売れたま！戦略編Vol.362 2015/05/25 オンワード「ジョゼフ」：強みを強化する打ち手

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング：売れたま！■　
　〜ＭＢＡの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.362(累計1227) 2015/05/25
購読者:32,163 (まぐまぐ:16,252 メルマ！:948 めろんぱん:14,963)

　■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
　■■＿＿オンワード「ジョゼフ」：強みを強化する打ち手＿＿■■
　■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆　今日のポイント　◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●自社の「強み」をお客様に確認しよう！　その「強み」を強化する
　「打ち手」を打てば、さらに売上が上がる！


┃売れたま！は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま！
┃単独でもお役に立てますし、本と併用されれば効果倍増！
┃
┃図解　実戦マーケティング戦略　→　http://tinyurl.com/a6ul5


アマゾン「オールタイムベスト　ビジネス書１００」のマーケティン
グ・セールス分野で 唯 一 の 日 本 人 著 者として選ばれた本です

http://ow.ly/Cd7Hc



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆オンワードの「ジョゼフ」が好調！
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●オンワードの服飾ブランド「ジョゼフ」が好調


オンワードグループが取得した英ブランド「ジョゼフ」が好調を維持
しています。

その理由は……？


−−−−−−−−−−−＜　記事引用　＞−−−−−−−−−−−−

◇『オンワード樫山の英ブランド「ジョゼフ」が好調だ』『１９７２
　年に英国で創業。オンワードグループが２００５年に約１７０億円
　で買収した。日本や欧米で展開しており、１４年２月期の全世界で
　の売上高は１６３億円。日本の婦人向け商品は英国からの輸入が多
　く、紳士向けは日本で企画する』


◇『１４年２月期の日本での売上高は前の期比９％増の４５億円。店
　舗数は紳士・婦人で約７０店と、１０年度からほとんど増えていな
　いが、売上高は２割増えた』『樋口剛宏執行役員は好調の要因を、
　「商品価値をいかに高めるかに重きを置いてブランドを磨いた結
　果」と胸を張る』


◇『きっかけは１０年の戦略転換だ。商品の軸が定まっていなかった
　ため、特長がわかりにくくなっていた。そこで各アイテムの強みを
　分析、特長を生かした商品作りを進める方針に変更した』


◇『例えば紳士用ジャケット。好調な商品を分析すると「軽い」「ス
　トレッチ性がある」「しわになりにくい」点が支持されていること
　がわかった。この３要素を軸に種類を増やしたところ、３年前に比
　べて売上高が２桁伸びた』


2014/07/25 日経ＭＪ　Ｐ．７

−−−−−−−−−−−＜　記事引用　＞−−−−−−−−−−−−


店舗数を増やさずに売上高が増えている、というのはすごいですね。


ジョゼフの売上を確認してみますと……

　２０１４年２月期　　４５．４億円
　２０１５年２月期　　４９．０億円（＋８％）

株式会社オンワードホールディングス　２０１５年２月期決算説明会
（http://www.onward-hd.co.jp/ir/docs/20150406.pdf）


となっています。２０１４年が９％増（記事より）、２０１５年は
８％増（上の数字より）と２ケタ近い伸びを連続で達成しています。


かなり好調ですね。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆復習：戦略ＢＡＳｉＣＳ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●復習：戦略ＢＡＳｉＣＳ　マーケティング戦略を考える５つの要素

経営戦略・マーケティング戦略で考えるべきポイントは以下の５つ。

Ｂattlefield：戦場・競合　→自社商品の代替選択肢
Ａsset：独自資源　　　　　→強みを競合がマネできない理由
Ｓtrength：強み　　　　　→お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由
i
Ｃustomer：顧客　　　　　→強みを重視する相思相愛になれる人
Ｓelling message：メッセージ→強みの伝え方

