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■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.180 2012/08/16
購読者:27,541 (まぐまぐ:16,573 メルマ!:958 めろんぱん:10,010)
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■■■■__夏休み特別号:密着軸の経営戦略 13__■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●密着軸では、「アドバイザー」が重要。アドバイザーの役割は、お
客様ですら気づいていないニーズを引き出すこと。
┃売れたま!は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま!
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◆登場人物紹介:売多真子 & 売多勝 + 松井恵利
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●密着軸の経営戦略特集!
恒例の連載シリーズは、「密着軸の経営戦略」です!
恐らくは、多くの企業、特に中小企業は密着軸を(暗黙のうちに、と
いう場合も含めて)取っていることが多いですし、また、取るべきだ
と個人的にも思います。
以下がその前提となる知識です
○戦略BASiCS:経営戦略を考える5つのポイント
Battlefield:戦場・競合 どんな市場でどんな競合と戦う?
Asset:独自資源 強みを競合がマネできない理由
Strength:強み 顧客が競合でなく自社を選ぶ理由
i
Customer:顧客 自社が取引したい具体的顧客像
Selling message 強みを顧客に刺さるように伝える
○3つの差別化軸:売り手が差別化する3つの方法
手軽軸:顧客の簡便性ニーズに応える
→ 競合より安い・早いで差別化する
商品軸:顧客の品質・技術ニーズに応える
→ 競合より高品質・新技術で差別化する
密着軸:顧客の個別ニーズに応える→
→ 競合より個別ニーズ対応で差別化する
●今シリーズの登場人物3名
○売多真子:女性 20代半ば?
・イタリアンレストランチェーン「そーれ・しちりあーの」の経営者
○売多勝 :男性 30代後半?
・新進気鋭のマーケティングコンサルタント。真子の親戚で幼なじみ
○松井恵利:女性 20代半ば?
・真子の同級生。家業の果物屋を継ぎ、その経営刷新に奮闘中
◇「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
http://ow.ly/89pSR
◇「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
上の本の続編。戦略構築から実行まで、社長の視点を物語で体感!
http://ow.ly/6s63d
◇「経営戦略虎の巻CD」(CD7枚組) 佐藤義典著
戦略BASiCSを徹底解説。上の3人が登場する小説が特典に!
http://sandt.co.jp/keieitoranomaki.htm
●ここまでのあらすじ
高原のペンションに「山ごもり」して合宿を行った真子、勝、恵利の
3人。話し合っている最中に、ふとしたことから「密着軸」について
ペンションのテラスで勝の講義を受けることに。
連載第1回目はこちらからお読みいただけます。右側の「記事履歴」
というところから上(新しい)の方へとお進みください。
http://archive.mag2.com/0000111700/20120706015000000.html
今回は連載の13回目です。
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◆まずは、前号の復習から!
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真子たちが食事中のテーブルには、小さいお皿がいくつか並び、その
合間にノート、ペン、ノートパソコンが並ぶ。というよりは、むしろ
ノートとパソコンの間に食器が並ぶ、という方が正確だろう。
真子:ねー、今東京は暑いんだろうねー。ここは相変わらずクーラー
いらずだけどさ。
勝 :そうだろうな。あっちだと、朝起きると汗で体重減ってるもん
な。心頭滅却しても、暑いもんは暑いからな。
恵利:ふふふ、そうですよね。ホント来て良かったです。勝さんには
お邪魔でしょうけど。
勝 :いや、恵利ちゃんなら大歓迎。
真子:なによー、真子がいないと寂しがるクセにー。
勝 :いいから、前号の復習するぞ。
恵利:はい、ここのところは「密着軸の3ステップ」をやってます。
恵利が、例によって美しくまとまった「恵利ノート」を見せる。
◇密着軸の3ステップ
ステップ1)お客様の個別ニーズを知る
ステップ2)個別ニーズを叶える
ステップ3)個別ニーズを覚える
◇ステップ1)お客様の個別ニーズを知る
A)ニーズを引き出す
B)ニーズに合った提案をする
