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2010年6月18日金曜日

売れたま!戦略編Vol.135 2010/05/03 マニアトラップから脱出せよ15:ムジコム

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.136 2010/06/17
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 ■■■__マニアトラップから脱出せよ15:ムジコム__■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●「売れる商品」でハードルを下げ、新規顧客を獲得しよう!


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◆良品計画の新業態、ムジコム
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●無印良品に原点回帰した新業態、ムジコム

無印良品を展開する良品計画が、新業態「ムジコム」をオープン。そ
の内容は……


-----------------------< 記事要約 >-----------------------

○無印良品が西友の食料品・日用品プライベートブランドとして誕生
 し、今年で30年。ビジネス規模の拡大につれて家具や家電といっ
 た大型商品が目立つようになり、たまに街に出た時にのぞく店と見
 なされている面は否めない。


○そこで、良品計画の小型店の新業態、ムジコムは近隣住民が日常的
 に訪れる店を目指す。品ぞろえを台所用品や食料品など、生活必需
 品に絞り掃除用品や加工食品など普段使いの商品を厚くした。


○3月にJR巣鴨駅ビルに開業したアトレヴィ巣鴨店は、カフェの併
 設による来店頻度の向上を狙う。無印良品の顧客の来店頻度は平均
 月2回だが、「カフェになら買い物の用事がなくても、ふらっと立
 ち寄ってもらえる」(同社)。


○カフェは新規客取り込みの鍵でもある。無印になじみのない客がお
 茶を飲みに訪れ、透明のガラス1枚を隔てた物販スペースに目をと
 めて足を延ばすケースが多いという。「ほかの店舗では見ない70
 代のおばあちゃんも来てくれる」(同社)


○巣鴨店では新型の販売棚も導入、主要商品の特性を説明する紙が入
 っている。良品計画の商品は、素材や機能にこだわりのあるものが
 多い。新規客にもそうした商品のウリが一目でわかる。


2010/04/14, 日経MJ(流通新聞), P6

-----------------------< 記事要約 >-----------------------

無印良品から30年もたってるんですね……私はセゾングループのお
膝元の池袋育ちなので、なじみがあるブランドです。

「無印」はもともと「ノーブランド」という意味なのに、それが「ブ
ランド」になった、というのは面白いですね。

当時を知っている世代にとっては無印良品は、お菓子とかから始まっ
たPBというイメージですが、若い世代にとっては、雑貨屋さんとい
う印象かもしれないですね。私も、今ではパジャマとか、家具とか、
そういうイメージが強くなりましたね……

ということで、このムジコムは、ある意味の「原点回帰」を図ったよ
うにも思えます。

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◆復習:マニアトラップ
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●マニアトラップとは

マニアトラップとは、私の造語です。


1)顧客の新規参入の減少に伴い市場が縮小する
2)ヘビーユーザー(=マニア)が支える市場になる
3)マニアを狙ったマーケティングに集中する
4)ビギナーがさらに入りにくくなり、1)がさらに進む

という状況です。

統計をとったわけではありませんが、「成熟市場」と呼ばれる、多く
の業界で起こっているように思われます。

●「たまに行く店」になった、無印良品

無印良品は、もともと「無印」というだけあって、PB商品です。実
家の近くの西友で、PBのお菓子などが無印良品ブランドで売られて
いたことを覚えています。ファミリーマートでは今でも無印ブランド
が売られていますよね。

http://www.muji.net/shop/fm.html


それが、インテリア、家具・寝具、洋服、そして今では家まで(!)
売っています。木の家が2千万円です……

http://www.muji.net/store/pc/user/ie/kinoie.jsp


記事中の無印良品の来店頻度が「月2回」というのは、「日常的に行
くお店」ではないですよね。

家具などの高単価商品を売る大型店は、来店頻度が月2回でも良いの
かもしれません。が、ムジコムは、「小型店」です。そうなると、
「たまに行く店」ではまずい、ということで、このような戦略をとっ
たものと思われます。


