■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング：売れたま！■
〜ＭＢＡの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.199 2011/06/30
購読者:25,143 (まぐまぐ:16,336 メルマ！:901 めろんぱん:7,906)
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■■■■■＿＿戦略指標21：計測サイクルを早める＿＿■■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●せ・す・じ・評価を早回ししたいときには、「簡便な計測方法」も
有効！
┃売れたま！は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま！
┃単独でもお役に立てますし、本と併用されれば効果倍増！
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◆タンパク質を検査するクリーントレース
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●１０分で細菌の温床となるタンパク質を検出するクリーントレース
梅雨となり、食中毒なんかが怖い季節になってきました。食品が傷む
のも早いですね……
食品工場や飲食店では、衛生管理を徹底させないと、何かが起きたと
きのダメージは非常に大きいですよね。
そこで……クリーントレース！（大山のぶ代さんの声で）
-----------------------＜ 記事要約 ＞-----------------------
○食品を扱う事業者の敵、有害細菌。細菌の温床となるたんぱく質を
「見える化」したのが、スリーエムヘルスケアの検査キット「３Ｍ
クリーントレース タンパク残留測定スワブ ＰＲＯ５０」。調理
器具などに残った食品のたんぱく質で菌は繁殖する。その汚染源を
明らかにし、菌の発生自体を防ぐのがクリーントレースだ。
○わずか１０分の検査時間で、誰でも、すぐに、低コストで衛生管理
ができるため、食品工場や飲食店からの受注が増加。
○ケースから取り出した綿棒状の検査器具の先で、検査対象を縦横に
こすり、ケースに戻して試薬に浸し、反応が出るまで１０分待つ。
「紫なら汚染あり」など、変化した色で汚染状態がわかる。
○「一番簡単な衛生管理は目視」と同社は言う。「きれいに見える包
丁やまな板が油断を生む」。
○食品工場や飲食店での衛生管理は、培地の入ったシャーレに菌を繁
殖させ、菌を数えて、汚染度合いを判断するのが一般的。しかし、
測定値に誤差が出やすく、菌の繁殖に通常１〜２日間かかる。クリ
ーントレースは、衛生検査の結果が誰が見てもわかるし、１０分で
終わるため、結果後、すぐに拭いたり、洗ったり、といった衛生管
理が徹底できる。
2011/05/18, 日経ＭＪ（流通新聞）, 15ページ
-----------------------＜ 記事要約 ＞-----------------------
３Ｍは、あのポストイットの３Ｍグループですね。３Ｍは商品軸の会
社の代表格ですが、さすがユニークな商品を出してきますね。
実際の商品や使い方のイメージはこんな感じです↓
www.mmm.co.jp/microbiology/products/cleantrace/pro50.html
１０分で検査結果がわかるリトマス試験紙みたいな感じですね。
価格は、ＨＰによると５０本で税込１４，１７５円とのことです。
１本２８４円ですが、食中毒でも起こしたら一巻の終わりになる可能
性もあるわけですから、安い投資でしょうね。
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◆戦略指標と勝利の方程式
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●戦略指標：それをおいかければ戦略が実行される指標
売れたま！の最近のメインテーマの一つ、戦略指標。
戦略指標とは、
「その数字を追いかければ、戦略が組織で自律的に実行される指標」
です。
戦略指標とは、戦略を数値化したもの、です。戦略は組織全体で同じ
方向を向いて実行していくものですから、戦略指標も組織全体として
追いかけていくものになります。
詳細は、拙著「売れる数字」＊でどうぞ！
＊「売れる数字 〜組織を動かすマーケティング〜」
佐藤義典著 朝日新聞出版
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◆せ・す・じ・評価の計測の仕組み
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●せ・す・じ・評価
改善サイクルは、ＰＤＣＡ、ＰＤＳ、など色々言い方はあるでしょう
が、私がマーケティング戦略で提唱しているのが、せ・す・じ・評価
サイクルです。
○せ：戦略 戦略を考え、
○す：数字 戦略を戦略指標として数値化し、
○じ：実行 実行し、
○評価 改善していく
という、ある意味当たり前のサイクルです。
当たり前と言いつつも、「戦略指標」を定義・明確化した上で、評価
指標にしている会社というのはほとんどないと思います。
今日は、各論ではなく、「サイクルを回すスピード」の話です。
●サイクルを回すスピードが独自資源
