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2011年7月18日月曜日

売れたま!戦略編Vol.204 2011/07/18 達人マーケターへの道 2

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.204 2011/07/18
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 ■■■■■■■__達人マーケターへの道 2__■■■■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●中級以上は、一流マーケター。中級は、「自分とお客さまは違う。
 だとしてどうする」と考えてお客さまに近づく。


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◆復習:達人マーケターへの道
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●達人マーケターへの長い道のり

独断と偏見に満ちた、マーケター成長の道のり!

前号では、「達人マーケターへの道 前編」としていましたが、思っ
ていたより長くなりそうで、かつ、結構反響もいただいたので、タイ
トルを「2」としました。意外に好評なので続けてまいります。


達人マーケターになるまでには、段階を踏みます。

この「段階」が、順序よく進むとは限りませんし、全員の方にあては
まるとも限りません。あくまでも限られた私の経験、及び他の方の観
察に基づくもので、戦略BASiCSのようによく練られた理論では
ありません。「独断と偏見」であり、異論もあるでしょう。また、自
分が「達人マーケターだ」と言うつもりもありません。


「何だ!? オレは初級者だっていうのか!?」と、お怒りになられ
ても、正直責任は持てません……

シャレのわからない方は、ここで止めて、お読みになられない方が良
いかと思います

「まあそういう見方もあるよね」と笑って受け流せる方は、ぜひお読
みいただければと思います。


それから、「私が上級者だ、達人だ」と傲慢なことを言っているわけ
ではありません。私の知る名マーケターの思考・行動を分析すると、
このような共通点がある、ということです。


あくまでも、私の個人的な感覚というか意見とご理解ください。異論
もあるでしょうし、あってよいと思います。

前回は、入門者〜初級マーケターまでを見てきました。

●入門者:作りたい物を作り、売りたい物を売る

このレベルは「お客さま視点」という概念が抜けています。もしくは
意識はあるにしても、実践できていません。

「こんなの作ろうぜ。『オレは』売れると思うよ」という開発担当
「安くしますので、買ってください!」 という営業担当
「これ仕入れたけど、誰に売ろうか?」という仕入担当
「この広告のコピー、オレは好きだよ」というコピーライター
「この商品の性能はすごい!」という商品カタログ
「このフラッシュ、カッコイイ! 重くて見づらいけど」というHP
「我が社の沿革は……」という会社案内

というレベルです。世の中の多くの方がこのレベルにいます。

●初級マーケター:「自分がお客様だとして」のお客様視点

マーケターと呼べるのはここからです。

「お客さまにとってどう良いのか」という視点はあります。ですから
入門者と比べると、遥かに上です。

「初級」と言いつつも、既に数が少ないので、職場のリーダー的な存
在です。営業パーソンなんかだと、組織の中では売上上位1〜2割な
どの、「成功者」の部類に入りますね。


ただ、

○自分が欲しいモノ=お客様が欲しいモノ

という前提を無意識のうちにおいてしまい、判断基準が「オレ」であ
り、もしくは「自分のアタマの中にいる幻想の顧客像」になってしま
います。


今回は、「中級マーケター」について考えていきます!


繰り返しますが、「私が上級者だ、達人だ」と言っているわけではあ
りません。私の知る名マーケターの思考・行動を分析すると、このよ
うな共通点がある(ようだ)、ということです。


あくまでも、私の個人的な感覚というか意見とご理解ください。異論
もあるでしょうし、あってよいと思います。

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◆達人への道:中級以上は「一流」
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中級マーケター以上は、世間的には「一流マーケター」ですね。数と
しては少ないので、スポットが当たることはあまりありません。が、
ごく希にビジネス誌などの特集で、「中級者」や「上級者」が紹介さ
れることもあります。

中級以上は、「一流マーケター」の領分です。マーケターの1割にも
満たない、数%でしょうね。


中級マーケターは、言葉としては「中級」ですが、世間的には一流で
す。「スーパービジネスパーソン」の類ですね。営業パーソンなどで
すと、「会社始まって以来の伝説の営業マン」などと言われるのが、
このレベルです。

