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2013年9月3日火曜日

売れたま!特別編Vol.245 2013/09/02 夏休み特別号:BASiCSで商品開発 8

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
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━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.245(累計1047) 2013/09/02
購読者:28,712 (まぐまぐ:16,234 メルマ!:940 めろんぱん:11,538)

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 ■■■__夏休み特別号:BASiCSで商品開発 8__■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●「ニーズ発想」では「メッセージから考える商品開発」もアリ。
 「お客様にどう伝えるか?」が見えれば、作る商品も見えてくる!


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◆夏休み特別号! BASiCSで商品開発!
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夏真っ盛り! 恒例の夏休み特別号は、あの本の登場人物に……

「新人OL〜シリーズ」の登場人物
・売多真子:イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」社長
・売多勝 :売多真子の親戚 コンサルティング会社経営
・上原望 :売多真子の同僚「そーれ・しちりあーの」役員

「経営戦略虎の巻 CD」付属小説の登場人物
・松井恵利:売多真子の友人 果物ジュース・ケーキショップ店長


○入門書:「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」佐藤義典
http://ow.ly/89pSR
売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!

○戦略書:「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典
http://ow.ly/6s63d
真子が社長になり競合と戦う戦略構築〜実行プロセスを、物語で体感



●「BASiCSで商品開発」編

今回の特集は、「商品開発」! 多くの方が悩むところです。

・どんな製品を作れば売れるのか?
・どんなサービスを企画すれば人気が出るのか?

ポイントはもちろん、BASiCS!

このシリーズはどのくらいの長さになるかは、現時点ではわかりませ
ん。気長にお楽しみください。



●ここまでのあらすじ

イタリアンレストラン「そーれ・しちりあーの」の社長「売多真子」
(うれた・まこ)と役員「上原望」(うえはら・のぞみ)、真子の友
人「松井恵利」(まつい・えり)は、真子の親戚にしてコンサルタン
トの「売多勝」(うれた・まさる)の「1人合宿」についてきた。


8月の初旬、4人の向かう先は、高原のペンション。4人は長野行き
の新幹線に乗り込み、4人席で早速勝の「講義」が始まる。時間はあ
っという間に過ぎ、高原のペンションに到着した。



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◆まずは、前号の復習から!
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高原のペンションの一角は、カフェコーナー。コーヒーや冷たいお茶
などがセルフサービスで飲み放題になっている。

そこで大はしゃぎする、いい大人が4人。

「うん、やっぱり望ちゃんがいれてくれたエスプレッソはうまいな」
「何言ってんのよ、いれたのは望ちゃんじゃなくて機械じゃん」
「いや、望ちゃんのボタンを押す角度とタイミングが……」
「……」
「うん。じゃあもう一杯いれるか……」
「勝さん!! 私がいれたのも飲んでください!」
「うん、喜んで! 恵利ちゃんがいれたのもきっとおいしいよ」
「……何このオヤジ……自分でいれなよ……」


めいめいの飲み物を手にテラスのテーブルに戻ると、すかさず恵利が
自分で焼いてきたケーキを「どうぞー」と広げる。

「お、うまそう」と勝が最初に手を伸ばし、かぶりつくと、嬉しそう
に「うん、うまい」と頷いた。

「よし、じゃあ食べながらでいいから、復習から始めようぜ」


恵利:はい。ここまでを一旦まとめると、こうなります。


○商品開発のプロセス ITEST

 Idea Generation アイディア出し
 Test Marketing テストマーケティング
 Engineering   生産方法確立・生産
 Selling     上市・販売
 Tuning     市場の反応を見て改善


