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2011年3月29日火曜日

売れたま!戦略編Vol.184 2011/03/28 戦略指標20:マクドナルドの戦略指標 6

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.184 2011/03/28
購読者:24,210 (まぐまぐ:16,106 メルマ!:886 めろんぱん:7,218)

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 ■■■__戦略指標20:マクドナルドの戦略指標 6__■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●「戦略指標」は、会社の全てを司る数字。しっかり考えて、組織を
 動かそう!


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◆前回の復習
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●マクドナルドの戦略指標:1店当たり売上高

前回、マクドナルドの「戦略指標」は、1店当たり売上高だと考えら
れる、というのを、打ち手との一貫性を考えながら見てきました。

今回は、「1店当たり売上高」という「戦略指標」の持つ意味につい
てさらに深く考えていきましょう。


今回が、このシリーズ最終回です!


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◆「売上」を追うと「売上」が減る!
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●店を出したほどには売上が伸びなかった「黄金時代」

「1店当たり売上高」という戦略指標は、どのような意味を持つので
しょうか?


ここで、第1号で紹介した、マクドナルドの90年代からの歴史に戻
りましょう。

再掲しておきます。

      客数     客単価    店舗数   店舗数増分
     (百万人)

1994   477   717   1,169    −
1995   585   679   1,482   313
1996   743   650   2,004   522
1997   826   653   2,437   433
1998   986   647   2,852   415
1999 1,167   635   3,258   406
2000 1,318   615   3,598   340
2001 1,259   599   3,822   224
2002 1,183   585   3,891    69
2003 1,157   598   3,773  −118
2004 1,175   600   3,774     1


客数×客単価を「売上」と考えます。売上と考えます、と言うか、売
上になるはずですが、実際には、客数×客単価と売上の数字には差異
があります。

1994年からの全店売上高の数字が入手できないこともあり、ここ
では代替指標として「客数×客単価」を使います。正確な売上高では
なく、インデックスのようなものですね


では、「客数×客単価」を「売上」とみなした上で、1994年から
2002年(この年に店舗数最大)までの数字をまとめてみます。

               1994→2002の変化

客数             :2.5倍
客数×客単価(=売上)    :2.0倍
店舗数            :3.3倍
1店当たり客数×客単価(売上):0.6倍●


90年代は、店を出せば、客数が伸び、売上も伸びた時代でした。

しかし店舗数は3.3倍になっているのに、売上(客数×客単価)は
2倍にしかなっていません。

「店を出したほどには売上が伸びていない」

んですよ。

●「売上」を追うと、「売上が減る」というパラドックス

荒っぽく言えば、「店を出せばお客様が来る。だから店を出そう」と
言うのがマクドナルド90年代のロジックでした。

しかし、注目すべきは、1店当たり売上(客数×客単価)は、0.6
倍、正確には61%へと激減しています。つまり、店舗の競争力が激
減しているんです。

この時代の指標は、恐らく「全店売上高」だったのでは無いでしょう
か?

そうでなければ、ここまで店舗競争力を落としてまで、売上向上に走
った理由が説明できません。

要は、「売上」という「最終成果」をひたすら追い続け、ムリを重ね
たわけですね。

「売上」を追い求めた結果、「売上」が減り始めます。


    全店売上高(システム 店舗数   1店当たり
    ワイドセールス)         売上高(億円)
2000  4,311    3598  1.2
2001  4,389    3822  1.1
2002  4,027    3891  1.0
2003  3,867    3773  1.0


2000→2003年にかけて、店舗数は+4.8%、全店売上高は
−10.3%です。店舗数を増やしているのに、売上1割減!

「売上を追うと売上が減る」というのは、拙著「売れる数字」のキャ
ッチコピーですが、これは、煽り文句ではなくて、本当に起きるんで
すよ。

「質より量」を追った「店舗出し過ぎの弊害」が如実に出たのが、
2000年代初頭です。ここは実際に全店売上高が下がっています。

ただ、この問題は2000年代初頭に起きたのではなく、それ以前の
「価格競争の覇者」と呼ばれ、我が世の春を謳歌していた90年代後
半から、実は深刻な歪みが出ていたんです。


これが、売上という「最終成果」を追うと、売上が減ってしまう、と
いう拙著「売れる数字」で提唱した、パラドックスなんですよ。

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◆「量から質へ」:戦略の大転換を意味する戦略指標
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●「量から質」へという大転換を意味した「1店当たり売上高」

恐らく、ですが、マクドナルドの新社長に就任した原田社長は、恐ら
くこの数字を見て愕然としたのでしょう。

とにかく「店舗の競争力を高めなければならない」と。

だから「負の資産の整理」と言ったようなキツイ表現になったのでは
ないでしょうか?

