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■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
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━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.239(累計1041) 2013/08/12
購読者:28,587 (まぐまぐ:16,216 メルマ!:942 めろんぱん:11,429)
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■■■__夏休み特別号:BASiCSで商品開発 2__■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●ITESTのIは「アイディア発想」。発想の源泉は「顧客」「自
社」「他業界」の3つ。
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◆夏休み特別号! BASiCSで商品開発!
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夏真っ盛り! 恒例の夏休み特別号は、あの本の登場人物に……
「新人OL〜シリーズ」の登場人物
・売多真子:イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」社長
・売多勝 :売多真子の親戚 コンサルティング会社経営
・上原望 :売多真子の同僚「そーれ・しちりあーの」役員
「経営戦略虎の巻 CD」付属小説の登場人物
・松井恵利:売多真子の友人 果物ジュース・ケーキショップ店長
○入門書:「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」佐藤義典
http://ow.ly/89pSR
売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
○戦略書:「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典
http://ow.ly/6s63d
真子が社長になり競合と戦う戦略構築〜実行プロセスを、物語で体感
●「BASiCSで商品開発」編
今回の特集は、「商品開発」! 多くの方が悩むところです。
・どんな製品を作れば売れるのか?
・どんなサービスを企画すれば人気が出るのか?
ポイントはもちろん、BASiCS!
このシリーズはどのくらいの長さになるかは、現時点ではわかりませ
ん。気長にお楽しみください。
●ここまでのあらすじ
イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」の社長「売多真子」
(うれた・まこ)と役員「上原望」(うえはら・のぞみ)、真子の友
人「松井恵利」(まつい・えり)は、真子の親戚にしてコンサルタン
トの「売多勝」(うれた・まさる)の「1人合宿」についてきた。
8月の初旬、4人の向かう先は、高原のペンション。4人は長野行き
の新幹線に乗り込み、4人席で早速勝の「講義」が始まった。
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◆まずは、前号の復習から!
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真子たちが座る車両に、車内販売のカートがやってくる。
「あ、車内販売だ。コーヒー買おうっと」
真子がめざとく見つけるが、しかしカートは混雑する車内のあちこち
で呼び止められ、真子たちのボックスに来るまでに時間がかかる。よ
うやく真子たちの席に来ると、真子が販売員を呼び止める。
「すいませーん、アイスコーヒー2つ」
「オマエ、2つも飲むの?」
「1つは勝さんのだよ。飲むよね? おごってあ、げ、る♪」
「へー、たまには気が利くんだな」
「いつもだもーん。感謝してるん、だ、か、ら、ね♪」
私も、じゃあ私も、と恵利と望が続く。
4人はアイスコーヒーを手に取ると、真子が「じゃーかんぱーい」と
少しカップを持ち上げる。「かんぱーい」と他の3人も続いた。
「何にカンパイだよ……」
「美女3人に囲まれてデレデレしてる勝さんに」
「はいはい……」
勝がアイスコーヒーのストローに口をつけると、あっと今に黒い液体
が吸い上げられていく。
「ふう、じゃあ再開するか……」
「はい、じゃあ復習ですよね」 すかさず恵利がノートを開く。
○商品開発のプロセス ITEST
Idea Generation アイディア出し
Test Marketing テストマーケティング
Engineering 生産方法確立・生産
Selling 上市・販売
Tuning 市場の反応を見て改善
勝 :そうだな。前号はまずはこの紹介で終わったから、今回は1つ
1つ見ていくことにしよう。
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◆I:アイディア出し シーズ発想 & ニーズ発想
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恵利:最初はI、Idea Generation、アイディア出しですね。
真子:「新人OL、社長になって……」*では、マインドフローとか
売上5原則を使ったよね?
*「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典
http://ow.ly/6s63d
望 :でもあのときは、もう戦略とかがある程度決まってたときだよ
ね? 新商品開発でもそれでいいのかな?
勝 :さすが望ちゃん。マインドフローとかでは、戦術のアイディア
は出せるけど、新商品のネタは出しにくいだろ。
真子:あ、そっか……じゃあ、どうするの?
勝 :だから、アイディアを出す方法を考えるんだよ。何がある?
望 :良いか悪いかはともかく、今私たちがやってるような、「私た
ちがいいと思うモノを作る」というのはありますよね?
