■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━BBC編Vol.021 2010/04/26
購読者:21,441 (まぐまぐ:15,278 メルマ!:709 めろんぱん:5,454)
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■■■__スーパーBtoB営業マンとの対談 その5__■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●「ニーズ」「喜び」「幸せ」をBBCの右側からモレなく作って、
流していこう!
┃売れたま!は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま!
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◆スーパーBtoB営業マン ヨシさん
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●スーパーBtoB営業マンとの対談編 5回目にして、最終回!
BBC編の「実戦編」!
売れたま!のBtoBtoC理論は、マーケティング理論としてはよ
くわかるけど、営業としてはどう活かせばいいの?
スーパーBtoB営業マン ヨシさん との対談編
ヨシさんは、家庭用防災機器メーカー(業界3位)の敏腕営業マンで
す。モノが売りにくいこの時代、会社からは毎年トップランクの評価
を得ているヨシさんですが、その秘訣を探りました。
今回はその5回目、ついに完結です。
生の話をそのまま書くと色々とありそうですので、私の方で筋を変え
ずに細かい点を色々と変えさせていただいていること、ご了承くださ
いね!
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◆復習:BtoBtoCマーケティング
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●BtoBtoCマーケティングとは
おさらいしておきましょう。
法人向けに売るのがBtoB
個人向けに売るのがBtoC、
というのはよく使われますね。
BtoBtoC、というのは、
B B C
企業→企業→個人
というプロセスです。最終的には個人顧客がエンドユーザーなのです
が、その前に、エンドユーザーに売る企業を通して販売する、という
ビジネスの流れです。
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◆ここまでのまとめ
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ヨシさんは、とある「防災機器メーカー」の営業マン(正確にはマネ
ージャーさん)です。
その機器は、家庭に設置するものですが、直販をしていませんので、
以下のようなビジネスになります。
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B to B to B to C
機器 → 取次会社 → マンションー → マンション
メーカー オーナー 入居者
○ニーズの流れ
防災機器 ← オーナー満足 ← 入居者満足 ← 家族の命
売れる 囲い込める 空室率下げる 財産・思い出
賃料下げない
○セグメンテーション
1)白金: 個人オーナー ← 家族
2)自由が丘:個人オーナー ← 一人暮らし
3)広尾: 法人オーナー ← 外資系外国人
==============================================================
●BtoBのセグメンテーション
ヨシさんの直接のお客様である「取次会社」さんのセグメンテーショ
ンは、会社よりも「部署別のニーズ」と「BBCで考えるその先のお
客様」の組み合わせで考えます。すると……
==============================================================
B to B to B to C
機器 → 取次会社 → マンションー → マンション
メーカー オーナー 入居者
提案ネタ増えるよ→営業部門 個人オーナー← 家族・一人暮らし
部長・社員 法人オーナー← 外資系外国人
ラクになるよ →管理部門 個人オーナー← 同上
部長・社員 法人オーナー
==============================================================
中間のB(ここでは取次会社)のセグメンテーションは、
・業種・業態の違い
・会社の違い
・部署の違い
・役職・人の違い
・顧客の顧客の違い(BBCフローの最後のC)
の組み合わせになります。
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◆BtoBの「コミュニケーション」
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佐藤:最終回の今回は、具体的にどうやっているのか、ヨシさんのノ
ウハウを聞いていきましょう。
ヨシ:はい! って言っても、フツーにやってるだけですよ。
佐藤:いや、絶対やってますって。ヨシさんの直接のお客様である取
次会社さんに、どうやって食い込むんですか?
ヨシ:ですから、「どうも〜♪」って言って……部長挨拶して、朝礼
なんかに出させてもらうんです!
佐藤:出たあ! ヨシさん式「どうも〜♪」営業
ヨシ:でも、ホント自然にやってますから……
佐藤:じゃあ例によって「どうも〜♪」営業を可視化しましょう。ま
ず誰のところに行くんですか? 社長ですか?
ヨシ:社長さんには挨拶には言きますが、営業には行きません。まず
は部長からです。例えば営業部長さんとかですね。
佐藤:じゃあ、営業部長さんのところに行くとしましょう。何て言う
んですか?
ヨシ:行って、「どうも〜♪ 今度朝礼に出させてくださいね〜」っ
て……あはは。
佐藤:ワザと言ってますね……朝礼に出させていただく、ってどうい
うことですか? 何のために?
