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2013年11月22日金曜日

売れたま!特別編Vol.268 2013/11/21 夏休み特別号:BASiCSで商品開発 31

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
 〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.268(累計1070) 2013/11/21
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 ■■■__夏休み特別号:BASiCSで商品開発31__■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●「S:販売」から数年間かけて「T:改善」となることもある。
 ITESTを何回も回そう!


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●アイディア発想は、「才能」ではなく「学べるスキル」!

売れたま!のアイディアはどこから出てくるのか??


商品開発で必要なのは、やっぱり「アイディア」。ひたすらアイディ
アを出す1日です。

日時:2013年12月6日
場所:東京・飯田橋 価格 47,250円(税込)

ブレストで売れるアイディアが出るなら、誰も苦労しません。アイデ
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◆夏休み特別号! BASiCSで商品開発!
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夏真っ盛り! 恒例の夏休み特別号は、あの本の登場人物に……

「新人OL〜シリーズ」の登場人物
・売多真子:イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」社長
・売多勝 :売多真子の親戚 コンサルティング会社経営
・上原望 :売多真子の同僚「そーれ・しちりあーの」役員

「経営戦略虎の巻 CD」付属小説の登場人物
・松井恵利:売多真子の友人 果物ジュース・ケーキショップ店長


○入門書:「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」佐藤義典
http://ow.ly/qBY9o
売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!

○戦略書:「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典
http://ow.ly/6s63d
真子が社長になり競合と戦う戦略構築〜実行プロセスを、物語で体感



●「BASiCSで商品開発」編

今回の特集は、「商品開発」! 多くの方が悩むところです。

・どんな製品を作れば売れるのか?
・どんなサービスを企画すれば人気が出るのか?

ポイントはもちろん、BASiCS!

このシリーズはどのくらいの長さになるかは、現時点ではわかりませ
ん。気長にお楽しみください。


(最近ご購読を開始された方へ)

この号は連載記事の続きです。1回目はこちらです↓

http://archive.mag2.com/0000111700/20130809012000000.html

このページから 次の記事 >> をクリックしていただくと、続きが
お読みいただけます。



●ここまでのあらすじ

イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」の社長「売多真子」
(うれた・まこ)と役員「上原望」(うえはら・のぞみ)、真子の友
人「松井恵利」(まつい・えり)は、真子の親戚にしてコンサルタン
トの「売多勝」(うれた・まさる)の「1人合宿」についてきた。

8月の初旬、4人の向かう先は、高原のペンション。4人は長野行き
の新幹線に乗り込み、4人席で早速勝の「講義」が始まった。

2日目は講義と自分たちの仕事を終え、夕食から講義再開となった。



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◆まずは、前号の復習から!
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高原のペンションに泊まって、2日目の夜。4人とも午後に一仕事を
終え、夕食の時間も佳境に入ってきた。

魚料理が片付けられたあと、オーナーが、黒っぽいぷるぷるしたもの
が載った小皿を運んでくる。

「箸休めになりまーす」
「そ、それは何ですか? なんか黒いですよね……」
「あ! コーヒーゼリーだ!」
「ははは、違います。黒砂糖の寒天をトコロテン風にしてみました」
「寒天かあ……まあ確かに煮こごりは箸休めになるか……」

真っ先につつき始めた真子。

「あ、あれ? これ甘い?」
「黒砂糖だ、ってさっきオーナーが説明してただろうが」
「あ、そっかそっか。黒砂糖なら、そりゃ甘いよねー」
「ちょっとしたデザートみたいだね」
「あれ? 箸休め、って和食の習慣じゃなかったっけ?」
「きゃははは、気にしない気にしない。たくさんお皿が出てきた方が
 たのしーじゃん」
「それもそうだね」
「これはすぐ食べ終わっちゃうねー」
「そりゃ、箸休めだからね。いつまでも食べてたら、箸休まらない、
 になっちゃうよ」
「恵利はいちいち理屈っぽいなー。勝さんみたいだ」
「わ、光栄だわ」
「まあとにかく始めるぞ」



望 :はい、復習からですよね。


望が、いつもどおりキレイにまとまったノートを開く。


○商品開発のプロセス ITEST(アイテスト)

 Idea Generation アイディア出し
 Test Marketing テストマーケティング
 Engineering   生産方法確立・生産
 Selling     上市・販売
 Tuning     市場の反応を見て改善・修正


