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■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.192 2012/09/27
購読者:27,425 (まぐまぐ:16,289 メルマ!:957 めろんぱん:10,179)
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■■■■__夏休み特別号:密着軸の経営戦略 25__■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●密着軸の3ステップをグルグル回し、ソフト資源である「お客様と
の個別の関係」を築いていこう!
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◆登場人物紹介:売多真子 & 売多勝 + 松井恵利
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●密着軸の経営戦略特集!
恒例の連載シリーズは、「密着軸の経営戦略」です!
恐らくは、多くの企業、特に中小企業は密着軸を(暗黙のうちに、と
いう場合も含めて)取っていることが多いですし、また、取るべきだ
と個人的にも思います。
以下がその前提となる知識です
○戦略BASiCS:経営戦略を考える5つのポイント
Battlefield:戦場・競合 どんな市場でどんな競合と戦う?
Asset:独自資源 強みを競合がマネできない理由
Strength:強み 顧客が競合でなく自社を選ぶ理由
i
Customer:顧客 自社が取引したい具体的顧客像
Selling message 強みを顧客に刺さるように伝える
○3つの差別化軸:売り手が差別化する3つの方法
手軽軸:顧客の簡便性ニーズに応える
→ 競合より安い・早いで差別化する
商品軸:顧客の品質・技術ニーズに応える
→ 競合より高品質・新技術で差別化する
密着軸:顧客の個別ニーズに応える→
→ 競合より個別ニーズ対応で差別化する
●今シリーズの登場人物3名
○売多真子:女性 20代半ば?
・イタリアンレストランチェーン「そーれ・しちりあーの」の経営者
○売多勝 :男性 30代後半?
・新進気鋭のマーケティングコンサルタント。真子の親戚で幼なじみ
○松井恵利:女性 20代半ば?
・真子の同級生。家業の果物屋を継ぎ、その経営刷新に奮闘中
◇「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
http://ow.ly/89pSR
◇「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
上の本の続編。戦略構築から実行まで、社長の視点を物語で体感!
http://ow.ly/6s63d
◇「経営戦略虎の巻CD」(CD7枚組) 佐藤義典著
戦略BASiCSを徹底解説。上の3人が登場する小説が特典に!
http://sandt.co.jp/keieitoranomaki.htm
●ここまでのあらすじ
高原のペンションに「山ごもり」して合宿を行った真子、勝、恵利の
3人。話し合っている最中に、ふとしたことから「密着軸」について
ペンションのテラスで勝の講義を受けることに。
連載第1回目はこちらからお読みいただけます。右側の「記事履歴」
というところから上(新しい)の方へとお進みください。
http://archive.mag2.com/0000111700/20120706015000000.html
今回は連載の25回目です。
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◆まずは、前号の復習から!
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昼下がりのペンションは、気温は高いが湿度は低いため、風が肌にべ
たっとまとわりつくようなあのべとつき感は全くない。
「暑いけどさあ、風が気持ちいーよねー」
「東京はきっと暑いよね」
「うん。クーラー無しじゃいられないよー、きゃははは」
「この宿、クーラーが無い、って気づいてるよな?」
「え、ええええ? クーラーそのものが無いの?」
「そ、そうなんですか?」
「そうだよ。探してみろよ」
「え、あ、あ……ほ、ホントだ! エアコンが無い!」
「その代わりに冬が激烈に寒いから、そこに暖炉があるわけだな」
「え、この暖炉、飾りかと思ってたけど……ホンモノなの?」
「当たり前だろ。煙突があるだろうが。ここは冬はマジで寒いぞ」
「冬にもここに来るんですか?」
「冬にもも何も、ここに最初に来たのはスキーだからさ」
「何それー、誰と来たのよー」
「別にいいだろ、誰とでも。」
「ダメだよー、誰と来たのよー、ねー!?」