A)ニーズを引き出す の2つの方法
1)顧客情報の収集・蓄積・カルテ化
2)診断・計測による顧客情報の収集
B)ニーズに合った提案をする
1)提案の幅を広げる
2)購買履歴から推測する
◇ステップ2)お客様の個別ニーズを叶える
A)個別ニーズに合った素材を調達・加工・組み合わせる
B)お客様と一緒に商品・サービスを作り上げる
「売り方」の個別化
・お客様の欲しい商品を聞き、それを品揃えしてお客様と一緒に
「店」を作り、「私のための店」と思っていただく。
真子:前号は、ステップ2「個別ニーズを叶える」の、「売り方」の
個別化をやったんだよね。
恵利:店舗の場合は、お客様に欲しいモノを尋ねて、それを仕入れ、
その反応を見て、という感じで……
真子:お客様と一緒に「お店を作り上げる」んだよね。
勝 :そうそう。それで、お客様に「この店はまさに自分のためにあ
るような店だ」と思っていただくんだな。
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◆ステップ2−B)お客様と一緒に商品を選ぶ
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恵利:勝さん、お店でも「お客様と一緒に作り上げる」ことができる
という考え方は面白いですね。
勝 :お店では、商品は一緒に作れないけど、「一緒に選ぶ」ことは
できるよ。こんなのが典型例。
勝が再びノートパソコンを操作し、モニタを真子と恵利に向ける。
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
◇紳士服専門店のAOKI(横浜市)は、2010年4〜9月期の既
存店ベースの就活スーツ売上高が前期比約50%増と好調。就活生
の心をつかむ、AOKIの接客術を探った。
◇「来週、東京国際フォーラムで大規模セミナーがありますね」
「大手商社は今度、採用活動の時期を遅らせるんですってね」
銀座店では、就活用品を求める顧客に店員がこんな話をする。就活
関係のニュースはネットなどで欠かさずチェックし、必要な情報は
店全体で共有、「顧客との会話の糸口を作り出す」(同社)。
◇同店によれば、就活用スーツとして一般に認められる色は3色。黒
はスタイリッシュ、紺はさわやか、グレーは落ち着き、とそれぞれ
与える印象が違う。顧客の志望業種や自分をどんなイメージで売り
込みたいのか、さらにファッションの流行なども考えて、型やサイ
ズの薦め方を変えるという。
◇さらに、来店者の属性を素早く判断し、最適と思われる店員をあて
る。男性客には男性の、女性客には女性の店員を配すのは基本。学
生らが1人や友達同士で訪れた場合は同じ目線で会話しやすい若手
が担当し、両親との来店ではベテランを配し、その経験から親に説
得力のあるセールストークを重視する場合もあるという。
2010/10/15, 日経MJ P.18
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
真子:まあ何でも出てくるよね、この金属のハコは。びっくり箱だ。
勝 :オマエなあ、知能が詰まったハコ、くらい言えないのか。デー
タ集めるのがどんだけ大変か……
真子:わあ、真子のために、あ、り、が、と、はーと♪
勝 :オマエのためじゃねー。読者さんのためだ。
真子:またまたー、照れなくていいのにぃ。
勝 :いいから早くコメントを述べよ。
恵利:はい、「密着軸の3ステップ」にあてはめてみるとこうなると
思います。
真子がはしゃいでいる間に手を動かしていた恵利が、今書き終えたば
かりのノートを見せる。
◇ステップ1)お客様の個別ニーズを知る
A)ニーズを引き出す
・就活関連の話で、「顧客との会話の糸口」を作り、志望業種など
の「個別ニーズ」を引き出す
・お客様と話しやすいように、同姓・同世代の店員が対応する
B)ニーズに合った提案をする
・ファッションの流行、スーツの色が与える印象などの知識と組み合
わせ、個別ニーズに合った提案をする
◇ステップ2)お客様の個別ニーズを叶える
A)個別ニーズに合った素材を調達・加工・組み合わせる
・就活用のスーツの広く品揃えする
B)お客様と一緒に商品・サービスを作り上げる
・幅広い品揃えの商品をしっかり把握した上で、色々なスーツを提
案し、その中からお客様が気に入ったモノを選ぶ
勝 :お、早いな……えっと……うん、OK。こんな感じ。
真子:えー、恵利すごーい。
恵利:ステップ2については推測ですが、多分こうではないかと……
勝 :そうそう、記事には「一緒に作り上げる」ところは明示的には
出てないけど、多分「流れ」としてやってるんだろうね。
真子:こういう場合って、ステップ1と2を分けにくいね。
勝 :そうだな。一連の流れだからな。ただ、ステップ1と2に必要
なスキルは違うからな。
恵利:はい、ステップ1はお客様と話せること、ステップ2は自店の
品揃えをきちんと知っていることが必要ですよね。
真子:あ、そっか。品揃えを把握してないと、お客様に合ったものを
提案できないか。
勝 :そういうこと。
真子:ね、恵利、ステップ1の2つの項目見せて。AとBってあった
確かAの方だったと思うけど。
恵利:え? これ?
