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━━━━━━━━━━━━━━戦略編Vol.293(累計1094) 2014/02/13
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■■■__都知事選に学ぶ「顧客の意思決定プロセス」__■■■
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◆選挙は格好の「意思決定プロセス」の材料
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●マーケティングも選挙も同じ「顧客の選択」
今回は、申し訳ありませんが、予定を突然変更してお送りします。
2月9日に行われた2014年東京都知事選のニュースを見ながら、
「これはマーケティングにそのまま使える」
と思いましたので、「都知事選に学ぶ顧客の意思決定プロセス」とい
う内容でお送りします。
マーケティングは「顧客の複数の選択肢の中から、自社を選んでもら
う」ことです。
選挙も「有権者の複数の選択肢の中から、自分に投票してもらう」こ
とです。
通常は、選ぶものは「1つ」「1人」ですから、その意味でも共通し
ています。
つまり、マーケティングと選挙は、「顧客(有権者)の意思決定プロ
セス」という意味で、非常に共通点が多いのです。
そこでその「顧客の意思決定プロセス」が子細に分析される「選挙」
というネタを使って、この「顧客の意思決定プロセス」について考え
てみよう、ということです。
なお、ここでは「意思決定プロセス」を論ずるだけであって、候補者
の主義・主張や政策の良し悪しについて触れるつもりはありません。
また、私も都民として投票はしましたが、私の主義・主張もヨコに置
いておきます。
あくまで、「マーケティングを学ぶ材料」として使おうということで
す。
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◆都知事選の結果
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●都知事選の選挙結果
では、まずは選挙の結果から見ていきましょう。
候補者名 投票数 得票率
舛添要一氏 2,112,979票 43.4%
宇都宮健児氏 982,594票 20.2%
細川護熙氏 956,063票 19.6%
田母神俊雄氏 610,865票 12.5%
http://www3.nhk.or.jp/shutoken/senkyo/news/20140209_06.html
得票率は、ビジネスで言うと「シェア」(市場占有率)となるでしょ
う。得票率から言うと、舛添氏の圧勝です。
開票が始まる20時からNHKの選挙特集が始まりましたが、開始と
同時に舛添氏に当確が出ていました。
「開票結果を見る必要なし」というほど差があったわけですね。
立候補者数は16名でしたが、この4名が得票率の96%を占めてい
ます。投票率は46.14%ですので、当選した舛添氏は、全有権者の
20%の支持を得た、ということになります。
ニュースもこの4氏に絞って解説していましたので、この4氏につい
て見ていきましょう。
●まずは、年代別に見てみよう
年代別には、以下のような結果になっています。
舛添 宇都宮 細川 田母神
20代 36% 19% 11% 24%
30代 38% 21% 15% 17%
40代 40% 18% 21% 14%
50代 44% 20% 21% 11%
60代 47% 22% 23% 7%
70代以上 55% 20% 18% 6%
http://www.asahi.com/articles/photo/AS20140209002306.html
当選した舛添氏は、全ての年代において1位となっています。
傾向として、舛添氏は年配者に、田母神氏が若年層の支持を得ている
ということは言えます。
「年代別の分析」からわかることは、年代別の支持率は、2位争いに
は影響を与えたものの、それほど致命的な影響を与えなかった、とい
うことです。
本当は、性別にも見てみたいところです。恐らく性差はありそうです
が、データが見つからなかったので、何とも言えません。
●東京はそれほど高齢化していない
日本は少子高齢化しているから、舛添氏は年配層を狙ったのかと思いき
や、東京は事情が違います。
東京都の年代別人口を総務省統計局のデータから見てみましょう。
「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」からの、
「平成25年3月31日住民基本台帳年齢別人口」です。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103
_&listID=000001112822&requestSender=estat
(2行をつなげてご入力ください)
この数字には外国人が入っているようですので、厳密には「有権者」
ではありませんし、1年前の数字ではありますが、おおよその傾向は
わかると思います。
20代 1,652,427
30代 2,155,968
40代 2,137,375
50代 1,496,001
60代 1,619,504
70代 2,011,851
合計 11,073,126
はい、東京に関しては、高齢者が圧倒的に多いというわけではないん
です。
20〜40代 5,945,770
50代以上 5,127,356
と、50代以上はむしろ少数派です。ちなみに、男女についてはほぼ
同数です。
この意味では「老人福祉」よりは「子育て」の方が票になるのかもし
れませんね。
候補者がこの数字を知らないとは思えないので、あえて50代以上を
狙う、という戦略は「数が多い」という理由では取らないでしょう。
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◆今回の「争点」はどこか?
