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2013年3月26日火曜日

売れたま!特別編Vol.225 2013/03/25 セグメンテーション特集 26

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 ■■__年末年始特別号:セグメンテーション特集 26__■■
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●将来の顧客像を考え、「未来」に最適化しよう!


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3月になっても終わる気配のない、年末年始特別号!

実戦的セグメンテーションを深く彫り込む、日本でも珍しい特集。

今回の特集は、「セグメンテーション」! マーケティングで恐らく
は一番難しいことの1つです。どう切り込むのか?


我らがヒロイン「売多真子」(うれた・まこ)、真子の親戚にしてメ
ンター「売多勝」(うれた・まさる)。2人は以下の本の登場人物。

○「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
http://ow.ly/89pSR
真子が、勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!

○「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
http://ow.ly/6s63d
上の本の続編。真子が社長として、戦略を駆使してライバルと戦う!


●あらすじ

大晦日の夜、売多真子と勝は、年末に売多家が集まる温泉宿に集合。
電車の中、そして除夜の鐘を聞きながら続く2人のレッスン。一夜明
けて、お正月を迎えて……


今号はシリーズ第26回目です。

最近お読み始めになられた方は、バックナンバーをどうぞ↓
http://archive.mag2.com/0000111700/20121228030000000.html

この第1回目の記事から「次の記事」をクリックしてお読みください



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◆まずは、前号の復習から!
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*本編の「今の時間」は、年が明けた1月2日の朝です。

1月1日、真子と勝はほぼ1日中マーケティングレッスンに明け暮れ
た。翌1月2日の朝、朝食を取り終え……


勝・真子がレッスンを続けている朝食会場に残っているのは勝と真子
だけになる。


旅館の従業員がお皿を片付けるガチャガチャという音が響く。2人の
食器も、従業員が片付けていく。

「すみません、お話中失礼いたします……」
「あ、いえ、こちらこそお仕事のジャマしちゃって……」
「いえいえ、どうぞごゆっくりされてくださいね。すみません、お皿
 だけ片付けさせてください」
「あ、はい、どうぞ……えっと……はい、っと」
「あ、すみません、お手伝いいただいてしまいまして……」

一通り片付けが終わると、朝食会場に残されたのは2人だけとなる。

「チェックアウトまで、まだちょっと時間があるよな」
「朝ご飯、早かったからね。勝さん、よく起きられたね、きゃはは」
「あんまり寝てない。まあいつものことだけど。まだ時間あるな?」
「うん、だいじょーぶ。やることないし」
「オレ、温泉もう1回入ろうと思ってたんだけどな……」
「え? 勝さん、朝風呂なんて趣味あったの?」
「いや、ないけど、正月くらいは温泉を楽しんでみるのもいいかな、
 と珍しく思って、さ」
「勝さん、お風呂早いから、どーせ10分とかでしょ、きゃははは」
「そうそう。カラスの行水ってヤツ」
「真子も温泉はいろっかなー」
「オマエも、オレと同じで早風呂だよな」
「でも女の子はそのあと、色々支度があ、る、の♪」
「じゃあこの部分を終えたら、朝風呂にするか」
「うん♪」



真子:まずは復習だよね。


真子がノートを広げ、勝に見せる。


○セグメンテーションの「括って広げる3ステップ」

ステップ1:顧客像の具体化
ステップ2:ニーズの普遍化
ステップ3:ニーズで人を括る


○セグメンテーションで「括る」ための切り口

切り口1:使い方・利用場面
・価値は使い方に現れる。逆に使い方を見ればニーズがわかる!

切り口2:困りごと
・どんなことに困っているのか、困りごとが同じならニーズが同じ!

切り口3:体質
・肌質・髪質・アルコールへの耐性などでニーズが違う!

切り口4:所有資源
・お金・時間・エネルギー・車などの持ち物などでニーズが違う!

切り口5:こだわり・マニアレベル
・ビギナーとマニアでニーズが違う!

切り口6:購買履歴
・何を買ったかで、直接の購買行動がわかる!

切り口7:競合
・どの競合商品を買うかに、ニーズが現れる

切り口8:バイヤー・ユーザー
・「買う人」と「使う人」が違う場合は、それぞれにニーズが違う!