恵利が真子にノートを見せる。
◇ステップ1)お客様の個別ニーズを知る
A)ニーズを引き出す
B)ニーズに合った提案をする
A)ニーズを引き出す の2つの方法
1)顧客情報の収集・蓄積・カルテ化
2)診断・計測による顧客情報の収集
真子:これこれ。このステップ1−A)の「2)診断・計測による顧
客情報の収集」もやってるよね。会話の途中で。
恵利:あ、そうね。「診断」っていう感じじゃなくても、志望業種な
んかを聞き出して「顧客情報の収集」してる。
勝 :真子、いいところに気づいたじゃん。
真子:なんか、こういう「診断力」みたいのが大事なのかな、って思
って。
勝 :ま、真子、ど、ど、どど、どうした?
真子:え、え? 何か悪いこと言った?
勝 :いや、逆。それそれ。診断力っていうか、「アドバイス力」み
たいのが大事になってくる。
真子:やったあ! 私、たまにはいいこと言うじゃん!
勝 :たまには、っていう自覚はあるのか……
真子:うん。「売り方」の個別化、っていう場合、結局その「診断」
っていうのがキーワードかな、って思って。
勝 :その通り! これなら「就活スーツのアドバイスをしてくれる
店」っていう、「その店に来る理由」ができるよな。
恵利:はい、その場合、就活に「必要な情報は店全体で共有」したり
お客様にあった店員を配置する仕組みが独自資源ですね。
勝 :まさにそういうこと。その結果「アドバイス力」が高まって、
それが「強み」すなわち店に来る理由、となる。
恵利:確かに、就活は人生の一大イベントですから、価格差よりも、
自分に合ったスーツを見つけられることが重要ですよね。
勝 :うん。その意味でも、また将来の顧客の育成、という意味でも
これ、いい策だと思うよ。
真子:あ、そうだよねぇ……
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◆「売り方」の個別化を実現する「アドバイザー」
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勝 :でさ、その「アドバイス力」の話だけど、「売り方」の個別化
は、「人」の勝負になってくることが多い。
真子:そりゃそうだよね。お客様のニーズを探ってどう探って、何を
提案するか、っていうのはやっぱりスキルになるよね。
勝 :そうそう。顧客啓発っていうか、ニーズを引き出す、という意
味で「アドバイザー」が必要になってくる。
恵利:あ、さっきのAOKIの店員さんも、アドバイザーの役割を果
たしているんですね。
勝 :そうそう、そういうこと。こんな例もある。
勝がそう言いながらノートパソコンを叩き、真子たちに見せた。
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
◇ワインのネット通販を手がけるセラードア(東京・港)が、スパー
クリングワインの試飲イベントを開催、計10人の男女が集合。
「指南役」の案内で色々なスパークリングワインを飲み比べ、好み
を探るのがイベントの目的だ。参加費は1人3000円。
◇参加者は約2時間かけてポルトガル、日本、インド、フランスなど
のワイン計13種類を味わい、最後に好きな銘柄を3つ挙げる。先
入観を排すため価格は伏せてある。
◇飲み比べをするうち、参加者らはこれまで知らなかった自分の好み
に気づく。参加した女性会社員は「基本的にアルコールは苦手」だ
が、飲み比べるうちに「しっかりしたワインが好きだと発見した。
普段はカクテルしか飲まないんだけど」と驚く。
◇2011年10月にスタートしたこのイベントは週1回程度のペー
スで開催、累計参加者数は350人を超えた。「会話や飲み比べの
様子をみながら、あの人の好みは酸味のあるヨーロッパの白だな、
などと文章で記録し、それに基づいて後日ワインを販売する」。
2012/08/15 日経MJ P.16
−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−
真子:これ、単なる試飲イベントじゃないね。
恵利:うん。これ、私わかる。「自分の本当の好み」って、案外自分
でわかってないのよね。
勝 :そうそう。服なんかでもそうだぜ。「自分はこの色しか似合わ
ない」とか思ってても、意外にそうでもない。
真子:じゃあ、真子が勝さんの服を選んであ、げ、る。
勝 :真子に頼むかどうかはともかく、意外にそういう「他人の目」
が大事だったりするよな。着てみないとわかんないから。
恵利:そういう「他人の目」の役割を果たすのが、こういう「アドバ
イザー」的な役割を果たす人なんですね。
勝 :そうそう。「売り方の個別化」では、こういうのが大事になっ
てくるんだよな。
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◆「気づきの機会」:ジョハリの窓 マーケティング版
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真子:ねー、このワインのイベントって、自分の知らなかったニーズ
を引き出すってことだよね。
勝 :そうそう。さっき恵利ちゃんが言ったけど、自分の本当の好み
って意外にわかってない。
真子:じゃあ、それを引き出してあげれば、まさに「お客様の個別ニ
ーズ」に本当の意味で応えることになるよね?
