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2011年10月11日火曜日

売れたま!特別編Vol.130 2011/10/10 真子、社長になって会社を立て直す 9

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.130 2011/10/10
購読者:25,985 (まぐまぐ:16,484 メルマ!:925 めろんぱん:8,576)

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 ■■■■__真子、社長になって会社を立て直す 9__■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●「具体性」を確認する言葉は「例えば?」 自分のアタマに、「例
 えば?」を繰り返して質問し、具体性を高めよう!


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 新人OL、社長になって会社を立て直す 
 佐藤 義典 (著)  1,140円

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●物語の主人公たちの補足解説!


本の補足の意味もこめて、ヒロインの売多真子、メンターの売多勝に
ご登場いただくことにいたしました。


特別ゲストは、松井恵利(まつい・えり)ちゃん。真子の大学時代の
同級生であり、CD「経営戦略虎の巻」の特典小説、「つぶれかけの
果物屋を再建せよ!」のヒロインです。

http://sandt.co.jp/keieitoranomaki.htm

売れたま!初登場。OL勤めをやめ、現在は果物を主軸にした
M'sジューシーヘルシーの経営陣として頑張っています。


今日は、9回目です!

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◆「新人OL、社長になって〜」は、3人の成長物語
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恵利:前回の復習は私からさせてくださいね。私が特に大事だな、と
   思ったのが、「お客様の言葉」です。

勝 :サントリーの山崎、だな

真子:それはもうわかった、ってば。何も足さない、何も引かない。
   話の腰を折られて恵利が怒ってるよ

恵利:ま、まさか怒ってません……それで、お客様の言葉をそのまま
   蓄積していく。望ちゃんのメモみたいに。

勝 :その理由は?

恵利:はい、勝手に解釈しないため、というのと、メッセージとして
   出せるからです。

勝 :ぴんぽーん。さすが。

真子:それで、最後にもったいつけて終わった、望ちゃんの成長した
   ポイントってなに?

勝 :「新人OL、社長になって〜」では、主役の3人には、それぞ
   れの成長テーマがあるんだよ

真子:そ、そうなの?

勝 :うん。スキルテーマとメンタルテーマが設定されてる。

真子:え、ええ!? し、知らないわよ、そんなの……

恵利:あ、それ私も意識しながら読んでました。そうかなあ、と思っ
   て。真子のスキルテーマは、「戦略」ですよね。

勝 :さすが恵利ちゃん。ドラクエ的に言うと「真子はレベルが上が
   った! 戦略BASiCSを覚えた!」って感じ。

真子:め、メンタルテーマは?

恵利:ええ? 自分で気づいてないの? 「経営者とはどうあるべき
   か?」とかじゃないですか? 勝さん?

勝 :恵利ちゃん、すげーな。真子、オマエ最初に広岡会長に怒鳴ら
   れただろ? 何て言って怒鳴られた?

真子:「部下のせいにするな」って。

恵利:「新人OL、社長になって〜」P.22ですね。

真子:うん。もう、思い出したくないけど……あの経験を忘れちゃダ
   メなんだろうなあ……

勝 :そうそう。人間は同じ間違いを繰り返すからな。

真子:私以外は? 清川さんとか、さ。

望 :清川さんは……何だろう? もっと大人になる、とか?

真子:あの人、全然大人になってないわよ。勝さん、ヒントちょーだ
   い!

勝 :あれだよ、ほら、「鈴木様」の件。P.138。

恵利:P.138、と……「お客様の笑顔。これが正解だ」

望 :あ! お客様視点、ですか?

勝 :そうそう。イタリアンレストランの売り物は、「アルデンテ」
   じゃなくて「お客様の笑顔」な。それがベネフィット。

真子:そうかあ、それがスキルテーマかあ……メンタルテーマは?

恵利:修行経験がないっていう、アレじゃないかな?

勝 :よくわかるね。清川さんのメンタルテーマが「コンプレックス
   の克服」

真子:へえ、結構考えて書かれてるんだねえ……

勝 :オマエの知能レベルと一緒にするなよ。

真子:してないもん。ねえ、これ、書いた人の経験談なのかなあ……
   やけにリアルだよね?

勝 :さあ。あんまりコンプレックスとかなさそうな人に見えて、あ
   るのかもしれないな。で、望ちゃんの成長テーマは?

