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2013年4月8日月曜日

売れたま!特別編Vol.229 2013/04/08 セグメンテーション特集 30

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
 〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.229(累計1005) 2013/04/08
購読者:28,187 (まぐまぐ:16,313 メルマ!:943 めろんぱん:10,931)

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 ■■__年末年始特別号:セグメンテーション特集 30__■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●セグメント・売り場・競合の一貫性を取ろう!


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◆年末年始特別号!
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いよいよ4月!

東京で桜が散っても終わる気配のない、年末年始特別号!

実戦的セグメンテーションを深く彫り込む、日本でも珍しい特集。

今回の特集は、「セグメンテーション」! マーケティングで恐らく
は一番難しいことの1つです。どう切り込むのか?


我らがヒロイン「売多真子」(うれた・まこ)、真子の親戚にしてメ
ンター「売多勝」(うれた・まさる)。2人は以下の本の登場人物。

○「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
http://ow.ly/89pSR
真子が、勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!

○「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
http://ow.ly/6s63d
上の本の続編。真子が社長として、戦略を駆使してライバルと戦う!


●あらすじ

大晦日の夜、売多真子と勝は、年末に売多家が集まる温泉宿に集合。
電車の中、そして除夜の鐘を聞きながら続く2人のレッスン。一夜明
けて、お正月を迎えて……


今号はシリーズ第30回目です。

最近お読み始めになられた方は、バックナンバーをどうぞ↓
http://archive.mag2.com/0000111700/20121228030000000.html

この第1回目の記事から「次の記事」をクリックしてお読みください



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◆まずは、前号の復習から!
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*本編の「今の時間」は、年が明けた1月2日の昼ごろです。

1月1日、真子と勝はほぼ1日中マーケティングレッスンに明け暮れ
た。翌1月2日は、朝の温泉を楽しみ、宿を後にして帰京。


電車に流れるアナウンス。
「えー、この電車は、次の○○駅にて、5分間の停車をいたします。
 電車にお乗りになってお待ちください」


「お、ちょうどいい。オレ昼飯買ってくるわ。真子も食う?」
「あ、じゃあ、真子が買って来てあげる!」
「ど、どうしたんだ? オマエがそんなこと言うなんて……」
「だ、だって、いちおー今教えてもらってるし……ご飯くらい……」
「じゃ、頼んだ。オレの好みはわかってるよな?」
「うん、とりあえずたくさん入ってて、脂っこいのでしょ?」
「……大分誤解はありそうだが、まあそれでいいや」
「じゃあ買ってくるね!」

真子はバッグから財布を取り出すと脱兎のごとく駆け出す。勝はその
後ろ姿が消えるのを見届け、再びノートパソコンに向かった。

真子がすぐに大きな袋を手に戻ると、満面の笑みで勝の横に座る。

「勝さん、買ってきたよ!」
「ありがと。またえらく早いな……って、いくつ買ったんだ!?」
「えっと……わかんない」
「あのなあ……」
「お昼にはちょっとだけ早いから、種類もいっぱいあったよ!」
「そうじゃなくってさあ……これ、誰が食うの?」
「勝さんと真子ちゃん♪」
「オマエ、朝飯食ってたよな?」
「だってもうお昼じゃん。それに勝さん、2つは食べるでしょ?」
「そりゃ食えるけど……まあ、買って来てもらったから素直に感謝し
 ていただくか。ありがと」
「はいはい、そうしてください」
「食いながらでも、続けるからな」
「えー……」
「じゃないと、これ帰るまでにマジで終わらない」
「きゃははは、そーだねー」

席の机にはパソコンとノートを、膝の上にお弁当を置いて、レッスン
が再開される。


真子:じゃー、前号の復習からね。今やってるのはこれでーす。


真子がノートを開く。


○セグメンテーションの「括って広げる3ステップ」

ステップ1:顧客像の具体化
ステップ2:ニーズの普遍化
ステップ3:ニーズで人を括る


○セグメンテーションで「括る」ための切り口

切り口1:使い方・利用場面
・価値は使い方に現れる。逆に使い方を見ればニーズがわかる!