従って、現実レベルでは、目指すべきは「中級」でしょう。それ以上
は、あまり現実的ではありません。中級は十分に「スーパービジネス
パーソン」であり、職場においては尊敬される「先生」レベルです。


通常は、この時点でマーケティング経験を少なくとも十数年は積んで
いることになります。20代の中級マーケターの方は、私の知る限り
ほとんど見たことはありません。場数が足りないんです。30代でも
相当難しいでしょうね……

日本企業ですと、いわゆる「ローテーション」があり、マーケティン
グ一筋ウン十年、と言ったような経験が難しいことも、育成の難しさ
の1つの要因でしょうね。


恐らく、ですが、中級以上は日本に1万人はいないと思います。そし
て、おそらくその多くは売れたま!読者さんであろうことを、私は大
変誇らしく思います。


中級マーケターは、既に「一流」ではあるのですが、まだまだ先があ
ります。そこで満足して止まっていただきたくない、という意味も含
めて、まだ「中級」なんです。

●中級以上なら、本が出せる

中級マーケターとして経験を重ね、論理構成力と文章力が伴うと(こ
の条件を満たすことは非常に難しいんですが)、マーケティングの本
を出版しても、全く恥ずかしくないレベルです。


ですから、このレベル以上の方が情報発信を続けると、回りが放って
おきません。出版社さんなどからも「本を書いて下さい」という依頼
が自然と来るでしょうね。


ただ、残念ながら、本を出しているからと言って一流マーケターとは
限らない、ということも事実です。逆に言えば、本を出す、というこ
とは、自分のレベルが世間にわかってしまうわけですから、非常に
「恐い」ことなんですよね……

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◆中級マーケター:自分はお客様になれない、という冷徹な認識
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●中級者:自分とお客様は違うとして、お客様が欲しいものを作る

初級マーケターは、「自分が欲しいモノ=お客様が欲しいモノ」とい
う前提を置いています。そして、「自分が欲しいモノを作っても売れ
ない」という経験をして、悩むわけです。

その経験を経て、中級マーケターへと成長していきます。

したがって、中級者は、「自分のニーズ=お客様のニーズ」という前
提が成り立たない、というどうしようもないカベに直面し、悩み抜い
た経験を持っている、ということになります。


「そうか……自分は所詮お客様にはなれないんだ」


ということを身に染みて感じているんです。


そして、その「自分はお客様になれない」ということは、残念ながら
「厳然たる事実」です。「自分はお客様とは違う人間」なのです。

「お客様は自分と違う、だから、自分は絶対にお客様にはなれない」

という冷徹な事実を認識し、

「自分はお客様にはなれないとして、どうする」

と考えるんです。


では、「自分はお客様にはなれないとして、どうする」と考えられれ
ば「中級」かというと、確かにそうなのですが、初級を通り越して、
いきなり中級になれるかというと、難しいように思います。

「自分はお客様になれない」ということを「アタマ」ではなく、「カ
ラダ」で覚えている必要があると思われるからです。

「自分はお客様にはなれないとして、どうする」

と考えることは、「自分の感覚」を否定するわけではありません。


○「自分の感覚」を「絶対」のものとしては捉えない


ということです。


「自分ではわからない……ではどうする……」

と悩み抜いた末に、

「お客様に聞かなきゃわからない、見なければわからない」

という結論に到達します。

この「開き直り」が、名マーケターへの道だと私は思います。

初級マーケターは、それなりの成功体験を持っていますから、自信・
自負もあります。だからこそ、自分の感覚・思い込みに自信をもって
しまう、といこともあるでしょう。

しかし、実際にお客様に聞いてみると、

「何だ、自分が思ってたことと全然違うじゃん」

と、打ちのめされるわけですよ。しかも何回も何回も。


そこで、自分の「過信」「全能感」みたいなものがガラガラと崩れ、
「所詮は聞かなきゃわからない」という境地に至ることが多いように
思います。


本で読んで、そういうものかと思った、というような軽い開き直りで
はありませんよ。それはまだ初級者のレベルです。


必死で必死でお客様の立場に立とうとして、立とうとして、立とうと
して、やっぱりできない……


そんな七転八倒を繰り返し、悩み抜いた末に……「わからないものは
わからない」という、心の底で感じた、カラダで染みこんだ開き直り
ですね。


この「打ちのめされるサイクル」は、1回ではなく、何回も何回も続
きます。1回でできる方もいらっしゃるかもしれませんが、それは本
当に天才か、単なる勘違いか、どちらかです。