望 :私はわかってます。スキルテーマは「具体性」ですよね? そ
   してメンタルテーマが「マイナス思考の克服」、です。

勝 :正解。さすがに自覚があるか、真子と違って。

真子:いちいちうっさいなあ。でもホント、望ちゃん前向きになった
   っていうか、明るくなったよ。

望 :ううん。まだまだ、だと思ってます。

恵利:でも望ちゃん、P.166みたいに「やるとしたらどうする」
   って考えよう、なんてすごいよ! ホントそうだと思った。

望 :ありがとう、恵利ちゃん。でも、「具体性」については、私、
   まだ不安なんですよね……

勝 :そうだろうね。いきなりできるようにはならないから。だから
   今日のテーマがそれ。「具体性」

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◆「ブランド力を上げろ!」の意味は?
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勝 :真子、「ブランド力を上げろ!」って言ったことあるか?

真子:もちろんあるけど?

勝 :それってどういう意味だ?

真子:どういう意味って、ブランド力を上げろって、意味ですけど…

勝 :望ちゃん、真子にそう言われたら、どうすればいいと思う?

望 :えっと、商品力を上げろって意味かな、と思って、より高級な
   食材などを使った高単価商品考えます。ウニとか、かな?

勝 :恵利ちゃんは?

恵利:私なら、もっと認知率を上げろ、って意味かな、って思って、
   広告なんかをすると思いますけど……

真子:え、ええ? そ、そうなの?

勝 :で、真子はどういう意味で言ったんだ? 「ブランド力を上げ
   ろ」って?

真子:お客様が何回もいらしてもらえるようにしろ、って意味で言っ
   たんですけど……

望 :え? そ、そうだったの? 私、てっきり、高級なモノを売れ
   ってことかと思ってた。

真子:ええ? ち、違うんだけど……

勝 :まあそうなるわな。真子、「ブランド」って何?

真子:だ、だからリピート率とか……ファンの数とか……

勝 :それ、ブランドっていうか、「ロイヤルティ」だな。

真子:そ、そうなんだ……

勝 :「ブランド」という言葉自体は、そんな意味は持たない。

望 :え? でもヴィトンのバッグとか、「ブランド品」とかって言
   うじゃないですか? 

勝 :じゃあ、サマンサタバサはブランド品じゃないの? 「カワイ
   イ」っていうイメージで、人気あるブランドでしょ?

望 :そ、それは……そうですけど……

勝 :吉野家だってブランドでしょ? 早い、安い、うまい、ってい
   うのはすごくいい「ブランド」イメージだよね?

真子:た、確かに……じゃあ「ブランド」って何?

勝 :さあ? オレが聞きたいよ。

真子:な、何よそれ、自分で振っておいて……

勝 :まあ強いて言えば「商品・サービスなどについての、お客様の
   アタマに想起されるもの全て」って感じかな。

真子:そ、それって全部じゃん。

勝 :だからさっきみたいなことになるんだよ。高単価、認知の量、
   ロイヤルティ、全部を意味しうる。だから混乱するんだ。

恵利:そうか! 言葉として広すぎるんですね! だから、様々な
   「解釈」が可能になる……

勝 :そう。「ブランド」って言葉は抽象度が高すぎる。「モノ」と
   いう言葉と同じくらいの抽象度の高さだ。

望 :勝さんが真子ちゃんに聞いた、「ブランド力を上げろ」ってい
   うのは、では結局何なんですか?

勝 :「ブランド力を上げろ」って言うのは、アニマル浜口さんみた
   いに「気合いだあ!!」って叫ぶのと同じだな。

真子:「き、気合いだあ!」って、な、何よそれ……

恵利:そうかあ……言葉の抽象度が高いからそうなるんですね……

真子:ど、どういうこと? 何よ、いっつもいっつも恵利ばっかりわ
   かちゃってさ……

恵利:ほら、さっきの話よ。「ブランド力を上げろ」は、具体性がな
   いのよ。具体性がないから、ピンと来ないの。

望 :だから、さっきみたいに、3人とも違うことをイメージしちゃ
   うのよ。それで「気合いだあ」と同じということですよね?