「うるさいなぁ、トレーニングしに1人で来たんだよ」
「そ、そうなんだ……じゃあ冬も真子が一緒に来てあげるよ!」
「じゃ、じゃあ……あ、あの……私も……」
「ダメ。寒いよ、早く帰ろうよーとか言い出しそうだからイヤだ」
「えー、大丈夫だよー。じゃあ決まり! いつにする?」
「それはいいから始めるぞ」
恵利:じゃあ前号の復習ですよね。
真子:今は、密着軸の独自資源をやってて、特に「ソフト資源」につ
いてやってるところ。ソフト資源は、SHOPの4つだよね。
真子が、自分のノートを開いて見せる。
○ソフト資源のSHOP
1)Skill:スキル
会社の知識、経験、ノウハウなど
2)Human resources:人材・組織
人材、組織、評価体系、採用・教育など
3)Outside relations:外部との関係
お客様からの信頼、取引先との契約、政府との関係、など
4)Philosophy:理念・文化
企業理念、哲学、企業文化、など
恵利:前回やった、イケアが福岡の地元のお客様のことを知るために
地元のお客様を大量に雇った、っていうのは面白かったね。
真子:うん。市場調査するより、雇用して、その人達に店作りしても
らえば、地元の個別ニーズに合ったお店ができるよね。
恵利:それが、密着軸の「H:人材・組織」になるんだよね。
真子:あとやったのは、ヤマダ電機の「店長が答える目安箱」とか、
「名刺を渡す」ビックカメラ。
恵利:「顧客コミュニケーションの仕組み」だよね。「組織」として
「顧客コミュニケーション」をきちんとできるようにしてる。
真子:うん。個人でやるんじゃなくて、全体としてできるようにして
るよね。
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◆ソフト資源2)H:人材・組織 教育方法
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勝 :前も言ったけど、密着軸では、現場での個別対応が多くなるん
だよな。
真子:前にやったJR九州の事例もそうだったね。乗客のお子さんの
誕生日・誕生時間に、サプライズプレゼントするとかね。
恵利:現場で臨機応変な対応が求められるから、現場に権限移譲する
んですよね。
勝 :そう、組織としてはそうなる。さらに、教育方法もそうなる。
勝が言いながらノートパソコンを操作し、再び真子達に向ける。
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
◇スターバックスコーヒージャパンが、スマホなどを使ったSNSの
ファンを拡大中。ツイッターの公式アカウント開設は東日本大震災
直後の昨年3月。フェイスブックも昨年4月だが、ツイッターのフ
ォロワーは30万に増え、フェイスブックのファン数も62万に。
◇急速にファンが増えた理由は、スタバがネット上でも店頭と同様に
「居心地の良さ」を重視しているから。
◇SNSを介した「接客」についてマニュアルやガイドラインがある
のかと思いきや、店と同じく存在しないという。
◇スタバの従業員は新卒・中途を問わず、全員が必ず店で80時間の
研修を受ける。この中で温かさや顧客とのつながりといった「スタ
バらしさ」を徹底的に考えて身に付ける。
2012/09/21 日経MJ P.7
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
真子:へー、そうなんだ。SNSでも、「居心地の良さ」っていう、
密着軸で勝負してるんだね。
勝 :そうだな。ここでは、SNSの方より「研修」とか「接客」に
ついての記述に注目してほしいんだよ。
恵利:スタバは、店の接客のマニュアルがないんですね。
真子:その場その場で最適な対応をしよう、ってことだよね。
勝 :そうだろうな。で、やっぱりな、と思ったのが、社員研修。何
て書いてある?
真子:えっと……「新卒・中途を問わず、全員が必ず店で80時間の
研修を受ける」って書いてある。
恵利:これ、別にマーケティングの人じゃなくても、ということです
よね? 例えば経理の方とかでも、そうなんですよね。
勝 :「全員が必ず」って書いてあるからそうなんだろうな。
真子:「現場に出ろ」ってことだよね。
勝 :っていうか「現場」の言葉の意味の違いだな。
真子:え? どういうこと?
勝 :「現場」の定義も差別化軸によって異なる。密着軸の「現場」
って言うのは、「お客様のところ」だな。
恵利:あ、なるほど……では商品軸の「現場」は「技術開発」だった
りしますか?
勝 :お、そうそう。そういうこと。技術開発、品質改善の現場が商
品軸だと重要になるからな。
真子:手軽軸は?
勝 :手軽軸の現場は、コスト削減とか、業務改善の現場だな。
真子:なーるほどぉ! 重要な現場が差別化軸によって違うんだ!
恵利:だから、新入社員研修で、スタバでは「お店」っていう、接客
の現場に出るんですね!