勝 :そうだね。まさに「良くも悪くも」なんだけど、その意味はあ
とで。
真子:そっか、「作りたいモノを作る」みたいな感じ、の方法か。
望 :あと、「技術」から入る場合もあるんじゃないですか? うち
の店でもシェフが「腕の良さを見せたいから」みたいな……
勝 :そうそう。「技術ありき」の商品開発もある。ここまでのアプ
ローチの共通点は何?
恵利:えっと「自分が作りたい」とか「技術があるから」というアプ
ローチは……両方とも、発想のモトは「自分」ですよね?
勝 :そう!! 「自分からの発想」。とりあえず「シーズ発想」と
呼んでおく。それに対しては……何がある?
真子:「シーズ発想」に対して、だよね?
望 :「シーズ発想」に対して、「ニーズ発想」じゃないですか?
「お客様の欲しいモノを作る」という意味で……
勝 :そう!! 厳密に言えば、シーズ発想でも「お客様の欲しいモ
ノを作る」んだけどさ。
望 :え? あ、な、なるほど……
恵利:発想のモトが「自分」か、「顧客」か、ですよね? シーズ発
想はモトが「自分」で、ニーズ発想はモトが「お客様」。
勝 :せーかい。さすが恵利ちゃん。
真子:さすが恵利ちゃんはいいけど、ニーズ発想の方がいい、ってこ
とだよね? お客様の欲しいものを作る方が?
勝 :んーとな……どう思う?
恵利:私もそう思いました。やっぱりニーズから入らないと売れない
んじゃないですか?
望 :でも、シェフが作りたいモノを作って、人気になるときもある
わよ? もちろん「外れ」も多いんだけど……
勝 :そうなんだよな。作りたいモノを作って、当たることもあるか
らな。
真子:じゃあどっちでもいいってこと?
勝 :あせるなよ。とりあえずまとめよう。はい、恵利ちゃん。
恵利:はい、こうですよね。
○2つの発想の方法
1)シーズ発想:持つ技術、自分が欲しいもの、など起点が「自分」
2)ニーズ発想:お客様の欲しいものを作る、と起点が「お客様」
勝 :そうそう。
望 :なるほど、真子と恵利ちゃんの役割分担はこうなってるのね。
ふふふ、わかりやすいね。
真子:そうそう。ノートを取るのは恵利。
勝 :違うだろ、オマエもノート取るんだよ。
望 :真子ちゃんの役割は「食べること」だよね?
真子:あー、望ちゃんまでそーゆーこと言うんだ……せっかく連れて
あげたのに。
恵利:真子じゃなくて、勝さんがいいっておっしゃったからでしょ。
真子:ふーんだ、2人して。でも真子には勝さんがいればいーの♪
勝 :オレはお断りだ。ともかく先に進むぞ。
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◆シーズ発想VSニーズ発想
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勝 :で、そのシーズ発想とニーズ発想のどっちがいいか、って話だ
けど、実はデータが出てる。
望 :え、そうなんですか?
勝 :うん。中小企業白書に載ってたデータなんだけどね。これ。
勝が3人にノートパソコンの画面を向ける。
○経営革新のアイデアの源泉とその成果
目的を達成した 企業成長率の
企業の割合 標準偏差
顧客・取引先の要望、提案 4.4% 0.8
顧客の行動から察知 7.4% 0.7
競合他社の動き −0.5% 1.1
一般的な市場の動向 −3.7% 0.8
代表者の個人的なアイデア −6.6% 1.4
研究機関、大学などの研究成果 −23.4% 0.3
www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h17/hakusho/html/
17212150.html
勝 :ここでいう「経営革新」に、新商品開発が含まれる。正確には
以下のことね。
新しい商品の仕入又は生産
新しい技術・ノウハウの開発
新しい販売方式の導入
新分野進出、多角化
事業転換
真子:なんか新しいことをやるってことね。
勝 :そう。これを発想のネタ毎にまとめると、こんな感じだよな。
目的を達成した 企業成長率の
企業の割合 標準偏差
○ニーズ発想
顧客・取引先の要望、提案 4.4% 0.8
顧客の行動から察知 7.4% 0.7
○競合発想
競合他社の動き −0.5% 1.1
一般的な市場の動向 −3.7% 0.8
○シーズ発想
代表者の個人的なアイデア −6.6% 1.4
研究機関、大学などの研究成果 −23.4% 0.3
真子:えっと、「顧客・取引先の要望、提案」と「顧客の行動から察
知」が、「目的を達成した企業の割合」が高いから……
望 :やっぱり、「顧客起点」の「ニーズ発想」の方がいい、という
ことになりますよね?
