売れたま！戦略編Vol.394 2015/10/29 シャインマスカットの価値：価値の流れ

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━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.394(累計1272) 2015/10/29
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　■■■■＿＿シャインマスカットの価値：価値の流れ＿＿■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆　今日のポイント　◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●商品・サービスは、「価値」を出しながら流れて行く。「価値の流
　れ」を考えて、「顧客の嬉しさ」を最大化しよう


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◆ブドウの新品種「シャインマスカット」が人気
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●ブドウの新品種「シャインマスカット」の人気の理由

最近人気の新しい品種のブドウ、「シャインマスカット」。あちこち
でその名前を聞くようになりました。

どのようなものかというと……


−−−−−−−−−−−＜　記事引用　＞−−−−−−−−−−−−

◇『皮ごと食べられる種なしブドウ「シャインマスカット」の売れ行
　きが好調だ。２００６年に品種登録されてから右肩上がりにシェア
　を伸ばし、「巨峰」「デラウェア」などと並ぶ売り場の主役になっ
　ている』『東京都中央卸売市場の８月の入荷量は２７８トンで前年
　比６１％増えた。ブドウ類全体の出荷量が微減のなか、山梨や長
　野、岡山といった主力産地が軒並みシャインマスカットの出荷にシ
　フトしている。それでも需要の伸びには追いつかず、平均卸値は１
　キロ２７８円と同８％高い。都内青果店でも１房１２００〜
　１５００円と他品種より高めで並ぶ』


◇『シャインマスカットの強みは欧州系ブドウと米国系ブドウとの
　「いいとこ取り」だ。「デラウェア」に代表される米国系ブドウは
　栽培のしやすさが特徴だ。病気に強く、皮に厚みがあるため雨の多
　い日本の気候でも割れにくいが、食べる際には皮むきの手間がかか
　る。高級品種の「マスカット・オブ・アレキサンドリア」に代表さ
　れる欧州系は、皮が薄いものが多い。日本では皮をむいて食べるこ
　とも多いが、本場・欧州では皮ごと食べられている。ただ、高温多
　湿の日本では実が割れやすく、枝きりや間引きといった作業にも手
　間がかかる』


◇『農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所が両者の強みを併せ
　持つ品種として開発したのがシャインマスカットだ。欧米雑種の安
　芸津２１号に欧州系の「白南」を掛け合わせ、欧州系の味を持たせ
　つつ日本でも栽培しやすくした』


◇『「白南」を育種した植原葡萄研究所（甲府市）の植原宣紘所長
　は、「シャインマスカットの登場で、雨の少ない地中海気候でなく
　ても最高級のブドウが作れるようになった」と説明する』『高級果
　実店の新宿高野（東京・新宿）は、サラダの具材にしたり、敬老の
　日向けのパンフレットに掲載するなど、売り方を広げている。併設
　するフルーツパーラーでは「９月のブドウパフェは人気が低迷して
　いたが、シャインマスカットの登場後に売り上げが２〜３割伸び
　た」（同社）という』


2015/09/13 日経ＭＪ　Ｐ．１４

−−−−−−−−−−−＜　記事引用　＞−−−−−−−−−−−−


農家さんにとっては栽培しやすく、私たち消費者にとっては種なしで
皮ごと食べられ、しかもおいしい、という嬉しい品種です。

高価なのになかなか手に入らない、という人気なのもわかります。

「シャインマスカット」というネーミングも秀逸ですね。



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◆価値の流れ：商品・サービスの価値は「一瞬」では終わらない
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●商品・サービスの「価値の流れ」

商品・サービスは、当然「価値」＝「お客様の嬉しさ」を顧客に提供
することが重要です。

では、その「商品・サービスが価値を出す瞬間」というのはいつでし
ょうか？

価値は使い方に現れます。しかし、その「使う瞬間」というのは、一
瞬ではありません。


例えば、「旅行の価値」を考えてみてください。「旅行の価値」が発
現する瞬間というのはいつでしょうか？？

まず、「旅行中」が価値が出る瞬間、というのは疑いないでしょう。

しかし……

「旅行する前」も、楽しいですよね？　どこに行こう、その次はどう
しよう、と考えている間もワクワクします。

「旅行した後」にも、価値が発現する瞬間はありますよね。その旅行
の話を、他の誰かとして盛り上がるときもあるでしょうし、一緒に旅
行した人と旅行の写真を見て楽しむ、ということもあるでしょう。

