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■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.190 2012/09/20
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■■■■__夏休み特別号:密着軸の経営戦略 23__■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●密着軸は、「顧客に合わせた組織」にして、顧客の個別ニーズを叶
えられるようにしよう!
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◆登場人物紹介:売多真子 & 売多勝 + 松井恵利
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●密着軸の経営戦略特集!
恒例の連載シリーズは、「密着軸の経営戦略」です!
恐らくは、多くの企業、特に中小企業は密着軸を(暗黙のうちに、と
いう場合も含めて)取っていることが多いですし、また、取るべきだ
と個人的にも思います。
以下がその前提となる知識です
○戦略BASiCS:経営戦略を考える5つのポイント
Battlefield:戦場・競合 どんな市場でどんな競合と戦う?
Asset:独自資源 強みを競合がマネできない理由
Strength:強み 顧客が競合でなく自社を選ぶ理由
i
Customer:顧客 自社が取引したい具体的顧客像
Selling message 強みを顧客に刺さるように伝える
○3つの差別化軸:売り手が差別化する3つの方法
手軽軸:顧客の簡便性ニーズに応える
→ 競合より安い・早いで差別化する
商品軸:顧客の品質・技術ニーズに応える
→ 競合より高品質・新技術で差別化する
密着軸:顧客の個別ニーズに応える→
→ 競合より個別ニーズ対応で差別化する
●今シリーズの登場人物3名
○売多真子:女性 20代半ば?
・イタリアンレストランチェーン「そーれ・しちりあーの」の経営者
○売多勝 :男性 30代後半?
・新進気鋭のマーケティングコンサルタント。真子の親戚で幼なじみ
○松井恵利:女性 20代半ば?
・真子の同級生。家業の果物屋を継ぎ、その経営刷新に奮闘中
◇「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
http://ow.ly/89pSR
◇「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
上の本の続編。戦略構築から実行まで、社長の視点を物語で体感!
http://ow.ly/6s63d
◇「経営戦略虎の巻CD」(CD7枚組) 佐藤義典著
戦略BASiCSを徹底解説。上の3人が登場する小説が特典に!
http://sandt.co.jp/keieitoranomaki.htm
●ここまでのあらすじ
高原のペンションに「山ごもり」して合宿を行った真子、勝、恵利の
3人。話し合っている最中に、ふとしたことから「密着軸」について
ペンションのテラスで勝の講義を受けることに。
連載第1回目はこちらからお読みいただけます。右側の「記事履歴」
というところから上(新しい)の方へとお進みください。
http://archive.mag2.com/0000111700/20120706015000000.html
今回は連載の23回目です。
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◆まずは、前号の復習から!
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昼近い高原のペンションのテラス。遅い朝食がすっかり片付けられた
ログテーブルの上に、ノート、ノートパソコンなどが所狭しと置かれ
ている。
「アイスコーヒー飲みてーな。ご飯食べると飲みたくなるのは、何で
だろうな」
「アイスコーヒーなんてあるの?」
「無いから言ってるんだ」
「じゃあエスプレッソいれてきてあ、げ、る」
真子が立ち上がると、ペンションに備え付けのエスプレッソマシンを
操作すると、手際よく2ショットを入れ、勝に差し出した。
「お、ありがと」
「真子が入れたエスプレッソはおいしいでしょ♪」
「ん、まあそういうことにしておく」
「って、ボタン押しただけだけどさー、きゃははは」
「真子、勝さんが気を遣って言ってくれてるのに身もフタも無いね」
勝 :じゃあ、前号の復習からね。
恵利:はい、前号から、密着軸の「ソフト資源」について見てきてい
ます。
真子:ソフト資源は、「SHOP」の4つがあるんだよね。
真子がどこか誇らしげに、自分のノートを開いて見せる。
○ソフト資源のSHOP
1)Skill:スキル
会社の知識、経験、ノウハウなど
2)Human resources:人材・組織
人材、組織、評価体系、採用・教育など
3)Outside relations:外部との関係
お客様からの信頼、取引先との契約、政府との関係、など
4)Philosophy:理念・文化
企業理念、哲学、企業文化、など
恵利:最初のS、スキルは、密着軸でここまで見てきたことを可能に
するスキル、ですね。
真子:で、そのスキルを獲得するために、H:人材・組織などを考え
ていく、と。
恵利:居酒屋さんが、スタッフ自ら接客の改善方法を考えさせる仕組
みは、面白かったね。
真子:あと、ルミネが人材育成とお客様の声を引き出す仕組みの両方
を兼ね備えた、「エルジェニック」っていう仕組みもね。
勝 :そうだな。軸が同じであれば、このあたりのことは相当近い形
でマネというか、応用できるはずだから。
真子:あ、そうか! 軸が同じならそのままマネしてもいいんだ!
