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2013年5月28日火曜日

売れたま!戦略編Vol.275 2013/05/27 サムライのまち:BASiCSの一貫性と具体性 前編

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 ■_サムライのまち:BASiCSの一貫性と具体性 前編_■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●BASiCSの各要素の関係は「相互依存」。「堂々巡り」しなが
 ら考え、BASiCS全体の「一貫性」と「具体性」を取ろう!


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◆サムライのまち
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●千葉県佐倉市は「サムライのまち」

千葉県佐倉市が「サムライのまち」として、外国人観光客に人気との
こと。

どういうことかと言いますと……


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇「首都圏でもっとも武家屋敷が多く残る千葉県佐倉市。佐倉市産業
 振興課の西野剛史さん(37)は「サムライのまち」として市を打
 ち出し、外国人観光客を集めている。



◇たとえば武家屋敷群に続くひよどり坂。「昼でも真っ暗で不気味だ
 った」(西野さん)という竹林を3年をかけて整備した。光が差し
 込むように竹を剪定(せんてい)。切った竹は鉄砲垣や四つ目垣に
 加工し、道の両脇に置いた。あえて竹の長さをそろえず武骨な侍の
 イメージを演出する。


◇「変化は如実に表れた」と西野さん。欧米を中心に個人客が「サム
 ライ」目当てに訪れるようになった。「空港に置いたパンフレット
 などを見てやってくる人が多い」。武家屋敷周辺の看板や説明書き
 はほとんどが英語併記。ドラマや旅番組の撮影も急増している。


2013/05/20 日経MJ P.4

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


佐倉市は、旧「印旛郡」ですが、長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督の出身
地、というのがまずアタマに浮かびますよね(私だけ?)。

「首都圏でもっとも武家屋敷が多く残る」という点に目をつけたのは
面白いですね。



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◆復習:戦略BASiCS
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●戦略BASiCS マーケティング戦略を考える5つの要素

売れたま!のカンバンフレームワーク、戦略BASiCS。一応復習
しておきましょう。

経営戦略・マーケティング戦略で考えるべきポイントは、以下の5つ
です。


Battlefield:戦場・競合
Asset:独自資源
Strength:強み
i
Customer:顧客
Selling message:メッセージ


戦略BASiCSは、この5つの要素でマーケティング戦略を考える
経営・マーケティング戦略の統合フレームワーク。

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◆「サムライのまち」のBASiCS
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では、千葉県佐倉市の「サムライのまち」としての、BASiCSを
考えていきましょう。

今回は、ズバリ結論から入っていきます。


B:戦場・競合  首都圏の日本らしい観光地
  ↓ ↑
A:独自資源   首都圏でもっとも武家屋敷が多く残る
  ↓ ↑
S:強み     武家屋敷で「サムライ」気分が味わえる
  ↓ ↑
C:顧客     「サムライ」に興味がある欧米個人客
  ↓ ↑
Sm:メッセージ 「サムライ」気分が味わえる!


と言った感じになるかと思います。

これは、「武家屋敷」「サムライ」を中核に、一貫性・具体性が両立
しているBASiCSになっています。

だからこそ、「成果」が出ているわけですよね。



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◆BASiCSの一貫性・具体性
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●戦略を考えるのに重要なことは「一貫性」と「具体性」

BASiCSの5要素が私たちに問いかけるのは、以下の5つの質問
です。


○戦場・競合:「顧客」にとっての自社商品の代替選択肢は?

○独自資源:「強み」を「競合」がマネできない理由は?

○強み:「お客様」が「競合」ではなく自社を選ぶ理由は?

○顧客:「強み」を重視してくれる人は、具体的に誰?

○メッセージ:「強み」を「顧客」に刺さるように伝える方法は?