○T:改善 商品開発時から、改善を考える

誰が買っている・使っているのかを把握する
・気の利いた使い方をするリードユーザーをつかむ
・気の利いた使い方を拡大展開する


望 :今は、ITESTの最後のT、Tuningをやっています。

真子:どんな「人」が、どんな「使い方」をしているのかを調べるこ
   とで、本格販売の後からでも色々な展開ができるんだよね。

恵利:売り手には「意外」な使われ方が結構あるものなんですね。例
   えばLCCは、「日帰り」海外旅行需要を作った、とか……

望 :「パリパリサラダ」という揚げ麺は、「子供に野菜を食べさせ
   る」という使い方を、リードユーザーが発見したとか……

勝 :とにかくマーケティングは「やってみないとわからない」こと
   の連続だから、本格販売を始めた後も「学習」は終わらない

恵利:美容家電のヤーマンはそういう前提で動いているんですよね。
   年に3〜4回、商品をバージョンアップしたりする……

望 :そのために、コールセンターと開発部門を隣同士の場所にして
   物理的に距離を近づけているんですよね。

真子:ホントに「T:改善・修正」する前提で、全てを考えているっ
   てことなんだねー。

勝 :そうそう。



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◆数年がかりでITESTを回す
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恵利:「T:改善・修正」は、別に商品の上市の直後とは限りません
   よね?

勝 :そうだね。売れたとしても、いずれ競合も出てくるし、顧客も
   変わるから、どこかで見直しをかける必要がある。

望 :さっきのヤーマンの例だと、年に3〜4回、ですから、数ヶ月
   に一度は見直す、ということになりますね。

勝 :うん。通常は、大幅な変更までには、もう少し長くかけるんじ
   ゃないかな。


勝が「例えば……」と言いながら、まだ食べ物の載っているお皿を縫
うようにノートパソコンを3人に向ける。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇『グリコ乳業が2008年に全国発売した「ドロリッチ」。ゼリー
 をストローで飲む新しい感覚などが受けてヒットしたが、競合商品
 の増加もあって一時の勢いを失っていた』


◇『「半年後には商品が残っているかわからない。秋までに何とかし
 て下さい」。12年5月、洋生菓子マーケティンググループの難波
 真一郎(39)は営業現場の悲痛な訴えを聞いていた』『半年間で
 のてこ入れが難波に与えられたミッション』


◇『消費者への聞き取り調査などから、デザート飲料で最も重視して
 いるポイントはクリームだと分かった。従来品はコーヒーフレッシ
 ュのような液体クリームを使っており、やや食感が欠けていた。よ
 りデザートらしくするためにホイップクリームを使いたいが、長く
 持たせるためには硬くする必要があった。08年のデビュー当時も
 この技術的な壁から、ホイップクリームを使うのを断念していた』


◇『難波は毎日、研究所で空気の量や泡立て方を調整し、クリームの
 泡をどうしたら維持できるか試作を繰り返した。早朝に出社して終
 電で帰る日々が続いた。1日20回の試食を3カ月間続けた結果、
 クリームの空気の量を増やせば軟らかい状態で長く持つことに気付
 いた。さらに、クリームのふわふわした食感を残すため、あえてゼ
 リーと2層構造にした』


◇『今年4〜7月のシリーズ全体の売り上げは前年同期比で3割伸び
 た。ゼリーにラム酒を混ぜてコクと香りを深めるなど現在も改良を
 続けている』


2013/09/18 日経MJ P.15

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:あー、ドロリッチだー! これ、おいしいよね。

望 :うん。でもそう言われれば確かに、最近あんまり食べてなかっ
   たかも……

勝 :消費者がそう思ったときには、既に売上は大幅に下がっている
   ことが多いんだよな。

恵利:ゼリー入りの飲み物も、最近増えてきたような感じがします。

勝 :うん、ゼリー入り飲料は、スタバも出してきたよな……

恵利:競合が増えて、発売時には「S:強み」だった「食感」が、既
   に強みにならなくなった、ということでしょうか?

