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2014年8月22日金曜日

売れたま!特別編Vol.288 2014/08/21 夏休み特別号:常識を疑え! 3

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 ■■■■■__夏休み特別号:常識を疑え! 3__■■■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●まず疑うべきは、自分。自分の常識とお客様の常識に乖離がないか
 「疑問」を投げかけよう


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◆夏休み特別号 常識を疑え!
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夏真っ盛り! お盆休み!

夏は毎年、この特集の季節。あの本の登場人物たちが大騒ぎ!


「新人OL〜シリーズ」の登場人物
・売多真子:イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」社長
・売多勝 :売多真子の親戚 コンサルティング会社経営
・上原望 :売多真子の同僚「そーれ・しちりあーの」役員

「経営戦略虎の巻 CD」付属小説の登場人物
・松井恵利:売多真子の友人 果物ジュース・ケーキショップ店長


○入門書:「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」佐藤義典
http://ow.ly/qBY9o
売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!

○戦略書:「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典
http://ow.ly/6s63d
真子が社長になり競合と戦う戦略構築〜実行プロセスを、物語で体感



●常識を疑え!

このシリーズは、気楽にお読みいただけるシリーズです。


私たちは、私たちの「考え方」に基づいて「行動」します。

そしてその「考え方」は、ある種の「前提」の元に構成されます。

そしてその考え方の「全体」が間違っていれば、「考え方」が間違っ
ているものになり、そして「行動」も間違ったものになります。


私たちの考え方の「前提」は果たして正しいのでしょうか?


このシリーズは、多分5〜7回くらいになると思います。

では、「常識を疑え!」シリーズ、気楽にお楽しみください!



●ここまでのあらすじ

イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」の社長「売多真子」
(うれた・まこ)と役員「上原望」(うえはら・のぞみ)、真子の友
人「松井恵利」(まつい・えり)は、真子の親戚にしてコンサルタン
トの「売多勝」(うれた・まさる)と勉強会を兼ねた「合宿」。

8月の初旬、4人の向かう先は、高原のペンション。新幹線の中で、
そしてペンションに着いても、勝の「講義」が続く。



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◆まずは、前号の復習から!
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高原のログハウスのペンションでの夜。いくつかあるダイニングテー
ブルは、ほとんど埋まっている。どのテーブル無も夕食の真っ最中。

オーナーがせわしなくお皿を下げては食事を出し、と早足で歩き回っ
ている。

真子たち4人も大騒ぎしながら食事中だ。

オーナーがパタパタとスリッパの音と共に、2品目を持ってくる。

白いお皿にのった、黄色い三角形とグラス。

「あい、それキッシュだ!」 真子が騒ぐ。

「はい、うちの畑で取れた夏野菜のキッシュです。それと、インゲン
 豆のムースにミニトマトを載せてみました。ではどうぞ」

早速めいめいがお皿に手を伸ばす。

「このキッシュ、ズッキーニだね。うちの畑で取れた、って言ってた
 よね」
「ズッキーニはキューリと同じで、たくさん取れるみたいだぞ」
「こういうところでも、作れるんだねー」

「このインゲン豆のムースもおいしい!」
「どれどれ……うわ、ホントだ。うまい。オレ、インゲン豆ってあん
 まり好きじゃ無いけど、コレはいいわ……」
「色もすっごいキレイな緑色だよね。赤いトマトとの対比も鮮やか」
「うん! 色がキレイだと、おいしそうに見えるよね!」
「ホント、1口1口しっかり味わって食べたい味だよね」


ふと外を見ると、いつの間にかもう真っ暗になっている。食事を始め
たときには、まだ外は明るかったはずだ。

そんな話をしていると、3品目が運ばれてくる。「トウモロコシのス
ープ」だ。鮮やかな黄色をしている。

「オーナー、これも『うちの畑』で採れたんですか?」
「いえ、昔は作ってたんですが、やめちゃったんですよ……」
「へえ、トウモロコシは難しいんですか?」
「いえ、できるはできるんですが、アナグマとかカラスにやられちゃ
 うんですよね、トウモロコシは」
「あ、アナグマ? そんなの出るんだ……」
「ええ、自然豊かなところですから、ははは」


さっそく「トウモロコシのスープ」をいただく一同。

「あ、あっまーい!」
「ホントだな……きっと採れたてなんだろうな。夏の恵みだよな」
「あ、そっか、夏だからか……ね、冬はどんな料理が出るの?」
「覚えてないけど、冬だってうまいよ、フツーに」

