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2013年8月12日月曜日

売れたま!特別編Vol.239 2013/08/12 夏休み特別号:BASiCSで商品開発 2

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━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.239(累計1041) 2013/08/12
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 ■■■__夏休み特別号:BASiCSで商品開発 2__■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●ITESTのIは「アイディア発想」。発想の源泉は「顧客」「自
 社」「他業界」の3つ。


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◆夏休み特別号! BASiCSで商品開発!
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夏真っ盛り! 恒例の夏休み特別号は、あの本の登場人物に……

「新人OL〜シリーズ」の登場人物
・売多真子:イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」社長
・売多勝 :売多真子の親戚 コンサルティング会社経営
・上原望 :売多真子の同僚「そーれ・しちりあーの」役員

「経営戦略虎の巻 CD」付属小説の登場人物
・松井恵利:売多真子の友人 果物ジュース・ケーキショップ店長


○入門書:「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」佐藤義典
http://ow.ly/89pSR
売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!

○戦略書:「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典
http://ow.ly/6s63d
真子が社長になり競合と戦う戦略構築〜実行プロセスを、物語で体感



●「BASiCSで商品開発」編

今回の特集は、「商品開発」! 多くの方が悩むところです。

・どんな製品を作れば売れるのか?
・どんなサービスを企画すれば人気が出るのか?

ポイントはもちろん、BASiCS!

このシリーズはどのくらいの長さになるかは、現時点ではわかりませ
ん。気長にお楽しみください。



●ここまでのあらすじ

イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」の社長「売多真子」
(うれた・まこ)と役員「上原望」(うえはら・のぞみ)、真子の友
人「松井恵利」(まつい・えり)は、真子の親戚にしてコンサルタン
トの「売多勝」(うれた・まさる)の「1人合宿」についてきた。

8月の初旬、4人の向かう先は、高原のペンション。4人は長野行き
の新幹線に乗り込み、4人席で早速勝の「講義」が始まった。



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◆まずは、前号の復習から!
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真子たちが座る車両に、車内販売のカートがやってくる。

「あ、車内販売だ。コーヒー買おうっと」

真子がめざとく見つけるが、しかしカートは混雑する車内のあちこち
で呼び止められ、真子たちのボックスに来るまでに時間がかかる。よ
うやく真子たちの席に来ると、真子が販売員を呼び止める。

「すいませーん、アイスコーヒー2つ」
「オマエ、2つも飲むの?」
「1つは勝さんのだよ。飲むよね? おごってあ、げ、る♪」
「へー、たまには気が利くんだな」
「いつもだもーん。感謝してるん、だ、か、ら、ね♪」

私も、じゃあ私も、と恵利と望が続く。

4人はアイスコーヒーを手に取ると、真子が「じゃーかんぱーい」と
少しカップを持ち上げる。「かんぱーい」と他の3人も続いた。

「何にカンパイだよ……」
「美女3人に囲まれてデレデレしてる勝さんに」
「はいはい……」


勝がアイスコーヒーのストローに口をつけると、あっと今に黒い液体
が吸い上げられていく。

「ふう、じゃあ再開するか……」

「はい、じゃあ復習ですよね」 すかさず恵利がノートを開く。


○商品開発のプロセス ITEST

 Idea Generation アイディア出し
 Test Marketing テストマーケティング
 Engineering   生産方法確立・生産
 Selling     上市・販売
 Tuning     市場の反応を見て改善


勝 :そうだな。前号はまずはこの紹介で終わったから、今回は1つ
   1つ見ていくことにしよう。



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◆I:アイディア出し シーズ発想 & ニーズ発想
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恵利:最初はI、Idea Generation、アイディア出しですね。

真子:「新人OL、社長になって……」*では、マインドフローとか
   売上5原則を使ったよね?


*「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典
http://ow.ly/6s63d


望 :でもあのときは、もう戦略とかがある程度決まってたときだよ
   ね? 新商品開発でもそれでいいのかな?

勝 :さすが望ちゃん。マインドフローとかでは、戦術のアイディア
   は出せるけど、新商品のネタは出しにくいだろ。

真子:あ、そっか……じゃあ、どうするの?

勝 :だから、アイディアを出す方法を考えるんだよ。何がある?

