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2012年11月27日火曜日

売れたま!特別編Vol.199 2012/11/26 ヒットを飛ばすキングジムの考え方 4

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
 〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.199 2012/11/26
購読者:27,704 (まぐまぐ:16,324 メルマ!:952 めろんぱん:10,428)

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 ■■■■__ヒットを飛ばすキングジムの考え方 4__■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●商品軸は、開発者が最後まで責任・権限を持って動けるようにしよ
 う! 社長のインタビュー記事などは、背後の前提を見よう!


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◆登場人物紹介:売多真子 & 売多勝 + 松井恵利
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●「新人OLシリーズ」のヒロイン・売多真子とメンター・売多勝

今回は「新人OL〜」シリーズのヒロイン「売多真子」(うれた・ま
こ)と、その親戚にしてメンター「売多勝」(うれた・まさる)の2
人にご登場いただきます!


○「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著

売多真子が、勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
マーケティングを学ぶ最初の1冊としてオススメ。
http://ow.ly/89pSR


○「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著

上の本の続編。真子が社長になり、ライバルと戦っていく! 戦略構
築から実行プロセスまで、社長の視点を物語で体感!
http://ow.ly/6s63d


○特別ゲスト:松井恵利

特別ゲストは、松井恵利(まつい・えり)ちゃん。真子の大学時代の
同級生であり、CD「経営戦略虎の巻」の特典小説のヒロイン。

http://sandt.co.jp/keieitoranomaki.htm

OL勤めをやめて家業の果物屋を継ぎ、果物及びその加工品販売の
「M'sジューシーヘルシー」の経営陣として頑張っています。


この3人は、このところ、すっかりお馴染みになったメンツですね。



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◆まずは、前号の復習から!
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土曜日の夜、勝のオフィスに「突撃」してきた真子と恵利。会議スペ
ースの机に上には、デパ地下の総菜の空き皿が並ぶ。


「チーン」

レンジが、たい焼きがあたたまったことを知らせる音を奏でる。

「わーい、たい焼き、焼けたー!」
「だから焼いてねーだろうが」
「何でそんなに神経質なのよー。そんなに神経質なら、この部屋もっ
 と片付けなよー」
「大きなお世話だ」

真子が、レンジから湯気の出ているたい焼き3匹を取り出す。

「よし、食べよう」
「わあ、おいしそうです!」
「きゃああ、あっつーい!」 既にかぶりついている真子が叫ぶ。
「じゃあ早速始めるぞ」
「食べ終わってからにしよーよー」
「ダメ」


恵利:前号の復習ですよね。前号では、キングジムは大手が来ない
   「戦場」をあえて狙っている、ということを見てきました。

真子:1つの新製品の売上で、10億円くらい、だったよね。それな
   ら大手が参入してこない。

恵利:それくらいの売上規模だからこそ、「10人に1人に買っても
   らう」ことで十分なんだよね。

真子:それに、価格競争に巻き込まれない!

恵利:結局、買わない人は、値下げしようが何しようが買わない、と
   言うことですよね。

勝 :OK。じゃあ先に進もう。



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◆商品軸:開発者が動きやすい組織
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勝 :でさ、ここまで見てきたキングジムって、差別化軸*で言うと
   何になると思う?


*3つの差別化軸:売り手が差別化する3つの方法

手軽軸:顧客の簡便性ニーズに応える
    → 競合より安い・早いで差別化する

商品軸:顧客の品質・技術ニーズに応える 
    → 競合より高品質・新技術で差別化する

密着軸:顧客の個別ニーズに応える→
    → 競合より個別ニーズ対応で差別化する


恵利:あ、それ今まで考えてませんでしたね。

真子:キングジムは商品軸!!

勝 :何で?

真子:新製品で差別化してるから!

勝 :商品で差別化するから商品軸じゃないぞ。

真子:そ、そうなの?

勝 :何を今さら……密着軸でも新製品で差別化するぞ。問題は「ど
   んな新製品か」だ。「個別化」の新製品なら密着軸だからな。

真子:あ、そ、そうか……「どんな」新製品か、か……

恵利:それでも、私も「商品軸」だと思います。

勝 :なんで?

