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2012年7月13日金曜日

売れたま!特別編Vol.170 2012/07/12 夏休み特別号:密着軸の経営戦略 3

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.170 2012/07/12
購読者:27,489 (まぐまぐ:16,633 メルマ!:956 めろんぱん:9,900)

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 ■■■■__夏休み特別号:密着軸の経営戦略 3__■■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●密着軸は中小企業でもやりやすいから、密着軸の会社は多い。だか
 らこそ、きちんと考えて差別化していく必要がある!


┃売れたま!は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま!
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◆登場人物紹介:売多真子 & 売多勝 + 松井恵利
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●今シリーズの登場人物3名

○売多真子:女性 20代半ば?
・イタリアンレストランチェーン「そーれ・しちりあーの」の経営者

○売多勝 :男性 30代後半?
・新進気鋭のマーケティングコンサルタント。真子の親戚で幼なじみ

○松井恵利:女性 20代半ば?
・真子の同級生。家業の果物屋を継ぎ、その経営刷新に奮闘中


◇「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
 売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
http://ow.ly/89pSR

◇「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
 上の本の続編。戦略構築から実行まで、社長の視点を物語で体感!
http://ow.ly/6s63d

◇「経営戦略虎の巻CD」(CD7枚組) 佐藤義典著
 戦略BASiCSを徹底解説。上の3人が登場する小説が特典に!
http://sandt.co.jp/keieitoranomaki.htm



●密着軸の経営戦略特集!

恒例の連載シリーズは、「密着軸の経営戦略」です!

恐らくは、多くの企業、特に中小企業は密着軸を(暗黙のうちに、と
いう場合も含めて)取っていることが多いですし、また、取るべきだ
と個人的にも思います。

連載第1回目はこちらからお読みいただけます。右側の「記事履歴」
というところから上(新しい)の方へとお進みください。

http://archive.mag2.com/0000111700/20120706015000000.html


今回は連載の3回目です。



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◆まずは、前号の復習から!
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恵利:前号の復習からですよね。今やってるのは戦略BASiCSを
   貫く、3つの差別化軸。


恵利が自分のノートのある一部を指さす。


○戦略BASiCS:経営戦略を考える5つのポイント

 Battlefield:戦場・競合 どんな市場でどんな競合と戦う?
 Asset:独自資源     強みを競合がマネできない理由
 Strength:強み     顧客が競合でなく自社を選ぶ理由
 i
 Customer:顧客     自社が取引したい具体的顧客像
 Selling message     強みを顧客に刺さるように伝える

↑ 大事なのは、5つの要素間の一貫性と、各要素の具体性!


○3つの差別化軸:売り手が差別化する3つの方法

手軽軸:競合より早い、安い
商品軸:競合より品質が高い、技術が新しい。一般的には高価。
密着軸:競合よりお客様の個別ニーズに応える

*「差別化」とはあくまで「お客様が選ぶ理由」を作ること! 「競
合との違い」を作ればいいというものではない!


○3つの差別化軸の「発想」の違い

手軽軸 : 最「安」  → 唯一無二のモノがある
商品軸 : 最「高」  → 唯一無二のモノがある
密着軸 : 最「適」  → 唯一無二のモノはなくお客様が決める



恵利:3つの差別化軸はそれぞれ「発想」が違うので、違う軸での両
   立は難しく、どれかを選んで差別化します

真子:この3つは、まさに「軸」。BASiCSを貫いて「一貫性」
   を取りやすくするんだよね。

恵利:うん。でも、選んだ軸以外でも、「平均点」は取らないとお客
   様の「選択肢」に入れないので、「平均点」は必要。

真子:3つの差別化軸は、おでんの具を通すクシ。通すのは、はんぺ
   んとか大根、つまり、BASiCSの5要素。

恵利:軸の存在は、BASiCSの5要素を通じて初めて見えるよう
   になる。逆に言えば、BASiCSが無いと軸が見えません。

勝 :OK。素晴らしいまとめ。これでようやく本論に入れるな。

真子:やっとかあ……



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◆手軽軸の利益率は低い傾向にある
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勝 :で、この特集は「密着軸」特集なんだけど、「なぜ密着軸か」
   という話から、だな。

恵利:あ、確かに。なんでですか?

