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2009年8月10日月曜日

売れたま!特別編Vol.060 2009/08/10 「売れる会社のすごい仕組み」発売記念号 後編

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.060 2009/08/10
購読者:19,455 (まぐまぐ:14,726 メルマ!:587 めろんぱん:4,142)

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 ■■■_「売れる会社のすごい仕組み」発売記念号 後編_■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●「社長」はマーケティングにどうアプローチすればよいのか?


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今回は、「売れる会社のすごい仕組み」発売記念号、最終編!

作者とヒロインの異色の会話、スタート!

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◆前号のまとめ:戦略指標
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佐藤:真子、じゃあ例によって

真子:は〜い、わかってますよ〜、前号のまとめですね

佐藤:そうそう。戦略指標だな。

真子:その数字を社員全員で共有して追いかければ、社員が特に意識
   しなくとも会社の戦略が実行される数字です!

佐藤:OK。で、どんなツールで考えるの?

真子:多分色々あるんだと思いますけど、売上に直接つながる、とい
   う意味では売上5原則とかですよね。

佐藤:そうだね。で、売上5原則を使うメリットは?

真子:ですから売上に直結するっていう……売上を上げるには、5原
   則のどれかを上げるしかないから……

佐藤:それだけだっけ?

真子:あ! そうだ、大事なこと忘れてました。売上5原則はアイデ
   ィア発想のツール!

佐藤:そうそう。だから?

真子:戦略指標を作るツールと、アイディア発想に使うツールが一緒
   だから、やることに一貫性が出る!

佐藤:そうだな。戦略が実行に落とし込まれる。それが数字で計測さ
   れるっていうサイクル

真子:それが仕組み、ですね。

佐藤:やってみると単純だろ?

真子:単純ですけど、大変ですよ……っていうか、全然こういうアプ
   ローチに気付きませんでした……

佐藤:そういうことを書いてある本はほとんど無いよな。戦略とアイ
   ディア発想に同じツールを使え、っていうのは。

真子:言われてみれば当たり前なんですけどね。

佐藤:それが最高の商品。言われてみればなるほど、何で今まで無か
   ったの? っていうのはいい商品なんだよ。

真子:出た、佐藤さんお得意の自画自賛……

佐藤:オマエもその人間の中から出てきたわけだからな……

真子:わかってますよ〜

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◆売多真子、社長に!
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佐藤:じゃあ今日の本題ね。真子、社長になったよな

真子:なっちゃいましたね〜。いち店長がいきなり社長に!

佐藤:どうだった?

真子:正直、なる前は店長も社長も一緒だって思って軽く引き受けち
   ゃいました〜

佐藤:で?

真子:ぜんっぜん違いました……何て言うのかな、見える風景が違う
   っていうか……

佐藤:そうだな。視点の高さが違う。社長と社員の一番の違いってい
   うのはそこじゃないか?

真子:あ、そうですそうです、視点の高さ。

佐藤:真子にはそこまでの権限は無いにしても、社長は会社をどうす
   るか、極端な話、誰かに売ろうか、という選択肢もある。

真子:打てる手が極端に広くなりますよね。ちょっと恐い感じが今で
   もします。

佐藤:それでいい。社長業は恐い職業だよ。その双肩に社員、そして
   その家族の生活、生き方がかかってるんだから。

真子:選択肢が広がるから、何やっていいのかわからなくなっちゃい
   ます。

佐藤:だろ? だから考えるんだよ。徹底的に。

真子:どうやって?

佐藤:オマエなあ……あれだけやっただろうが

真子:えっと……あ! 戦略BASiCS!

佐藤:そう。社長は恐い。その決定が会社の行く末を決める。だから
   こそ、戦略を徹底的に考える。

真子:その方法論が戦略BASiCSなんですね。

佐藤:そう。オレの本「経営戦略立案シナリオ」は、完全にその発想
   で書かれてる。経営戦略を社長の手に取り戻す。

真子:ひょっとして……だから真子を社長にしたんですか?

佐藤:そういうこと。この本の表のテーマは「売れる仕組み」の作り
   方だけど、裏のテーマは「社長のためのマーケティング」ね。

真子:私は、社長のためのマーケティング、って言われても「当たり
   前でしょ」って思いますけど?

佐藤:それがそうでも無いよ。上場企業の社長の言葉とか見てみろ。
   そこに「お客様」っていう言葉がどれだけ出てくるか……

真子:あ……「昨今の経済状況」とか、そういう言葉が……

佐藤:だろ? 「経済状況が悪い」って「売れない」ってことだ。そ
   れは「お客様が買わない」ってことだ。

真子:あ、だからマーケティングなんだ……

佐藤:そう。別にマーケティング、っていう言葉は使わなくていい。
   でも、売れないのは自分のせいだ、っていう認識が大切。

真子:だから、社長もマーケティングを知ろう、と……


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◆社長もマーケティングを知ろう!
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真子:でも佐藤さん、世の中の社長さんって忙しいですよね。資金調
   達とか……? そーれ・しちりあーのは大丈夫ですけど……

佐藤:利益って、売上−費用だよな?

真子:はい……で?