切り口9:ありたい姿
・「ありたい姿」の違いは、ベネフィットの違いそのものとなる

切り口10:属性
・BtoCなら性別・年齢など、BtoBなら業種・企業規模など



真子:それで、これを組み合わせて考えていくんだよね。表計算ソフ
   トだとこんなイメージで……


      切り口1 切り口2 切り口3 …… 切り口10
顧客1
顧客2
顧客3
顧客4
顧客5
 ・
 ・
顧客1000


勝 :そうそう。顧客データベースにある情報を使っていくんだ。

真子:それで、この上で「括って広げる3ステップ」をやる! デー
   タを括ったり、組み合わせたりして。

勝 :そう。だから、顧客をデータ化することができるようなビジネ
   スについては、これをぜひやったほうがいい。

真子:うん! ねー「Excelで顧客データ作り」なんて本を書い
   たら? っていうか、勝さん、書いてよぉ。

勝 :ニッチなニーズはありそうだけどな……それこそ「括る」こと
   はできるけど、ターゲットを「広げる」のが難しいな。

真子:そっかあ……まあ真子はこうやって教えてもらえるからいいか

勝 :さすがに、本っていうより、コンサルの領域になるな。それこ
   そ、会社によってニーズが違うからな……

真子:そりゃそーか……実際どうやるか、ってところだもんね。



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◆「セグメンテーションの時間軸」
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勝 :じゃあ、次は「セグメンテーションの時間軸」。なあ、真子は
   10年後に、何歳年を取ってる?

真子:やだー、レディに年を訊くなんて、だーめ♪ 

勝 :年なんて訊いてないだろ。10年後に何歳年取ってる、って訊
   いてるだけだろうが。

真子:え? 10年後? えっと、10歳、年取ってる、でいいの?

勝 :せーかい!! すごいじゃん!! そう、真子は10年後には
   10歳、年を取ってる!! どーだ、すげーだろ?

真子:きゃははは、そーだねー……って、バカにしてるぅ!

勝 :いや、これものすごく重要なことなんだけどな。

真子:え?

勝 :だから真子の会社がやってるイタリアンレストラン、そーれ・
   しちりあーの既存顧客は、10年後、何歳年を取ってる?

真子:だから10歳年取ってる、ってば。

勝 :じゃあ、10年後も、その人たちがターゲットでいいのか?

真子:え……あ!! そうか、今25歳の女性も、10年後は35歳
   になるんだ!

勝 :そうなると、どうなる?

真子:えっとね、ご結婚されたり、お子さんができるかも……

勝 :仮に25歳のお客様を顧客ターゲットにしているとしてだな、
   10年後は35歳になるだろ?

真子:そっか、10歳年を取るから、ニーズが変わるんだぁ!

勝 :お客様がビジネスパーソンの場合は?

真子:退職したり、転勤したりしてるかも……あ、昇進してる、って
   こともあるね。

勝 :そうだよな。BtoBでもそうだぜ。顧客企業が大きくなった
   りしてるかもしれない。

真子:あ、確かに大きくなれば、ニーズが変わるかもしれないね。

勝 :税理士さんなんかだと、顧客企業が大きくなって上場準備、と
   かってなるとすべきことが全然変わってくるよな。

真子:あ、そーだね。うちの会社もそうなるんだ♪

勝 :問題は、その10年後、どうするか。それが「セグメンテーシ
   ョンの時間軸」っていうこと。

真子:あれ? これ、なんか聞いたことあるかも……

勝 :売れたま!でも何回かやってるだろ。最近だと……これか。赤
   ちゃん本舗の事例。2012年6月14日号。


勝がノートパソコンを操作し、真子に見せる。「ちょっとノートに抜
粋してみろ」と勝が言うと、真子は「はーい」とまとめ始める。

しばらくすると、真子が「できた!」と顔を上げ、ノートを見せる。



◇10年後の2つの選択:新陳代謝型 と 伴走型

現在のターゲットが25歳女性だと、10年後には35歳になる!

「10年後」の顧客ターゲットは、2通りになる。


1)新陳代謝型:今と同じ25歳女性が顧客となる

今の25歳女性は35歳となって自社商品を「卒業」し、新たに25
歳となった方を顧客とする。


   今の20歳     今の25歳     今の30歳
              ↑↑
   将来の顧客     現在の顧客     卒業した顧客
   「新入生」     「在学生」     「卒業生」


「在学生」のニーズに応えつつ、その先を見越して、「新入生」のニ
ーズを探り続ける!



2)伴走型:今の25歳の人と一緒に歳を取り、35歳女性が顧客

今の25歳女性は35歳となっているので、それに合わせて自社の商
品構成などを変えていく。

顧客の好みなどを記録する、データベースマーケティングが有効。経
年変化を探る!



