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2013年10月22日火曜日

売れたま!特別編Vol.259 2013/10/21 夏休み特別号:BASiCSで商品開発 22

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
 〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.259(累計1061) 2013/10/21
購読者:28,870 (まぐまぐ:16,248 メルマ!:944 めろんぱん:11,678)

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 ■■■__夏休み特別号:BASiCSで商品開発22__■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●商品の判断は「自分」でせず、「顧客」に委ねよう!


┃売れたま!は、実戦マーケティング戦略の副教材です。売れたま!
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◆夏休み特別号! BASiCSで商品開発!
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夏真っ盛り! 恒例の夏休み特別号は、あの本の登場人物に……

「新人OL〜シリーズ」の登場人物
・売多真子:イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」社長
・売多勝 :売多真子の親戚 コンサルティング会社経営
・上原望 :売多真子の同僚「そーれ・しちりあーの」役員

「経営戦略虎の巻 CD」付属小説の登場人物
・松井恵利:売多真子の友人 果物ジュース・ケーキショップ店長


○入門書:「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」佐藤義典
http://ow.ly/89pSR
売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!

○戦略書:「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典
http://ow.ly/6s63d
真子が社長になり競合と戦う戦略構築〜実行プロセスを、物語で体感



●「BASiCSで商品開発」編

今回の特集は、「商品開発」! 多くの方が悩むところです。

・どんな製品を作れば売れるのか?
・どんなサービスを企画すれば人気が出るのか?

ポイントはもちろん、BASiCS!

このシリーズはどのくらいの長さになるかは、現時点ではわかりませ
ん。気長にお楽しみください。


(最近ご購読を開始された方へ)

この号は連載記事の続きです。1回目はこちらです↓

http://archive.mag2.com/0000111700/20130809012000000.html

このページから 次の記事 >> をクリックしていただくと、続きが
お読みいただけます。



●ここまでのあらすじ

イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」の社長「売多真子」
(うれた・まこ)と役員「上原望」(うえはら・のぞみ)、真子の友
人「松井恵利」(まつい・えり)は、真子の親戚にしてコンサルタン
トの「売多勝」(うれた・まさる)の「1人合宿」についてきた。

8月の初旬、4人の向かう先は、高原のペンション。4人は長野行き
の新幹線に乗り込み、4人席で早速勝の「講義」が始まった。

電車の中は講義続き。宿に着いても、夕食後も講義は続けられ……



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◆まずは、前号の復習から!
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夕食後の団らん中、この4人でスキーに行くという話になる。渋る勝
を強引に説得して日程を決め、真子が早速この宿の予約をとった。


「じゃあスキーの日程も決まりだね。この宿も予約したし」
「うん。またここに来られるのも楽しみだよね」
「何でこんな話に……まあ、望ちゃんと恵利ちゃんが行くなら……」
「何よ、今更。勝さんが望ちゃんと恵利ちゃんが行くならいいって言
 いだしたんだよ?」
「……」
「ホント楽しみです。それを楽しみに仕事頑張りますね」
「まあ望ちゃんがそこまで言ってくれるのなら……」

「ね、勝さんとのスキー、久しぶりだねー。私が大学のとき以来?」
「もう思い出したくない」
「あー、覚えてないフリしちゃって。2人でスキーしたじゃん!」
「そ、そうなんですか? ま、真子と勝さん、ふ、2人でスキー?」
「そうだよ。2人きりでスキーしたよねー、勝さん」
「全然全く完全に違うだろ。売多家一同の新年会で大勢で、だろ」
「な、なーんだ……真子、妙な言い方するの、やめなよ」
「でも2人きりでナイターしたじゃん」
「他に誰も来なかっただけだろ。親戚一同はお年だから寒いとか疲れ
 たとか言ってひたすら飲んでてさ」
「またまたー、とってもロマンチックなナイターだったじゃん」
「ふざけんな、オマエ、ゲレンデでオレに猛スピードでツッコんでき
 て、ケガさせられただろうが。オレは端で止まってたのに!」
「そ、そうだっけ?」
「結局軽傷ですんだから良かったけど、不意を突かれて大怪我すると
 ころだっただろうが! 一歩間違えば、どっちかが死んでたぞ!」
「だ、だって……ナイターで視界悪くて……」
「だったら何であんなスピード出すんだよ!!」
「は、はい……す、スミマセンでした……」
「真子、やりそうだよね……勝さんの直前で止まって驚かせようとか
 思って滑っていって、止まれなくてツッコんだんでしょ、どーせ」
「え? 恵利、な、なんでわかるの?」
「だからオマエとは行きたくなかったんだ。命の危険があるから」
「じゃあ、真子ちゃんだけ1人で滑るようにすればいいね、ふふふ」
「の、望ちゃんまで……この裏切りモノどもめがぁ……」
「そうしよう。真子だけ1人で滑れ。オレは望ちゃん、恵利ちゃんと
 滑るから」
「も、もう二度といたしませんから……私も大人になりまして……」
「当たり前だ。もうその話はいいだろ。始めるぞ」