勝 :ここにこんなデータがある。企業がどんな戦略をとっているか
   というデータ。


勝がノートパソコンのマウスを操作したかと思うと、モニタを真子と
恵利に向ける。



*等幅フォント(MSゴシックなど)でお読みいただくと、数字の見
  え方が揃い、見やすいと思います。以下同じです。


○顧客属性別に見た他社に対する優位性確保の戦略

      コスト面で優位に立つ戦略  品質の差別化を図る戦略

全体         27.2%       72.8%

事業所・企業向け販売 25.3%       74.7%
(最終消費財)
事業所・企業向け販売 30.3%       69.7%
(中間財)
個人消費者向け販売  20.5%       79.5%


中小企業白書2003年
第2-1-39図 顧客属性別に見た他社に対する優位性確保の戦略
資料:中小企業庁「経営戦略に関する実態調査」(2002年11月)
www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H15/Z02-01-39-00.htm



真子:えっと……「コスト面で優位に立つ戦略」を取る企業が3割く
   らいで、7割が「品質の差別化」をしてる……?

恵利:ここでいう「差別化戦略」ってどういう意味なんでしょう?
   差別化しない戦略なんてあるんですか?

勝 :「コスト戦略」に対する「差別化戦略」だから、多分ポーター
   先生のコスト、差別化、フォーカス、っていう3戦略の話かな

真子:あ、そう言えばそれポーターさんの本で読んだかも。

勝 :多分、ここでは「低価格戦略」と「何らかの高価格戦略」くら
   いの区分で見ればいいんじゃないかな。

真子:「低価格戦略」が手軽軸で、「差別化戦略」が商品軸と密着軸
   って感じでいーの?

勝 :そんな感じだと思うけどな。あくまでも目安、だけど。

恵利:これって対象企業は、大企業ですか? 中小企業ですか?

勝 :データの元を見たけど、両方入ってるみたい。手軽軸は大企業
   じゃないと取りにくいから、大企業も入ってるだろうね。

真子:なるほど。それでも3割、って多い感じがするよね。3割の会
   社が「価格勝負」をしてるんだ……

勝 :そうなんだよ……こんなに多くの企業が「価格勝負」をしてる
   となると、当然「価格競争」になるよな。

恵利:BtoBやBtoCに関わらず、大体2〜3割の企業が「価格
   勝負」をしてるんですね。

勝 :数字そのものより、そういう競争構造が業種業態問わず起きる
   ってことが大事。で、「価格勝負」をするとどうなるか……



勝が再びノートパソコンを自分の方に向けて、マウスをいじったかと
思うと、真子たちに向け直す。



勝 :それぞれの戦略の、利益への影響を調べたデータ。

真子:へー、そんなのあるんだ。どれどれ……?


○企業の差別化行動と利益率

業種         コスト戦略     差別化戦略

全体         −0.21%    0.1%

事業所向け(最終財) −0.05%    0.03%
事業所向け(中間財) −0.33%    0.16%
個人向け       −0.11%    0.06%


中小企業白書2003年 第2-1-40図 企業の差別化行動と利益率
資料:中小企業庁「経営戦略に関する実態調査」(2002年11月)
www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H15/Z02-01-40-00.htm



真子:えー、どう見ればいいのかわかんなーい!

恵利:えっと……「コスト戦略」を取っている会社は「差別化戦略」
   を取っている会社より利益率が低い……ということですか?

勝 :そうみたいだね。

真子:あ、「コスト戦略」の方はマイナスの数字ばっかりってそうい
   うことなんだ! でも……コンマ何%の差だよね?