切り口2:困りごと
・どんなことに困っているのか、困りごとが同じならニーズが同じ!

切り口3:体質
・肌質・髪質・アルコールへの耐性などでニーズが違う!

切り口4:所有資源
・お金・時間・エネルギー・車などの持ち物などでニーズが違う!

切り口5:こだわり・マニアレベル
・ビギナーとマニアでニーズが違う!

切り口6:購買履歴
・何を買ったかで、直接の購買行動がわかる!

切り口7:競合
・どの競合商品を買うかに、ニーズが現れる

切り口8:バイヤー・ユーザー
・「買う人」と「使う人」が違う場合は、それぞれにニーズが違う!

切り口9:ありたい姿
・「ありたい姿」の違いは、ベネフィットの違いそのものとなる

切り口10:属性
・BtoCなら性別・年齢など、BtoBなら業種・企業規模など



真子:それで前号は「セグメンテーションと売り方」をやりました!
   売り物を変えずに、売り方をセグメントに合わせて変える!

勝 :例えば?

真子:例えば、イギリスの観光マーケティング! イギリスの魅力を
   相手国ごとに変えて訴求する!


       日本人 ブラジル人  中東  米国

 歴史遺産   ●              ●
 文化         ●
 スポーツ 
 買い物        ●     ●
 田園     ●
 食
 音楽


勝 :そうだよな。同じ「イギリス」っていう観光地でも、国民によ
   って感じる魅力が違うわけだよな。

真子:うん! これがわかれば、「魅力を感じる点」で相手国を「括
   れる」よね。

勝 :で、前号は「セグメンテーションと売り場」についての事例を
   見たけど、どんな例があった?

真子:スーパーの「魚」の売り場の陳列を、「調理時間」で並べる、
   っていうのは面白かった。

勝 :そうだよな。

真子:忙しさとか、魚料理への慣れ、なんかは「調理方法」に表れる
   んだよね。「価値は使い方に表れる」。

勝 :そうそう。



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◆セグメントと「売り場」の一貫性
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勝 :じゃあまた「売り場」の続き、な。

真子:うん。

勝 :これは「売り場」っていうか、「販促」の話なんだけど……


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇「今夏、パナソニックの新型炊飯器「SR─SX1」の販促手法が
 話題を集めた。飲食店情報サイトの「ぐるなび」と連携、加盟する
 全国の100店に実際にSX1で炊いたご飯を使ったメニューを提
 供してもらった」


◇「同製品は高温による加熱が特徴で、1リットルタイプの店頭実勢
 価格が5万5千円程度の高級機。炊きあがったご飯の味こそが他の
 製品との最大の機能差だが、主力販路である家電量販店では試食が
 できないケースが多い。「機能を実感してもらえる場を設ける」
 (同社)ための秘策が、飲食店サイトとの連携だった。炊飯器の最
 高級機種としては前モデルの倍の売れ行きを見せる」


◇「パナソニックは、店舗外で消費者に直接接触する機会を設けるこ
 とに力を入れ始めている。店舗外でファン作りを進め、指名買いに
 つなげる戦略だ」


◇「3月に発売した携帯用の小型ヘアアイロン「ミニコテ」。価格を
 2500円程度に抑え、高校生前後の若年層に向けて開発した製品
 だ。ただ、高額商品を多く扱う家電量販店への高校生の来店頻度は
 高くない。そこで考えたのが、女子高生に人気のある雑誌やファッ
 ションビルと組んだ販促だ」


◇「店頭に置くカタログ冊子は、10代に人気のファッション誌「セ
 ブンティーン」と組んで3月号に挟み込み、目に触れやすいよう工
 夫した。製品発売直後の3月5〜6日にはファッションビルの
 「109」をはじめとした東京・渋谷一帯で、同製品の「店頭イベ
 ント」も開催。ディスカウントストアなど、「家電量販店以外も巻
 き込んで、地域全体で販促をしかけるのは異例」(同社)という」


2011/11/25 日経MJ P.7

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:なるほどねー。家電量販店に女性が来るか……

勝 :そうなんだよ。男性はさ、家電量販店にふらっと立ち寄ること
   は結構あっても……

真子:私は寄らないなあ……ケータイ売り場くらいかな?