実は、「戦略指標」そのものは、「強み」というか競争優位にはなり
ません。
「戦略指標」を作るのは相当大変かつ困難ですが、何らかの形で競合
にモレてしまうと（例えば従業員が競合に転職する、など）、それを
マネることは可能です。
すると、「戦略指標を持っていること」ではなく、「戦略指標を回す
仕組み」、そしてその「サイクルを回すスピード」が独自資源になる
ということになります。
いかにサイクルを早回ししていくか、という勝負になるわけですね。
そして、それは、経営者にとっては、
「サイクルを速く回しやすい仕組み・体制・組織を作れるか」
という勝負になるわけです。
●「計測」がボトルネック（障害）になりやすい
戦略指標を首尾良く作れたとしても、戦略指標は、せ・す・じ・評価
サイクルの一部でしかありません。
ボトルネック（障害）になりやすいのが「計測」の仕組みです。
戦略指標は、その定義上、組織にとって非常に重要な数字です。人事
評価にも直結しますし、そうさせるべきです。ですから通常は、戦略
指標の計測は真剣に、正確に行います。
しかし、あまりに厳密性を重視すると、計測に時間がかかってしまう
がゆえに、サイクルを回すスピードが落ちます。
サイクルを回すスピードが勝負だ、と言っているときに、計測に時間
がかかっていては、本末転倒になってしまいます。
そこで、「サイクルを早回し」するための簡便な計測方法が役立つの
です。
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◆サイクルを早回しする仕組みを考えよう！
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●サイクルを早回しするときには、簡便な計測法（＝指標）でいい
クリーントレースは、基本的には「簡易計測」です。まな板の上を、
クリーントレースでなぞって、１０分待って……色が変わるのを見る
わけです。
「色が変わる」と言っても、
・緑色： 正常
・灰色： 要注意
・薄い紫：汚染有り
・濃い紫：高レベルの汚染
と、４段階の評価しかありません＊。
しかも「高濃度かどうか」という基準は「見た目」の濃さですから、
相当主観的です。
＊同社ＨＰ www.mmm.co.jp/microbiology/catalog/pdf/mic-131-e.pdf
厳密な計測手段としては、不向きです。
しかし……戦略指標の評価などにおいては、
「９９％の正確性で時間がかかる」
よりも
「８０％の正確性ですぐできる」
方が、優れていることが多いです。
例えば、クリーントレースの用途の１つに「従業員の衛生指導」があ
ります＊。
そのようなときには、すぐその場で「ほら、その洗い方じゃ汚れが残
ってダメなんだよ」という指導ができないと、意味がありません。計
測に１〜２日かかる従来の計測方法では、サイクルが回せないんです
ね。
このようなときには、「８０％の正確性ですぐできる」クリーントレ
ースの方が適しているわけです。
＊参考資料：
同社ＨＰ www.mmm.co.jp/microbiology/catalog/pdf/mic-131-e.pdf
●せ・す・じ・評価サイクルを早回しする計測法を考えよう！
せ・す・じ・評価サイクルは、現場で回せた方がいいです。いちいち
本社に確認する、などの手間がかかるいとサイクルを回すスピードが
ガクンと落ちてしまいます。
現場でせ・す・じ・評価サイクルを回すときには、まさにこのクリー
ントレースのような特徴が必要なのです。それは……
・単純な、誰にでもできる計測方法で
・高価・複雑な計測機器を必要とせず
・結果がすぐわかり、
・厳密性はそれほど高くなくて良い
ということですね。
戦略指標を考えただけでは、「絵に描いた餅」となりかねません。
「現場での計測方法」までを考えた実戦性が必要となります。
例えば、戦略指標が「お客様アンケートの○○項目の点数」だったと
しましょう。
そのアンケートが集計されて戻ってくるのに、１ヶ月かかるようでは
遅い、という場合、例えばある期間だけ、とか、ある一部の顧客だけ
というような「一部」だけを集計して、早めにフィードバックする、
ということもできますよね。
●せ・す・じ・評価サイクルを提案できれば売れる！？
本筋からは離れますが（というか、本来の売れたま！としてはこちら
が本筋かもしれませんが）、
「サイクルを早回しする仕組み」として提案すれば、売れる
ということも言えますよね。
今回のクリーントレースは、まさにそうです。明示的に、簡易計測の
優位性を訴えています。
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○いつでも、誰でも、その場で簡単・適切に見えない汚れをチェッ
ク！ 製造ラインや現場での洗浄確認をサポート、衛生指導に適し
ています。
お薦めする用途
●製造環境のモニタリング
●衛生管理（洗浄確認）
●従業員の衛生指導
www.mmm.co.jp/microbiology/catalog/pdf/mic-131-e.pdf
-----------------------＜ 記事要約 ＞-----------------------
さすがに「シャーレで測定する方式より早い」というように競合を明
示してはいませんが、それ以外に測定方法が無かったとすれば、言わ
なくてもわかる、ということなのでしょうね。
さて……あなたの戦略指標の計測方法はどうなっていますか？？
クリーントレースのような簡便な方法がないか、考えてみませんか？