先日、前にいた会社の同窓会が２０年ぶりくらいに行われ、２０年前
のスキー旅行の写真を誰かが用意してくれました。当然「おおお！　
あのときさー……」ということになったのは言うまでもありません。
それも「旅行の価値」の１つですよね。

２０年後に、「旅行の価値」が発現したのです。


「旅行の価値」は、旅行している間だけではなく、旅行する前にも、
旅行している間も、旅行した後にも、「旅行の価値」が発現する瞬間
がある（かもしれない）のです。

価値は使い方に現れます。ですから、「利用場面」が価値が出る瞬間
です。

つまり「旅行の利用場面」は、「旅行している間」だけではなく、旅
行の前・間・後にも存在する、ということです。


旅行の「価値の流れ」は、

・旅行の前：　どこに行こうか、ワクワクして楽しむ
　　↓
・旅行の間：　旅行自体を楽しむ
　　↓
・旅行の後：　土産話、記念写真を楽しむ

と、長期間にわたって続く（こともある）のです。



●商品・サービスの「価値」は、一瞬では終わらない

旅行に限らず、多くの商品・サービスは、「お客様が価値を感じる瞬
間」は１つだけとは限りません。


例えば……


（ＢｔｏＣ）美容室で髪を切る

・切った直後：（お客様が）さっぱりして気持ちいい
　　↓
・洗髪時：（お客様が）お手入れしやすい、すぐ渇く
　　↓
・外出時：（お客様が）友人にカッコイイと言われる



（ＢｔｏＣ）洋服を着る

・着る物を決める：（お客様が）着回しが効き、コスパが高い
　　↓
・外出時：（お客様が）友人に良く似合うねと言われる
　　↓
・洗濯時：（お客様が）洗いやすく、すぐ渇く



（ＢｔｏＢ）自動車エンジンを自動車メーカーに販売する

・エンジンの輸送：（顧客企業が）運びやすく、運送費が下がる
　　↓
・工場で車に設置：（顧客企業が）取り付けやすく人件費が下がる
　　↓
・完成車を消費者に販売：（顧客企業が）売りやすく、売上が上がる
　　↓
・消費者の利用：（消費者が）燃費が良く、ガソリン代が減る



このように、ＢｔｏＣ（個人顧客対象のビジネス）でも、ＢｔｏＢ
（法人顧客対象のビジネス）でも、「お客様が価値を感じる瞬間」は
多くあるのです。



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◆「価値を感じる瞬間」の分だけ、差別化のチャンスがある
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●「価値を感じる瞬間」の分だけ、差別化のチャンスがある

このような「価値の流れ」を把握することで、商品・サービスの魅力
が高まります。

「価値を感じる瞬間」の分だけメッセージが出せるため、これらをき
ちんと伝え切ることで、価値が高められます。

また、「価値」を把握することで、それだけ商品改善の余地も多くな
り、差別化のチャンスも増えます。

「成熟した」「もう改善の余地はない」と思っても、「価値の流れ」
を追っていくと、改善のチャンスは実は無限にあることがわかるでし
ょう。


いわゆる「バリューチェーン」とはどう違うの、という疑問も浮かび
そうですが、「バリューチェーン」は、「自社が価値をどう作るか」
という「自社の視点」に立っている（と思われる）のですが、「価値
を感じる瞬間」は、「お客様がいつどのように価値を感じるか」とい
う「顧客の視点」で考えます。

「価値を感じる瞬間」を把握した上で、その価値を自社でどう作り出
すか、という「バリューチェーン」を考えれば良いでしょう。



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◆シャインマスカットの価値の流れ
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●シャインマスカットの「価値の流れ」