この5つの質問が、経営戦略・マーケティング戦略の本質的な問い、
と言ってよいかと思います。



●BASiCSは「堂々巡り」

さて……実は、この5つの質問は、論理的には成立しない質問なので
す。というのは、1つ1つの質問に「単独」では答えられない、「堂
々巡り」してしまう質問だからです。

「トートロジー」と言われるような、「その定義の中に、定義される
べきものそれ自体が入ってしまっている」という意味で、論理的には
成立しない、ということです。

そして実はそれこそが、BASiCSの問いの本質であり、他の戦略
フレームワークにはない、BASiCSの最大の強み、なのです。

Excelでいうと「循環参照」です。「循環参照」は、

 A=3+B
 B=A−3

というような計算です。

Bが決まればAが決まりますが、Bが決まるためにはAが決まること
が必要なのです。「堂々巡り」になってしまう関係です。


例えば、

・「競合」は、「顧客」にとっての自社商品の代替選択肢
・「強み」は、「顧客」が「競合」ではなく自社を選ぶ理由
・「顧客」は、自社の「強み」を重視する人

という3つに、その関係が端的に表れています。

・「強み」を決めるためには、「競合」「顧客」の定義が必要
・「競合」を決めるためには、「顧客」の定義が必要
・「顧客」を決めるためには、「強み」の定義が必要

と、「堂々巡り」になっていることがおわかりいただけるでしょう。

これは、BASiCSの各要素が他の要素に対して「依存」している
「相互依存」の関係にあるからです。

この「相互依存」の関係が、BASiCSの「一貫性」です。逆に言
えば、BASiCSにおいて最も重要な「一貫性」を支えるのが、こ
の「相互依存関係」なのです。


だから、ある要素について考えるためには、他の要素を「同時に」考
える必要があります。というか、それをあえて「強制」しています。


「強み」を考えるときには「顧客」「競合」を考えながら考えます。
「顧客」を考えるときには、「強み」を考えながら考えます。


このように、「堂々巡り」しながら「各要素について同時に」考える
ことで、戦略の要素がバラバラになってしまうのを防ぐわけです。

この各要素の「相互依存関係」を突き詰めて行くのが、BASiCS
「的」思考法の神髄です。

そしてこれがBASiCS以外の他の戦略フレームワークにはない特
徴であり、強みなのです。

逆に言えば、他の戦略フレームワークは、1つ1つの要素を「バラバ
ラ」に考えてしまうがゆえに、全体としてみると一貫性を欠いてしま
いやすい、ということになります。


ちなみに、「独自資源」も「堂々巡り」です。「独自資源」は、

「強みを競合がマネできない理由」

ですから、「強み」「競合」が決まらないと、「独自資源」が定義で
きません。そして、「顧客」が決まらないと「強み」「競合」が決ま
らないわけですから、強み・競合・顧客がわからなければ、独自資源
がわからない、ということになります。

しかし、「独自資源」が決まらなければ、「強み」もまた決まりませ
ん。「独自資源」に支えられない「強み」は危ういからです。



●BASiCSの5要素は「一意に決まる」「クロスワードパズル」

理系的な表現ですと、このBASiCSの各要素の「相互依存」関係
は、「一意に決まる」(Unique、ユニーク)という表現になります。

「一意に決まる」とは「1つが決まれば他の要素もそれに応じて1つ
に決まる」、ということです。


数学で言う「関数」も、「X(入力)が1つに決まったら、Y(出
力)の値が一意に決まるもの」と定義されます。「Xの値が決まった
らYの値が一意に決まるとき、YはXの関数となる」わけですね。

y=3x+5 という一次関数は、xが決まればyが決まります。

「顧客」が決まれば「競合」が決まり、「競合」が決まれば「強み」
が決まる、そして「強み」が決まれば「顧客」が決まる、という関係
はこの「関数」の関係と同じです。

データベースでも「一意に決まる」と言います。例えば、顧客IDな
どは「一意に決まる」ための重要な要素(キー)ですね。顧客IDが
わかれば、それが表す顧客はある「1人」に特定できます。