ヨシ:そもそもうちの商品を知らないとか、売る気があんまりない営
業担当さんに、うちの商品を売る動機付けをするんですよ。
佐藤:なるほど。マインドフロー*で言うところの「認知・興味」関
門ですね。
*マインドフロー
新規顧客が、認知、興味、行動、比較、購買、利用、愛情の7つの関
門を通過して「ファン」になる。
詳細は、図解 実戦マーケティング戦略 で。
http://tinyurl.com/a6ul5
ヨシ:あ、確かにそうですね。
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◆自社商品を売ってもらうために、売る人のメリットを訴求しよう
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佐藤:でも、営業部長さんに「うちの商品を売らせてください!」っ
て言うだけじゃ、営業部長のメリットが無いですよね?
ヨシ:「御社の営業さんがオーナーさんのところに行ったときに困ら
ないようにする方法を説明させてください」って言います。
佐藤:困る、とは?
ヨシ:だって、オーナーさんに防災機器のこととか聞かれて、営業さ
んが答えられなかったら営業としてまずいですよね?
佐藤:確かに……そりゃあ営業部長は気になりますよね。
ヨシ:もっちろんです。そう言わないと、うん、って言っていただけ
ないじゃないですか!
佐藤:ほら、「どうも〜♪」だけじゃないですよね!? もう、この
パターンもいいですよね……(笑)
ヨシ:もう慣れました(笑)
佐藤:BBCフローでは……こうなりますよね。
==============================================================
B to B to B to C
機器 → 取次会社 → マンションー → マンション
メーカー 営業担当 オーナー 入居者
情報提供→質問に答えられ ← 質問する
恥をかかない
==============================================================
佐藤:取次会社さんの営業さんに情報提供して、営業さんはきちんと
オーナーさんの質問に答えられる、と。
ヨシ:そうですね。
佐藤:「朝礼に出させてください」じゃ、営業部長さんはウンと言っ
てくれないから、相手のメリットを訴えるんですよね。
ヨシ:営業の基本です。
佐藤:えっと……営業さんのメリットが他にもあるはずですね。
ヨシ:え?
佐藤:BBCは右からです。入居者さんや、オーナーさんのメリット
はありませんか?
ヨシ:あ……そうだ!
佐藤:災害が起きたら、オーナーさん自身も困りますよね。だから…
ヨシ:確かに、「オーナーさんにご迷惑がかからないようにする提案
をします」って営業部長さんに言ってもいい!
==============================================================
B to B to B to C
機器 → 取次会社 → マンションー → マンション
メーカー 営業担当 オーナー 入居者
困らないように ←災害が起きたら ← 災害が起きたら
事前に提案 大事な入居者が困る 困る
==============================================================
佐藤:そう思ったんですよ。
ヨシ:この紙の上で考えると、すっごく考えやすいですね! 可視化
できます!
佐藤:そう。紙に落とすことが大事です。で、朝礼で何を説明するん
ですか?
ヨシ:成功事例ですね。「こういう災害が起きて、オーナーさんに危
うくご迷惑がかかるところ、当社の製品で……」と。
佐藤:ほら、ヨシさん、やっぱりやってるじゃないですか……セオリ
ー通りに♪
ヨシ:はあ……もういいです、このパターン……(笑)
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◆継続的な「コミュニケーション」を、相手に合わせて行う
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佐藤:その朝礼での説明ってどれくらいやるんですか? 頻度とか。
ヨシ:最初の方は、月に1回くらい、そのあとは、2〜3ヶ月に1回
です。15分くらいですよ。長いと飽きられますし
佐藤:あ、そんなものでいいんですね。
ヨシ:ええ、ただ続けないと、忘れられてしまうので、定期的にやる
ようにしています。
佐藤:ネタ切れしませんか?
ヨシ:いえ、そうでもないですよ。会社がネタを作ってくれますので
それを加工するんです。
佐藤:例えば、どんなネタですか?
ヨシ:年末なら、「年末お出かけ時のチェック項目」みたいなネタで
すね。ニュースレターみたいな感じです。
佐藤:それって入居者さん用のツールですよね? わかりやすいとこ
ろで戸締まりとか、元栓閉める、とかのチェックリスト?