勝 :そうそう。望ちゃんが澄んだ声で「気合いだあ」っていうと、
   カワイイよなあ、ホント……。真子が言うと怖いけどな。

真子:もういいよ、それ、聞き飽きたから。

恵利:真子、大丈夫よ。「気合いだあ!」って、真子らしくって、ぴ
   ったりじゃん。

真子:あ、アンタねえ……勝さんに言われるならともかく……この恩
   知らずが……

恵利:あ、そ、そうだったね……

望 :え、何、恵利ちゃん、真子ちゃんに弱み握られてるの?

恵利:弱みってほどじゃないけど……勝さん紹介してもらって……

真子:そうだそうだ!

勝 :オマエが威張るな。ホント女3人よるとかしましいな……

真子:何よ、嬉しいくせに。大体望ちゃん呼べ、って言ったの勝さん
   じゃん。

勝 :あーうるさい。で、話をモトに戻すと、「競争力を上げろ」っ
   ていうのも「気合いだあ!」と同じだな。

恵利:はい、抽象度が高すぎるんですね。何の競争力か、さっぱりわ
   からない……

勝 :そういうこと。競争力、って言っても、製品なのか、アフター
   サービスか、営業応対力なのか、意味不明。

真子:そうかあ……確かにねえ……「競争力を上げろ!」っていうと
   何かもっともらしいけど……何も言ってないってことか……

望 :それは「気合いだあ!」とおんなじ、か……

勝 :大体、「ブランド力」とか「競争力」なんていう、曖昧な言葉
   を使うのは、わかってないかごまかしたいか、どっちかだ。

真子:し、しっつれーね! じゃ、じゃあどうすればいいんですか?

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◆「例えば?」は、具体性を聞く魔法の質問
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勝 :どうすればいい、って、「抽象度が高い」の反対をすればいい
   んだよ。

真子:えっと……「抽象度が低い?」

勝 :はあ……そんなの当たり前だ。オマエ、「達人マーケターへの
   道」、読んでないのか?? 

恵利:はい、はい! 先生、私わかります!

勝 :はい、恵利ちゃん。

恵利:はい! 「抽象度が高い」の逆は、「具体性が高い」です!
   ですから、具体性を上げればいいんですよね?

勝 :ぱちぱちぱち、恵利ちゃん、よくできましたあ!

真子:何よ、恵利、またいいこちゃんしちゃって……

勝 :オマエが「こまったちゃん」なんだよ。恵利ちゃんは「にこち
   ゃん」だな。

真子:あのねえ、いくら何でも古すぎるのよ……ロンパールームの時
   代なんて、私達、生まれてないんだからね!

勝 :人をオヤジ扱いすんな。オヤジだけどさ。

恵利:でも、確かに、どうすると「具体化」できるんですか?

勝 :「具体性」を確認する、「魔法の質問」があるんだよ。

真子:え、なになに? 勝さんが「魔法」なんて言葉使うの珍しいじ
   ゃん。いっつも「魔法なんてねーんだよ」とか言ってるのに。

勝 :オマエそういうところはよく覚えてるよな。

望 :私も知りたいです! 私の弱みですので……

勝 :望ちゃん、あのさ、真子に「ブランド力上げろ」って言われた
   ら、何て聞き返したくなる? それじゃよくわからないよね?

望 :「例えばどういうこと?」って。

勝 :それ! 「例えば?」って聞くの。それが具体性を上げる、魔
   法の質問。

真子:ええっと……ああ、なるほどぉ! 競争力を上げろ、って言わ
   れたら、「例えばどうすんのよ!」って聞けばいいんだ!

勝 :そんなケンカ腰に聞くなよな。普通に「例えば?」って聞け。
   で、真子、例えば、って聞かれたら、何て答える?

真子:リピート率上げて、って答えるよ

勝 :それが指標だよな。で、例えばどうするの、って聞かれたら、
   どうする?

真子:「もう1回来たい」って思わせるような対応するのよ、って答
   えるかな。

勝 :それで「顧客対応」という、やることが具体化されたらな。そ
   れでも、「例えばどんな対応?」って聞かれたら?

真子:例えば、加賀屋みたいに、自然に居心地いい対応するのよ、っ
   て言うかな。

勝 :じゃあ、加賀屋みたいな対応って、例えばどんな対応?

真子:わかりました……降参です! そこまで考えてませんでした!
   私の考えが甘くてすみませんでした!!

勝 :コイツ、開き直りやがった。まあでも頑張ったよ。

恵利:勝さん、すっごーい! こうやって聞いてくと、どれだけ考え
   抜いたかがわかるんですね!