「次は、魚かな?」
「多分そう。少し時間が空くだろうから、そろそろ始めるぞ」
「はーい」


恵利:復習ですよね。今回のシリーズは「常識を疑え!」。「常識を
   疑う」ための仮説をどう作るか、を考えました。


恵利が、キレイにまとめられたノートを見せる


○PDS(仮説検証サイクル)

 Plan:仮説を考える
 Do  :実行してみる
 See :その結果を確かめ、Pに戻る


○QED(仮説発見サイクル)

 Q:疑問 Question   常識などに対して疑問を持つ
 E:検証 Examination その疑問を検証する
 D:発見 Discovery  その検証結果からの学びを考える


恵利:Q.E.Dは、数学の「証明終了」の意味ですよね。

勝 :そうだな。QEDは、PDSの「P」の話。仮説をどう考えて
   いけばいいか、は意外に難しい。

真子:前回の事例も面白かったよね、クリーニング屋さんの、「翌日
   渡し」が常識だと思ってたら……

望 :「お客様は、お客様の欲しいときに欲しいのであって、早く欲
   しいのではない」っていうのは、本質的な話だよね。

真子:ホントそう。

恵利:だから、「検証」で考えるべきは、「それはお客様にとっては
   事実なのか」ということなんだよね。

望 :気をつけないと、つい忘れちゃうね。

勝 :「お客様は、お客様が欲しいものが欲しいのであって、私たち
    が良いと思うモノが欲しいのではない」ってことだ。

真子:当たり前っちゃー当たり前なんだけど、それはホント難しいこ
   とだよね。



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◆一番疑わなければならないのは「自分」
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勝 :「常識を疑え!」っていうのが今のテーマだよな。

真子:わかってるけど?

勝 :それで、一番疑わなければならないのは、誰だと思う?

真子:誰? 「人」なの? 常識じゃなくて?

勝 :そうだよ。「常識」っていう実体があるわけじゃなくて、その
   「常識」を信じている「人」がいるわけだろ?

望 :あ、なるほど、そうですよね。みんなが信じるから「常識」に
   なるんですもんね。

勝 :そうだよな。で、一番疑わなきゃいけない「人」は?

真子:だから、「常識を信じている人たち」じゃないの?

勝 :だから、それは誰だ、っつってんだよ。

真子:「業界の人」……じゃ答えになってないよね、きっと。ねー、
   ヒントくださーーーい!

勝 :自分から一番近くて、一番遠い人。自分が一番わかっているよ
   うで、実は一番わかっていない人。

望 :あ……「自分」じゃないですか?

勝 :ピンポンピンポンピンポーン! せーかい!!

真子:えー……「自分」なの? 何で?

望 :私、わかります。私自身が「常識」に囚われて、勝さんに怒ら
   れましたよね?*

*「新人OL、社長になって会社を立て直す」=「売れる会社のすご
 い仕組み」


真子:自分を疑うなんて、納得いかない。

恵利:真子は、自分に自信があるからよ。

真子:えー、そんなことないよ!

望 :そんなことあるわよ。真子ちゃん、すっごい自信家だよ? 自
   分で気づいてないかもしれないけど。

真子:そんなことないってば!

勝 :だからだよ。自分のことは、自分が一番わかってない。だから
   「自分」が一番疑わなきゃいけない人なんだってば。

真子:ま、勝さんだって相当自信家じゃん! 私なんか比べものにな
   らないくらい!

勝 :自覚はあるぜ。だから「自分を疑え」っていう命題に行き着く
   わけだ。常に自分を疑ってる人は、そんなこと言わないからな

真子:うっわー、すっごい開き直りだ。

勝 :だから、自分に自信がある人ほど自分を疑わないと、「思い込
   みのワナ」にはまるんだよ。

真子:う……

勝 :オレのパソコンのデスクトップ、見るか?

真子:え?


勝がノートパソコンを操作し、デスクトップの画面を出した。


ある漫画のスキャン画像が表示されており、そこには

「本 当 に そ う か ?」

という主人公の問いかけがあった。

真子:な、何コレ? 「本当にそうか?」

勝 :だから自分への戒め。「本当にそうか?」って、この画面を見
   る度に自分に問いかける。

真子:え、ええ? 自信家の勝さんが?