勝 :「目的を達成した企業の割合」すなわち「成功率」という観点
で言えば、ニーズ発想の方が高いけど……
恵利:この右側の「企業成長率の標準偏差」というのは何ですか?
勝 :「標準偏差」っていうのはバラツキの大きさ。「代表者の個人
的なアイデア」だと、その「バラツキ」が一番大きい。
恵利:つまり、「成長する企業はすごく成長するし、しない企業は全
然ダメ」ということでしょうか?
勝 :まあ平たく言えばそういうこと。この中小企業白書のコメント
がわかりやすいな。
「つまり、顧客重視型の経営革新は、元々顧客に受け入れられること
を目的としていることから、比較的経営革新の効果は現れやすく、目
的を達成する可能性は高いが、その成果は顧客の要求水準に留まる範
囲にしか達し得ない。
一方で、経営者の独創的なアイデアで、顧客の要求水準を超えた経
営革新を行う企業は、顧客重視型に比べて目的を達成する可能性は低
い代わりに、成功したときの成果は非常に大きい」
www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h17/hakusho/html/
17212150.html
望 :なるほど! 「お客様からの発想」だと、成功しやすいけど、
冒険はしないから大当たりはしない……
恵利:それで、「自分が作りたいモノを作る」は、お客様から発想し
ないから失敗しやすいけど……
真子:当たれば大きい!
勝 :だから、「良くも悪くも」なんだよな。三振かホームランか、
みたいな感じだな。
恵利:それって、多分競合がやってないから、とかそういうこともあ
りそうですよね? 「競合発想」はあまり良くなさそうで……
勝 :鋭い。さっきのデータはどうなってる?
恵利:ええ、「競合発想」だと、成功率も低いし、バラツキも大きく
ないので……
真子:あ、ホントだー。でもさー、発想の方法としては、2つじゃな
くて3つあるんだよね? 良し悪しはともかく。
勝 :実はそう。「ニーズ」「シーズ」「競合」という、3つの発想
のモトがある。次は、この「競合」の話。
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◆「競合に笑われるようなこと」をしよう!
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勝 :次にこのデータを見て。売れたま!でも6年前に紹介したこと
があるデータな。これも中小企業白書からな。
真子:6年前かあ……若かったなあ……
勝 :いいから読め。さっきの「経営革新」に沿ったデータな。
○経営革新を行っていない企業の企業成長率を0とした時の企業成長
率
業界内では全く行われていない新たな取組 17.3%
一部の中小企業のみで行われている取組 9.6%
大企業のみで行われている取組 6.4%
広く普及している取組 3.3%
資料:中小企業金融公庫「経営環境実態調査」(2004年11月)
注1.1998年以降に経営革新に取り組んだ企業の企業成長率の平均値
を比較している。
注2.企業成長率
=(2004年従業員数-1998年従業員数)/1998年従業員数
注3.F値3.97、1%有意水準で、これらの取組の間に企業成長率の
違いがみられる。
www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h17/hakusho/html/
17212130.html
勝 :この数字は、そう言った取組をすると、やらない企業と比べて
どれくらい成長率が高いか、ってこと。
望 :この「業界内では全く行われていない新たな取組」が圧倒的に
成長率が高くなるんですね。
恵利:「業界内では全く行われていない」ですから、競合が誰もやっ
ていない取組が効果的、ということですよね。
勝 :そう! それがポイント。「みんなやってるから」という商品
開発は、意味が無い。
恵利:「広く普及している取組」ですと、3.3%と、一番低い……
差別化できないから、ですね。
真子:やっぱり、「誰もやってないこと」をやるのがいいんだね!
勝 :そう。競合の後追いだと、差別化できない。
真子:「自社にとっては」新しいかもしれないけど、お客様にとって
は、「既にあるもの」なんだもんね。
勝 :まさにそういうこと。でさ、「業界内では」全く行われていな
い、だぞ。「業界内」では、だからな。「業界内」では、だぞ
真子:「業界内では」? だから……?