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●主な争点は「政策」だった都知事選
では、今回の都知事選の「争点」について振り返ってみましょう。
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
「候補者を選んだ理由」を尋ねたところ、「政策・公約」と答えた人
が最も多く50%、次いで「人柄・イメージ」が17%で、「経歴・
実績」が16%、「行政手腕」が5%、「政党・政治家の支援」が
4%でした。
「最も重視した政策は何か」尋ねたところ、「景気・雇用対策」と答
えた人が最も多く、31%でした。
次いで「原発などエネルギー政策」が22%、「医療・福祉の充実」
が21%、「首都直下地震など防災対策」が8%、「教育・子育て支
援」が7%、「東京オリンピックの準備」が4%でした。
このうち最も多かった「景気・雇用対策」と答えた人のうち、60%
余りが、舛添さんに投票したとしています。
一方、宇都宮さんや田母神さん、細川さんに投票したという人は、そ
れぞれ10%前後にとどまりました。
次に多かった「原発などエネルギー政策」と答えた人の投票先は、原
発のない社会の実現を訴えた細川さんが60%余り、宇都宮さんがお
よそ20%と、分かれました。一方、舛添さんはおよそ10%にとど
まりました。
さらに「医療・福祉の充実」と答えた人は、およそ60%が舛添さん
に投票したと答え、次いで宇都宮さんがおよそ30%でした。
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20140209/4919531.html
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
このデータについては、調査した会社によって若干違いがあるようで
すが、今回はこのNHKのデータを使ってみます。
候補者を選んだ理由、とは、候補者の側から見ると「強み」になりま
すね。
BASiCSで「S:強み」の定義は、「お客様が競合ではなく自社
を選ぶ理由」です。
選挙における「S:強み」は、「有権者が他の候補者ではなく自分に
投票する理由」ですから、上記のデータはそのまま「候補者の強み」
の分析になっていることがわかります。
「候補者を選んだ理由」
1位 政策・公約 50%
2位 人柄・イメージ 17%
3位 経歴・実績 16%
4位 行政手腕 5%
5位 政党・政治家の支援 4%
「政党・政治家の支援」は4%しかありませんので、これを額面通り
に受け取ると「支持母体はほぼ無関係」ということになります。
にわかには信じがたいですが(舛添さんの当選に、政党の組織力が影
響しなかったとはとても思えないので)、数字上はそうなります。
つまり、「支持政党」はあまり関係ない、ということですね。
ただ、政党の「政策」に共感するから「支持」しているわけであって
「支持政党」と「政策・公約」はある意味で近しいとも言えます。
また、3位 経歴・実績と、4位 行政手腕は、ほぼ同じ意味に見え
ます。
恐らくこれはシングルアンサーの設問(1つだけを選ぶ選択肢)のよ
うなので、3位と4位をまとめてしまいましょう。
まとめますと、「候補者を選んだ理由」は、
1位 政策・公約 50%
2位 経歴・実績・行政手腕 21%
3位 人柄・イメージ 17%
となります。
これが、今回の有権者の「意思決定基準」ということになります。
「顧客が何を重視して選ぶか」
というのは、決定的に重要な情報です。
BASiCSなどで戦略を立てるときの「C:顧客」のセグメンテー
ションや「S:強み」を作るにあたって、一番重要な情報と言って良
いでしょう。
選挙でありがたいのは、このような情報が公開されて出てくることで
す。通常の商品分析などでは、このような情報・数字はなかなか公開
されませんから。
今回は「政策・公約」が最大の争点になった、という、当たり前と言
えば当たり前の結果でした。
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◆政策での「論点」はどこか?
