■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.145 2010/06/14
購読者:21,819 (まぐまぐ:15,448 メルマ!:734 めろんぱん:5,637)
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■■_宇都出さんとの対談:BASiCSの思考訓練 5_■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●要素間・理論間のやりとりをして、BASiCSを高速大量回転さ
せよう!
┃売れたま!は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま!
┃単独でもお役に立てますし、本と併用されれば効果倍増!
┃
┃図解 実戦マーケティング戦略 → http://tinyurl.com/a6ul5
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◆対談のお相手:コーチのコーチ、マサさんこと、宇都出雅巳さん
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コーチング界では、「コーチのコーチ」、つまりは「先生の先生」と
してその名を知られ、ベストセラー「速読勉強術」の著者でもいらっ
しゃる、マサさんこと、宇都出雅巳(うつで・まさみ)さんとの対談
です。
宇都出さんのプロフィールなどはこちら↓
http://www.utsude.com/
*「速読勉強術」 すばる舎 宇都出雅巳 著 1470円
http://tinyurl.com/35skc3h
●ここまでの復習:範囲を絞って高速大量回転
勉強のポイントは、「高速大量回転」
○新しいことには手を広げず、覚える範囲を限定し、良質な問題や過
去問を何回も「回転」させる
○経験曲線により、1回目より2回目、2回目より3回目の学習がど
んどん「高速」になり、その結果「大量」に「回転する」
○経営でも、「経験範囲」を絞って、累積回転量を増やし、経験値を
高速で上げていく。それによって独自資源の経験蓄積が高速化する
○高速大量回転により、量が質に転化し、「認識」「見え方」が変わ
る。イメージは、アタマに常駐ソフトをインストールする。
○意識付けを強化するためには、物理的な存在としての「本」を身近
におくことが有効
○範囲を絞る際には、良い「目次」「フレームワーク」を選ぶことも
重要。良質なものに絞ろう
○「知っている」ことと「使える」ことは違う。使うからこそできる
ようになる。範囲を絞って繰り返し使ってみよう
○アタマを働かせるコツは、「適切な質問」をアタマに投げかけるこ
と。良質なフレームワークは、その「適切な質問」リストになる。
○思考の境界線を引く。「アレではなくて、なぜコレなのか」で、本
質を削りだしていく。
○5要素のやりとりをしながら、境界線を引いていく。
では、対談の続きです!
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◆「一貫性」と「具体性」の高速回転
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マサ:前回、BASiCSの5要素のやりとりの「高速大量回転」を
する、というところまで来ました。
佐藤:ええ、いよいよ佳境です。
マサ:5要素のやりとりをする際のポイントみたいのはありますか?
佐藤:キーワードは、「一貫性」と「具体性」です。拙著、「実戦マ
ーケティング思考」で出したキーワードですね。
「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
http://www.sandt.co.jp/shiko.htm
マサ:とは?
佐藤:前号のマクドナルドで、「顧客」を家族としたら、「競合」は
ファミレスになる、という例を出しましたよね?
マサ:ええ、BASiCSの5要素のやりとりですね。
佐藤:ターゲットが「家族」だと、「一貫性」は取れてますが、まだ
「具体性」が甘いんですよ。
マサ:家族って言っても、色々いますもんね。
佐藤:そうです。子供が小さい30代夫婦も、50代で子供が独立し
た夫婦も家族です。多分ニーズが違います。
マサ:だから具体性をツッコんでいく、んですよね?
佐藤:ええ。30代も50代も入ってくる「家族」だと、「強み」が
ぐちゃぐちゃになります。
マサ:例えば、子供が小さい30代夫婦だったら、キッズスペースの
プレイランドやハッピーセットが「強み」ですよね。
佐藤:そうですよね。でもそれは子供が20才の50代夫婦に対する
強みにはならないですよね? 一貫性がなくなります。
マサ:なるほど! 「家族」っていう具体性が無い言葉では、一貫性
が取れない!