勝 :そう。だからあくまでも目安。ただ、BtoB、BtoCに関
   わらず一貫して同じ結果が出てる、というのは興味深い。

真子:あー、勝さんがよく言ってる「戦略の普遍性」ってヤツね。戦
   略に関しては普遍性・法則性がある、っていう……

勝 :そうそう。「低価格戦略」は、直観的に「儲からない」ように
   見える、ということがある程度確かめられたってこと。

恵利:なるほど、「低価格戦略」つまり手軽軸はやっぱり利益率は下
   がりやすい、ということですね……

真子:まーそりゃそうだよね。低価格をウリにしてると、価格競争に
   なってくもんね……

勝 :もちろん手軽軸で稼いでいる会社もあるはずだけどね。全体と
   してみると、利益率は低くなる傾向にあるとは言えそうだ。

真子:そんなの当たり前じゃん。価格勝負したら、利益率は下がって
   当然よ。

恵利:真子、当たり前のことをきちんと数字で立証するって大事なこ
   とだよ。

勝 :そうそう。さすが恵利ちゃん!

真子:はいはい、さすが恵利ちゃんですねー。

恵利:何よ。じゃあここで一旦まとめておきますね。


恵利が手許のノートにサラサラと書いていく。


○低価格戦略だと、利益率が低くなる傾向にある



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◆「売り物」勝負の大企業、「売り方」勝負の小規模企業
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恵利:勝さん、このデータって大企業も入ってるんですよね? とい
   うことはもし企業規模別に見たら……

勝 :そのデータは見つけられなかったんだよね。利益率とは別に、
   「競合企業に対する自社の強み」の自己認識ならあった。

恵利:「自己認識」っていうことは、自社が自分でどう思っているか
   ということですか?

勝 :そう。ちょっとこれを見て。


勝が再びノートパソコンを真子たちに向ける。


○競合企業に対する自社の強み

       価格   製品企画   技術・開発   設備
全体      9%   9.4%  21.4%  10.1%

0〜5人  11.6%   5.3%   7.6%   2.3%
6〜20人  10.2%   7.4%  14.0%   7.1%
21〜50人  9.8%  11.5%  19.5%   7.9%
51〜100人  8.7%   9.6%  20.2%  10.7%
101〜300人 8.6%   9.3%  26.7%  12.2%
301人    7.9%  11.0%  24.8%   9.2%


中小企業白書2003年
第2-1-30図 競合企業に対する自社の強み
資料:中小企業庁「経営戦略に関する実態調査」(2002年11月)
www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H15/Z02-01-30-00.htm


勝 :これが、「競合企業に対する自社の強み」を従業員数別に見た
   データ。

恵利:勝さん、「価格」と「設備」を同列に比べるのは、ちょっと違
   和感があるんですが……

勝 :うん。「設備」が「低価格」を可能にする、というような関係
   にあるわけだから、言葉のレベル感が違う。

恵利:あ、だから「価格」っていう「強み」の話と、「設備」ってい
   う「独自資源」という分類をきちんとしないと……

勝 :「強み」と「独自資源」を別の質問で聞いていれば、クロス集
   計でその組み合わせが見られるから面白いけどな。

恵利:それに、さっきのデータでは「コスト戦略」を取る会社は3割
   くらいあるのに、このデータだと1割以下って……??

勝 :質問の仕方が違うんじゃないかな。さっきは、「コスト」と
   「差別化」の2択みたい。こっちは選択肢が多い。

恵利:あ、なるほど……

真子:もー、データに文句言ってもしょーがないじゃん。データ見よ
   うよ。

勝 :あ、真子が珍しく真っ当なこと言った。じゃあ、真子、データ
   見ろよ。

真子:私、数字ワカンナイ。恵利、データ見てよ。

勝 :オマエ、何がデータ見ようよ、だよ。

恵利:もう……あれ、「製品企画」「技術・開発」「設備」のどれも
   企業規模が大きくなるほど、数字が上がってますね。

真子:え……ホントだ!