勝 :おお!! 恵利ちゃん、さすが!! そうそう、「例えば?」
   って聞くと、どれだけ考えたかがよくわかる。

真子:イヤな質問だなあ……って、自分が聞かれるからイヤなんだ。
   他人に使うのは楽しそうだ♪

恵利:真子、それちょっとイヤらしいよ……

真子:う、うるさいなあ……勝さんだって楽しそうだったじゃん……
   大体恵利だってさあ、いっつもいっつもいいこちゃんして……

恵利:な、何よ……真子だっていいこちゃんすればいいじゃん!

真子:う……何よ、私がそういうのできないってわかってて……

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◆アタマに「例えば」という質問を投げかけよう!
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勝 :こっちのうるさいのはほっといて、ね、望ちゃん? 今のでわ
   かったよね?

望 :はい! 「具体性が無いなあ」と思ったら、「例えばどういう
   ことなんだろう」って自分で考えればいいんですよね?

勝 :そうそう。今オレが真子に対してやったみたいに、徹底的に繰
   り返していけばいいの。例えば、例えば、って。

望 :でも、自分でやっても、まだ不十分かな、って……どこまでや
   ればいいんですか?

勝 :中学生にわかるくらいまで。

真子:ど、どういうこと? 中学生って。

勝 :あ、うるさいのが戻って来た。

真子:はいはい、愛しの望ちゃんとの2人きりの会話を邪魔してすみ
   ませんねー

勝 :ホント邪魔だよ。じゃあ、真子、リピート率を具体化して。そ
   れじゃ中学生にわかんねー。

真子:えっと……1回来た人が、次にもう1回くる確率。

勝 :オレ中学生の役、な。ねーおねーちゃん、確率ってなーに?

真子:えっとね、勝ちゃん、確率って言うのはね……あれ? 何だ?
   確かにどうやって測るんだろう?

勝 :ほら、意外と言えないだろ。ねーねー、おねーちゃん、回数じ
   ゃダメなの?

真子:そうか、回数か……そうだ、こうしよう。あのね、100人お
   客様が来るでしょ? その人の中で、もう1回来た人の人数よ

勝 :ねーねー、5年後にもう1回来た人も数えるの?

真子:そんなのしーらなーい。勝ちゃん、イヤな子供だねー。大人に
   なるとろくなものにならないよー。

勝 :ふーん、答えられないんだあ……ダメだねえ……じゃあこっち
   のもっとキレーなお姉ちゃんに聞こうっと。

真子:こ、コイツ……それじゃ中学生じゃなくって小学生よ……

勝 :ねーねー、望おねーちゃん、5年後じゃダメなのぉ?

望 :うん、ダメ。っていうか、来ないよ、5年後になんて。ね、勝
   くん、3ヶ月前に行ったお店、お姉さんに教えて?

勝 :んっとねえ……スタバぁ、マックぅ、一風堂ぉ、吉野家ぁ、一
   蘭でしょ…あとはわかんなーい。

望 :ね? 5年前なんて覚えてるわけないよね? で、今のお店は
   何で覚えてるの、勝くん?

勝 :あのね、おねーちゃん、毎月行ってるからだよ!

望 :ほら、そうでしょ? 3ヶ月前に行ったから覚えてるんじゃな
   いでしょ? 毎月行ってるからだよね?

勝 :ふーん、じゃあ1ヶ月以内にもう1回来た人を数えればいいん
   だあ!

望 :うん、私はそう思うよ。今月来たお客様の中で、来月もう1回
   来る人の割合を数えればいいの。

勝 :でも、どうやって数えるの? 名前わかるの?

望 :うん、ほら、予約するときに名前を言ってもらうじゃない?

勝 :なあるほどぉ! でも、ふらっと入ってくる人はぁ?

望 :顔を覚えるの。1ヶ月くらいなら覚えられるのよ。

勝 :ふうん、そうなんだあ! おねーちゃん、すごーい!

望 :でもね、勝くん、食生活は気を付けてね。ラーメンもいいけど
   そればっかりじゃダメよ。たまにはうちにも来てね。

勝 :うん、じゃあキレーなお姉ちゃん、今度一風堂一緒に行こう!
   ねえ、次の休みはいつなの?

