み始めになられた方は、バックナンバーからどうぞ。第1回
目はコチラです↓
http://archive.mag2.com/0000111700/20121228030000000.html
ここから「次の記事」をクリックしてお読みください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆まずは、前号の復習から!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*本編の「今の時間」は、年が明けた1月1日の昼過ぎです。
1月1日、初詣に出かけた帰りにカフェに寄った勝と真子。カフェで
レッスンの続きが始まっている。
周りは空席がほぼないほどに混雑している。
「ねー、やっぱりお正月は混んでるねー」
「まあ、今混まなかったらやっていけないわな」
「お正月が終わったら、空くかな?」
「そうだろうな。春くらいなら籠もって執筆するのにいいかもな」
「あ、そうだねー。温泉のある宿で、和室でお仕事」
「それ、昔の小説家みたいでいいな。やろうかな
「じゃあ真子ちゃんも一緒に来てあ、げ、る、はーと♪」
「それじゃ意味ねーだろ。オマエが来たら仕事にならねー」
「あー、真子ちゃんの魅力で気が散っちゃうんだぁ!」
「オマエはうるせーからだよ!」
「えー、本当に集中できてたらうるさいのは気にならないでしょ?」
「オマエはムチャクチャなことするだろうが」
「勝さんが無視するからじゃん」
「ほら。結局オマエのせーだろうが」
「そんなことないもん」
「とにかく、再開するぞ」
「はーい」
真子:前号は「括って広げる」練習問題をやりました! ビジネスパ
ーソンのランチニーズ。こんな感じ!
真子がノートを広げる。
男性会社員 女性会社員
T: 19.6分 1時間前後
P: ファストフード レストラン
O: 1人でさっさと 同僚とコミュニケーション
単価 510円 1000円前後
勝 :「価値は使い方に現れる」って、売多勝名言集の言葉通りだよ
な。TPOがわかれば、ニーズがわかる。
真子:うん。明確にニーズが違う。もっと進んで、「セグメンテーシ
ョンの階層」をやったんだよな。
勝 :そうだな。「セグメンテーションの階層」は、結局何の階層に
なる??
真子:セグメンテーションは、「ベネフィット」で括るから「ベネフ
ィットの階層」になる!
勝 :例えば?
真子:例えば、「女性ビジネスパーソンのランチニーズ」は、「同僚
とコミュニケーションして仲良くなること!」
勝 :それで?
真子:「ランチで話して仲良くなる」がベネフィットだけど、それを
さらに「具体化」して階層を落としていく!
真子が勝にノートを見せる
階層1 仲良くなる
階層2 楽しく語らいたい じっくり話したい
○おしゃべりに来るマダム ○取引先と来る男性ビジネス
○先輩と来る パーソン
女性ビジネスパーソン
打ち手 それぞれに席をまとめる。
勝 :それで?
真子:それで、階層2のところが、セグメンテーションで、うちの店
の顧客もそれで「括れる」!
勝 :括れるとどうなる?
真子:打ち手が変わる! ご案内する席を変えるとか、フードメニュ
ーをセグメントごとに充実させるとか!
勝 :OK。それでいい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆セグメンテーション・ベネフィットの「階層構造」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
真子:ねー、この「階層」ってまだわかってない感じがするぅ!
勝 :じゃあ、この「階層構造」をきちんとやっておくか。
真子:うん!
勝 :正確に言えば、この「階層1」もセグメンテーションの切り口
の1つになってるんだよな。
真子:え?
勝 :この「階層1」の上に、「階層0」があってさ、それは「ラン
チのニーズ」みたいな、ばくっとした話。
真子:あ、なるほど。もっと「抽象度」を高めるんだね。
勝 :そうそう。すると、ランチで「仲良くなる」と同階層、すなわ
ち階層1で並列にあるニーズには、他に何がある?
真子:速く安く満腹! とか?
勝 :いや、「仲良くなる」と同レベルの抽象度にしようぜ。それだ
と具体性が少し高すぎる。
真子:そっか……じゃあ「栄養補給」とか?
