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2012年9月17日月曜日

売れたま!特別編Vol.189 2012/09/17 夏休み特別号:密着軸の経営戦略 22

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.189 2012/09/17
購読者:27,392 (まぐまぐ:16,288 メルマ!:957 めろんぱん:10,147)

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 ■■■■__夏休み特別号:密着軸の経営戦略 22__■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●密着軸では「人」が重要。ソフト資源である「スキル」と「人材・
 組織」を育てよう!


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11月開催回:2012年11月23日(金・祝日)〜24日(土)

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今年最後の開催です!

今連載している密着軸も、自分の会社で考えてみませんか?



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どちらもまだ若干空席がございます。お申込、お待ちしております!



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◆登場人物紹介:売多真子 & 売多勝 + 松井恵利
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●密着軸の経営戦略特集!

恒例の連載シリーズは、「密着軸の経営戦略」です!

恐らくは、多くの企業、特に中小企業は密着軸を(暗黙のうちに、と
いう場合も含めて)取っていることが多いですし、また、取るべきだ
と個人的にも思います。

以下がその前提となる知識です


○戦略BASiCS:経営戦略を考える5つのポイント

 Battlefield:戦場・競合 どんな市場でどんな競合と戦う?
 Asset:独自資源     強みを競合がマネできない理由
 Strength:強み     顧客が競合でなく自社を選ぶ理由
 i
 Customer:顧客     自社が取引したい具体的顧客像
 Selling message     強みを顧客に刺さるように伝える


○3つの差別化軸:売り手が差別化する3つの方法

手軽軸:顧客の簡便性ニーズに応える
    → 競合より安い・早いで差別化する

商品軸:顧客の品質・技術ニーズに応える 
    → 競合より高品質・新技術で差別化する

密着軸:顧客の個別ニーズに応える→
    → 競合より個別ニーズ対応で差別化する



●今シリーズの登場人物3名

○売多真子:女性 20代半ば?
・イタリアンレストランチェーン「そーれ・しちりあーの」の経営者

○売多勝 :男性 30代後半?
・新進気鋭のマーケティングコンサルタント。真子の親戚で幼なじみ

○松井恵利:女性 20代半ば?
・真子の同級生。家業の果物屋を継ぎ、その経営刷新に奮闘中


◇「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
 売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
http://ow.ly/89pSR

◇「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
 上の本の続編。戦略構築から実行まで、社長の視点を物語で体感!
http://ow.ly/6s63d

◇「経営戦略虎の巻CD」(CD7枚組) 佐藤義典著
 戦略BASiCSを徹底解説。上の3人が登場する小説が特典に!
http://sandt.co.jp/keieitoranomaki.htm



●ここまでのあらすじ

高原のペンションに「山ごもり」して合宿を行った真子、勝、恵利の
3人。話し合っている最中に、ふとしたことから「密着軸」について
ペンションのテラスで勝の講義を受けることに。


連載第1回目はこちらからお読みいただけます。右側の「記事履歴」
というところから上(新しい)の方へとお進みください。

http://archive.mag2.com/0000111700/20120706015000000.html


今回は連載の22回目です。



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◆まずは、前号の復習から!
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午前中の明るい日差しが差し込む高原のペンション。

食事中のテーブルの上は、食べ物が載っているお皿に加え、ノート、
ペン、ノートパソコンなどが所狭しと置かれている。

ペンションのオーナーがパタパタパタとスリッパの足音を響かせなが
ら歩いてくると、「パンのおかわりはいかがですか?」と真子達に尋
ねる。

「はいはーい! くださーい!」と元気よく応じる真子の後に、勝が
「じゃあ僕も」と続く。

「あれ、恵利はパンのおかわり、いらないの?」
「私はもうこれで十分よ。結構な量だったじゃないの」
「恵利は小食だねー」
「オマエが食い過ぎなんだよ。朝から」
「あ、勝さん、良かったら私のおかわりのパン、食べませんか?」
「あ、もらうもらう。ありがと」
「え? じゃあ勝さん、自分の分、お代わり、それから恵利のおかわ
 りの分って……3人分じゃん! すごい量だよ」
「オレは真子と違ってアタマ使うから、エネルギー使うんだよ」
「勝さん、燃費悪すぎだよー、きゃははは」