勝 :まさにそういうこと。
恵利:でも、それってカンタンじゃないですよね? 他人に言われて
も受け入れにくいですし……
勝 :うん、だからお客様に自分で気づかせてあげる機会、言わば
「気づきの機会」を持つことが1つの策になる。
真子:あ、このワインの試飲イベントは、その「気づきの機会」を作
ってるんだ!
勝 :そうそう。お客様が自分で気づく、「気づきの機会」だな。
真子:そうかー。こーゆー手もあるか……うちの店もワイン出してる
けど、これは気づかなかったなあ……
勝 :まさに「ジョハリの窓」のマーケティング版だな。
真子:何それ?
勝 :へ? 売れたま!でもやっただろ。2006年6月8日号。
真子:そんな昔の覚えてないよー、きゃははは。
勝 :あのな、バックナンバー全部読んだ、っていう強者の読者さん
だっていらっしゃるぞ。書き手より詳しい、あははは。
恵利:それでその、ジョハリの窓というのは何ですか? 私もそこま
では……
勝が恵利のノートに、さらさらと図表を書き込んでいく
自分が気づいている 自分が気づいていない
他気
人づ =====
がい 公開された自分 盲点の自分
て =====
い アドバイスして気づかせて
る あげる
他気
人づ
がい
て 隠している自分 未知の自分
い 「診断」などで客観化する
な
い
恵利:えっと、自分が気づいている・いない、他人が気づいている・
いない、という軸でのマトリックスですね。
勝 :そうそう。これが「ジョハリの窓」って言われる。
真子:これをマーケティングに使うとどうなるの?
勝 :左上は、「顕在ニーズ」。多くの場合、価格競争になる。
恵利:あ、はい、みんなわかってるニーズだからですね。
勝 :左下は、「こっそりニーズ」とでも呼ぶべきかな。
真子:まあちょっと難しいところだよね。色々と。
勝 :それで、最大のポイントが右上の「盲点の自分」。「自分では
気づいてないのに、他人が気づいている自分」
真子:ああ、あるある。傍からみてるからこそわかる、っていう……
勝 :それ。そういうこと、結構あるだろ。
恵利:ここにお客様の「気づきの機会」を提供するわけですね。
勝 :そうそう。洋服なんかでも、他人の方が意外に客観的に見られ
る。ちなみに、このときの売れたま!は、「メーク」の話。
真子:あ、メークでも、自分が日頃していないメークが意外に自分に
似合うってことね。
恵利:あ……たまにはそういうのって、冒険してみたいな、とか思っ
ちゃうよね。でも、なかなかできないから……
勝 :だから「気づく機会」を提供すればお客様の「隠れたニーズ」
を引き出せる。それはまさに密着軸の仕事だな。
真子:ねーねー、勝さんみたいな男の人がさ、自由に色んな服を着ら
れる機会を提供すればいいんじゃない? 買う必要はないの。
勝 :あ、なるほどな。別に買わなくてもいいから、自由に試着して
みて、ってことな。
真子:女性のスタイリストとかカラーコンサルタントとかも配置して
「お客様がこういうのもお似合いです」とかアドバイスして…
勝 :へー、面白いじゃん。それこそまさに「盲点の自分」を探す機
会ってことだな。
恵利:確かにそうすれば、普段服をあんまり買わない人にも買ってい
ただけるかもしれませんね。
勝 :まさに「気づきの機会」だな。「スキーの試乗会」なんかもそ
うだよな。
恵利:どういうことですか?