勝 :オッケー、そういうこと。この「時間軸」の話は、セグメンテ
   ーションの盲点になってるんだよな。

真子:確かに、あんまり聞かないよねー。

勝 :10年後の顧客像によって、今やることが全然違うよな。

真子:うん。新陳代謝型なら、将来の顧客を狙い続けるし、伴奏型な
   ら、今の顧客を追い続ける。

勝 :本来は1年後でも違うはずだ。

真子:1年で1歳は年を取るわけだからね……微妙に変わってるはず
   だよね。

勝 :それが積み重なると、結構大きな変化になる。特に立地商売の
   小売なんかそうだぜ。

真子:そ、そうなの? うちもある意味で立地商売だけど……

勝 :そう。店を作るときは商圏調査とかしてそれに合わせるだろ?
   でもさ、10年たつと……

真子:あ! 商圏内の人たちが変わってるんだ! 10歳年を取るの
   もあるし、引っ越したりしてるかも!

勝 :そう。それを無視して、まさに「十年一日」で同じことやって
   ると、商圏内の顧客と合わなくなってくる。

真子:なーるほどねー。まさに「十年一日」だー、きゃははは。

勝 :だから、少なくとも5年に1回くらいはきちんと商圏調査とか
   やって、ズレを減らしていかないとな。

真子:うん。ねー、新陳代謝型と伴奏型と、どっちがいーの?

勝 :それは戦略の違いだから、良い悪いじゃなくて、「決め」の問
   題だな。戦略としてどっちを選ぶか。

真子:そっかー。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆1)新陳代謝型の顧客戦略
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勝 :じゃあまずは、新陳代謝型の方からやっていくか。この記事を
   読んでみ。


勝が例によってノートパソコンを操作し、反転して真子に見せる。

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇「ワールドが、40代を中心とする「大人の女性」を狙った新型店
 を立ち上げた。相模原市に9月開業したイトーヨーカ堂のショッピ
 ングセンター(SC)「アリオ橋本」に初出店した「スマーティ
 ー」だ」


◇「郊外SCは多彩なブランドやショップを集める。だが、若いころ
 からファッションビルなどでの買い物に慣れた層にはデザインや
 質、感度などの面で物足りないものも多いとの読みだ」


◇「従来のSCでは手薄だった海外買い付けの遊び心のある商品を充
 実させ、セレクト感を強めたことだ。実際、独自企画の「スマーテ
 ィー」ブランドの商品構成比は3割。残る7割は外部から買い付け
 た衣料とストールなどの服飾雑貨、クッションや自転車関連などの
 生活雑貨が占める」


◇「インポート商品の目玉の一つとしてそろえるのがビートルズの公
 認グッズだ。キーホルダーや目覚まし時計などのほか、直筆サイン
 など限定品も扱う」


2010/11/24, 日経MJ P.4

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:なんでビートルズなんだろうね? 男性狙いかな?

勝 :それもあるだろうけど、ビートルズのピークは60年代後半。
   40代後半くらいまではビートルズの影響を受けてるよな。

真子:そっかー。

勝 :昔の40代とか50代だと演歌ファンかもしれないけど、今の
   40代なんかは、ディスコ世代だからな。

真子:なるほどねー。今の40代は、昔の40代とは違うんだー。

勝 :それ!! 今の40代は、昔の40代とは違う!!

真子:あ、洋服なんかも、その世代はセレクトショップで買ってたか
   ら、「セレクト感を強めた」んだ!

勝 :そうだろうな。セレクトショップの代表格の1つ、ユナイテッ
   ドアローズが頭角を現してきたのが90年代だからな。

真子:じゃあ40代はモロそこに当たってるんだ。

勝 :そういうこと。だから、40代を狙う、って言っても「中年女
   性」という昔の感覚だと、ズレが生じる。

真子:そうか、その「ズレ」が時間軸によってできちゃうんだ!

勝 :そうそう。当たり前だけど、「今の40代」のニーズを捉える
   必要がある。

真子:そのためにはどーすればいいの?