恵利:今さら何言ってるのよ……だからやってるんじゃないの。
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◆ソフト資源2)H:人材・組織 顧客に合わせた組織
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勝 :今回は、ソフト資源2)H:人材・組織を引き続き見ていくこ
とにしよう。
真子:うん!
勝 :まずはこれから。ちょっと前に売れたま!で取り上げた事例な
んだけどさ。2009年5月18号。
勝が、いつも通り、ノートパソコンを操作して真子達に向ける。
-----------------------< 記事要約 >-----------------------
○ナムコはゲームセンターの運営組織を地域別から客層別に再編。全
約230店を家族客の多い郊外のショッピングセンター(SC)内
の店舗と、ゲーム愛好家の多い都心部の店に大別。これまで全店で
ほぼ同じだったゲーム機や販促策を、客層に応じた内容に変更しや
すくする。
○郊外SCの約150店を担当する「AM第一事業部」と、都心部と
幹線道路沿いの約80店を統括する「AM第二事業部」を新設。別
組織だった店舗開発業務やゲーム機・景品の仕入れ業務なども新組
織に統合。
○ナムコは昨夏にポケモンを使ったキャンペーンを全店で実施。郊外
SCでは効果があったが、都心店では集客効果が薄く、客層に合わ
せた販促策が必要と判断した。従来組織では客層別に店舗を分類し
ていなかったため、新たな分類基準を設けると同時に運営組織も再
編して機動性を高める。
○立地に応じて異なる客層に合わせた販促策を講じる。店頭イベント
のキャラクターを子どもが多い郊外SCではポケモン、成人男性が
多い都心店ではガンダムに変えるなどを検討。郊外SCには家族向
けの簡単なゲーム、都心店には最新ゲームを導入するなど、設置す
るゲーム機の構成の違いも打ち出しやすくなるとみている。
2009/04/03, 日経MJ(流通新聞), 9ページ
-----------------------< 記事要約 >-----------------------
真子:えっと……どういうこと?
勝 :図で書くとこんな感じ。あくまでもイメージだけど。
勝が恵利のノートを自分のものであるかのように手に取ると、サラサ
ラと図を書いていく。
Before → After
関東 関西 九州 → SC 都心
・SC ・SC ・SC → ・関東 ・関東
・都心 ・都心 ・都心 → ・関西 ・関西
→ ・九州 ・九州
真子:あ、なるほど。わかった。
恵利:その理由は、関東、関西などのエリアで分けるより、SCと都
心で分けた方が、よりお客様に合う、ということですよね。
勝 :そうそう。ポケモンキャンペーンが、SC店で効果が高くて、
都心店で効果が薄かった理由は?
真子:え、だから、SC店と都心店でニーズが違うからでしょ?
勝 :だから何で違うんだよ。
恵利:顧客層が違うからですよね?
勝 :どう違うの? ポケモンが人気なのは、どの顧客層? 記事に
書いてあるだろ、よく読んで。
真子:えっと……あ、SC店では家族とか子供が多いからポケモンで
都心店は、大人が多いからガンダムなんだ!
勝 :そうそう。この「客層の違い」が、「エリアの違い」より購買
行動に与える影響が大きかったわけだ。
真子:なるほどねー、これなら分けた方がいいよね。客層によって、
やることが全然違うんだもんね。
勝 :SCの子供向けのゲームと、都心の大人向けのゲームは違うだ
ろうからな。
恵利:密着軸、という意味では、「顧客別に組織を作る」ということ
になりますよね?
勝 :そうだね。例えば、メーカーだとこんな感じ。
恵利がすかさず自分の「恵利ノート」を勝に差し出すと、勝は当然で
あるかのように受け取って、書き込んでいく。
手 軽 軸 密 着 軸
開発→生産→販売 開発1→生産1→販売1 → 顧客1
開発2→生産2→販売2 → 顧客2
開発3→生産3→販売3 → 顧客3
真子:なーるほどぉ、手軽軸は、ドカンとまとめて作っちゃうから、
そういう組織にして……
恵利:密着軸は、お客様の個別ニーズに合わせるために、お客様ごと
に組織がある、という感じなんですね。
真子:でもさー、それだと密着軸だと人がたくさんいるから、コスト
がかかっちゃうよね?