恵利:「品質」「技術」ではありませんが、「今までになかった新し
   さ」という、「革新性」勝負だからです。

勝 :うん、そうだろうね。オレもそう思う。

真子:何よー、やっぱり商品軸なんじゃん!

勝 :そこは否定してないだろ。考え方を否定しただけだ。でさ、こ
   れを読んで。


−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−

キングジム宮本彰社長が日経MJのインタビューに答えて


◇誰が作ったかを明確にするため、アイデアを出した者が最後まで面
 倒をみる。


◇ヒット商品には社長賞を出す。ポメラの開発者には100万円を渡
 した。ヒーローをつくると、他の社員も後に続こうとがんばる。


2012/10/29 日経MJ P.3

−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−


真子:すごいねー、100万円の社長賞! うちには出せないなぁ。

勝 :金額じゃない。「独自で売れる新製品を出した人が偉い」とい
   う、社長からの強烈なメッセージ、というのがポイント。

真子:そうか! じゃあ、うちの会社の社長賞は、真子からのあつー
   い愛のメッセージでもいいんだ!

勝 :まあ、喜ばれないとは思うが、インパクトはあるな……

真子:みんな喜びますよーだ。

勝 :でさ、ポメラの「ヒーロー」は誰だ?

恵利:この場合は「開発者」ですよね。

勝 :そうだよな。それとさっきの「差別化軸」をつなげてみると?

恵利:あ! 商品軸の組織は、「開発者が自由に動ける」ことがポイ
   ントですよね! やはり商品軸なんですね。

勝 :そうだよな。オレがキングジムが「商品軸だ」と思ったのはこ
   の部分を読んでなんだよな。そういう組織、だから。

真子:そうか、「アイディアを出した者が最後まで面倒を見る」って
   いうのは、「開発者が全権を握る」ってことなんだ!

勝 :そうそう。開発者が自由に動ける、ってこと。まさに商品軸の
   組織作り。

真子:自分で考えて自分で作れば、そもそもの発想の動機とか、開発
   者としの譲れないポイント、とか、そういうのが活かされるね

恵利:なるほど、「自分のアイディア」だから真剣にやりますよね。

勝 :それに、「自分」でやるから、良くも悪くも分業ではない。自
   分で責任を持ってやらざるを得ない。

恵利:大企業だと、多くの場合「分業体制」で、考える人、作る人、
   売る人、って別れちゃいますよね。

勝 :そうなると、「無責任体制」になりがち。「アイディアマンの
   社長」が作る製品がヒット商品になるのは……

真子:あ! そうか、社長なら、自分で考えて自分で作って自分で売
   れるから、一貫性が取れる!

勝 :そうそう。「自分が全責任」を負えるからな。「誰が作ったか
   を明確にするため」というのは、責任を明確化している。

真子:それでさー、うまく行って百万円もらえたら、みんなすっごい
   やる気になるねー!

勝 :そう! 「アイディアを考えた人」が自由に動ける体制を作っ
   て、うまくいったら大きく褒めてあげる。

恵利:なるほど、障害がないんですね。自分がやりたくてもできない
   のであれば、いくら大きなエサを掲げても意味が無い……

真子:そうか、自分で考えて自分でやれるからこそ、「百万円」に意
   味があるんだ!

勝 :そう。商品軸として、すごい一貫性がある組織だよな。

真子:なーるほどぉ! でも、思い切ったことする会社だよねー!

恵利:会社としてのリスクが大きそうですよね。

勝 :そうだよな。じゃあその「リスク管理」を見ていくか。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆会社全体のリスク管理
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勝 :リスクを負うからには、リスクを管理しなきゃいけない。キン
   グジムがどうしてるかというと……


勝が再びノートパソコンを操作すると、すぐ真子達に向ける。


−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−

キングジム宮本彰社長が日経MJのインタビューに答えて


◇現在、売上高が電子文具とアナログ文具で、ほぼ半々なのはいいバ
 ランス。安定収入源に傾けば活性化が失われるし、チャレンジ部門
 だけだとリスキー。簡単ではないが、このバランスを保ったまま成
 長を続けたい。