逆に、あなたの売りものが簡便な計測方法になるのであれば、そうい
った売り方をしてみませんか？
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◆今日のまとめ
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●せ・す・じ・評価を早回しするときには、簡便な計測方法も有効。
８割正しく、その場で誰でも簡単に計測できる方法を考えよう！
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▼今日の日記▲
いつの間にか、上半期が今日で終わりですね……今年の上半期は、あ
っという間に終わった感じがします。
首都圏は今日も猛暑（雨が降ったときだけはちょっと涼しかったです
けど）。私は家でも会社でもまだ冷房も扇風機も入れてませんが、さ
すがにちょっと辛くなってきました……
でも、テラスに出てみると、涼やかな風が吹いていて、気持ち良かっ
たりもします。今年は、テラスにテーブルと電源、蚊取り線香なんか
を置いて、そこで仕事する、という手もあるかもしれません。
ところで、昨日は有料メルマガ「ビジスパ」の読者さん向けの無料講
演会でした。売れたま！では告知していないのですが、多くの売れた
ま！ファンが集まってくださいました。私は、いわゆる無料講演とい
うのは、ほとんどやりません。今回も、白ネコの記念講演以来、３年
ぶりくらいでしたか……１時間弱の短い講演ではありましたが、エネ
ルギーを込めたつもりです。いらしていただいた方々、ありがとうご
ざいました！
●今日のiPod Tune：雨に似合う歌２０１１
梅雨と言うよりは、もはや真夏、と言った気候になってしまいました
が、まだ梅雨明けはしてませんよね……
今日も都心では雨が降りました（梅雨というより夕立でしたが）……
ということで、雨の歌特集、続きます。
最近、ちょっとメロウな曲が続いたので、元気に！
今日の曲は……
○Hold Back the Rain by Duran Duran
１９８２年のDuran Duranのアルバム、Rioの５曲目。Rioは、Duran
Duranの名を世に知らしめた名作。２年くらい売れ続けて、ダブルプ
ラチナ。Duran Duranは、８０年代の、いわゆる第二期 British
Invasionの中核となったグループの１つですが、Rioは、その中核と
なったアルバムの１つです。
残念ながら、この曲はシングルカットされていないようですが、シン
グルカットされてヒットしたRio（シングル）などに負けず劣らずの
名曲。というか、私、Duran Duranの中で、この曲が一番好きです。
今でも、ジムでエアロバイク漕いでいるときに聞いて、１人で盛り上
がっています。
なんかのＴＶ番組で（確かスカパー！）Duran Duranの特集がされて
いたんですが、音作りは相当計算して作られたようですね。
確かに、「完璧」と言っていい曲だと思います。プロデューサーが超
優秀だったんでしょうね。８０ｓを忍ばせる豪華絢爛で派手な音作り
です。この曲が真価を発揮するのは、リミックスのロングバージョン
だと個人的には思っています。曲の世界にたっぷり浸れます。
雨にずぶ濡れになっても元気さを失わない、そんな名曲♪
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●「マーケティング戦略実行チェック９９」 佐藤義典 著
マーケティング戦略実践：実行のためのチェックリスト
日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/check.htm
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●「白いネコは何をくれた？」 佐藤義典著 フォレスト出版
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http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm
●「ドリルを売るには穴を売れ」 佐藤義典著 青春出版社
マーケティング入門：読みやすい小説
http://www.sandt.co.jp/drill.htm
●「売れる会社のすごい仕組み」 佐藤義典著
青春出版社
売れる戦略構築から実行プロセスまでを物語で体感！
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◆次号予告：アルコールの追加注文を取る方法
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●ある居酒屋が、非常にシンプルな方法でアルコールの追加注文を高
い成功率で取っているそうです。もちろん、そう、あの方法で……
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を！
▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに！
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう！
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう！
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