戦略ＢＡＳｉＣＳの詳細は、アマゾン「オールタイムベスト　ビジネ
ス書１００」のマーケティング・セールス分野で唯一の日本人著者と
して選ばれた本、「図解　実戦マーケティング戦略」でどうぞ！

http://tinyurl.com/a6ul5



●「強み」＝お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由

ＢＡＳｉＣＳにおける「強み」の定義は

○お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由

です。

この定義は極めて重要な定義です。

技術・人材など、お客様にとっては無関係なことを、「強み」から外
すことができ、

「なぜお客様は自社を選ぶのか？」

という「お客様」についての鋭い質問に集中できるのです。

「当たり前だ」と言われるかもしれませんが、多くのフレームワーク
は、

○「強み」＝お客様が自社を選ぶ理由　＝　良い商品・サービスなど
○「独自資源」＝競合がマネできない理由　＝　技術力・人材など

この２つを一緒くたにして「強み」としてしまっています。

一般的には一緒くたにされてしまう「強み」と「独自資源」を分ける
ことで、この定義が可能になるのです。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆「強み」を「強化」して売上アップ！
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●商品・サービスの「強み」をお客様に確認して、「強み」を強化

今回ジョゼフがやったことは、単純と言えば単純です（単純だからと
言って、カンタンとは全く限りません。単純とカンタンは全く違う概
念です）。


０）「強み」が明確ではなかったという現状があった
１）「強み」をお客様に確認した
２）その「強み」に合った手を打った


ということになります。

先ほどの記事から抜粋しながら、見ていきましょう。



０）「強み」が明確ではなかったという現状があった

『商品の軸が定まっていなかったため、特長がわかりにくくなってい
　た』


つまり、「強み」が絞り込めていなかった、具体化できていなかった
ということでしょう。

恐らく、アレもコレも、と欲張ってしまったのでしょうね。



１）「強み」をお客様に確認した

そこで、「強み」を明確化しました

『例えば紳士用ジャケット。好調な商品を分析すると「軽い」「スト
　レッチ性がある」「しわになりにくい」点が支持されていることが
　わかった』

ここでは、どのように分析したのかまでは言及されていませんが、
「支持されていることがわかった」ということは、何らかの形でお客
様に確認したものと考えられます。


「強み」は、お客様に確認することが望ましいです。自社が考える自
社の「強み」と、お客様が考える自社の「強み」は往々にして異なる
からです。



２）その「強み」に合った手を打った

そしてその「強み」に合った打ち手を打つ、ということになります。

『この３要素を軸に種類を増やしたところ、３年前に比べて売上高が
　２桁伸びた』


お客様が支持しているポイントが「軽い」「ストレッチ性がある」
「しわになりにくい」なのですから、それと同様の商品を増やせば、
当然売上が上がることになります。



こう見てくると、ジョゼフはやるべきことをやり、その結果として好
調だということがよくわかりますね。


成功の秘訣は「魔法」ではなく、「やるべきことをやる」ということ
なんですよね。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆「強み」をさらに「強化」する打ち手：売り物と売り方
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●「強み」を確認したら、「強み」を強化する打ち手を打とう！

「強み」をお客様に確認できたら、「強み」を強化する打ち手を打つ
ということになります。


「強み」をさらに強化する「打ち手」には何があるかというと、基本
的には次の２つです。


１）「強み」をお客様に伝える「売り方」にする
２）「強み」をさらに強化する「売り物」を出す


では１つずつ見ていきましょう。



１）「強み」をお客様に伝える「売り方」にする

まずは、「強み」をお客様にきちんと伝える「売り方」（広告・宣伝
・販促など）をすることです。

既存顧客は、その商品・サービスを選ぶ理由（＝「強み」）があるか
ら、買っているわけです。

しかし、その「選ぶ理由」が他の顧客に伝わっているとは限りませ
ん。

特に、自社が「強み」を把握していなければ、それまでその「強み」
を意識的に強調してこなかったかもしれません。とすると、そこには
大きなチャンスが眠っているかもしれません。

