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2012年7月10日火曜日

売れたま!特別編Vol.169 2012/07/09 夏休み特別号:密着軸の経営戦略 2

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.169 2012/07/09
購読者:27,467 (まぐまぐ:16,643 メルマ!:955 めろんぱん:9,869)

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 ■■■■__夏休み特別号:密着軸の経営戦略 2__■■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●差別化軸は、戦略BASiCSによって「実体化」される。差別化
 軸で、戦略の「軸合わせ」をしよう!


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◆登場人物紹介:売多真子 & 売多勝 + 松井恵利
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●今シリーズの登場人物3名

○売多真子:女性 20代半ば?
・イタリアンレストランチェーン「そーれ・しちりあーの」の経営者

○売多勝 :男性 30代後半?
・新進気鋭のマーケティングコンサルタント。真子の親戚で幼なじみ

○松井恵利:女性 20代半ば?
・真子の同級生。家業の果物屋を継ぎ、その経営刷新に奮闘中


◇「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
 売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
http://ow.ly/89pSR

◇「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
 上の本の続編。戦略構築から実行まで、社長の視点を物語で体感!
http://ow.ly/6s63d

◇「経営戦略虎の巻CD」(CD7枚組) 佐藤義典著
 戦略BASiCSを徹底解説。上の3人が登場する小説が特典に!
http://sandt.co.jp/keieitoranomaki.htm



●密着軸の経営戦略特集!

恒例の連載シリーズは、「密着軸の経営戦略」です!

恐らくは、多くの企業、特に中小企業は密着軸を(暗黙のうちに、と
いう場合も含めて)取っていることが多いですし、また、取るべきだ
と個人的にも思います。

連載第1回目はこちらからお読みいただけます。右側の「記事履歴」
というところから上(新しい)の方へとお進みください。

http://archive.mag2.com/0000111700/20120706015000000.html


売多真子、売多勝、松井恵利の3人がそれぞれの経営戦略を考えるべ
く、高原のペンションで「山ごもり」へ! そこで始まった3人の会
話は……


連載はまだ始まったばかり、今回は連載の2回目です!



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◆まずは、前号の復習から!
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勝 :じゃあ、また前号の復習を頼むな

真子:うん、まずは「お客様が競合ではなく自社商品を選ぶ3つの理
   由」から始めたんだよね。

恵利:その「3つの理由」は、例えば美容院の場合はこうなります。


恵利が美しく書き込まれたノートの一部を指さした。。


○お客様が美容院を選ぶ「3つの理由」

1)早い・安い
2)腕がいい、トレンドを産み出している(けど、高価)
3)自分のことを知り尽くしている


勝 :そうだな。大事なところだから補足しておく。美容院に限らず
   お客様の選ぶ理由を大別するとこうなる。


勝が恵利のノートにさらさらと書き込んでいく

1)(他社より)早い、安い、買いやすい
2)(他社より)品質が高い、技術が良い
3)(他社より)自分に合わせてくれる


恵利:はい、それでBtoBの場合も同じ、ということですね。

勝 :「お客様に選ぶ理由がある」ということが大前提になる。ただ
   この3つの理由も絶対ではなく、目安でしかないけどな。

真子:うん、それで売り手としてはその「選ぶ理由を作る」ことで、
   お客様に選んでいただく、ってことだよね。

恵利:お客様の「選ぶ理由」が3つあるから、売り手が作る「選ぶ理
   由のパターンもそれに対応して3つあって……

真子:それが「3つの差別化軸」になるんだよね。

勝 :そう。「差別化」は「競合との違いを作ること」だけど、違い
   を作ればいいってものじゃなく「顧客が選ぶ理由」を作る。

真子:お客様が求めてないところでの「違い」を作っても意味がない
   もんね。とは言いつつも、難しいんだな、これが……


恵利がうなずきながら、自分のノートのある部分に、赤で文字を書き
加えた。


○3つの差別化軸:売り手が差別化する3つの方法

手軽軸:競合より早い、安い
商品軸:競合より品質が高い、技術が新しい。一般的には高価。
密着軸:競合よりお客様の個別ニーズに応える

*「差別化」とはあくまで「お客様が選ぶ理由」を作ること! 「競
合との違い」を作ればいいというものではない!


