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2014年4月7日月曜日

売れたま!特別編Vol.281 2014/04/07 春休み特別号:経営名言集 3

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
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━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.281(累計1109) 2014/04/07
購読者:30,158 (まぐまぐ:16,498 メルマ!:949 めろんぱん:12,711)

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 ■■■■■■__春休み特別号:経営名言集 3__■■■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●自分とお客様は違う存在と認識した上で、お客様を絞ろう!


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◆春休み特別号 経営名言集!
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明日から新年度! 気分も新たに、あの本の登場人物たちも大騒ぎ!


「新人OL〜シリーズ」の登場人物
・売多真子:イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」社長
・売多勝 :売多真子の親戚 コンサルティング会社経営
・上原望 :売多真子の同僚「そーれ・しちりあーの」役員

「経営戦略虎の巻 CD」付属小説の登場人物
・松井恵利:売多真子の友人 果物ジュース・ケーキショップ店長


○入門書:「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」佐藤義典
http://ow.ly/qBY9o
売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!

○戦略書:「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典
http://ow.ly/6s63d
真子が社長になり競合と戦う戦略構築〜実行プロセスを、物語で体感



●経営名言集! 「脳みそへの刺激」にどうぞ。

今回は、今までとは毛色を変えて、「名言」の紹介です。

経営者とは限らず、スポーツ選手、相場師など、幅広いところから、

「おお、なるほどなあ……」
「うんうん、そうだそうだ」

と私が思ったものをどんどんご紹介していきます。


登場人物たちが勝手なことを言いますが、その「名言」の持つ意味を
ぜひご自身でお考えになられてみてください。


このシリーズはどのくらいの長さになるかは、現時点ではわかりませ
んが、10回以内で終わると思います。


今日が3回目です。


第1回目はこちらからどうぞ↓

http://archive.mag2.com/0000111700/20140331223000000.html



●ここまでのあらすじ

イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」の社長「売多真子」
(うれた・まこ)と役員「上原望」(うえはら・のぞみ)、真子の友
人「松井恵利」(まつい・えり)は、真子の親戚にしてコンサルタン
トの「売多勝」(うれた・まさる)と勉強会を兼ねたスキー旅行。

3月のある平日、4人は北海道のスキー場へと飛び立つ。

飛行機の中で講義が始まり、スキーを楽しんだ後も……



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◆まずは前号の復習から!
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4人は、スキーを終えた後、ホテルの館内見学に出かけた。北海道で
も屈指の大きさを誇るこのリゾートスキー場には、館内には様々な娯
楽・飲食施設がある。


「わあ、メリーゴーランドがある!」
「館内にメリーゴーランドがあるホテルなんか、そうないよな」
「ね、乗ろう、乗ろう!」
「オレはいいからな。3人で乗ってきたら?」
「うん、ね、勝さん、写真撮って!」

音楽とともに、メリーゴーランドが回り出す。子供に混じって大騒ぎ
する真子、望、恵利の3人。

「きゃー、ホントにこれ動くんだ!」
「きゃーははは、わー、回る回るぅ……」


「わー、楽しかったねー」
「ほら、カメラ返すぞ、真子」
「ありがと。ねー、撮れた?」
「撮れたけど……妙齢の3人がメリーゴーランドではしゃぐのは…」
「カワイイでしょ?」
「いやあ、シュールというか、なんというか……」
「何それ、しっつれーなんだから!」

「ね、おみやげ屋さんもいっぱいあるねー。ね、ここ入ろ?」
「うん!」
「わ、なんかヨーロッパの小物屋さんみたい!」
「きゃ、かっわいーい」
「いつも思うんだけど、この店、売れるのかな……」
「そーゆーこと言わないの」
「だって、真子たちだって結局買わないんだろ?」
「そ、そーだけどさ、雰囲気出るからいーじゃん」