では、今回の事例「シャインマスカット」の「価値の流れ」を考えて
いきましょう。

「価値の流れ」は消費者だけの話ではなく、農家→小売→消費者　と
流れていきます。


記事からの引用（『』内）と、シャインマスカットの情報をウェブで
ざっと調べた結果からの、「価値の流れ」を考えてみます。



○農家：栽培しやすく、儲かる

・栽培するとき：栽培しやすい

『雨の少ない地中海気候でなくても最高級のブドウが作れるようにな
　った』

・販売するとき：卸値が高く、儲かる

『それでも需要の伸びには追いつかず、平均卸値は１キロ２７８円と
　同８％高い』


○小売店：消費者に人気で、売上が上がる

・販売するとき：単価が高く、儲かる

『都内青果店でも１房１２００〜１５００円と他品種より高めで並
　ぶ』

『「９月のブドウパフェは人気が低迷していたが、シャインマスカッ
　トの登場後に売り上げが２〜３割伸びた」』


○消費者

・食べる前：日持ちが（若干）良い

・食べる前の準備：皮をむく必要がなく、そのまま食べられる

・食べたとき：マスカットに特徴的なおいしさが感じられる

・食べたあと：種なしなので、種を出す必要がない・種の処理不要



●農家→小売→消費者　と全ての関係者が「価値を感じる」

このように、シャインマスカットは、農家→小売→消費者　と続く
「人の流れ」において、全ての人に「価値を感じる瞬間」がある、つ
まり全ての人に価値をもたらしているのがよくわかります。


だからこそ、人気が一気に上がっているのでしょう。


シャインマスカットは、

　農家→小売→消費者

という人の流れを、価値を出しながら通過していっているのです。


逆に言えば、全ての関係者に価値をもたらす・訴求することで、売れ
やすくなるわけです（ＢｔｏＢｔｏＣ的な話ですね）。

シャインマスカットは

・農家には栽培しやすさと売上を、
・小売店には売上を、
・消費者にはおいしさと食べやすさを

それぞれもたらすことで、人気になったのでしょう。


「価値の流れ」がわかりやすい事例だったかと思います。



★今日の「アタマに問いかけるべき適切な質問」

あなたは、あなたの商品・サービスに対して「お客様が価値を感じる
瞬間」を把握していますか？

ぜひお考えになってみてください！


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◆今日のまとめ
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●商品・サービスは、「価値」を出しながら流れて行く。「価値の流
　れ」を考えて、「顧客の嬉しさ」を最大化しよう


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▼今日の日記▲

九州の豆腐会社さんから豆腐をたくさんいただき、豆腐料理を楽しん
でいます。ミキサーにかけて、クリームシチューのようにしてみたと
ころ、豆腐を全く感じさせず、びっくり。デザートのような豆腐もあ
って、豆腐の可能性を感じているところです。Ｔさん、ありがとうご
ざいました。


ところで、ついにプロ野球シーズンも終わり。セ・リーグの覇者、ヤ
クルトもソフトバンクの前に敗れました。ソフトバンクファンの方、
日本一おめでとうございます！　今年も強かったですね。

来年は、セ・リーグは新監督がたくさんいます。なんと全員が監督経
験は３年未満で、全員が４０代。一気に若返った感じがします。

全員が私より年下ですので、自分が年を取ったなあ、という感じもし
ます……実際、監督のような激務は、体力のある４０代が適任だと思
います。

来年も楽しみですね。



●今日のiPod Tune：秋の夜長に夜を楽しもう！

もう秋も大分深まってきました。秋の夜長、「夜の歌」シリーズ！！
続きます。


今宵は踊り明かしても良いかも……というときは、この曲♪


○Feel Like dance by globe


１９９５年リリース、小室哲哉さん率いるglobeのデビュー曲は、名
刺代わりの大ヒット。夜を思わせる単語があちこちに出てくるので、
夜の歌なんだと思います。

globeを先頭に、９０年代後半のＪ−ＰＯＰシーンは小室サウンドが
席巻することになります。私にとってはこの曲は「最近の曲」なんで
すけど（８０ｓと比べれば、ですよ）、もう２０年前なんですね……

キーが高い女性ボーカルをキレイに響かせ、ラップを絡めてリズムを
取る小室式ダンスポップ。

今聴いても、普通に良い曲ですよね。私は当時は米国留学中だったの
で、この曲が出てきたときの状況はわかりませんが、衝撃的だったん
だと思います。９６年に帰国したときは、既に小室サウンド一色でし
たから。

不思議と飽きない曲で、個人的にはglobeの曲の中でも大好きなもの
の１つです。

この曲をかけ続ければ、徹夜できそう♪



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▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう！

▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう！


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