望 :良いか悪いかはともかく、今私たちがやってるような、「私た
   ちがいいと思うモノを作る」というのはありますよね?

勝 :そうだね。まさに「良くも悪くも」なんだけど、その意味はあ
   とで。

真子:そっか、「作りたいモノを作る」みたいな感じ、の方法か。

望 :あと、「技術」から入る場合もあるんじゃないですか? うち
   の店でもシェフが「腕の良さを見せたいから」みたいな……

勝 :そうそう。「技術ありき」の商品開発もある。ここまでのアプ
   ローチの共通点は何?

恵利:えっと「自分が作りたい」とか「技術があるから」というアプ
   ローチは……両方とも、発想のモトは「自分」ですよね?

勝 :そう!! 「自分からの発想」。とりあえず「シーズ発想」と
   呼んでおく。それに対しては……何がある?

真子:「シーズ発想」に対して、だよね?

望 :「シーズ発想」に対して、「ニーズ発想」じゃないですか?
   「お客様の欲しいモノを作る」という意味で……

勝 :そう!! 厳密に言えば、シーズ発想でも「お客様の欲しいモ
   ノを作る」んだけどさ。

望 :え? あ、な、なるほど……

恵利:発想のモトが「自分」か、「顧客」か、ですよね? シーズ発
   想はモトが「自分」で、ニーズ発想はモトが「お客様」。

勝 :せーかい。さすが恵利ちゃん。

真子:さすが恵利ちゃんはいいけど、ニーズ発想の方がいい、ってこ
   とだよね? お客様の欲しいものを作る方が?

勝 :んーとな……どう思う?

恵利:私もそう思いました。やっぱりニーズから入らないと売れない
   んじゃないですか?

望 :でも、シェフが作りたいモノを作って、人気になるときもある
   わよ? もちろん「外れ」も多いんだけど……

勝 :そうなんだよな。作りたいモノを作って、当たることもあるか
   らな。

真子:じゃあどっちでもいいってこと?

勝 :あせるなよ。とりあえずまとめよう。はい、恵利ちゃん。

恵利:はい、こうですよね。


○2つの発想の方法

1)シーズ発想:持つ技術、自分が欲しいもの、など起点が「自分」
2)ニーズ発想:お客様の欲しいものを作る、と起点が「お客様」


勝 :そうそう。

望 :なるほど、真子と恵利ちゃんの役割分担はこうなってるのね。
   ふふふ、わかりやすいね。

真子:そうそう。ノートを取るのは恵利。

勝 :違うだろ、オマエもノート取るんだよ。

望 :真子ちゃんの役割は「食べること」だよね?

真子:あー、望ちゃんまでそーゆーこと言うんだ……せっかく連れて
   あげたのに。

恵利:真子じゃなくて、勝さんがいいっておっしゃったからでしょ。

真子:ふーんだ、2人して。でも真子には勝さんがいればいーの♪

勝 :オレはお断りだ。ともかく先に進むぞ。



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◆シーズ発想VSニーズ発想
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勝 :で、そのシーズ発想とニーズ発想のどっちがいいか、って話だ
   けど、実はデータが出てる。

望 :え、そうなんですか?

勝 :うん。中小企業白書に載ってたデータなんだけどね。これ。


勝が3人にノートパソコンの画面を向ける。



○経営革新のアイデアの源泉とその成果

              目的を達成した  企業成長率の
              企業の割合    標準偏差

顧客・取引先の要望、提案    4.4%     0.8
顧客の行動から察知       7.4%     0.7
競合他社の動き        −0.5%     1.1
一般的な市場の動向      −3.7%     0.8
代表者の個人的なアイデア   −6.6%     1.4
研究機関、大学などの研究成果 −23.4%    0.3

www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h17/hakusho/html/
17212150.html




勝 :ここでいう「経営革新」に、新商品開発が含まれる。正確には
   以下のことね。

 新しい商品の仕入又は生産
 新しい技術・ノウハウの開発
 新しい販売方式の導入
 新分野進出、多角化
 事業転換


真子:なんか新しいことをやるってことね。

勝 :そう。これを発想のネタ毎にまとめると、こんな感じだよな。


              目的を達成した  企業成長率の
              企業の割合    標準偏差

○ニーズ発想

顧客・取引先の要望、提案    4.4%     0.8
顧客の行動から察知       7.4%     0.7


○競合発想

競合他社の動き        −0.5%     1.1
一般的な市場の動向      −3.7%     0.8


○シーズ発想

代表者の個人的なアイデア   −6.6%     1.4
研究機関、大学などの研究成果 −23.4%    0.3



真子:えっと、「顧客・取引先の要望、提案」と「顧客の行動から察
   知」が、「目的を達成した企業の割合」が高いから……

望 :やっぱり、「顧客起点」の「ニーズ発想」の方がいい、という
   ことになりますよね?