勝 :食べながらでも、続けるぞ。前号の復習からな。

恵利:はい、前号から、「密着軸の独自資源」を見てきています。

真子:うん。密着軸は「売り物」とか「売り方」の個別化で勝負する
   わけだから、独自資源もそれを支えるものになるんだよね。

勝 :そうそう。

恵利:密着軸の「生産設備」は、「セル生産方式」などと呼ばれるも
   のになります。

真子:一気にドカン、とたくさん作るんじゃなくて、職人さんの小チ
   ームが、1つ1つ手作りするイメージだよね。

勝 :そんな感じ。それでその目的は?

恵利:はい、「売り物」の個別化をするためです。個別のオーダーを
   1つ1つ処理できます。

勝 :そうだよな。そうするとさ、どの職人さんが、どの商品を作っ
   たか、までわかるよな?

真子:あ、そうだよね。個別オーダーをどの職人さんのチームに割り
   振ったかとかがわかるよね。それでそれで?

勝 :オマエ、少しは考えろよ。

恵利:勝さんがそうおっしゃる、っていうことは意味があるんですよ
   ね? 誰が何を作ったのかわかるから……何だろう……

勝 :ヒントは、今日これからやる「ソフト資源」の「人材・組織」

真子:えっと……やる気になる?

勝 :そうそう。でもその理由は?

真子:最初っから最後まで、どう作るかがわかる、とか?

勝 :それもあるかもしれないけど、お客様から見ると、どうなる?
   例えば、オーダーメードのゴルフクラブの場合は?

恵利:あ! 自分のゴルフクラブを、どの職人さんが作ったかがわか
   ります!

真子:あ、なるほどぉ! 顔の見える関係になるんだ!

勝 :まあそういうこと。お客様からのお褒めの言葉が来たら、どの
   職人さんが褒められてるのかわかるし……

恵利:逆に苦情が来たら、誰の責任か、というのもわかりますね。

勝 :だから、「信賞必罰」になる。人事の考え方の要諦を4文字で
   表すと「信賞必罰」、なんだよな。

真子:へー、おもしろーい。マーケティングを4文字で表すと?

勝 :なんだと思う?

真子:売上向上! じゃないよね……

勝 :あのな、売上は「結果」。売上を上げようとすると売上が減る
   って「売れる数字」でやっただろ。

真子:あ、そっか。ねーねー、じゃあ答えは?

勝 :マーケティングを4文字で表すと「顧客視点」。

真子:なーるほどぉ! ねーねー、他にもないの? 例えば「営業」
   を4文字で表すと?

勝 :オマエも少しは考えろよ。営業を4文字で表すと「価値変換」
   だな。

真子:どういうこと?

勝 :商品の価値を目の前のお客様に合わせて変換し、お客様の言葉
   を組織の言葉に変換して組織で共有する。

真子:きゃああ、なるほどー。おっもしろーい。

恵利:ちょっと戻りましょうよ。信賞必罰とは、きちんと評価ができ
   る、ということですよね。

勝 :そういうこと。じゃあ、これから密着軸の「ソフト資源」を見
   ていこうか。

真子:ちょっと待って、その前に、独自資源っていうのは「競合が強
   みをマネできない理由」でいいんだよね?

勝 :そうそう。独自資源は、技術・設備・立地・資金などの「ハー
   ド資源」と、これからやる「ソフト資源」の2つがある。



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◆密着軸の独自資源:ソフト資源のSHOP
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勝 :じゃあ、ここからは、「密着軸のソフト資源」について考えて
   いこう。そもそも、ソフト資源って何だっけ?

真子:あ、それ私さすがにわかる。ソフト資源は、SHOPって言っ
   て、S、H、O、Pの4つあるんだ♪


珍しく真子が自分のノートを開き、勝と恵利に見せた。


○ソフト資源のSHOP

 1)Skill:スキル
   会社の知識、経験、ノウハウなど

 2)Human resources:人材・組織
   人材、組織、評価体系、採用・教育など

 3)Outside relations:外部との関係
   お客様からの信頼、取引先との契約、政府との関係、など

 4)Philosophy:理念・文化
   企業理念、哲学、企業文化、など


真子:4つの頭文字でSHOP、お店だね。ソフト資源はお金で買え
   ないから、「お店で買えないソフト資源」って覚えるの♪

恵利:え、ま、真子、どうしたの? このノート……すっごい詳しく
   書いてあるじゃないの!?