佐藤:売上が無いと利益が出ないよな?

真子:アッタリ前じゃないですか!

佐藤:はあ……社長の仕事って何だ?

真子:あ……そうか、利益を出し続けること! だったら売上が無い
   とダメ……

佐藤:マーケティングって売上に関する全てのことだろ。社長にとっ
   てそれ以上に大切なことなんてあるのか?

真子:ですから資金調達とか……

佐藤:真子、新店舗出したよな? 最初にやったことはお金の計算だ
   ったか?

真子:いえ、戦略を考えて、誰にどうやって売るかを考えてから、店
   の設備を考えて……あ!!

佐藤:だろ?

真子:誰に何を売るかが決まらないと、どんな設備を入れればいいか
   がわからない! だからお金がどれくらいいるもわからない!

佐藤:そうなんだよ。どっちが重要かは難しいけど、順序としては資
   金調達の前にマーケティングが来るだろ。

真子:それって当たり前ですけど……

佐藤:それがそうでもない。「作っちゃいました。売れません。どう
   しましょう」っていう話しはそこらじゅうにあるぞ。

真子:痛ましい話ですね……

佐藤:結局どんな設備投資をするかも、マーケティング戦略が決める
   ことだ。それを社長が知らなくていいはずがない。

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◆社長のためのマーケティングとは?
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真子:でも佐藤さん、全ての社長がマーケティングのエキスパートに
   なんてなれないですよね?

佐藤:誰もそんなこと言ってないだろ。

真子:あ! 佐藤さんの会社に依頼しろって言ってます?

佐藤:そんなあざといことも言ってない。お陰様で今は忙しいから大
   丈夫だ。社長はエキスパートである必要はない。

真子:じゃあどうすれば……

佐藤:この本のタイトルは?

真子:あ……「すごい仕組み!」 そうか、仕組みを作ればいい!

佐藤:仕組みを自分で作らなくてもいい。差別化戦略を決めて、「当
   社はこの軸で行く。そのための仕組みを作ろう!」って言う。

真子:そうか、そういうのが社長の仕事なんだ……

佐藤:真子、オマエが社長になって、最初の仕事って何だった?

真子:えっと……新メニューのチラシを作って

佐藤:それで何が起こった?

真子:今思えばチョー恥ずかしいんですけど、高品質メニューを安売
   りするって言う……

佐藤:だろ? 社長が自社の戦略を考えてもいないし、宣言もしてい
   ない。だから社員がバラバラに動く。

真子:じゃあ社長のためのマーケティングっていうのは……

佐藤:そういう仕組みを作ろう、という働きかけをすることだな。自
   分でやらなくてもいいけど、作れてないのは社長の責任。

真子:私、それがわかってなかったんですよね……

佐藤:でも、真子が言うとおり、社長は忙しい。だからこそ、単純な
   ツールを使う。それも数を絞って。

真子:今回使ったのは、BASiCS、売上5原則、マインドフロー
   にプロダクトフロー、これだけですもんね。

佐藤:あとあるとすれば3つの差別化軸、な。もうこれでいい。大体
   世の中の戦略本に出てるツールは複雑すぎる。

真子:私みたいなおバカさんにはちょっと……

佐藤:いや、あんなのトップスクールMBAだって使いこなせない。
   できてるというなら、それは超天才か、錯覚か、どっちかだ。

真子:佐藤さんもできないんですか?

佐藤:オレには到底無理だね。5 Forces、7S、SWOT、戦略本に
   最低10個はのってるフレームワークを全部使うのはね。

真子:じゃあどうすれば……

佐藤:だから言ってるだろ、そんな理論は全部BASiCSでカバー
   できるんだよ。5つだけ考えてればいい。

真子:それなら私にもできる!

佐藤:そう。真子にできたんだから、世の中の社長さんたちにできな
   いはずがない!

真子:あ、ひっどーい! でも実際そうだと思いますけど……

佐藤:社長は忙しい。だから、単純なツールを徹底的に使いこなす。
   枝葉はどうでもいい。本質をえぐっていくんだ。

真子:それが「ぐるぐる回す」っていうキーワードなんですよね!

佐藤:そう。単純なツールを完全に理解して、徹底的に使いこなす。
   そのうえで、自社の戦略を自分の言葉で話すこと。それが……

真子:社長の仕事!

佐藤:それが社長にとってのマーケティングなんだ。エキスパートで
   ある必要は無い。それは社員や外部に任せればいい。

真子:自社の戦略を自分の言葉で話せればいいってことですね。

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◆社長は何ができればいいのか?
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佐藤:もっと言えば、社長は、「適切な質問」ができればいい。

真子:??

佐藤:例えば部下が新商品を出そうと言ってきたとする。真子なら、
   何て言う?

真子:それって売れるのか、って聞きますけど。

佐藤:そりゃそうだけど、売れりゃ何でもいいのか?

真子:あ! 自社の戦略にあってるかどうか!

佐藤:そう。「うちの戦略は密着軸だ。その商品は、密着時に合って
   るのか?」って聞けるかどうか。

真子:な〜るほど〜。適切な質問、ってそういうことか……

佐藤:売れなかったときは? 何で売れないんだ! って怒ってもし
   ょうがないだろ? 何て聞く?