勝 :そう。商品軸の新入社員研修なら「技術開発の現場」に全員行
かせる、ということになる。
真子:でもさー、マニュアルが無かったらどうやって教育するんだろ
うね?
勝 :研修のテキストは結構しっかりしてるらしい。色々自分で考え
させたりするみたいだぞ。
恵利:あ、なるほど。手軽軸なら「マニュアル通り」に動くのが「正
しい」でしょうけど密着軸は、自分で考えることが「正しい」
勝 :大事なことが差別化軸によって違うんだから、「教育方法」も
差別化軸によって変わって当然だよな。
恵利:た、確かにそうですけど……それは盲点なような気がします。
勝 :自社の差別化戦略をきちんと意識している会社、例えばスタバ
なんかは、そのあたりをきっちりやってるわけだ。
真子:そういうきちんとした「教育方法」があるから、きちんとした
「接客」が、マニュアルが無くてもできるんだね!
恵利:だから、その「教育方法」が密着軸でも大事なソフト資源にな
るんだね。
真子:密着軸は、特に「人」勝負だもんねー。
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◆ソフト資源3)O:外部との関係 顧客との関係
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勝 :じゃあ、ここからは、ソフト資源の3つめ、「O:外部との関
係」に入っていこうか。
真子:うん! 密着軸で大事なのは、「お客様との関係」だよね!
勝 :もちろんそうなんだけど、お客様との関係は、どの差別化軸で
も大事。「関係」の内容が差別化軸によって違う。
真子:え?
勝 :手軽軸なら「あそこが一番安い」って言ってもらえる関係、商
品軸なら「あそこが一番良い」って言ってもらえる関係を作る
真子:そういうことか。じゃあ密着軸なら、1人1人のお客様と「あ
そこは、私をよく知ってくれている」っていう関係を作る!
勝 :その通りだ。
勝が言いながら、再びノートパソコンを操作して真子達に向ける。
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
○女性専用小型フィットネスクラブ「カーブス」は約43万人の会員
のうち60歳以上が46%。3月の退会率は3・3%と4年前より
1・5ポイント低下。平均5〜6%とされる業界の平均を下回る。
○全国の店舗でも会員の平均年齢が高い武蔵小山店(東京・品川)で
カーブスのノウハウの一端をのぞいてみた。
○「アケミさ〜ん、空きましたよ〜」。店内にインストラクターの明
るい声が響く。シニア女性の心をつかむノウハウの1つがインスト
ラクターが会員に名前で呼びかけること。週3日ペースで通う同店
最年長の会員(88才)は「こんなおばあさんになって『ヨシコさ
ん』って名前も覚えてもらって本当にうれしいの」と語る。
○午前中の混雑が一巡すると、前日まで1週間姿を見せなかった会員
にインストラクターが電話をかけ始める。入店時のIC会員カード
によるチェックインで来店履歴を管理。
○顔見知りのインストラクターからの電話で「気に掛けてもらってい
る」と感じ、再来店のきっかけになる。「明日はいらっしゃれます
か?」と「約束」の要素を入れると、「待ってくれているインスト
ラクターがいるから」と、重い腰を上げてくれることが多い。
○入会時の目標設定でも「体重を落としたい」などの通り一遍の目標
ではなく、「同窓会で恥ずかしくないようにしたい」「友人との旅
行で足手まといになりたくない」といった思いを聞き出す。こうし
た情報は個人カルテに記録、月初にインストラクターが会員の体の
サイズを測定するときなどに話題にして、会員のモチベーションの
維持につなげている。
2012/05/18 日経MJ P.14
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
真子:なるほどねー。名前で呼ぶ、っていうのは、お客様1人1人を
きちんと知ってないとできないよね。
勝 :そう。多対多ではなく、1対1として、お客様を「個別に」知
る、っていうのが密着軸。
恵利:店と自分、じゃなくて、「あのインストラクターと私」ってい
う関係を作るわけですね。
勝 :そういうこと。この「個別にわかってもらっている」という信
頼感が密着軸の「顧客との関係」になるわけだ。
恵利:お客様に電話をかける、っていうのもその一環ですよね?