勝 :だから、昔、どこで何を買ってたか、とか考える。セレクトシ
   ョップとかファッションビルで買ってたわけだ。

真子:なるほどねー。



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◆2)伴走型の顧客戦略
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勝 :じゃあ次は、伴走型、の方な。その典型例がこれなんだよな。


勝が再びノートパソコンを真子に見せる。

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇「「無印良品」を展開する良品計画は旗艦店の有楽町店(東京・千
 代田)を9月に改装する。客層の平均年齢が上がる中で子連れ客の
 取り込みを強化するのが狙いで、子供服売り場を1・5倍に広げ、
 遊び場となるスペースも刷新し3倍強に拡張する」


◇「有楽町店2階の奥にある子供服売り場には、長椅子で囲われた約
 9平方メートルの小さな「遊び場」がある。子供が靴を脱いで遊べ
 るスペースで、同店で買える絵本やおもちゃが置いてある。商品棚
 の間にひっそりとあるが、買い物中の休憩所として、平日、休日問
 わず子連れ客でごった返す。9月1日の改装ではこのスペースを3
 倍強に広げる計画だ。


◇「子供服売り場を改装する背景には、無印良品自体の客層の変化が
 ある。同社では、顧客の平均年齢が「年々1歳ずつ上がっている」
 といい、現在は35歳で女性客が中心。これに合わせて子育て関連
 部門が伸長している。たとえば、2012年2月期に3年ぶりに売
 上高が前の期を上回った衣服部門は、子供服がけん引役となった。


2012/07/11 日経MJ P.6

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:へー、お客様の平均年齢が、毎年1歳ずつ上がってるんだ!

勝 :すごいよな。まさに、お客様が毎年1歳ずつ年取ってる。

真子:じゃあ、それに合わせていけばいいんだよね。

勝 :そうなるな。予測しやすいっていえば予測しやすいよな。

真子:うん。お子さんも毎年1つずつ年を取るから、わかりやすいよ
   ね、来年は小学生になるからランドセルが売れる、とか。

勝 :そうそう。さらに言えば、変化の先取りもやりやすい。子供の
   遊び場を3倍にする、っていうのもそれなんだろうな。

真子:そっか、予測しやすくければ先回りできるんだ!

勝 :そういうこと。



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◆現在最適と未来最適:未来に最適化する
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勝 :顧客は常に変わってるから、どうやって「入れ替える」か、っ
   ていうのが問題になることもある。


勝が「これがその例の1つ」と言いながら真子にパソコンを向ける。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

京王百貨店社長 林静男氏

◇「──秋に向け大改装を段階的に進めている。
 「狙いの1つは現在の中心顧客(60代以上)より若い、40代後
 半〜50代という次代の顧客層の獲得にある。例えば『美』や『健
 康』に焦点を当てる。この世代の生活感にあった提案をする」」


◇「1990年代後半から戦略的に顧客にしてきたシニア層と今のシ
 ニア層は異なる。団塊世代が加わり、より行動的だ」

2013/01/21 日経MJ P.7



◇京王百貨店は新宿店(東京・新宿)主力の婦人服売り場を全面改装
 する。3フロアを主要なターゲットの世代で分類。現在の主要顧客
 層よりも若い30〜50代向けの売り場を広げる。


◇2〜4階を改装する。現在は3フロアのうち半分程度が55歳以上
 に向けた売り場になっている。これを2階は30〜40代前半、3
 階を45〜50代前半、4階を55歳以上とフロアごとにターゲッ
 ト層を分ける。


◇「同じフロアでも顧客層が異なるテナントが混在、若い世代の足が
 遠のく一因になっていた」

2012/11/09 日経MJ P.5

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:確かに、京王百貨店って、シニアに強いので有名だよね。エス
   カレーターがゆっくり、だとか。

勝 :そうそう。でも「昔のシニア」と「今のシニア」が違う、って
   いうのが社長の認識なんだよな。実際違うだろ。

真子:どっか、だから同じ「シニア顧客を取る」って言っても、その
   「中身」は全然違ってくるんだ。

勝 :そういうこと。京王百貨店は一見シニアを狙う伴走型に見える
   けど、実は60代中心の新陳代謝型なのかもしれないな。

真子:あ……そうかも。そっか、だから「昔のシニアと今のシニアは
   違う」っていうことになるんだ。

勝 :まあさすがにシニアの場合は、80代まで「伴走」するのは難
   しいからな。色々な理由で。

真子:あ、そうだよね……

勝 :だから、いかに「10年後」を考えて、それに最適化するか、
   っていうのがポイントになる。

真子:へ?

勝 :いや、だからターゲティングっていうと、「今」の分析しかし
   ないけど、「今」じゃなくて「未来」に最適化する。

真子:わっかりませーん。

勝 :あのさ、10年後にはその10年後に合った姿を自社がしてい
   る必要があるだろ?

真子:はーい。

勝 :でも10年後にいきなり変わることはできないから、今から少
   しずつ変わっていくことになるよな?