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●重要な論点で優った舛添氏
では、その最大の争点である「政策・公約」の中身を見ていきましょ
う。
先ほどの記事をまとめてみます。
1)景気・雇用対策 31% → 60%が舛添氏に投票
2)原発などエネルギー政策 22% → 60%が細川氏に投票
3)医療・福祉の充実 21% → 60%が舛添氏に投票
4)首都直下地震など防災対策 8%
5)教育・子育て支援 7%
6)東京オリンピックの準備 4%
となっています。
結論から言うと、舛添氏の勝因の1つがここにありそうです。
「最重要な論点3つにおける、2つを制した」ということです。
この「論点」が「顧客ニーズ」ですね。有権者は何を求めているのか
ということです。
「争点」という言葉は先ほどの「政策・公約」のところで使っていま
すので、ここでは「論点」と表現を変えています。意味としては争点
と同じです。
つまり、「重要な顧客ニーズを訴求せよ」という当たり前と言えば当
たり前の法則が導かれるわけです。
●論点の重要性は変わり得る
細川氏の敗因は、メッセージを「原発に絞った」ことよりも、「原発
が最重要論点にはならなかった」ということでしょう。
これは「都知事選」であって「国政」ではありません。その意味で、
「原発」は、都知事選という「戦場」とは一貫性がなかったと言えそ
うです。
「戦場」と「強み」に一貫性がなかったとも言えますし、「原発」は
最重要な顧客ニーズではなかったとも言えます。
仮に、以下のような論点の重要性になっていたとすると……
1)原発などエネルギー政策 50% → 60%が細川氏に投票
2)景気・雇用対策 25% → 60%が舛添氏に投票
3)医療・福祉の充実 21% → 60%が舛添氏に投票
単純計算で、「政策・公約」という争点において、細川氏が逆転する
ことになります。
個人的な感覚としては、「原発などエネルギー政策」は、本来都知事
選の争点になりえないトピックであるにも関わらず、細川氏が原発に
絞った訴求をしたからこそ、2位の重要争点になったと言えるように
思います。
おそらく細川氏がこの戦略をとらなければ、「原発などエネルギー政
策」はこれほど重要な争点とはならなかったでしょう。
この「争点の優先順位」は、訴求次第で変わりうるわけですが、今回
は「そこまでは変わらなかった」ということでしょう。
都知事選においては、トップでないと意味がないわけですが、ビジネ
スにおいては、2位・3位狙いという戦略は当然ありえます。
その場合に、今回の細川氏の戦略は非常に参考になります。
いわゆる「シングルイシュー」戦略ですね。争点(イシュー)を1つ
に絞り、徹底的に訴求して、そのイシューにおけるナンバーワンを目
指すわけです。
実際、細川氏は原発イシューにおいては60%の得票を得たわけです
から、この手法は、ビジネスにおいては有効かと思います。
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◆もう1つの争点でも、舛添氏が勝利
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●もう1つの争点「経歴・実績・行政手腕」でも舛添氏に
最重要争点である「政策・公約」については、舛添氏が「圧勝」と言
って良い結果となりました。
しかし、争点はそれだけではありません。
1位 政策・公約 50% → 舛添氏勝利
2位 経歴・実績・行政手腕 21% → ここは?
3位 人柄・イメージ 17%
2位の「経歴・実績・行政手腕」についてはどうだったのでしょう
か?
