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2014年8月29日金曜日

売れたま!特別編Vol.290 2014/08/28 夏休み特別号:常識を疑え! 5

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━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.290(累計1150) 2014/08/28
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 ■■■■■__夏休み特別号:常識を疑え! 5__■■■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●「想定外の使い方」を探し、きちんと手を打とう!


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◆夏休み特別号 常識を疑え!
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夏真っ盛り! お盆休み!

夏は毎年、この特集の季節。あの本の登場人物たちが大騒ぎ!


「新人OL〜シリーズ」の登場人物
・売多真子:イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」社長
・売多勝 :売多真子の親戚 コンサルティング会社経営
・上原望 :売多真子の同僚「そーれ・しちりあーの」役員

「経営戦略虎の巻 CD」付属小説の登場人物
・松井恵利:売多真子の友人 果物ジュース・ケーキショップ店長


○入門書:「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」佐藤義典
http://ow.ly/qBY9o
売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!

○戦略書:「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典
http://ow.ly/6s63d
真子が社長になり競合と戦う戦略構築〜実行プロセスを、物語で体感



●常識を疑え!

このシリーズは、気楽にお読みいただけるシリーズです。


私たちは、私たちの「考え方」に基づいて「行動」します。

そしてその「考え方」は、ある種の「前提」の元に構成されます。

そしてその考え方の「前提」が間違っていれば、「考え方」が間違っ
ているものになり、そして「行動」も間違ったものになります。


私たちの考え方の「前提」は果たして正しいのでしょうか?


このシリーズは、多分5〜7回くらいになると思います。

では、「常識を疑え!」シリーズ、気楽にお楽しみください!



●ここまでのあらすじ

イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」の社長「売多真子」
(うれた・まこ)と役員「上原望」(うえはら・のぞみ)、真子の友
人「松井恵利」(まつい・えり)は、真子の親戚にしてコンサルタン
トの「売多勝」(うれた・まさる)と勉強会を兼ねた「合宿」。

8月の初旬、4人の向かう先は、高原のペンション。新幹線の中で、
そしてペンションに着いても、勝の「講義」が続く。



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◆まずは、前号の復習から!
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2日目の朝。

高原のペンションの朝は早い。子供の騒ぎ声と犬の鳴き声が目覚まし
代わりだ。

テラス席では、既に真子、恵利、望の女性陣がそれぞれの「指定席」
でそれぞれの作業をしている。

それより一足遅く、勝が2階の客室から下りてくる。


「あ、勝さん、おっはよー!」
「……おう、真子」

「勝さん、おはようございます!」「おはようございます!」
「あ、望ちゃん、恵利ちゃん、おはよう」

「もうみんな各自の作業してるよー」
「……当たり前だろ」

「はい、頑張ってます」「気候が良いので 集中できますね!」
「恵利ちゃんも望ちゃんもさすがだねー。エライエライ」

「ホント、態度違うよね……まあ、私はもう勝さんにとって他人じゃ
 ない、ってことだよね〜。もう、真子、困っちゃう♪」
「……そのポジティブさはホントすげーよな」


「今日は、雨降ってるみたいですね」
「あれ? ホントだ。でも、晴れ間は見えるぞ」
「なんか不思議な天気ですよね」
「曇りのち雨、ところどころ晴れ間が見える、って全部だね、きゃはは」


勝もペンション備え付けのエスプレッソマシンでエスプレッソをがぶ
飲みすると自分の指定席に陣取り、パソコンを広げ、白紙を並べてい
く。なにやら白紙に色々と書き始める。


テラス席で聞こえるのは紙とペンの音だけ。

真子が「ふう……」と息を吐いて、腕を上げながら、「うーん……」
と上半身を伸ばす。

ふと空に目をやると、木々の枝の合間からライトブルーの青空が見え
る。白い雲がゆっくりと右から左へ動いている。


時間が経つにつれ、少しずつ気温が上がってくる。

1匹のセミが鳴き始めた。

どれくらい時間がたったろうか、セミの鳴き声の数が少しずつ増えて
いく。


「ふう……」
勝が席を立ってのびをしながら窓際の網戸ごしに眼下を見渡す。

窓の外から眼下を見ると、緑色の草の中に、咲き乱れる黄、赤、青の
花畑。

その横にいつの間にか真子が並んでいた。

花畑を、蝶が2匹、仲むつまじく飛び回っている。

勝も真子も、静かにその光景をじっと見つめていた。


その静寂を打ち破ったのが、オーナーのスリッパの音。

「そろそろ朝食のご準備をさせていただきますね〜」
「やったー! 朝食っていうか、お昼ご飯だよね……」
「空腹の方がアタマは働くぞ」
「それは確かにそう思うけど……お腹は減るよ」