◇ファイルしかなかったら大変だった。市場が縮んでいるので、生き
 残るにはリストラして縮小均衡を狙うしかなかった。

2012/10/29 日経MJ P.3

−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−


恵利:アナログとデジタルで半々、なんですね。安定したアナログ文
   具があるから、ポメラとかの電子文具でリスクが負える……

勝 :売上を棒グラフにしたイメージとしてはこんな感じなんだろう
   な。あくまでもイメージだけどさ。

             □      □
    □  □ □   □□  □  □□
    □□□□□□□□□□□□□□  □□
   □□当たり外れのある電子文具□□□□□
   □□□□□□□□□□□□□□□□□□□
  =======================

    安定したアナログ文具:ファイルなど

  =======================


恵利:えっと左右の軸が時間軸、ですよね。

勝 :うん、右側に行くほど時間が経過している。

真子:なるほどね、下のアナログ文具がまさに「下支え」してる。

勝 :そうそう。リスクを負わないと拡大はできないけど、「過大」
   なリスクを負うのはまずい。

真子:電子文具だけだったら、恐いよね。ヒット商品が売れなかった
   ら倒産しちゃう!

恵利:アナログ文具が「安定」エンジンで、電子文具が「成長」エン
   ジンとも言えますね。

勝 :そうそう、そんな感じ。アナログ文具は伸びないけど、安定し
   ている。電子文具は伸びるけど、ブレが大きい。

真子:そーかー。だからこそ「10に1つしか成功しなくて良い」な
   んていう「割り切り」ができるんだね。

勝 :そういうこと。電子文具だけだったら、そういう「割り切り」
   がやりにくい。

真子:じゃーさー、電子文具部門がすっごく伸びちゃったら、そうい
   う「割り切り」はできなくなるのかなー?

勝 :そうかもな。そしたら、電子文具部門の中で安定した商品群を
   見つけるとか、何か考えるだろうけどさ。

恵利:なるほど……



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◆全体の「一貫性」
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勝 :じゃ、最後に全部まとめてみよう。キングジムの社長のご発言
   をまとめたいんだけど、恵利ちゃん、どう?