勝 :自信家「だから」だよ。考えを止めた瞬間に、その考えも自分
   も、進化を止める。だから「本当にそうか?」って自問する。

真子:そ、そーなんだー。

勝 :この漫画のこのページを見たとき、しばらくこの言葉をじーっ
   と見つめてたよ。

望 :それで「本当にその常識は正しいのか?」っていう「疑問」に
   つながるわけですよね。

勝 :そう。実は本当に疑わなきゃいけないのは「常識」より、「常
   識を信じてしまってる自分」なんだよな。

望 :自分が常識に染まってたら、「疑問」が出てこないですもんね

真子:う……でもさー、勝さん、いつも「自分に自信持て」とか言っ
   てなかった?

勝 :そうなんだけど、それは「努力は裏切らない」みたいな話にお
   いて、だよな。自分のしてきたことを信じる、ってことだ。

真子:じゃ、じゃあ「本当にそうか?」って自問して、どうすんの?

勝 :どうすると思う? っていうか、前回何やったんだよ……

望 :あ! QEDだ!

勝 :せーかい! 

恵利:な、なるほどぉ……これですよね。


 Q:疑問 Question   常識などに対して疑問を持つ
 E:検証 Examination その疑問を検証する
 D:発見 Discovery  その検証結果からの学びを考える


望 :本当にそうか? って自問して、そこで「E:検証」するんで
   すね?

勝 :そう。「盲目的に自分を疑え」って言ってるわけでも、「盲目
   的に自分を信じろ」って言ってるわけでもない。

恵利:「検証しろ。証拠を探せ」ということですね。

勝 :そう。それも客観的に。「自分が見たいモノを見る」んじゃな
   くて、「自分を反証する」ことも含めて、検証する。

真子:ま、勝さん、そんなことやってるの?

勝 :一応、な。今ここで言ってることだって、「本当にそうか?」
   って考えたものだぜ。後で修正するかもしれないけどさ。

真子:そ、そーなんだ……



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◆「自分の常識」と「お客様の常識」は違う。「思い込み」を疑え!
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勝 :じゃ、事例を見てみようか。これ、な。


勝がノートパソコンを操作し、真子達に向ける。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇『カルビーは日本の高度成長と共に大きくなってきた』『伊藤秀二
 社長にその狙いを聞いた。(聞き手は編集委員 田中陽)』


◇『「我々はユニットプライス(単位価格)で価格とボリュームのバ
 ランスをとってきたのですが、お客様はそうは見ていませんでし
 た。『大きな袋はいやだからもっと小さくしてほしい』という声を
 多くもらうようになりました。小袋をつなげた商品を出すと反応は
 極めてよかった」』

2010/11/14, 日経MJ P.3

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:ね、「小袋をつなげた商品」ってどーゆーのかな?

勝 :こういうのじゃないか? 4連のやつ。

http://www.calbee.co.jp/newsrelease/070808b.php

真子:あ、これかこれか。見たことある。

望 :これ、「グラム当たり価格」でカルビーは考えて来た、ってい
   うことだよね?

恵利:でも、お客様には関係なかったと……

勝 :オレはカルビーのポテトチップの「うすしお」が好きなんだけ
   ど、買うときグラム当たり価格計算するぜ。

真子:そ、そーなの?

勝 :あれさー、カルビーのうすしおのPBもあってさ、結構微妙だ
   ったりするんだよ。少しずつ量が違ってたりして。

真子:でも、そういうことじゃなかった、って話でしょ? 大容量の
   買って開けたら、しけっちゃうじゃん。

望 :そーだよね。1つずつに切って、持ち運べるのもいいよね。例
   えば今回みたいなときに。

真子:あと、開けると一気に食べちゃうから、小分けにしてくれた方
   がいい。「次の一袋はガマンしよう」って思えるから。

恵利:正確に言うとさ、「しけっちゃうから、っていうのを言い訳に
   して、一気に食べちゃう自分がイヤ」なんでしょ?

真子:え、恵利、なんてこと言うのよ……図星だけど、きゃははは。

勝 :だから、そういう話なんだろ。「グラムあたり単価」だけがお
   客様の選択基準じゃなかった、って話だ。

望 :えっと、今回の流れに戻すと、「自分たちを疑った」っていう
   ことですよね?