勝 :まあ、どれもある程度の企業規模が無いと、人員をおいたり、
   設備を買ったりできないからね。

恵利:あれ、小規模企業でも「価格」を強みにしてる会社が結構ある
   んですね。

真子:え? 手軽軸って、大企業の戦い方かと思ってたけど……

勝 :一般論としてはそう。このデータの読み方も、「技術・開発」
   がやりにくいから価格勝負せざるを得ないのかもしれない。

真子:あー、そういう見方もあるか……

勝 :あと業種にもよる。製造業だと大規模設備を持つ大企業が価格
   勝負しやすいが、サービス業なら小企業でも価格勝負ができる

恵利:そうなんですか?

勝 :士業とかデザイナーとかで、自宅兼オフィスみたいな会社なら
   固定費が低い分を反映して、低価格にできる場合もある。

真子:あー、なるほどー。勝さんみたいな士業も、サービス業だね。
   1人でやってる方が価格勝負できるよね。

恵利:あ、そういう会社だと小規模であること自体が、固定費が低い
   という独自資源になるんですね。

勝 :ただ、そういう会社が価格勝負すると、自分の給料を削ること
   になるから、価格勝負はしないにこしたことはないけどな。

恵利:このデータは、製造業とサービス業とを分けてみた方がいい、
   ということですよね。

勝 :うん、オレはその切り口で見てみたい。

真子:でも「価格」のところで大業と小規模企業とですっごく差があ
   るわけじゃないよね。他の要素の方が、違いが大きいよね?

勝 :お、いーじゃん。例えばどこだ?

真子:「技術・開発」なんかだと、大企業の方が強みとしての認識が
   高いよね? すごく差があるよ!

恵利:え……ホントだ! やっぱり企業規模がある程度はないと、専
   門の技術開発部門なんかを持てないんだろうねぇ……

真子:ね、「技術・開発」って、商品軸かな? 密着軸かな?

恵利:手軽軸でも低価格にするための「技術・開発」っていうのはあ
   り得るんじゃない?

勝 :そうだね。でも、企業規模が大きくなるにつれて「価格」での
   勝負が増えてるわけじゃないから、商品軸か密着軸だろうね。

恵利:商品軸か密着軸か、どっちなのかはわからないですよね……

勝 :うん。わからない。「技術・開発」の内容次第で「商品軸」に
   なることも「密着軸」になることもある。

真子:ねー、大企業が「技術・開発」っていうんなら、小規模企業は
   どうするの?

勝 :どうすると思う?

真子:「技術・開発」以外で差別化する!

勝 :当たり前だろ。だからどうやって、だよ?

真子:えー、勝さん、ヒントぉ!

勝 :ヒントは、「技術・開発」は「売り物」での差別化。技術・開
   発は最終的には「製品」に落とし込まれるわけだから。

真子:あ、わかった! 「売り物」に対しては「売り方」! 小規模
   企業は「売り方」で差別化するんだね。

勝 :そう! さっきと同じデータなんだが……


       技術・開発   販売・サービス
全体     21.4%   20.7%

0〜5人     7.6%   33.8%
6〜20人    14.0%   24.6%
21〜50人   19.5%   21.7%
51〜100人   20.2%   20.9%
101〜300人  26.7%   17.1%
301人     24.8%   20.5%

(データは同上)


真子:やっぱりそうだ! 小規模企業は「販売・サービス」で勝負し
   てる割合が大きい!

恵利:なるほど……小規模企業だと「売り物」勝負が難しいから、
   「売り方」勝負になるんですね。

勝 :そういう傾向にあるとは言える。「売り方」の差別化は、顧客
   の個別ニーズに応える「密着軸」に向くことが多い。

真子:となると、やっぱり小規模企業だと、密着軸がいい、ってこと
   になるの?

勝 :正確に言うと、密着軸が「いい」と言うよりは、手軽軸・商品
   軸がやりにくい、という感じだな。

恵利:えっと、手軽軸は、メーカーだと大型の「設備」が必要になり
   サービス業だと自分の給料を削ることになる……

真子:でも、商品軸だと、「技術・開発」が必要になる……だから、
   やりにくい、ってことでいいの?