真子:はーい。

勝 :だからそういうことだよ。「今」に最適化しないで「1年後」
   に向けて「1年間」かけて最適化すればちょうどいいだろ。

真子:え?

勝 :だからさ、伴走型なら、来年はお客様が1歳年を取るのに合わ
   せて1年間かけて変えていく。

真子:あ、わかった!! 今の顧客に合わせるんじゃなくて、未来の
   顧客に合わせるんだ! 変えるのに時間がかかるから!

勝 :そう。「部分最適と全体最適」と同じような話で、「現在最適
   と未来最適」がある。もちろん、未来に最適化する。

真子:なーるほどぉ。

勝 :京王百貨店の場合は、10年後に60代を取るためには、今か
   ら50代を取ろう、ってフロア構成にしてるんだろ。

真子:あー、そういうことかあ……「未来最適」なんて、勝さんにし
   ては珍しくカッコイー言葉だ。

勝 :うるせーよ。別にオレは難しい言葉も使えるんだよ。真子には
   使わないだけで、さ。ターゲットに合わせてるんだ。

真子:やだー、勝さんのターゲットは真子ちゃんなんだー。狙われちゃ
   ったー♪

勝 :うるせー。とにかく、だから5年後、10年後の顧客像を考え
   て、未来に最適化する。「今」に最適化しない。

真子:はーい、わかりました。質問がありまーす。

勝 :どーぞ。

真子:今気づいちゃったんだけどさー、このシリーズって「年齢で切
   るな」って話じゃなかったっけ? 今ずっと年齢の話だけど?

勝 :やっと気づいたか。

真子:へ?

勝 :だから、年齢で切ると、この問題が起きるんだよ。若返りをど
   うするとか、さ。

真子:え? じゃあ年代で切らないってこと?

勝 :年代を使ってもいいけど、それと同様の重みを持った他の切り
   口も必要だよな。

真子:例えば?

勝 :例えば、さっきの良品計画の例だと、子供の有無とかさ。

真子:あ、そっか。子供服売り場を増やすんだから、当然そうか。

勝 :京王百貨店だと、「体がどれくらい動くか」とか「年間何回旅
   行に行くか」とか、あとは服の好みとか。

真子:あ、なるほど。でも、服の好みなんかは、年代によって、って
   いう時間軸の影響を受けちゃうよね。

勝 :服はそうかもしれないけど、売れたま!なんかは性別・年代関
   係ないだろ? なんか1000号も出してるみたいだけどさ。

真子:あ、そっか。そーだね。売れたま!のターゲットは、このカワ
   イイ真子ちゃんが好きな人、だもんね。みんなニーズ同じ♪

勝 :違うだろ! ってツッコむのは疲れるわ……読者さんは、マー
   ケティングとか戦略に興味のある人、だよな。

真子:うん。でもさー、それじゃ「どんな人」に落ちないよね?

勝 :お、鋭いじゃないか。だから、そこから「大企業のマーケティ
   ング部門のリーダー」とか「中堅企業の経営層」ってなる。

真子:あ、それだと確かに「10年後」も同じだね。

勝 :だろ? だから、年代で切ってもいいけど、他の切り口を組み
   合わせることで、「若返り」なんかの問題を回避しやすくなる

真子:なるほどねー。

勝 :厳密に言えば、どんな顧客セグメンテーションをしようと、時
   間がたてば顧客は変わる。

真子:だから、未来に最適化するんだね。

勝 :そう。ターゲット、って「的」だよな。「的は動いている」
   んだよ。売多勝名言集、として書いておけ。

真子:なーるほどぉ。「的は動いている」、かあ……お客様は常に変
   わっている、ってことだ。



「ね、ね、勝さんのターゲットである真子ちゃんも動いてるよ」
「は?」
「だから、勝さんも急いだ方がいいんじゃないかなあ……」
「確かにオマエは、中堅企業の経営者って意味では、ウチの会社のタ
 ーゲットではあるが、どう動いてるんだ?」
「会社なんかどーでもいーの」
「じゃあ、なんでオマエがオレのターゲットなんだよ」
「もー知らない」
「あ、わかった」
「え? や、やだあ……わかっちゃった?」
「真子は落ち着きがないから、確かに「動いてる的」だな……」
「え? な、なにそれー……何よ、もー、べー、だ」
「じゃあ風呂に行くか」
「あ、うん、そーだねー。朝日が差し込む温泉だ♪」


勝はノートパソコンをぱたりと閉じ、マウスなどをパソコンバッグに
入れていく。真子は、ノートに書き込んでいたかと思うと、もう一度
見て満足そうにうなずき、2人とも一緒に立ち上がった。

「よし、じゃあ温泉だ!」
「うん! 朝風呂なんてぜーたくだねー!」
「へー、真子ちゃんと一緒にいるのが最高のぜ、い、た、く、とか言
 うのかと思った」
「やっだー、やっぱりそう思ってくれてるんだー。嬉しいな♪」
「全く思ってない。とにかく風呂行こうぜ」
「うん♪」



次号に続きます!