勝 :じゃあ、復習からね。

望 :はい、今は「発想を引き出す体制作り」をやっていて、前回は
   「誰が商品開発をすべきか」ということを考えました。

勝 :うん、それで誰が商品開発をすべきなんだっけ?

望 :はい、「顧客のニーズがわかる人」です。

勝 :例えば?

望 :例えば、電動ドライバーを女性の方が女性向けに開発したら、
   ヒット商品になった事例を見てきました。

真子:確かに、男性が作ると「怖い」商品になる、っていうのはわか
   る感じがする。

恵利:単純に女性向けの商品だから女性、ということではなく「女性
   のニーズ」がわかる人なら、別に男性でもいいわけですよね?

勝 :そうそう。男性の方が女性を客観的に見られる、ということも
   あるかもしれない。

望 :でも、男性が女性向けの商品を作る際に「自分が欲しいモノ」
   を考えてはダメですよね……

勝 :そう!! それがポイント。「自分が欲しいモノ」じゃなくて
   「ターゲット顧客」が欲しいモノを作る。

真子:きゃははは、そりゃそーだよね。

勝 :そりゃそーなんだけど、その問題はすっごく起きやすい。「お
   客様が欲しいモノ」じゃなくて「自分が欲しいモノ」を作る

恵利:そうなんですか?

勝 :そう。だからそれを見ていくことにしよう。



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◆「自分が考える顧客ニーズ」と「本当の顧客ニーズ」の乖離
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勝 :まずはこれ、前に売れたま!で取り上げた例なんだけどさ。
   2011年7月11日号で。

真子:どれどれ?


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇「ロイヤルホストの女性向けランチメニュー「女子ひる」こと「ガ
 ーデンサラダランチ」の売れ行きが伸びてきた。3月の発売時に比
 べ6月下旬刷新の新メニューは、注文数が春の2倍に達した。課題
 を克服してきた中心メンバーが、メニュー開発課の倉持敏一さん
 (42)だ」


◇「発売時の春に出したのはサラダとスープにピザトースト、パンケ
 ーキ、オムレツを合わせた3種類。しかしテスト販売から全く売れ
 ず、終わった。「開発チームのほとんどが男性で、女性のニーズと
 はすれ違っていた」(倉持さん)と反省。社内の女性の意見を聞く
 日々が始まる」


◇「夏の女子ひるはオムレツをシーフードオムライスに変更、パンケ
 ーキはマカロニグラタンに置き換えた。「女性=軽食」のイメージ
 を払拭したのだ。サイドに添えるコロッケもグリルソーセージに変
 え、葉ものばかりのサラダにはブロッコリーを加えて食べ応えを強
 調した。意外なことに一食当たりのカロリーも従来より下がったと
 いう」


2011/07/06, 日経MJ P.15

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


望 :なるほど……「男性が考えた女性のニーズ」は、「サラダ」な
   どの「軽食」だったけど……

恵利:「本当の女性のニーズ」は違って、食べ応えがあった方が良か
   ったんですね。

真子:食べ応えを出して、しかもカロリーが減ったんだよね。そりゃ
   注文が「2倍」になるよね。

勝 :男性から見た女性っていうと、「サラダ」「ヘルシー」「パン
   ケーキ」とかっていうイメージがあるんだろうな。

真子:女の子だって、おなかは減るんだからたくさん食べたいの!

勝 :オマエを基準にするのもなあ……望ちゃん、どうなの?

望 :もちろん人によるでしょうが、確かにそれなりに食べ応えがな
   いと……途中でおなか減っちゃいますし。

恵利:記事によると、最初は「社内の女性の意見」を聞かないで開発
   していた、ということかな?