真子:だって「ソフト資源」は、去年の年末っていうか、今年の年始
   っていうか、勝さんに徹底的に教えてもらったから。

恵利:えー、ず、ずるーい……

真子:しかも、勝さんと、と、ま、り、が、け。うふふ♪

恵利:え、えええ!?

勝 :違うだろ、売多家の年末年始の集まりだろうが。そりゃ泊まり
   がけだわな。親戚一同でどんちゃん騒ぎだけどさ。

恵利:な、なーんだぁ……もう、真子ったら……

勝 :そのときもすっごく長く続いたけど、ここから読めるから、時
   間のあるときに読んで。25回シリーズだから読み応えあるよ


http://archive.mag2.com/0000111700/20111226140000000.html


恵利:はい!

勝 :密着軸のソフト資源も、このSHOPの順番で見ていこうか。

真子:うん!



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◆密着軸のソフト資源1)Skill:スキル
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勝 :まずは、SHOPの最初はS、スキルだな。要は、ここまでみ
   てきた密着軸の3ステップを行うスキル、ってこと。

恵利:えっと、密着軸の3ステップをまとめたものが……

真子:え? そ、そんなのあるの? いつの間に……

恵利:うん。昨日の夜、まとめておいたの。


恵利がノートを開くと、真子と勝に見せる。


○密着軸の3ステップ
 ステップ1)お客様の個別ニーズを知る
 ステップ2)個別ニーズを叶える
 ステップ3)個別ニーズを覚える


ステップ1)お客様の個別ニーズを知る
 A)ニーズを引き出す
  1)顧客情報の収集・蓄積・カルテ化
  2)診断・計測による顧客情報の収集
 B)ニーズに合った提案をする
  1)提案の幅を広げる
  2)購買履歴から推測する

ステップ2)個別ニーズを叶える
 「売り物」の個別化と「売り方」の個別化
 A)素材などを調達・加工する
 B)商品をお客様と一緒に作り上げる

ステップ3)個別ニーズを覚える
 A)ニーズ・購買履歴を記録する
 B)会社全体で共有する


勝 :恵利ちゃん、さすがだね! そうそう、要はこれらを実行・管
   理する「スキル」が密着軸で必要なスキル。

真子:そりゃそうだけどさ、大変だよね……

勝 :だから競合にマネできないんだろうが。それが独自資源の役割
   だぞ。競合にマネさせないようにする。

恵利:勝さん、「スキル」は、結果として獲得できるものですよね?

勝 :そうだけど?

恵利:ですから、スキルそのものと合わせて、その「スキル獲得を可
   能にする何か」が必要になりませんか?

勝 :おー、鋭い!! そうそう。だから、スキルそのものはもちろ
   ん大事だけど、「どうやってそれを得るか」というのも大事。

真子:なるほどね。でもどうすればいいの?



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◆ソフト資源2)H:人材・組織 自分で考えさせる仕組み
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勝 :そういうスキルを得られるような仕組みとか体制を整える。例
   えば、SHOPの2つめ「H:人材・組織」の施策とか、な。

真子:あ、うん、SHOPの4つって連動するんだよね!