佐藤:そうなんです。一貫性と具体性って表裏一体なんですよ。どち
らが重要か、ではなく、補完関係です。
マサ:これも、前号の「思考の境界線」ですか?
佐藤:さすが! 「具体性」は、細かく細かく線を引いていくイメー
ジです。
マサ:なるほど……一貫性と具体性のやりとり……
佐藤:ええ、「子供が小さい30代夫婦」と「具体化」すれば、マク
ドナルドの強みは「プレイランド」と「一貫性」が取れます。
マサ:なるほど……「家族」という広い言葉だと、「プレイランド」
が強みかどうか、判断できない……
佐藤:そうなんですよ。だから、プレイランドという強みを評価する
「家族」は「どんな」家族か、と具体化していくんです。
マサ:そうすることによって、かえって一貫性が取りやすくなる……
それは面白い発想ですね。
佐藤:これも「高速大量回転」だと思いますよ。というのは「家族」
と言うと、色々といますから……
マサ:その「家族」の中から、どんなパターンがありえるか、と回転
させていく……
佐藤:そうです。子供が小さければ、店で一緒に食べてもいいですよ
ね。でも、中学生になると、パパ・ママと一緒には食べない…
マサ:そりゃそうですよね。反抗期ですから。
佐藤:中学生でも、マクドナルドは好きですよね。中学生が家族で食
べる場合は……?
マサ:家で食べるんじゃないですか? 家で家族で食べる分には友達
に見られませんから、恥ずかしくないですよね。
佐藤:さすが! その場合はテイクアウトですよね。ここで「顧客」
とやりとりしましょう。顧客を具体化すると……
マサ:子供が中学生くらいなら、親は40代ですよね。
佐藤:この場合はハッピーセットは強みにならないですよね。むしろ
安くて量がある100円バーガーなんかが「強み」ですね。
マサ:「家族」と言っても、子供の年齢によってニーズが違い……
佐藤:それによって「強み」が変わるんです。こうやって、顧客、競
合、強み、とグルグルグルグルグルグルグル……回すんです
マサ:まさに一貫性と具体性の高速大量回転!
佐藤:そうなんです。具体的に考えて、それについて、BASiCS
の他の要素と「やりとり」しながらグルグル回します。
マサ:いや、これすごいです。思っていたよりずっと深いですよ。
佐藤:思っていた、より……ですか?(笑)
マサ:いや、失礼(笑)
佐藤:戦略BASiCSって、レーザービームみたいな、1本の線の
イメージなんですよ。ある特定の1人のお客様の線。
マサ:今のマクドナルドの例だと、例えば子供が小さい家族とか、で
すよね。
佐藤:ええ。その場合、競合はファミレスか回転寿司、強みはプレイ
ランド、という1本の具体化された細い線。
マサ:お子さんが中学生のご家族は、また別のレーザーの線ですね。
佐藤:そうなんです。そのレーザー1本1本がお客様ですね。
マサ:あ、その1人1人のお客様で、それが集まると……
佐藤:そうです、1次元の「線」が2次元の「面」になり、その面が
重なって3次元の「ハコ」になります。
マサ:その「ハコ」が全体としての「顧客」とか「市場」です。
佐藤:ええ、その「ハコ」全体を見ることも必要ですし、ハコを構成
する1本1本の線も同時に見ます。
マサ:それが一貫性と具体性のやりとり、ですね。
佐藤:例えば、スタバで人間観察するときは「右脳」。隣の人が勉強
していて、それが受験勉強中の学生さんだったとします。
マサ:それが1本の線、ですよね。でもそれだと顧客が狭すぎません
か?
佐藤:いえ、そうでもないです。まずは、1本1本の線を「具体化」
します。そしてその後で、共通ニーズを探ります。
マサ:例えば?