朝食をとらない勝はいつも朝食の時間を遅くしてもらっている。そん
なワガママが利くのもこのペンションならではだ。

「ふう……お腹減ったね……」
「うん」

望・恵利も作業に一区切り着いたのか、片付けを終えて、朝食のテー
ブルへと移動し始めた。

朝食テーブルには、テーブルクロスが4つ並んでいる。


勝 :じゃあ、朝食をいただく間に、やるか。

恵利:はい、復習ですよね。今回のシリーズは「常識を疑え!」です
   ね。前回は、役職と意見の正しさは違う、という話でした。

望 :キーコーヒーの柴田裕社長の、このご発言は非常に考えさせら
   れました。


「部下に押し切られる形で発売したところ、想定を上回るヒット商品
になりました。喜び半分、だけど、正直言うと悔しい気持ちもある」

2013/04/29 日経MJ P.3


真子:これだけ率直に語れる社長さん、そういらっしゃらないよね。

勝 :真子のところの広岡社長もそんな感じじゃないか? 真子に対
   して「勉強になった」っておっしゃっただろ? *

(*新人OL、つぶれかけの会社をまかされる P.190)


真子:そ、そーなのよ!

勝 :真子に対して「勉強になった」って言えるなんてホントすげー
   わ。尊敬するよ。

真子:う……そんな言い方しないでよー。

勝 :組織で役職が上がっていくとお客様から遠くなりがち。そうす
   ると、むしろお客様が見えなくなる。

望 :毎日お客様と接している現場の方が、お客様が見えてる……

真子:だから、役職の上の人こそ「本当にそうか?」と自問しないと
   いけない、っていうのは、ツライなあ……

勝 :別に自分の考えを部下に押しつけてもいいけど、売れなくて困
   るのは社長だぞ。

真子:う……ま、まあ、そうだよね……

恵利:あと、パソコンでコスメ買う人は、どんな人、っていうのも、
   確かに勝手に「若い人」って思い込んじゃう。

望 :実際には50代女性の方、なんだよね……ホント意外。

恵利:だから、ちゃんと検証しないといけないよね。

真子:ねーねー、でもさー、そういう「事実」だけに基づいた考え方
   って、「つまんないアイディア」しか出ないんじゃないの?

勝 :っていうところで前回終わったんだよな。何でそう思う?

真子:だって、当たり前の考え方しか出ないでしょ?

勝 :オマエさあ……今回のテーマは何だ?

真子:「常識を疑え」

勝 :だから常識破りのアイディアが出てくるだろうか。

真子:あ、あれ? そう言われれば……な、なんで? 「事実」を
   「検証」していくんだよね……

望 :真子ちゃん、だからその「事実」が「常識とは違う」っていう
   こともあるんじゃないの?

真子:あ、ああ! なるほどぉ……

勝 :だから、今からそういう話をしていく。



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◆「想定外の使い方」を探そう:ごま油はどう使う?
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勝 :まずはこれから。J─オイルミルズのごま油。


勝が朝食を準備中のテーブルの隙間にノートパソコンを置いて、真子
たちに向ける。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇『「ごま油1本をどのくらいの期間で使い切りますか?」。食用油
 2位のJ─オイルミルズが今年初め、消費者262人を対象に実施
 した調査の結果に、社内で驚きの声があがった。従来タイプの
 150〜200グラム商品で大半を占めた回答は「約100日」。
 目を引いたのは、300グラムの場合も同じ「100日」が35%
 にのぼったことだ』


◇『ごま油は従来、調理の最後に風味付けとして振りかける用途が中
 心だった。それではなぜ、200グラムと同じペースで300グラ
 ムを使い切る人が目立つのか。同社では「料理のレパートリーを増
 やそうと、いため油として利用するケースが増えたから」(油脂開
 発企画室の脇嶋洋介次長)とみる』


◇『J─オイルミルズは従来、ごま油を60%以上使い、ほかの食用
 植物油脂とブレンドした「調合ごま油」を180グラム瓶(実勢価
 格は298円)1種類のみ販売してきた。それが今年8月、定番需
 要の拡大に合わせて、2倍近い容量の340グラム瓶(548円)
 を投入した』『J─オイルミルズはスーパー店頭や自社ホームペー
 ジでメニューの提案を繰り返すなど、地道な環境整備に取り組んで
 いる』