望 :そうだよね。失敗した「後」で「社内の女性の意見を聞く日々
   が始ま」ったわけだから。

勝 :そのあたりの事情は色々あったんだろうけど、「男性が考える
   女性のニーズ」と、「本当の女性のニーズ」は違ってたんだな

望 :逆もそうですよね? 「女性が考える男性のニーズ」と、「本
   当の男性のニーズ」は違う……

勝 :そうだね。男女っていうか、「自分が考える顧客ニーズ」と
   「本当の顧客ニーズ」の乖離。この問題は結構起きる。

真子:じゃーどうすればいいの?

勝 :色々あるだろ。「本当の顧客」に調査するとか、テストマーケ
   ティングしてみる、とか。

真子:あ、そっか。ITESTの2番目のTがテストマーケティング
   だもんね。

勝 :そういうこと。ところでさ、オレは今こんな仮説持ってる。食
   べ物の場合なんだけど……


勝が望のノートに式を書き始める。

           味 × ボリューム感
 料理の満足度 = −−−−−−−−−−−−
           価格 × カロリー


真子:?? わかんなーい。

望 :えっと……分子が「味×ボリューム感」で、これが満足度につ
   ながる……はい、おいしくてたくさんあれば満足しますが……

恵利:ポイントは分母でしょうか。価格が安い方が満足度が上がる、
   そして……あ! カロリーが低い方が満足度が上がる!

望 :え、あ、なるほど……価格もカロリーも低い方が、満足度が高
   くなる!

勝 :そう。「価格あたり満足度」がコストパフォーマンスだろ?

真子:えっと……うん、それはわかる

勝 :それと同様に、「カロリー当たり満足度」みたいなものもあっ
   て、同じ「味×ボリューム」なら、カロリーが低い方がいい。

真子:えっと……あ! そうか、1日あたりのカロリーとか決めてる
   からだ!

勝 :そう! 1日の「食費の予算」を決めてるのと同じように、1
   日の「カロリーの予算」も決まってる。

恵利:あ……そういえば私もそうです。1日あたりのカロリーは決め
   ていて、それを超えないように……

望 :私も! 確かに、この式で考えてます! だから、カロリー少
   なめでたっぷり食べられるのがいいんです!

真子:私、気にしないけどねー、きゃははは。

恵利:う、うん、ま、まあいいんじゃないのかな、真子は……

真子:な、何よ……

勝 :いや、そこは人によって違う。女性の場合、カロリーが「分
   母」に来るけど、体を使う人はカロリーが「分子」に来る。

恵利:えっと……あ! カロリーを制限したい人はカロリーが「分
   母」に来て、カロリーを取りたい人は「分子」に来るんだ!

望 :あ、なるほど……面白いですね。カロリーに対する態度の違い
   ですね。

勝 :そう。若い男性が「安くてカロリーが取れてオトク」って言っ
   てて、そういう考え方をするんだ、って思った。

真子:なるほどねー、女の子だと逆になるもんね。「おなかいっぱい
   なのに低カロリー」っていう方がいいんだよね。

勝 :この売れたま!は2年以上前だけど、今でもこの「ガーデンサ
   ラダランチ」はあるから、定番化したんだろうな。

http://www.royalhost.jp/lunch/lunch_5.html


真子:どれどれ……あ、ホントだ! どれもボリュームがあって、
   700kcal以下だ! 

勝 :だよな。カロリーをおさえて食べ応えを上げたこのメニューは
   さっきの式に忠実に従った、ってことだよな。

望 :は、はい、そうですね! なるほど、うちのメニューもそうい
   うのを考えないと……



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◆最終的な「評価者」を「顧客」にする
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恵利:「自分が考える顧客ニーズ」と「本当の顧客ニーズ」が違って
   いたらショックですよね……全部間違えちゃう。

勝 :そう。だから、アイディアを出した後の「評価者」を誰にする
   か、という問題がある。

望 :えっと、アイディアを出た「後」ですよね? アイディアを
   「出す」話ではなくて?

勝 :そうそう。発想のモトについては既にやった。アイディアを誰
   が評価すべきか、という話。誰が評価すればいい?

恵利:自分で「評価」してはいけない、ということですよね。自分が
   考える顧客ニーズが正しいとは限らないから

勝 :そうだよな。だから?