恵利:はい、出来てます。こんな感じで……


恵利が、ここまでまとめてきた「恵利ノート」を見せる。



◇「私は(どの商品も)使っていない。というのも、当社は10人中
 1人が欲しいと思う商品を作っているから。


◇人間の頭の中には常に買い物リストがあり、欲しい順に買う)。だ
 から、絶対欲しいと思うものを作る。


◇商品化のハードルは、結構低い。マーケティング調査が大嫌いだ。
 調査に時間とお金をかけるくらいなら商品を出してしまえ。


◇9個失敗しても10個目でヒットすれば全部取り返せておつりが来
 る。それくらいの感覚でやらないと宝の山は探せない


◇大手には勝てないから、スキマ市場を狙う。年商8億円でも10品
 目あれば80億円になる。


◇新しい概念の商品が多く、価格は原価と目標利益から決める。安い
 ものが売れるとは限らない。買わない人はいくらでも買わない。


◇アイデアを出した者が最後まで面倒をみる。ヒット商品には社長賞
 を出し、ヒーローをつくると、他の社員も後に続こうとがんばる。


◇アナログ文具と電子文具の売上が、ほぼ半々なのはいいバランス。
 アナログ文具が安定収入源で、電子文具がチャレンジ部門に。


2012/10/29 日経MJ P.3


勝 :うん、さすが、うまくまとまってるね。それで、1つ1つの発
   言の間につながりがあるのがわかるよな。

真子:うん。読んでると「ふんふん」て見過ごしそうだけど、この後
   ろには緻密な論理っていうか、一貫性があるんだねー。

勝 :そういうこと。様々な前提条件があって、成立している話だ。
   だから、こういうインタビュー記事をそのままマネしちゃダメ

恵利:その「前提条件」を明らかにしないと、誤解してしまいますね

勝 :うん。それで、「じゃあうちもマーケティング調査をやめる」
   とか「原価+利益で値付けする」とか、丸呑みにしちゃだめ。

恵利:「前提条件」が違うからですよね。

勝 :そうそう。隠れてる「因果関係」をざっと見てみるか。


・売上が300億円だから、10億円規模の商品でも貢献度が高い

・10億円規模の売上で十分だから、10人に1人が買う商品でいい

・10億円規模だと大手が入ってこないから、価格競争にならない。
 価格競争にならないから原価+利益で値段を決められる

・「アナログ文具」という安定商品があるから、10回中9回失敗し
 てもいい、というリスクが負える

・ポメラのような「新規概念製品」は、顧客が実際に試さないと正し
 い評価ができないから、マーケティング調査をせずに市場導入する

・10回中9回失敗してもいいから、マーケティング調査をせずに、
 製品を作って市場導入できる。

・10億円規模の売上で十分だから、市場導入して失敗してもダメー
 ジが少ない

・10人中1人に売れればいいから、社長が「自分は使わない」と断
  言できる。

・10人中1人に売れればいいし、10回中9回は失敗してもいいか
  ら、開発者が自分のこだわりを貫ける。

・「こだわり」にはコストがかかるが、「原価+利益」で価格を決め
 るから、そのコストを価格に転嫁できる。

・10人に1人の「こだわり」顧客がターゲットだから、ある程度高
 くても買っていただける

・自分のこだわりを貫けるように、開発者が最後まで「面倒を見る」
 体制になっている


恵利:うわぁ……ホントですね。全てがつながっています。

真子:すごい一貫性あるよね。

恵利:こういう「一貫性」が「隠れている」という前提で、この記事
   を読まないと「誤解」しちゃいますね。

真子:うん……そうだね。こういう「全体」があるからこその、それ
   ぞれの発言なんだもんね。

勝 :そういうこと。この、1つ1つの発言の裏の「つながり」を見
   ないとダメだな。

恵利:その「つながり」って「一貫性」のことですか?

勝 :そう。どこか一カ所が崩れると、一貫性がなくなる。だから、
   このままの状態がそのまま続くとは限らないけどな。

真子:ね、勝さん、ここまで考えてこの記事読んでたのー?

勝 :当たり前だろ。だから社長のおっしゃってることが「面白い」
   って最初に言ったんだ。

恵利:え? こういう因果関係が、記事を読んでいるうちにアタマに
   浮かんで来るんですか?

勝 :そうだよ。記事の上に赤い線がひかれていくのが見えるし、
   こういう「隠れた前提」が、新聞の向こうに見えてくる。

恵利:すごいわ……

真子:うわ……見えないモノが見えるなんて、オカルトだぁ……

恵利:違うでしょ、訓練のたまものよ。この中で、「10人に1人に
   売れればいい」というのが、何回も出てきますよね。

勝 :そう! そういう「何回も出てくること」が、全体の中核にな
   っている。そこからたくさんの「赤い線」が引けるわけだ。

恵利:なるほど、赤い線を引けば、「前提」だったり「因果関係」が
   「視覚化」できますね。

勝 :そういうこと。300億円の売上規模、電子文具・アナログ文
   具の売上が半々、というのは変えらない前提だよな?

恵利:はい、少なくとも短期的には変えられません。

勝 :それで、その「変えられない前提」の上に、それに合った戦略
   を載せていく。ここでは「10人に1人」とかだな。

真子:なるほど、前提は変えられないけど、戦略は変えられる!

勝 :そうそう。で、その「10人に1人に売れればいい」という
   「割り切り」を中核に、パズルが組み立てられている。

真子:なあるほどぉ!

勝 :実際には「10人に1人」はモノの喩え。100万台売れても
   まだ「100人に1人」だからな。

恵利:そういう「割り切り」がカギなんですか?

勝 :実際には、「割り切り」っていうか、単なる事実。キングジム
   の企業規模で、10人中9人が買う商品は作れない。

真子:え? 「事実」なら、「割切って」ないじゃん。

勝 :それがさあ、「1億人に売れる商品を作れ」とか言っちゃうわ
   けだよ。すると、1億人どころか、誰にも売れない。

真子:あ、なるほど。事実を認める勇気、ってところか。

勝 :そういうこと。果てしない理想を追うのはいいことだけど、現
   実を見据えないと、理想から遠ざかる。

真子:そもそも「日本人全員に売れる商品」なんてありえないよねー

勝 :そういうこと。そして、考えるべき戦略も、その会社が置かれ
   た状況とかの「前提条件」によって変わる。

真子:あ……そうか、「前提条件」が違えば戦略が変わる!