2010/11/12, 日経MJ P.1

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


恵利:えっと、ごま油は、150gでも、300gでも、同じ100
   日で使い切る、っていうことですね。

勝 :正確に言えば、そういう「事実」が明らかになって、「社内で
   驚きの声があがった」っていうこと。

真子:メーカーから見ると、想定外だったわけかー。

望 :その理由が、最後の香り付け、じゃなくて、炒め油として使う
   から、ということですね。

真子:ねー、でもさー、ごま油を炒め物に使う、なんて当たり前じゃ
   ないの?

勝 :当たり前かどうかは知らない。オレはそうしてるけど。で、ポ
   イントはまさにそこ。お客様には当たり前でも……

真子:あ! 売り手には当たり前じゃないんだ!

望 :お客様にとっては当然の「事実」が、売り手には「想定外」だ
   ったんですね……

勝 :だから、「事実」を確認することで、今までしていなかったこ
   とが思いつく。

真子:だから、「事実を知る」ことで、今までに考えなかった打ち手
   が考えられるのかあ……それが「常識外」だから……

恵利:勝さんはごま油をどう使われるんですか?

勝 :オレ? オレは、例えば焼きそばを作るときに使う。

恵利:焼きそば? どのように、ですか?

勝 :まず、麺を炒めるんだよ、じっくりと。5分以上かけて。その
   ときにごま油を使うと、麺がおいしくなる気がする。

望 :それでどうされるんですか?

勝 :麺を炒めたフライパンで野菜と肉を炒める。白菜とかを使えば
   水が出るよな。その水に片栗粉を入れて、とろみをつける。

望 :あ、あんかけ焼きそばですね!

勝 :そうそう。

恵利:すごく本格的ですね。

勝 :ううん、普通に売ってるスーパーの焼きそば。ソースもそれに
   入ってる粉のだぜ。

真子:でも、すっごくおいしいんだよ! 勝さんの焼きそば。

勝 :オマエ、足りない足りないって大騒ぎしてただろうが。あれ、
   3人前だからな。

真子:だ、だって……

勝 :あれさ、ポイントは麺なんだよ。麺をじっくり炒めること。そ
   れで味が全然違う。

望 :真子ちゃん、いいなあ……勝さんの手料理なんて……

勝 :オレは望ちゃんの手料理が食べたいよ。でポイントはそこじゃ
   なくって、ごま油だよ、ごま油。

恵利:あ、だから勝さんみたいな使い方をすることに、ごま油のメー
   カーも気づいてなかった!

望 :あ、なるほど。だったら、それを提案すればいい……「ごま油
   を使っておいしいあんかけ焼きそばを!」

恵利:メニュー提案をやっている、と先ほどの記事にもありますね。

真子:ねーねー、だったら「ごま油を使ったおいしいレシピコンテス
   ト」とかやればいーよね?

勝 :そうだよな。さっきの「使い方が違う」という「事実」に気が
   つくと、打ち手が変わる。何でだ?

真子:だから、社内の「常識」を疑って、新たな「事実」がわかった
   からでしょ?

勝 :そうなんだけど、考え方の「前提」が変わったからだよな。そ
   もそも何をすべきか、っていう「前提」が。

真子:え? 前提って?

恵利:この場合は「ごま油は香り付けに使われる」という暗黙の「前
   提」が社内にあった、ということでしょ。それがなくなった。

勝 :そうそう。さすが恵利ちゃん。

真子:そういうことか。そうか……前提がなくなることで、「タガが
   外れる」のか……だから新しいアイディアが出る。

勝 :「タガが外れる」という言葉の使い方が妙だが、まあそうだ。

望 :売り手にとっては「常識外れ」のアイディアなんですよね。

恵利:でもそれがお客様にとっては「当たり前」のアイディア。

勝 :そうそう。言いたかったのはそういうこと。



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◆中途半端に知っている状態は「思い込み」を招きやすい
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勝 :じゃあ次はコレ。まずは読んで。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇『サン・ホームエンターテインメント(東京・品川)の家庭向け通
 信カラオケサービス「スマカラ」。インターネットを通じて曲を受
 信するスマートフォン(スマホ)などと、手のひらサイズの専用端
 末を組み合わせて使用することで業務用カラオケ機器に近い音質を
 手軽に楽しめるのが特徴だ。月額1200円で歌い放題で、シニア
 層を中心に支持を広げている』