勝 :ある程度はしょうがないな。コストがかかりすぎる場合は、組
織は手軽軸と同じような感じで、動き方を変える。
真子:動き方を変えるっていうのは、密着軸みたいに、お客様ごとに
動く、ってこと?
勝 :そうそう。
恵利:あ、ミズノのカスタマイズクラブの作り方もこんな感じですよ
ね? お客様の注文ごとに小チームが生産する……
真子:あ、そうか。同じ「生産部門」でも、それを分ければいいって
いうこと?
勝 :そのあたりのやり方は、業種業態とか自社の状況に合わせれば
いいけど、「個別ニーズ」に応えやすい組織にするってこと。
恵利:そうかあ……まさに「組織は戦略に従う」っていうことなんで
すね……
勝 :それ!! 「組織は戦略に従う」。戦略を無視した組織論なん
てありえない。
真子:そんなの当たり前じゃん。
勝 :それが、そうでもないんだよなあ……深くは突っ込まないけど
そうじゃないのだって色々あるんだよな。
真子:そんなもんなんだ……
勝 :そうそう。組織は戦略に従う、なんて当たり前なのにな。
恵利:当たり前のことを、当たり前にきちんとやることが大切なんで
すよね。
勝 :うん。オレの小学校6年のときの担任の先生が「当たり前のこ
とが当たり前にできる大人になれ」ってよく言ってた。
真子:きゃははは、そんな昔のこと、よく覚えてるねー。
勝 :そこにいくつかの教訓がある。その先生は、そのことをマジで
百回は言ってた。百回言われると、何十年立っても覚えてる。
恵利:な、なるほど……
勝 :まあそれはいいとして、その「当たり前のことを当たり前にや
る」ことは、本当に難しいんだよな。
恵利:そうですよね……
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◆ソフト資源2)H:人材・組織 意思決定は現場に近づける
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勝 :じゃあ次。組織、という意味では、この事例も面白いぞ。
勝が再度ノートパソコンを操作し、あるファイルを真子達に見せる。
-----------------------< 記事要約 >-----------------------
○JR九州の観光列車が快走。2011年度は、利用者も過去最高の
70万人を超え前年度比2桁増の列車もある。
○ある日の午後、JR熊本駅ホームで出発を待つ観光列車「A列車で
行こう」の傍らで客室乗務員(CA)が乗客に話しかける。接客に
必要な情報収集だ。出発から30分後、別のCAが高齢夫妻に「遠
方から来ていただき、ありがとうございました」と直筆カードを手
渡した。受け取った夫婦は「さっき、別のCAさんに話しただけな
のに」と驚く。夫妻は当日、最も遠いところから来た客で、宿泊予
約をしていない夫妻のため、目的地周辺のホテルのメモも渡した。
○ある日の午前11時、「SL人吉」車内で客室乗務員(CA)が慌
てて段ボールを調達。「HappyBirthDayこうきくん」
とマジックで書き、乗客の4歳の子供のもとに。生まれた時間の
11時11分、「誕生日おめでとう!」。父親は「いつの間に調べ
たの?」と感心する。SL人吉は子供全員にSL形の記念切符を配
布。裏にメッセージ、表に名前と生年月日を記入。その際の会話で
生まれた時間や将来の夢を聞き出し、車内でのサービスに活かす。
○JR九州の観光列車9路線はこのような接客で「自分だけのサービ
ス」に感動した客が口コミでファンを増やす。乗客の個人情報は事
前につかみにくいため、乗車当日の収集と乗員間での共有がカギ。
これを実行するのが各路線に十数人ずつ配置されるCA。CAは路
線ごとのチームとして独自サービスを競い、土産物も開発する。一
方で「SL人吉では車内でプロポーズしたカップルを車内放送で紹
介した」など面白いエピソードと成功事例を分かち合う。
○サービス内容は「お客様のことを一番知っている現場に任せる」と
唐池恒二社長。情報収集や乗客対応には臨機応変さが必要で、上意
下達にそぐわないと考えるからだ。
○現場では各チームのベテランCAが「パーサー」としてサービス内
容をチェック。すべての業務日には反省会。徒弟制に近い形で現場
研修する。
2012/07/06 日経MJ P.1
-----------------------< 記事要約 >-----------------------
真子:うわあ、これすごいサービスだねー。乗ってみたい! ね、勝
さん、行こうよ行こうよ! ねーねー、行こうよー!