勝 :だから、万能な戦略なんて存在しない。

真子:あれ? BASiCSは万能なんじゃないの?

勝 :BASiCSは万能だよ。ただ、BASiCSはワクだから、
   その中身が変わるだろ。ワクとして万能、ってこと。

恵利:万能な戦略が1つだけあるんだったら、BASiCSもいりま
   せんよね。

勝 :そうそう。上にあるような、発言の一貫性、その裏にある前提
   条件、なんかがすごい面白い記事だと思ったんだよな。

恵利:だから、お読みになってらしたんですね。

勝 :そう。というわけで、この話、おっしまい!

恵利:ぱちぱちぱちぱち! ありがとうございました!

真子:ねーねー、さっきの「赤い糸」の話だけどさー、どうすれば
   「赤い糸」が見えるようになるの?

勝 :赤い「線」だっつってんの。「赤い糸」こそ見えたらこえーよ

真子:勝さんと真子の間の赤い糸が真子には見えるよ、はーと。で、
   どーすれば見えるようになるの? 真子も見たい!

恵利:訓練のたまものですよね。

勝 :そうそう。訓練すれば、ロジックのつながりとかが見えるよう
   になるの。

真子:勝さん、いつの間に訓練なんてしたのよー

勝 :オレは、真子たちが恋愛だの飲み会だのにうつつを抜かしてた
   学生時代に、ストイックに英語ディベートとかやってたからな

真子:恋愛にうつつなんか抜かしてないもん。それどころか……

恵利:そうだよね、真子は全然恋愛とかうまくいってなかったもんね

真子:そうそう……ってちっがーう!! 大体恵利だって人のこと…

勝 :そんな話はどーでもいい。ストイックに訓練すれば、そういう
   「ロジック」が見えるようになる

真子:ストイックとか関係ないじゃん。

勝 :真剣に集中してやれ、ってことだよ。何年も、何十年も。

真子:えー、やだやだ、すぐ見たい!

勝 :そんなすぐにできるようになるわけねーだろ。それこそ「独自
   資源」なんだからさ。

恵利:私もやれば赤い線が見えるようになりますか?

勝 :うん。さっきの恵利ノートの上に書いて、練習してみなよ。新
   聞の記事とか読むときも、そうやって考えながら読むといい。

恵利:はい!!




「ちぇっ。じゃあ、真子は勝さんとの間の赤い糸でガマンするよ」
「ふざけんな、そんなものオレには見えねー」
「私にも見えないわよ」
「いーもーんだ」
「真子、赤い糸が見えるんならオレのために食い物買って来てくれ」
「えー、まだ足りないの? あれだけ食べたのに?」
「全然食べてないだろ。あ、カップラーメンあったはず……」
「やめなよー、食べ過ぎだよー」
「あ、じゃあ私、お菓子焼いてきたので……」
「あるの? やったあ!」
「な、何で恵利そんなの持ってるのよ! 今日ここに来る予定なかっ
 たはずじゃん! あ、まさか最初っからそのつもりで……」
「え、そ、そんなこと無いよ、偶然よ……と、とにかく、勝さん……」