佐藤:さっきのスタバで言えば、学生さんを見ながら、「他に勉強す
るニーズって無いかな?」と考えるんです。それが左脳の役割
マサ:あ、なるほど! 「勉強」ニーズを持っている方は、学生さん
以外にもいますね。
佐藤:ええ、資格取得の勉強をしてらっしゃる方とか、司法試験の勉
強されてる社会人の方も結構いらっしゃいます。
マサ:すると、顧客ターゲットが広がる……
佐藤:ええ。ニーズは、具体化しなければわかりません。だからまず
は人を具体化し、その後でニーズを具体化します。
マサ:なるほど……
佐藤:例えば、「20代女性のニーズがわからない」なんてよく言い
ますよね?
マサ:そうですね。
佐藤:そもそも「20代女性のニーズ」なんていうものは存在しない
んですよ。
マサ:え?
佐藤:だって、20才のエンジョイ大学生、22才就活中、25才の
ばりばりキャリア、29才の専業主婦、ニーズ同じですか?
マサ:確かに、ニーズが違いそうですよね。
佐藤:ですから、「20代女性のニーズ」なんていうのは幻想です。
20代女性に限らず、40代男性だって同じです。
マサ:だから具体化して考えるんですね。
佐藤:そうなんです。その一方で、25才女性、35才男性、ばりば
りキャリアなら、ニーズは近いですよね。
マサ:具体化して、ニーズを考えればそれがわかりますね。
佐藤:そうなんです。人を具体化したあとで、ニーズを普遍化して、
括り直すんです。この順番は、逆ではダメです。
マサ:だから佐藤さんは「具体性」を強調されるんですね。
佐藤:そうです。現場の肌感覚、実際のお客様の声、などがすごく重
要になります。
マサ:そしてそれを普遍化して一貫性を取る……すると、線が面にな
っていく、と。右脳と左脳の高速大量回転ですね!
佐藤:そうなんですよ。それが私が「実戦マーケティング思考」で言
ってる「右脳と左脳のやりとり」なんですよ。
マサ:こりゃ大変ですね(笑)
佐藤:大変ですよ(笑)。BASiCSってカンタンそうに見えて、
ものすごく大変です。普通は数ヶ月かかりますね。
マサ:でもやる価値はある、と。
佐藤:やらなくてもいいですが、それだと目的地も、地図もなしにド
ライブしてるようなものなので、怖いですよね。
マサ:運転はできるけど、どこに行くかわからない……
佐藤:ええ。何より、「今自分はどこに向かっているだろう」という
不安感が出ちゃいます。白ネコの実直くんですね。
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◆一貫性の本質:相互の制限関係
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マサ:佐藤さんが、執念のように、「一貫性」を強調される理由は何
ですか?
佐藤:誤解を恐れずに言えば、既存の戦略論って、記述的、というか
ワクに入れて飾る理論が多いんですよ。
マサ:例えばどういうことですか?
佐藤:例えば、SWOT分析にしても、5 Forcesにしても、ハコに入
れるだけ。SWOT眺めてたって何も出てこないですよ。
マサ:また手厳しい……
佐藤:私はSWOT分析の結果を見ても、何も出てこないんですよ。
きっと私のアタマが悪いんだと思いますが……
マサ:またそんなことを……ご謙遜なのかイヤミなのか……
佐藤:いえ、ホントそうです。SWOT分析で戦略が作れる、という
方はきっと私には見えない何かが見えてるんだろうな、と……
マサ:SWOTは発想のネタにはなるんじゃないですか?
佐藤:はい。しかし、SWOTは何も「制限」しないら、導き出され
た戦略がそうであるべき必然性がそれ単体では論証できません
マサ:どういうことですか?
佐藤:例えば、マサさんも私も米国MBAで、それは私たちの強みの
1つですよね。正確には「独自資源」ですが……
マサ:ええ、それで?
佐藤:でも、そこからいきなり、「米国MBAという強みを活かして
社長になろう」には無理がありますよね?