「あ、もうこんな時間だぜ。メシ行こうぜ、メシ」
「あ、ホントだ!」


4人は、バイキングのレストランに入り、4人席を確保する。まだ時
間が早いからか、平日だからか、空席が目立つ。早速4人は、食べ物
をめいめい取りに行く。

「わあ、色々あるねー。いくら、カニ、お寿司……」
「石狩鍋なんていうのもあるんだねー。おいしそう」


「勝さんのイクラ丼、超大盛りだねー、きゃははは」
「まあたまにはいいよな。今日は運動したし」
「じゃあ、いっただきまーす!」

「よし、じゃあ、食べながらでいいからやるぞ」
「あーあ、やっぱりそうなのか……」
「あーあ、じゃないでしょ。すっごく有り難いじゃない」
「真子ちゃんはいつも勝さんの近くにいるからわからないのよ」
「いやいや、望ちゃんが望むなら、いつも望ちゃんの近くにいるよ」
「ほ、ホントですか?」
「な、なに言ってるのよ、このオヤジが……」


既にノートを取り出している恵利が真子を遮った。

「はい、では前号の復習から行きますね」


恵利:前号の名言集のテーマは「お客様の立場に立つ」、でしたね。

勝 :そうそう。

恵利:やっぱり、この言葉、いいですよねぇ……


○「私はテレビカメラに向かい、物ではなく、心を売っている。それ
は商品の便利さではなく、人を幸せにするツールとしての魅力だ」

株式会社ジャパネットたかた 高田明社長
SankeiBiz
www.sankeibiz.jp/business/news/130307/bsg1303070501000-n3.htm


望 :うん。あと、これも。


○「自己満足の芸術品」

株式会社ファンケル 池森賢二会長
2013/05/24 日経MJ P.1


望 :ホント、そうならないように気をつけようと思った。

真子:私はこれだな。


○「魚を売る側が努力をすれば、魚離れなんて起きない」

角上魚類株式会社 柳下浩三社長
2011/02/23, 日経MJ P.3


真子:結局は、売る側の努力の問題なんだよね……

恵利:それでシメがこれ、ですよね。


○「お客様を見続ける。それ以外に道はない」

株式会社セブン&アイ・ホールディングス 鈴木敏文会長
2013/11/20 日経MJ P.5


望 :お客様を見続ける。それ以外に道はない。私も頑張ろうっと。



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◆「自分が好きなものと売れるものは違います」
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勝 :じゃあさ、今回もどんどん行くぞ。次の言葉はコレ。


食事の皿が所狭しと並ぶテーブルの上に強引にスペースを作り、勝が
ノートパソコンを真子たち3人に見せる。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

株式会社しまむら 野中正人社長


◇『──SPA(製造小売り)のように自ら商品企画はしないのです
 か』

◇『「色々な勉強はいい商品を選ぶ能力を磨くためで、商品を作るた
 めのものではありません。自らものづくりを始めて企画をゼロから
 考え出すと、どうしても自分の色が強くなる。でも、自分が好きな
 ものと売れるものは違います」』


2010/06/28, 日経MJ P.3

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:「自分が好きなものと売れるものは違います」って、当たり前
   に聞こえるけど……

望 :ぜ、全然、当たり前じゃないわよ!

真子:わ、わかってるよ、当たり前じゃないよね、って続けようとし
   たのにー。

望 :あ、ご、ごめんなさい……つい……

真子:望ちゃん、どうしたの?

望 :ううん、ほら、私だったら食べたいな、と思うメニューを出し
   ても、全然売れなかったりするじゃない? それが……

真子:あー、そーだねー。

勝 :これ、すっごい重要。入門〜初級レベルは、「自分が欲しいも
   のを作る」でもいいけど、それ以上のレベルはそれじゃダメ。

恵利:自分とお客様が同じとは限らない、ということですよね。

真子:っていうか、自分とお客様は違うよね。自分が欲しいものを作
   って売れたら、誰も苦労しないよね。

勝 :そういうこと。それを明示的に意識することがすごい重要。

真子:でもさー、今のうちの会社に限って言えば、望ちゃんとか私の
   ニーズと、お客様のニーズが結構近いよね?