勝 :あー、そうそう。そういうこと。「お客様は、グラム当たり単
   価がオトクな方がいいに決まってる」っていう「思い込み」

恵利:「思い込み」……あ、「自分の思い込み」だから、自分を疑え
   ということですよね。

勝 :そう。その「思い込み」をキチンと言うと、「自分の常識」と
   「お客様の常識」との乖離。

望 :「自分の常識」に囚われちゃうと、そもそも「検証しよう」と
   いうことにすらなりませんよね。

真子:な、なるほど……だから自信家はダメなのか……

恵利:「自信家はダメ」なんて勝さんは言ってないでしょ、検証しよ
   うって考えよう、でしょ。

勝 :そう。カルビーの「グラム当たり単価」こそ、「本当にそう
   か?」って考えるべき。カルビーはそれを自問したんだろうな

望 :ちょっとこういうこと言うのも何なんですけど……

真子:なになに?

望 :シフォンケーキってあるじゃないですか?

勝 :あ、わかった。大きいように見えるけど、実は……

望 :わー、ダメですダメです、先に行かないでください……

勝 :あ、ごめんごめん。

望 :シフォンケーキって、大きいんですけど、っていうか、大きい
   ように見えるんですけど……実は軽くって……

恵利:あ、うん、言いにくいよね。原材料費が……ってことだよね。

望 :そうなの。

真子:でもさー、原価と価値は関係ないじゃん。って勝さんの受け売
   りだけどさー。

望 :だから、そういうことなんだよね。軽くて、原価が安いとかい
   うことじゃなくて……

恵利:軽くて食べやすいし、カロリーも低いんじゃないの?

望 :そういう、弱みは強み、みたいなのもある意味で「思い込み」
   を打破する発想なのかな、って。

勝 :そういうこと。そんなこと言い出したら、コナモンの原価は安
   いとかってキリがないぞ。

望 :はい、ですからそういう「思い込み」が危ないから気をつけな
   いといけないんですよね。

勝 :そうだね。



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◆「新しいこと」には「違和感」を感じる
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勝 :「自分の常識」に従ってると、新しいものができない。行動が
   マンネリ化しちゃうから。


勝が、再びノートパソコンを操作し、真子達に向ける。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇『栗山米菓(新潟市)が2012年9月に発売した米菓「間食健
 美」シリーズの販売が好調だ。健康機器メーカーのタニタ(東京・
 板橋)が運営する「タニタ食堂」の監修をうけて開発した。米の生
 地におからを練りこんだ硬めの食感が特徴で、よくかむことで食べ
 すぎを防ぐという』


◇『栗山米菓によると、米菓をよく購入するのは50〜60代の消費
 者が中心。なじみのない商品に手を伸ばす人が少なく新商品が育ち
 にくいという。ここ数年、市場では定番品をベースに、味を変えた
 商品が相次いで発売される傾向が続いていた』


◇『新ブランドを投入するにあたって目をつけたのは、既存の売れ筋
 米菓には健康に配慮した商品が見当たらないことだった』『太るこ
 とを気にして間食を控えている人でも抵抗なく食べられるせんべい
 を作りたいと考えた同社は、健康的なメニューで人気のあるタニタ
 食堂に協力を依頼。既存の米菓にはなかった「食べ過ぎを防ぐ」と
 いうコンセプトのもと新商品を作り上げた。もともと菓子は一つ食
 べたらすぐ次も手を出してもらえるような商品作りが基本。「食べ
 過ぎ防止という発想は衝撃的だった」(同社)』


◇『タニタのOKが出るまで何度も試作を重ねたという味つけは、既
 存の米菓と比較するとかなりあっさりとした仕上がり。「当初は本
 当に売れるのか不安だった」(栗山米菓)が、蓋を開けてみると、
 発売後約3カ月で300万袋(ブランド全体)を売り上げる結果と
 なった』


2013/06/03 日経MJ P.2

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


恵利:栗山米菓が、あのタニタと組んで新商品を出したんですね。

望 :「食べ過ぎ防止」というタニタの発想は、栗山米菓にとっては
   「衝撃的」だったのね。

真子:まーそりゃそーだよね。お菓子なんか、パクパク、続けて食べ
   てもらってナンボだよね、って思うよね。

望 :やっぱり「業界常識」であり、それを信じていた「自分」に囚
   われてしまっていたんですね。

勝 :その「常識」に「疑問」を呈したのが「その業界のプロではな
   い会社」であるタニタだ、というのがすごく示唆的。

真子:やっぱり「業界常識」に染まっちゃうんだね……

恵利:でも、その「衝撃的」な発想にのっとった商品を作るんだから
   栗山米菓もすごいですよね。

勝 :そう! それを否定しないで、やってみたらヒット商品になっ
   た。多分、相当「違和感」があったと思う。

真子:「違和感」?