マニアトラップとは若干意味合いが違いますが、

「ハードルを下げて、新規顧客を取る」

という手法自体は、マニアトラップの手法と共通しますので、マニア
トラップ号としてお送りします。

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◆ハードルを下げる品揃え
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●「売れる商品」を売る

ムジコムの品揃えは、

・台所用品
・掃除用品
・加工食品

など、身の回りの品です。

これは、プロダクトフロー*で考えると、「売れる商品」に分類され
るでしょう。

この意味は2つあります。


1)新規顧客の獲得

これらは、「買いやすい」、「ハードルが低い」商品なんですね。家
具や服などは、リスクが高い(買って失敗したくない、という意味で
す)商品です。台所用品などは、リスクが低い、買いやすい商品です
から、今までその店で買ったことがない新規顧客でも買うことに抵抗
はあまりないですよね。


2)来店頻度の増加

無印良品で売っている家具や服などはそうそう買うものではありませ
ん。購買頻度が高い下着類でも、季節の変わり目ごとか、月に1回買
うか買わないか、くらいではないでしょうか。

加工食品なら、週に1回以上は買う商品ですから毎週来店してくれま
すね。来店頻度が上がるんです。

そのついでに、他の「売りたい商品」も見てくれるかもしれません。


*プロダクトフロー

あげる商品  :あげる、集客用
  ↓
売れる商品  :低単価、売りやすいが儲からない
  ↓
売りたい商品 :高単価、儲かるが売りにくい

の3段階で、無理なく売りたい商品へとつなげる手法

●ビギナー顧客だからこそ、あらためて強みを伝える

無印良品ファンの方は、その商品に色々なこだわりやストーリーがあ
ることを知っています。

が……始めて来る「70代のおばあちゃん」のような方は、無印良品
に触れたことがありません。

だから、「新型の販売棚」で「商品の売りが一目でわかる」ようにし
ているわけですね。

マニアトラップに陥ったときに狙うべきは「ビギナー」です。しかし
ビギナー顧客は、マニア顧客が当然のように持っている商品知識など
がありません。ですから、きちんと説明してあげる必要があるわけで
す。

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◆カフェの併設
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●カフェを併設した理由

もう1つの大きな特徴が「カフェ」です。カフェを持つ意味も、考え
てみましょう。


1)新規顧客の獲得・来店頻度の増加

カフェは、お客様が入店する抵抗が薄い業態です。「カフェになら買
い物の用事がなくても、ふらっと立 ち寄ってもらえる」とのことで
すが、カフェ単体で、来る理由がありますし、また、来店頻度が高い
業態ですね。


この意味で、実は、「カフェ」もプロダクトフローで言うところの
「売れる商品」なんですね。

2)カフェと無印良品の相性の良さ

見逃してはいけないのが、カフェと無印良品の扱う「こだわり商品」
との相性の良さです。

無印良品が、激安ショップだったら、カフェと相性があまりよくあり
ません。激安ショップに来る顧客層とはニーズが合わないからです。
こだわり商品にはあまり興味がないですよね。

しかし、カフェにくるような、お金も時間もある程度あるような顧客
層と、無印良品の「こだわり商品」とは相性がいいわけですね。


すると、プロダクトフローにおいて、

「売れる商品」 カフェ
   ↓
「売りたい商品」 無印良品の商品

というフロー(流れ)が、スムーズに起きます。

「カフェにふらっと寄った後で、雑貨を見る」というような「流れ」
になるわけですね。これがカフェじゃなくて「居酒屋」だったら、そ
うならないわけですね。

プロダクトフローをスムーズに流すためには、このような視点も必要
です。


マインドフロー*で考えると、カフェは、無印良品にとっては、「認
知」「興味」「行動」までをクリアしてくれる「媒体」ということに
もなります。カフェに来る、ということは、店舗のすぐ近くまで来て
いる、ということですから。