勝 :「目的を達成した企業の割合」すなわち「成功率」という観点
   で言えば、ニーズ発想の方が高いけど……

恵利:この右側の「企業成長率の標準偏差」というのは何ですか?

勝 :「標準偏差」っていうのはバラツキの大きさ。「代表者の個人
   的なアイデア」だと、その「バラツキ」が一番大きい。

恵利:つまり、「成長する企業はすごく成長するし、しない企業は全
   然ダメ」ということでしょうか?

勝 :まあ平たく言えばそういうこと。この中小企業白書のコメント
   がわかりやすいな。


「つまり、顧客重視型の経営革新は、元々顧客に受け入れられること
を目的としていることから、比較的経営革新の効果は現れやすく、目
的を達成する可能性は高いが、その成果は顧客の要求水準に留まる範
囲にしか達し得ない。

 一方で、経営者の独創的なアイデアで、顧客の要求水準を超えた経
営革新を行う企業は、顧客重視型に比べて目的を達成する可能性は低
い代わりに、成功したときの成果は非常に大きい」

www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h17/hakusho/html/
17212150.html



望 :なるほど! 「お客様からの発想」だと、成功しやすいけど、
   冒険はしないから大当たりはしない……

恵利:それで、「自分が作りたいモノを作る」は、お客様から発想し
   ないから失敗しやすいけど……

真子:当たれば大きい!

勝 :だから、「良くも悪くも」なんだよな。三振かホームランか、
   みたいな感じだな。

恵利:それって、多分競合がやってないから、とかそういうこともあ
   りそうですよね? 「競合発想」はあまり良くなさそうで……

勝 :鋭い。さっきのデータはどうなってる?

恵利:ええ、「競合発想」だと、成功率も低いし、バラツキも大きく
   ないので……

真子:あ、ホントだー。でもさー、発想の方法としては、2つじゃな
   くて3つあるんだよね? 良し悪しはともかく。

勝 :実はそう。「ニーズ」「シーズ」「競合」という、3つの発想
   のモトがある。次は、この「競合」の話。



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◆「競合に笑われるようなこと」をしよう!
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勝 :次にこのデータを見て。売れたま!でも6年前に紹介したこと
   があるデータな。これも中小企業白書からな。

真子:6年前かあ……若かったなあ……

勝 :いいから読め。さっきの「経営革新」に沿ったデータな。


○経営革新を行っていない企業の企業成長率を0とした時の企業成長
 率

 業界内では全く行われていない新たな取組  17.3%
 一部の中小企業のみで行われている取組    9.6%
 大企業のみで行われている取組        6.4%
 広く普及している取組            3.3%


資料:中小企業金融公庫「経営環境実態調査」(2004年11月)
注1.1998年以降に経営革新に取り組んだ企業の企業成長率の平均値
   を比較している。
注2.企業成長率
   =(2004年従業員数-1998年従業員数)/1998年従業員数
注3.F値3.97、1%有意水準で、これらの取組の間に企業成長率の
   違いがみられる。

www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h17/hakusho/html/
17212130.html



勝 :この数字は、そう言った取組をすると、やらない企業と比べて
   どれくらい成長率が高いか、ってこと。

望 :この「業界内では全く行われていない新たな取組」が圧倒的に
   成長率が高くなるんですね。

恵利:「業界内では全く行われていない」ですから、競合が誰もやっ
   ていない取組が効果的、ということですよね。

勝 :そう! それがポイント。「みんなやってるから」という商品
   開発は、意味が無い。

恵利:「広く普及している取組」ですと、3.3%と、一番低い……
   差別化できないから、ですね。

真子:やっぱり、「誰もやってないこと」をやるのがいいんだね!