勝 :そうとも言える。競合環境が変わった。「マネされた」という
   か「参考にされた」んだろうな。

望 :だから、発売は2008年ですけど、2012年に、「T:改
   善」の必要が出てきたわけですね。

勝 :「マネされない」商品なんか、まず存在しない。どんなに独自
   な商品でも、時間をかければマネできる。

真子:え? じゃあ「独自資源」なんかないってことじゃん。

勝 :だから「マネされるまでの時間」が「独自資源の強さ」なんだ
   ってば。独自資源が強いほど、マネするのに時間がかかる。

真子:なるほど、じゃあドロリッチは2008年から2012年まで
   言葉は悪いけど、よくもった、って感じかな?

勝 :そうも言える。お菓子は商品の改廃が激しいからな。

恵利:そこで「A:独自資源」を再構築したわけですね。2008年
   にあきらめた「ホイップクリーム」を、今度は実現させて。

真子:1日20回の試食って、すごいよね。さすがに私でも、同じ商
   品ばっかり、20回は辛いかなあ……

望 :それは、ITESTの「E:生産」をもう1回見直した、とい
   うか、それが「独自資源を再構築した」ということですね。

勝 :そう。4年がかりでITESTをもう1回、回した。材料とか
   作り方にもう一度戻って、「独自資源」を作り直した。

望 :逆に言えば、ITESTをもう1回、回してみれば、売上が落
   ち込んでいても回復するかもしれないんですね。

恵利:あ、ドロリッチも3割売上が伸びたんだよね。

真子:そっか、新しい「強み」をまた作ればいいんだね。

勝 :そういうこと。逆に言えば「強み」や「独自資源」は、1回作
   って終わりじゃなくて、作り続けるもの、だな。



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◆新商品の販売は次のサイクルの「始まり」
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真子:ということはさ、商品を出した瞬間から、もう次の一手を考え
   始めないといけない、ってことだね。

勝 :そう!! とりあえず、独自資源が強ければ、数年の時間は稼
   げる。その間に、次の一手を考えればいい。

真子:ドロリッチみたいな、「次の技術改良」を考え始めればいいわ
   けだね。

勝 :技術改良だけとは限らない。さらに言えば製品改良だけとも限
   らない。少し前にやっただろ?

望 :はい、「想定外のお客様」が誰かを把握したり、「気の利いた
   使い方」を把握して、拡大したり、ですよね。

勝 :それそれ。結局、1つの新商品の上市つまり「S:販売」は、
   大変なことではあるけど、「始まり」に過ぎない。

望 :そのあとに、「T:改善」などを考えないといけないからです
   よね。なので、ITESTの最後ではなく、途中……

勝 :うん。次の「独自資源」を考え始めたり「気の利いた使い方」
   を集めるみたいに、やることはたくさんある。

真子:ドロリッチみたいに4年たって、「S:販売」からまた「E:
   生産」に戻ることもあるんだもんね。

恵利:それに、次の商品のITESTを回していく、という意味もあ
   りますよね?

勝 :そう! 仮に失敗したとしても、次の商品開発に活かせれば、
   「失敗」ではなくて「学習」になる。

望 :どうすれば「失敗」ではなく、「学習」になるんですか?

勝 :とにかく「記録」すること。こういうことを考えて、こうした
   とか、誰が買ってくれた・買ってくれない、とか……

恵利:あ、後で検証できるようにするわけですね。

勝 :そうそう。渦中にいるとわからないけど、後から振り返ってみ
   て気づくこともある。

真子:後から思い出すんじゃダメなの?

勝 :人間は忘れる生き物だからダメ。特に、失敗の記憶なんか嬉し
   くない記憶だから、忘れようとしちゃう。

真子:そっか。人間は悲しい思い出は忘れたがるんだね。私の記憶力
   が悪いのは、きっと悲しい思い出ばっかりだからだ、うん。

恵利:絶対違うわね。



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◆「I:アイディア」→「T:テスト」を丁寧に進めた「鍋つゆ」
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勝 :よし、これで「T:改善・修正」が終わり! ITESTの説
   明、全て終わり!! 終わったあ!!

望 :え? お、終わりですか?

勝 :うん。これでITEST終わり

真子:やったあ!

恵利:やった、じゃないわよ、真子。あ、あの「全体のまとめ」とか
   そういうのはないんですか?