*マインドフロー
・認知、興味、行動、比較、購買、利用、愛情というステップで顧客
 をファン化するプロセス

念のため強調しておきますが、「じゃあ来店頻度を上げるためにうち
もカフェを作ろう!」という、短絡的な発想はダメですよ。

カフェを運営するノウハウがある無印良品だからできる、という前提
での話です。CafeMUJIは、二子玉川などでカフェを展開して
いるんですよね。ノウハウなどの独自資源がちゃんとあるわけです。


http://www.muji.net/shop/cafemeal_backnumber18.html


余談ですが、カフェなどの飲食店は、本当に「水物」で難しいです。
初期投資も必要です。経験も無いのに飲食業を始めようとされている
方には、もれなく「やめたほうがいいです」と言っています。

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◆「売れる商品」を「設計」してマニアトラップから脱出!
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●マニアトラップ脱出とプロダクトフロー

無印良品がマニアトラップに陥っていた、ということではありません
が、このように考えてくると、


プロダクトフローの「売れる商品」


をうまく使うことが、マニアトラップ脱出のポイントの1つであるこ
とがわかります。

マニアトラップは、要は「ビギナー」の新規顧客が取れなくなってい
る状態です。そこで、「ハードルが低い」、買いやすい商品である
「売れる商品」を作るのは、新規顧客獲得において重要なわけです。


「カフェ」を「売れる商品」として使うと、今まで無印良品に接する
機会のなかった「ビギナー」顧客との接触機会が増えます(繰り返し
ますが、カフェの運営ノウハウがあるからできることです)。

そして、「売りたい商品」へとつなげて、次世代の「マニア」育成を
図っていくわけですね。

ムジコム業態はまだ模索中の業態のようですが、面白い試みだと思い
ます。

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◆今日のまとめ
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●「売れる商品」をうまく「設計」して、マニアトラップから脱出し
 よう!


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▼今日の日記▲

私のオフィスの近くの、気に入っていた讃岐うどん屋さんがなくなっ
てしまいました。おいしかったんですが、お客さんの入りが悪く、
うまいだけでは飲食店は成功しない、という例でした……

最近、そのうどん屋さんの跡地に、「刀削麺(その店ではトウショウ
メンと呼んでました)」屋さんができたんですよ! ちょっと前に新
装キャンペーンで、500円だったので行って排骨麺を食べてみたら
結構おいしかったんですね。

で、今日はドリル本のリニューアル計画について、編集者さんと打ち
合わせ。ドリル本が装いも新たに新登場する予定です。いらした編集
者さんがその刀削麺屋さんで担々麺を食べられて、べた褒めされてら
っしゃいました。

ということで、今日はまたその店に行ってみました。17時に朝食兼
昼食兼夕食(今日は1食だけ)に、担々麺大盛りを注文……確かに、
これは絶品! ひき肉と油がうまく絡みます。私は辛いものがあまり
好きではないのですが、これは大丈夫! 大盛りも十分量があって、
量的にも満足。私がおなか一杯になったので、ゆであげ6、700g
程度はあるはずです(500gだと足りません)。

帰りにまた見たら、お客さんが結構入っていたので、しばらくは大丈
夫そうです。意外と隠れた名店になるかもしれませんね。


●今日のiPod Tune:雨に似合う歌2010

ついに、関東地方も梅雨入り!

ということで……毎年この季節にはこれ! 雨の季節に似合う歌!

雨の日でも、そんな日に似合う歌もあります! それを楽しみに、元
気よくいきましょう。


○雨の慕情 by 八代亜紀


八代さんの代表曲にして、1980年のレコード大賞受賞曲。当時の
レコード大賞は、紅白の前にみんなで見る番組でした。この年は松田
聖子さんのデビュー年で、ここからアイドル全盛期になっていくわけ
ですが、当時はまだ演歌が強かった時代ですね。1980年なので、
80s歌謡曲なんですね……もう少し前の曲という印象でした。

演歌を多く聞く方ではないのですが、この曲は、いくつかのフレーズ
を繰り返すサビとその振り付けが印象的で、今でも印象に残ってる曲
です。アレンジを今風にすれば、ロック調でもいけそうな感じもしま
す。EXILEあたりがカバーしないかな(笑)。

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