○I:「アイディア発想」の3つの源泉

1)ニーズ発想 → 「顧客」からの発想
・顧客が元々欲しいものだから成功の確率は高い
・逆に、大きなリターンは期待できない

2)シーズ発想 → 「自社」からの発想
・顧客が欲しいかどうかはわからないから成功の確率は低い。
・当たれば大きなリターンが期待できる

3)他業界発想  →「他業界」からの発想
・成功すれば「革新的」だが、自業種では初めてなので大変
・他業種に既に成功事例があるので、それが参考になる


○1)ニーズ発想 → 「顧客」からの発想

1−A)ニーズを捉える:顧客の行動や言葉から気づきを得る
1−B)「行動仮説」を作る:どんな提案ができるかを考える
1−C)「行動仮説」を検証する「調査」を行う

→この3つを貫く「利用場面」=TPO:Time,Place,Occasion
 「いつどこでどう使うか」


○TPOを広げるポイント:お客様に新しい嬉しさを提供できるか

1)新しいTPOを提案することで「新しい嬉しさ」を提供する
2)既存のTPOで、競合にない「新しい嬉しさ」を提供する


○TPOを選ぶポイント:儲かるか・勝てるか・やりたいか

選択基準1)市場の魅力度:儲かるか?
・市場規模、利益率、成長性
・BASiCSでは「B:戦場」「C:顧客」

選択基準2)長期的競合優位:勝てるか?
・そのセグメントにとっての「競合」ではなく自社を選ぶ理由を作れ
 るか
・BASiCSでは、「B:競合」に対する「S:強み」

選択基準3)自社の意思:やりたいか?
・自社の企業理念などとの適合
・BASiCSでは、「A:独自資源」の企業理念との適合



勝 :OKOK。

望 :恵利ちゃん、さすがね。



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◆「メッセージから始まる物語」
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勝 :このシリーズは「BASiCSで商品開発」。ここで「戦略
   BASiCS」について、復習しとこう。望ちゃん、お願い。

望 :あ、はい。


望が「こんな感じですよね」とさらさらと自分のノートに書いていく


◇戦略BASiCS マーケティング戦略を考える5つの要素

Battlefield:戦場・競合  顧客にとっての自社商品の代替選択肢
Asset:独自資源      「強み」を競合がマネできない理由
Strength:強み      お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由
i
Customer:顧客      自社の「強み」を重視するお客様
Selling message:メッセージ  「強み」をお客様に伝える


望 :この頭文字がBASiCSで、大事なのは全体の「一貫性」と
   「具体性」

勝 :うん。それで、商品開発もこの5つの要素で考えていく。

恵利:ここまでやってきたものでは、「B:戦場・競合」が、TPO
   すなわち利用場面、ですよね。

望 :そして、そのTPOにおける自社商品以外の選択肢が「競合」
   ですよね。

真子:商品開発するときは、その「B:競合」じゃなくて「自社を選
   んでもらう理由」を作る。それが「S:強み」!

勝 :そうそう。それで、普通の商品開発だと、「売り物」を考えて
   から、その後に「売り方」を考えることが多いよな。

望 :はい。うちでも、「どんな新メニューを出すか」を考えてから
   「どんな伝え方をしようか」って考えます。

恵利:BASiCSだと「S:強み」を考えてから最後に「Sm:メ
   ッセージ」を考える、ということですよね?

勝 :さすが。その通り。でもさ、今やってるのは「商品開発」のう
   ちの「ニーズ発想」だよね? それでいいか?

真子:え? どういうこと?

勝 :今いみじくも恵利ちゃんが「最後にメッセージを考える」って
   言ったけど、「ニーズ発想」なのにそれでいいのか、ってこと

真子:だ、ダメなの?

勝 :BASiCSの5要素の中で一番「顧客」に近いのは、何だ?

真子:「C:顧客」でしょ?

勝 :そりゃそうだよな。その次は?

真子:あ……お客様を惹きつける「Sm:メッセージ」だ。

勝 :そう。「C:顧客」を惹きつけるのは、「S:強み」じゃなく
   て、それを表現したところの「Sm:メッセージ」。

真子:そうか、それを最後に考えるのは遅いんだ。

勝 :「ニーズ発想」では、な。「メッセージ」を最初に考えない
   「ニーズ発想」の商品開発って、おかしいだろ?

恵利:あ……なるほど、順番としては「メッセージから始まる商品開
   発」の方が、ニーズ発想には適している、ということですね。

望 :論理としてはわかりますが、どうやるんですか? 「売り物」
   がなければ何をメッセージにするのか、わかりませんよね?