望 :はい、お客様、ですよね。アイディアをお客様に「評価」して
   もらえばいいはずです。

勝 :そうなるよな。まずは、わかりやすい例を見てみよう。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇「ファミリーマートは2012年10月にインドネシアに進出し
 た。現地の日用品・食品大手、ウイングスグループのファジャー・
 ミトラ・インダにライセンス供与し、6月末時点で8店を展開して
 いる」


◇「ファミリーマート→ファジャー・ミトラ・インダ 久島真理氏

──独自商品の開発で気をつけている点は。

 「味の最終ジャッジを現地の人の舌に委ねることだ。塩味を開発中
 の焼き鳥が典型例だ。私がうまいと思う塩加減も、こちらでは『パ
 ンチがない』との声が多い。日本人がかけすぎと思う量のブラック
 ペッパーを『ちょうどいい』と言う」」

2013/07/29 日経MJ P.7


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:なるほどね。そりゃインドネシア向けのメニューだったら、日
   本人の舌で評価しちゃダメだよね。

望 :うん。インドネシアだと、日本より味が濃いっていうか、強い
   方がいいんだね。確かにスパイシーな料理が多いかも……

真子:だから、「味の最終ジャッジを現地の人の舌に委ねる」のは、
   当然だよね。

勝 :まあそうなるよな。でもさ、同じことが日本国内でも起きるん
   だぜ?

真子:日本にいる外国人?

勝 :それもそうだけど、同じ日本人同士でも、だ。

望 :あ! シェフの舌と、お客様の舌、どっちが正しいか……

勝 :そうそう。どっちが正しい? 「シェフがうまいと思うモノ」
   と「お客様がうまいと思うモノ」

真子:そりゃお客様でしょ。

勝 :だよな。だから、最終的な「評価者」は「お客様」か、「お客
   様の代弁者」とすべき。

恵利:「お客様の代弁者」というのは?

勝 :例えば、「顧客調査結果の報告書」とか。

恵利:な、なるほど……

勝 :だからお客様にリサーチかけたりすればいい。

真子:でも、いつもいつも消費者調査はできませんよね?

勝 :だから、ITESTの「T:テストマーケティング」があるん
   だろうが。

真子:あ! そういうことか……「I:アイディア出し」の次のステ
   ップで検証するんだ!



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◆「社長」ではなく「顧客」が評価する
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望 :でも、お客様とシェフで意見が違っても、じゃあ「シェフの舌
   が間違ってる」とは言いにくくありませんか?

勝 :よくさ、レストランのシェフが「うまいものを作ってれば客は
   来る」とか言うけど、「誰にとって」うまいか、って話だ。

望 :でもシェフは「シェフにとってうまいものがうまい」って言い
   ませんか?

恵利:確かに「外国」のような例だと、「現地の舌に合わせよう」と
   なりますよね。でも、同じ日本人だと難しいかも……

望 :そうなのよね……日本人同士だと「自分の舌の方が正しい」と
   か思ってしまいそうで……

勝 :それは、技術開発者の場合でもそうなんだよな。「開発者がい
   いと思うモノがいいモノ」になっちゃう。

恵利:あ、それって前号の「電動ドライバー」の話!

真子:なるほどー、男性が開発すると「怖い」商品になるから、女性
   には売れない、っていう前号のアレだ。

勝 :そうそう。だから、これくらいの割り切りが必要。しまむらの
   社長さんなんだけど……


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇「しまむらはどう変わるのか、野中正人社長に聞いた」


◇「──SPA(製造小売り)のように自ら商品企画はしないのです
  か。

 「色々な勉強はいい商品を選ぶ能力を磨くためで、商品を作るため
 のものではありません。自らものづくりを始めて企画をゼロから考
 え出すと、どうしても自分の色が強くなる。でも、自分が好きなも
 のと売れるものは違います」」


2010/06/28, 日経MJ P.3

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


望 :「自分が好きなものと売れるものは違う」って、すごい!!
   しかも社長がそんなことをおっしゃるなんて!

勝 :これ名言。さすがしまむらの社長さん。なかなかこうは言えな
   いぞ。やっぱり「自分の評価」で判断しちゃう。

恵利:すると、顧客の好みとの乖離が起きる……自分のニーズと顧客
   のニーズが違うのに……

勝 :そうそう。このご発言は、「自分の好みと顧客の好みは違う」
   っていうのを明確に意識してらっしゃる証拠。素晴らしい。

恵利:つまり、「自分の評価」ではなく、「顧客の評価」で決める、
   ということですね。社長ですら、そうすべき……

勝 :まさにそういうこと。

真子:なるほどね。でも実際にそれをやるには、具体的にはどうすれ
   ばいいんだろうね??