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◆今日のまとめ
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●セグメンテーションの「時間軸」を考えよう。10年後の顧客像を
 考え、それに合わせて自分も動いていこう。未来に最適化しよう!


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ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。



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誌上で取り上げる事例を募集中です。BASiCSに関する質問にも
誌上でお答えしますのでぜひどうぞ。

この売れたま!にご返信いただければ、私にメールが届きます。


**************************************************************
▼今日の日記▲

ちょっと前、朝起きたときに左肩に激痛が走りました。最近確かに、
肩が上がらないときとかがあったので、いわゆる四十肩とか言われる
ものか、と……(年が年ですしね)。

2、3日しても痛みがおさらまらないので整形外科に行ってレントゲ
ンをとってもらったりしたところ……左肩の「腱」を傷めたとのこと
でした。

お医者様いわく、その激痛が走ったときに骨で腱を挟むか、そんなよ
うなことをして傷めたのだろう、と。そしてその事象は四十肩とは独
立の事象である(そんな表現ではありませんでしたが)、ということ
でした。

てっきり、その「四十肩」とか言われる症状の延長線上にあるものだ
と思っていたら、これは「誤った因果関係」だったんですね……思い
込みとは怖いものですが、お医者さんに行って良かったです。

で、これが結構不便で、肩をひねる動作が痛むために、シャツを脱ぐ
みたいなことができないんですよね……ジムに行くと(そんな状態で
ジムに行くな、って話はおいといて)シャツが汗でべったりとはりつ
くんですが、脱げない、と……。普通の日常動作ができなくなるんで
すよね。

やってすぐの頃は、寝返りをうっても激痛が走るために眠れなかった
んですが、ようやく眠れるようになりました。

筋トレやったり走ったり、と結構鍛えてるつもりではいましたが、体
は確実にガタが来始めているんですね……

ケアすればいいのか、鍛えればいいのか……難しいですね。



○1000号突破! 勝手にカウントアップ!

*今号で(多分)累計1,001号!


●売れたま!1000号を超えてその1:Hasty Generalization


メールやツイッターで「おめでとうメッセージ」をいただいた方々、
ありがとうございました!


お祝いのメッセージを紹介するのは差し控えますが、その中で、この
コーナー自体を続けてほしい、というリクエストがありました。何を
どう考えて、今に至ったのか、ということを知るのは「自分の刺激に
なる」とのこと。

実は、今まで意識的にそういったことは公開せず、だからこそメイン
の方でやらずに、今回もこの「欄外」でやってきたんですよね。

というのも、「オレはこうやってうまくいったから、アナタもこうや
ればうまくいく」という短絡的な発想に私は反対だからです。

世の中の多くの「経営者が書いた本」は、まさに「オレはこうやって
うまくいったから、アナタもこうやればうまくいく」というような、
短絡的なものが多いのですが、そんなの危なっかしくってしょうがあ
りません。いわゆる「一般化の誤謬」、Hasty Generalizationですね
(ディベートをきちんとやった人なら聞いたことがあるでしょう)。

例えば、宝飾品などですと、価格を上げれば売れる、というようなこ
とがあります。では、同じことを液晶TVでやってどうなるか、考え
てみればわかりますよね?

単純に差別化軸が違っていれば、マネするのは有害です。「オレはこ
うやってうまくいったけど、アナタは同じようにやったら失敗する」
という方がむしろ普通かと思います。

だから、きちんと「普遍化」して法則を導き出す必要があるわけであ
り、「私はこうやったから、アナタもこうやれ」となりがちになる、
「私の体験談」はあえて避けて来たんですよね。


と言いつつも、「とっても面倒なことを続けている、ある変人の考え
方の推移」に興味がある方もいらっしゃるんですね。

「自分とあてはまるかどうかはわからない」という前提を共有した上
で、それもアリか、と思いましたので、このコーナー、ネタが続く限
りちょっと続けてみようかと思います。



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●まだ終わりません。次からはセグメンテーションをどう「使うか」
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▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

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