勝 :だって、今までやってなかったことをやったんだから、色々な
   意味での「違和感」があるだろ。味が薄いとかさ。

真子:あ、今までと違うから、か……

勝 :そう。「成長」には「違和感」が必要。今までにやってなかっ
   たことをやるわけだから、当然「違和感」がある。

望 :なるほど、「成長に必要な違和感」……

勝 :スキーなんかもそうだよな。うまくなるのに必要な新しい動き
   は、今までと違うわけだから「違和感」がある。

真子:あ、確かにそうだそうだ。「なんか違うなあ」って感じだよね

勝 :オレ、スキーの先生に、ブーツが緩すぎるって言われて……

真子:言われて?

勝 :先生のブーツをムリヤリ履かされた。痛い、合わない、イヤだ
   って抵抗したけど、いいから履け、って。で、滑ってみた。

望 :それでどうだったんですか?

勝 :先生のおっしゃりたかったことがわかった。違和感どころか、
   すごい痛かったんだけど、スキーの動きが全然違った。

真子:へー、そんなことあったんだぁ。

勝 :だから、先生の言うことは聞くもんだ、と思ったよ。

望 :あ、あの……私も……最初は勝さんのおっしゃることに「違和
   感」があって……

勝 :あー、望ちゃん、あからさまにそういう顔してたよね。門外漢
   が何言ってんだ、っていう……

望 :あ、い、いえ、すみません、もちろん今は違うんですけど……
   その「違和感」がやっぱり必要だったんですよね。

勝 :そう。その違和感を否定すると、何が起きる?

真子:何が起きるの?

勝 :「何も起きない」。悪い意味で。

真子:へ?

勝 :だからさ、さっきの栗山米菓も新商品がなかなか育たなかった
   わけだろ? つまり「何も起きない」んだよ。

望 :なるほど、「違和感」を否定して、新しいことをしないから、
   「何も起きない」んですね……

真子:そりゃ、今と同じことやってたら、同じことしか起きないよね

勝 :そう! それ! スキーもそうだろ? 今と同じ動きしてたら
   今よりうまくなるはずがない。

恵利:だから、自分が「違和感」を感じるような「疑問」を投げかけ
   る必要があるわけですね……

勝 :そうそう。

真子:でもさー、「自分を疑え」とか、「違和感」、とか、そういう
   「自己否定」ってツライよねぇ……

勝 :違う違う、「自己否定」じゃないぞ。自分を信じてるからこそ
   それまでの自分を捨てられるんだぞ。

真子:え?

勝 :なんて言うのかな、自分を本質的に信じて飛び込んで行くんだ
   よな、自分を否定する世界に。変な言い方だけどさ。

真子:うーん……恵利、わかる?

恵利:ううん……私も……望ちゃんは?

望 :ちょ、ちょっと……私も……

勝 :何言ってんだ、3人ともそうやって来ただろ。真子なんか、い
   きなり社長だろ。望ちゃんも、今までと全然違う経営の仕事。

真子:あ、た、確かに。確かに自分を信じて飛び込んだ感じだ。

望 :そ、そう言えば私も。

恵利:それなら、私も今の仕事についたときは、そんな感じでした。

勝 :そうでしょ? オレだってそうだ。別に独立するとか、そんな
   大仰にしなくても、普段の仕事だってそうだぜ。

真子:あー、そういう意味は、清川さん*がそうだね。今までの自分
   の「常識」を否定されて怒ってたけど、最終的には進化した。

*真子が社長を勤めるそーれ・しちりあーののシェフ

望 :うん。みんな「違和感」を受け入れて成長したんだね……



その一瞬、4人のテーブルに静寂が訪れる。

4人それぞれが、自分たちの成長過程を振り返って、少しの間、感慨
に耽っていた。


その静寂を破って、オーナーがパタパタパタというスリッパの音を響
かせて真子達のテーブルに来た。


「お待たせしましたー、今日の魚料理は、焼き魚になります。鯛に、
 名古屋の赤味噌と信州味噌を合わせてみました」

「きゃあああー、やっと来たぁ」
「真子ちゃん、やっと来た、とか言わないの。失礼よ」
「あ、す、すみません……」
「いえ、お待たせしてすみません。ハシでお召し上がりください。あ
 と、勝さんにはご飯もお持ちしました」
「あ、ありがとうございまーす」