勝 :今だけだ、と意識していればいい。今は「顧客と自分のニー
   ズ」が近くても、10年後は……

望 :10年後は……私たち、10年、年をとっちゃうから……

勝 :そう、「自分が好きなものと売れるものは違う」ってなるぞ。

望 :はい、今でも、もうなってますので……

勝 :自分のニーズと顧客ニーズが「偶然」一緒のときは、「自分が
   欲しいもの」が売れるけど、違ってくると全部外すぞ。

望 :はい、最近それを感じてて……自分の好みとお客様の好みが、
   違ってきてるのかなあ、と……

勝 :でも、それが意識できていれば大丈夫だよ。自分の欲しいもの
   が売れないなら、お客様の欲しいものを作るしかないから。

望 :はい、だからお客様に確認したり、調査することが大切なんで
   すよね。

勝 :あのさ、日本人と外国人は、好みが違う、っていうのは直感的
   にわかるよな?

望 :はい、日本のイタリアンレストランも、かなり日本人向けの味
   にアレンジしていると思いますよ。

勝 :でさ、その「外国人の好み」を自分の好みと同じ基準で判断し
   ていいと思う?

望 :いえ、それは好みが違うので……

勝 :だよな。「お客様は外国人だ」って思えばいいんだよ。そうす
   れば、自分の好みだけで判断できない、って思えるでしょ?

望 :な、なるほど……「お客様は外国人と思え」、ですか……これ
   も名言かもしれないですね。



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◆「気に入らないんですけど、黙って下を向いているしかない」
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望 :でも、なんかちょっとツライですよね。自分が好きではないも
   のが、お客様に好まれる、というのは……

勝 :そうだよな。だから……


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

株式会社大創産業 矢野博丈社長


◇『「100円ショップは今どこにでもあります。全国にでき、もは
 や必需品を目的買いする店になった。だから、どこに何が置いてあ
 るか目立つようにした店が求められる。以前のように宝物探しを楽
 しみ、じっくり買い物するお客さんは減ってきた』


◇『「多様な商品を並べるから楽しいという、これまでの自分の考え
 方が全面否定され、正直言って気に入らないんですけど、その方が
 いいというお客さんが増えているのだから、黙って下を向いている
 しかないですね」』


2011/03/07, 日経MJ P.3

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


望 :あ、これあのダイソーの社長さんですよね。

恵利:ダイソーの社長さんでも、「自分の考え方が全面否定され」ち
   ゃうんですね……

真子:「黙って下を向いているしかない」なんてさー、ちょっとカワ
   イイなーとか思っちゃった。

望 :真子ちゃん、失礼よ。でもやっぱり悔しいんでしょうね。

勝 :まあ、お客様にとっては、社長の考えなんかはどうでもいいこ
   とだからな……自分の欲しいものがあるかどうかだけで、さ。

真子:それ、アタマではわかるんだけどねぇ……

勝 :そう、これが「名言」なのは、「気に入らない」っていう自分
   の感情を理解した上で「お客様が欲しい」を優先させている点

真子:っていうのは?

勝 :商品開発とかでよくあるのは、担当者が社長に提案したときに
   「そんなの売れない」って却下すること。

真子:だって、却下するのは社長の仕事じゃん。「やらないことを決
   めるのは社長の仕事」って勝さん、よく言ってるよ?

勝 :もちろんそうだ。ただ、その却下する理由が問題。

真子:え?

勝 :「お客様のニーズ」はそうではないから却下なのか、「オレが
   気に入らないから却下」なのか、混同している場合がある。

真子:きゃははは、混同してないよー。

勝 :本当にそうだ、となぜ言い切れる? 決めるときに、自分の感
   情の動きを本当に理解しているのか?