恵利がバッグから包みを取り出し、中の焼き菓子を机に並べていく。

「お、すげーじゃん。これは、いいデザートだ」
「勝さん、どうぞ全部召し上がってくださいね」
「私も食べる!」
「勝さんに持ってきたのよ、これ」
「何それ! ダメよそんなの! いっただきまーす♪」
「じゃあオレも……あ、これうまい」
「どれどれ? じゃあ私も……」
「真子、取りすぎ! 子供じゃねーんだから自分の分キープすんな」
「勝さんだってそーじゃん! 大体ねー、恵利だって……」
「な、何よ……あのね、真子、私だって言いたいことあるんだから」
「ならいっそ……飲もう! 私、コンビニでワイン買ってくる!」
「はあ? ふざけんな、人の会社で酒盛りすんじゃねー」
「いーじゃん、今日はもうどーせ仕事になんないでしょ?」
「ふざけんな、誰のせーだと思ってんだよ!」
「勝さん、たまには休みましょうよ……」
「何だよ、恵利ちゃんまで……オレはまだ仕事があんだよ!」
「じゃあ場所だけ貸してよ。じゃあ、恵利、コンビニ行くよ」
「そうだね、行こう行こう!」
「あーあ、もう……じゃあ食い物も買ってこいよ!」
「きゃははは、いくらでも買ってきてあげるよ!」


土曜日の深夜、人気のないオフィス街に3人の楽しげな騒ぎ声、笑い
声はいつまでも響いていた。


<完>


これにてシリーズ終了です。

ここまでおつきあいいただき、ありがとうございました!



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◆今日のまとめ
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●「商品軸」なら、開発者が自由に動けるようにしよう! インタビ
 ュー記事などは、その背後にある前提条件などを考えよう!


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**************************************************************
▼今日の日記▲

この3連休は、戦略BASiCS2日間集中セミナーから、マインド
フローセミナーと、3日連続のセミナーでした。

お陰様で、3日間とも大変盛り上がりました。BASiCS→マイン
ドフローと連続で行うのは初めての試みでしたが、BASiCSとマ
インドフローは極めて相互に相性が良いため、結果的には良い流れが
出来たかと思います。


3連休にこのようなセミナーを受講される方は、大変意識の高い方々
です。そこでディスカッションが始まると、一種独特な、精気溢れる
エネルギーが満ちるんですね。

そのエネルギーがぶつかり合うと、アタマが働いてアイディアが出た
り、刺激を受けてやる気が出たりするようです(ようです、と書いて
いるのはアンケートでそういうご意見を多くいただくからです)。

マインドフローもセミナー中に進化したりして、素晴らしい受講者の
方々でした。


ただ、セミナーを終えて帰路につくと「ぐったりする」という方も多
くいらっしゃいます。アタマも相当疲れるようなのですが、逆に言え
ば、日頃はお持ちの潜在能力を100%使われていらっしゃらないと
いうことでもあります。

日頃から、その潜在能力の発露を高められれば、つまり、「うまくア
タマが使えれば」もっともっとできるんですよね。

BASiCSセミナー、マインドフローセミナーにご参加いただいた
方々、ありがとうございました!



●今日のiPod Tune:秋の歌2012

ちょっと前まで夏だと思っていたのに、もう冬に近くなってきた、と
いう漢字ですね。

というわけで、「秋の歌2012」!


今日の1曲は……


○M by プリンセスプリンセス


1989年リリースの、あのスーパー大ヒット曲、DiamondsのB面の
曲です。

Diamondsとは打って変わって、落ち着いたバラード曲です。非常に有
名な曲ですので、ご存じの方も多いですよね。


厳密に言えば秋の曲ではなく、出会ったのが秋、という歌詞なんです
が、秋に似合う曲ではありますよね。

ところで、プリプリの紅白初出場が決まったみたいですね。初出場と
言うのが驚きです。あの絶頂期には出ていなかったんですね。

どの曲を歌うのかは存じませんが、あの数々の大ヒット曲のメドレー
なんかを歌ってくれたらいいですね。



**************************************************************
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●「売れる数字 〜組織を動かすマーケティング〜」 
 佐藤義典著 朝日新聞出版

戦略を実行に落とし込み、組織を動かそう!
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──────< 物語でわかるマーケティング >────────

●「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
 マーケティング入門:読みやすい小説
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●「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
 上の本の続編。主人公が社長になり、戦略構築から実行プロセスま
 で物語で体感!
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●「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
 物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
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─────< マーケティング戦略のベストセラー >──────

●「図解 実戦マーケティング戦略」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略入門:戦略はここから
 日本能率協会マネジメントセンター
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●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
 日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/check.htm

●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
 ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
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────────< マーケティングの思考法 >────────

●「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
 日本能率協会マネジメントセンター
 右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
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