「強み」をきちんと伝えることで、それまで興味の無かったお客様を
獲得できる可能性があります。



２）「強み」をさらに強化する「売り物」を出す

もう１つは、その「強み」を強化するような売り物（商品・サービス
や品揃え）を出す、ということです。

今回ジョゼフが取った策がこれです。

お客様が選ぶ理由（＝「強み」）であるところの「軽い」「ストレッ
チ性がある」「しわになりにくい」商品を増やしたわけです。

それを支持するお客様がいることがわかっているわけですから、当然
売上は上がりますね。



要は「強み」（＝お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由）を確認した
上でそれに基づいた打ち手を打つ、ということです。

セオリー通りというか、基本に忠実というか、やるべきことをきちん
とやることの大切さがよくわかる事例でした。



★今日の「アタマに問いかけるべき適切な質問」

あなたは、あなたの商品・サービスの「強み」（＝お客様が競合では
なく自社を選ぶ理由）を把握していますか？　

その「強み」をさらに強化する打ち手を打っていますか？


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆今日のまとめ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●自社の「強み」をお客様に確認しよう！　その「強み」を強化する
　「打ち手」を打てば、さらに売上が上がる！


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま！を解除するには
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

売れたま！は、以下の３つの配信会社さんから配信されています。

こちらには読者様のアドレスはわかりません。配信会社さんをご確認
の上、以下から解除をご自身にてお手続き下さい


○まぐまぐ
http://www.mag2.com/m/0000111700.html

○ｍｅｌｍａ！
http://www.melma.com/backnumber_92209/

○めろんぱん
http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=010361


ご購読ありがとうございました！　ご活躍をお祈りしております。


**************************************************************
▼今日の日記▲

今日の地震は、ちょっとドキっとしましたね……

２３区は震度４とのことでした。結構大きいですね。私はお客様先に
向かい、都内の駅を丁度出たところでした。「あれ？」と思ったら、
近くでガシャガシャガシャーンと音がして、「車でも突っ込んだの
かな？」と思ったところ、すぐに小さな悲鳴があちこちから。

回りの方々もみんな立ち止まって回りを見回している、というちょっ
と不思議な光景でした。

電車も止まったみたいです。もし乗車中でしたら、遅刻してしまった
かもしれません。エレベーターも止まったみたいですね。


「そなえよつねに」というボーイスカウトのモットー（私もボーイス
カウトをやっていました）を反射的に思い出した瞬間でした。



●今日のiPod Tune：元気が出る歌２０１５

いつの間にか５月。５月病などと言われますが、ノリノリの歌で、吹
き飛ばしてしまいましょう！


今日の曲は……


○TRUTH by THE SQUARE


１９８７年リリースされた曲と同名のアルバム、TRUTHからのシング
ルカット。

「元気が出る歌」と言いつつ、この曲は「歌」じゃなくてインストゥ
ルメンタルです。

ノリと勢いの８０ｓを代表する曲だと勝手に思っています。曲名でわ
からなくとも、Ｆ１でかかってたあの曲、と言えば思い出されるかも
しれませんね。


落ち込んだときには、カラダを動かすのもいいですよね。この曲を
ＢＧＭに走ったりすれば（道路で音楽聴くと危ないのでジムでどう
ぞ）、元気が出るかも？



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓＜免責事項等＞〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●紹介した会社の各商標は各会社の登録商標です。紹介した会社・商
　品等は、例であり、戦略や商品の良し悪しの評価ではありません。
●無断転載は禁じますが企画や会議のネタにぜひどうぞ。全文転送な
　ら構いませんので、部下・上司・同僚など周囲の方にもお勧めを！
●メルマガの内容の実行は、読者さんの責任でお願いします。
●自社の売上向上のために使うのは歓迎ですが、このメルマガの内容
　の販売・コンサルティングへの利用で利益を得る行為は禁じます。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓＜発行者情報＞〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●発行者：佐藤義典　　　●発行頻度：月・木の週２回目標
●感想、質問、実行の結果などは　uretama@mpara.com　へどうぞ！
●http://www.mpara.com（マーケティングパラダイス）
　マーケティングパラダイスはエルパラ(www.Lpara.com)傘下サイト
●購読の登録・解除はまぐまぐ、メルマ！、Macky!　の各サイトか、
　http://www.mpara.com/mag.htm (マーケティングパラダイス)で
●バックナンバー抜粋 http://www.mpara.com/backno.htm