「大根が添えてあるな……あ、この大根、ダシが染みてる。すごいカ
 ツオの味がする。和風料理だな」
「合わせ味噌も面白いね……うちでもこういうのやる? ペペロンチ
 ーノに別のソース合わせる、とかさ、きゃははは」
「ま、真子ちゃん、そ、それはさすがに……」
「何よ、常識を疑え、っていうテーマなんだから!」

「あのな、突飛なことやろう、って言ってないぞ。お客様の常識に従
 え、っつってんだぞ」
「い、いーじゃん、ペペロンチーノにミートソース」
「まあやってみろ」

再びオーナーがお皿を持って洗われる。

「次は、手作り豆腐になります」

まだ魚を食べ終わってない真子達の前に、もう1品加わる。

「魚にお豆腐かあ……和食だねえ……」
「別にうまけりゃ何でもいいけどな」
「このお豆腐、やさしいお味だね」

「まだ次、お肉があるんだよね? すごいボリュームだ」
「食事だけで、数千円以上の価値はあるよな」
「うん、そう考えると、宿泊費もオトク♪」


家族連れのテーブルから、赤ちゃんの元気の良い声が聞こえてくる。
ぱぱぱぱ、あうううと言っているように聞こえる。

「赤ちゃん、元気だねー」
「赤ちゃんが一番常識にとらわれない存在だよな。そもそも常識がな
 いわけだからさ」
「常識がない、っていう意味では勝さんも一緒だよねー、きゃはは」
「オマエに言われたくないが、それは褒め言葉だよな」


ガラス窓には、光に吸い寄せられた生き物たちが多く集まってきてい
る。

真夏の夜は、まだ始まったばかりだ。



(次号に続きます)



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◆今日のまとめ
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●まず疑うべきは、自分。自分の常識とお客様の常識に乖離がないか
 「疑問」を投げかけよう


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▼今日の日記▲

真夏は、「氷」をたくさん使いますよね。エスプレッソを冷やしてア
イスコーヒーにしたり、かき氷作ったり、麦茶に入れたり……

オフィスでも、家でも、氷がいくらあっても足りません。

そのたくさん使う夏には、冷凍庫があまり冷えず、氷ができるのに時
間がかかる、というのは人生の皮肉。

そもそも、製氷皿に水を入れて、氷にして、その氷をわざわざ製氷皿
から出して……というのは、あまり生産的ではありません。

ということで、夜に大きめの金属のコップに水を入れて凍らせて、そ
の氷を1日使うことにしました。

300ml以上入る大きなコップで、もともとはカプチーノ用の豆乳
をスチームするためのものです。ちなみに100円ショップで買った
ものです。

で、朝一番はそれにお茶を入れて冷やして飲み、残った氷を水ですす
いで少し水を足して冷凍庫に戻し、次はそれにエスプレッソを入れて
アイスにして……次はそれに麦茶を入れて飲んで、すすいで……

とやっていくと、ちょうど1日分がもつくらいです。

何より、水を入れて冷凍庫に置いておけばいいだけなので、ラクでい
いです。


あ、金属のコップじゃないと、割れますよ。氷が溶けて、コップから
剥がれるときに、「ばきぃいい!」というすごい音がします。相当な
力がかかるんでしょうね。

100円の金属コップが大活躍中です。



●今日のiPod Tune:夏に似合うホットな歌 2014

お盆! 夏休み!

ということで、恒例のこのシリーズ!


夏は、海風、南風! 熱い風が吹き付けます。


ということで、今日の曲は……


○サザン・ウィンド by 中森明菜


1984年リリース、オリコン1位のヒット曲。

なんとなく、暑い国を思わせるメロディ。今思うと、かなり冒険的な
曲作りのような感じがします。

当時よりも、熱帯夜が続く現代にむしろぴったりの曲ですね。

足の裏が熱くて耐えられない、そんな砂浜で聴きたい曲♪



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