勝 :そう。競合の後追いだと、差別化できない。

真子:「自社にとっては」新しいかもしれないけど、お客様にとって
   は、「既にあるもの」なんだもんね。

勝 :まさにそういうこと。でさ、「業界内では」全く行われていな
   い、だぞ。「業界内」では、だからな。「業界内」では、だぞ

真子:「業界内では」? だから……?

恵利:あ、「他の業界」ではやっていてもいい、ということですね。

勝 :そう! この話はまた後でやるけど、他業界から学ぶ、という
   のは「アイディアを出す」ときのセオリーだな。

望 :自分の業界だけ見ていてはダメだ、ということですか……

勝 :競合の動きは把握しておく必要はあるけど、そのままマネする
   からダメなんだよな。他業界から持ってこよう。

望 :……はい……。耳が痛いです……。

勝 :理想的なのは「競合に笑われる」ような取組、な。

恵利:え?

勝 :いや、だから「競合に笑われる」ようなの。そうすると、競合
   の反応が遅れるから。

真子:あーなるほどー。笑ってたら、マネしないもんね。

勝 :そうそう。もちろん、「突飛」なだけじゃダメで、お客様にと
   っては嬉しいことで、だけど。

恵利:そういう事例ってありますか?

勝 :結構あるよ。最近だと、ノンシリコンシャンプー。

望 :あ! 最近、ノンシリコン、すっごく人気です!

勝 :売れたま!でも2013年6月6日号でやった。大手メーカー
   がマネできないはずはないけど、追随するのが遅れた。

真子:なるほどねー。「そんなの売れない」って思ってたのかな?

勝 :そのあたりはわからないけど、「一過性のブームだ」という見
   方はあったみたいだな。

恵利:なるほどぉ……

勝 :この「ノンシリコン」って、他業界ではよく行われてる話だ。

真子:へ? そうなの? 他の業界でも、シリコン使わない、ってい
   うこと?

勝 :そうじゃなくて、「体に悪いと思われているものは使わない」
   ってことだ。シリコンが体にいいかどうかは別として、だぞ。

望 :あ! 無添加の食品とかですね!

勝 :そう! 添加物が体に良いか悪いかは横におくけど、「添加物
   不使用」みたいなのはよくあるだろ。

真子:あ、なーるほどぉ! 食品業界の「添加物不使用」は、「ノン
   シリコン」と同じなんだねー。

望 :確かに「他業界」では当たり前のようにやってることなんだね

勝 :お菓子で言えば「シュガーレス」だってそうだよな。砂糖が体
   に悪いかどうかはともかく、「歯」には良くないだろうし。

恵利:なるほど、「悪いとされているものを使わない」というところ
   まで普遍化すれば、確かに「他業界」ではよく行われてます。

望 :でも、ノンシリコンは「業界内では」新しかった、ってことで
   すね。だから、人気が出た……。

勝 :自分の業界からマネすると「パクリ」って言われる。他の業界
   からマネすると「革新的」って褒めてくれる。

望 :なるほど、「自業界」では初めてだから「革新的」なんですね

勝 :それに、他業界で既に検証されているわけでしょ? やり方と
   か成功のポイントとか……

恵利:あ、うまく行けばそれが参考になるわけですね。

勝 :そういうこと。だから、「発想のモト」として、業界内の「競
   合」を使うんじゃなくて、他業界から持ってくるのがいいな。



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◆「アイディア発想」の3つの源泉
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恵利:その「発想のモト」というのは、先ほどおっしゃられた「ニー
   ズ」「シーズ」「競合」の3つ、ということですか?

勝 :さすが、よく気づいたね。この「発想のモト」は、いわゆる
   「3C」になってるよね?

真子:あ、Customer、Company、Competitorの3つのCってヤツ?

勝 :それそれ。

望 :どういうことですか?

恵利:3C……あ……ホントだぁ! 今まとめますね。


恵利が手早くノートにまとめていくのを他の3人が見る。

○ニーズ発想 → Customer  「顧客」からの発想
○シーズ発想 → Company  「自社」からの発想
○競合発想  → Competitor 「競合」からの発想


望 :あ……ホントだ! 「発想のモト」も、元をたどればこんなに
   単純なんだ!