勝 :OK。じゃあ次に入っていこう。

真子:でも、ここ高原の風が気持ちいーねー。ホント「考えよう!」
   って気になれるよ。勝さん、いーところ知ってるよねー。

勝 :まーオマエ等が来たおかげでもはや「いーところ」ではなくな
   ってしまったがな。

真子:何よー、こんなカワイイ女の子2人が来て、何の文句があるの
   よー! ホントは嬉しいクセに、素直じゃないんだからぁ

勝 :出た、「カワイイ」の押し売り。まーいいよ、先に進むぞ。



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◆多芸は無芸:3つの軸のうちから1つを選ぶ
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恵利:この3つの差別化軸のうちから1つを選んで、それに絞った打
   ち手を打っていく、っていうことですよね。

勝 :普通はそうなるね。2つの軸を両立させることは難しい。例え
   ば手軽軸の「低価格」と商品軸の「高品質」は両立しない。

真子:「安くて高品質」なものは作れないもんね。

勝 :そう。手軽軸の生産設備は大量生産で、密着軸なら個別生産に
   なる。企業文化の違いなんかも含めて、2つは難しい。

真子:うちみたいなレストランの場合も、手軽軸なら手際よい接客で
   密着軸なら時間をかける接客だから、両立はキビシーね。

勝 :で、よくあるのが「両方やろうとしてどっちもできない」って
   いうケース。多芸は無芸。

恵利:あ、一芸に秀でないとダメってことですね。

勝 :うん。例えば「安くてそこそこ高品質なもの」はできても「最
   安で最高級」はまず不可能。

真子:500円で三つ星のレストラン並の料理だったり、一泊5千円
   でリッツカールトン並のホテルはありえないってことだよね。

勝 :そういうこと。「安いわりにおいしい」はできるし、むしろ目
   指すべきところだけど「安くて最高級」はムリ。

恵利:手軽軸と商品軸が両立しないのはわかるんですが、商品軸と密
   着軸だったら、両立しそうな気もするんですが……

勝 :限られた場合において両立する場合はあるね。でも、商品軸と
   密着軸も、元々の発想が違うから難しい。

恵利:「元々の発想」って何ですか?

勝 :こんな感じ。


勝が恵利のノートに書き込んでいく

手軽軸 : 最「安」  → 唯一無二のモノがある
商品軸 : 最「高」  → 唯一無二のモノがある
密着軸 : 最「適」  → 唯一無二のモノはなくお客様が決める


真子:あ、手軽軸と商品軸は、ある意味似てるのね。「一番安い」を
   目指すか「一番良い」を目指すか、の違いだけ。

恵利:なるほど……

勝 :オレが、ある有名イタリア料理店の支店でパスタを食べたとき
   塩気がきつくて、あまりにしょっぱいから文句言った。

真子:そしたら?

勝 :当店では、シェフが味見して作っておりますので、そんなはず
   はありません、ってさ。

真子:うーーん……難しいところだねー。

勝 :オレ、しょっぱいのが好きだから、オレにとってしょっぱいっ
   てことは相当しょっぱいんだと思うけどね……

恵利:その対応は商品軸ですか? 「うちの味が最高」っていう……

勝 :良くも悪くも「商品軸」らしい対応。「それがうちの味だ」っ
   て言われたら、もうどうしようもない。

真子:味は好みがあるからねー。

勝 :そこで発想が別れる。商品軸は「うちの味」。密着軸は、「う
   ちの味なんかない。お客様の好みに合わせる」だからね。

恵利:どっちがいいんですか?