勝 :そうだな。それが階層1。それってさ、さっきの最初の図の話
だろ? TPOで違う、っていう……
真子:え……あ! ホントだあ! ここでもう「男性会社員」と「女
性会社員」で分かれてる!
勝 :それで、その「栄養補給」の下に、階層2がある。例えば何が
ある?
真子:速く食べたいとか?
勝 :そうだよな。そこにはどんな「人」が入ってくる? 「ニーズ
と人は常にセット」で考える。
真子:えっと……ランチに時間が取れない男性ビジネスパーソンとか
じゃないかな?
勝 :だからそれはどんな人なんだよ? 人って言うか「場合」で考
えた方がいいな。
真子:なんで?
勝 :だってさ、真子の店に来る男性ビジネスパーソンでも、速く食
べたいから牛丼屋に行く「場合」もあるだろ?
真子:あ、そうか! 「場合」によって違うんだ!
勝 :そう。それが「TPO」。だから、人じゃなくて「場合」すな
わち「TPO」とか「ニーズ」で考える。
真子:そうか! だから「ニーズと人は常にセット」なんだ! これ
売多勝名言集に加えよう。ちゃんとメモして……っと。
勝 :ちょっと図にしてみ。真子はその方が考えやすいだろ?
真子:何その私が「物わかり悪いコちゃん」みたいな言い方。まあ実
際悪いけどさ、きゃははは。
勝 :いーからやれ。
真子がノートにまとめ、勝に見せる。
○ビジネスパーソンのランチニーズ
階層0 ビジネスパーソンのランチニーズ
階層1 仲良くなる 栄養補給
階層2 楽しく語らう じっくり話す 速い食事 お腹一杯
顧客像 ○おしゃべりに ○取引先と来る ○会議が ○朝食抜
来るマダム 男性会社員 近い人 いた人
○先輩と来る
女性会社員
勝 :まあこんな感じかなあ……「会議が近い人」って?
真子:13時から会議ってときは、12時半頃から資料をコピーして
ホチキスして、って忙しいから食事を速くすませたい!
勝 :なるほどな。そういう「場合」は、男女問わずあるよな。
真子:うん。
勝 :モレはありそうだけど、「階層化」するイメージはこんな感じ
だな。これでつかめたか?
真子:うん! でもさ、セグメンテーションって、結局どの「階層」
の話になるの? 全部?
勝 :どう思う? 真子の店、そーれ・しちりあーのの場合は?
真子:えっと……階層1の「栄養補給」はそもそも狙ってないから…
勝 :だろ?
真子:あ! そうか、階層1の右側の「栄養補給」は無視していい!
勝 :そう。そこはそもそも狙っていないセグメントっていうかベネ
フィットだから、戦略の対象外。真子の「戦場」に入らない。
真子:なーるほどぉ。
勝 :だから、階層1の「仲良くなる」が、真子の顧客の「全体」に
なって、その「全体」の中で、「括る」。
真子:なるほどぉ! 現実的には、うちの店のセグメンテーションは
「階層2」なんだね!
勝 :そういうこと。だからこの「階層」って大事なんだよな。
真子:ねー、こういうセグメンテーションの考え方って一般的なの?
普通は3つに分けよう、とかで終わるんじゃないの?
勝 :どうだろうな。確かにあんまり見ないけどさ。っていうか、こ
の特集は「3つに分けよう」を否定してるんだけどな。
真子:あ、そっか。「分ける」んじゃなくて「括る」んだ。
勝 :顧客像を具体化して「括る」ことができれば、必然的に階層化
できるはずだけどな。
真子:どうやって?
勝 :「神経衰弱」する組み合わせ、つまり「括った際の人」の単位
をどれくらい細かくするか、が「階層」になる。
真子:えっと……上の図だと「マダム」「女性会社員」で括って、そ
こに「取引先と来る男性会社員」を加えるかどうか、とか?
勝 :そうそう、そういうこと。だから、まずは「具体化」。だから
「ステップ1:顧客像の具体化」がとにもかくにも先。
真子:そっか、具体化すれば、「大きく括るか」「小さく括るか」の
違いにできちゃうんだ!