それまで:「店を出して客数を増やす」
          ↓
これから:「店舗の数より、店舗の質」

この、「量から質へ」というコペルニクス的転回が、原田社長の改革
の背後にあるロジックなのだと思います。


そして、「個店の競争力を高める」という戦略課題を解決するのが、
「1店当たり売上高」という戦略指標です。

戦略指標は、戦略課題を解決するための道具、ということです。


「1店当たり売上高」も、「売上」という意味では、「最終成果」に
近い性質ではありますが、「量から質へ」という「戦略の大転換」と
いう意味で、戦略指標と言えるかと思います。

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◆利益「率」を上げた「1店当たり売上高」
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●店を増やさずに売上を上げる「利益を出せる仕組み」

この、1店当たり売上高、は、「利益」という点においても理に適っ
ています。

マクドナルドのような、店舗型のビジネスにおいては、「損益分岐点
の高さ」が避けられません。FC化を進める以前は、7割は直営店だ
ったわけですから、店舗に多額な投資が必要になります。

店を置けば、家賃や常駐する社員・店員という固定費が不可避的にか
かってきます。

この10年間の1店当たり売上高と営業利益を見てみましょう。


    全店売上高(システム 1店当たり    営業利益
    ワイドセールス)   売上高(億円)
2000  4,311    1.2      294
2001  4,389    1.1      193
2002  4,027    1.0       39*
2003  3,867    1.0       28*
2004  3,959    1.0       72*
2005  4,118    1.1       32*
2006  4,415    1.2       74
2007  4,941    1.3      167

(以降の年は、FC化が進展するので参考資料)
2008  5,183    1.4      195
2009  5,319    1.4      242
2010  5,427    1.6      281


2002〜2005年くらいが、利益があるか無いかくらいの年です
ね。この頃の店舗数が3800店前後です。

この数字を見ると、損益分岐点は、ざっくりと、ですが、1店当たり
売上高が1億円くらいであることがわかります。

マクドナルドの固定費は、3000店を超える店とその人件費、です
よね(この頃はFC化がまだ進んでいません)


ということは、店数を増やさずに、1店当たり売上高を上げていけば
利益が増えていく、ということになります。

例えば、「営業時間の延長」では、「固定費」は増えません。夜間営
業分の人件費、電気代、などは「追加」でかかる、という「変動費」
ですよね。

2007年まではFC店比率が3割以下で安定していましたので、比
較に使えると思います(逆に、2008年以上の利益率の改善には、
急速なFC化の貢献が寄与するので、同じ土俵で比べにくいです)。


ですので、同じ土俵で比べて良いと考えられる2003年と2007
年をまとめて比べてみましょう


         2003    2007

全店売上高    3,959   4,941
営業利益        28     167
営業利益率●    0.7%    3.4%

店舗数      3,773   3,746
直営店      2,637   2,674
FC店      1,136   1,072

1店当たり      1.0     1.3
売上高


営業利益「率」が5倍近く上がっていることに着目してください。売
上が上がれば、営業利益「額」が増えるのは当たり前です。が、ポイ
ントは、「率」が上がっていることです。


この間、店舗数はほぼ変わっていません。

つまり、90年代後半の「店を出して売上を増やす」ではなく、「店
を出さずに売上を上げること」(=1店当たり売上高向上)によって
利益率を上げていることがわかります。


店舗数を増やした場合に起きることは、「利益率」よりも「利益額」
の増大です(もちろん、規模の経済による利益率の改善は、ある程度
はあるでしょうが、規模の経済は、既に十分に効いていると思われま
す)。

この利益「率」の増加には、1店当たり売上高の増加が寄与している
と思われます。


参考までに、外食では、1店1億円、というのは、ある程度の目安に
なります。

例えばスターバックスでは、2010年度は

売上      :971億円
期末店舗数   :891店
1店当たり売上高:1.1億円

と、やはり1店約1億円ですね(全てが直営店としての単純計算)。

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◆組織を動かす戦略指標
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●打ち手を変える戦略指標