勝 :どっちがいい悪いもない。どっちも顧客ニーズに応えてる。恵
   利ちゃん、思い出して、「お客様の選ぶ理由」が3つあるだけ

恵利:あ、そ、そうでした……

勝 :商品軸だって顧客ニーズに応えてる。その「うちの味」を求め
   て行列ができる店だってあるわけだから。

真子:だから、会社としてどっちを選ぶか、ってことだよね?

勝 :そう。例えば靴でも、商品軸の靴なら「最高のデザイン」のも
   のを作って、それを選ぶ顧客もいるし、密着軸の靴なら?

真子:あ、オーダーメード? 靴をお客様1人1人の足形に合わせる
   っていうのが密着軸の発想だよね?

勝 :そうそう。すると、必然的に「最高のデザイン」のものはでき
   にくい。お客様の足形の制約を受けるからね。

真子:あ、なるほど、商品軸なら、最高のデザインに合わせて、自分
   の足が合わなくてもガマンするってことか。

恵利:そっかあ……発想が違う、ってそういうことだ……だから、商
   品軸と密着軸も両立しないんだ……

勝 :全くしないとは言わないけど、まあどっちに軸足を置くかは決
   めた方がいいね。

真子:勝さんの会社は?

勝 :うちは商品軸。BASiCSっていう「最高のモノ」があると
   いう発想だから。

恵利:なるほどぉ……何を断るか、ってことですね……

勝 :そう!! 今のいい表現。「何を断るか」っていうこと。全て
   のニーズには応えられないから、応えるニーズを決める。

真子:で、それで売れなかったら、何かがおかしい、っていうか、ニ
   ーズに応えてない、ってことですよね?

勝 :そうだな。それについては、手軽軸も商品軸も密着軸も同じ。
   密着軸でも、ニーズのない「カスタマイズ」は意味が無いぞ。



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◆3つの軸のうちから1つを選ぶ、他は平均点を取る
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勝 :で、この3つの軸のうち1つを選ぶんだけど、選ばなかった残
   り2つの軸についても、「平均点を取る」必要はある。

真子:ね、勝さん、「平均点を取る」って具体的にどういうこと?

勝 :真子の数学の成績みたいにならないってこと。

真子:きゃーはは、ひどかったからねー……って、ちょ、ちょっと、
   そんなこと今言わなくてもいいじゃないですか! 

勝 :要は、競合に対して致命的に劣らない、っていうこと。自分が
   手軽軸でも、商品軸的、密着軸的な要素もそこそこは持つ。

恵利:その「致命的に劣らない」っていうのを定義してほしいんです
   けど……

勝 :ははは、オレがいつも恵利ちゃんに言ってることをそのまま返
   されたな。

恵利:い、いえ、そんな……

勝 :お客様の「足きりに合わない」ってこと。お客様の許容範囲に
   は入ってないと「足きり」に合う。

真子:「足切りに合わない」って?

勝 :自社が手軽軸でも、商品の品質で致命的に劣ると、それが「選
   ばない理由」になる。

真子:た、例えば?

勝 :例えば、どんなに安くても、致命的にまずいレストランには、
   行かないだろ? 「選ばない理由」を作っちゃダメってこと。

恵利:あ、お客様の「選択肢」に入らなければ、そもそも競合も何も
   ない、ってなりますもんね。「戦場」に入れない……

勝 :それそれ。「戦場」に入れない。

恵利:あ、でも、足きりの基準って人によって違いませんか?

勝 :だからセグメンテーションするんだってば。差別化軸の前に、
   BASiCSだからね。



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◆3つの差別化「軸」は、BASiCSの「軸」合わせ
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恵利:あの、最近購読を開始された読者さんのために、このあたりで
   「戦略BASiCS」を復習しておきませんか?