勝 :そうそう。「個別ニーズ」に応える密着軸は、「人」の要素が
   大きいから、「人材・組織」の育成施策が重要になる。


勝は満足気に頷きながらノートパソコンを操作し、真子達に見せた。


−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−

◇東京・銀座の居酒屋「炙り場 ごち惣家」はリピート客が9割を占
 める繁盛店。「5フロー(ファイブフロー)」と呼ぶ思考と行動の
 プロセスを毎日実践している。


1)気づき

「テーブルに食事を終えた皿が1枚だけ置いてある」状態を認識する

2)仮説を立てる

「あの皿を下げたほうが喜んでいただけるのでは?」と考える

3)仮説の幅を広げる

「まだ提供していない料理がないか、厨房に確認しよう」など複数の
仮説を立てる。すると、皿を片付けるときに「次の料理はまだ?」と
顧客に問いかけられても的確な返事ができる。

4)実践

5)振り返り

終業時にもっと良い応対はなかったかと考える


1日1回の接客だけでもこの5フローを意識すれば、社員なら年間少
なくとも200回以上、より良い対応を考えられることになる。

ただし新人は商品知識を学んで仕事への自信を付けさせるのが先決と
いう。色々考えさせると表情が固くなり、かえって逆効果という。


2012/06/29 日経MJ P.19

−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−


恵利:面白いですね。各場面場面で、従業員自らが最適なお客様応対
   を考えるきっかけを作ってるわけですね。

真子:なるほど、スタッフに自分で考えさせる仕組み、ってことか。

勝 :そうそう。まさに「自分で考えさせる仕組み」。何でこういう
   ことが必要になるんだと思う?

恵利:あ、手軽軸と違って、「マニュアル」だけで対応できない場面
   が多くなるからじゃないですか?

勝 :そう! 手軽軸なら、「それはできません」とかですんでも、
   密着軸なら、何とかその個別ニーズを叶えてあげたい。

真子:そっか、密着軸だと自分で考えて動けないとダメなんだね。

勝 :どの軸でも自分で考えないとダメなんだけど、「個別ニーズ」
   に応える密着軸は、その比重が大きくなるな。

真子:やっぱりマニュアル化はできないのかなあ?

勝 :ある程度はできるだろうし、するべきだけど、「個別対応」が
   基本の密着軸では、カバーできないことが多いだろうしな。

真子:となると、やっぱり「スタッフの顧客応対スキル」っていう、
   「スキル」が必要になるんだね。

勝 :そう。そしてその「スキル」を身につけるために、密着軸では
   こういう「自分で考えさせる仕組み」を入れる企業はあるな。

真子:うちの店は、それなりにできてるとは思うけど、「考える仕組
   み」っていうのはきちんと導入した方がいいかも。

勝 :そうだな。人材育成の仕組みは、「一子相伝」とかじゃなくて
   きちんと組織化・体系化する必要があるぞ。

恵利:きゃあ、一子相伝って、「北斗の拳」ですね!

勝 :いや、まあ、オレも昔読んでたけど、「ケンシロウにしかでき
   ない」じゃあダメなんだよな。みんなができないと。

真子:そっか、密着軸だからこそ、だよね。誰かはできて、誰かがで
   きないと「バラツキのワナ」に落ちるよね。

恵利:なるほどね、「あの人はやってくれたのに……」ってなっちゃ
   ったらまずいもんね。

真子:そうなのよ。うちの店でも悩みどころなんだよなあ……



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◆ソフト資源2)H:人材・組織 顧客の声を引き出す仕組み
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勝 :じゃあ次。密着軸の3ステップのステップ1は何だっけ?

真子:ステップ1は、「お客様の個別ニーズを知る」こと!

勝 :ステップ2は?

真子:その「個別ニーズを叶える」こと!

勝 :そうだな。前のソフト資源特集でも取り上げた、このルミネの
   仕組みは、まさにそのための仕組みだよな。


勝が「真子はもう見てるはずだけど、念のため」……と言いながら、
再びノートパソコンを操作し、真子達に向けた。



−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−

○2011年4月、ルミネは「エルジェニック」という制度を開始。
 ルミネの頭文字Lに遺伝子を表す英語を掛け合わせた造語だ。来店
 者の声を拾い、館全体に反映するスタッフ制度。


○ルミネには約3万人のテナントの販売員の頂点を決める接客大会が
 ある。エルジェニックに任命するのは「店大会」(3次予選)への
 進出者で、上位の称号「ルミネスト」に漏れたスタッフ。


○エルジェニックは青い専用のバッジとメモを持つ。接客をしながら
 気付いた感想を即座に書き、従業員専用通路などに大きく張り出
 す。顧客の声からキーワードを拾い出し、変化や要望を読み取り、
 1人の気付きが館全体のスタッフに迅速に還元される仕組み。