勝 :だろ? でも、炊飯器も、女性向けドライヤーも、売り場は家
   電量販店だろ? っていうことは……どうなる?

真子:っていうことは……あ、「顧客ターゲット」と「売り場」が乖
   離してる!

勝 :そうなるよな。となると、炊飯器とかドライヤーの「売り場」
   は家電量販店で売るにしても……

真子:店に来てもらわないとしょうがない!!

勝 :そう。でもそのお店には来ないわけだから……

真子:そっか、この109でのイベントとかって「売り場を広げる」
   みたいな意味もあるんだね。

勝 :そうそう。渋谷の109の真ん前に家電量販店もあるしな。

真子:あ、そーだね。

勝 :それに、なるほど、って思ったのは、炊飯器で炊いたお米の
   「試食」は、家電量販店では確かにやりにくい。

真子:あ、うん。

勝 :でも、この炊飯器の「強み」は何かって言うと……?

真子:えっと……「炊きあがったご飯の味こそが他の製品との最大の
   機能差」だから、お米のおいしさ!!

勝 :ということは?

真子:その「強み」が活きる「売り場」を考えるべき!!

勝 :そういうこと。顧客セグメント、売り場、強み、っていう要素
   の一貫性があるんだよな。

真子:なーるほどねー。



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◆顧客によって「売り場」・「戦場」が変わる
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勝 :「セグメント」と「売り場」っていう考えをさらに進めていく
   と、こういうことになる。


勝がノートパソコンを操作し、少しだけ真子に向ける。

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇「ユニ・チャームが軽い尿漏れ(軽度失禁)に悩む女性向けに販売
 している生理用品の顧客層が広がっている。軽度失禁は多くの女性
 が経験しているが、専用商品を生理用品売り場で買うのに抵抗を感
 じる人も多かった」


◇ユニ・チャームによると、軽い尿漏れは女性の各年代で3分の1以
 上が経験する「普通の生理現象」(営業企画部カテゴリーマネジメ
 ントGの田頭耕司アナリスト)という」


◇「発売後、売れ行きは40〜50代を中心に伸びたが、生理用品売
 り場に置くと「若い人には買うのに恥ずかしさがある」(田頭さ
 ん)。「ソフィ」など一般的な生理用ナプキンで済ませる人も多
 く、同社の一般消費者を対象にした調査では、30代の軽度失禁専
 用品の使用率は2割強にとどまっていた」


◇「20〜30代を取り込むには「ターゲットに合わせた入り口を用
 意する」(田頭さん)必要があると判断、4月からベビー用品売り
 場での販促を本格化した。若い母親が赤ちゃん用のおむつ、おしり
 ふきを買うついでに手に取るようになった。ある小売りチェーンの
 POS(販売時点情報管理)データによると、チャームナップ購入
 者で20〜30代の約3割がベビー用品売り場で買ったという」


◇「2個パックで特売されるケースが多い生理用ナプキンのソフィに
 比べ、チャームナップの1個当たりの単価は3倍強。競合品が少な
 いベビー用品売り場に置くことで特売競争から免れることにも成功
 している」


◇「40〜50代に比べ、尿漏れの量が増える70代前後の高齢者は
 「生理用品売り場へは行きにくい」(田頭さん)。同社は大人用お
 むつ「ライフリー」のブランドで吸収量が20ccからのナプキン
 型パッドを提供。高齢者が立ち寄りやすい大人用おむつ売り場に陳
 列している」


2012/10/12 日経MJ P.6

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


勝 :これ、「チャームナップ」の話な。

真子:うん。「20〜30代」ってことは私もターゲットなんだぁ

勝 :そうみたいだな。

真子:ベビー用品売り場に置いてあれば、「あれ、これ私たち向けの
   商品なんだ」ってわかる、ってことかな?