勝 :ちょっと待て、分析が先だ。
恵利:すごく密着軸らしいですよね。
勝 :どこでそう思った?
恵利:「自分だけのサービス」っていうところです。産まれた時刻に
くれたバースデーカードとか、まさに「個別化」ですよね。
勝 :そうそう。これが密着軸の典型的なサービス。「自分のためだ
けのサービス」だな。
恵利:これも「密着軸の3ステップ」のセオリー通りですよね。
勝 :うん、それでやってみようか。
恵利:はい、密着軸の3ステップはこの3つです。
◇密着軸の3ステップ
ステップ1)お客様の個別ニーズを知る
ステップ2)個別ニーズを叶える
ステップ3)個別ニーズを覚える
真子:まずはステップ1で、CAさんが乗客に話しかけて、さりげな
く「個別ニーズを知る」んだよね。
恵利:うん。「宿泊予約をしているかどうか」まで引き出すんだから
すごいよね。そんなに時間無いだろうしね。
真子:そっか、それで宿泊予約してなければ、ホテルのメモを渡す、
っていうのがステップ2の「個別ニーズを叶える」だね。
勝 :その「個別ニーズを叶える」際に、従業員同士で、情報共有で
きている必要があるな。
真子:あ、そっか。聞き出すCAさんと、接客するCAさんが違うん
だもんね。
勝 :何がすごいって、人の顔と会話の内容をいちいち覚えてる、っ
ていうのがすごいよな。たくさんの乗客と話してるわけだし。
真子:何かさ、そういうのが得意な子っているのよ。うちの店でも、
できる子はメモ取らなくても注文とか全部覚えてる。
勝 :ホントすげーよ。まさに「S:スキル」だな。
恵利:あと、密着軸の3ステップを可能にする「仕組み」も色々あり
ますよね。
勝 :あ、そうそう。どれ?
恵利:子供に記念切符を配って、名前、生年月日、メッセージなんか
を書くんですよね? で、それを見て会話するんですよね。
勝 :そうそう。それがあったから、「今日が誕生日」っていうのが
わかって、サプライズプレゼントができた。
真子:あ、会話を引き出す仕組みがあるんだ!! ステップ1の「個
別ニーズを知る」仕組みだね。
恵利:うん。それに、高齢夫婦に直筆カードを渡せた、っていうこと
は、いつもカードを用意してるんだろうね。
勝 :だろうね。そういう準備をあらかじめしてるからこそ、できる
わけだな。密着軸の3ステップの「仕組み」があるわけだ。
真子:くやしーけどさー、毎回毎回、しつこいくらいにパターンが同
じだよね。
恵利:当たり前じゃない。みんな密着軸なんだから……
真子:そうなんだけどさー、密着軸の3ステップとかがいちいちその
通りだから、なんかくやしーんだよねー。
勝 :あのなー、これはオレの意見じゃなくて、みんながやってるこ
とをオレがまとめただけなの!
真子:あ、そっか。だからみんな同じなんだ。
勝 :そう。実戦に基づいた理論なの! で、この「個別化」を可能
にしてる組織は?
恵利:はい、「お客様のことを一番知っている現場に任せる」と社長
がおっしゃってるんですよね。
真子:あ、現場に分権するんだ。
勝 :そう。密着軸では、顧客に近い現場が権限を持つ。何でだと思
う?
真子:お客様に一番近い人が一番エライから!
勝 :まあそういうこと。個別対応をする際に、いちいち本社にお伺
いを立ててたら、できっこないからな。
恵利:「臨機応変さが必要で、上意下達にそぐわない」っていう記事
の内容通りですね。
勝 :そう。手軽軸だったら「上意下達」の方がむしろいいよな。効
率がいいから。手軽軸だったら、それじゃダメ。
恵利:あ、そういう「動き方」も差別化軸によって違うんですね。
勝 :そう。手軽軸だったら、現場にはあんまり勝手に動いて欲しく
ない。
恵利:作業効率が下がるから、ですよね。密着軸では、作業効率は気
にしないんですか?
