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2012年6月4日月曜日

売れたま!戦略編Vol.244 2012/06/04 プラザのお客様の目を引き、足を止める売り場

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.244 2012/06/04
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 ■■__プラザのお客様の目を引き、足を止める売り場__■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●売り場の「魅せ方」で、お客様の「目」を引き、「足」を止める工
 夫を考えよう!


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◆滞在時間が延び、客単価が上がった雑貨店
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●雑貨店「プラザ」で、滞在時間が延び、客単価上昇!

雑貨店のプラザ(昔のソニプラですね)で、ユニークな「陳列」を試
みて、成果をあげているとのこと。

その結果まで公開してくれているので、ありがたいです。

どんなものなのか、早速見てみましょう!


−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−

○雑貨専門店「プラザ」が2011年10月に開いたルミネ有楽町店
 は、長居をしてもらう工夫にこだわった。例えば雑貨売場は、通常
 は高さ1.15m、横1.2m、奥行0.4mのスチール製の陳列
 棚を2つ並べる。しかし同店ではその間に挟んだ木製の幅約40
 cmの小さな棚が「想定以上のヒット商品」(同店)を生む。


○例えばスマホなどのケース「ピジャマ」は、パジャマをもじった一
 見普通の布だが、耐性に優れたゴム製。価格は2000円以上だが
 「あなたの相棒が眠るとき、パジャマを身につけませんか」と説明
 を付けて陳列すると、売上は1.8倍に伸びた。


○店独自の商品を増やした同店では、特徴が伝わりにくい商品も多い
 が、小さな棚を「商品自らアピールするプレゼンテーションスペー
 ス」(同店)とした。来店客は「小さな棚で突然雰囲気が変わるた
 め、『何だろう』と自然と目が留まり、足が止まる」(同店)。
 売り場のアクセントとして滞在時間が延びる一因になっている。


○商品の並べ方も「数を売ろうと棚にぎっしりと詰め込んだコンビニ
 型陳列」(同店)を見直し、棚ごとに1ブランドか1商品のみ。す
 ると通路に面した「エンド」以外にも"一等地"が誕生。棚に並べ
 るだけで以前より売上が2〜3倍になる例が増えてきたという。


○来店客の平均滞在時間は25〜30分で他店の2倍以上。客単価も
 上がり、足元で約2100円と他店平均と比べ2割近く高い。売り
 にくかった1万円以上の高額商品も説明に足を止める人が多い。
 陳列を工夫した雑貨は計画を5〜10%上回り順調だが、「衣料品
 など苦戦する分野もある」(同店)。


2012/04/25 日経MJ P.5

−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−


イメージとしてはこんな感じなんでしょうね。

 □□□□■□□□□

この、間に挟まった■が小スペースで、そこに陳列された商品が目を
ひくのでしょう。


陳列方法を変えて、

・売上が1.8倍になった商品がある
・滞在時間2倍
・客単価が2割アップ

というのはすごい工夫ですよね。


「陳列を工夫した雑貨は計画を5〜10%上回り順調」ですが、その
ような「工夫」をしていない売り場では苦戦しているところもあると
のことなので、やはり「売り方」「売り場」の工夫の効果は大きい、
と言えそうです。

「売り物」そのものの良さは重要ですが、「売り物」の「魅せ方」も
重要、ということがよくわかる事例です。



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◆復習:マインドフロー
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●マインドフロー=ココロの流れ

マインドフローとは、お客様のココロの流れ、です。英語そのまんま
の意味でマインドフローと名付けました。

要は、知って、買って、使って、ファンになる、という当たり前の流
れを私が体系化したものです。



●お客様が「認知」してから「ファン」になるまでの7つの関門

ビジネスの大きな目的の一つは、お客様にファンになっていただくこ
と。でも、いきなりファンにはなりません。

 認知: 商品・サービスの存在を認知する
 興味: ニーズを感じて興味をひかれる
 行動: 手に取る、HPを見る、などの行動を取る
 比較: 競合商品と比較する
 購買: お金を払って購買する
 利用: 実際に使ってみる
 愛情: 満足してファンになる

という、7つの関門を通るのが一般的です。

私は、この7つの関門を超えていく「ココロの流れ」をマインドフロ
ーと命名しました。



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◆「売り場」のマインドフロー
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●「売り場」のマインドフローを考えよう!

今回の「小売業」のように、「売り場」がある場合には、以下のよう
な「流れ」になることが多いでしょう。


魅せ方のポイント   マインドフローの関門

1.見やすさ     認知→興味→行動
2.試しやすさ    行動→比較
3.選びやすさ    比較→購買


そして、今回のトピックは、この中でも、「1.見やすさ」のところ
にさらに「ズームイン」していくような感じですね。



●「ウリ」は「売り物」だけではない!