◇『シニアクラブなどが集会場に集まり、毎週のようにカラオケ大会
 を開くケースが多いという。画面の歌詞が見やすいように文字が大
 きくなる機能を追加したこともシニア層の心をつかんだ』


◇『高齢者は昔の演歌ばかり歌うと思っていたが、演歌でも最新曲に
 対する関心が高いことを知った。毎回、同じ曲を歌うことへのため
 らいから熱心に新しい曲に挑戦する人も多く、「練習の成果を披露
 するのが楽しいようだ」とみる。スマカラでは毎月1千曲の新曲を
 配信するようにしている』


2013/02/18 日経MJ P.15

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:へー、スマホでカラオケかー。おもしろーい。

恵利:確かに、高齢者の方はいっつもおんなじ演歌ばっかり歌う、っ
   ていう「イメージ」がありますね。

勝 :それ「イメージ」っていうと美しいけど、「勝手な思い込み」
   だからな。

恵利:あ、た、確かに……

真子:「毎回、同じ曲を歌うことへのためらい」って高齢者の方でも
   あるんだねー。そういうのは、なさそうなイメージだけど……

勝 :だから「イメージ」じゃなくてオマエの勝手な思い込み。確か
   に真子が言いたいことはわからないでもないけど。

真子:でしょでしょぉ? 

望 :でもやっぱり『新しい曲に挑戦』したいというニーズもあるん
   ですね、私たちと同じく。

恵利:これもさきほどの「ごま油」同様、「想定外の使い方」、とい
   うことですよね?

勝 :そう! シニアにも「新曲を披露する場」としてのカラオケ、
   という「使い方」があった。

望 :あ、そしてそれが売り手には「意外」だったわけですね……

勝 :中途半端に知っているのが一番怖い。逆に、外国人とかなら、
   「全く知らない」って素直に思えるよな?

真子:まあそうだよね。でも確かに、シニアとかだと、「何となくイ
   メージ」がついちゃう。

望 :なるほど、その「何となくイメージ」が怖いんだ……本当は、
   「単なる思い込み」かもしれないのに……

勝 :そう。中途半端に知ってると「思い込み」になりやすい。「本
   当は知らない」ということを自分で認めにくいんだな。

恵利:なるほど……全く知らなければ、「知らない」って認められま
   すが……少し知っていると、かえって……

勝 :例えば、男性の女性に対する「思い込み」、女性の男性に対す
   る「思い込み」なんかその典型。

真子:あー確かに! 男性はたくさん食べて、女性はあまり食べない
   みたいなのも「思い込み」だよね。

望 :それは人によるよね。真子みたいに女性でも食べる人もいるし

勝 :女性だってたくさん食べたい人は多いでしょ。カロリーとかを
   きちんと考えるから自制しているだけで、さ。

恵利:ということは、「少し知ってる」は、「全く知らない」と同じ
   あるいはそれ以下と思った方がいいんですね。

勝 :そうだね。だからそれこそ「本当にそうか?」と自問する必要
   があるよな。

望 :この会社は、『演歌でも最新曲に対する関心が高いことを知っ
   た』んですよね、何らかの方法で。それがスゴイですよね。

恵利:だから『スマカラでは毎月1千曲の新曲を配信するようにして
   いる』という打ち手が打てた、といことですね。

真子:そっか、それに気づけば、ちゃんと対応できるんだね。

勝 :「思い込み」で走って、その「思い込み」が外れると当然顧客
   ニーズとズレが生じるだろ?

恵利:だから、「本当にそうか?」なんですね。



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◆「立証責任」を満たす
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勝 :うん。「良く知っていると思っていることでも、「本当にそう
   か?」と問う。少し知っていることなら、全く知らないと思う

恵利:その「少し知っている」のが良くない状態ということですね。
   「思い込み」を誘発しやすい……

望 :あ、それで、今朝、自分の常識を疑いながら、自社の戦略とか
   を考えていたんですけど……

勝 :どうしたの?

望 :全然進まなくなっちゃって……何でも疑ってかかると、キリが
   ないですよね……だから、むしろ迷っちゃうんですけど……

勝 :最初に言わなかったっけ? 「証拠」があればそこで「疑う」
   のをやめていい。そうしないとキリがない。

恵利:これですよね。QED。毎回出してますけど。

 Q:疑問 Question   常識などに対して疑問を持つ
 E:検証 Examination その疑問を検証する
 D:発見 Discovery  その検証結果からの学びを考える


望 :あ……なるほど……私が今まで何にも検証してこなかった、と
   いうことなんですね……

勝 :そうなる可能性はあるよな。もちろん疑い出すとキリがないけ
   ど、「これはまあ大丈夫」というレベルまでは検証しないと。

望 :その「これはまあ大丈夫」というのは、どれくらいのレベルの
   「まあ大丈夫」なんでしょうか?