勝 :多分そういうことなんだろうな。逆に70代のお客様は、生理
   用品売り場には行きにく、ってことだな。

真子:となると、また売り場が変わって……「大人用おむつ売り場」
   に置くんだ。

勝 :同じ「軽度失禁」グッズでも、セグメントによって売り場を変
   えてるんだよな。じゃあ……

真子:うん、まとめてみるね。


勝が「へー、成長したな……」というと、真子が「だっていつも言う
ことが同じなんだもん」と返す。勝が弁当を1口2口、口にすると真
子がすぐ「できた!」と勝にノートを見せる。


   セグメント     売り場

 ○20〜30代  ベビー用品売り場     広げた
                        ↑
 ○40〜50代  生理用品売り場   ← ここがメインだった
                        ↓
 ○70代前後   大人用おむつ売り場    広げた


真子:今回は単純だった。わかりやすいね。

勝 :OK。それで、売り場を変えると、何が変わる?

真子:何が、って顧客セグメントでしょ?

勝 :当たり前だろ。「売り場」だぞ? 「売り場」には何が置いて
   ある?

真子:何って、商品が……あ!! そうか、隣にある商品が違う!

勝 :そうそう。つまり?

真子:競合商品が違うんだ!!

勝 :そう! 「売り場」が変わると「競合」が変わる。もう1回、
   記事読めよ。

真子:はーい。えっと……あ! 「競合品が少ないベビー用品売り場
   に置くことで特売競争から免れる」!

勝 :っていうことだ。隣に安い商品があると、どうしても比べちゃ
   うからな。

真子:なーるほどぉ。「売り場」が変わると「競合」が変わる、か。
   「売り場」が「戦場」になるんだね。

勝 :そう。つまり?

真子:つまり……「売り場」が変わると「競合」も「顧客」も変わる
   ってことだよね?

勝 :そう。顧客セグメントによって「売り場」が変わる。それで、
   「売り場」が変わると「競合」が変わる。大事だからメモ取れ

真子:はーい。顧客セグメントによって「売り場」が変わる。「売り
   場」が変わると競合」が変わる……うん、書いた!

勝 :セグメンテーションを考えるときは、こうやって「売り場」と
   かまでを考える。そうすると、打ち手に落ちてくるからな。

真子:うん、さっきの炊飯器とかドライヤーもそうだけど、お客様が
   「買いたくなる場所」で売らないとダメだよね。

勝 :「買いたくなる場所」っていい表現だな。「売り場」じゃなく
   って、「買いたくなる場所」、だな。

真子:やった、褒められた♪

勝 :実際、20〜30代の方にとっては「生理用品売り場」は、チ
   ャームナップを「買いたくなる場所」ではなかったわけだ。

真子:なんかさー、売り場によってそういう「気分の違い」っていう
   のもあるかもね。



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◆「売り場」を広げる「ネット販売」戦場
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勝 :「売り場」が「戦場」っていう意味では、「ネット販売」もそ
   うなるよな。

真子:あ、確かに「ネット」も「売り場」だね。


勝が「そうそう」と言いながら、真子にノートパソコンを向ける。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇「2011年度の売上高に占めるネット販売の構成比は1%未満が
 60・6%を占め、規模はまだ小さい。10年度に比べた増収率を
 みると都市部より地方企業が高かった。地方百貨店の増収率は
 14・2%。都市百貨店より約10ポイント高い。地方スーパーは
 35・7%だったが、全国スーパーは22・6%、地域スーパーは
 26・0%にとどまった」


◇「オークワは今年5月下旬、ネットスーパーの配送地域を地盤の和
 歌山県に加え、愛知・岐阜・三重の3県全域に広げた。「近隣に満
 足できるスーパーがない、車での買い物が難しいなど潜在需要は大
 きい」という」


2012/06/27 日経MJ P.5

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:都市部より、地方の方が伸びてるんだね。近くにお店が少ない
   んだ……

勝 :どんな人が、ネット販売とか使う?