勝 :そういうこと。だから、具体化がステップ1。一番最初。で、
それを「階層化」していく。
真子:大変だなあ……
勝 :この「階層構造」は、ロジカルシンキング的な「モレなくダブ
りなく」、いわゆるMECEの話。
真子:聞いたことはあるけど……
勝 :セグメンテーションは、ロジシン的に「階層化」する左脳の話
と、具体化する「右脳」の両方が必要なんだよな。
真子:う、うん……
勝 :でさ、例えば階層1の「仲良くなる」と「栄養補給」で、モレ
もダブりもないか、って言われると誰も証明できない。
真子:あ、そっか。男性と女性なら、モレもダブりもないけど……
勝 :それが、「ニーズで括る」ことにつきまとう難しさ。階層2の
「楽しく語らう」と「じっくり話す」も同じ。検証が難しい。
真子:でもさ、括れてる「感じ」はするよね。
勝 :そう。その「感じ」で判断して、行動で検証するしかないから
「絶対法則」が存在しない。つまり「スパッ」とは切れない。
真子:でもさー、っていうことはさ、やれば差別化できるっていうこ
とだよね?
勝 :そう。新しい「切り口」に気づくことは、新しい「打ち手」に
つながるからな。
真子:そっか。頑張ろうっと。
勝 :で、「人の階層化」じゃないからな。「人」だけで階層化する
と、必ず「ダブり」がでる。
真子:え? 何で? 「男女」とかの切り口とかってモレもダブりも
ないよね?
勝 :同じ人、例えば「35歳男性会社員」でも、真子の店に行く
「場合」もあれば、牛丼屋に行く「場合」もあるだろ?
真子:あ! そうか、TPOによって同じ人でもニーズが変わるから
だ!
勝 :そうそう。上の図でも、「顧客像」はダブりまくってるだろ。
真子:あ、ホントだ! 私は、全部に入るかも!
勝 :だろ? だから「ニーズと人は常にセット」。これが、セグメ
ンテーションの「階層化」の難しさ。
真子:「ニーズと人」をどう括るか、だから、ニーズと人を常に考え
ないといけない……そりゃ難しいよねえ……
勝 :それを安易にモレ・ダブりのない「年代・性別」で「分ける」
から、「ニーズが見えない」って嘆くことになる
真子:ううん……耳が痛いなあ……
勝 :だから、セグメンテーションがきちんとできれば、それでもう
一流なんだよな。「上級」以上だな。
真子:私はまだまだ、かあ……
勝 :完全にできなくてもいいよ。っていうかカンペキに出来ること
なんかまずないからな。
真子:そうなの!? 勝さんでも?
勝 :当たり前だろ。セグメンテーションを論理的に行う計算式でも
できたら、各国が奪いに来るよ。モノが売れるんだからな。
真子:きゃーははは、映画になりそうだねー。「セグメンテーション
の秘宝」を巡って争う各国諜報機関、必死に逃げる売多勝♪
勝 :ホントそうなるわ。
真子:主人公が憧れるヒロインが絶世の美女、真子ちゃん♪
勝 :そのヒロインをあっさり見捨てる売多勝であった。
真子:やだあー、そんなのダメ−!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆「階層構造」で「戦場」が切れる!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
勝 :で、このセグメンテーションとかベネフィットの「階層化」が
できると、BASiCSで他にも役立つことがある。
真子:そうなの?
勝 :ベネフィットの階層は、セグメンテーションの階層化でもある
けど……何の階層になる?
真子:え? セグメンテーション以外で?
勝 :そう。ベネフィットが現すものは他にもあるだろ?
真子:ええっと……
勝 :ヒント。BASiCS。
真子:あ! 「戦場」だ!
勝 :そうそう。「戦場」は「価値」で表され、同じ価値を提供する
ものが「競合」だからな。ということは?
真子:ということは……あ! セグメンテーションの階層は「戦場」
の階層にもなる!