そして、これがBASiCSの「一貫性」ということになります。


文系的な表現ですと、「クロスワードパズル」ですね。

例えば、「動物」のクロスワードパズルだったとして、

 タ
 ◇ ○
   ダ
   △ バ

とあったとしましょう。最初の タ◇ だけでは、タカ、タイ、タコ
などの選択肢などから決められません。

しかし、最後の「△バ」が「カバ」だとわかれば、メダカ、カメ、タ
カ、と次々に次に埋まっていきますよね。

 タ
 カ メ
   ダ
   カ バ

となるわけです。


最後の「△バ」には、「サバ」「ロバ」などの他の選択肢もあります
が、それだと「○ダ△」がそれぞれ「○ダサ」「○ダロ」となり、○
が埋まらなくなります(よね?)。

単体では「△バ」はサバでもロバでもいいですが、「全体の一貫性を
欠く」から、ダメだということです。「カバ」であれば、「○ダ△」
に「メダカ」という選択肢が産まれるからOK、ですね。カバを決め
るためには「○ダ△」を考えながらでないと埋められません。

当たり前だ、とおっしゃるかもしれませんが、BASiCS以外の戦
略フレームワークは、このような「相互関係」をあまり考慮しないも
のとなっているように思います。

「当たり前だ」と思われるのであれば、それはBASiCSの持つ
「強み」をご納得いただける、ということになります。


実際、マーケティングの本でも、

第1章 顧客
第2章 差別化

など、それぞれの要素が分断されて記述され、その「相互関係」につ
いては記述が無い、というようなものも少なくありません。

クロスワードパズルも、「相互関係」つまり「ワード間の一貫性」を
考えながら埋めていくという意味で、このBASiCSの考え方と同
じですね。



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◆「サムライのまち」の一貫性・具体性
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●「サムライのまち」のBASiCS 

では、以上のことをアタマに入れたうえで、先ほどの「サムライのま
ち」のBASiCSを再度見ていきましょう。

「サムライのまち」のBASiCSは、以下のようなものだと紹介し
ました。


B:戦場・競合  首都圏の日本らしい観光地
  ↓ ↑
A:独自資源   首都圏でもっとも武家屋敷が多く残る
  ↓ ↑
S:強み     武家屋敷で「サムライ」気分が味わえる
  ↓ ↑
C:顧客     「サムライ」に興味がある欧米個人客
  ↓ ↑
Sm:メッセージ 「サムライ」気分が味わえる!


なぜこのようになったのか、上記の「一貫性」「具体性」に着目しな
がら解説していきます。


●B:戦場・競合 首都圏の日本らしい観光地

まず、「B:戦場・競合」ですが、顧客が「欧米人の個人客」という
「観光客」ですから、「観光地」になります。

もし顧客が「ビジネスパーソン」でしたら、「観光地」戦場ではなく
「ビジネスタウン」戦場になるかもしれない、ということです。

顧客が「観光客」だから「観光地」という「戦場」になるわけで「戦
場の定義」は「顧客」に依存するのです。

ではなぜ「日本らしい」観光地と、「日本らしい」を加えた理由を説
明します。

「首都圏の観光地」と言っても色々あります。「首都圏の観光地」と
いう定義ですと、「東京ディズニーリゾート」がその中に入ってしま
います。それでも良いでしょうか?

「サムライのまち」がディズニーランドと競合する(=顧客にとって
の代替選択肢となる)とはちょっと考えにくいです。顧客が「欧米人
の個人客」ということを考えると、他に競合しそうなのは、「鎌倉大
仏」などでしょうか。

また、「日本人」に対して「日本らしい」と言っても、ピンと来ない
でしょうが、「欧米人」に対してなら意味があります。

こう考えてくると、「日本人らしい」観光地、くらいの「戦場」の定
義で適切であろうことがわかります。


ここで、「日本らしい」というのは、「戦場」ではなく「強み」では
ないか、という疑問が湧いたら、素晴らしいです。

しかし、「日本らしい」という「強み」があったとすると、その場合
の「競合」はディズニーランドですよね。鎌倉大仏が「競合」である
場合には、鎌倉大仏も武家屋敷も同様に「日本らしい」ために「強
み」にはなりません。