○8月13日、ルミネ立川店(東京都立川市)に浴衣姿の女性が訪れ
 た。「ガーデンパーティナイト」と名付けたルミネ流の縁日。来店
 者の「今年、浴衣を着ていく機会ないのよね」という何気ない一言
 をエルジェニックが聞きつけ、即座に立川店の会議で話し合って実
 現。来店客の拡大につながった。


○来店客の声を届ける仕組みは百貨店などに当たり前にあるが、ルミ
 ネの狙いは「ほかは商品開発などハード面が中心。ルミネは来たい
 と思わせる空間作りに役立てる」と視点の差異を強調する。

2011/08/24, 日経MJ P.3

−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−


真子:あ、これやったね、ソフト資源特集で。確か、あのときは密着
   軸だとこういう「働き方」をするんだ、って……

勝 :そうそう。今回はもっと深めていく。これを「密着軸の3ステ
   ップ」で見ていこうか。

恵利:ステップ1は、「お客様の個別ニーズを知る」ことで、ステッ
   プ1のAが「ニーズを引き出す」ことですね。

真子:これ、引き出すっていうか、さりげなく聞き出してる感じ?
   「浴衣を着ていく機会ないのよね」というニーズを……

勝 :いや、ルミネとしてみると、「エルジェニック」という制度に
   基づいたスタッフを配置して、「引き出してる」と言えるだろ

真子:あ、そうか。「個別ニーズを引き出す」ための「人材」として
   エルジェニックを置いてるわけか。

勝 :そう。それが、ルミネとしての「H:人材・組織」の仕組み。
   密着軸的な仕組みだよな。

真子:この「エルジェニック」さんの上に「ルミネスト」というのが
   あるんだよね。これ、従業員育成の制度の一環だよね。

勝 :そうそう。人材育成も絡めた、いい「人材・組織」の仕組みと
   言えるな。

真子:人材を育てる仕組みであり、お客様の声を吸い上げる仕組みで
   もあるんだね。

恵利:それに、「感想を即座に書いて、従業員専用通路に大きく張り
   出す」っていうのも、仕組みの1つですよね。

勝 :あ、そうそう。「吸い上げたお客様の声を従業員で共有する」
   仕組みだよな。それはどう考えればいい?

真子:あれ、「個別ニーズを覚える」って、ステップ3だよね? ス
   テップ3のBが「会社全体で共有する」んじゃなかったっけ?

恵利:あ、確かにそうだわ。それで、ステップ2が「個別ニーズを叶
   える」ですから、順番が逆?

勝 :そう考えてもいいけど、ここではステップ2の「個別ニーズを
   叶える」ために、従業員で共有してるんだろうな。

真子:あ、そういうことか。それで「立川店の会議で話し合って」、
   浴衣を着ていくための縁日をやったわけか。

勝 :さすがに「着物を着ていくための縁日を開こう」って決める権
   限は、エルジェニックの方も持ってないだろうからな。

恵利:なるほど。エルジェニックさんが「個別ニーズを引き出し」て
   組織全体として「個別ニーズを叶える」っていう仕組みですね

勝 :うん。結果として「個別ニーズ」ではなく、「着物を着ていく
   機会が無い」というのは「大きなニーズ」だったわけだけど。

真子:あー、確かにー。

恵利:でも、この「1人のお客様の声」を、エルジェニックさんが
   「引き出せ」なかったら、そのニーズに気づかなかった……

勝 :そうそう。そういう「細かいこと」に気づけるかどうかなんだ
   よね。闇雲に従業員に「やれ」って言ってできれば苦労しない
 
恵利:だから、こういう制度を作って、会社全体としてきちんと密着
   軸を実行に落とし込んでいくわけですね。

勝 :そう。そういう「制度設計」が大事。

真子:こうやって「密着軸の3ステップ」とか、SHOPで考えてい
   くと、1つの施策の色々な側面がわかるね!