勝 :そんなことないよ。新メニューを作るとするじゃん? そのと
   きに、「例えば」どんな「メッセージ」が出せる? 例えば。

真子:例えば、「ビールに合う!」とか?

望 :あ、なるほど……「もう少しだけ食べたいときに、ぴったり」
   というのも「メッセージ」の1つですよね?

勝 :だよね? なら「もう少しだけ食べたいときに、ぴったり」っ
   て言えるようなメニューを作れば、そのメッセージが出せる。

真子:なるほど!! 「こう言えたらいいな」っていうメッセージを
   考えてから、そういうメニューを作ればいいんだ!!

望 :えっと……「お客様にこういう一言が言えたら、売れそうなの
   にな」っていうところを出発点にする、ということですか?

勝 :そうそう、そういうこと。商品開発をメッセージから考え始め
   る、ってこと。

恵利:考え方はわかりましたけど、なぜそんなことをする必要がある
   んですか?

勝 :最大の理由は「商品開発」を「商品」の開発と捉えると、どう
   しても「商品」すなわち「モノ」にひきずられちゃうから。

望 :あ……確かに……どうしても素材が、とか調理法が、とか考え
   ちゃいます。そっちに引っ張られちゃう……

真子:そっか。新メニューは「ビールに合う」というメッセージのメ
   ニューって決めちゃえば、いつもそこに戻れるね。

望 :うん。「じゃ、どんな肉にしようか」と迷っても、「だからビ
   ールに合う肉はどれ?」って戻るところがあるとラクですね。

勝 :そうそう、そういうこと。「メッセージ」から始めることで、
   全体の一貫性が取れる。

恵利:なるほど……では「さよならから始まる物語」と同じですね?
   オギノメちゃんの。

勝 :!! 恵利ちゃん、そんなマニアックなの、よく知ってるな。
   いや、マニアックとか言うとオギノメちゃんに失礼だけど。

恵利:やっぱり勝さん、ご存じでしたか……

勝 :「さよならから始まる物語」って、いいタイトルだな、と思っ
   て、妙にアタマに残ってた。

真子:「さよならから始まる物語」って?

勝 :荻野目洋子のセカンドシングル。その翌年に「ダンシング・ヒ
   ーロー」で大ブレイクするまで彼女はアイドルだったからな。

真子:わっかりませーん。解説お願いしまーす。

勝 :しっかし恵利ちゃん、アタマいいな……

真子:別にそんな曲を知っていてもアタマがいいとは言わないと思い
   まーす。

勝 :そこじゃねーよ。「さよならから始まる物語」、あ、物語と書
   いてストーリーと読む歌詞なんだけどさ……

真子:そこはいーから、早く!

恵利:普通は「さよなら」って最後でしょ? メッセージも普通は最
   後に考えるよね? でもそこから始めるのもアリ、ってこと。

真子:え??

勝 :だから、どっちも「普通は最後にすることから始める」ってい
   う点が一緒なんだよ。基本的な論理構造が同じ。

望 :あ、なるほど……そこまで考えて言ってたのね。恵利ちゃん、
   アタマいー! さすが「勝さんクラス」の学級委員ね。

真子:きゃはは、それいーね。学級委員。恵利っぽいや。

恵利:そ、そんなことないけど……

真子:私もわかった。「売れる」メッセージが考えつけば、そこから
   そう言える商品を逆算して作れば売れる、ってことだよね。

勝 :そうそう。モノができてから「どう売ろうか」って考えるんじ
   ゃなく、「どう売るか」を考えてから「何を作るか」を考える

望 :「どう売るか」を考えてから「何を作るか」という「物語」が
   始まるわけですね。確かに「ニーズ発想」らしいですよね。

勝 :そうそう。「メッセージから始まる物語」。



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◆「洗浄時間5分」というメッセージのための商品開発
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望 :「メッセージから始まる商品開発」には、どのようなものがあ
   るんでしょうか?