勝 :自分の滑りって結構決めつけちゃうけど、意外にそうでもなか
ったりする。
恵利:そうなんですね……
勝 :オレ、スキー学校の先生に強制的にブーツ買わされた。今のブ
ーツは合ってない、って言われて。
真子:それでそれで?
勝 :いや、実際それで滑ってみると、「そうか、そういうことか」
っていうのがよくわかったよ。
恵利:すごい先生ですね。「気づきの機会」をムリヤリ作る……
勝 :ホントそう。自分の仕事、という意味でも勉強になった。それ
で、これをさっきの「アドバイザー」と組み合わせると?
真子:あ、そっか! アドバイザーの役割が、この「盲点の自分」に
気づかせてあげることなんだ!
勝 :ああ。これ、カンタンそうで結構難しい。言い方とかを気を付
けないと、お客様の反感を買う。
真子:あ、確かにぃ。店員さんに「お客様は、その服はご自分で思っ
てるほどは似合いません」とか言われたら、怒っちゃう。
恵利:あ、そうだよね……
勝 :売り手は、気づきの機会の「場」を提供して、お客様に「自分
で」気づいていただくと、納得しやすいよな。
真子:あ、そうだね。さっきのワインの試飲イベントもそうだよね。
あくまでお客様が自分で気づくんだね。
勝 :そうそう。よく考えられてる。
恵利:それで、右下の「未知の自分」は、自分も他人も気づいていな
いんですから、どうしようもないですよね。
勝 :そうでもない。だからこそ「客観的な診断」みたいなことをし
て、左上に引き上げればいい。
恵利:あ……診断が客観的であれば、それは自他共に認める、という
ことになりますね。
真子:なあーるほどぉ! 「診断」すれば、それは左上の「公開され
た自分」になるんだ!
勝 :正確に言えば、「売り手としては自分だけに公開」されている
わけだから、他の売り手には公開されてないけどな。
恵利:あ、はい、だから、他社からではなくて自分から買っていただ
ける、ということですね。
勝 :じゃあ恵利ちゃん、今回は「アドバイザーの役割」についてま
とめてみて。
恵利:はい!
真子:この考え方、面白いね。ジョハリさん、っていう人が考えたん
だね、きっと。
勝 :いや、ジョセフさんとハリーさんらしいぞ。2人合わせて、
「ジョハリ」らしい。
真子:え、そうなんだ! じゃあ、勝さんと真子も何か一緒に作ろう
よ! 「マサルマコのハコ」とかさ。
恵利:別に勝さんは真子の助けなんかいらないじゃないの。ご自分で
BASiCSとか作ってらっしゃるんだから……
真子:そ、そりゃそうだけどさ……
そんな話をしているうちに、恵利がまとめ終わり、「これでいいでし
ょうか?」と勝たちにノートを見せる。
●アドバイザーの役割
◇ステップ1)お客様の個別ニーズを知る
A)個別ニーズを引き出す
○知識を備えたアドバイザーが、お客様と話す糸口をつくり、個別ニ
ーズを引き出す
○お客様の「診断」などで「知らなかった自分」に気づいていただく
→アドバイザーは「気づきの機会」を提供する!
B)ニーズに合った提案をする
○豊富な知識に基づき、お客様に色々な提案をしていく
◇ステップ2)お客様の個別ニーズを叶える
A)個別ニーズに合った素材を調達・加工・組み合わせる
○これはアドバイザーの役割というより、会社の役割。幅広い品揃え
を揃える。
B)お客様と一緒に商品・サービスを作り上げる
○幅広い品揃えを把握し、お客様にとって「自分だけのためのもの」
と思ってもらえる商品を一緒に選び出す
勝 :いやあ素晴らしい。オレの考えがこうやって「言語化」される
っていいなあ。
恵利:い、いえ……
勝 :こうやって真子とか恵利ちゃんと話すと、「気づきの機会」に
はなるよな。
真子:やっだあ、勝さんったら、真子にむ、ちゅ、う、はーと♪
勝 :そんなこと、ひ、とっ、こ、と、も言ってねーだろ。それより
そろそろ次の料理が来そうだけどな。
真子:きゃあ、待ってました!