いわゆる4P(Product, Promotion, Place, Price)はマーケティン
グの定番ですが、英語のままだと覚えにくいので、私は「売り物」
「売り方」「売り場」「売り値」と言い換えています。これなら覚え
やすくありませんか?


マインドフローの各関門で、4Pのそれぞれの要素が果たす役割は変
わってきます。

例外もあるでしょうが、ざっくりと言えば以下のようになります。

 認知    ↑
 興味    ↑
 行動    ↑
 比較  「売り方」「売り場」の果たす役割が大きい

 購買  「売り物」の果たす役割が大きい
 利用    ↓
 愛情    ↓


要は、「商品が良いかどうかは買って使ってみなければわからない」
という当たり前のことを言っているだけです。

お客様から見れば、「買う」前には「見る」「考える」というような
行為が発生するのです(そしてそれも当たり前のことです)。

「売り物」で競合に勝っていても、「売り方」「売り場」で負けてい
ると「売れない」ということが上記のことからわかります。

「売り方」「売り場」の重要性がわかりますね。

誇張を恐れずに言えば、商品の「伝え方」がその商品の「生殺与奪
権」を握っているとすら言えます。



●「使ってさえもらえれば良さがわかる」の不思議

たまに耳にするのは、

・商品開発の方:「うちの商品を使ってもらえれば良さがわかる」
・レストランのシェフ:「食べてもらえればおいしさがわかる」

というような言葉です。

マインドフローで考えれば、その発言にあまり意味はありません。
「売り物」の良さがわかるのは買った「後」だからです。

むしろ、「食べてさえもらえれば」というような考え方をしていると
「売り方」「売り場」を軽視しがちなので、あまり良くないように思
います。


逆に「うちの店の売り物は他店と同じだから差別化できない」という
考え方も、同様に良くないと思います。「売り方」「売り場」で差別
化しよう、という発想になりにくいからです。



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◆「売り場」での「魅せ方」で売ろう!
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●売り物を並べて置いておくだけでは売れない

多くの小売業に対して言えることですが、もはや「売り物を並べて置
いておくだけでは売れない」のです。

「並べて置いておくだけの店」は、ネットショップなどに対して苦戦
を強いられるのは当たり前です。それなら、品揃えが多く、配達もし
てくれるネットショップの方が便利です。ポイントまでついたりしま
すしね。

ですから、

・売り方の工夫
・売り場の工夫

が無い店は、どこも厳しい、というのはある意味当然です。

確かに「商品を並べておいとけば売れる」時代はあったようですが
(私が知る限り、1970〜80年代頃でしょうか)、それは、人口
が増える時代でかつモノ不足、という非常に恵まれた時代の「幸運」
なんですよね。

よく「商店街の衰退」などと言われますが、反論を恐れずに言えば、
「売り方」「売り場」の工夫をせずに30年前と同じ商売の仕方をし
ていたら、衰退するのはしょうがないでしょうね……。


小売店に限らず、HPなどでも同じですよ。

「情報を並べておいておくだけでは見てもらえない」
「商品をHPに載せておくだけでは売れない」

と言い換えれば、同じことが言えます。



●「売り物」が同じでも「売り方」「売り場」の工夫で売れる!

逆に言えば、「売り物」が同じでも「売り方」「売り場」での工夫次
第で売れる、ということを示している事例でもあります。


売上が1.8倍になった「ピジャマ」はその典型例です。陳列の工夫
「だけ」で売上が伸びたわけですね。「ピジャマ」という「売り物」
自体は変わっていません。

マインドフローで考えれば、

 ・認知:「何だろう」と目に留まる(40cmの小スペース)
  ↓
 ・興味:「あなたの相棒にパジャマを」(POP)
  ↓
 ・行動:足が止まり、手が商品に伸びる

という、「認知」「興味」関門を陳列の「魅せ方の工夫」で乗り越え
たからこそ、「売り物」が同じでも売上が1.8倍になったのです。

まさに「魅せ方」の効果と言えますね。



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◆お客様の「足を止める」ために「目を引く」工夫をしよう!
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●滞在時間が長くなれば、客単価が上がる

今回のプラザの試みでは、

 ・滞在時間が2倍に伸びる
     ↓
 ・客単価が2割アップ

という成果が生まれています。

「滞在時間が長くなれば客単価が上がる」というよく言われることが
実証されたわけですね。

滞在時間が長くなれば、その分だけ多くの商品を見たり手に取ったり
しますから、売上が上がるわけですね。

では、「滞在時間を延ばす」ためには、どうすればいのでしょうか?