勝 :そうだろうね。まとめてDMを出すんじゃなくて、1週間来な
かった、っていう「個別の」行動を把握して電話する。
恵利:そうすると、「自分」のことをわかってもらってる、という感
じがしますよね。
真子:うちでも、ちゃんとやってるスタッフは、人気がある、ってい
うか、看板娘みたいな感じになるよ。
勝 :そのスタッフはちゃんとお客様の顔とかを覚えてるわけだろ?
好みのワインとか、いつも頼む料理とか。
真子:もちろん。お客様ももちろんスタッフの顔覚えてるし。いっそ
スタッフの「指名制」にしようかとか思った、きゃははは!
勝 :マジでそのスタッフさんからお客様に「手書きの手紙」とかを
出せば、来店頻度上がるんじゃないか?
真子:あ……なぁるほどぉ!! 確かにそうだ!
恵利:そのためには、「顧客データベース」が必要ですよね?
勝 :そう! 顧客データベースそのものについては、このシリーズ
の18号から見てるからいいよな?
真子:うん。こういうことをしたいから、データベースを作る、って
考えていくんだよね。
恵利:カーブスの場合も「前日まで1週間姿を見せなかった会員にイ
ンストラクターが電話をかけ」るためにデータベースがある。
勝 :まさにそういうこと。顧客データベースを作る大きな目的の1
つが、こういう「お客様との個別の関係」を作ること。
恵利:顧客データベースという「ハード資源」が「お客様との関係」
という「ソフト資源」を産み出すんですね。
真子:ソフト資源を教わったときもそう思ったけど、こういうのは、
全部つながってるんだよね。
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◆密着軸の3ステップをグルグル回して築く信頼関係
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勝 :でさ、密着軸の3ステップって何だっけ?
恵利が「はい」と答え、間髪を入れずノートを開き、差し出す。
◇密着軸の3ステップ
ステップ1)お客様の個別ニーズを知る
ステップ2)個別ニーズを叶える
ステップ3)個別ニーズを覚える
勝 :そうだよな。カーブスはきちんとできてるだろ?
恵利:あ、はい! 入会時には「同窓会で恥ずかしくないように」な
どの個別ニーズを聞き出すんですよね。
真子:それがステップ1の「お客様の個別ニーズを知る」だよね。
恵利:その時点でステップ3の「個別ニーズを覚える」に行くんです
ね。カルテにそれを記録する、ということですから。
勝 :そうだな。
真子:で、名前を覚えて、来店してもらって、その「個別ニーズを叶
える」っていうステップ2に行って……
恵利:それをデータベースに記録して、「覚える」っていうステップ
3に行って……
真子:会員さんと話したりしながら、「個別ニーズを知る」っていう
のもやるんだろうね。
恵利:なるほどぉ……ステップ1,2,3が「グルグル回ってる」感
じがします!
勝 :そう。それが回る回数が多いほど……どうなる?
真子:お客様からの信頼が増す!
勝 :どういう信頼?
真子:「私を覚えてくれてる!」
勝 :そういうこと。「お客様との関係」っていうソフト資源は、そ
の意味で「行動の結果」っていうか「蓄積」でもある。
恵利:はい、だから競合にマネしにくいんですよね。マネするのには
時間がかかりますから……
勝 :鋭い! 人間関係もそうだろ? お互いをよく知って、段々仲
良くなっていくわけだからさ。
真子:まあ、確かに、お互いによく知らなかったら、仲良くなれない
よね。
勝 :前号の、ビックカメラの、「店員がお客様に名刺を渡す」って
いうのもそれだよな。
真子:あ……そうか! 個人的に知ってもらって、仲良くなる!
勝 :そう。「お客様との関係」っていうソフト資源を作る仕組みで
もあるな。
恵利:なるほど……「H:人材・組織」の「顧客コミュニケーション
の仕組み」の結果として「O:外部との関係」が作られる……
真子:ソフト資源は、ホント全部つながるなあ……。
勝 :要は、この密着軸の3ステップを回していくソフト資源を作っ
ていくわけだ。
恵利:そうすると、「O:外部との関係」、つまり「顧客との関係」
が強化されていくわけですね。
勝 :うん。すると、お客様のことがさらによくわかって……ってい
う、好循環が回る。
真子:うちの店もそういう「好循環の仕組み」を作るよう、頑張って
行こうっと!
