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━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.376(累計1241) 2015/07/13
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■■■__プレミアムボス:自分を食う覚悟で商品開発__■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●「自分を食う」覚悟で考えなければ、いずれ競合に食われる。競合
に食われるくらいなら、自分で食おう!
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◆自社競合を恐れずに出した「プレミアムボス」
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●自社競合を恐れずに市場のど真ん中を狙った「プレミアムボス」
サントリーの「ボス」は、缶コーヒーの主要ブランドの1つ。
そこから、また新しい看板商品が誕生しました。その名も……
「プレミアムボス」
その狙いは……?
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
◇『サントリー食品インターナショナルが2014年9月に発売した
缶コーヒー「プレミアムボス」が好調だ』『「ボス史上最高峰のコ
ク」をうたい文句に、初年に計画を6割上回る480万ケースを売
り上げた』
◇『同社は07年から定番化を目指して毎年秋に新商品を投入してき
た。だが、いずれも発売から2〜3カ月で失速し、年末にはコンビ
ニの棚から外れていた。鵜飼氏は「主力のレインボーマウンテンと
の自社競合を避けるため、甘くてコクがある同系統の新商品を敬遠
してきた」と振り返る』
◇『カウンターコーヒーの登場でコンビニでの缶コーヒーの存在感が
薄れてきた。「市場を盛り上げるには自社競合を恐れず、ど真ん中
で勝負すべき」(鵜飼氏)と判断』
◇『品質を安定しつつコクや深みを増す方法はないか──。開発陣が
出した結論が細かく砕いた豆の粉末を後から加える製法だった』
『事前調査も高評価で「プレミアムを名乗るのにふさわしい商品に
仕上がった」(鵜飼氏)。缶の裏面には「これぞ缶コーヒー、これ
ぞプレミアム」と刻んだ。商品名はボスの中のボスという意味から
プレミアムボスと付けた』
◇『自社競合は限定的で、レインボーマウンテンの14年販売は前年
比1%減。新商品効果でボスブランド全体の販売は6%増えた。プ
レミアムボスの販売は15年1〜3月も230万ケースと計画を上
回る』
2015/04/15 日経MJ P.14
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
「プレミアム」というくらいですから、市場の「ど真ん中」「主流」
を狙った商品なのでしょうね。
そしてそれが人気を博した理由の1つのように思われます。
なお、「サントリー食品インターナショナル」というのは、サントリ
ーの「飲料」を出している会社です。上場で話題になりましたね。
正確には「サントリー食品インターナショナル」ですが、以降「サン
トリー」とさせていただきます。
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◆自社の主力商品と競合する商品は出しにくい
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●自社競合を恐れずに出された「プレミアムボス」
サントリーのそれまでの新商品は、自社競合を避けてきました。
記事によれば
『「主力のレインボーマウンテンとの自社競合を避けるため、甘くて
コクがある同系統の新商品を敬遠してきた」』とのこと。
その結果、2007年以降のサントリーの缶コーヒーは市場に定着し
ませんでした。
自社競合を心配して、自社の商品と競合するような商品を出さなかっ
たら、売れなかったわけですね。
●自社競合は、やっぱり怖いもの
自社の主力商品をつぶしに行くような新商品は、心情としては、やは
り出しにくいですよね。
理由の1つは、やはり「主力商品をつぶすリスク」の怖さでしょう。
社内政治という問題もあります。主力商品の担当者は、それがつぶさ
れるような商品を出すことには猛烈に反対するでしょう。そして主力
商品の担当者は、社内では力を持っていることも多いでしょう。
このような要因から、「自社の主力商品を食いに行く新商品」は、な
かなか出しにくいものです。
ここで、缶コーヒーの現在のランキングを見てみましょう。
2014年の『日経POS(販売時点情報管理)の6〜8月のシェア
(金額ベース)』(2014/09/17 日本経済新聞 朝刊 P.35)か
らの抜粋です。
1 ボス 贅沢微糖 185グラム
2 ジョージア エメラルドマウンテンブレンド 185グラム
3 ボス レインボーマウンテンブレンド 185グラム
4 ボス 無糖ブラック 185グラム
5 ワンダ 金の微糖 185グラム(
1,3,4位がボスですね。そして、今回「主力」とされているのが
3位の「レインボーマウンテンブレンド」です。
このチャートをサントリーの視点から見た場合……
「1,3,4位の商品は維持し、2位のジョージア、5位のワンダか
ら取ろう。1,3,4位の商品はつぶすな」
と考えてしまうのはムリもありません。
自社競合はやっぱり「怖い」ですよね。
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◆自分が食わなければ競合に食われる
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●競合の視点から自社を見てみよう!