恵利:あ、「他の業界」ではやっていてもいい、ということですね。
勝 :そう! この話はまた後でやるけど、他業界から学ぶ、という
のは「アイディアを出す」ときのセオリーだな。
望 :自分の業界だけ見ていてはダメだ、ということですか……
勝 :競合の動きは把握しておく必要はあるけど、そのままマネする
からダメなんだよな。他業界から持ってこよう。
望 :……はい……。耳が痛いです……。
勝 :理想的なのは「競合に笑われる」ような取組、な。
恵利:え?
勝 :いや、だから「競合に笑われる」ようなの。そうすると、競合
の反応が遅れるから。
真子:あーなるほどー。笑ってたら、マネしないもんね。
勝 :そうそう。もちろん、「突飛」なだけじゃダメで、お客様にと
っては嬉しいことで、だけど。
恵利:そういう事例ってありますか?
勝 :結構あるよ。最近だと、ノンシリコンシャンプー。
望 :あ! 最近、ノンシリコン、すっごく人気です!
勝 :売れたま!でも2013年6月6日号でやった。大手メーカー
がマネできないはずはないけど、追随するのが遅れた。
真子:なるほどねー。「そんなの売れない」って思ってたのかな?
勝 :そのあたりはわからないけど、「一過性のブームだ」という見
方はあったみたいだな。
恵利:なるほどぉ……
勝 :この「ノンシリコン」って、他業界ではよく行われてる話だ。
真子:へ? そうなの? 他の業界でも、シリコン使わない、ってい
うこと?
勝 :そうじゃなくて、「体に悪いと思われているものは使わない」
ってことだ。シリコンが体にいいかどうかは別として、だぞ。
望 :あ! 無添加の食品とかですね!
勝 :そう! 添加物が体に良いか悪いかは横におくけど、「添加物
不使用」みたいなのはよくあるだろ。
真子:あ、なーるほどぉ! 食品業界の「添加物不使用」は、「ノン
シリコン」と同じなんだねー。
望 :確かに「他業界」では当たり前のようにやってることなんだね
勝 :お菓子で言えば「シュガーレス」だってそうだよな。砂糖が体
に悪いかどうかはともかく、「歯」には良くないだろうし。
恵利:なるほど、「悪いとされているものを使わない」というところ
まで普遍化すれば、確かに「他業界」ではよく行われてます。
望 :でも、ノンシリコンは「業界内では」新しかった、ってことで
すね。だから、人気が出た……。
勝 :自分の業界からマネすると「パクリ」って言われる。他の業界
からマネすると「革新的」って褒めてくれる。
望 :なるほど、「自業界」では初めてだから「革新的」なんですね
勝 :それに、他業界で既に検証されているわけでしょ? やり方と
か成功のポイントとか……
恵利:あ、うまく行けばそれが参考になるわけですね。
勝 :そういうこと。だから、「発想のモト」として、業界内の「競
合」を使うんじゃなくて、他業界から持ってくるのがいいな。
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◆「アイディア発想」の3つの源泉
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恵利:その「発想のモト」というのは、先ほどおっしゃられた「ニー
ズ」「シーズ」「競合」の3つ、ということですか?
勝 :さすが、よく気づいたね。この「発想のモト」は、いわゆる
「3C」になってるよね?
真子:あ、Customer、Company、Competitorの3つのCってヤツ?
勝 :それそれ。
望 :どういうことですか?
恵利:3C……あ……ホントだぁ! 今まとめますね。
恵利が手早くノートにまとめていくのを他の3人が見る。
○ニーズ発想 → Customer 「顧客」からの発想
○シーズ発想 → Company 「自社」からの発想
○競合発想 → Competitor 「競合」からの発想
望 :あ……ホントだ! 「発想のモト」も、元をたどればこんなに
単純なんだ!