そして打ちのめされて学び、打ちのめされて学び、という経験を経て
中級(=一流)になっていくわけです。

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◆中級マーケター:自分を「相対化」できる
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●自分のモノサシとお客様の感覚を合わせる

では、「自分はお客様にはなれない」という哀しくも切ない開き直り
をした中級マーケターは、マーケティングについて、どのような意思
決定・判断するのでしょうか?


中級マーケターは、「自分とお客様は違う」ということを身に染みて
わかっているので、自分の感覚を「相対的」な基準として捉えること
ができます。

この、

「自分の感覚の相対化」

が、一流マーケターに共通する特徴だと、私は思います。


「自分の感覚の相対化」がどういうことかと言うと……

仮にレストランのシェフだったとして、


初級マーケターは、

「この料理は酸味が強い。オレは酸味キライだからダメ」

と判断します。

中級マーケターは、そうではなく、

「この料理の酸味の強さは5段階評価で言うと、3の強さだ。オレの
 好みは2くらいの強さだが、そんなことはどうでもいい。今回のタ
 ーゲット顧客なら、むしろ4くらいの酸味を好むはずだ。だから、
 酸味をもっと強くしろ。オレはそんなのキライだけどね」

というような判断をするわけです。

自分の感覚は、あくまで「モノサシ」なんですよね。この「酸味」は
あくまで喩え話ではありますが、わかりやすい喩えだと思います。


ただ、中級レベルだと、このあたりの感覚が、まだ直感的だったりし
ます。判断はできるのですが、明確に言語化できなかったりします。

「このお客様ならこれくらいの酸味で良いかなあ」
「最近酸味が好まれなくなってきたなあ」

ということは、わかっていますが、先ほどのように、単位を作った上
で明確化・言語化することは、中級者には難しいかと思います。

中級と上級の差は、このあたりの「言語化」の差にあるように思いま
す。

 入門:「わからない」あるいは「わかっている」が「できない」
 初級:「わかる」し、自分基準*なら「できる」
 中級:「わかる」し、相対基準*でも「できる」が言語化できない

上級は、当然この上になってきます。

*自分基準=自分の欲しいものは、みんなが欲しい、という前提
*相対基準=自分をモノサシ化して、お客様の好みを相対化できる

●「相対的」な判断をするための2つの条件

このような「相対的な」判断、つまりは「自分をモノサシ化」した判
断をするためには、2つの条件が必要です。


1)モノサシの精度が高い

まずは、モノサシの精度を上げる必要があります。モノサシが間違っ
ているとお話になりません。上の例の場合だと、酸味を計測する機関
である「舌」の精度が良くなければ、そもそも計測できません。

ただ、別に自分の舌を使わなくても構いません。そういう舌を持って
いる人を使えばいい話です。中級マーケターは、「自分の感覚に対し
ての健全な疑い」のようなものを備えているんです。自分の舌ですら
絶対の基準としては信用せず、「自分にはわからないことがある」と
いう「謙虚さ」を持ち合わせています。


2)どんなお客様がどんな判断をするか、という精度を上げる

そして、どんなお客様は、どんな「酸味」を好むのか、という判断の
精度を上げる必要があります。

こんな人は、酸味が3
あんな人は、酸味が4

という、経験を蓄積していくわけです。

で、わからなかったらどうすればいいかというと……

「お客様に確認する」

ということになります。

試食会などを開いてお客様に確認し、「酸味はどうですか?」と確認
します。

中級マーケターは、「自分と顧客は違う」と言うことをカラダで理解
しているので、お客様に確認する手間を厭いません。

この、

○「お客様に確認する手間を厭うかどうか」

というのは、初級と中級の大きな大きな分水嶺であり、一流マーケタ
ーの条件だと思います。そこに時間・手間・お金をかける意味をよく
わかっているわけです。


商品開発などですと、数千万円の投資になったりします。そのために
なぜ数百万円の調査費をケチるのか、という合理性を備えているわけ
ですね。逆に、「初級マーケター」は、自分に自信を持っているため
このような投資は不要だと考えていることが多いように思います。