マサ:論理が飛躍していますね。
佐藤:ええ、でもSWOTってそういうことですよね? その強みを
活かした戦略を考える、とは。
マサ:あ、それが「必然性が検証できない」という意味ですね。
佐藤:ええ。MBA→社長、MBA→外資系に就職、いずれも必然性
の論証ができていないので、どちらがいいか決められません。
マサ:するとどうなります?
佐藤:結局カンとか好き嫌いで決めることになります。別にカンや経
験自体を否定するものではないですが、戦略性には疑問です
マサ:何でMBAだから社長なの? という素朴な疑問に答えられな
い、ということですね
佐藤:そうです。ですから強みからいきなり戦略を導くことが私には
できないんです。
マサ:できる方もいらっしゃるのではないですか?
佐藤:それは、SWOTだけではなく、他のフレームワークなどで自
然に「制限」をかけているはずです。多分無意識に。
マサ:なるほど、他のことも自然に考えている、と……
佐藤:でなければ、SWOT「だけ」で戦略を作れる、というのは、
単なる勘違い。強みだけから戦略ができるはずがない。
マサ:どうすればいいんですか?
佐藤:「強み」を単独で切り離さず、他の要素で「制限」をかける必
要があります。顧客とか、競合とか……
マサ:あ、他のフレームワークがいる、ということ……
佐藤:そうなんですよ。BASiCSのように、強み以外の要素で、
制限、「境界線」を引いてあげることが必要です。
マサ:でも、強みをギリギリまで突き詰めていけばできるんじゃない
ですか? 自分にしかない強みがわかれば、戦略はそれになる
佐藤:で、その「ギリギリまで突き詰める」をどうやってやるかなん
ですよ。強みは? 強みは?では突き詰められないですよね
マサ:あ、他のことを考えて、「制限」している、ということですね
佐藤:そうなんです。「誰と比べて?」(競合)だったり、「誰にと
って」(顧客)などを考えて「突き詰めて」いきますよね?
マサ:なるほど、強み・弱み単体からは戦略ができない、とはそうい
うことなんですね。
佐藤:強みは通常複数あると思いますが、その優先順位をつけるのだ
って、競合や顧客を考えないとつけられないですよね?
マサ:確かにそうですね。
佐藤:ですから、強みでも顧客でも、それ単独で考えてはダメです。
相互に「制限」しあう他の要素を同時に考えるわけです。
マサ:その相互に制限しあう要素を「やりとり」しながら、つまり、
「高速大量回転」して考えるんですね。
佐藤:そうです。BASiCSは、相互に「制限」しあうフレームワ
ークになっています。その意味で「必然性」をえぐり出します
マサ:先ほどの思考の「境界線」と同じ意味ですか?
佐藤:そうです。同じことを違う言葉で表現しているだけです。
マサ:制限、というのは、例えばBASiCSの要素間の制限、です
か?
佐藤:そうです。まずは先ほどのように、マックの顧客を家族とする
と、競合がファミレス、と「制限」されますよね。
マサ:あ、そういう意味ですか。この場合は「顧客」が「競合」を
「制限」するわけですね。
佐藤:そうです。この「制限」が「一貫性」のカギ。
マサ:マックの競合がファミレスと「制限」されると、どうなるんで
すか?
佐藤:制限されると、ファミレスに対する強みがあるか、と考えてい
けます。無ければ強みを作ろう、という「方向性」が出ます。
マサ:あ、その意味で、ハコに入れるだけではなく、何をすべき、と
いう示唆があるわけですね。
佐藤:そうです。制限が無いと、行動への示唆がないんですよ。どれ
を選ぶべきかわかりません。
マサ:その選ぶ基準になるんですね。
佐藤:一貫性のチェックというのは、要素感の相互の「制限関係」な
んです。平たく言うと、片方が決まれば、もう片方も決まる…
マサ:互いに制限しあうから、やるべきことが制限される、と……
佐藤:そうです。「制限」しあうから、「必然性」が出てきます。そ
してそれが戦略の「絞り」となってくるんですね。
マサ:戦略って、やらないことを決めることですからね。
佐藤:そうなんです。やることを「制限」しなければ、方向性が見え
てこないですよね。
マサ:他にどんな「制限」があります?