恵利:でも、「競合発想」は使わない方がいい、んですよね? 二番
煎じになってしまいますから……
勝 :そうそう。だからそこを修正する。「業界内の競合」でなくて
「他業界」にすればいい。
望 :あ、さきほどの話で、「業界内」で初めてであればいいから、
「他業界」から持ってくるのはOK……
勝 :そう! だから、「アイディアのモト」は、「ニーズ」「シー
ズ」、そして「他業界」という3つになる。
恵利が勝の言うことをスラスラと文字にしていく。
○「アイディア発想」の3つの源泉
1)ニーズ発想 → 「顧客」からの発想
2)シーズ発想 → 「自社」からの発想
3)他業界発想 →「他業界」からの発想
勝 :でさ、ニーズ発想、シーズ発想のそれぞれの特徴はさっきやっ
たよな。「他業界発想」の特徴は?
真子:他業界から持ってくると、効果が大きいんでしょ? 「業界内
では全く行われていない取組」は、一番効果が高いから。
望 :でも、自分の業界とか会社向けにアレンジしなきゃいけないか
ら、時間とか手間はかかったりするんじゃないのかな?
恵利:うん、誰もやってないことだから、自分で切り開いていかない
といけない。でも、他業界では既に成功してるわけだから……
真子:あ、そっか、その成功事例が参考になるんだ。
勝 :OK。じゃあここまでをまとめよう。
恵利:はい。
○「アイディア発想」の3つの源泉
1)ニーズ発想 → 「顧客」からの発想
・顧客が元々欲しいものだから成功の確率は高い
・逆に、大きなリターンは期待できない
2)シーズ発想 → 「自社」からの発想
・顧客が欲しいかどうかはわからないから成功の確率は低い。
・当たれば大きなリターンが期待できる
3)他業界発想 →「他業界」からの発想
・成功すれば「革新的」だが、自業種では初めてなので大変
・他業種に既に成功事例があるので、それが参考になる
勝 :素晴らしい。恵利ちゃんがいるといーなー。
真子:ホントだねー、きゃははは。
勝 :オマエもノート取れよ!
真子:取ってますよー。
望 :あ、あの……勝さん……
勝 :なに、望ちゃん?
望 :失礼ですけど、顧客・自社・他業界の3つ、っていう今の話の
流れ、って最初からそうお考えになられて……
勝 :うわ、ホントに失礼だな、当たり前でしょ。だからこういう順
番でデータ見せてるんだし……
望 :あ、す、すみません……
真子:あー、おんなじこと私が言ったら「ふざけんな!」って怒鳴り
つけるくせにー。望ちゃんにはやさしーんだ……
勝 :当たり前だろうが。オマエに優しくしてどうする。
真子:ん? あ……そ、そっか……むふふ……
望 :ま、真子ちゃん、ど、どうしたの?
真子:いやあ……勝さんの愛情を感じるなあと思って……それって、
親愛の情だよね? 真子だけ特別あ、つ、か、い♪
勝 :どう考えたって逆だろ。望ちゃんが特別扱いなんだ。
望 :あ、あの……私にも怒鳴っていただいて結構ですので……ダメ
ならダメと怒られた方が有り難いです……
勝 :あ、そ、そうなの?
望 :っていうか、私、勝さんに怒鳴られたことありますよ。ネガテ
ィブ発言ばっかり繰り返して……*
*「新人OL、社長になって……」(P.148)
勝 :あ、そういえばそうだったな……
望 :あのときの「できないとして、どうすればできるかを考えろ」
っていう勝さんの言葉が胸にぐさっと刺さって、今でも……
真子:あー、そんなことあったねー。
望 :それで、私ももっと教えていただきたいな、と思って、今回も
ついてこさせていただいて……ホント嬉しいです。
勝 :何だ、じゃあ最初っから来ればよかったのに。真子が望ちゃん
に言ってなかったからだよな。
真子:だ、だって……望ちゃんが来ると勝さんが望ちゃん、望ちゃん
ってなるじゃん……
恵利:あ、あの、私も怒鳴っていただいた方が……
勝 :え? そうなの?
恵利:は、はい……変に気を遣っていただきたくないので……真子に
怒鳴るみたいに私にも……
勝 :そんなもんか……じゃあ遠慮無く怒鳴るか。
真子:えー、怒鳴るのは私だけにしてよー……
3人が真子を向くと、真子が冗談ではなく真剣にそう言っていること
に、どっと笑いが起きる。
真子:な、なんなのよ……
恵利:真子は勝さんに特別扱いしてほしーんだよねー。
真子:え、だ、だって、そ、それは……もともと私がアンタたちに紹
介したんだし……ちょっとは遠慮しなさいよ。
恵利:へー、何に遠慮するっていうのかなー?