勝 :へー、いいこと言うじゃん。その通りだよ。だから、こういう
   フレームワークが大事なわけだ。



3人が食べながらディスカッションを続けるうちに、テーブルのお皿
にのっていた食べ物は、いつの間にか全てなくなっていた。

パタパタパタとスリッパの音と共に、オーナーが現れ、お皿を片付け
ていく。

「お粗末さまでしたー」
「すっごくおいしかったです! パンも、奥様のこだわり、というだ
 けあって、しっかりしてて……」
「プロの方にそうおっしゃっていただけると嬉しいですね」
「米粉使うと、結構食感変わるんですね。もちもちしてて……」
「ええ、そうなんですよ。色々うちのも試行錯誤してるみたいで」
「次来るときも、楽しみです!」
「オーナー、お客様に出したものって、記録取ってます? 同じもの
 がメニューに出たことって多分無いと思うけど……」
「もちろんです。お好みとかも含めて、記録していますよ」
「きゃあ、顧客データベースだあ! さすが密着軸のペンション!」
「あれ、そう言えば、最初に来たときには好みを聞かれましたね。宿
 泊者カードを書くときにそんな欄が……」
「あ、それってそーゆーことだったんだ! さっすがぁ!」
「何だよ、今気づいたのかよ……」
「うちは小さいペンションですので、生き残りも厳しくて、ははは」
「勝さん、本とかプレゼントしてあげたら?」
「とっくにしたよ。ね、オーナー?」
「はい、勉強させていただいてますよ」
「なーんだあ。じゃあ私が教えてあ、げ、ま、す♪」
「やめろ、このペンションがつぶれたらオレが困る」
「やあー、ひっどーい! でもそーだよねー、きゃははは」


勝は、少し残っていたコーヒーを飲み干すと、飲み干したカップを見
ながら、うん、と満足そうにうなずいた。


(次号に続きます)



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◆今日のまとめ
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●個別ニーズに応える密着軸は「人」が重要。ソフト資源の「S:ス
 キル」「H:人材・組織」で個別ニーズに応えよう!


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▼今日の日記▲

ここのところ、ちょっと首や肩のあたりの調子が悪く、少し痛かった
ので、念のために、お医者さん(整形外科)に行ってみました。

すると……「ストレートネック」だそうです。「真っ直ぐな首」とい
う病気、というか症状、です(そのまんま)。

実際、レントゲンを見ると本当に「ストレート」でした。

本来は首は「ストレート」ではなく、曲線を描いて頭部を支えるわけ
ですが、パソコンをずっと打っているなど、姿勢が悪いと、段々真っ
直ぐになってしまうそうです。結果として、肩こりとか、痛みになり
やすい、とのこと。

肩こりなんかとは今まで全く無縁だったのですが、あるときに臨界点
を超えて「ぶちっ」と来るのは、「良くあるパターン」だそうです。
うーむ……確かに1日10時間以上、パソコン使ってますからね……

とりあえずはどうすることもできないので、湿布を貼って痛みが引く
のを待つしかないとのこと。それから「リハビリ」だそうです。

少し調べてみると、確かに「ストレートネック」って最近多いみたい
ですね。「TARZAN」でもたまたま最新号に載っていました。


とりあえずは日常生活には差し支えないのですが、気を付けないとい
けないですね。

まずは仕事のときの姿勢を良くしないといけないので、パソコンのモ
ニタの配置など、色々改善してみます。

パソコンを長時間使うアナタも、お気をつけくださいね!



●今日のiPod Tune:夏を偲ぶ歌

いつの間にか、もう9月。まだ暑いとは言え、もう夏は終わり……

暑くて暑くて「早く終わって欲しい」と思っていた夏も、終わってみ
ると、寂しいものです……


というわけで、夏を偲びながら聞きたい曲特集!

今日の1曲は……


○少年時代 by 井上陽水


1990年9月リリースのミリオンセラー。井上陽水さんの代表曲の
1つと言っていいでしょう。

まさに過ぎた夏を偲ぶ曲です。

ピアノに弦楽器というシンプルな伴奏が美しいメロディラインとボー
カルをひきたてる、まさに名曲。

虫の音と風の中に秋の気配を感じるバルコニーで、じっくりとひたり
たい1曲♪



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Copyright 2003-2010 Yoshinori Sato

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