真子:そ、それは……

望 :ええっと……「無意識のうちに」自分が気に入らないから反対
   しているかもしれない、ということですか?

勝 :そう。理論的に却下するのはもちろん良い。でも「無意識に」
   自分が欲しくないとか、そういう理由で却下するのはダメ

恵利:あ、そういう意味で、自分が「気に入らないけど」という感情
   を持っていることを理解することが大切なんですね。

真子:あー、そういうことか。そういう感情を自分は持っている、と
   矢野社長が意識されていることを表しているから、名言なんだ

勝 :そうそう。自分の感情を率直に捉えた上で、「自分の感情より
   もお客様の意見が優先」と決断してる。

望 :なるほど……なかなかここまで率直に言えないですよね……

恵利:それに、きちんと自分の感情を言語化できていますよね。

勝 :こういう、ちょっとした一言に、自分が「無意識のうちに前提
   としている考え方」が現れるんだよ。

真子:へー、勝さん、意外に深く読んでるじゃん! すごーい!

勝 :オマエ帰っていいよ。オマエのそういう「ちょっとした一言」
   に、オレに対する敬意の欠如が明確に現れてるよな。

真子:……そ、そんなことないもん。



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◆「すべてのお客様を満足させるのは難しいです」
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勝 :でもさ、ひとくちにお客様と言っても、色々いるよな?

恵利:はい、というか、「自分以外」の人はもう無限です。

勝 :だからこうなる。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

株式会社ジャパネットたかた 高田明社長


◇『まず、一番大事なのは、誰に売りたいか、だ』

◇『タブレット端末は若者の商品というイメージがあるが、我が社の
 場合は購入者の8割が50歳以上。逆に、放送で「若い人は買わな
 くていいですよ」と宣言して、70歳でお使いの方の映像を流す』
 『「これを使えば、画像で世界遺産巡りや、お孫さんとのテレビ電
 話ができますよ」──。そんな伝え方をすると、消費が起こる』


2014/01/17 日経MJ P.4

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


望 :「一番大事なのは、誰に売りたいか」、確かにそうですよね。

恵利:あ、今回のテーマ、わかりました。「顧客ターゲット」とか、
   「セグメンテーション」、ですね。

勝 :正解! 前回がベネフィット、今回はセグメンテーション。

望 :なるほど、「自分と顧客は違う」、という前提があって、次に
   「だったら誰をターゲットにするか」ということですね。

真子:なんだ、勝さん、「出たとこ勝負」なんて言いながら、結構考
   えてるじゃん。

勝 :さすがにそれくらいはな。

真子:「若い人は買わなくていいですよ」って、テレビで言えちゃう
   っていうのがスゴイよね。若い人も見てるかもしれないのに。

勝 :そうそう。あるお客様を狙う、っていうことは、他のお客様は
   諦める、ってことだからな。

真子:それがなかなかできないんだよねー。つい、こっちのお客様も
   あっちのお客様も、ってなっちゃう。

勝 :だから「誰に売りたいか」って話だよな。というのも……



−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

株式会社スーパーホテル 山本梁介会長


◇『「すべてのお客様を満足させるのは難しいです。そこでビジネス
 で頻繁に出張される人たちを主力顧客層にしています」』


2010/09/27, 日経MJ P.3

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:「すべてのお客様を満足させるのは難しい」か……これも当た
   り前だけど、当たり前じゃないよね。

恵利:全員には売れない、ということですよね。

勝 :だからさっきの「一番大事なのは、誰に売りたいか」っていう
   高田社長の名言を考える必要がある、ということだな。

望 :なるほど、この2つの名言はセットなんですよね。



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◆「グローバルな消費者はいない」
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勝 :さらに言えば、こういう話になる。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

Paul Bulcke, Nestle CEO ネスレ ポール・ブルケCEO

「グローバルな消費者はいない」


2012-07-07 NHK Bizプラス 23:35-50

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:これ、どういう意味? ネスレ、ってネスカフェのネスレ?