勝 :そういうこと。だから、さっきの図には、競合を入れることが
できる。さっきの図、もう1回出してみ。
真子:これだよね。
○ビジネスパーソンのランチニーズ
階層0 ビジネスパーソンのランチニーズ
階層1 仲良くなる 栄養補給
階層2 楽しく語らう じっくり話す 速い食事 お腹一杯
顧客像 ○おしゃべりに ○取引先と来る ○会議が ○朝食抜
来るマダム 男性会社員 近い人 いた人
○先輩と来る
女性会社員
勝 :この図でさ、階層0の「ビジネスパーソンのランチニーズ」っ
て、そのまま「ビジネスパーソンのランチ戦場」だろ?
真子:あ、うん、ホントだ!
勝 :そこにはどんな「競合」がいる?
真子:「ランチニーズ」だから、もう全部! マック、吉野家、コン
ビ弁当、ラーメンに……
勝 :そうだよな。別に「外食」とは限らない。「食べない」とか、
「手作り弁当」に「カロリーメイト」とかも入ってくる。
真子:あ、そ、そうだね。外食とは限らないや……
勝 :だから、ホントは階層0から階層1の間には、もっと細かい階
層がたくさんある。
真子:そうかあ……
勝 :で、階層1の「仲良くなる」戦場には、何が入ってくる? ラ
ンチにおける、だからな。
真子:うーんと……うちみたいなイタリアン、もちろん、他のフレン
チとかのレストラン、お寿司屋さん……
勝 :あと、ホテルのレストランとかだな。バイキングに行くと、マ
ダムが一杯いらっしゃるぞ。
真子:あ、そうだね……でも、そんなもんかな?
勝 :階層0の「ビジネスパーソンのランチ戦場」よりは競合が減る
よな? 何でだ?
真子:そりゃ、下の方がベネフィットが狭いっていうか、絞られてい
るからでしょ?
勝 :そうだけど、ここまでの言葉を使って言うと?
真子:えっと……あ、ベネフィットの「具体性」が高まるからだ!
勝 :そう! 階層が上に行くほど、すなわちベネフィットの抽象度
が高まるほど、競合が増える。
真子:なるほど! っていうことは、「抽象度が高いベネフィット」
を狙うと、「競合が増える」ってことだ!!
勝 :よく気づいた! 抽象度を高めるのは、自ら競合を増やすこと
になるから、戦いにくくなる。だから具体性を高めて……
真子:競合を絞って、それに勝った方が戦いやすい!
勝 :戦場にある程度の規模がある前提で、そうなるな。
真子:実際、階層2の「栄養補給戦場」なんて、競合がメチャクチャ
多いよね。
勝 :そうだよな。じゃあさっきの図に競合を加えてみようぜ。
真子:あ、そうだね! えっと……まず「お腹一杯」戦場は……
2人で騒ぎながら、競合を埋めて行く勝と真子。
○ビジネスパーソンのランチ「戦場」
階層0 ビジネスパーソンのランチ戦場
競合 全部、もう何でも!
階層1 仲良くなる戦場 栄養補給戦場
競合 寿司、レストラン、ホテル たくさんある!
階層2 楽しく語らう じっくり話す 速い食事 お腹一杯
顧客像 ○おしゃべりに ○取引先と来る ○会議が ○朝食抜
来るマダム 男性会社員 近い人 いた人
○先輩と来る
女性会社員
競合 レストラン 寿司屋 コンビニ 牛丼屋
ホテル ホテル マック 定食屋
ファミレス レストラン 社内食堂 弁当店
牛丼屋
真子:できたあ!
勝 :まだあるだろうけど、典型的なのはこんな感じだろうな。で、
ここからわかることは?
真子:まず、階層が上に行くほど競合が増えて、下に行くほど競合が
絞られていく!
勝 :戦場=ベネフィットだから、ベネフィットを具体化すれば、競
合も具体化されるよな。
真子:うん! これが「戦場を価値で表す」ってことなんだね!
勝 :そういうこと。全部つながってる。それから?