ここで視点を変えてみましょう。
競合の視点から見ると、どうなるでしょうか?
ジョージアを展開するコカコーラ、ワンダを展開するアサヒ飲料から
は、このチャートはどう見えるでしょうか?
ジョージアの担当者もワンダの担当者も
「ボスをつぶしに行こう!」
と考えるのではないでしょうか?
当然、ボスの主力である「ボス レインボーマウンテンブレンド」に
直接対抗するような商品は出されているでしょうし、これからも出て
くるでしょう。
つまり……
「自社競合を避けたとしても、競合との競合(変な表現ですが)が起
きる」
ということです。
すごく平たく言えば、
「自分で食わなければ、競合に食われる(かもしれない)」
ということです。
商品開発をする場合には、
・自社商品を守ろう
・競合の商品から取ってこよう
と考えることが多いと思います。
が、競合も同じように考えているのです。
●競合に食われるくらいなら、自分で食おう!
競合が、自社の主力商品を陳腐化させるような新しい切り口などを見
つけて来たら、自社の主力商品が食われてしまいます。
であれば、競合に食われるくらいなら、自分で食った方がいいのでは
ないでしょうか?
もちろん、同じような商品をたくさん出してもしょうがありません。
「自社の主力商品を陳腐化させるような新しい切り口」
のものができたら、ですよ。
「いや、うちの主力商品は絶対に大丈夫だ」
というのであれば、構いません。
その場合は、新商品開発をせずに、主力商品の維持に集中した方がい
いでしょう。実際、その手は十分にあり得ます。新商品を出さずに、
既存商品の売上を伸ばせるのであれば、むしろそうした方が良いくら
いです。
そうではなく、競合と自社が「食って食われて」という競争関係にあ
るのであれば、「自社競合を避けて……」と言っている間に、競合に
食われてしまうリスクがあるわけです。
だったら、自社競合を恐れて競合に食われるのを待つよりは、自分で
食いに行く、という手もあると思います。
そして「プレミアムボス」は、自社競合を恐れずに開発されたわけで
す。
●自社競合を恐れずに、市場のど真ん中を狙った「プレミアムボス」
先ほどのランキングによれば、缶コーヒーの市場の1,3,4位は、
ボスの商品です。
市場のど真ん中に、自社商品がいるわけです。
これまでは、自社競合を恐れて「市場のど真ん中」を避けてきまし
た。
ただでさえ競合が激しい市場で、市場のど真ん中を避けたら、それは
やっぱり難しいですよね……
プレミアムボスは、自社競合を恐れずに「市場のど真ん中」を狙って
来ました。
その結果は……
・プレミアムボスはヒット
・主力のレインボーマウンテンの減少は前年比1%減に留まる
・ボスブランド全体としても、6%増加
という結果が得られたのです。
缶コーヒー市場が伸びていないとすれば、この6%の増加は、競合か
ら取れた、ということでしょう。
サントリーから見たら、最高の結果になりました。
では、もし「プレミアムボス」が主力商品の「レインボーマウンテン
ブレンド」を代替するだけに終わってしまったら、それはどうなので
しょうか?
それでも、結果として悪くはない、と思います。
というのも、それを競合にやられて、主力の「レインボーマウンテン
ブレンド」が競合に取って代わられるよりは遥かに良いからです。
●競争は、1人でやっているのではない!
当たり前ですが、競争は1人でやっているのではありません。
そこには競合もいるわけです。
まして、缶コーヒーは、ジョージアやワンダなどの強い競合がひしめ
き合っている「戦場」です。
競合が、ボスブランドがトップ5のうち3つを確保している状態を黙
って見ているとはとても思えません。
となると……
「競合は、自分がもっともやられたくないことをやってくる」
という前提でいた方が良いと私は思います。
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◆「競合に食われる前提」で考えよう
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●「悪夢のシナリオ」を想定すれば、自社競合は「バラ色」
それでも、「自社の主力商品を食いに行く」のは、やはり「怖い」か
もしれません。
その「怖さ」を克服するのは難しいかもしれません。
どうすればその「怖さ」を克服できるかというと……
1つの単純な手法が、
「もっと怖い状態」を想定する」
ことです。
競合に食われるという「悪夢のシナリオ」を考えるわけです。
今回の場合、サントリーにとっては、自社の主力である「レインボー
マウンテンブレンド」を、今回の「プレミアムボス」のような商品で
潰される、というのが「悪夢のシナリオ」になります。
その「悪夢のシナリオ」に比べると、「レインボーマウンテンブレン
ド」がつぶれたとしても、それを「プレミアムボス」で代替する、と
いうのは、全然悪い話ではなく、「バラ色のシナリオ」ですよね?