佐藤:「制限」とは言いませんが、ガイドラインは、3つの差別化軸
ですね。手軽軸、商品軸、密着軸。
マサ:そうやって色々制限していくわけですね。
佐藤:そうなんです。顧客が決まれば競合が決まり、競合が決まれば
強みが決まり、その強みが顧客に合うか、また戻る……
マサ:あ、高速大量回転!
佐藤:ええ。そして、強みが合う顧客に絞り、その顧客にとっての強
みを作る「べき」、という、行動の示唆が出てきます。
マサ:ハコに入れてにらめっこするフレームワークではない、と。ど
んな強みとか顧客を選ぶかは自由ですよね?
佐藤:そうですね。ただ、それも「今の独自資源・強みが何か」とい
「制限」を受けますよね。ゼロから作ってもいいですけど。
マサ:相互に制約要因となる、相性のいいフレームワークを使い、互
いに「やりとり」を高速大量回転!
佐藤:そうなんです。その「相互の制約要因」を「一貫性と具体性」
で考えていくわけです。
マサ:先ほどの思考の境界線も同じ意味ですか?
佐藤:全く同じです。さっきから同じことを違う言葉で表現している
だけです。削り出すと言ったり、境界線と言ったり……
マサ:ピンと来る言い方は人によって違いますからね。
佐藤:そうです。ですから、人によってメッセージを変える、という
CとSmの一貫性が……
マサ:ホント何でもBASiCS(笑) しかし、非常に興味深い考
え方ですね……
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◆理論間の「高速大量回転」
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マサ:今の、「一貫性」と「具体性」以外ではどうですか?
佐藤:さらに、理論間の「やりとり」もあります。
マサ:BASiCSとそれ以外とか、ですか?
佐藤:そうです。「売れる会社のすごい仕組み」では、この理論間の
一貫性というか「やりとり」を重視しました
マサ:例えばどんな「やりとり」ですか?
佐藤:3つの差別化軸によって、売上5原則で重視する項目が変わる
とか……
マサ:なるほど
佐藤:マインドフロー*とプロダクトフロー*のやりとりとかです。
*マインドフロー
認知、興味、行動、比較、購買、利用、愛情の7関門を通ってファン
になるという理論
*プロダクトフロー
あげる商品→売れる商品→売りたい商品へとお客様を導く
マサ:その2つは時間軸としては近い考えですよね。
佐藤:ええ、「認知」「興味」喚起には「あげる商品」が適していま
すし、「愛情」関門を超えれば「売りたい商品」が売れる……
マサ:マインドフローの関門と、プロダクトフローの商品が連動して
いるんですね。
佐藤:そうなんです。マーケティング理論って、何かを独立に取り出
せるものではないんですよ。
マサ:あちらの理論で考えて、またこちらの理論に戻して、ですね。
理論間の高速大量回転。
佐藤:ええ。ただ、違う人が考えた理論だとそれがやりにくいので、
同時使用を前提としたものでないとダメでしょうね。
マサ:同時に使うことを前提として、「やりとり」しやすいように、
ですよね。
佐藤:ええ、まさに理論間の「高速大量回転」をさせるためです。差
別化軸、マインドフロー、売上5原則、全部相互に連動します
マサ:お互いにやりとりして、思考を深めていく、っていうのは、す
ごい思考法ですよね。
佐藤:私、アタマがあんまり良くないので……
マサ:出た、お得意のイヤミ謙遜(笑)
佐藤:ホントですって。世の中には優秀な方が一杯います。それに負
けないように、アタマを使う方法を真剣に考えるんですよ。
マサ:それが、このようなBASiCSだったり、理論間のやりとり
だったり……
佐藤:そうなんです。思考法の方法論として、マサさんの「高速大量
回転」ってすごくしっくり来るんですよ。
マサ:それは良かった(笑)
佐藤:言ってみれば、佐藤義典流「マーケティング統一理論」を構築
しているようなものです。
マサ:「統一理論」とは大きく出ましたね(笑)
佐藤:悪く言えば「寄せ集め」ですよ(笑)。要は、孫子から始まる
数多の戦略理論を経営向けパッケージにしただけ。
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◆同じ本を何回も読む、高速大量回転
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マサ:こういう「やりとり」は、どうすればできるようになります?