戦略指標の究極の意味は「組織を動かす」ことです。

「店舗の競争力を高めろ」と、宣言しても社員は、どう動けば良いの
かよくわかりませんし、それが人事評価などに反映されていなければ
社員は動きません。


社員の動きを変えるには、指標を明確化し、人事指標に入れることに
なります*

*この当たりの詳細の解説jは拙著「売れる数字」でどうぞ。
http://ow.ly/32zKP


口だけでは社員は動きません。指標化し、人事評価に入れるのが肝要
です。


仮に、原田社長が、

「これからの戦略指標は、1店当たり売上高とする」

と宣言し、それで人事評価を行うことにしたとしましょう。


すると、「店を出して売上を上げる」というワザが通用しなくなりま
す。むしろ、店を出すほどに自社内競合が起きて1店当たり売上高は
減り、自分の評価が下がります。ですので、社員に店を減らす動機付
けが産まれます。


実際、原田社長の就任以降、店舗数はほとんで増えていません。そし
て2010年に一気に「戦略的閉店」をしたわけです。

      店舗数 

2004  3774
2005  3802
2006  3828
2007  3746
2008  3754
2009  3715
2010  3302  ← 戦略的閉店

このような「荒療治」が可能になるのは、戦略指標が人事評価の指標
となり、「会社としてすべきこと」と「評価指標」が一致するときで
す。

当たり前じゃん、と言われるかもしれませんが、全く当たり前ではあ
りません。というか、そうなっている会社の方が極めて少数です。そ
もそも、自分の評価が、「戦略との関連において」(ここがポイント
です)、数値として明確に出せる会社がどれだけあるでしょうか?


では、「1店舗当たり売上高」という「戦略指標」の、社員への動機
付けを考えてみましょう

マクドナルドの組織構造がわからないため、以下のような「役割」別
に分析してみます。


○店舗開発担当への動機付け

店舗開発担当者は、上記の理由で店舗を増やしたくはないでしょう。
どうするかというと、売れない店を洗い出し、売れる場所へと移動さ
せたくなるでしょう。

実際、2010年の決算説明会資料には、

「リロケーションの加速 633店以上」*

という表現があります。

*2010年決算説明会資料
http://www.mcd-holdings.co.jp/pdf/2010/2010_result.pdf


売れない場所→売れる場所 へと移動すれば、店舗数を増やさずに
「1店舗当たり売上高」が増やせますよね。

○店舗運営担当への動機付け

店舗運営者が1店当たり売上高を上げるには、長時間営業・24時間
営業がその手段となります。前号の通りです

○商品開発担当への動機付け

商品開発者は、「長時間営業」などの権限は持ちませんので、「メニ
ュー」をどう変えるか、ということになります。

商品開発者に与える動機付けは、客数×客単価で考えて見ましょう。


客数については、食事などの混雑時の受け入れには限界がありますか
ら、「閑散期の集客」を考えるでしょう。それが恐らくは、カプチー
ノなどの一連のカフェメニュー(McCafe)でしょうね。
2010年の決算説明会資料によると、カフェメニューを出す店を
2800店に増やすとのことです。8割方の店で出るわけですね。

客単価については、当然高単価メニューですね。今は「マンハッタン
バーガー」やってますけど、一連のこのメニューは、セットで600
円台だったと思いますが、結構高単価ですね。カフェメニューも、
100円のドリンク1杯から比べれば、2倍近い単価です。


このように、各担当者への動機付けが明確になることがわかります。

そして、その「動機」(=1店当たり売上高の増大)は、組織間で一
致します。指標が共通だからです。

●組織共通の指標で、組織間の風通しを良くする

戦略指標は、組織間にヨコグシを通します。指標が共通なのでケンカ
になりません。むしろ、協力を促進します。


例えば、店舗運営担当者と、商品開発担当者は、以下のような話合い
を(売れたま!会議みたいに)行う動機付けが産まれます


店舗運営:ねー、24時間営業やるからさ、深夜用のメニュー考えて

商品開発:あ、それいーね。深夜限定のデザートでもやる?

店舗運営:いや、飲んだ後のつまみみたいな感じでいいんじゃない?
     ターゲットはさ、ちょっとおじさん系な感じで

商品開発:あー、シメのラーメン代わりか。安い方がいいね。ハッシ
     ュドポテトでも出す?

店舗運営:ポテトだけだとさみしいからさ、フィレオフィッシュの、
     魚のフライとかできないの?

商品開発:あー、できるね。タルタルソースつきね。それにチキンで
     もつけるか?