ヨシ:そうですそうです。
佐藤:それを朝礼で何て言って説明するんですか?
ヨシ:このBBCフローで説明しますね。私も理解しましたから。
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B to B to B to C
機器 → 取次会社 → マンションー → マンション
メーカー 営業部 オーナー 入居者
==============================================================
佐藤:さすが!
ヨシ:このニュースレターは、入居者さんが喜びますよね。
佐藤:そうですね。お出かけ時のチェック項目があれば、入居者さん
は、「気の利いたマンションだな」と思ってくれますよね。
ヨシ:すると、オーナーさんが嬉しいですよね。
佐藤:……なるほど、わかりました。
ヨシ:なので、取次会社さんには、「オーナーさんにこれ渡して、入
居者さんに配ってくださいよ」と言います。
佐藤:殺し文句は……?
ヨシ:入居者さんが喜ぶと、オーナーさんも喜ぶ。オーナーさんに営
業のアナタを「気の利く営業だ」と思ってもらえます、って。
佐藤:さすが!! 営業さんのメリットにしてるわけですね。
ヨシ:そうなんです! 先生のおかげで、私がやってることが私にも
わかってきました
佐藤:できる営業さんって、開発とかマーケティングとかから来る情
報を、自分のお客様向けに加工して定期的に発信しますね。
ヨシ:それって当たり前じゃないんですか?
佐藤:そうでもないですね。できる人は自然にやってますけど。
ヨシ:そうなんだあ……
佐藤:ポイントは、自分のお客様に合わせて、手書きでもいいので、
資料を1枚加えることですね
ヨシ:もっちろんです。
佐藤:それによって、お客様が「うちのためにやってくれた」って思
っていただけますからね。
ヨシ:そうしないと、「みんなにこれ送ってるんだろ」って思われち
ゃいますよね。
佐藤:そうなんですよ。私から補足すると、このレターを喜ぶのは、
どんな入居者ですか? このBBCフローで。
==============================================================
B to B to B to C
機器 → 取次会社 → マンションー → マンション
メーカー オーナー 入居者
提案ネタ増えるよ→営業部門 個人オーナー← 家族・一人暮らし
部長・社員 法人オーナー← 外資系外国人
==============================================================
ヨシ:どちらかというと、個人オーナーの入居者さんですね。
佐藤:ですよね? ほら、やっぱりセグメントに合わせて……
ヨシ:……もう驚かないですよ……ホントだ……一番右側の入居者の
ニーズに合わせてレターを作るんだ……
佐藤:ですよね? 一番右のニーズでセグメンテーションしておくと
打ち手が取りやすいんですよ。こういう細かいところまで。
ヨシ:確かに、右と左で、びしっと横串が通りますね!
佐藤:そうなんです。BBCフローの一貫性方程式のX、Yに、具体
的な戦術が代入されるイメージです
ヨシ:な、なんか難しくなりましたね(苦笑)
佐藤:あ、じゃあこのBBCフローの上を、ニュースレターが通って
いくイメージでいいです。
ヨシ:それならわかります!
佐藤:で、これで営業さんが「認知・興味」を持っていただいて…
ヨシ:とりあえず提案してもらえれば、その後は私に投げていただけ
ばいいです。
佐藤:なるほど。ではマインドフローで、「利用・愛情」は?
ヨシ:営業さんには、コマメな報告します。途中経過、結果報告……
佐藤:決め手は?
ヨシ:オーナーさんが喜んでましたよ、って言ってあげると、営業さ
んも「提案して良かった」と思っていただけます。
佐藤:やっぱり! このニーズも右からですからね!
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◆部署によってコミュニケーションも変える!
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佐藤:今のが、営業部門へのコミュニケーションですよね。メッセー
ジは「あなたが気の利く営業だと思われます」
ヨシ:ええ。次にお聞きになりたいのは、じゃあ管理部門の場合は、
ですよね?
佐藤:あ、こっちが読まれた(笑) さすが敏腕営業マン(笑)
ヨシ:そういうのは得意なんで(笑)。管理部門もオーナーさんとコ
ミュニケーションしますが、ちょっとやり方が違います。
佐藤:どう違うんですか?