真子:だから、近くにお店が少ない人?

勝 :まあそうだけど、車で買いに行けばいいだろ?

真子:あ、そっか。じゃあ車の無い人とか、外に出るのが大変な高齢
   者の方とか?

勝 :それもあるだろうけど、ネット販売、ってそもそもどういうニ
   ーズに応えてる?

真子:外に買い物に行けない!

勝 :そうだよな。そういう人って色々いるだろ? 括ってみろ。

真子:あ、そっか。まさにニーズで括るんだ。えっと……外に買いに
   行くのが大変な人?

勝 :だからそれってどんな人だよ。

真子:忙しい人! 例えば、小さいお子さんのいるお母さん!

勝 :お、そうそう。「外に買い物にいけない人」は、他には?

真子:んーと、家で仕事してる人とか……

勝 :そうだよな。あとさ、別に普通のビジネスパーソンでも、そう
   いう「場合」はあるだろ?

真子:え? そうかなあ……ヒントください!

勝 :体調が常に万全とは限らないだろうが。

真子:あ! 風邪引いたときとか、ケガしたときとか!

勝 :そうそう。そうやって「括って」いく。

真子:なーるほどねー。

勝 :実際買ってる人は、そうみたいだぞ。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇「ヨーカ堂では全店舗の8割にあたる140店強がネット通販に対
 応している。共働き夫婦の増加で、早朝や深夜に食品などをネット
 で注文するといった例が多い」


◇「衣料品販売のユナイテッドアローズは「仕事の合間に店舗で商品
 を見て、夜に自宅からネット経由で購入する」といった需要を取り
 込んでいる。13年3月期は予想連結売上高(1126億円)の
 12%程度をネット通販が占める」


2012/10/25 日本経済新聞 夕刊 P.1

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:あー。お忙しくてお店に行けない人、かあ……共働きの方ね。
   忙しいビジネスパーソンも、昼間は洋服買いに行けないし。

勝 :そういうこと。「売り場」っていう意味では、いまやこういう
   のも「売り場」に入ってくる。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇ホームセンター大手のカインズはインターネット通販をテコ入れす
 る。アマゾンジャパン(東京・目黒)のサイトへの出店を始めたほ
 か、独自にスマートフォン(スマホ)向けのサイトも用意する。


◇カインズのネット通販の購入者は東京都や神奈川県など都市部が半
 数以上を占め、これらの地域は出店コストが高い。

2013/03/08 日経MJ P.6

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:あ、スマホ! そっか、スマホも売り場なんだ!

勝 :そうなるな。となると、この場合のセグメンテーションはどう
   なる?

真子:どこで買うか! 「買いたい場所」だ!

勝 :そう。まさに「売り場」っていうか「買いたい場所」。それは
   何によって変わる? セグメンテーションの切り口は?

真子:んーっと……これかな?


○切り口4:所有資源
・お金・時間・エネルギー・車などの持ち物などでニーズが違う!


勝 :そうだな。スマホ持ってるか、車があるか、とかで変わってく
   るからな。いっそ、こっちに入れてもいいけどな。


○切り口6:購買履歴
・何を買ったかで、直接の購買行動がわかる!