●「客動線」の前に「客視線」

記事の中で、注目すべきは……

「『何だろう』と自然と目が留まり、足が止まる」

という同店の発言です。

特に重要なのは、この順番です。

「目が留まる」 → 「足が止まる」

という順番ですね。

「足を止める」ためには「目を引く」工夫をする必要がある、という
ことです。

小売ではよく「客動線」という言葉が使われますが、「客動線」の前
に「客視線」とも呼ぶべき「視線の動き」があるのです。

「客動線」の前に「客視線」を考える必要があります。

客単価を上げ、滞在時間を延ばすためには、お客様に「足を止め」て
いただく必要があります。そして、「足を止め」ていただくためには
「目を留め」ていただく必要があるのです。


お客様の行動をマインドフローで分解すると、

 ・認知:「何だろう」と目に留まる
  ↓
 ・興味:POPなどを読んでアタマが反応する
  ↓
 ・行動:足が止まり、手が商品に伸びる

ということになりますが、まさにこの「順番」を「計算」するかのよ
うなご発言です。


これが、

「棚にぎっしりと詰め込んだコンビニ型陳列」
      ↓
「棚ごとに1ブランドか1商品のみ」

の陳列に変更すると、

「棚に並べるだけで以前より売上が2〜3倍になる例が増えてきた」

というロジックの背後になるものですね。


「ぎっしり並べておくだけ」では、お客様が気づかないわけです。
「認知」関門を突破できないのですね。

すると、「並べておいても売れない」ということになります。

マインドフローの順番が示唆するように、「まずは認知してもらう」
ことが重要なわけで、

「気づいてもらうように陳列する」

ことが重要なんですよね。

重要なことは、「お客様が気づくように陳列する」ことであって、必
ずしも「棚ごとに1ブランドか1商品のみ」ということではありませ
んよ。それは店におけるお客様の行動などによって違います。そうい
う「表面」をマネするのではなく、その背後にある「ロジック」をマ
ネするようにしましょう。


さて、あなたの「売り物」の「魅せ方」はどうなっていますか?

小売業でない場合は「売り場」は無いかもしれませんが、それに相当
するもの(商品パンフ、HP、営業担当者、代理店、など)はあるは
ずです。

そこでの売り物の「魅せ方」をどうすべきか、考えてみましょう!」



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◆今日のまとめ
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●売上は「魅せ方」で変わる。お客様の「目を引き、足を止める」よ
 うな「売り方」「売り場」を考えよう!

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ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。


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▼今日の日記▲

足首を捻挫してしまったために、ここのところジム通いや、日常の運
動を控えていたのですが……ズボンのウエストがキツキツになってし
まいました……。今まで割と余裕があったスーツのウェストが、「あ
れ?」というくらいにキツく……

運動しなくても食べる量が変わらないので(運動しないとむしろ食べ
る量が私は増えるんです)、当たり前と言えば当たり前ですが、ホン
ト、カラダは正直ですよね。運動しないとてきめんにカラダの線が緩
くなるんですね。

幸いなことに捻挫はほぼ完治しつつあり、筋トレも再開しています。
が、この3週間くらい、有酸素運動がほとんどできていないので、心
肺機能は低下しています。実際、エアロバイクをちょっと漕いだだけ
で脈拍があっという間に上がってしまいます。

2週間の遅れを取り戻すためには2ヶ月くらいはかかるんですが、そ
れはまあしょうがないので、またトレーニングを頑張ります!



●今日のiPod Tune:Enjoy the Rainy Season! 雨に似合う歌2012

遂に九州南部が梅雨入り!

ようやく暖かくなってきたな、と思ったらすぐに梅雨、というのは毎
年言ってるような気がします。

イヤだと言っていてもしょうがないので、梅雨を楽しんでしまいまし
ょう。

ということで、今年もやります! 雨に似合う歌!

まずは、やっぱりこの曲から。


○雨音はショパンの調べ by 小林麻美


1984年4月リリースのオリコン1位獲得曲。カバー曲で、原曲は
GazeboのI Like Chopin。日本語詩はユーミン。

当時は原曲もこちらの曲も両方よく聴いていました。アレンジはこち
らのカバー曲の方が何というか「しっとり」していて、梅雨っぽい感
じで私は好きです。

個人的には、この曲以降、この曲より梅雨に似合う曲は日本では出て
いないのではないかと思っています。アンニュイというか、気だるく
「艶っぽい」息づかいが魅力のこの歌は、今聴いてもゾクゾクします
ね。

当時、ベストテン番組とかにほとんど出なかったので、ナマでこの曲
を歌うのを見てないんですよね……見たかったなあ……。


毎年梅雨になると聴きたくなる曲の筆頭♪



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