店舗運営:あ、いいかもね。フライコンボか。


みたいな感じですね。


というのは、店舗運営も、商品開発も、担当・役割に関わらず、評価
指標は同じく「1店当たり売上高」です。すると、自分の成績を上げ
るためにも、協力をすることが迫られるんです。


もし、商品開発担当が「1店当たり売上高」ではなく「商品単価」で
評価される場合には、商品開発は「深夜のメニューは単価が低そうだ
からイヤ」と、協力をイヤがるでしょう。

「縦割りの弊害」が産まれる1つの理由が「部署によってモノサシ
(=評価指標)が違う」ことです。

逆に、組織全体に共通指標を使うことで、組織間の風通しが良くなり
ます。

これが拙著「売れる数字」のキモである「組織を動かす戦略指標」な
んです。

「組織が動かない」のは、組織構成に問題がある場合もあるでしょう
が、「評価指標」に問題があるのかもしれません。

そして残念ながら、「戦略実行促進」という切り口での「人事評価」
というのは、あまり見たことがありません。そもそも戦略を「指標」
として定義している会社が少ないからです。


戦略を戦略指標として数値化し、実行し、その結果を評価する、とい
う、せ・す・じ・評価のサイクルを回すことにより、始めて戦略が実
行されるのです。

 せ:戦略
 ↓
 す:数値化
 ↓
 じ:実行
 ↓
 評価

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◆会社の状況にあった戦略指標を!
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●戦略指標は会社によって、状況によって変わる

マクドナルドに適した戦略指標が「1店当たり売上高」だったからと
言って、飲食店が全てそうだというわけでは全くありませんよ?

マクドナルドの、この状況だから、「1店当たり売上高」だったわけ
です。

戦略指標は、そう言った意味では、「超長期的な課題解決」なんです
よね。

2004年〜今までとして、7〜8年は同じ数字を追いかけているこ
とになります。戦略の実行にはそれだけ時間がかかるからですね。

1店当たり売上高を最大化する打ち手が仕組み化され、「個店の競争
力強化」をいう戦略課題が達成された、と判断したら、次の戦略課題
に向けての「戦略指標」が作られることになります。


ですから、戦略指標を作るに当たっては、そもそもの「戦略課題」は
何か、という考察が欠かせません。それは、もちろんBASiCSで
考えていくことになります。


あなたの場合はどうですか?


これにて、「マクドナルドの戦略指標」終了です!

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◆今日のまとめ
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●戦略を「戦略指標」として数値化し、組織を動かそう!


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ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。


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▼今日の日記▲

今週くらいから、色々な意味で仕事が動き出している、という感じで
しょうか。被災地対応などはしっかりやらないといけないと思います
が、もう4月になりますから、直接の影響が少ない方は、とにかく通
常通りのビジネスに戻していかないと、景気悪化、という震災の3次
災害が起きてしまいますね。ビジネスパーソンとしては、それを避け
ることが私達にできる「震災対策」になりますね。

今日は、あるところで、社長の勉強会の講師として、(例によって)
戦略BASiCSをやってきました。懇親会で、一代で1000億円
企業(恐らく誰でもご存じの会社です)をお作りになられた創業者の
方と長くお話する機会がありました。その方は、戦略BASiCSの
お話を、直観的にご理解されていらしたんですよね。言葉が違えどそ
の方のロジックがホントBASiCSで、ちょっと驚きました。どの
ようにこういう戦略思考を身につけられたのかは聞き忘れてしまいま
したが、お話を聞いている限り、「それなら勝てて当たり前だ」と私
も思うようなことばかりでした(これ、ホント難しいんですよ)。

「先生(=私)のおっしゃることは当たり前なんだけど本質だ。とに
かく顧客視点で、おっしゃることにブレがない」とおっしゃられてい
ました。BASiCSは、当たり前のことなので、きっちりやれば、
勝つ確率は段違いに上がるんですよ。その会社がうまくいっていた理
由は私も存じなかったんですが、今日お話を伺って、よくわかりまし
た。

その方は私の父親くらいの年齢とのことですが、今後は、国のために
あるプロジェクトを始めていらっしゃるとのことでした。その方に比
べれば、私なんかはまだまだ若造なので、頑張っていかないといけな
いですね。

で……フェルミ推定の続き、最終回です。原発の「封じ込め」は、ま
だまだ続きそうで、長丁場になりそうですね。

ということで、今回は、ちょっとイヤな話です。人生をカネに換算し
ます。そういうのがイヤな方はここでお止めください。次の思考実験
は……


○「ミネラルウォーターを買うべきか」

です。

首都圏の水に放射性物質が入っている、と報告されており、各所でミ
ネラルウォーターが売り切れているという報道があります。

今回も、例によって、素人のいい加減で勝手で適当な計算です。また
対象は大人で、乳幼児の方は除きます。乳幼児の方は(大人もですけ
ど)、専門家のご意見をご参考くださいね。