勝 :あ、そうだね。さすが恵利ちゃん、気が利くね。今みたいな対
   応が密着軸の真骨頂。転ぶ前に杖をさっと差し出す。

真子:さすが恵利ちゃんさすが恵利ちゃんってうっさいなあ……

恵利:何よ、じゃあ真子もやればいいじゃないの。何で勝さんに当た
   るのよ。

真子:こ、このー……あのね、できるくらいならやってるわよ!

勝 :すげー開き直りだけど、まあそういうことだ。密着軸に適した
   人材とそうでない人材がいる、っていうのは後でやるけど。

恵利:とにかく、戦略BASiCSですよね。私なりに経営戦略CD
   なんかをまとめたものがあるんですけど……


恵利がノートに付箋をつけたページを探してめくった。


○戦略BASiCS:経営戦略を考える5つのポイント

 Battlefield:戦場・競合 どんな市場でどんな競合と戦うか
 Asset:独自資源     強みを競合がマネできない理由
 Strength:強み     顧客が競合でなく自社を選ぶ理由
 i
 Customer:顧客     自社が取引したい具体的顧客像
 Selling message     強みを顧客に刺さるように伝える

↑ 大事なのは、5つの要素間の一貫性と、各要素の具体性!


恵利:これでどうでしょうか? 私なりにまとめたんですけど……

勝 :すげー、カンペキ。差別化軸の前に、まずはこのBASiCS
   で戦略を考える。顧客とか、競合とか、ね。

恵利:なるほど、顧客がきちんと定義できていれば、足きりの基準も
   そんなに変わらないはず、と……

勝 :そういうこと。さらに言えば、さっきの「平均点」だって競合
   つまり比較対象によって変わるだろ?

恵利:あ……確かに! 誰と比べられるかで、「平均点」は変わる!

真子:あ、私の数学の点数だって、勝さんとか恵利に比べたら悪いか
   もしれないけど、他の友だちに比べればフツーだよ!

勝 :負け惜しみに聞こえるが、理解としては正しい。オレは日本人
   としては英語はできる方だと思うけど、米国人よりはできない

恵利:確かにそうですよね……確かに誰と比べて、がわからなければ
   差別化の「対象」がわからないですもんね……

勝 :だから、差別化軸よりBASiCSが先。差別化は、誰にとっ
   て、誰と比べて、ということだから。

恵利:えっと、「誰にとって」が、BASiCSのC:顧客で、「誰
   と比べて」がBASiCSのB:競合、ですよね。

真子:そっか、そこが決まらないと軸も何もないんだ……

勝 :ここは結構大事な話。例えば、スターバックスの差別化軸は、
   多分だけど密着軸。

真子:うん。そんな感じがする。

勝 :でも、「誰と比べて」密着軸か、って話。高級ホテルのカフェ
   と比べると、むしろ「お手軽」な手軽軸だよな?

恵利:あ、確かに。「競合」によって「強み」が変わるんですよね。

勝 :だから、ドトールとかマクドナルドと比べれば「密着軸」でい
   いと思うけど、ホテルのカフェと比べると、そうならない。

恵利:え……じゃあ、結局スタバはどっちなんですか? 手軽軸?
   密着軸?

勝 :どう思う? 真子は黙ってろよ。オマエがこれがわからなかっ
   たら大問題だからな。

真子:きゃはは、さすがに大丈夫よ。でもここは私もつまずいたとこ
   ろだから、恵利が悩むのはよくわかる。

恵利:両方ともありえる、ってことですか? ホテルと比べて手軽軸
   で、ドトールと比べて密着軸……?

勝 :ヒント。だから最初に「B:戦場・競合」の定義をしないとい
   けない。恵利ちゃん、「戦場」って何だっけ?

恵利:はい、「お客様のアタマに浮かぶ選択肢の集合」です。その
   「選択肢」が「競合」になります。

勝 :さすが優等生。で、それが答えなんだけど。

恵利:え? 戦場……あ! そうか、誰と比べられるか、は、戦場で
   既に決まっている!