すると……自分の感覚を相対化することにより、自分の感覚とお客様
の感覚を合わせていく、というPDSサイクルが回せるようになりま
す。「自分のモノサシ上の位置」と「お客様の好み」が徐々に合って
きます。


すると、「経験」というものが体系化されてきます。これができるか
らこそ、お客様が変わったとしても、時代が変わっても、対応出来る
んですよ。

先ほどの酸味の例で考えて見ましょう。

初級者の場合は、

「オレの酸味の好みはこれだ。だからこれに合わせろ」

というものです。これだと、お客様の酸味の好みと自分の酸味の好み
がズレると、上にズレても下にズレても、調整できません。根拠が
「自分が好きと思うモノが正しい」だからです。

「オレの酸味の好み」が、2なのか3なのか、という「相対化」がで
きていないんです。

中級者の場合は、自分の感覚を磨いた上で、相対化します。

「ちょっと若い女性の酸味の好みが変わって来た。昔は、オレの感覚
 の4が好まれたが、今は3.5くらいになってきた。だから、酸味
 を少し弱めた方がいいな」

という調整ができるんです。

その上で、「ちなみに、どうでもいいけど、オレの好みは2ね。お客
様には関係ないけど、オレに出すときは2で出してね」と、自分とお
客様の好みが違うことを明確に認識しています。


「初級マーケター」は、「自分の感覚」と「世間の感覚」が一致した
ときにのみ成功します。

世間の感覚が変わると、初級マーケターは対応できません。

しかし、「中級マーケター」は、モノサシを持っていますので、対応
できるんですよね。

「売れなくなったのは、世間の酸味の好みが変わった。どっちに変わ
 ったんだろう?」

という、仮説検証を回す、という「打ち手」があるんですよ。

●何を誰に聞けばいいのかわかる

このような「モノサシ」ができてくると、どのお客様になにを聞けば
いいのかわかるようになってきます。

またレストランの場合だったとして、例えば、異様にコーヒーにはこ
だわりがあるお客様がいらしたとします。

コーヒーの味を変える、という場合、その人を満足させることはでき
なかったとしても、「許容範囲だ」とおっしゃっていただければ、他
の方については、気づかない、あるいはご満足いただける、というこ
とになりますよね。

社内の意見調整でも、「コンプライアンスについては、Cさんが一番
厳しいことを言うから、Cさんのアドバイスをもらっておけば、他の
人は大丈夫だよね」と言うようなことがありますよね?

お客様に対しても、それと同様なことを行うわけです。

「このような人だから、このようなことを聞いてみよう。このような
答えが返ってくれば大丈夫だ。そうでなかったら相当まずい」という
ような判断ができます。

そしてそれは「相対化」ができているから可能になります。

さらに言うと、それはまさに「顧客セグメンテーション」ができる、
ということでもあります。

セグメンテーションは、おそらくマーケティングでも一番難しい技術
というか手法です。「そんなのカンタンだよ」という方は、天才か、
または、初級以下の方ですね。本を読んでわかった「つもり」になっ
ているという、一番恐い状態である可能性もあります。


中級になってくると、自分をモノサシ化した上で、そのモノサシの上
に、お客様ごとのニーズの違いをプロットできます(この際に、モノ
サシが1つとは限りません)。顧客ごとの「ニーズの違い」がある程
度は見分けられるようになっているからです。

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◆一流への道の「訓練方法」:お客様の感覚を追体験してみる
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●強制的に、お客さまの感覚を追体験する