真子:あ、「何を買うか」だけじゃなくて、「どこで買うか」も「履
   歴」に入れちゃえばいいんだね。

勝 :そういうこと。「どこで買うか」にニーズが表れることもある
   ってことだ。

真子:なーるほどねー。ねー、こうやって聞くとさー、お客様のこと
   が全部わかってないとセグメンテーションってできないよね。

勝 :だーかーらー、最初っからそう言ってるだろうが。だから一番
   難しいんだよ。

真子:そっか……なんか、セグメンテーションの本当の難しさがやっ
   とわかってきた感じがする……

勝 :ホントそうだわ。そもそもセグメンテーションを解説しきる、
   なんていうことが傲慢かつムリなのかもしれない。

真子:自信過剰な勝さんがそんなこと言うなんてね……セグメンテー
   ションって底知れないや……


「オレが自信過剰なら、真子は自意識過剰だな。ごちそうさまっと」

勝が拝むように言うと、すっかり食べ尽くされてキレイになったお弁
当の空箱を、ビニール袋に放り込む。

「あれ? もうお弁当1つ食べたんだ。いつの間に……」
「オマエが考えてる間」
「私も食べようっと♪」

真子がペンを置いて膝の上のお弁当の箸を取る

「じゃあ次、な」
「え、次のレッスン? ちょっと待ってよー」
「じゃなくて、次の弁当だよ。今の、ちょっと少なかったからな」
「きゃははは、勝さんの胃袋も底知れないねー」
「単に朝飯食ってないからだろ。昼と合わせりゃ2食分で普通」
「ほらー、だからたくさん買って来て良かったじゃん」
「そーだな。ありがと」
「だっていつも勝さん、そーなんだもん。少ない少ないって」
「オマエ、オレよりオレのニーズがよくわかってるな。素晴らしい」
「真子は勝さんの密・着・軸♪」
「どれがいっかなー。じゃあこの肉のヤツ」
「やっぱりなー。それ選ぶと思ってたよ」
「って……結局、全部で弁当4つ買ったってことか?」
「そーかな」
「1人弁当2個ずつってどんな計算だよ……」
「だから結果オーライでしょ? 余ったらオヤツになるし♪」
「まあそうだけどさ……」
「真子は1.5個でいーよ。ダイエット中だし♪」
「何がダイエットだよ、朝飯あれだけ食って、また弁当1個半も食う
 なんて……」
「だから勝さんと真子ちゃんは同じせ、ぐ、め、ん、と、って言った
 じゃん、きゃははは」
「……まあいいや、いっただっきまーす」
「真子もたーべよっと。勝さんのお肉ちょーだい」
「あ、肉だけ持ってくな! ご飯だけ残るだろーが」
「いーじゃん、勝さん、ご飯好きでしょ」
「じゃあオマエのももらうからな」
「あー、だ、ダメー、ああああ、もー……」
「うん、うまい」
「ね、雪を見ながらのお弁当なんて幸せだよね」
「そうだな。色々なものに感謝していただこう」
「うん! あとこのお弁当を買った真子ちゃんへの感謝もね♪」
「はい、ありがとうございまーす!」



次号に続きます!


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◆今日のまとめ
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●顧客と売り場の関係を考え、セグメント・売り場・競合の一貫性を
 考えよう!


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▼今日の日記▲

WBCも終わって、野球シーズンもついに開幕を迎えましたね。シー
ズンオフは、何かこう、薬味のないソバみたいな味気ない毎日でした
が、シーズンが始まるとまた毎日の生活にツヤが戻ってきた感じがし
ます。

巨人は神がかり的な連勝を続けています。「下馬評通り」と言われて
いますが、ピッチャーが打たれているのがかなり大きな不安材料です
ね。失点が多かった試合では得点が多い、という「運」の要素が大き
いように見えます。たまたまうまく得点と失点が「かみ合っている」
だけで、かみ合わなくなると逆のパターンになりそうです(「勝って
るのに贅沢言うな」とか怒られそうですが)。