真子:それは恵利と望ちゃんがやればいーんだよ、きゃははは。

恵利:な、何言ってるのよ。あ、あの、ここでブツって終わってしま
   うと、せっかく学んだことが……

勝 :でも真子の言うとおりだぜ。自分でやればいいじゃん。

望 :そ、それは……では私たちでまとめますので、チェックをお願
   いできませんか?

勝 :……恵利ちゃんと望ちゃんがそこまで言うのなら、まとめた方
   がいいんだろうな……。じゃあ今からまとめに入るか……

恵利・望:はい、お願いします!

勝 :じゃあ、まずは、ITESTの前半、IとTのまとめ。


勝が「終わりと言いつつ、用意はしてあるんだ。ちょっと長いけど、
読んで」と言ってノートパソコンを3人に向ける。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇『キッコーマン食品が8月に発売した「味チェンジ鍋つゆ」。スー
 プを足すと、味をがらりと変えられる。「食べている途中で飽き
 る」という消費者の鍋への不満点を解消し、「家族で囲んで楽しい
 鍋」を実現させた。計画を5割上回る好調ぶりを見せている]』


◇『まずは鍋の不満点の洗い出しから始めた。100ほどの意見を出
 し合い、消費者調査にかけたところ、「最後まで飽きずに鍋を食べ
 たい」と望む声が多いことが分かった。「だったら味が途中で変わ
 る鍋を作ればいいんじゃないか」』


◇『最大の条件は味と見た目の変化がわかりやすいこと。40〜50
 種類の組み合わせを考案し、最終的に定番鍋から人気が伸びている
 味に変わる「鶏がら塩鍋から担々鍋」「しょうゆちゃんこ鍋からと
 んこつ白湯(パイタン)鍋」に決めた』


◇『「色、全然変わってないですよね」「これはちょっと担々スープ
 とは違います」。今年2月、千葉県野田市の研究所で開いた試食
 会。調味料開発部の小塚和子(53)が鶏がら味の鍋に、スープを
 足して担々鍋に変えて見せたところ、集まった10人近くの社員ら
 は一様に首をかしげた。「やっぱりだめか」。特徴である「変化」
 をいかに実現させるかが、最大の難関だった』


◇『小鍋を5個用意。キムチ味など異なるスープを入れて、担々鍋の
 赤がきれいに出るスープを研究した。そして白いスキムミルクの鍋
 に担々鍋のもとを入れた瞬間。「これだ!」。すっと赤色に変わ
 り、思わず声が出た。ベースは透明ではなく、にごっていなければ
 ならないと分かったのだ。それから味や辛さを調整し、約50回の
 試作を重ねた』


◇『5月、東京本社で開かれた堀切功章社長らへの試食会。反応は戻
 ってきた上司の表情ですぐに分かった。「コンセプトがとても面白
 いと好評だった」。スーパーのバイヤーからも「これまでにはない
 新しい切り口だ」と次々に採用された』


2013/10/30 日経MJ P.19



◇『今回の商品は最初のちゃんこと鶏がら塩が「定番鍋」、2番目の
 白湯と担々が「変わり鍋」にあたり、その意味でも2種類の味を楽
 しめるようになっている。商品開発にあたって同社は、「味種だけ
 でのバリエーションで新市場を開拓するのではなく、消費者のニー
 ズを深く掘り下げることに重点を置いた」(プロダクト・マネジャ
 ー室の山本裕哉氏)。開発チームでアイデアを出して、チーム以外
 の社員にアンケートをとり、消費者へのインタビューも行った』


◇『入念な調査の結果、残ったのは味そのものに対するニーズではな
 く、「途中で味を変えたい」という食べ方に関するニーズだった。
 さらに、発売前のホームユーステストでは、2種類の味の鍋を家族
 や友人間で楽しむことで、新たなコミュニケーションが生まれるこ
 とを発見したという。「そろそろ、味を変えようか」「もう少し、
 この味を楽しみたい」。この新発見をマーケティングに生かした』


◇高岡美佳の目 立教大学経営学部教授


2013/10/31 日経産業新聞 P.9


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


勝 :解説はなし。ここまでやってきたことを踏まえて、ITEST
   でまとめてみて。

恵利:はい、わかりました。頑張ります!