もし、自社が「プレミアムボス」を出さずに、競合が同様なことをし
ていたとしたら……
・レインボーマウンテンの1%の減少はなかった
・その代わりに、競合が6%シェアを伸ばした
という「悪夢のシナリオ」が起きていたわけです。
サントリーはトップ5の1,3,4位を持っています。となると、競
合がシェアを伸ばしたら、真っ先に割りを食う立場にいます。
そう考えると、むしろ「自分で食いに行こう」と思えませんか?
さらに、今回「プレミアムボス」の背中を押してくれたのは、コンビ
ニコーヒーとの競合でした。
やはり、そのような「危機感」が後押ししてくれたわけですね。
●本当に最悪なのは「思考停止」に陥ること
競合に食われるだけですむならまだマシかもしれません。
というのも、本当に「最悪」なのは、
「組織が思考停止に陥ること」
です。
「自社の主力商品をつぶしてはいけない」
と考えると、自社の主力商品をつぶして次代を担うような新しい発想
の新しい商品は、自社からは出てこない、ということになりかねませ
ん。
そういうことを考える人材は、他社に流れてしまうかもしれません。
すると、競合に食われるのを座して待つ……ということに……
自社が「考える力」を失ってしまったら、それは本当に恐ろしいこと
だと思いませんか?
★今日の「アタマに問いかけるべき適切な質問」
自社競合を恐れて、自社商品を食うような商品が出てこなくなってい
ませんか? そんな商品を競合に出されたら、怖いと思いませんか?
ぜひお考えになってみてください!
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◆今日のまとめ
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●「自分を食う」覚悟で考えなければ、いずれ競合に食われる。競合
に食われるくらいなら、自分で食おう!
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ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。
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▼今日の日記▲
先週、富山に出張に行ってまいりました。
すごく近くなりましたね! 越後湯沢経由で行っていた以前と比べる
と、夢のようです。
時間的には、「かがやき」(速い方)を使うと、2時間ちょっとです
から、大阪より近い、ということになりました。
以前、富山に日帰りに行ったときは、「早朝に出て深夜に帰る」とい
う感覚でしたが、普通に「朝に出て夜に帰る」という感じになりまし
た。
富山から見ると、東京日帰りもラクになったのでしょうね。
車窓を楽しみにしていたのですが、トンネルが多いですね。トンネル
を抜けたらいきなり日本海、という感じでした。
あと、普通の指定席でも、全席に電源がありました! これは便利で
す。東海道新幹線だと、窓際の席だけですよね(グリーンには全席に
ありますが)。
これからの改善に期待したいのが、ネット接続。トンネルではネット
がつながらないので、そこはちょっと不便でした。東海道新幹線だと
かなりの区間でつながりますから。
いずれにせよ、これだけ速くなったのはすごく便利です!
ちなみに……日向実直くん(白ネコ本の主人公)の実家がある場所の
近くにも、北陸新幹線の駅ができました。智ちゃんと一緒に実家に行
くようなことがもしあれば、行きやすくなったでしょうね。
●今日のiPod Tune:雨が楽しみになる歌 2015
今年は、梅雨らしい梅雨というか、雨が多いですね……
青空が懐かしいです……が、そんなことを言っていてもしょうがない
ので、楽しんでしまいましょう!
毎年恒例の、「雨が楽しみになる歌」!
雨のときは、いつもひとりぼっち、という感じがします。
というわけで、今日の曲は……
○We're All Alone by Boz Scaggs
Rita Coolidgeが、77年に大ヒットさせて有名になりましたが、原
曲はBoz。私はリアルタイムでは聴いておらず、Bozバージョンの方を
先に知りました。彼の代表曲の1つになっていますね。
雨だれを連想させる美しいピアノから、甘い歌声で始まるバラード。
「おお、おとなの曲〜」という感じです。
雨の夜、心安らかに過ごしたいときにぴったりの曲♪
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「インド人を右に」とレスするたびに右に動いていくスレ
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1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 14:05:17.71
ID:yDRFQxCW0┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓┃ ┃┣
11 年前
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