勝 :例えばこういうの。花王の時短洗剤「ウルトラアタックネオ」


勝が3人にノートパソコンのモニタを向けた。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇「東京都内の量販店の衣料用洗剤売り場。洗浄時間5分をうたう
 「ウルトラアタックネオ」の陳列棚の前で、花王の担当者がタブレ
 ット(多機能携帯端末)「iPad(アイパッド)」を手に、ほか
 の洗剤との洗浄力を比べた実験映像を来店客に見せていた」


◇「花王の新商品は洗濯機のスピードコースを使うと、洗浄時間が平
 均で5分縮まる。脱水を含む洗濯時間は平均15分短くなる」
 「「洗濯が終わるまで眠れない」「週末は洗濯に追われ早く遊びに
 行けない」。働く女性の増加に伴い、時短を求める声に応えた商品
 だ」

2013/08/05 日経MJ P.10



◇「花王の時短洗剤が誕生したカギは新界面活性剤にあった。開発に
 あたり重要な役割を担ったのが「解析科学研究所」(和歌山市)
 だ」


◇「研究所の一室をのぞくとまず、パソコンの画面が目に入った。汚
 れが落ちる速さや汚れの落ち方・はがれ具合が画面に次々と映し出
 される。「高速原子間力顕微鏡」と呼ばれ、活性剤の分子同士がど
 んな影響を及ぼすのか相互作用をナノ(ナノは10億分の1)レベ
 ルで可視化するという」


◇「これらの装置を駆使しながら「はやく、しっかり落とす」活性剤
の分子のメカニズムを解明した」

2013/08/05 日経MJ P.10


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:さすが花王だねー。なんかスゴそーな研究所だ。高速原子……

望 :それが花王の「独自資源」なのかな。ハード資源??

勝 :そうだな。この「解析科学研究所」自体が花王の大切な「独自
   資源」だろうな。研究所の方々も含めて。

恵利:それが、ちゃんと「時短のための洗剤」っていう、ニーズにつ
   ながってるのがすごいですよね。

勝 :そうそう。「ナノレベルの解析技術が……」とかメッセージに
   しない。

真子:そういう「メッセージ」ってよく見るけどね、きゃははは。

勝 :この「ウルトラアタックネオ」のパッケージがこれだな。


http://www.kao.com/jp/corp_news/2013/20130527_007.html


真子:どれどれ……「洗浄時間たった5分で驚きの白さ」! 「たっ
   た5分」って、確かにスゴそーだ。

望 :強烈なメッセージですよね。「たった5分」って。

恵利:ね、勝さん、これって「5分って言えないか」って最初に考え
   たんですよね、きっと。花王の方たちが。

勝 :オレもそう思う。「7分」とかで妥協しないで、「5分」って
   言えればインパクトがあるからね。

真子:そっかー、「洗浄時間5分」っていうためにはどうすればいい
   か、ってゆー発想かあ……

恵利:まさに「メッセージから始まる物語」だね。

勝 :ニーズ発想では、「技術」とか「高速原子間力顕微鏡」はあく
   まで手段。

望 :目的は「お客様の嬉しさ」ですよね。

勝 :そうそう。この場合の「嬉しさ」は? 望ちゃん?

真子:あー、もー、望ちゃんばっかりー。

勝 :今回初参加だからだよ。真子たちは慣れてるだろーが。

望 :はい、ですから「5分で洗浄」ですよね?

勝 :もう一声。洗浄時間が短くなると「どう嬉しい」の? もっと
   具体的に。

望 :あ、そこまで考えないとダメですね……


「望、しっかりしろ」 再び望がゲンコで自分のアタマをコツと叩く


真子:あー、望ちゃん、あざといなあ……そーゆーのうまいなあ……

望 :え? な、何が?

勝 :望ちゃん、コイツは気にしなくていいから、考えて。

望 :えっと……あ、この「洗濯が終わるまで眠れない」とあります
   から……「早く寝られる!」

勝 :そうそう。「洗濯時間は平均15分短くなる」から、「15分
   早く寝られる」なんて、すごいメッセージだろ?

望 :はい! 花王の「技術」は「お客様の睡眠時間のために」なん
   ですね。

勝 :それが「ニーズ発想」だよな。



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◆「最軽量」というメッセージのための商品開発
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勝 :あとさ、シリーズ5号目でやった電子辞書、あっただろ?

望 :はい、「携帯する」というTPOから考えた商品開発、でした
   よね?