勝 :で、戦場を決めるのは誰?

恵利:お客様! ということは、お客様がスタバと誰を比べるかで決
   まる、ということですね!

勝 :そう。で、「スタバにしようか、ホテルのカフェにしようか」
   っていう「悩み方」ってお客様がすると思う?

恵利:あんまりしないような感じはします……スタバにしようか、ド
   トールにしようか、ならわかりますが……

勝 :お客様に聞いてみないとわからないけど、ホテルのカフェに入
   るとき「スタバの方が安いからスタバ行こうか」ってなる?

真子:まあならないよねー。ホテルのカフェかスタバか、っていう比
   較の仕方はしないと思うな。価格帯も1ケタ違うし。

恵利:じゃあスタバがホテルのカフェと競合しないとすれば、競合は
   ドトールとかだから、それと比べて「密着軸」なんですね?

勝 :そうなるね。競合についてはお客様に聞いてみればわかるから
   確認すべきだけどね。

恵利:わかりました。BASiCSの「B:戦場・競合」とか「C:
   顧客」がわからないと、差別化軸もわからないんですね。

勝 :「わからない」というか、BもCも差別化軸も、あっちこっち
   に行きながら、一体的に考えて行く、って感じ。

恵利:BASiCSをよりうまく考えるための方法が差別化軸、って
   ことですね。

勝 :そう! だから、我ながら差別化「軸」というのはいい名前だ
   な、って思ってるんだけどさ。

真子:出たー、お得意の自画自賛!

勝 :まあそうなんだけど、実際、「軸」はバラバラになっているも
   のを貫き通すイメージなんだよな。

真子:バラバラになっている、って、何がですか?

恵利:BASiCSのそれぞれの要素ですよね?

勝 :さすが恵利ちゃん。「串」を通すイメージ。絵にするとね……


「あ、じゃあぜひこれに」と恵利がノートを差し出すと、勝はさらさ
らと書き始めた。


    ビフォー → 軸を通す → アフター

 B:   □□□         □■□
 A: □□□           □■□
 S:  □□□          □■□
 C:     □□□       □■□
 S:□□□            □■□


勝 :この図はあくまでイメージだけどね。

真子:あーなるほどー。BASiCSの一貫性が出てくるんだぁ。ど
   の軸に合わせるか、っていうので合わせやすくなるんだね。

勝 :そういうこと。差別化「軸」はあくまで「軸」でしかない。軸
   を通す対象がBASiCSの5つの要素。

真子:おでんで言えば、クシそのものじゃなくて、クシに刺さってる
   大根とかはんぺんが大事、ってことだよね?

勝 :うぉ、スゴイ喩えなのかヒドイのか……。ただ、クシがないと
   バラバラになりやすい、という意味ではあってるな。

真子:いぇい!

恵利:この図でわかりました! 軸の存在が、BASiCSの5要素
   を通じて初めて見えるようになるんですね。

勝 :そう! 軸は軸でしかなくて、実体はBASiCSの5要素。
   いやー、恵利ちゃんが言うことはおでんのクシとは違うなー。

真子:な、なによ、もう……じゃ、じゃあ、おでんじゃなくて焼き鳥
   のクシ! ほら、あれがないと具がバラバラに……

恵利:そうか……うちの店でも、クシに刺したカットフルーツとかや
   ってみようかな? 凍らせれば、夏は良さそう

真子:あ! それいーじゃん! 串刺しカットフルーツ!

勝 :ほら、本題に戻るぞ。でもまあ、貫き通す、というイメージで
   はまさに焼き鳥の「クシ」。串っていう漢字の通り。

恵利:はい。さっきの図のイメージで、わかりました。軸だけで考え
   てはいけないんですね。

勝 :うん。それが、3つの差別化軸について考えて行くための前提
   条件。

恵利:差別化軸は考えやすいので、どうしてもそれ「だけ」考えてし
   まうんですよね……

勝 :うん、多分3つで考える、っていうのがわかりやすいんだろう
   ね。本当は、5×3で考えるんだけどね。

真子:え? その「5」とか「3」って何?