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
◇都知事を選ぶ基準として重視するのは「政策」が最も多く「政治・
行政経験」が続いた。「政策」を挙げた人の投票先は舛添、宇都
宮、細川3氏に分散したが「政治・行政経験」では74%が舛添氏
を選んだ」
2014/02/10 日本経済新聞 朝刊 P.2
−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−
このデータは上記のNHKではなく「共同通信社が実施した出口調
査」です。
違う調査からデータを持ってくるのは若干不本意ではありますが、
NHKの方になかったので、やむを得ません。
争点の重要性において、1位「政策」、2位「政治・行政経験」とい
う意味では同じですので、それほど不整合はなさそうです。
そして、ここにおいても舛添氏が74%と圧勝です。
舛添氏は閣僚経験者ですからそれが評価されたのでしょうね。細川氏
は首相経験者ですが、大分前のことですから。
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◆重要な争点・論点を制した舛添氏
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●重要な争点をことごとく制した舛添氏
選挙結果をまとめましょう。
○都知事選の争点・論点
・争点
1位 政策・公約 50% 舛添氏勝利(下の論点)
2位 経歴・実績・行政手腕 21% 舛添氏勝利(74%)
3位 人柄・イメージ 17%
・論点
1位 景気・雇用対策 31% →60%が舛添氏に投票
2位 原発などエネルギー政策 22% →60%が細川氏に投票
3位 医療・福祉の充実 21% →60%が舛添氏に投票
仮に、有権者が100人いたとすると、得票数はこうなります。
舛添要一氏 43.4人
宇都宮健児氏 20.2人
細川護熙氏 19.6人
田母神俊雄氏 12.5人
「政策・公約」という争点で投票した人は50人います。
1)景気・雇用対策 15.5人→9.3人が舛添氏に投票
2)原発などエネルギー政策 11人→6.6人が細川氏に投票
3)医療・福祉の充実 10.5人→6.3人が舛添氏に投票
4)首都直下地震など防災対策 4人
5)教育・子育て支援 3.5人
6)東京オリンピックの準備 2人
「経歴・実績・行政手腕」という争点で投票した人は21人です。そ
のうちの15.5人(74%)が舛添氏に投票しています。
合計31.1人(9.3+6.3+15.5)が舛添氏に投票してい
ます。この時点で他の候補者の得票数を上回っています。
意外に重要なのが、2位の争点「経歴・実績・行政手腕」であること
がこの計算からわかります。ここでの舛添氏の得票数15.5人が、
1位の争点「政策・公約」での舛添氏の得票数15.6人とほぼ同数
なのです。
実は、隠れた争点というか、舛添氏の「強み」が「経歴・実績・行政
手腕」にあったとも言えます。
これでおわかりですね。
舛添氏の勝因は2つです。
1)最重要争点である「政策・公約」の3つの論点のうち2つを制した
2)2番目の争点である「経歴・実績・行政手腕」で圧勝
ということです。舛添氏は、重要な争点・論点をことごとく制したの
です。
「争点」「論点」とは、有権者が求めるものであり、「顧客ニーズ」
です。
つまり「顧客ニーズに合っていた」から、舛添氏が選ばれた、という
ことです。
この意味で舛添氏に一矢を報いたのは、「シングルイシュー」戦略を
取った細川氏です。
自らを「泡沫候補」と表現した田母神氏が10%を越える得票率を得
られたのも、「防災」などに絞った主張を展開したからだと考えられ
ます。個人的には、田母神氏は大健闘と言えるでしょう。
これがある意味「2位・3位の戦略」とも言えるでしょう。
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◆争点・論点=顧客ニーズ
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●争点・論点=顧客ニーズ
選挙における「争点」「論点」は、マーケティングにおける「顧客ニ
ーズ」です。
争点・論点を数値化した上で、「どこで勝ちに行くのか」を考えよう
ということです。
決定的に重要なポイントが争点・論点の明確化・数値化で、それが今
回非常に参考になるな、と考えたポイントです。
調査などでニーズを調べた上で、どのニーズについて訴求するか、を
考えていく、ということです。
マーケティングにおいては、このような「顧客ニーズの数値化・順位
づけ」が極めて重要になります。
例えば、「洗剤に求めるもの」と言っても色々あります。
・洗浄力
・価格