しかし、ディズニーランドのような観光地がお目当ての「顧客」にと
っては、そもそも「サムライのまち」が「アタマの中の代替選択肢
(=競合)」に入らない、つまり「サムライのまち」と「ディズニー
ランド」は競合しない(=同じ戦場にいない)ということになります
ね。

「サムライのまち」に興味があるような顧客は、おそらくは「鎌倉」
「日本庭園」「サムライのまち」など、「日本らしいところ」をいく
つか巡る(=戦場)、そしてその中でどこに行こうかを考えて決める
でしょうから、やはり「日本らしい」ことは「強み」ではなく「戦
場」にかかるべきだ、ということがわかります。


ここまで考えると「首都圏の日本らしい観光地」という戦場の定義で
良さそうだ、となるわけですね。

たった1行、「首都圏の日本らしい観光地」と戦場を定義するために
「顧客」「強み」など、色々なことを「堂々巡り」しながら考えてい
る、ということがおわかりいただけるでしょう。

単純な1行の背後には、相当な思考の「試行錯誤」があるわけです。
そのようなプロセスを経て、「当たり前だろ」という1行にたどりつ
くわけです。



●A:独自資源 首都圏でもっとも武家屋敷が多く残る

「独自資源」は「競合が強みをマネできない理由」です。

佐倉市が、その「観光資源」として着目したのが「首都圏でもっとも
武家屋敷が多く残る」ことでした。それが「独自資源」です。

「首都圏でもっとも多く」ですから、「首都圏においてはナンバーワ
ン」ということです。

佐倉市が、他のポイントでは無く、「ナンバーワンであるポイント」
に目をつけたのが素晴らしいです。

ナンバーワンでなければ、仮に「サムライのまち」が成功したとして
も、武家屋敷がさらに多い他都市に同じことをされたら、厳しい戦い
になってしまいます。


逆に、これは「首都圏で」もっとも多い、ということですから、おそ
らくは京都などと比べると、多くは無い(=勝てない)ということな
のでしょうね。ですから「首都圏」に戦場をとどめておいた方が良い
ということになります。

上の「首都圏の」という「戦場」の定義は、実はこの「独自資源」の
制約を受けているのです。

この「独自資源」が、「日本でもっとも」武家屋敷が多く残るという
ことでしたら、「戦場」を日本全体に広げても「強み」(お客様が佐
倉市に来る理由)を作れるでしょう。しかし、あくまで「首都圏で」
もっとも多い、ですから、その独自資源に基づく「強み」が活きる
「戦場」は、「首都圏」に限定されるわけです。



●S:強み 武家屋敷で「サムライ」気分が味わえる

強みは、「お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由」です。「強み」は
記事の中にははっきりとした記述はありません。

それでも、

 B:戦場・競合 首都圏の日本らしい観光地
 C:顧客 欧米人の個人客」

ということから、おそらくは

 S:強み 武家屋敷で「サムライ」気分が味わえる

というようなことではなかろうか、と推測できます。このB:戦場・
競合、C:顧客から、「自然の生き物が一杯」というような「強み」
は考えにくいですよね??

まさに「クロスワードパズル」のように、周りの要素から考えていく
ことで、「空欄が埋まっていく」わけです。


「強み」は、これだけではないかもしれません。「武家屋敷」という
「独自資源」に基づく他の「強み」の候補として、例えば

「武家屋敷の建築構造が研究できる!」

というようなものもあるはずです。

もちろん、このような「強み」も可能です。しかし、「強み」が相互
依存する「顧客」について考えて見ますと、「顧客」は……

・武家屋敷研究家
・昔の建築物を研究する建築家

などになるでしょうか?