勝 :だからお客様に決めてもらえばいいだろ。

真子:だからどうやって?


勝が「例えばだな……」と言ってノートパソコンを3人に向ける。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇「P&Gジャパン社長桐山一憲さん」


◇「「消費者がボス」。P&Gの全世界の合言葉だが、徹底するのは
 実に難しい」「桐山社長に商品と組織の作り方を聞いた」


◇「−−新製品発売にゴーサインを出す基準は。
 「私が判断するのではありません。細かく社内のプロセスがあり、
 消費者調査で高い点数を超え続けた商品だけが私の所に来ます。
 私が気に入らないと言っても、担当者が『消費者がほしいと言って
 いるんです』となればそれまでです。私には才能がないですし
 (笑)」


2011/09/26 日経MJ P.3

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


望 :これ、あのマーケティングで有名なP&Gですよね。

勝 :それそれ。その日本法人の社長の方。

恵利:「消費者調査で高い点数を超え続け」ないと、新製品が出せな
   いんですね。社内の評価プロセスがしっかりしてます。

勝 :それもそうだし、最終的な意思決定者が誰かって言うと……

望 :社長が「気に入らないと言っても、担当者が『消費者がほしい
   と言っているんです』となればそれまで」ということは……

真子:「社長」じゃなくいて「消費者」が決めるんだ!

勝 :そうなるよな。社長の判断は関係ない。純粋に消費者調査の結
   果で判断するわけだ。

恵利:「消費者調査の結果」というのが、「顧客の代弁者」なんです
   よね。しかし、ここまで徹底するのもすごいですよね……

勝 :「私には才能がない」なんて言えるのは、よっぽど自信がある
   んだろうな。逆説的だけど。

真子:私も才能ないよ、きゃははは。

勝 :オマエは本当にないんだよ……

恵利:でも「才能」じゃない、ということですよね? センスとかで
   はなくて「お客様に聞けばわかる」ということですよね。

勝 :そうそう。普通の会社だと「オレは欲しくない」って、顧客タ
   ーゲットじゃない社長が言っちゃう。

望 :すると、売れない商品が出てくるとなりますね……

勝 :そうなるよな。ちなみにマーケティングで有名な某社だってそ
   ういうことはあるみたいだぜ。

真子:そ、そうなの?

勝 :そうだよ。社名は出さないけど、ある大ヒット商品が役員会で
   文句つけられた。「オレはそんなの使わない」って。

真子:「オレ」は関係ないのにね……

勝 :優良会社ですらそうなんだから、普通の会社なら、まあ日常茶
   飯事。真子も気をつけろ。

真子:う、うん……「私はおいしいとは思わない」とか言っちゃダメ
   なんだよね……

勝 :自分と顧客が同じで無い場合は、言っちゃダメ。

望 :ホント気をつけないといけないですね……

勝 :繰り返すけど、アイディアそのものをお客様に聞くなよ。「ど
   んなものが欲しいか」って聞いてもお客様は答えられない。

恵利:はい、アイディアを出した後の「評価」の話ですよね。それは
   お客様に委ねるべき。

勝 :そうそう。「そーれ・しちりあーの」でも、ゆであげ1kgの
   大盛りパスタ出してくれ。顧客であるオレの意見だ。

真子:却下しまーす。今、アイディアそのものをお客様に聞くな、と
   教えられたばかりでーす。

勝 :そーれ・しちりあーののパスタ、少ないんだよ。5人分くらい
   ないと、満腹にならないぞ。

真子:それならパスタ5人分、お金払ってご注文くださーい。

望 :あ、あの、それなら私が作りましょうか? さすがにお店では
   出せませんけど……す、少しは自信があるので……

勝 :やったあ! 作って作って。望ちゃんの手料理か。嬉しいな。

真子:あ、この裏切り者ぉ! い、いいよ、私が作るよ!

勝 :オマエ、料理できるのか?

真子:……パスタゆでて、市販のソースと混ぜるくらいなら……

恵利:市販のソースもおいしいけど、それは「料理」って言わないの

勝 :ともかく、これでやっとITESTの「I:アイディア出し」
   が終わり! ばんざーい!!

真子:うっわー、長かったねー……

勝 :じゃあ恵利ちゃん、今日の内容もいれて、ここまでをまとめて
   みて。

恵利:はい、もう始めてます……えっと……できました!