・香り
・パッケージの使いやすさ
・置き場所を取らないこと
などなどです。お客様は何を求めているのか、というのを数値化し、
順位づけするのは、いわゆる「マーケティングリサーチ」の大きな目
的の1つです。
ここでいう「洗浄力」が、先ほどの「政策・公約」と同じレベルでし
ょう。選挙なら「政策・公約」が重要で当たり前ですし、洗剤なら
「洗浄力」が重要で当たり前でしょう。
そこで、「洗浄力」と言っても、「政策・公約」同様に色々あります
から、さらに分解していくわけですね。
例えばライオンのハイジアは、その「洗浄力」の中でも、「抗菌力」
という新しい「論点」を訴求してヒットしたわけです。
これは今回細川氏がとった戦略と大変似ています。1つの論点を徹底
して訴求し、その論点の「重要度」を高めていくわけです。そして、
その論点においては「自分が勝っている」というメッセージを出して
いくわけですね。
●顧客ニーズを数値化し、順位づけしよう
学ぶべきは、まずこのような論点・争点すなわち「顧客ニーズ」の数
値化と順位づけです。
ここまで繰り返し見てきたように、
顧客ニーズ1 ○○%の顧客が重要視
顧客ニーズ2 ○○%の顧客が重要視
顧客ニーズ3 ○○%の顧客が重要視
顧客ニーズ4 ○○%の顧客が重要視
顧客ニーズ5 ○○%の顧客が重要視
というような情報が必要になります。
この情報が、マーケティングリサーチで一番重要な情報とすら言えま
す。
選挙とマーケティングでは違う点もあります。選挙は1位にならない
と意味がありませんが、マーケティングでは2位でもそれなりの売上
にはつながる、という点です。
このうちのどの「顧客ニーズ」に絞り、そこでどのようなメッセージ
を出すか、を考えていくわけです。
●選んだ顧客ニーズに合った強み・メッセージを作ろう
選ぶ顧客ニーズにより、競合が変わってきます。
選挙においては全ての争点・論点をカバーする必要がありますが、マ
ーケティングにおいては、顧客ニーズを絞った方がむしろ戦いやすい
ということになります。
そしてその「絞った顧客ニーズ」が「B:戦場・競合」となります。
ニーズごとに違う競合がいる、ということです。
顧客ニーズ1 ○○% 競合Aとその強み
顧客ニーズ2 ○○% 競合Bとその強み
顧客ニーズ3 ○○% 競合Aとその強み
顧客ニーズ4 ○○% 競合Cとその強み
顧客ニーズ5 ○○% 競合Dとその強み
このような情報が得られると、戦略が非常に立てやすくなります。
今回の都知事選も「争点・論点により競合が違う」ということになり
ました。
例えば「原発などエネルギー政策」においては細川氏が取りました。
宇都宮氏の敗因の1つは、「福祉」という氏が狙った戦場で舛添氏の
後塵を拝したことでしょう。ここで舛添氏に負けてはいけない論点だ
ったわけで、ここで勝負あり、という感じです。
舛添氏の「私の政治の原点は母親の介護だ」という彼が繰り返して放
ったメッセージが相当有権者に刺さったのでしょうね。
ここで重要なポイントは、
1)顧客ニーズを明確化・数値化する
2)顧客ニーズごとの競合とその強みを明確化する
3)どの顧客ニーズ(=戦場)を選ぶかを決め、そこでの強みを作る
ということです。1)と2)は、市場調査でわかるはずです。
この3つでBASiCSの「C:顧客」「B:戦場・競合」「S:強
み」がカバーされていることがわかると思います。
この理解に基づき都知事選の論点・争点の分析を考えて見ると、マー
ケティングにおけるニーズの考え方がわかりやすく捉えられると思い
ます。
●2軸のポジショニングマップは現実に合わない
さて、マーケティングの本にはよく出てくる「2軸のポジショニング
マップ」というものがあります。
はっきり言うと、「2軸のポジショニングマップ」は、理論上はとも
かく、現実においては使い物になりません。ですので売れたま!でも
取り上げたことはなかったと思います。
例えば、今回の選挙についても、ポジショニングマップは2軸では書
けません。争点・論点が2つだけではないからです。
強いていうなら、
・争点
1位 政策・公約 50% 舛添氏勝利(下の論点)
2位 経歴・実績・行政手腕 21% 舛添氏勝利(74%)
3位 人柄・イメージ 17%
・論点
1位 景気・雇用対策 31% →60%が舛添氏に投票
2位 原発などエネルギー政策 22% →60%が細川氏に投票
3位 医療・福祉の充実 21% →60%が舛添氏に投票
どの争点・論点において、誰が強いか、ということを示す、この表が
ポジショニング(マップ?)ということになります。
争点・論点が3つ以上になった時点で(そして通常は3つ以上になる
でしょう)、2軸のマップは書けないのです。
それを強引に2軸にすることでわかりやすくする場合がないとは言え
ませんが、「切れ味の良い」ものはあまり見たことがありません。そ