恵利:私も!
勝が、テーブルの上に残っているお菓子を手に取り、かぶりついた。
恵利が作って来たパウンドケーキだ。
「うまい。恵利ちゃん、ありがとう」
「は、はい……」 恵利がはにかみながらうなずく。
「甘い物食べると、エスプレッソが飲みたくなるよな」
「あ、じゃあいれてきます」 恵利がすかさず立ち上がる。
「いいってば、自分でやるから」
勝も立ち上がって、エスプレッソマシンの方へと向かう。「私も飲み
たいので」と言いながら恵利が勝についていくと、真子も「何よ、も
う!」となぜか怒りながらついていく。
「エスプレッソ飲むと、また甘い物が食べたくなって、そうすると、
またエスプレッソが飲みたくなって……」
「きゃははは、すっごい悪循環!」
「別に悪循環じゃないだろ。やめられない、止まらない、っていうキ
ャッチコピーがあったな」
全自動エスプレッソマシンなので、ボタンを1回押せばエスプレッソ
が1杯できる。それだけのことなのに、大はしゃぎしながら何杯も作
っていく3人。
3人の騒ぎ声が、ガガガガ、というマシンの奏でる音をかき消してい
た。
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◆今日のまとめ
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●密着軸の「顧客との関係」は、お客様のことを個別に知り、深い関
係を築いていく。そのためのソフト資源・仕組みを作ろう!
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誌上でお答えしますのでぜひどうぞ。
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▼今日の日記▲
今週は、東北のある温泉地でお仕事。その温泉地をどうやって魅力的
なものにしていくか、旅館の女将さん、スキー場の運営会社さん、な
どに、熱い議論を戦わせていただきました。テーマはもちろん、戦略
BASiCSです。
「観光」とBASiCSって、ものすごく相性が良いんですよね。地
域の名跡などの「ハード資源」や歴史などの物語や地域文化などの
「ソフト資源」をどう「強み」に転化して、その地域でお金を使って
いただくか、ということですから、BASiCSそのものです。
最近、この観光や農業関係の、「地域マーケティング」の話を多くい
ただくのですが、ニーズがあるのでしょうね。色々なところでお話を
伺ったり、自分で調べたりもしているので(売れたま!でも何回か取
り上げましたよね)、私の得意分野の1つになりつつあります。課題
も非常に共通しています。
個人的に嬉しかったのは、私の本を何冊もお買いいただいているとい
「ファン」の方もいらっしゃったことです。こちらにもBASiCS
が広がりつつある、ということの実感が湧きました。
時間の関係もあり、残念ながら地域料理などは味わえなかったのです
が、温泉は堪能しました。日本で一番泉質の種類が豊富な温泉地との
ことで、源泉かけながしの、濃い、いいお湯でした!
ご参加者の皆様、お疲れ様でした!
●今日のiPod Tune:秋の歌2012
まだ秋とは言えない暑さですが、ようやく「秋の気配」が漂ってきた
感じですね。
というわけで、「秋の歌2012」!
Septemberの歌、まだあります。今日はこの曲!
○すみれ September Love by 一風堂
1982年リリース、カネボウ化粧品のCMソングとなり、大ヒット
しましたね。ザ・ベストテンなんかでも高いランクに行ったような記
憶があります。最近「一風堂」というとラーメンですが、この頃は、
このグループでした。
いわゆるニューウェーブで、イギリスの「ニュー・ロマンティクス」
の香りが強いですね。今聞いてみると、意外に新鮮です。
最近では、97年(82年に比べれば「最近」ですよね……)には、
SHAZNAがカバーしています。当時、いいところ突いて来たな、
と思った記憶があります。
ちょっと明るい9月を楽しみたい1曲♪
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右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
http://www.sandt.co.jp/shiko.htm
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◆次号予告:密着軸の経営戦略 26
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●次号は、「密着軸の独自資源」、ソフト資源について、引き続き見
ていきます! そろそろ終わりに近づいています。
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!
▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!
売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……
〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
のバックナンバー・配信停止はこちら
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「インド人を右に」とレスするたびに右に動いていくスレ
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1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 14:05:17.71
ID:yDRFQxCW0┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓┃ ┃┣
11 年前
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