ヨシ:管理部門は、多くのオーナーさんに一度に色々な連絡をすると
きがあります。具体的にはDMっていうか資料を送ります。
佐藤:はっはー、じゃあその資料に……
ヨシ:そうなんです。当社の製品の案内を同梱していただいたりしま
す。
佐藤:例えば、どんな内容ですか? まさかその案内にDM的なもの
を入れるわけにいかないですよね?
ヨシ:例えば、法改正があって、これこれこうなりました……とか。
これはオーナーさんも知りたい情報ですよね?
佐藤:なるほど! それなら、管理部門には、「オーナーさんが必要
な情報を送れる」というメリットがある!
ヨシ:そうなんです。A4 1枚の情報案内を入れていただく感じで
すね。
佐藤:それは会社が用意してくれるんですか?
ヨシ:まさか。私が作りますよ。
佐藤:そうですよねぇ。やるべきことやってるんですよねえ。これは
誰と交渉するんですか?
ヨシ:これは、取次会社の管理部長さんです。担当さんにはその決断
はできないので……
佐藤:ほら、ちゃんと組織の意思決定構造をご存じですよね。前回の
話で……
ヨシ:……ホントだ(笑)
佐藤:こういうBBCフローですね。今回は入居者さんは直接関係な
いですけど。
==============================================================
B to B to B to C
機器 → 取次会社 → マンションー → マンション
メーカー 管理部長 オーナー 入居者
オーナーが喜ぶ 必要な情報を
情報を提供 得られる
==============================================================
ヨシ:はい、やっぱりこのフローの上を、先ほどのA4 1枚の紙が
通っていくイメージですよね。
佐藤:こういっちゃなんですが、売るのに魔法は無いんですよ。A4
1枚の紙を入れる努力をするかしないか、ですね。
ヨシ:ホントそうだと思います。
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◆売れるパターンは体系化できる!
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佐藤:ヨシさんの会社って、取次会社さんにとっては多くの取引先の
うちの1社さんですよね? よくそこまでやってくれますね。
ヨシ:そのときは、ちょっとしたことで貸しを作ったので、その貸し
を返してもらったんですよ……
佐藤:そう! それも、売れる営業の方がよくいいます。私が知って
る敏腕営業さんで、すごく印象に残った一言があるんです。
ヨシ:それは?
佐藤:「約束のないところに約束を作るんです。約束が破られても、
それは貸しになるから、次の約束が作れます」
ヨシ:な、なるほど……それ、すっごくよくわかります。
佐藤:いつも思うことなんですけど、ヨシさんと話していて、再確認
したことがあります。
ヨシ:それは?
佐藤:売れる営業さんて、同じこと言うんですよ。言い方は違います
けど、やってること同じなんです。パターンがあるんです。
ヨシ:そ、そのパターンって? 教えてくださいよ!
佐藤:全部お話したじゃないですか、今まで……BBCとか、セグメ
ンテーションとか、組織内コミュニケーションとか……
ヨシ:あ……私がやってること(笑)
佐藤:あと、オーナーさんに対して、取次会社の営業さんをほめてお
きますよね?
ヨシ:もちろんです。
佐藤:営業さんも、オーナーさんから褒められたらすっごく嬉しいで
しょうから。
ヨシ:それもセオリーなんですか?
佐藤:セオリーかどうかはともかく、さっきの売れる営業の方が同じ
こと行ってました。
ヨシ:そうなんだあ……
佐藤:そうなんです。私が考えだしたことじゃないんです。売れる営
業パーソンの成功例をパターン化しただけです。
ヨシ:先生はやってなかったんですか?
佐藤:成功したときは、やってました。失敗したときは、どこかが狂
ってます。その共通パターンを体系化しただけです。
ヨシ:どうやって体系化されたんですか?
佐藤:えっと……帰納と演繹の相互作用で……
ヨシ:はあ? 昨日と今日? ははは、私、数学ダメで……
佐藤:えっと……具体例からワクを考え、ワクに具体例をあてはめて
ワクが大丈夫か検証して……BASiCSなんかもそうですね
ヨシ:うーん、私には無理そうですね……
佐藤:それが私の独自資源ですから、そうカンタンにはマネできない
と思いますよ。ディベートと肌感覚の合わせ技。
ヨシ:でぃ、ディベート?