恵利:BASiCSの5つの要素×3つの差別化軸、に決まってるじ
   ゃない。

勝 :そう。さすが恵利ちゃん! 誰かさんと違って……な?

真子:はいはい、もうそれはイイわよ……

勝 :じゃあここでちょっと一息入れるか……

真子:はーい、勝さんエスプレッソでしょ? いれてくるね!


真子が、空になったデミタスカップを片付けながら立ち上がる。


勝 :真子、そういうところは、気が利くよな。

真子:だって勝さんの行動パターン、単純なんだもん♪

勝 :オマエに言われたくねーよ。

恵利:あ、勝さん、またパウンドケーキ焼いてきたんですけど、いか
   がですか? 勝さんのお好きなチョコレートたっぷりの……

勝 :え、ホント!? やったあ! 食べる食べる!

恵利:あ、じゃあ部屋から持って来ますね。

真子:勝さん、ホント単純なんだから……


窓の外で緑がざわめき、心地の良い高原の風が3人のいるテラスを駆
け抜ける。真子の長い髪がふわりと風にたなびいた。


(次回に続きます!)



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◆今日のまとめ
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●3つの軸は、BASiCSの5つの要素の「軸合わせ」をしやすく
 する。3つの差別化軸で、BASiCSの一貫性を取ろう!


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▼今日の日記▲

今日は久しぶりにお墓参りしてきました。と言っても、実家に帰って
とかではなく、「立ち寄った」という感じです。

お寺が、東京タワーが見えるような超都心にあって(住んでるところ
よりよっぽど都心です)、今日はたまたまその近くでミーティングを
したので、その帰りにお墓に立ち寄った次第です。

もちろんご先祖様に感謝と敬意を伝えるのがお墓参りの意義なのでし
ょうが、「報告の場」としてもいいですよね。「今までこんなことを
してきて、これからはあんなことをするつもり。頑張るから見守って
てね」という感じの「報告」をするわけですね。ご先祖様を通じて、
実は自分に対して「決意表明」をするわけです。

そう考えると、仏壇なり何なりの「報告と決意表明」の「場」や「対
象物」があることは意味があるのかもしれませんね。

「ボロの神社」なんかはホントにあってもいいかも。おみくじを引く
と「今日の運勢は吉。強みと顧客の一貫性に気を付けるべし」みたい
なのが出てくる、とか??



●今日のiPod Tune:Enjoy the Rainy Season! 雨に似合う歌2012

沖縄は梅雨明けしたようですが、本州はまだまだ梅雨……

今日も東京は大分暑くなりましたが、梅雨明けはまだのようです。

ということで、続きます! 雨に似合う歌!


○SO MANY DREAMS by 菊池桃子


1984年の菊池桃子さんのデビューアルバム「OCEAN SIDE」の、8
曲目、B面最後から2曲目の曲。

もちろん80s中期を代表するアイドルで、デビューアルバムにして
オリコン1位、という快挙をなしとげました。

このアルバムは確か秋元康さんのプロデュースだったと思いますが、
非常に完成度の高いアルバムです。アイドルのLPにしては珍しくバ
ラードが3曲も入っているのですが、どれも良い曲です。この曲もそ
の1つですね。

雨の日のメランコリックな叙情詩が、雨だれを思わせるメロディにぴ
ったり。埋もれた「雨の名曲」の1つ♪ Youtubeにもありますので、
ぜひ聴いてみて下さい!



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◆次号予告:密着軸の経営戦略 3
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●そもそもなぜ「密着軸」なのか? 次号は「軸の選び方」について
 考えていきましょう!


▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!

▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!


売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……

〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
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