真子:そ、それは……
望 :食べ物だよねー? 大丈夫、真子ちゃんの食べ物は取らないか
ら。
再び笑いが起きる。
勝は、カップに残っていた残りのアイスコーヒーを一気に飲み干した
かと思うと、大きな氷が残るカップに、携帯用ポットに入っていたエ
スプレッソを注ぎ始めた。
「な、何してるの?」
「見た通りだが。アイスエスプレッソにしてる」
「それ、おいしいの?」
「なんかさー、最近味があんまり気にならなくなってな……カフェイ
ンさえ入ってれば、もう何でもいいや、って」
「きゃははは、それ、もう中毒だよねー」
「あ、そうそう。アルコールさえ入ってれば何でもいいよ、っていう
呑んべの人の気持ちがわかってきた」
勝は、エスプレッソを加えたカップをグルグルと回して氷と混ぜると
まだ熱を持っていたエスプレッソで氷が溶ける。分量の増えたエスプ
レッソを再びグイ、と飲み干した。
(次号に続く)
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◆今日のまとめ
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●ITESTのIは「アイディア発想」。その源泉は顧客、自社、他
業界の3つ。それぞれに一長一短がある。
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▼今日の日記▲
ついに巨人に、優勝へのマジックナンバー、点灯! 巨人の優勝マジ
ックは、今現在で、37!
ちなみに英語でも、Magic Number と言うようですね(定義は若干違
うようですが)。
この時期にマジックナンバーが点灯するのは、相当早いです。
ちょっと調べてみたら、去年は8月23日に、36試合残して、マジ
ック30が点灯していました。2位と10.5ゲーム差がついた去年
ですら8月後半だったわけですから、今年の早さがわかります。
と言っても、44試合残しての37ですから、意味がないと言えば、
そうですね。巨人が負けて2位の阪神が勝てば、すぐ消えるようなマ
ジックですから(まさに「マジック」……)。
夏は、選手の疲労もたまり、順位の変動が起きやすい(とされている
らしい)ので、まだまだ波乱がありそうです。その方が楽しめますか
ら、それもまたよし、ですね。
巨人の今の牽引車は村田修一選手ですね。前半戦、異様に得点圏打率
が低く(3塁にランナーがいたときは、安打がほぼゼロ)、色々と言
われたりしましたがここに来て絶好調。得点圏打率も3割へ。
これ、いわゆる Regression to the mean(平均への回帰)みたいな
感じですよね。さすがに得点圏打率があそこまで低いということは、
確率的にも「?」という感じでした。もちろんそれ以上の活躍を期待
してしまいます。
●今日のiPod Tune:Hot Summer Song 2013
夏休みになると、子供の頃を思い出して、「あの頃の夏休みはホント
ヒマだったなあ……」とか思ってしまいます。
ということで、今日の1曲は
○Summer of '69 by Bryan Adams
1985年、全米5位の大ヒット曲。大ヒットしたアルバム、
Recklessからの5枚目のシングルカット。このアルバム、80sロッ
クを代表するアルバムの1つですね。
B面(当時はまだレコード)の1曲目、つまりB面のオープニング曲
です。シンプルなギターとボーカルから始まり、ドラムが彩るという
シンプルでストレートなロック。
当時本当に大好きで、歌詞もまだ覚えています。こういうシンプルな
構成だからこそ、今聞いても古くないですね。
「昔の夏を懐かしむ」という歌詞なのですが、30年近くたった今と
なっては、この曲を聴いて、当時の夏を懐かしむという、二重構造に
なっています。
今から30年たっても、「30年前の夏は良かった」と思えるような
毎日を過ごしましょう!
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓<免責事項等>〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
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品等は、例であり、戦略や商品の良し悪しの評価ではありません。
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◆次号予告:BASiCSで商品開発 3
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●次回は、ITESTのI:アイディア出し、の具体的な方法をみて
いきましょう!
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!
▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!
売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……
〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
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「インド人を右に」とレスするたびに右に動いていくスレ
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1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 14:05:17.71
ID:yDRFQxCW0┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓┃ ┃┣
11 年前
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