真子:下に行くと、競合はかぶってはいるけど、結構分かれてくる。
勝 :「顧客像」によって競合が変わって来るよな。
真子:うん。例えば「寿司屋」さんは、ビジネスマンが取引先と行く
ことはあるだろうけど、マダムはあんまり見ないよね。
勝 :データはないけど、そんな感じだろうな。寿司屋で騒いだら怒
られそうな感じするしな。
真子:お弁当屋さんとか定食屋さんは、「お腹一杯」戦場には入るけ
ど、急いでいるときの「速い食事」戦場には入らないよね。
勝 :そうだな。そういうときはコンビニとかに行くよな。
真子:うん。あと、右側の栄養補給戦場は、戦うのが大変! 競合が
たくさんある!
勝 :ということは?
真子:だから戦いにくい。
勝 :そうなんだけど、競合がたくさんいると、「何が大きい」?
真子:え? あ! 市場規模だ!
勝 :そう。この表に市場規模が大体入るはず。右側の「栄養補給戦
場」は、データにもよるけど、数兆円規模かそれ以上だな。
真子:そうだね。でも、「仲良くなる戦場」は、それほど大きく無さ
そうだよね。あ、だから競合が少ないんだ!
勝 :そう。「ランチ」ということで言えば、何兆円にはならないだ
ろうな。寿司屋でも1兆円はあるって言われるけど……
真子:夜の需要も大きいだろうからね。
勝 :だから、顧客像を具体化する意味は、ここにもある。戦場・競
合が決まるから、市場規模もわかる。
真子:でもさー、「楽しく語らう」戦場の市場規模なんてわからない
よね?
勝 :それが1つの問題。そういう切り口でモノを捉えてないから、
わからない。でも、だからチャンスなんだぜ。
真子:そっか、だからうまい「切り口」がわかればいいんだ!
勝 :だから、「括って広げる」考え方は、BASiCSにおいても
すごい大事。
真子:うん!
勝 :でさ、「顧客」が決まり、「戦場・競合」が決まれば、何が決
まる?
真子:「強み」が決まる! そうか、それで「勝てる戦場」を選べば
いいんだ!
勝 :そういうこと。
真子:じゃあ、この「階層化」でBASiCSが決まる?
勝 :そうだよ。
真子:えー、じゃあすっごい大事じゃん。
勝 :だからそう言ってるだろ。その「勝てる戦場」の市場規模が小
さすぎるなら、他の「勝てそうな戦場」へと広げるが……
真子:「競合」が変わるから、戦い方とか強みが変わるんだよね。
勝 :そういうこと。戦場を広げると、それまでの強みが通用しなく
なることがある。
真子:そっかあ……確かに、うちの店も、他のファミレスとは差別化
できそうだけど、お寿司屋さんと比べたことはなかったな……
勝 :だろ? でもさ、寿司屋のカウンターで食べると、静かで話は
できるけど、テーブル狭くてパソコン広げられないぜ。
真子:あ!! 確かに! そうか、だからうちの店にいらっしゃって
いただけるのかなあ……
勝 :そうなると、テーブルの大きさはどうなるんだ、とかって話に
なるだろ?
真子:うん、そうだねえ……そうかあ、テーブルの大きさまでそうや
って決めていくのかあ……
勝 :回転率重視ならテーブルは小さくして席数を増やすだろうし、
そうじゃなければ、また違う方法を取るよな。
真子:うん! この「階層化」、私の課題だなあ……
勝 :これ、聞いてると簡単そうに聞こえるだろうけど、ホントレベ
ルの高い話だから、一歩一歩進んで行けよ。
真子:うん……達人レベルって言ってたもんね……
勝 :だから今まで、これやってこなかったんだけどさ。セグメンテ
ーションではこれが避けて通れない。だから難しい。
真子:そうなんだあ……頑張ろうっと。
勝 :マーケティングの半分は右脳だけど、やっぱりあと半分は、ロ
ジカルな左脳も必要なんだよな。
真子:私の苦手なところだぁ……
勝 :ロジシン自体は勉強すればできるけど、それに顧客ニーズとか
をあてはめていくのは、大変だぞ。
真子:うん……両方できないといけないんだもんね。
勝 :まあガンバレ。
「じゃあ、カワイイ真子ちゃんにじっくりお、し、え、て、ね♪」
「知るかそんなの。ロジシン関係は本読めばできるだろ」
「できないもん。それは勝さんだからできるんだもん」
「そんなことないだろ。誰でもできる」
「本読んでできたら、誰も苦労しないよー」
「恵利ちゃんに教えてもらえ。恵利ちゃんこういうの得意そうだぞ」
「えー……勝さん教えてよー」
「オマエに教えるのは大変だからイヤだ」
「勝さんも人には得手不得手があるって言ってたじゃん」
「真子に「得手」なんかあるのか?」
「うん♪ このび、ぼ、う、はーと♪」