オーナーが今度は大きめの皿を持ってくる。「次はお魚です。今日は
信州サーモンになりますね」。すかさず真子が食いつく。「さ、サー
モン? 信州って海に面してませんよね?」。オーナーは、その質問
は慣れてるとばかり「まあニジマスみたいなものなんですけどね」と
笑顔で応える。「県の水産試験場が開発したみたいですよ」
「まあ食ってみればわかるだろ」と勝が早速フォークを手にしながら
「あ、いつもどおり、もうご飯くださいね」と注文する。「あ、そう
でしたね。お持ちします。女性陣はどうされますか?」と尋ねるオー
ナーに「後でいーでーす」と応える真子たち。
「あれ、サーモンみたいに身が赤いね」
「ホントだあ……あ、おいしーい!」
「まあ、長野もガンバってマーケティングしてるってことだな」
「まあたそうやって何でもマーケティングに……」
食べ物が来ると、食卓が一気に「食卓」となる。が、それでも話題は
この信州サーモンをどうやってマーケティングするか、とマーケティ
ングからは離れられない会話が続く。
(次回に続きます)
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◆今日のまとめ
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●密着軸では、「アドバイザー」が重要。お客様の気づいていないニ
ーズを引き出し、商品を一緒に作り上げるアドバイザーを育てよう
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▼今日の日記▲
お盆まっさかり、東京都心はガラガラ、ですね。
さて、オリンピックも終わり、残る世間の興味は、プロ野球、でしょ
うか。
パリーグの方は、まさに大混戦。正直、全く予想がつきません(パリ
ーグをあんまり知らない、というのもありますが)。前半あれだけ苦
しんでいた西武が、6月以降絶好調ですからね。最後の最後までもつ
れそうです。
セ・リーグは、今のところ巨人が「独走」と言われますが、現在の状
況はを、1位巨人、2位中日に絞って見てみますと……
勝 負 分 勝率 残試合数
巨人 59 31 11 656 43
中日 53 36 13 596 42
仮に、中日が今の勝率を維持し、最終勝率6割くらいだとすると、
勝 負 分 勝率
中日 79 52 13 603
残り試合を26勝16敗、という感じですね。42試合で貯金10を
作る、というのは割といいペースです。
ちなみに、去年の中日は、75勝、勝率560です。今の中日は、優
勝した昨年より勝率が高いんですよね。
これを上回るには、巨人は……
勝 負 分 勝率
巨人 81 52 11 609
ということになります。つまり、残り試合を22勝21敗の、ほぼ五
分五分で行けばこのラインを超えられることになりますね。
というわけで、現在の数字から考えれば、巨人が圧倒的に有利なのは
間違いありません……
が、去年、それまで首位だったヤクルトが後半に失速、中日が逆転優
勝した、ということもありました。セ・リーグもまだまだわからない
ですね。
●今日のiPod Tune:猛暑を楽しもう! 夏のHot Tunes 2012
夏真っ盛り! 暑い日が続きます。
ということで、今年も始めました! 夏の歌2012!
今日はこの曲で夏を楽しみましょう!
○夏色片想い by 菊池桃子
1986年5月リリース、絶頂期の彼女が出したこともあり、当然オ
リコン1位獲得です。
彼女の初期のシングルを思わせる、しっとりしたポップスというか、
派手さはありませんが、美しいメロディです。菊池桃子さんらしい曲
です。
そういえば、アイドル真っ盛りの頃は、夏になるとみんな「夏の歌」
を出して、アイドル競演という感じでしたね。それもまた夏の楽しみ
だったことを思い出しますね。
**************************************************************
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓<免責事項等>〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●紹介した会社の各商標は各会社の登録商標です。紹介した会社・商
品等は、例であり、戦略や商品の良し悪しの評価ではありません。
●無断転載は禁じますが企画や会議のネタにぜひどうぞ。全文転送な
ら構いませんので、部下・上司・同僚など周囲の方にもお勧めを!
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「インド人を右に」とレスするたびに右に動いていくスレ
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1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 14:05:17.71
ID:yDRFQxCW0┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓┃ ┃┣
11 年前
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