佐藤:ですから、マサさんの「高速大量回転」(笑)。同じ本を何回
も読めばいいんですよ。
マサ:あ、「漬かる」まで、ですね。「知」を「血」にするまで、同
じ本を何回も読めばいい、と。
佐藤:そのために最近は小説形式の本を書いてるんですよ。何回も読
めるように。何回も読んでいただきたいんですよ。
マサ:ストーリーがわかっていれば2回目、3回目と速く読めますか
ら、高速大量回転できますね。
佐藤:「白いネコは何をくれた」も「売れる会社のすごい仕組み」も
仕掛けを色々散りばめているので、再読に耐えると思います。
マサ:物語形式だと、読みやすくていいですよね
佐藤:白ネコ本は、BASiCSの5要素間のやりとり、仕組み本は
理論間のやりとりを重視して書いています。
マサ:意外に計算して書かれているんですね(笑)
佐藤:当たり前じゃないですか(笑)
マサ:あのあたりの本の目次だけでもコピーして持ち歩くといいかも
しれませんね。
佐藤:ええ、何回も読んでいれば、目次からストーリーを思い出せま
すよね。そうすると、まさに本が「内的化」されます。
マサ:こんなときに、真子ちゃんならどうするか、ボロなら何ていう
か、とか、イメージできるといいですね。
佐藤:そう! ぜひそう考えて欲しいんですよ。勝さんが「真剣にや
れよ!」って怒りそうだなあ、とか……(笑)
マサ:そこまで自分のものにできるといいですね。
佐藤:高速大量回転すればできると思いますよ。
マサ:ドラマに「漬かる」感じですね。
佐藤:白ネコ本なんかは我ながらいいドラマだなあ、と(笑)。あそ
こまで緻密な構成の物語は、もう書けないかも……(笑)
マサ:いつでも思い出せれば、それは「自分のモノにした」というこ
とですよね。そして、自分の言葉で語れるようになる。
佐藤:そうすると、もう本はいらなくなりますよね。
マサ:ええ、高速大量回転で、「量が質に転化する」わけです。
佐藤:「知」が「血」になるわけですね。
マサ:本を1回読んで終わり、ではあまりにもったいないと思うんで
すよ。ぜひ何回も読んで、高速大量回転させてほしいです。
佐藤:本を書くっていうのは結構大変な作業で、膨大な「知」と、私
の場合「血」も入ってます。1冊書くと倒れるので(笑)
マサ:私も著者ですが、ホントそう思います。ぜひ高速大量回転を有
効活用していただきたいと思います。
佐藤:私も無意識のうちにやっていたんですよね。そこにいい言葉を
いただき、ありがとうございました!
マサ:いえいえ、こちらこそ、非常に興味深い「高速大量回転」の方
法論をありがとうございました。
佐藤:こちらこそ、「高速大量回転」という、BASiCSの思考法
を具体的にやる手法をいただき、ありがとうございました。
マサ:私は逆に、高速大量回転を応用できる手法があって嬉しいです
よ。
佐藤:今日は本当にどうもありがとうございました!
マサ:こちらこそ! もしかしたら、戦略BASiCSを私の次の本
でとりあげさせていただくかもしれません。
佐藤:おお! 今度は逆に、戦略BASiCSが高速大量回転のネタ
になるわけですね! 楽しみにしています!