「そうそう、それが真子の強みだよな。すっげー開き直り」
「ひっどーい、開き直りじゃないもん! 事実だもん」
「その事実認定は誰がするんだ?」
「すごく客観的なこの真子ちゃん♪」
「全然客観的じゃないな。だからロジシンやれっつってんだ」
「でも勝さんも真子のこと、カワイーって思ってるでしょ?」
「全然」
「あー、やっぱりカワイーって思ってるんだぁ……そうかあ……」
「今の発言のどこをどう聞くと、そうなるんだ?」
「勝さんの顔に書いてあったもん」
「どこにだよ、え? どこにだ?」
「全部!」
「もう知らん……あ、エスプレッソがなくなった」
「あ、お代わりいる?」
「そうだな……ホットコーヒーもらうか」
「あ、うん、じゃあ買ってくるね」
「あ、いや、これはオレが買ってくるわ。真子もいるか?」
「うん。やったあ!」
「その間にノートまとめておけよ」
「はーい」
勝は財布を持っていることを確認すると、テーブルを離れた。テーブ
ルでは真子がノートとにらめっこしては何かを書き続けていた。
次号に続きます!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆今日のまとめ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●セグメンテーションの階層は「戦場・競合」の階層。ベネフィット
で「戦場・競合」を「階層化」しよう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま!を解除するには
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
売れたま!は、以下の3つの配信会社さんから配信されています。
こちらには読者様のアドレスはわかりません。配信会社さんをご確認
の上、以下から解除をご自身にてお手続き下さい
○まぐまぐ
http://www.mag2.com/m/0000111700.html
○melma!
http://www.melma.com/backnumber_92209/
○めろんぱん
http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=010361
ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆ 「事例でわかる! 実戦マーケティング戦略ワークブック」 ◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
有料メルマガ発行中! BASiCSの本当の実戦演習! 実際の事
例をとりあげて、私がBASiCSを「添削」する、まさに読む「コ
ンサルティング」。BASiCSを「使う力」を身につけたい方はぜ
ひどうぞ。
お申し込み・詳細はこちらから↓
http://biz-spice.jp/public/detail/1004/1004/
●発行頻度 月1回 、420円/月
●誌上コンサルティングを応募中!
誌上で取り上げる事例を募集中です。BASiCSに関する質問にも
誌上でお答えしますのでぜひどうぞ。
この売れたま!にご返信いただければ、私にメールが届きます。
**************************************************************
▼今日の日記▲
先日、MBAの同期の同窓会に参加しました。私の母校がファイナン
スで知られる学校であるということもあり、卒業生の進む道はやはり
そちらの方が多いですね。参加者の中では、マーケティング的な道を
進んでいるのは私だけでした。
が、異業種だからこその世界もあり、逆に金融の方にとっては、マー
ケティング的には当たり前のことが意外に新鮮に映るようです。
新しい知見はやっぱり異業種にある、ということを自ら体感した集ま
りでした。
○1000号間近! 勝手にカウントダウン
*今号で(多分)累計986号 1000号まであと14号!
●今日のiPod Tune:始まりの歌2013
1月は1年の始まり! 始まりにふさわしい歌で始めましょう!
今日で1月も終わりです。「始まりの歌」の最後は……
○SPARK by THE YELLOW MONKEY
1996年のヒット曲、イエモンの代表曲の1つ。オリコン3位を記
録、彼らの名を売った曲ですね。
ストレートなロックサウンドで、私はイエモンの曲の中では、この曲
が一番好きです。
今年もSPARK!していきましょう!