佐藤:帰納と演繹の相互作用なんかもディベートからです。マーケタ
ー戦場で、ディベートではそう負けないですよ……
ヨシ:そ、そりゃそうですよね……私は自分の強みを活かして営業に
専念します(笑)
佐藤:さっきから、実はヨシさん自身のBASiCSも考えてたんで
すよ。
ヨシ:ええ? こんな話をしながら?
佐藤:なんか勝手にアタマが考えちゃうんですよ……結論から言うと
こういう営業にヨシさんすごく向いてます。
ヨシ:よかったあ……やってて全然苦痛じゃないですから。
佐藤:そうですよね。私が売れたま!書くのが苦痛じゃないのと同じ
ですよ、きっと。
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◆マーケティングの真髄:BBCで「喜びの連鎖」を右から起こす
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佐藤:そろそろまとめに入りましょう。ヨシさんの製品のベネフィッ
トは何でしたっけ? 最後のC、入居者さんにとって、です。
ヨシ:家族の命や、資産を守ります。
佐藤:すると、入居者さんは嬉しいですよね?
ヨシ:ええ、きちんと仕事をすれば喜んでいただけます。
佐藤:なるほど、「喜び」ですよね。それをオーナーさんには伝えま
すか?
ヨシ:オーナーさんにも同じです。入居者さんにきちんと仕事して、
入居者さんが喜んでいたことを伝えます。
佐藤:ええ、右側の「喜び」を左側のオーナーさんに伝えていきます
ね。すると、取次会社さんには?
ヨシ:オーナーさんが喜んでいたことを伝えます。
佐藤:そうですよね。そうなると、こうなります……
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B to B to B to C
機器 → 取次会社 → マンションー → マンション
メーカー オーナー 入居者
売れて ← オーナーさんが ←入居者さんが ← これで災害でも
喜ぶ 喜んでましたよ 喜んでましたよ 安心だと喜ぶ
==============================================================
ヨシ:そうですけど、それが何か……?
佐藤:これがマーケティングの真髄です
ヨシ:え? 佐藤式マーケティングの真髄ですか?
佐藤:違います。ビジネスの真髄と言ってもいいです。右から左へ
の「喜びの連鎖」です。
ヨシ:あ……なるほど! みんな喜んでる!!
佐藤:営業さんの役割は、この「喜びの連鎖」を右から起こしてあげ
ることなんです。
ヨシ:喜びの連鎖を起こす……な、なんか今鳥肌立ちました……
佐藤:笑顔の連鎖、って言ってもいいです。自分の商品が売れるのは
喜びや笑顔の「結果」なんです。
ヨシ:笑顔の連鎖……いい言葉ですね……
佐藤:バリューチェーン(価値連鎖)じゃなくて、「スマイルチェー
ン」とか「ハピネスチェーン」って言った方がいいですね。
ヨシ:ははは、そうですね。
佐藤:マーケティングや営業の本を読むと「この人お客様のアタマの
上に¥マークが見えてるんだろうなあ」という人もいます。
ヨシ:ダメですか? お金が無い人には売れないですよ?
佐藤:あ、それはそうですよ。ただ、お金目当てに売ろうとすると、
かえって売れなかったりしませんか?
ヨシ:もちろん。まずはお客様に喜んでいただかないと。
佐藤:そうですよね? で、その喜びが発生する順番は、BBCの上
では……?
ヨシ:あ! それも右から! 売れたら私も「喜び」ますけど、その
「喜び」は一番最後!
佐藤:そうです! それがBBCフローのメッセージでもあります!
BBCフローは右から考えます。自分は「最後」なんです。
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B to B to B to C
機器 → 取次会社 → マンションー → マンション
メーカー オーナー 入居者
オーナーさんが 入居者さんが これで災害でも
喜んでましたよ 喜んでましたよ 安心ですね!
==============================================================
ヨシ:そうかあ……この喜びの連鎖をモレなく起こす……それが、営
業の醍醐味なんだ……
佐藤:私もBtoB営業って結構やりましたが、成功しているときは
必ずこうなってます。喜びの連鎖が起きてるんですよ。
ヨシ:そりゃそうですよね。でもなんか仕事が楽しみになってきまし
たよ……喜びの連鎖、か……
佐藤:営業って、辛いことの方が多いですよね。私も泣きそうな経験
って結構ありますが、お客様の喜びでそれが吹き飛ぶ……
ヨシ:ええ! 佐藤さんの本って、例えばドリルにしても白ネコにし
ても「愛」があふれてる感じがして……
佐藤:ありがとうございます。BASiCSの「i」は「愛」でもい
いと思ってます。
ヨシ:そうかあ……「愛」かあ……
佐藤:ヨシさんの商品って、そういう意味で素敵な商品だと思います
よ。頑張っていきましょう!