恵利:でも、「競合発想」は使わない方がいい、んですよね? 二番
   煎じになってしまいますから……

勝 :そうそう。だからそこを修正する。「業界内の競合」でなくて
   「他業界」にすればいい。

望 :あ、さきほどの話で、「業界内」で初めてであればいいから、
   「他業界」から持ってくるのはOK……

勝 :そう! だから、「アイディアのモト」は、「ニーズ」「シー
   ズ」、そして「他業界」という3つになる。


恵利が勝の言うことをスラスラと文字にしていく。


○「アイディア発想」の3つの源泉

1)ニーズ発想 → 「顧客」からの発想
2)シーズ発想 → 「自社」からの発想
3)他業界発想  →「他業界」からの発想


勝 :でさ、ニーズ発想、シーズ発想のそれぞれの特徴はさっきやっ
   たよな。「他業界発想」の特徴は?

真子:他業界から持ってくると、効果が大きいんでしょ? 「業界内
   では全く行われていない取組」は、一番効果が高いから。

望 :でも、自分の業界とか会社向けにアレンジしなきゃいけないか
   ら、時間とか手間はかかったりするんじゃないのかな?

恵利:うん、誰もやってないことだから、自分で切り開いていかない
   といけない。でも、他業界では既に成功してるわけだから……

真子:あ、そっか、その成功事例が参考になるんだ。

勝 :OK。じゃあここまでをまとめよう。

恵利:はい。


○「アイディア発想」の3つの源泉

1)ニーズ発想 → 「顧客」からの発想

・顧客が元々欲しいものだから成功の確率は高い
・逆に、大きなリターンは期待できない


2)シーズ発想 → 「自社」からの発想

・顧客が欲しいかどうかはわからないから成功の確率は低い。
・当たれば大きなリターンが期待できる


3)他業界発想  →「他業界」からの発想

・成功すれば「革新的」だが、自業種では初めてなので大変
・他業種に既に成功事例があるので、それが参考になる


勝 :素晴らしい。恵利ちゃんがいるといーなー。

真子:ホントだねー、きゃははは。

勝 :オマエもノート取れよ!

真子:取ってますよー。

望 :あ、あの……勝さん……

勝 :なに、望ちゃん?

望 :失礼ですけど、顧客・自社・他業界の3つ、っていう今の話の
   流れ、って最初からそうお考えになられて……

勝 :うわ、ホントに失礼だな、当たり前でしょ。だからこういう順
   番でデータ見せてるんだし……

望 :あ、す、すみません……

真子:あー、おんなじこと私が言ったら「ふざけんな!」って怒鳴り
   つけるくせにー。望ちゃんにはやさしーんだ……

勝 :当たり前だろうが。オマエに優しくしてどうする。

真子:ん? あ……そ、そっか……むふふ……

望 :ま、真子ちゃん、ど、どうしたの?

真子:いやあ……勝さんの愛情を感じるなあと思って……それって、
   親愛の情だよね? 真子だけ特別あ、つ、か、い♪

勝 :どう考えたって逆だろ。望ちゃんが特別扱いなんだ。

望 :あ、あの……私にも怒鳴っていただいて結構ですので……ダメ
   ならダメと怒られた方が有り難いです……

勝 :あ、そ、そうなの?

望 :っていうか、私、勝さんに怒鳴られたことありますよ。ネガテ
   ィブ発言ばっかり繰り返して……*
*「新人OL、社長になって……」(P.148)

勝 :あ、そういえばそうだったな……

望 :あのときの「できないとして、どうすればできるかを考えろ」
   っていう勝さんの言葉が胸にぐさっと刺さって、今でも……

真子:あー、そんなことあったねー。

望 :それで、私ももっと教えていただきたいな、と思って、今回も
   ついてこさせていただいて……ホント嬉しいです。

勝 :何だ、じゃあ最初っから来ればよかったのに。真子が望ちゃん
   に言ってなかったからだよな。

真子:だ、だって……望ちゃんが来ると勝さんが望ちゃん、望ちゃん
   ってなるじゃん……

恵利:あ、あの、私も怒鳴っていただいた方が……

勝 :え? そうなの?