勝 :わからない部分は推測で構わない。HPはこれね。

http://www.kikkoman.co.jp/kikkoman/tuyu/ajichange/index.html


恵利と望はパソコンの画面を見ながら話始める。真子も「オマエも加
われ」と勝に言われて「はーい」と話に加わる。

勝は、立ち上がってキッチンに行き、ライスのお代わりをもらってく
ると、ぱくつき始めた。

しばらくして、恵利と望がうなずき合い、勝に「できました」とノー
トを差し出した。



○I:アイディア出し

鍋の不満仮説の発見
・開発チームのアイディア出し
・他の社員へのアンケート
・消費者調査

「最後まで飽きずに鍋を食べたい」という消費者ニーズを発見。
  ↓
「途中で味を変える」というコンセプトを思いつく



○T:テストマーケティング

・40〜50の味の組み合わせを試す →「鶏がら塩鍋から担々鍋」
 「しょうゆちゃんこ鍋からとんこつ白湯(パイタン)鍋」に決定

・社員に試食会 → 「色が変わってない」とダメ出しされる

・50回の試作 → スープがにごっていると色が変わることを発見

・社長に試食会 → 好評!!

・ホームユーステスト→ 新たなコミュニケーションが生まれること
            がわかった



○E:生産

・試作を50回重ねたことで、ある程度の技術やノウハウが蓄積され
 ていた?



○S:販売

HPからの推測
・「メッセージ」は、「味が変わるので飽きない」という商品コンセ
 プトをほぼそのまま伝えている。ニーズがあることはわかっている
 ので、それがお客様に受け入れられたと言えそう。

・家族で新たなコミュニケーションが生まれるなどの発見をHPに活
 かしている



○T:改善・修正

・おそらく今「顧客の声」「気の利いた使い方」を集めていると考え
 られる。

・半年後などに、消費者調査を行う?



勝 :どれどれ……あ、OK。そうそう、こんな流れだろうな。

真子:やったあ!

勝 :やったあ、って、やったのはほとんど恵利ちゃんと望ちゃんだ
   ろうが。で、どう思った?

望 :ホントにITESTの順番通りというか、「とにかく試してみ
   る」ことの連続なんだな、と思いました。

恵利:はい、調査したり、試食会開いたり、「小さなステップ」をた
   くさんたくさん繰り返しています。

望 :きっと、その度に新たな発見や、改良点が見つかったのだと思
   います。

恵利:その結果として、「計画を5割上回る」という好調を維持でき
   ているんでしょうね。その「積み重ね」というか……

勝 :そうそう。とにかくたくさん試して、たくさんサイクルを回し
   てる。だから「成功の確率」が高まってるんだよな。

望 :はい、これだけ改善プロセスを商品発売以前に回していれば、
   成功の確率は高そうです。

真子:でもさ、この商品には課題もあるよね。

勝 :お、なんだ?

真子:これは「ニーズ発想」だよね。今のところ、あんまり「独自資
   源」がなさそうだから、成功したら競合にマネされそう。

勝 :そうそう、鋭いじゃん。

望 :な、なるほど……真子ちゃん、すごい。ということは、今から
   「次の矢」を考えておかないといけないんですね。

勝 :そう。うまくいけばいくほど、マネされるようになる。だから
   マネされたときの「次の矢」がいるんじゃないかな。

真子:あ、なるほど! 売れなければマネされないもんね。

勝 :だから、技術か、名前や意匠とか、色々あるとは思うけどとに
   かく「次の矢」がいるような感じはするよな。

望 :商品を出した瞬間から「次の矢」……商品開発は、大変なんで
   すね……



一瞬の沈黙が訪れたテーブルにオーナーが現れる。

「お待たせしましたー。次のお料理になりまーす」

「きゃー、待ってましたー、お肉だお肉だー!」
「今日のメインは、地鶏のもも肉になります」
「うっわー、分厚いねー。おいしそー。ソースは?」
「マスタードソースです」
「あ……オレ、辛いのはちょっと……」
「あ、いえ、マスタードですが辛くありませんよ」
「あ、そーなんだ。良かった」

「地鶏かあ……徹底して地のものなんですね。すごい「メッセージ」
 が伝わってきます。地のものを味わってくれ、という……」
「だろ? 東京で食べられるようなものをここで出してもしょうがな
 い。地域資源をフル活用してるよな」
「私たちのメニューにも、そういう筋というか、一貫性を持ちたいで
 すね」