勝 :それそれ。それも、「メッセージから始まる商品開発」って言
   えるんだよな。これだな。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇「シャープが8月上旬に発売した電子辞書「ブレーン PW─
 AC10」が好調だ。携帯性を最重視し、スマートフォン(高機能
 携帯電話)を思わせる小型で洗練されたデザインや、機能を絞り込
 み価格を抑えたことなどが特徴だ。家電量販店の店頭では発売直後
 から手に取る女性客が相次ぎ「予想を超える売れ行き」(同社)を
 見せている」


◇「「重さは100グラムを切り、業界最軽量に。店頭価格は1万円
 程度に抑える」。目標とする仕様はコンセプトに合わせる形で自然
 に決まった。ただそれを実現するため試行錯誤を繰り返し、「実際
 に100グラムを切ることになったのは、発売まで1カ月を切った
 ころだった」(粉川さん)という」


2010/11/12, 日経MJ P.3

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


望 :あ! 「業界最軽量」っていうメッセージを出したかった!

恵利:うん。あとは、店頭で「9800円!」って言って欲しかった

勝 :希望小売価格が12,800円みたいだけど、そう言うメッセ
   ージを店頭で出したかったから、この価格にしたんだろうね。

望 :だから発売直前まで、軽量化を図ったんですね。「最軽量」っ
   て言うために。

恵利:そのメッセージが店頭で目立って効果的だ、っていうことがわ
   かってたんだろうね。

真子:そりゃ、TPOが「携帯用」だからねー。

勝 :そう!! TPOを具体化すれば、「刺さるメッセージ」も出
   しやすくなる。

恵利:あ……なるほど、TPOを具体化する、というのはつまり、
   「B:戦場・競合」を具体化することだから……

真子:あ! その競合に対して、どんな「メッセージ」を出せばいい
   のかがわかる!!

望 :なるほどぉ……競合がわかれば、メッセージが出しやすい……

恵利:そして、そのメッセージを目指して、技術開発とかしていけば
   そのメッセージを出せるもんね!

勝 :そう。ただ、落とし穴もある。この「メッセージ」が「技術」
   の方向だけに向くと、「無価値なスペック競争」になる。

望 :あ、それ、勝さんに教わったことありますよね……


望が「確かこのとき……」と言いながら、ノートを探す。これ!!


望 :「お客様には無価値な品質競争」! リアルシシリーが陥った
   ワナでしたね*

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勝 :そう! それそれ。よく覚えてたじゃん。さすが。

真子:なんか懐かしいねー。

恵利:「うちは3g軽くなった! いや、こっちはもう1g軽くなっ
   た!」みたいな、意味の無い競争になる、ということですか?

勝 :それそれ。お客様にとっては意味が無い。お客様は「最軽量」
   が嬉しいんじゃなくて「持ち運ぶのに便利」が嬉しい。

望 :あ、だからやっぱり「メッセージ」で伝えることは「強み」な
   んですね。つまり「お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由」

勝 :そう! 「業界最軽量」が「お客様が競合ではなく自社を選ぶ
   理由」になればOK。

恵利:なっていなければ「お客様には無価値な品質競争」になってい
   るかもしれない、ということですね。

勝 :そうそう。だから、メッセージをチェックすることで、戦略と
   か開発商品をチェックできる。

望 :あ、だからBASiCSは商品開発にも向いているんですね。
   「メッセージ」で、開発の方向性を常にチェックできますから

恵利:商品開発は「メッセージから始まる物語」でもありますし、
   「メッセージでチェックする物語」でもあるんですね。

望 :あらためて、BASiCSに「メッセージ」が入っていること
   の意味というか、大切さがわかりますね。

真子:ホントだねー。勝さん、「メッセージ」ってBASiCSにい
   れといて良かったねー。

勝 :ホントそうだ。でもさ、結構「BASiC」って、最後のSmを
   忘れちゃう人が多いんだけど、「最後のS」も、すっごい大事。

恵利:BASiC「S」ですね!!