勝 :例えば……そうだ、3つの差別化戦略ってあるでしょ?

望 :あ、はい、手軽軸・商品軸・密着軸、ですよね。

1)手軽軸:早い、安い、便利
2)商品軸:商品・サービスが良い
3)密着軸:個別具体的ニーズに応える


勝 :それで、手軽軸は「低価格で差別化する」よね。その定義上。

望 :はい、勝さんはいつもそうおっしゃってます。

勝 :で、検証してみたことがある。売れたま!の2012年7月
   19日号。

恵利:あ、これって……前にここでやった合宿の時の話ですね?

勝 :そう。このときは確か望ちゃんはいなかった時だな。


望が悲しそうに目を伏せる。


真子:だ、だって……まさか望ちゃんが来たいなんて思ってなかった
   し……ご、ごめんね……

望 :ううん、それはいいんだけど……

勝 :とにかく、検証してみた。


○差別化戦略と価格の関係*

手軽軸 → 一番低価格 (平均を1として、0.88)
・強みを「低価格」としている会社

商品軸 → 一番高価格 (平均を1として、1.04)
・強みを「高品質・こだわりの商品」としている会社

密着軸 → 両者の中間 ((平均を1として、1.00)
・強みを「顧客の確保・客の囲い込み」としている会社


*平成19年全国物価統計調査 2-6 業態,店舗の特徴別平均価格
www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001016501&cycode
27品目をインデックス化して、平均を計算した。



望 :なるほど、確かに手軽軸が一番低価格、なんですね。

勝 :そういうデータもある、ってこと。「強みを低価格としている
   会社」の価格が一番低価格なのは、論理的にも自然だし……

恵利:数値としても、そうなっている……逆に、商品軸は、一番高価
   格になってますよね。

望 :なるほど、論理的に自然で、数値も実際そうなっている……こ
   のレベルまで「検証」すればいいんですね。

勝 :少なくとも「立証責任」は満たしてるよね。誰かに「それは本
   当か?」と問われたら、「本当です」と言える。

真子:「立証責任」って?

勝 :「本当か?」って言われたときに、「確からしい証拠」を出す
   責任。

真子:??

勝 :ここまでのデータがあれば、「いや、そんなことはない」と反
   論する側に「立証責任」が移る。

真子:うーんと……???

勝 :だから、何回も言うけど「それは本当か?」と問われて、「本
   当です」と言える根拠があればいいってこと。

恵利:さきほどのシニアのカラオケの場合、「高齢者は昔の演歌ばか
   り歌うと思っていた」という、「思っていた」では不十分……

勝 :そういうこと。「オレはそう思う」じゃダメ。「○○%のシニ
   アの方は、こう考えている」というようなデータがあればいい

真子:それ、結構大変じゃん!

勝 :だからそうだってば。例えば、「お客様はこういう味を好む」
   と言う場合でも、その根拠を明示できるようにする。

真子:まあ確かにそうしないと、みんなが「オレはこう思う」って
   言って、収拾つかないね……

望 :でも、発言の度に根拠を求められたら、発言できなくなってし
   まいませんか?

勝 :「検証されてない仮説だ」という認識があればいいよ、別に。
   「オレはこう思う」「イヤ思わない」だと単なる水掛け論。

望 :なるほど、「私はこう思うけど、根拠は無いから調べよう」な
   らいいんですね。それなら水掛け論になりません。

勝 :そういうこと。むしろそれは議論を深めるよね。組織としての
   「知」も増えていくし。

恵利:まさにQEDですよね。「検証しよう」という……

勝 :そう。今言っていることに根拠があるのかないのか、自覚して
   おこう、っていうこと。

真子:根拠が無い、って自覚していれば、次に「検証しよう」って考
   えやすいっていうこと?

勝 :そうそう。それで根拠を探して、「新たな事実」が見つかれば
   「新たな発想」「新たな打ち手」ができるだろ?