の多くが「無意味なお絵描き」になってしまっています。
単に「無意味」なら良いのですが、2軸で表せないものを2軸で表す
ことで重要な情報が失われると、それはもう「有害」にすらなり得ま
す。
ではどうすれば良いかというと、
顧客ニーズ1 ○○% 競合Aとその強み
顧客ニーズ2 ○○% 競合Bとその強み
顧客ニーズ3 ○○% 競合Aとその強み
顧客ニーズ4 ○○% 競合Cとその強み
顧客ニーズ5 ○○% 競合Dとその強み
というようなデータが得られれば良いのです。
これを折れ線グラフで表現しても良いですし、面積グラフで表現して
も構いませんが、2軸で表すことは不可能です。
そしてこれに基づき、BASiCSを考えていけば良いのです。
「ポジショニングマップ」は不要です。BASiCSを考えれば良い
ということです。
あなたも都知事選のように「争点・論点」を明確にしてみませんか?
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◆今日のまとめ
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●顧客ニーズを明確化・数値化した上で、どのニーズを狙うか、その
ために必要な強みは何か、と考えていこう!
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ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。
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▼今日の日記▲
今週、久々にお目にかかった知人の社長と天ぷらをつまみながらのラ
ンチ。「自社の戦場をどこにおくか」という、非常に興味深いお話と
なりました。
ある安定した事業が衰退・価格競争となり始め、儲からなくなってき
たために、色々なビジネスのネタを作っているとのこと。
この社長さんはアイディアマンであるために色々なビジネスを探して
事業化していらっしゃいます。非常にユニークなビジネスモデルもあ
り、伺っていて非常にためになりました。
会社を経営していると、従業員を「食べさせる」必要があるために、
経営者は色々と知恵を砕かなくてはいけないので、大変ですね……
BASiCSはそういう経営者さんのために作られたものですので、
これからも普及を頑張らないといけない、と想いを強くしました。
●今日のiPod Tune:2月の歌
明日はバレンタインデー!
ということで、今日の曲は、もちろん……
○バレンタイン・キッス by 国生さゆりwithおニャン子クラブ
1986年2月、おニャン子クラブ絶頂期のスマッシュヒット。バレ
ンタインデーの歌としては、おそらく1番有名なのではないでしょう
か?
どうでもいいですが、ヤクルトのバレンティン選手(最近色々とお騒
がせですね)に「今日はオレの日だあ!」とか言いながら歌って欲し
いです(笑)
歌詞からもわかるように、まさに今日、2月13日の歌です。
素敵なバレンタインデーを!
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓<免責事項等>〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●紹介した会社の各商標は各会社の登録商標です。紹介した会社・商
品等は、例であり、戦略や商品の良し悪しの評価ではありません。
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●今回はイレギュラーでしたが、次号は予定通りです。北海道の会社
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た。おいしそうですし、売れそうですね。
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!
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「インド人を右に」とレスするたびに右に動いていくスレ
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1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 14:05:17.71
ID:yDRFQxCW0┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓┃ ┃┣
11 年前
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