勝 :そう。両方とも小規模企業にはやりにくいことは、上のデータ
   から、明確にではないにしても言えそう。

真子:でもさ、なんかこう、「ぱきっ!」って決まるデータがないよ
   ね……「密着軸が儲かる」とかってデータないの?

恵利:真子、そんなこと言うなら自分で調べてみなよ。こういうの、
   大変なんだよ。

真子:そ、そりゃわかってるけどさ……

勝 :確かに、「密着軸」に関するデータってあんまり見ない。差別
   化は大体「価格」と「品質」の2極だけで語られるからな。

恵利:あ……密着軸的な差別化、っていうのがあまり明確に意識され
   てないんですね、世の中的に。

勝 :そう思う。例えば密着軸の「カスタマイズ」が「高品質」かっ
   て言われると、それとはちょっと違うだろ?

真子:あ、うん、品質の良し悪しより、「自分に合う合わない」だよ
   ね。

勝 :そういうこと。まさに「軸」が違う。まあ密着軸的な発想があ
   まり語られないからこそ、こうやって特集してるわけだ。

勝 :当たり前だ。ちょっとここまでデータが続いたから……

恵利:はい。じゃあここまでをまとめてみますね。

勝 :うん、お願い。



恵利が再びノートにまとめていく。

○大企業:「製品企画」「技術・開発」「設備」 →売り物で差別化

○小規模企業:「販売・サービス」 → 売り方で差別化
       →「売り方」の差別化は「密着軸」に向くことが多い



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◆「強み」は作るモノ
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真子:ね、勝さん、実際のところ、密着軸の会社ってどれくらいある
   んだろうね?

勝 :「どの軸で差別化してますか」って聞くと、大体、手軽軸:
   1〜2割、商品軸:2〜3割、密着軸:6〜7割位になる。

恵利:やっぱり密着軸の会社が一番多いんですね……

勝 :感覚的にはね。だからこの密着軸特集やってるわけ。

真子:特に中小企業にはやりやすいんだろうね。

勝 :ああ。ただ、密着軸の会社が多いってことは似たような戦い方
   をしてる競合が多いってことだから、勝ちやすいとは限らない

真子:あ、そうか、同じ軸で戦ってるってことは、差別化しにくい、
   ってことだもんね。

勝 :だからこそ、密着軸での差別化を、「何となく」じゃなくて、
   「きちんと」考える必要がある。

真子:うん。でも、うまい話はないのか……

勝 :当たり前だ。手軽軸も、商品軸も、密着軸も、どの軸で戦うの
   も大変。楽な戦い方なんてないぞ。

真子:うーん、厳しいなあ……

勝 :でも、巷間言われる、「低価格」か「高品質」以外にも戦い方
   はある、っていうのはいい話だろ?

恵利:確かに、「低価格」と「高品質」しか差別化できないっていう
   のなら、世の中の大抵の企業は生き残れないですよね。

勝 :そうそう。でも決してそんなことはない。

真子:となるとさ、密着軸のこと知らないと、「ウチには技術は無い
   し、価格勝負はできないし……」って落ち込んじゃいそうだ!

勝 :お、真子、鋭い! 実はそうなんだよ。さっきのデータなんだ
   けど、こんな項目もあってさ……



       強みはない

全体      7.1%

0〜5人    25.0%
6〜20人    15.7%
21〜50人    8.9%
51〜100人    5.7%
101〜300人   4.7%
301人      1.6%

(データは同上)



真子:うわあ……小規模企業だと「うちには強みなんかない」って思
   っちゃうんだねー……

恵利:はい……気持ちはわかります……ウチもそうでしたから。

勝 :「強みはない」なんてことは絶対にない。というか、そう信じ
   ないとダメ。

真子:そんなこと言われても……ねえ……

勝 :強みが無かったら作ればいい! 大体それが経営だろうが。

恵利:例えばどうすればいいんですか?