こう書いてくると……

「じゃあどうすれば中級(一流)になれるんだ」
「そのモノサシを身につけるのはどうすればいいのか」

という疑問が出てくるかもしれませんね。

ここで、「訓練方法」をご紹介します。


中級(=一流)への道は大変です。それは、「自分とは違う人」につ
いての「感覚」を「感じる」ことだからです。


が、それを組織として全従業員に「体感」させる仕組みを作った例も
あります。

食品スーパーのマルエツが、従業員に「高齢者の感覚」を体感させる
研修を始めました。


−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−

○65歳以上人口は増え続け、ほぼ4人に1人の割合になっている。
 それを受け、食品スーパー各社が、高齢者に配慮した店作りに力を
 入れ始めた。


○マルエツは全従業員を対象に、高齢者の感覚を疑似体験できる研修
 を導入。専用のゴーグルや手袋を装着、実際に店内で商品を買い回
 らせたりして、視覚や触覚の低下などを疑似体験する。


○高齢者の視点で気づいた店舗の問題点について報告書を提出、店作
 りに活用。「高齢者の感覚を従業員全員が体験することで意識が高
 まり、より利用しやすい店作りにつながる」(同社)という。


2011/07/10, 日経MJ(流通新聞), 8ページ

−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−


これは面白いな、と思いました。

「強制的」に、高齢者の立場に立ってみるわけですね。例えば、ゴー
グルをつけると、「強制的」に視界が狭くなるので、横から人が出て
来たり、視界に入らないところにモノが置いてあったりすると、危な
い、という、「感覚を体験・共有」できるわけですよね。

これは、ある特定のお客様についての理解を深める、という意味では
非常に有益な方法です。

妊婦さんのご主人にも、お腹に重しをつけて、妊婦さんの大変さ・動
きづらさ・疲れなどを理解してもらったりするそうですが、同じロジ
ックですね。


このような体験を通じて、自分の経験というか感覚を「相対化」させ
ていき、自分の感覚が唯一絶対のものではない、ということをカラダ
に染みこませていくわけです。そして、そのような「体験の幅」が、
「モノサシの目盛り」になっていくわけですね。


全社員に体感させるためには、このような「強制的」な手法が有効で
すが、中級マーケターともなると、こういうことを自分でもやってみ
たりします。

例えば、床に座り込んでみると、「子供の視点」が体感できます。大
人の視点では大したことのないテーブルが、非常に高いカベのような
ものに見えたりするんですよ。

ちなみにスキーしているときにしゃがみこむと、雪と目線が近くなる
ために、体感速度が一気に上がり、恐いです。子供にとっては、もの
すごく早く感じるでしょうね。というか、私も子供だったときは、こ
の感覚だったわけですよね……


こういう「視点移動」ができるようになることが、一流マーケターの
条件の1つです。

お客さまの視点を「追体験」する訓練を自らするわけです。


・百聞は一見にしかず
・百見は一体験にしかず

ですね。

●お客様の視点を追体験するマインドフロー

お客様の視点を追体験する、という意味では、「マインドフロー」*
も有効なツールの1つです。

*マインドフロー

 認知
 興味
 行動
 比較
 購買
 利用
 愛情

お客さまは、この7つの「ココロの関門」を超えていって「ファン」
になるわけです。


初級マーケターだと、「どうすれば売れるか」という、「オレ」から
考えが始まります。マインドフローにおいては、「比較」「購買」関
門あたりから発想がスタートします。どうしても「売る」ことから離
れられないんです。


中級マーケターだと、「お客さまはどのように感じて、考えていくの
か」と、「お客様」から考えが始まります。

つまり、中級者は、マインドフローにおいては、一番上の「認知」関
門から発想します。それは、お客様にとっては、それが自然だ、とい
うことがわかっているからです。


これは、些細な差のように見えて、非常に大きな差です。


中級マーケターだと、

○「あのさあ、性能がいい性能がいい、っていうけどさ、それ以前の
 問題として、お客様は製品自体に興味持ってないよね?」

というような発言が自然に出てきます。お客様が考える順番をわかっ
ているからですね。


マインドフローは、「強制的」に、「認知」「興味」関門、という、
上から、すなわちお客様と同じ順番で発想することになります。

マインドフローで、上の認知関門から考える、ということは、お客様
の視点を強制的に追体験「させられる」わけです。このトレーニング
は一流への道を進む上で非常に有効です。