真子:どさくさにまぎれて、何誘ってんのよ。一風堂なら私が行って
   あげるわよ。

勝 :ははは、いや、望ちゃんすげーよ! そうやんだよ!

真子:しかし、何この順応率の高さ……望ちゃん、よく勝さんについ
   ていけるわね……

恵利:望ちゃん、今の、すっごいわかりやすかった! 確かに、毎月
   行く店じゃないと、覚えてないわ……

勝 :今の説明なら、真子にもわかるだろ?

真子:し、しっつれーね!

勝 :でも、そういうことなんだよ。中学生にわかるくらいに具体的
   じゃなかったら、それはまだ足りない。何かごまかしてる。

望 :今、すっごいアタマ使いました……

真子:どーでもいい勝くんへの対応に、でしょ?

望 :そうなんだけど、ほら、中学生にわかる言葉、ってなると、リ
   ピート率もブランド力もダメでしょ?

真子:あ……ああ、そうかあ! 曖昧な言葉が使えないんだ!

勝 :なんだよ、今気づいたのかよ……平易な言葉で言えないのは、
   ごまかしてるか、考え抜いてないか、だな。

真子:えー、じゃあ、勝くん、マーケティングってなーに? これは
   難しいでしょ?

勝 :うんとね、お客様に買ってもらうことだよ、怖いおねーちゃん

真子:そ、そんな単純なの? って、何で私が怖いおねーちゃんなの
   よ!

勝 :だっておねーちゃん、そうやってすぐ怒るんだもーん

恵利:あの、今のがマーケティングの本質ってことですか? 「お客
   様に買ってもらうこと」っていうのが?

勝 :そう。学会の定義はあるけど、本質は何事もシンプル。例えば
   主語をお客様にしてるでしょ、今の定義は?

望 :えっと……「お客様に買ってもらうこと」ですよね? ホント
   だあ……そうか、お客様視点、ってことですね。


望がすかさずメモしたノートを見ながら言う。


勝 :で、中学生の真子ちゃんは聞きます。ねーねー、どうやったら
   買ってもらえるのぉ、って。ほら、真子、聞け。

真子:ねーねー、どうやったら買ってもらえるのぉ? きゃははは!

勝 :お客様がもっと嬉しく、幸せになれば買ってもらえるんだ。ほ
   ら、真子ねーちゃんもチョコレート買うと幸せでしょ?

恵利:きゃああ! 今のが「ベネフィット」だあ! じゃあ勝くん、
   チョコレートなんてたくさんあるよね? どれ買うの?

勝 :うん、同じ100円で、より嬉しくなる方を買うよね? だか
   ら、もっと嬉しくなるようなモノを作ればいいんだ

恵利:嬉しいって「例えば」どういうこと?

勝 :ほら、いちごの味がしておいしい、とか、いっぱい入ってる、
   とか。

望 :わあ、今のが「強み」だ! すごいです……

勝 :で、恵利ねーちゃんはどんなのが好きなの?

恵利:うーん、私はビターなブラックかなあ。

勝 :望ねーちゃんは?

望 :私は、生チョコみたいのが好き。

勝 :ほら、人によって好きなチョコレートが違うよね?

恵利:きゃあ、それが「セグメンテーション」ですねえ! すごい!
   こんな単純に説明できるんだあ! 

真子:な、なんかバカらしいけど、確かにわかりやすい……

勝 :望ちゃん、これで答えになってるかな? どこまで「具体化」
   すればいい質問の、さ。

望 :はい! 勝さん、これも「例えば」で答えていただいたんです
   よね? 実演込みで。それが「具体性」なんですね?

勝 :おお、よくわかったね。さっすがあ。

望 :でも……すっごく大変です……これだけ平易で、わかりやすい
   言葉で語れるなんて……

真子:そうだよねえ……つい、ブランド力とか言っちゃうもんね……
   勝さんって、いつもこうやって考えてるの?

勝 :そうだな。わかりやすい表現を使うっていうのは、本質をとら
   えることだからな。ごまかせないんだよ。

望 :確かに、ブランド力とか競争力とかだとごまかせちゃいます。

勝 :最悪なのは、自分もごまかされちゃって、そこで思考が止まる
   こと。

恵利:あ、確かに……でも、難しそうですよね。

勝 :そんなことないぞ。どうすればいい? ほら、前号やったよ?