恵利が書き終わったばかりのノートを3人に見せる。



○商品開発のプロセス ITEST

 Idea Generation アイディア出し
 Test Marketing テストマーケティング
 Engineering   生産方法確立・生産
 Selling     上市・販売
 Tuning     市場の反応を見て改善


○「アイディア発想」の3つの源泉

1)ニーズ発想 → 「顧客」からの発想
2)シーズ発想 → 「自社」からの発想
3)他業界発想  →「他業界」からの発想


○「発想を引き出す体制作り」

アイディアを出してくれる人
 A)社内のスタッフ
 B)社外:お客様、取引先、パートナー

商品開発の担当者:顧客の気持ちがわかる人

アイディアの評価者:「顧客」または「顧客の代弁者」



勝 :お、いいね。よくまとまってる。

真子:なんかさー、ここまでやってきたことがこれだけにまとまっち
   ゃうとさびしーね。

恵利:でもこれは氷山の一角でしょ? その下に大きな氷の塊がある
   んだから……

勝 :そうそう。


勝が「ふう……さすがに疲れたな」と脱力して椅子にもたれかかる
と、すかさず望が気を利かせて、飲み放題になっている「えんめい
茶」を4人分持ってくる。

「はい、勝さん、どうぞ」
「お、ありがと」

勝が一気に飲み干した。

「ここで一休みするか……って、うわ、こんな時間だ!」
「あ、ホント! 時間が過ぎるのが早いねー」
「ね、そろそろお風呂に入ろーよ」
「あ……そうだね。勝さん、いいですか?」
「そうだな、今日はこれで終わりにしよう。女性陣は先に風呂に入っ
 て来いよ」
「勝さんはどうされるんですか?」
「オレはこのままここで仕事する」
「あ……すみません、勝さんはそのために来てるのに……」
「ははは、望ちゃんと恵利ちゃんのためならいいよ」
「ふーんだ。ホントはマ、コ、の、た、め、だよねー」
「勝さん、じゃあお先にお風呂行ってきまーす」
「どーぞごゆっくりー」
「じゃあ、勝さん、湯上がりにココにまた来るねー」
「何か用があるのか?」
「だって勝さん、湯上がりの艶っぽい真子、見たいでしょ♪」
「全く興味ない。来なくていい」
「あ、じゃあ私も来ます!」
「私も!」
「やっと自分の仕事ができるんだからジャマすんなよ……」
「じゃあまたあっとでねー♪」


(次号に続く)



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◆今日のまとめ
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●「自分が好きなものと売れるものは違う」。商品の判断は「顧客」
 に委ねよう!

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▼今日の日記▲

先週は、「うどん県」(香川県)に出張。ご縁があって、講演させて
いただきました。

うどん県に行ったので、当然うどんを食べてきました。今回は、3店
をハシゴ。

ちょこちょこと香川には仕事で訪れており、なんだかんだいって結構
多くの店でうどん食べてます。

うどん県の中でも、スタイルは店によって結構違うものですね。特に
麺の固さは、大きな幅があります。讃岐うどんには「すごいコシ」と
いうイメージがありますが、固くてかみ切れないような店って、むし
ろ少ないですよね……。今回行った店の1つは、東京人の私の感覚で
も、柔らかいかな、と思うくらいでした。

今回、ある店で「カレー釜玉」というのをいただいたんですが、これ
が私の好みドンピシャで、滅茶苦茶おいしかったです。麺の固さとい
い、カレーの味といい、サイコーでした。

また別の店では、ゆでた麺をいただきました。ゆでてから20分を超
えた麺は、お客様に無料で差し上げているとのこと。せっかくですの
でいただいて帰り、家族でいただきました。

また行きたいですねぇ……



●今日のiPod Tune:食欲の秋! 2013

まだ暑いですが、もう10月! 食欲の秋!

ということで、食べ物にちなんだ歌の特集♪

おなかいっぱいになったところで、そろそろデザートに……

ということで、今日の曲は……


○American Pie by Madonna


2000年リリース、イギリスを初めとする全世界で大ヒット。なぜ
かアメリカではリリースされなかったようです。

当時、イギリス人の上司がカラオケで熱唱してたことをよく覚えてい
ます。

元々は70年代の大ヒット曲で、それをMadonnaがカバーし、ポップ
にアレンジして生まれ変わりました。昔の曲をポップにアレンジし直
して大ヒット、という典型的な例ですね。

原曲はフォークっぽい感じですのでノリはちょっと違いますが、どち
らのバージョンもいいですね。



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