勝 :そうそう。だからさ、よく「グローバル消費者」とかいう言葉
   が使われるけど、そんな消費者はいない、ってこと。

真子:??

勝 :例えばコーヒーで言えばさ、オレの好みの味、真子の好みの味
   があるわけで「グローバルな味」なんかないってことだ。

真子:当たり前じゃん。

勝 :どう当たり前なんだ?

真子:だからグローバルな味なんかないんでしょ? 好みなんて、人
   によって違うじゃん。だからそれに合わせないと。

勝 :そうか、君たち3人は食品ビジネスだから、直感的にわかりや
   すいんだな。多くのメーカーはそういう発想にならない。

望 :そうなんですね……

勝 :日本の中でも、西と東で味が違うだろ。有名なのがカップうど
   んの色だよな。東は真っ黒で、西は薄い、とか。

恵利:そ、そうなんですか?

勝 :そうみたいだぜ。少なくとも、オレが関西に住んでたときはそ
   うだった。

恵利:へー、そうなんですか……

勝 :テレビの発言だから正確じゃないけど「味はローカルなもの。
   それに合わせるのがネスレの強み」ってこの方は言ってた。

真子:ネスレって、グローバルな企業の代表格だよね? そういう会
   社のCEOがこういうことおっしゃるって面白いね。

勝 :ネスレは食品メーカーとしては世界最大だけど、味はローカル
   だ、って考えたからグローバルになれたのかもしれないな。

真子:そっか、そういう考え方もあるか。

勝 :どんな市場も1人1人の顧客の集まり。お客様を「面」じゃな
   くて「点」で捉える。

望 :ええっと……「点の集合としての面」ということですか?

勝 :そうそう。多分「市場」のイメージは、みんな無意識に「面」
   のイメージを持ってると思う。違うか?

恵利:そ、そう言われてみれば……確かにそうです。

勝 :そのイメージは「マスマーケティングの発想」。

真子:ダメなの?

勝 :ダメじゃないけど、粗っぽいマーケティングになって、顧客ニ
   ーズを捉えにくくなる。

真子:お客様を「点」で捉えると、どうなるの?

勝 :1人1人のニーズに合わせよう、という発想になるし、お客様
   と自分のニーズが違う、ということもわかりやすくなる。

恵利:あ、なるほど、自分も「点の1つ」でしかないからですね。

勝 :うん。「グローバルな消費者はいない」っていうのは、そうい
   う考え方を前提としているように思える。

望 :「グローバルな消費者はいない」という一言に、深い意味があ
   るんですね。

勝 :色々な考え方の帰結として、「グローバルな消費者はいない」
   という一言に行き着いたんじゃないか?

恵利:「ちょっとした一言に、自分が「無意識のうちに前提としてい
   る考え方」が現れる」というさっきの勝さんの言葉ですね。

勝 :それそれ。ネスレのグローバルの売上は922億スイスフラ
   ン*、ざっくり10兆円だけど……


*2013年、ネスレHP www.nestle.com/aboutus/keyfigures


真子:うわ、10兆円かあ……

勝 :その10兆円は、オレらが買う何百円のネスカフェ1個1個の
   集まり、ってことだ。

恵利:なるほど……各国1人1人のお客様のニーズの集合が10兆円
   の売上なんですね。

勝 :そう。この考え方を敷衍していくとどうなるかっていうと……

真子:どうなるの?

勝 :「シニア」っていう消費者とか、「20代女性」っていう消費
   者はいない、ってことになる。

真子:あ! 勝さんがいつも言ってるアレかあ……

勝 :そう。面は点の集まりだから、「シニア」とか「20代」とか
   そういう定義はありえない。シニアって言っても色々だろ。

恵利:1人1人のニーズを見る、ということですよね。



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◆顧客数を増やせば儲かりそうだが「そうはなっていませんよね」
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勝 :こういう話をすると、「そうすると市場が小さくて儲かりませ
   ん」って言われるんだよなあ……

恵利:厳密に言えば、小さくはしてませんよね? 顧客を点として捉
   えようとおっしゃってるわけで……

望 :実際、世界最大の食品メーカーがそういう考え方だしね……

勝 :顧客層を広げれば売上が上がる、という前提がまず疑問だけど
   それはここではヨコに置いとく。

真子:それで?