勝 :「売り物」とか「売り値」で大企業にかなわなくても、「売り
   方」で差別化はできるでしょ。

真子:あ、そうか。「売り物」で差別化できなくても「売り方」で差
   別化できるっていうのは、意外に盲点だよね。

恵利:あ、それで、それがやりやすいのが「密着軸」なんですね。

勝 :そういうこと。だからそういうことも含めて、「密着軸」の話
   をしたかったんだよ。

真子:ねー、数字ばっかりで疲れたよー!

勝 :はいはい、オレはオマエの相手に疲れたよ。じゃあ一息いれよ
   うか。


(次号に続きます!)




※参考資料:ご興味のある方はどうぞ!


○中小企業白書2009年版
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h21/h21/html/
k2210000.html



○中小企業白書2003年版

中小企業のマーケティング活動とその企業業績に与える効果
www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H15/02-01-03-03.html

中小企業の内的強みと企業パフォーマンス
www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H15/02-01-03-02.html



経営戦略に関する実態調査の調査対象:平成13年経済産業省企業活動
実態基本調査名簿、平成10年商工業実態基本調査名簿
www.jil.go.jp/kokunai/statistics/shozai/a/a17-1s.html#1


○平成10年商工業実態基本調査:中小企業が主な調査対象
www.meti.go.jp/statistics/tyo/syokozi/result-2/h2c5k0aj.html


○経済産業省企業活動実態基本調査:従業者50人以上かつ資本金額又
は出資金額3,000 万円以上の会社を調査対象としている。

www.meti.go.jp/statistics/tyo/kikatu/gaiyo/pdf/
chosahani_h20.pdf




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◆今日のまとめ
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●中小企業にとっては、密着軸は「やりやすい」選択肢。ただ、密着
 軸の会社が多いほど、きちんと差別化する必要がある!


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誌上でお答えしますのでぜひどうぞ。

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▼今日の日記▲

今日は昼食を取るヒマが無かったので、夕食をガッツリ食べようと思
って、一風堂の某店へ。この店、夕食の時間帯には結構混んでいるの
ですが、今日も行列。「相変わらず並んでるな……」と思い、とりあ
えず列に並び、並ぶ人用の椅子に座り「売れたま!書きながら、待つ
か……」とパソコンを開こうとすると……

前に並んでいる方々がことごとく複数で来店されていたので、1人で
待っていた私は待たずにすぐカウンターの一人席へ。

「ラッキー」と思ったのですが、え? 一風堂って、そんなにペアと
かグループで行く店だったっけ? と……トンコツラーメンって、1
人で行って、ざっと食べて、替え玉して、すぐ出てくるものではなか
ったか、と……


一風堂って、その意味では、トンコツラーメンに市民権を与えた、と
言うか、「キャズム」を越えましたよね。男性が1人で食べる、とい
うものだったのが、カップルとか女性グループとかファミリーが複数
で来店するんですよね……食べやすいようにしたのか、スープとかの
ギトギト感も薄れた感じもしますし……


と言いつつ、替え玉して、ギョーザ食べて、堪能してきました。替え
玉1回だけだとやっぱり後でおなか減りますね……替え玉券があった
ので、替え玉もっとすれば良かったかな?



●今日のiPod Tune:Enjoy the Rainy Season! 雨に似合う歌2012

沖縄は梅雨明けしたようですが、本州はまだまだ梅雨……

今日も東京は大分暑くなりましたが、梅雨明けはまだのようです。

ということで、続きます! 雨に似合う歌!


○Purple Rain by Prince and The Revolution


80sを代表するアーティストの1人、Princeの代表曲ですね。

このシングルを収録したアルバムPurple Rainは、超大ヒット。
1984年を代表するアルバムであり、1980年代を代表するアル
バムの1つでもあります。同時代を過ごした洋楽ファンなら知らない
人はいないですよね。

シングルカットされたこの曲も、全米2位を獲得。

ギターとドラムスだけのシンプルな進行の中に重層的にからみあう様
々な仕掛け。何回聞いても発見がある深みのある曲。この大ヒットア
ルバムの最後を締めるのにふさわしい曲♪



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 品等は、例であり、戦略や商品の良し悪しの評価ではありません。
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