恵利:えっと……あ! お客様の言葉だ! お客様の言葉を使えばい
   いんだ!

勝 :そう。お客様は、「私はブランド力が高い店に行く」なんて、
   絶対言わないからな。

望 :そうなんですね……そうやってつながるんだ……お客様の言葉
   を集めるのは、それが「具体性」が高いからなんですね……

勝 :これで、できるよね?

望 :できるかどうかはともかく、頑張ります!

真子:私はどうすればいいですか? 中学生にわかる言葉教えてくだ
   さいよー。

勝 :真子か、オマエは……「気合いだあ!」

真子:きゃはははは……って、何よそれぇ……

勝 :でもさ、真子、オマエもう実際にやってるんだぜ? この具体
   化の作業を、そーれ・しちりあーので、さ。

真子:え? そ、そうなの? 私、やるじゃん!

望 :え、真子ちゃん、どこでやったの?

真子:さ、さあ? 勝さん、私、どこでやったの?

勝 :それはだな……

真子:そ、それは……?

勝 :それは……次号で!!

真子:もう、そういう引っ張り方するの、やめてくださいよ……

勝 :次は10回目だから、さすがにそろそろ最終回になるかもな。

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◆今日のまとめ
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●「具体性」を聞く魔法の質問は「例えば?」 中学生に分かる言葉
 で説明して、具体性を高めよう!


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▼今日の日記▲

先週は、某所で講演。BtoBマーケティングの話を60分たっぷり
してまいりました。読者さんもいらしていただいたようです。

某講演会の基調講演なのですが、BtoBマーケティングとデータベ
ースマーケティングを絡めたような話です。BtoBマーケティング
とDBマーケティングってすごく相性が良いのですが、実はそのあた
りは「空白な戦場」みたいになってるんですよね……

次のBtoB本はBASiCSの話がメインになりますので、顧客
DBの話までは踏み込めないと思いますが、そちらの方もいつかは整
理して発表したいですね。


ところで、3連休終わりですね。私はひたすら執筆でしたので、連休
どころか、平日より命のろうそくが燃えた本数多かったですね……。
火曜日からは世間は、ちょっとしたリハビリでしょうか? 頑張って
いきましょう!

●今日のiPod Tune:秋に似合う大人のバラード

暑さ寒さも彼岸まで、どころか、一気に寒くなりましたね……半袖、
短パン、サンダルだと寒い!!

こんな秋にぴったりなのが、バラード……

というわけで、秋のバラード特集。

秋の夜長は、失ったあの感じを思い出しませんか?

ということで、今日は……


Remember the Feeling by Chicago


1984年、Chicagoの大ヒットアルバム Chicago 17の5曲目。この
アルバムはシカゴの名作で代表作。

この曲はシングルカットされてないと思いますが、数あるChicagoの
名曲群の中でもトップ3に入る名曲だと思います。

シカゴらしい、ピアノが引っ張るラブバラード。80年代らしい、ピ
アノとシンセが絡みます。イントロのピアノとPeter Ceteraの絡みな
んかはやっぱり鳥肌モノです。

歌詞も本当に切ない、ラブバラードなんですよね……ちょっと「めめ
しい」感じもしますが、失ったときはこんな感じですよね……

若き日に失ったあの時間を思い出しながら聞きたい……でも、切なく
なりすぎるかも。

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●「図解 実戦マーケティング戦略」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略入門:戦略はここから
 日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/jissen.htm

●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
 日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/check.htm

●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
 ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
http://www.sandt.co.jp/kotowaza.htm

────────< マーケティングの思考法 >────────

●「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
 日本能率協会マネジメントセンター
 右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
http://www.sandt.co.jp/shiko.htm

──────< 物語でわかるマーケティング >────────

●「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
 物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm

●「ドリルを売るには穴を売れ」 佐藤義典著 青春出版社
 マーケティング入門:読みやすい小説
http://www.sandt.co.jp/drill.htm

●「売れる会社のすごい仕組み」 佐藤義典著
 青春出版社
 売れる戦略構築から実行プロセスまでを物語で体感!
http://www.sandt.co.jp/shikumi.htm


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◆次号予告:真子、社長になって会社を立て直す 10
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●「新人OL、社長になって〜」の、最後のクライマックスは、実は
 あのシーン。あの言葉に隠された意味は? 最終回(かも)!


▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!

▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!


売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……

〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
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