戦略BASiCSは戦略のトレーニングに、マインドフローは、顧客
視点のトレーニングに、極めて有効なんですね。


ということで、恐縮ですが宣伝いたしますと……

7月23日(土)、今週の土曜日のマインドフローセミナー、空席が
まだ1つだけあります。

http://sandt.co.jp/seminar.htm

今週の土曜日とぎりぎりのタイミングですが、よろしければぜひ!

詳細、お申し込み方法は上のURLまでどうぞ。

中級マーケターの「条件」は、まだあります。次号に続きます! お
楽しみに!

ご意見・ご感想もお待ちしています!

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◆今日のまとめ
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●中級マーケター以上は「一流」。中級マーケターは、自分を相対化
 できるようになる。自分を「モノサシ化」しよう!


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ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。


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▼今日の日記▲

今日は3連休の最終日ですが、楽しまれた方も多いと思います。関東
地方は天気も良かったですしね。外にいると、きっと日焼けされたこ
とでしょう。

私は、マックなどをふらふらしながら、ノマド的に仕事や原稿校正な
どをしていました。17日、連休の中日に目立ったのは、年配のシニ
アの方と学生でした。昼間は、お客様の半分が白髪の目立つ方、とい
う感じでした。18日、今日目立ったのは家族連れの方でした。半分
以上がお子さんのいる家族でしたね。

マーケティングは確率論です。個々に見れば、色々な事情があります
が、全体として見ると、何らかのロジックというかニーズに基づいて
そうなっているんですよね。

例えば、17日は日曜日だけれども学力テストがあったから学生が多
いとか、家族連れは、連休の最後の日は近場で省エネしたい、とかな
どでしょうね。

しかしマックは入れ替わり立ち替わり人が来ますよね……意外に多い
のが午前中のテイクアウト。3人分とか買って帰られる方が多いんで
すよね(そういうセットを出しているからかもしれませんが)。「朝
からわざわざマックに買いに来ますか……」と思ったりもしますが、
買う人の年代を見ると大体30代〜40代ですので、きっとお子さん
のリクエストだったりするんでしょうね(私が子供の頃は、朝からト
ンカツとかカレーが好きでした)。

今、マックは絶好調ですが、それはやっぱりこういう1人1人のお客
様に支えられているんですよね。

●今日のiPod Tune:猛暑を楽しもう! 夏の歌2011

唐突に関東も梅雨明けしたので、このコーナーも急遽衣替え!

夏の歌2011です! 去年は、洋楽ばかりだったので、今年は和洋
乱れ撃ち!

連休で海に行かれた方もいらっしゃるでしょうね。真っ青な海と、真
っ赤な太陽は夏の定番!


ということで、今日は……


○バージンブルー by SALLY


1984年の大ヒット曲。「何だっけ?」と思われる方も、サビを聞
けば思い出されるでしょうね。歌詞を書ければいいのですが、大人の
事情(笑)で書けません。

彼らのデビュー曲ですから、キリンレモンのCMソングがヒットのき
っかけだと思いますが、ホント、キリンレモンの炭酸のさわやかさと
夏、というのがしっくり来る歌ですね。

カラオケで歌うと同世代には、「おおおお、懐かしい〜」と言われる
でしょうが、若い世代には「しらねー」と言われるかも……と言いつ
つ、最近では、Leadが2006年にカバーしているので、意外に
知られてるかなあ……

夏、炭酸ジュースにぴったりの曲♪

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http://www.sandt.co.jp/shikumi.htm


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◆次号予告:達人マーケターへの道 3
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●次号は、中級マーケターの条件をさらに考えて行きます。中級=一
 流ともなると、あるものを使いこなせる必要があります。それは…


▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!

▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!


売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……

〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
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