マーケティングコンサルティング・研修・セミナーは
ストラテジー＆タクティクス株式会社へ
http://www.sandt.co.jp/index.htm

Copyright 2003-2015 Yoshinori Sato

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま！提携メルマガ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
以下は、売れたま！独自の基準で厳選している提携メルマガです。

●小笠原昭治の マーケティング＆ストローク
http://www.mag2.com/m/0000111010.html

お奨め書　「売りこむな!期待をくすぐれ!!」
http://tinyurl.com/4vyk4


●後悔しないための読書【ビジネス書の本格的書評】
http://www.mag2.com/m/0000125885.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆売れたま！発行者　佐藤義典　の本　：　合わせて読めば最強！
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


●最新刊！　実戦的な打ち手に落ちる「マインドフロー」の本

「実戦　顧客倍増マーケティング戦略」
佐藤義典著　日本能率協会マネジメントセンター
http://ow.ly/LncLt

─────────＜　経営戦略の最高峰　＞──────────

●戦略ＢＡＳｉＣＳの現時点での集大成にして最高峰

経営のすべてを顧客視点で貫く＜社長の最強武器＞戦略ＢＡＳｉＣＳ
佐藤義典著　日本経営合理化協会
http://sandt.co.jp/basicsbook.htm

●「経営戦略立案シナリオ」　佐藤義典　著　かんき出版
経営戦略のガイドブック：経営者は必読！
http://www.sandt.co.jp/scenario.htm

●「売れる数字　〜組織を動かすマーケティング〜」　
　佐藤義典著　朝日新聞出版
戦略を実行に落とし込み、組織を動かそう！
http://ow.ly/32zKP

──────＜　物語でわかるマーケティング　＞────────

●「新人ＯＬ、つぶれかけの会社をまかされる」　佐藤義典著
　マーケティング入門：読みやすい小説
http://ow.ly/qBY9o

●「新人ＯＬ、社長になって会社を立て直す」　佐藤義典著
　上の本の続編。主人公が社長になり、戦略構築から実行プロセスま
　で物語で体感！
http://ow.ly/6s63d

●「白いネコは何をくれた？」　佐藤義典著　フォレスト出版
　物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm

─────＜　マーケティング戦略のベストセラー　＞──────

●「図解　実戦マーケティング戦略」　佐藤義典　著
　マーケティング戦略入門：戦略はここから
　日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/jissen.htm

●「事例でわかる　実戦ＢｔｏＢマーケティング」　佐藤義典著
　ＢｔｏＢマーケティング戦略の標準テキスト
　日本能率協会マネジメントセンター
http://ow.ly/7Wvdq

●「マーケティング戦略実行チェック９９」　佐藤義典　著
　マーケティング戦略実践：実行のためのチェックリスト
　日本能率協会マネジメントセンター
http://www.sandt.co.jp/check.htm

●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」　佐藤義典著　毎コミ新書
　ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
http://www.sandt.co.jp/kotowaza.htm

────────＜　マーケティングの思考法　＞────────

●「実戦マーケティング思考」　佐藤義典著
　日本能率協会マネジメントセンター
　右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる！
http://www.sandt.co.jp/shiko.htm


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆次号予告：ブルボンチョコブラウニー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●ブルボンの「チョコブラウニー」が人気。実は、終売になりそうだ
　ったのですが……


▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を！

▼彼氏・彼女・家族との、知的な話題づくりに！

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう！

▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう！


売れたま！があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……

〓〓次号の売れたま！でお会いできるのを楽しみにしています！〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒ http://archive.mag2.com/0000111700/index.html