ヨシ:ありがとうございます!
佐藤:長時間、ありがとうございました! なんかもうこれだけで、
本が1冊書けそうですよ。
ヨシ:ホントですか?
佐藤:ええ、この連載、売れたま!史上でも1,2を争う好反響なん
ですよ。ホントですよ。
ヨシ:それは嬉しいです! 本も楽しみにしてます!
佐藤:来年か再来年でしょうけどね……
ヨシ:えーー……もっと早めにお願いします!
佐藤:が、頑張ります……ホントありがとうございました!
ヨシ:こちらこそ、自分の仕事が可視化されてホント勉強になりまし
た。ありがとうございました!
これにて、ついに終了です! おつきあいありがとうございました!
ご感想もお待ちしております。このメールにご返信いただければ、私
に届きます。
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◆まとめ
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●BtoBtoCで、右側から始まる「喜びの連鎖」を作ろう! そ
れが営業の、そしてマーケティングの醍醐味!
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▼今日の日記▲
週末に、某所の私の受講生さんが集まって勉強会。私も結構土地勘が
ある某業界について、でしたが……
詳しい人(=マニア)が集まったので、専門用語は飛び交うは、「で
もそれはさあ……」的なマニア目線の意見が噴出するわで……詳しい
人が集まると、かえってユーザー目線に立てない、という典型的な場
になりました(笑)。まさにマニアトラップ。そこで大活躍したのが
その業界については、素人(=ビギナー)の方。そういう方の方が、
顧客視点で見られるものです。
勉強会だから(笑)ですみますが、企業の会議室でこういうことって
相当起きてますよね……それは笑い事じゃすみません。
ということで……現在、マニアトラップ執筆中なのですが、自社の成
功事例を紹介したい! という方がいらっしゃったら、メールくださ
いね。保証はできませんが、取り上げられるかもしれません。
●お気に入りのつぶやき@twitter
ここは、私がTwitterで不定期につぶやいているBASiCS関連の
つぶやきを紹介するコーナーです。
==============================================================
2010-4-26
「名は体を表す」という。マーケティングでは「メッセージは差別化
された価値を表す」となる。商品・サービスのメリットを「名」にす
る。「名に体を表させる」のがメッセージでありネーミングだ。それ
が「強みとメッセージの一貫性」だ。
==============================================================
私のtwitterアカウントは @uretama です。
#uretamaでつぶやいていただければ、私も拝読します。
#uretamaは、「売れたま!コミュニティ」のようになっています。全
てにご返事ができるわけではありませんが、気軽にご参加を!
●今日のiPod Tune:春のチャンス&チェンジ
ついに春到来! 大分あたたかくなってきました。
春と言えば、芽吹きの季節! 色々と環境が変わることも多いと思い
ます。そんなときは「チェンジ」の「チャンス」。
ということで、「春のチャンス&チェンジ」特集!
今日の曲は……
○約束の橋 by 佐野元春
1989年リリース、1992年にドラマ「二十歳の約束」の主題歌
になり、大ヒット。佐野さんの代表曲の1つですね。昔よくカラオケ
で先輩が歌ってました。
春は、心機一転、心を新たにして頑張っていく季節でもあります。そ
んなあなたの応援歌がこれ。80sらしいシンセ・ドラムの音作りで
ノリノリの曲ですが、頑張ろうって気になれる歌詞です。佐野さんが
自分自身を励ますために書いた詩だそうですが、だからこそ、多くの
人に響いたのかもしれません。
暖かい陽気、真っ直ぐ前を向いて力強く歩いて行きたいときにぴった
りの1曲♪
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/jissen.htm
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マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
日本能率協会マネジメントセンター
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●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
http://www.sandt.co.jp/kotowaza.htm
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◆次号予告:ドラゴンクエストIX 星空の守り人
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●シリーズ最大の売上を記録したドラクエ9。しかし、賛否両論、昔
のファンからは非難囂々……でもそれでいいんです。なぜかという
と……?
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!
▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!
売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……
〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
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