**************************************************************
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓<免責事項等>〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●紹介した会社の各商標は各会社の登録商標です。紹介した会社・商
品等は、例であり、戦略や商品の良し悪しの評価ではありません。
●無断転載は禁じますが企画や会議のネタにぜひどうぞ。全文転送な
ら構いませんので、部下・上司・同僚など周囲の方にもお勧めを!
●メルマガの内容の実行は、読者さんの責任でお願いします。
●自社の売上向上のために使うのは歓迎ですが、このメルマガの内容
の販売・コンサルティングへの利用で利益を得る行為は禁じます。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓<発行者情報>〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●発行者:佐藤義典 ●発行頻度:月・木の週2回目標
●感想、質問、実行の結果などは uretama@mpara.com へどうぞ!
●http://www.mpara.com(マーケティングパラダイス)
マーケティングパラダイスはエルパラ(www.Lpara.com)傘下サイト
●購読の登録・解除はまぐまぐ、メルマ!、Macky! の各サイトか、
http://www.mpara.com/mag.htm (マーケティングパラダイス)で
●バックナンバー抜粋 http://www.mpara.com/backno.htm
マーケティングコンサルティング・研修・セミナーは
ストラテジー&タクティクス株式会社へ
http://www.sandt.co.jp/index.htm
Copyright 2003-2010 Yoshinori Sato
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま!提携メルマガ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
以下は、売れたま!独自の基準で厳選している提携メルマガです。
●あなたは一国一城の主!小さな会社を成功させる方法
http://www.mag2.com/m/0000111010.html
お奨め書 「売りこむな!期待をくすぐれ!!」
http://tinyurl.com/4vyk4
●行列のできるお店のためのマーケティング戦略
http://www.mag2.com/m/0000122871.html
●エンジニアがビジネス書を斬る!
http://www.mag2.com/m/0000132223.html
●後悔しないための読書【ビジネス書の本格的書評】
http://www.mag2.com/m/0000125885.html
───────────────────────────────
ご参加希望のメルマガ発行者は売れたま!にご返信ください。
提携メルマガオーナーに声をかけます。提携基準は厳しいので、提携
できるとは限らないこと、あらかじめご了承ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま!発行者 佐藤義典 の本 : 合わせて読めば最強!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●最新刊! BtoBマーケティングの標準テキスト
「事例でわかる 実戦BtoBマーケティング」
佐藤義典著 日本能率協会マネジメントセンター
サブタイトルは「お客様に頼られる存在になるための戦略実行」。お
客様に頼られる存在になる手法が満載!
http://ow.ly/7Wvdq
─────────< 経営戦略の最高峰 >──────────
●「経営戦略立案シナリオ」 佐藤義典 著 かんき出版
経営戦略のガイドブック:経営者は必読!
http://www.sandt.co.jp/scenario.htm
●「売れる数字 〜組織を動かすマーケティング〜」
佐藤義典著 朝日新聞出版
戦略を実行に落とし込み、組織を動かそう!
http://ow.ly/32zKP
──────< 物語でわかるマーケティング >────────
●「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
マーケティング入門:読みやすい小説
http://ow.ly/89pSR
●「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
上の本の続編。主人公が社長になり、戦略構築から実行プロセスま
で物語で体感!
http://ow.ly/6s63d
●「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm
─────< マーケティング戦略のベストセラー >──────
●「図解 実戦マーケティング戦略」 佐藤義典 著
マーケティング戦略入門:戦略はここから
日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/jissen.htm
●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/check.htm
●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
http://www.sandt.co.jp/kotowaza.htm
────────< マーケティングの思考法 >────────
●「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
日本能率協会マネジメントセンター
右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
http://www.sandt.co.jp/shiko.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆次号予告:年末年始特別号 セグメンテーション特集 12
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●次号も、「括り方」の事例を見ていきます! 「TPO」の次の
「括り方」は?
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!
▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!
売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……
〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒ http://archive.mag2.com/0000111700/index.html
「インド人を右に」とレスするたびに右に動いていくスレ
-
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 14:05:17.71
ID:yDRFQxCW0┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓┃ ┃┣
11 年前
0 件のコメント:
コメントを投稿