勝 :顧客数を広げても、「儲かる」とは限らない。つまり売上じゃ
   なくて、利益の話。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

株式会社一休 森正文社長


◇『──上場会社として成長も期待されています。幅広く消費者を取
 り込むべきではないですか』
 

◇『「マスを相手にしているスーパーやコンビニエンスストアなどの
 流通業界を見ていると、最後は競合との資本と資本のぶつかり合い
 になっています。たくさんの顧客を取り込めばもうかるように思い
 がちですがそうはなっていませんよね」』


2014/03/17 日経MJ P.3

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


望 :なるほど……「幅広く消費者を取り込」んだとしても、儲かる
   とは限らないというわけですね。

勝 :これさ、本質を突いてると思う。「顧客層を広げて市場を広げ
   よう」って言う場合、「それは本当に儲かるのか」と。

真子:実際には儲かってはいない、ということか……。

勝 :一休は、富裕層に特化してるから、儲かってるわけだな。

真子:一休って、そんなに儲かってるの?

勝 :数字を見てみるか。大手旅行代理店と比べてみようぜ。

       営業利益    従業員数  1人当たり営業利益
       (百万円)    (人)       (万円)
一休    1,627     130      1,252
JTB  15,369  25,516         60
近ツー   2,344   6,119         38


○一休

総従業員数(2013年9月30日現在) 同社HP
www.ikyu.co.jp/about/

営業利益(2013年3月期) 同社有価証券報告書
pdf.irpocket.com/C2450/qnwX/ABFm/pnMw.pdf


○JTB

従業員数 25,516(2013年3月31日)
http://www.jtbcorp.jp/jp/company/profile/

営業利益(2013年3月期) 同社決算概要
http://www.jtbcorp.jp/jp/company/pdf/accounts_report2013.pdf


○近ツー(KNT−CTホールディングス株式会社)

従業員数(2012年12月期) 同社有価証券報告書
www.kntcthd.co.jp/ir/shiryou/pdf/securities/
h25_76_4_houkoku.pdf


営業利益(2012年12月期) 同社HP
www.kntcthd.co.jp/ir/shiryou/highlight.html


恵利:え……? 1人当たり営業利益が何十倍って違うんですか?

真子:ねー、これ、数字間違ってないよね?

勝 :オレもケタ間違ってないかと思ったけど、多分合ってる。この
   数字を見て、一休に「規模拡大しろ」とはまさか言わんだろ。

望 :1人当たり1千万円以上の営業利益……すごいなー、

勝 :ちなみにトヨタも超高収益企業だけど、1人当たり営業利益は
   約405万円*。一休はその3倍以上、だな。


○トヨタ*

営業利益(2013年3月期) 13210億円
同社HP
www.toyota.co.jp/jpn/investors/financial/high-light.html

従業員数(2012年3月31日時点) 325,905人 
同社HP
www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/data/
company_information/personnel/employee/


*従業員数と営業利益の年度が違いますが、2013年3月期に営業
 利益が急伸しているため、そちらに合わせました。



真子:トヨタも儲かってるけど、一休はその3倍かあ……

勝 :真子は旅行代理店にいたからわかるだろ。手数料ビジネスで利
   幅が薄い旅行ビジネスで、一休のこの数字はすごいぞ。

真子:確かにねえ……

望 :顧客を広げても儲からないのは、なぜですか?