真子:そっか、だから「新しいアイディア」がむしろ出るんだ……



真子が納得したように言ったとき、オーナーが朝食を運んできた。


「お待たせしましたー。朝食です」

「きゃああー、来た来た来たあああああああ!」
「いちいち騒ぐなよ」

「そこまで喜んでいただけると、作りがいもありますね」

オーナーが何度か往復し、真子達のテーブルの上がお皿で埋まってい
く。

メインディッシュには、輪切りのとうもろこし、スクランブルエッグ
にハムとソーセージ。

サラダ皿にはレタス、カボチャ、トマト、キュウリ。

野菜のコンソメスープには大根、ベーコン、キャベツ。

そして、グラスになみなみとつがれた真っ赤な野菜ジュース。


「本日のパンは、白いパンに、キャラメルとくるみのパンです。もち
 ろん焼きたてです。ブルーベリーのジャムもどうぞ」

「いっただきまーす!」

真子がパンにかぶりつく。

「んー、あったかーい。この焼きたて感……いいねー、相変わらず」

「うわ、このトウモロコシ、甘い!」
「甘いしジューシーですよね。さすが本場ですね」


勝が野菜ジュースを一気に飲み干した。

「ふう……トマトにセロリ、かな。甘いのは何だろう……」

恵利も野菜ジュースを一口飲む。

「はい、トマトにセロリ、それにリンゴにオレンジ、ですかね……」
「へえ、恵利ちゃんさすがわかるんだ。オーナーに聞いてみよう」

オーナーがポットに入ったコーヒーを持ってくると、すかさず勝がオ
ーナーに尋ねる。

「はい、今日の野菜ジュースはトマトですね。あとはセロリ、リンゴ
にオレンジ、それにホウレンソウです」

「恵利ちゃん当たったじゃん。さすが」
「でもホウレンソウはわかりませんでした……


はしゃぎながら食べている一同のところに、パンを抱えたオーナーが
やってくる。

「パンのおかわりはいかがですか?」

「オレいただきます」
「私も私も!」 勝に真子が続く。

「パン、あったかくってほくほくしてます! おいしい!」
「それは同意する」



キーンコーンカーンコーン カーンコーンキーンコーン

学校のチャイムのような音が響き渡る。館内ではなく、外からだ。

ふと時計を見ると、12時丁度。

大分暑くなって来たように感じるのは、この合宿も白熱してきたから
だろうか。


(次号に続きます)



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◆今日のまとめ
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●「想定外の使い方」を探し、きちんと手を打とう!


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▼今日の日記▲

最近、おやつにコーヒーゼリーを食べることが多いです。

自分で作るのと、勝ってくるのと、半々くらいです。

で、いつも食べてるコーヒーゼリーのとなりに、同じ容器で「紅茶ゼ
リー」というのがありました。

「紅茶ゼリー? あまりおいしくなさそうだけど……」(失礼)と
思いながら、興味半分も含めて、買ってみました。

食べてみると……おいしいじゃないですか! むしろコーヒーゼリー
よりおいしいかも!

ゼリーにかかっているクリームソースが紅茶のゼリーと混じって、ミ
ルクティーみたいな感じで、絶妙。あっという間に食べ終わってしま
いました。

で、気づきました。「紅茶」っていうと、ちょっと渋い感じがするけ
ど「ミルクティー」というとそういう感じがしないことに。

だから「紅茶ゼリー」じゃなくて「ロイヤルミルクティーゼリー」と
かにした方が、一消費者として、手に取りやすいというか、おいしそ
うな感じがする、と思った次第でした。

紅茶ゼリーという発想は自分には全然なかったので、今度作ってみた
いと思います。


今週末は、「プロフェッショナルのためのマーケティングセミナー」
です。

初開催(かつ最後かもしれません)ということもあり、私もとても楽
しみです。



●今日のiPod Tune:夏に似合うホットな歌 2014

夏休み!

ということで、恒例のこのシリーズ!


そろそろ夏も終わり。海も誰もいなくなってしまったかも……

ということで、今日の曲は……


○17才 by 森高千里


1989年、彼女の初めてのオリコン10位以内ランキング曲。森高
千里の名を世に知らしめた曲、と言えそうです。

原曲はもちろん南沙織さん。ちなみに森高さんは当時20才だったは
ずです……

夏! 海! という元気の良い曲。

元気な曲で、暑い夏をしめましょう!



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◆次号予告:夏休み特別号:常識を疑え! 6
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●次回も引き続き、「想定外」の事例を見ていきます!


▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!

▼彼氏・彼女・家族との、知的な話題づくりに!

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!


売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……

〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
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