恵利:は、はい……変に気を遣っていただきたくないので……真子に
   怒鳴るみたいに私にも……

勝 :そんなもんか……じゃあ遠慮無く怒鳴るか。

真子:えー、怒鳴るのは私だけにしてよー……


3人が真子を向くと、真子が冗談ではなく真剣にそう言っていること
に、どっと笑いが起きる。


真子:な、なんなのよ……

恵利:真子は勝さんに特別扱いしてほしーんだよねー。

真子:え、だ、だって、そ、それは……もともと私がアンタたちに紹
   介したんだし……ちょっとは遠慮しなさいよ。

恵利:へー、何に遠慮するっていうのかなー?

真子:そ、それは……

望 :食べ物だよねー? 大丈夫、真子ちゃんの食べ物は取らないか
   ら。


再び笑いが起きる。

勝は、カップに残っていた残りのアイスコーヒーを一気に飲み干した
かと思うと、大きな氷が残るカップに、携帯用ポットに入っていたエ
スプレッソを注ぎ始めた。


「な、何してるの?」
「見た通りだが。アイスエスプレッソにしてる」
「それ、おいしいの?」
「なんかさー、最近味があんまり気にならなくなってな……カフェイ
 ンさえ入ってれば、もう何でもいいや、って」
「きゃははは、それ、もう中毒だよねー」
「あ、そうそう。アルコールさえ入ってれば何でもいいよ、っていう
 呑んべの人の気持ちがわかってきた」

勝は、エスプレッソを加えたカップをグルグルと回して氷と混ぜると
まだ熱を持っていたエスプレッソで氷が溶ける。分量の増えたエスプ
レッソを再びグイ、と飲み干した。


(次号に続く)



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◆今日のまとめ
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●ITESTのIは「アイディア発想」。その源泉は顧客、自社、他
 業界の3つ。それぞれに一長一短がある。



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▼今日の日記▲

ついに巨人に、優勝へのマジックナンバー、点灯! 巨人の優勝マジ
ックは、今現在で、37!

ちなみに英語でも、Magic Number と言うようですね(定義は若干違
うようですが)。

この時期にマジックナンバーが点灯するのは、相当早いです。

ちょっと調べてみたら、去年は8月23日に、36試合残して、マジ
ック30が点灯していました。2位と10.5ゲーム差がついた去年
ですら8月後半だったわけですから、今年の早さがわかります。

と言っても、44試合残しての37ですから、意味がないと言えば、
そうですね。巨人が負けて2位の阪神が勝てば、すぐ消えるようなマ
ジックですから(まさに「マジック」……)。

夏は、選手の疲労もたまり、順位の変動が起きやすい(とされている
らしい)ので、まだまだ波乱がありそうです。その方が楽しめますか
ら、それもまたよし、ですね。


巨人の今の牽引車は村田修一選手ですね。前半戦、異様に得点圏打率
が低く(3塁にランナーがいたときは、安打がほぼゼロ)、色々と言
われたりしましたがここに来て絶好調。得点圏打率も3割へ。

これ、いわゆる Regression to the mean(平均への回帰)みたいな
感じですよね。さすがに得点圏打率があそこまで低いということは、
確率的にも「?」という感じでした。もちろんそれ以上の活躍を期待
してしまいます。



●今日のiPod Tune:Hot Summer Song 2013

夏休みになると、子供の頃を思い出して、「あの頃の夏休みはホント
ヒマだったなあ……」とか思ってしまいます。


ということで、今日の1曲は


○Summer of '69 by Bryan Adams


1985年、全米5位の大ヒット曲。大ヒットしたアルバム、
Recklessからの5枚目のシングルカット。このアルバム、80sロッ
クを代表するアルバムの1つですね。

B面(当時はまだレコード)の1曲目、つまりB面のオープニング曲
です。シンプルなギターとボーカルから始まり、ドラムが彩るという
シンプルでストレートなロック。

当時本当に大好きで、歌詞もまだ覚えています。こういうシンプルな
構成だからこそ、今聞いても古くないですね。

「昔の夏を懐かしむ」という歌詞なのですが、30年近くたった今と
なっては、この曲を聴いて、当時の夏を懐かしむという、二重構造に
なっています。

今から30年たっても、「30年前の夏は良かった」と思えるような
毎日を過ごしましょう!



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