「しかし、3人いると、話が進むから話が早いな」
「3人寄れば文殊の知恵、ってヤツだねー、きゃははは」
「私たちが3人いて、やっと1人前、とも言えるね……」
「そ、そんなこと言わないでよ……確かにそうだけどさ……」


テーブルの上にあった、恵利が焼いてきたケーキはいつの間にか残り
少なくなっていた。


「あ……日が暮れる……」 真子がポツリとつぶやく

宿に到着したときはまだ日が高かったが、いつの間にか空が赤く焼け
ている。

「そう言えば、少し涼しくなってきたね……」

テラス席を通り抜ける風が、ほんの少し冷気を含むようになった。

「ちょっと一休みするか……」

4人が立ち上がって、開け放たれた窓から空気を吸い込む。虫除けの
網戸には、小さな虫が数匹だがついている。

「暑いは暑いですけど、空気がキレイですね、勝さん」
「夜になると、もうちょっと涼しくなるけどな」
「今も、東京と比べると全然涼しいですよ。夏はここに住みたいな」
「きゃはは、私たちも初めて来たとき、それ言った」


オーナーが、パタパタとスリッパの音を響かせ、「お仕事中のところ
失礼しまーす」と言いながら、テラス席に入ってきた。


「もうチェックインできますが、どうされますか?」
「勝さん、どうしますか?」
「オレは別にどっちでもいいけど。どうする? 女性陣は着替えてシ
 ャワーでも浴びて来るか? 汗かいただろ?」
「あ、そーしよっと。勝さんは?」
「オレは君らがいない間、1人で仕事するよ」
「あの……お邪魔でなければご一緒させていただいていいですか?」
「あ、恵利ちゃんなら大歓迎」
「え? 恵利シャワー浴びないの?」
「だって、1分1秒でも惜しいもの。この時間が」
「あ、そうだね。真子ちゃんは勝さんの講義の価値が身近すぎてわか
 らないのよ。私も残ります。真子ちゃん、行ってきたら?」
「な、何それ……なんで私だけ悪者みたいになるのよ……はいはい、
 私も残りますよーだ。講義の価値もわかってますよーだ」
「真子、ムリに残らなくていーんだぞ? 別に頼んでないからな」
「そ、そんなこと言わないでくださいよー、勝さんが1人で仕事した
 いだろーなと思って気を遣ったのに、ひどいなぁ……」
「あ、そ、そうだったんですか? す、すみません……」
「イヤ、いいんだけど、真子がホントにそう思ったのならすげー」
「ほ、ほんとだもん! そりゃ、シャワーも浴びたかったけど……」
「やっぱりそっちだろうが」


(次号に続く)



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◆今日のまとめ
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●ニーズ発想では、「メッセージから始まる商品開発」もあり得る。
 「お客様に何と言えれば刺さるか」から考えてみよう。


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▼今日の日記▲

今日は、いつものスタバでミーティング。お客様はオフィスにお招き
したいところではありますが、ちょっと散らかりすぎているので……

夏が終わると、スタバも衣替え。秋のメニューが店頭にしっかり並ん
でました。

スタバの偉いところは、こういうことをマメにすることですよね。秋
のお勧め(と思われる)きのこ&モッツアレラのフィローネ(パンで
す)が、お勧めメニューコーナーにイラストと共に掲げられていま
す。以前店員さんに聞いたところ、この看板は店員さん(バイトさん
ですね)が手書きしているそうです。

「戦略は振り切る、戦術はやり切る」というのがポイントの1つです
が、まさに「やり切る力」がスタバにはあるんですよね……

もう少しすると今度はハロウィーンですね。スタバで季節感を感じる
というのも何ですが、それも1つの大事な楽しみで、大切な「来店動
機」の1つですね。



●今日のiPod Tune:Hot Summer Song 2013

陽射しはまだ強いですが、やっぱり9月の陽射しですね。このシリー
ズも今日で終わり。


○Theme from A Summer Place by Percy Faith Orchestra

昨年同様、このシリーズを締めるのはこの曲。夏の終わりは、夏の恋
の終わりでもあります。「避暑地の出来事」(A Summer Place)という
青春映画のテーマソングで、邦題は「夏の日の恋」。


今、真子たちが行っているようなペンションで、少し風が涼しくなっ
た夕方に似合う曲♪



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