勝 :その「効率」の意味するところが違う。手軽軸だと「コスト効
率」だし、密着軸だと「個別ニーズ充足効率」になるね。
恵利:あ、なるほど。個別ニーズを満たす、という意味での効率の良
さを追求するわけですね。
真子:差別化軸によって、ホント何から何まで違うんだね−。
勝 :そういうこと。だから、こういうことを抜きにした組織論とか
人事評価ってありえないはずなんだけどね。
恵利:「はず」っておっしゃるのは?
勝 :人事評価の解説書に、差別化軸なんて出てこないでしょ。全部
読んだわけじゃないけどさ。
恵利:あ、なるほど……
真子:そーゆー本書けばいいじゃん。
勝 :あるだろうが。「売れる数字」にそんなことが書いてある。
真子:あ、そっか。「売れる数字」の加賀屋のところでも、お客様に
近い部署が権限を持つ、って書いてあったね*
*売れる数字 佐藤義典著 P.58
勝 :へー、よく覚えてるじゃん。そういうことだ。
開け放しになっている窓から、風が吹き込んでくる。テーブルの上に
散乱していた紙を舞上げていく。
「きゃあ」
「わああ、紙が飛んでくぅ!」
「うわ、ちょ、ちょっと」
慌てて片付けている最中に、真子がお茶の入っているグラスを倒す。
「うわあ、気を付けろ! 水性ペンだから、字が消える!」
「きゃははは、ごっめーん!」
勝があわててパソコンを持ち上げ、紙を片付けていく。恵利はその横
で真子が倒したグラスをテキパキと片付けていく。
「あーあ、字が滲んじゃったよ……」
「すみませんでしたぁ! でもさー、滲んでもあんまり変わらないよ
ね、勝さんの字」
「ふざけんな! 誰のせーだよ!」
「きゃあ、怒った。あ、じゃあ、真子が書き直してあ、げ、る」
「いや、遠慮しておく」
「なんでー。私の字の方がキレイだよ」
「この戦略メモは永久保存だからな。そこにオマエの文字は不要」
「何よー」
「あ、じゃあ恵利ちゃんに書き直してもらおう。その方がいいや」
「え、あ、はい、やりますよ。どれから……」
「だから真子がやるってばー!」
先ほどまでの真剣さとは打って変わって、3人の表情はすっかり緩ん
でいる。窓から再び、高原の風が吹きつけた。
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◆今日のまとめ
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●密着軸の「組織」は、顧客の個別ニーズを叶えられる組織にする。
顧客に合わせ、顧客に近い組織に分権しよう!
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▼今日の日記▲
ついに……ついに、巨人の優勝マジックが1になりました。中日との
最後の首位決戦も、強力投手陣を相手にビジターのナゴヤドームで勝
ち越す、という最高の終わり方。
あとは……1つ勝てば、2009年以来のセリーグ制覇。今週のドー
ム3連戦で決まる確率は非常に高そうです。
この瞬間を待って1年間応援し続けてきたわけで、ドームに行けない
のが残念ではありますが、ラジオかネットか、何らかの形でその瞬間
を共有したいものです。
●今日のiPod Tune:秋の歌2012
まだ秋とは言えない暑さですが、ようやく「秋の気配」が漂ってきた
感じですね。
というわけで、今日からは「秋の歌2012」!
今日の1曲は……
○September by Earth, Wind & Fire
1978年リリース、全米8位まであがったEWFの代表曲の1つ。
当然、Septemberは「9月」の意、ですね。70年代ディスコの代表曲
の1つでもあるようです。確かに踊りやすそうですね。
ちなみに、ただいま絶好調、ジャイアンツの阿部慎之助選手のテーマ
曲ですね。「ほーむらーん、あべしんのすけー♪」ですね。三冠王、
取れるといいなー。
9月になると、思い出す1曲♪
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●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/check.htm
●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
http://www.sandt.co.jp/kotowaza.htm
────────< マーケティングの思考法 >────────
●「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
日本能率協会マネジメントセンター
右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
http://www.sandt.co.jp/shiko.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆次号予告:密着軸の経営戦略 24
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●次号は、「密着軸の独自資源」、ソフト資源について、引き続き見
ていきます!
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!
▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!
売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……
〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
のバックナンバー・配信停止はこちら
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「インド人を右に」とレスするたびに右に動いていくスレ
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1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 14:05:17.71
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11 年前
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