ミネラルウォーターを「お金を出して買う」価値があるかどうかを、
放射性物質の害との比較で、シミュレーションしてみましょう。


仮に生涯収入を1人3億円としましょう。ちょっと高めにみます。

「人生の意義付け」とかはここでは無視し、経済的価値だけを考えま
す。そういうのがイヤな方はここでお止めくださいね。あくまでも、
「思考実験」です。しかもかなりいい加減な、ですからね。

一生で働く時間の概算は……

40年間×250日×10時間=10万時間

です。勤労時間10万時間、というのは目安の数字として覚えておく
と便利です。

すると、時給3000円、秒給0.8円です(1時間=3600秒)

前号でやりましたが、1Bq=寿命3秒の価値とし、それを年収に換
算すると、3秒(=1Bq)の寿命増は、2.4円の経済的価値を持
ちます(人生の生き甲斐とかはおいておきます)。

ミネラルウォーターを500ml 100円とすると、1L=200
円ですね。200円は83Bq/リットルの価値と経済的には等価で
す。

これで金銭面においてミネラルウォーターを買うべきか、判断できる
ようになります。

83Bq/L

入っていると、500mlのミネラルウォーターを100円で買う経
済的意味がある

ということになります。

これは、単純な年収・年齢・放射線量・ミネラルウォーターの価格の
関数ですから、シミュレーションできるHPなんかも作れますね(私
にはできませんけど)。

前号もそうなのですが、単なる四則演算だけで、ここまでシミュレー
ションできるんですよ(繰り返しますが、すごくいい加減な計算では
あります)。私はこの計算を文字通り封筒の裏(Back of Envelope)
でやりました。

結局、こういうときには、精密な数字ではなくてもいいので、粗っぽ
い「判断材料」が必要なんだと思います。

ざっくり100Bq/L

くらいが、経済的な、という意味で、一つの基準となりそうです。こ
こではヨウ素しか考えていません。セシウムとかが入ってくるとまた
違います。

東京の金町浄水場では、190Bq、という数字が出ましたね。その
後、幸いなことに数字は下がってきており、28日時点では、20
Bq以下になっているようです。

繰り返しますが、これは思考実験のための適当な計算例であり、正確
性を考えていませんよ。計算ミスがあるかもしれませんので、ご自分
でやってみていただき、そのあとは個人の判断ですからね。

そのために、数万円の浄水器を買うかどうか、も個人の判断です。ネ
ットを見る限り、放射性物質を濾過できると唱っている浄水器はほぼ
売り切れ状態ですね。

前号の結論では、200Bqの水1L飲むと、期待寿命は10分減る
ということになりました。

で、私はこの日記を書くのに1時間くらいかかってるので…200
Bqの水を6L飲めたことになります(笑)

結局、1時間1時間をどう過ごすか、どう生きるか、っていうところ
に戻ってきますね。

●今日のiPod Tune:元気を出して行こう! 特集

TVによれば、回復途上にはあれど被災地は未だ相当厳しいようです
ね……一刻も早い復興を祈ります。


今日は、この曲


○Don't Cry by Asia


デビューアルバムが記録的なセールスを記録したAsiaの、2ndアル
バムからのシングルカット。この曲は、1983年のトップ10ヒッ
トシングルと、チャート的にはあまりヒットしませんでしたが、彼ら
の代表曲の1つと言っていいと思います。

グループ名はAsiaですが、何がどうAsiaなのかさっぱりわかりません
(笑)

プログレの大御所が集まって作ったバンド、という触れ込みの割には
ポップでキャッチーで売れ線を狙った音作りが彼らの持ち味。

歌の意味は、タイトル通り。ノリのいい名曲です。

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─────────< 経営戦略の最高峰 >──────────

●「経営戦略立案シナリオ」 佐藤義典 著 かんき出版
経営戦略のガイドブック:経営者は必読!
http://www.sandt.co.jp/scenario.htm

─────< マーケティング戦略のベストセラー >──────

●「図解 実戦マーケティング戦略」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略入門:戦略はここから
 日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/jissen.htm

●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
 日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/check.htm

●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
 ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
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────────< マーケティングの思考法 >────────

●最新刊 「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
 日本能率協会マネジメントセンター
 右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
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──────< 物語でわかるマーケティング >────────

●「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
 物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
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●「ドリルを売るには穴を売れ」 佐藤義典著 青春出版社
 マーケティング入門:読みやすい小説
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●「売れる会社のすごい仕組み」 佐藤義典著
 青春出版社
 売れる戦略構築から実行プロセスまでを物語で体感!
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▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

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