真子:売れなかった理由を聞きます。

佐藤:どう聞くんだ?

真子:えっと……あ! マインドフローで聞くんだ。認知がダメだっ
   たのか、競合に負けたのか、って。

佐藤:そう。それで、何て指示するんだ?

真子:認知関門でダメだったのなら、そこの手を打て、って言えばい
   い! っていうか、まず先に数字を聞きます。

佐藤:そうだな。認知の数字はどれくらいで、行動の数字がどれくら
   いかが把握されてなきゃ、何が悪かったのがわからない。

真子:でも佐藤さん、数字がわかればみんな同じような結論になるん
   じゃないですか?

佐藤:だろ? だから数値化するんだよ。同じデータを見てれば、判
   断は同じような方向になるはずだ。

真子:あ、そうか。だから数字がコミュニケーションツールになるん
   ですよね。

佐藤:そう。社長が大事なのは、そういうことをする「基盤」を準備
   すること。人事制度なんかも含めて、な。

真子:全社の一貫性、ですよね。戦略指標で人事評価を行う、とか。

佐藤:そう。社長が具体策を指示する必要はない。しない方がいいと
   きも少なくない。でも方向性は指示する。それが……

真子:そうか、それがBASiCS、マインドフロー、売上5原則な
   んですね……

佐藤:そう。特にBASiCSは全社のガイドライン。BASiCS
   っていう言葉を使わなくていい。社長の言葉で語る。

真子:今回、私もそういうサイクルを一通り回して、すっごくよくわ
   かりました。ぜひ読者さんもやってみてください!

佐藤:じゃあ真子、お疲れ! ありがとう!

真子:は〜い、こちらこそ! 読者のアナタとは、本の中でお会いし
   ましょうね! 真子からのお、ね、が、い!(はぁと)

佐藤:……じゃ、じゃあそういうことで……

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▼今日の日記▲


えっと、前回の反応は全く無かったんですが(みんな野球に興味なさ
そう)ですが、「野球も数値化しよう!」という勝手なテーマで続け
ます。

8月9日現在、熱くなってるセリーグは巨人と中日の差は2.5ゲー
ム差。ですが、巨人は引き分けが多いので、勝率はまた別の話。とい
うことで、本当はどれくらい差があるのか、シミュレーションしてみ
ましょう。


仮に、巨人がこのあとの残り試合48試合を勝率5割、24勝24敗
で行ったとすると……

巨人:80勝 56敗 8分 勝率.588

となります(勝率は引き分けを除いてカウント)。

すると、

中日:85勝 58敗 1分 勝率.594
ヤクルト:85勝59敗 勝率.590

がそれを上回る勝敗ラインとなり、このあとの勝ち数はそれぞれ

巨人:24勝24敗
中日:27勝19敗 (.587) 実質4ゲーム差
ヤクルト:35勝18敗(.660) 実質8.5ゲーム差


となります。今の見かけ以上に差が開いていることになります。

逆に巨人が85勝すると、

巨人:85勝 51敗 8分 勝率.625

となり、

中日:90勝 53敗 1分 勝率.629
ヤクルト:90勝54敗 勝率.625

残り試合の展開は、

巨人:29勝19敗 (.604)
中日:32勝14敗 (.696) 実質4ゲーム差
ヤクルト:40勝13敗(.755) 実質8.5ゲーム差

ですね。中日、ヤクルト共に2勝1敗以上のペースで勝たないと、こ
の数字になりません。これはかなり難しい話です。

結論は、巨人は自分の野球をして、勝率6割で戦っていけば、高い確
率で優勝できそう、ということです。ファンとしては一喜一憂するの
が楽しいわけですけど。

あとは中日、ヤクルトが昨年後半の巨人のような神懸かり的な強さを
見せるかどうか、にかかっていますね。

残り試合はあと50試合くらい、毎日ハラハラどきどきですが、これ
もシーズン中の醍醐味、楽しんでいきましょう!

●今日のiPod Tune:海辺で聞きたい夏の歌


ついに8月! もうお盆で、東京も大分空いて来ました。

夏休み、海に出かける方もいらっしゃるでしょう。

ということで、「海辺で聞きたい夏の歌特集!」

邦楽を紹介してきましたが、夏、と言えばこの人たちは外せません。

今日の1曲は……


Getcha Back by The Beach Boys


The Beach Boysの85年のシングル。全米26位。大ヒット、という
わけでもありませんが、老舗バンドの存在感を見せつけました。

で……確か最初に聞いたのはFMだったんですが、聞いた瞬間に……

「大瀧詠一さんだ!」

と思いました……っていうか、この曲を聴いた日本人はきっとみんな
そう思ったのではないでしょうか? あんまりThe Beach Boysらしく
ないと言えばらしくない音作り。

メロディというより、アレンジ、音作りが前号で紹介した大瀧さんの
曲にそっくり……大瀧さんの方が1981年ですので先ですね。ひょ
っとして……

まあいいとして、ビーチで聞くにはぴったりの涼やかな曲です♪

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〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
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