「お肉、やわらかーい!」 既に食べ始めた真子が叫ぶ。
「どれどれ……お、これ、ごはんが進むな」
「ホントホント、いくらでもご飯が入るねー」
「真子がそれ言うと、ホントにいくらでも、だよね……ふふふ」
「何よ恵利、勝さんにケンカ売ってんの?」
「な、なによ真子、ま、勝さんのことなんか言ってないでしょ……
 ま、勝さん、そ、その、そうじゃなくって……」
「わかってるってば。まあ実際オレもいくらでも入るけど」

「お二人の分のライスもお持ちしましたー」

オーナーが、恵利と望のライスを持ってテーブルに来る。

「こちらのお二人は、ライスのお代わりはいかがですか?」
「お願いしまーす。大盛りで」
「私もー」
「はい、ではいつも通り、大盛りでお持ちしますねー」
「そうそう、いつも通り大盛りでお願いしまーす、きゃははは」

「今日は最後の晩餐だね。もう明日帰っちゃうのかあ……寂しいな」
「望ちゃん、またすぐ来ればいいんだよ、きゃははは」
「オマエは、今という時間をもっと大切に味わえよ」
「味わってるもーんだ。お肉、おいしーねー」
「オマエが味わってるのは肉だろ……」


(次号こそ、本当に最終回!)



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◆今日のまとめ
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●「S:販売」から数年間かけて「T:改善」となることもある。
 ITESTを何回も回そう!


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▼今日の日記▲

先週末、牛テールが手に入ったので(と言ってもスーパーで買っただ
けですけど)、牛テールのシチューを作ってみました。

テールは、ホント時間がかかるんですよね……圧力鍋で煮込むんです
が、すじ肉でも15分圧力鍋で煮込めばやわらかくなるんですが、テ
ールはもっとかかります。

1回煮込んだくらいではやわらかくならなかったので、何回か野菜を
継ぎ足しながら煮込んだら、良い感じにダシというか、味が出てきま
した。最後の方になると、ぼろ、っと崩れるくらいにやわらかくなっ
て、その部分はホントおいしいです。

どのくらいの火力で、何分くらい煮込むとどうなるのか、という記録
をきちんととれば、それは「レシピ」になるんですよね。


で、ふと「骨の部分に、あまり体によくないものが凝縮しているので
はないか」と思ったのですが(テールには骨がついてます)、まあ、
これだけ豚骨ラーメン食べておいて、そんなこと心配してもしょうが
ないな、と開き直り、おいしくいただきました。



●今日のiPod Tune:秋に似合うバラード2013

本編の世界はまだ「夏休み」ですが、こっちの世界では大分寒くなっ
てきましたね……

肌寒くなっていく季節に似合うのは、やっぱりバラード。

ということで、「秋に似合うバラード2013」!


今日の曲は……


○You've Lost That Lovin' Feelin' by The Righteous Brothers


1964年全米1位。と言っても、リアルタイムの頃はもちろん知り
ません。

強烈に意識したのは、1986年の映画、Top Gunです。ご覧
になられた方はおわかりかと思いますが、主役のトム・クルーズとヒ
ロインの出会いのシーンで使われています。

そして、エンディングでも使われ、そのまま2機のF−14が仲むつ
まじく飛んでいくシーンへとつながります。おそらく、2人の将来を
象徴していると思われます。そして、エンディング曲のMighty 
Wingsへとつながっていく一連の流れが超カッコイイ!

すごく懐かしさというか(実際昔の歌ですが)、郷愁を感じさせる名
曲ですね。



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──────< 物語でわかるマーケティング >────────

●「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
 マーケティング入門:読みやすい小説
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●「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
 上の本の続編。主人公が社長になり、戦略構築から実行プロセスま
 で物語で体感!
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●「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
 物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
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─────< マーケティング戦略のベストセラー >──────

●「図解 実戦マーケティング戦略」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略入門:戦略はここから
 日本能率協会マネジメントセンター
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●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
 日本能率協会マネジメントセンター
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●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
 ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
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────────< マーケティングの思考法 >────────

●「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
 日本能率協会マネジメントセンター
 右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
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◆次号予告:BASiCSで商品開発 32 今度こそ最終回
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●申し訳ありません、今回が最終回と予告しましたが、もう1回だけ
 続きます。次号、総まとめの最終回です!


▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!

▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!


売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……

〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
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