近年のプロ野球(少なくともセ・リーグ)では、得点数よりも失点数
の方が順位(=勝率)と相関するので、失点が多いのはあまりよろし
くない傾向です。

それでも、勝てるうちに勝っておいた方が絶対にいいと思います。よ
く「シーズン終盤の1勝は重みがある」とか言いますが、少なくとも
勝率に与える影響という意味ではそんなことは絶対になくて、1勝は
1勝なんですよね。「序盤だから負けても……」という方が、むしろ
後で効いてくる(もちろん悪い意味で)と思います。


セ・リーグで面白いのは、何と言ってもベイスターズですね。新戦力
がすさまじく活躍しています。得点数は巨人に次いで2位! 失点数
も一番多く、得点数+失点数はリーグ1位! つまりベイスターズと
のゲームは、点の取り合いになるということで、見てて面白いですよ
ね(昨日の試合もすごかったみたいですね……)。

私がiPhoneにした最大の理由が、「どこにいても野球の経過・
結果がすぐわかる」ということだったりするのですが、今年も熱いシ
ーズンになりそうで、楽しみです!



○1000号突破! 勝手にカウントアップ!

*今号で(多分)累計1,005号!



●売れたま!1000号を超えてその5:考える、ということ 4

「こんな長いメルマガ1000号発行している物好きな人が、どんな
ことを考えているのか興味がある」(という言い方ではありませんで
したが)という方がいらしたので、このコーナー、続きます。

以下、あくまでも私の個人的な意見であって、これが正しいとか、み
んなこうあるべきだ、などというつもりは全くありません。将来的に
は、言ってることが全く変わる可能性もあります。あくまで現時点で
の、あるメルマガ発行人の独り言です。



「考える」ということの続きです。

私は大学時代から、競技ディベートをずっとやってきました。現在で
も前ほどではありませんが関わっていますので、かれこれ20年以上
やってきたことになります。

ディべートというと「口」のイメージが強いかもしれませんが、その
本質は「思考法」です。それが自分の「考える」背骨であり、道具に
なっています。


わかりやすいところが「反論」を考え、その「反論の反論」を考え、
そのまた「反論の反論の反論」を考える、という習慣ですね。

これをしておくと、議論・理論が強固になります。これも当たり前の
ようで、意外に当たり前のことではないことの1つです。

私は、自分の議論を、自分でまずは徹底的に反論します。自分で、自
分の理論の「穴」を探していくわけです。

その反論に対し、再反論(議論を返す、と言います)できれば、また
反論します。返せなければ、その議論・理論は脆弱ですから、諦める
べきなのですね。

当然、BASiCSについても徹底的に自分で反論を加えました。色
々ありますよね。なぜ「独自資源」と「強み」を分ける必要があるの
か、など。

その反論に対して、「返しきれる」と思ったから、世に出したわけで
すね。当然反論は来ますが、こう言ってはなんですが、たいていの反
論は自分で既にしているわけですから、「返せる」わけです。また、
ダメな理論は自分の中で既に潰しているわけですから、世には出ない
ということになります。

別に自分の議論が完全だ、などというつもりは毛頭ありませんが、そ
れなりの「頑健さ」はあると思います。


多くの人から異論が出そうなところは、本などの中で「事前に反論」
しておきます。これは、読者さんにとっても有益なはずです。疑問に
対する答えがそこにあるわけですから。

ちなみに、今の売れたま!では、真子が「えー、でもさー」とか言い
ながら勝に反論する場面が結構あります。それはまさにその「自分で
自分に反論」する、ということにおいて、勝に「再反論させる」ため
の導火線としての役割を負っているわけですね。


私はビジネス書を読むときも、反論しながら読みます。自分で反論し
ながら、「著者だったらこう返すだろうな」とシミュレーションし、
その議論・理論の頑健さを試しているわけです。それで「頑健」で、
かつ学ぶべきものがあると思ったら、取り入れて自分の議論・理論を
進化させるわけです。

反論に反論を繰り返すことで、議論が深まります。これは、ディベー
トで得たことのなかでも、非常に大きなものだと思っています。



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