<完>
5回に渡って、「高速大量回転」思考法を色々と考えてまいりました
が、いかがでしたでしょうか?
ご感想、お待ちしております!
マサさんのベストセラー「速読勉強術」では、「高速大量回転」の勉
強法を詳細に解説しています。
ご興味のある方はぜひ↓
○「速読勉強術」 すばる舎 宇都出雅巳 著 1470円
http://tinyurl.com/35skc3h
○英語は「速く何度も」繰り返せ! 宇都出雅巳 著 1470円
http://tinyurl.com/2b2lwh3
宇都出さんのHPはこちらです↓。もっと宇都出さんのことを知りた
いという方、ぜひどうぞ!
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◆まとめ
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●BASiCSの要素や、フレームワークの間で、高速大量回転しな
がら戦略を「制限」していこう!
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をする時間すら惜しいので、恐縮ですが無視させていただきます。
また、「ビジネス系メルマガ」に限らせていただいています。
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▼今日の日記▲
前号で「QIX」の喩えを出して、誰もノッてこないなあ、と思って
いたんですが……コレです↓
無料ゲームでありました。どうやらTAITO AMERICA社の、本物らしい
です。いや、20年ぶりくらいですね、これ……30分くらい真剣に
やってしまいました。
で、久々にやってみたんですけど、全然できません……おかしい……
昔より、相当ゲームカンっていうか、反射神経とか落ちてるんでしょ
うね。
で、思ったんですが、こういう系のソフト100個とか集めて、バル
クでPSPとかでダウンロード販売すればいいのに……10個2千円
だと高いですが、100個2千円なら買いますよ。怪しげなエミュレ
ーターなんかもあるようですけど、それよりは、安くてもいいから、
きちんと売った方がいいと思うし……PSPの性能なら十分だと思う
んですけどね。
さらに、世の中には無料ゲームというものがあふれていることに、今
更気づきました。多分iPadとかもそうなんでしょうね。あんまり無料
無料という方に行くのが幸せとは思えないんですが……音楽にしても
ゲームにしても、誰も作らなくなったら困るし。
●今日のiPod Tune:雨に似合う歌2010
今日ついに、関東地方も梅雨入り!
ということで……毎年この季節にはこれ! 雨の季節に似合う歌!
雨の日でも、そんな日に似合う歌もあります! それを楽しみに、元
気よくいきましょう。
○恋の嵐 by 竹内まりや
1986年のまりやさんの曲。バックコーラスは恐らくご主人の山下
達郎さん。ベストアルバムにも収録されている1曲。Rain, Painなど
で韻を踏ませるサビが印象的。
まりやさんらしい、明るめの曲調ですが、テーマは多分不倫(笑)。
それっぽいTVドラマの主題歌でもあったようです。
強く振りつける雨は、ココロの涙の象徴でしょうか。雨が降るとそん
な切ない気持ちになるのかもしれませんね……
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http://www.sandt.co.jp/shiko.htm
-------------------< 経営戦略の最高峰 >-------------------
●「経営戦略立案シナリオ」 佐藤義典 著 かんき出版
経営戦略のガイドブック:経営者は必読!
http://www.sandt.co.jp/scenario.htm
-----------< マーケティング戦略のベストセラー >-----------
●「図解 実戦マーケティング戦略」 佐藤義典 著
マーケティング戦略入門:戦略はここから
日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/jissen.htm
●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/check.htm
-----------------< 超わかりやすい入門書 >-----------------
●「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm
●「ドリルを売るには穴を売れ」 佐藤義典著 青春出版社
マーケティング入門:読みやすい小説
http://www.sandt.co.jp/drill.htm
●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
http://www.sandt.co.jp/kotowaza.htm
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◆次号予告:無印良品のカフェ
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●無印良品の新業態に、「カフェ」がついた店が登場! もちろん、
コーヒーが売りたいわけではなく……
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!
▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!
売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……
〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
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