勝 :単純。顧客を広げようとすると「儲からないお客様」を取る必
   要が出てくるし、「競合」が増えるから。

望 :な、なるほど……競争が激しくなるから、価格競争も起きる、
   ということですね……

勝 :上場すると、こういう「成長しなきゃ」っていうプレッシャー
   が株主様たちからかかるんだけどさ……

真子:それで顧客層を広げると、かえって儲からなくなるのか……

勝 :統計はとってないけど、売上の成長が利益の成長につながると
   は限らない、とは言えそうだぞ。

真子:そうだねぇ……



「大体さ、ほら、見てみろよ。このテーブル」
「何を?」
「オレはともかく、君ら3人でも、取ってる料理が違うだろ。全然好
 みが違うんだよ。同い年の女性でも」

「あ、た、確かに……私たち、同じ年の女性でも、全然違う……」
「真子はいつも肉ばっかだよねー」
「な、何よ、悪い?」
「別に悪くないだろ。違う、って言ってるだけだ」
「真子ちゃんは、食べ物という意味では、勝さんに近いね」
「不本意だが、この4人の中で分ける限り、まあそうなるな」
「勝さん、コレステロール高いのにさあ、これは無いよ」
「今そんな話はしてねーだろ」

「バイキングって面白いですよね。食べ物のニーズが全然違う人を、
 こうやって取り込めるわけですから」
「逆に言えば、そういうニーズに応えてる、とも言える。食べるもの
 が違うと店選びに困る、っていうニーズに」
「なるほど……じゃあ2回目を取りに行こうっと」
「そうだな。せっかくだから食うか」
「じゃ、デザートは私が適当に取ってくるよ。みんなが何回も行くの
 面倒でしょ?」
「真子が食べる分の4倍、っていう計算はするなよ。余るからな」
「どうせ、勝さんが食べるからいーよ、きゃははは」


(次号に続きます)



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◆今日のまとめ
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●自分とお客様は違う存在と認識した上で、お客様を絞ろう! 市場
 は「面」ではなく「点の集合」と捉えよう。


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ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。


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▼今日の日記▲

先日、某所でBASiCSをキャリアに活かす、という講演をさせて
いただきました。

「白いネコは何をくれた?」は、キャリア戦略とマーケティング戦略
をらせん状に組み合わせたストーリー展開になっているわけですが、
ふと気づいたのが、

「サービス業のマーケティング戦略」



「キャリア戦略」

は、極めて近いというか、ほぼ同じと言っていいくらいの共通性を持
つことです。

両方とも、「スキル」「能力」「人」を売る、という意味で同じなん
ですよね。


「キャリア戦略」も、雇用主たる会社に「自分」という「サービス」
をどう売るか、ですよね。その場合の「自分」の経営者「自分」で
す。自分は自分の経営者です。すると、「自分の経営戦略」が必要に
なります。

自分のキャリア戦略とは自分の「経営戦略」ですから、もともと「経
営戦略」フレームワークとして作られたBASiCSがそのまま使え
るのは、当たり前なんですよね。


ということで、今更ながらに「経営戦略」のフレームワークとしての
BASiCSの汎用性の高さを再認識いたしました。



●今日のiPod Tune:春だ! 旅に出よう! 旅の歌

春だ! 休みだ! 連休だ! 休みには旅に出よう!

ということで、「旅の歌」シリーズ、開催!

旅に行く目的地は色々あれど、東に行く列車を使う人も多いでしょう
ね……

というわけで、今日の曲は


○木綿のハンカチーフ by 太田裕美


1975年、年末のリリース、1976年の大ヒット曲。この曲で紅
白出場も果たし、太田さんにとっても代表曲となりました。

作詞・松本隆さん、作曲・筒美京平さんのゴールデンコンビ。

歌詞が、男女間のメッセージのやりとりという、革新的な構造になっ
ています。そして、その間の時間の経過がよくわかる名曲。数分間の
間に凝縮された恋愛の結末。

アップテンポな曲ですが、別れを伴う旅の哀しい歌詞。じっくり味わ
いたい名曲♪



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 次号は、東山紀之さんや築地銀だこの創業者さんなどの名言!


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