「そのような顧客はいないことはないだろうが、数としては少ない」
ことが推測されます。

すると、その「強み」は難しそうだな、ということがわかります。

「強み」を単独で考える・評価するのではなく、

「強みがもたらすところの顧客」

という、「強みと顧客の相互関係」について考えることで、「強み」
を評価するわけです。



●C:顧客 「サムライ」に興味がある欧米個人客

C:顧客については、記事にあるように、「欧米個人客」です。

ただ、全ての「欧米個人客」が来るわけではないでしょうから、佐倉
市に来てくれる可能性が高い人、という意味では、「欧米個人客」か
らもう一段「具体性」を高める必要がありそうです。

「日本の文化・歴史に興味がある人」

くらいでも良いかもしれませんが、そうなると「神社・仏閣」「コス
プレ・アニメ・秋葉原(ある意味での日本文化ですよね)」などまで
が「競合」になってしまいます。

そこまで「競合」を広げてしまうと、「強み」が難しくなってしまい
ます。

ですので、ここでは「サムライに興味がある」と、直接的に表現して
います。



●Sm:メッセージ 武家屋敷で「サムライ」気分が味わえる!

ここまで具体化されれば、「Sm:メッセージ」は、「S:強み」を
そのまま表現すれば良いだけですね。

「武家屋敷で「サムライ」気分が味わえる!」という、「S:強み」
と同じで良いかと思います。


「S:強み」がそのまま「Sm:メッセージ」にならないこともあり
ます。それは、多くの場合、悪いサインです。

つまり、「Sm:メッセージ」が「S:強み」をチェックする役割を
果たしているのです(これも「相互関係」の1つです)。


「S:強み」がそのまま「Sm:メッセージ」にならない要因のうち
で、大きなものが以下の2つです。


1)強みが抽象的過ぎて、具体化されていない

例えば「日本文化を味わおう!」のような抽象的なコピーですと、そ
こから「武家屋敷」とは遠すぎて、わかりにくいです。日本文化を味
わうのだったら「お茶」「アニメ」「日本料理」など、およそ日本ら
しいもの何でも良い、となってしまいます。これでは刺さりません。


2)強みが「売り手」の言葉になっている

「武家屋敷、あります」のような、「売り手の言葉」では、お客様に
刺さりません。

チェックポイントは、主語が「お客様」で始まっているかどうか、で
す。

「武家屋敷、あります」の主語は、「武家屋敷」という「売り手」で
す。

「サムライ気分が味わえる」の主語は、「お客様」です。

この違いは大きいです。

この2つをチェックすることで、「S:強み」「Sm:メッセージ」
の一貫性が取りやすくなります。



●シンプルなBASiCSの背後にある緻密なロジック

以上をまとめると、以下のようになります。

B:戦場・競合  首都圏の日本らしい観光地
  ↓ ↑
A:独自資源   首都圏でもっとも武家屋敷が多く残る
  ↓ ↑
S:強み     武家屋敷で「サムライ」気分が味わえる
  ↓ ↑
C:顧客     「サムライ」に興味がある欧米個人客
  ↓ ↑
Sm:メッセージ 「サムライ」気分が味わえる!


このシンプルな記述の裏には、膨大な「相互関係のチェック」がある
ということが、ここまでの検証プロセスでおわかりいただけたでしょ
う。


逆に言うと、徹底して「一貫性」「具体性」をチェックしているから
こそ、各要素間に「一貫性」「具体性」があり、「全体として当たり
前」に見える、ということです。



次号に続きます!!


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◆今日のまとめ
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●BASiCSの各要素の関係は「相互依存」。「堂々巡り」しなが
 ら考え、BASiCS全体の「一貫性」と「具体性」を取ろう!


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▼今日の日記▲

先週末は戦略BASiCS2日間集中セミナーでした。

今回も、全国津々浦々から意識の極めて高い方々にお集まりいただい
たため、「エネルギーの満ちあふれた場」となりました。

お立場も、歴戦の強者である経営者の方から、若手の期待のホープと
いう方まで、商品単価が数百円の方もいらっしゃれば数十万円の方も
いらっしゃり、まさに「違い」のパワーを感じた2日でした。


「自分の隣に座っている方」と話すと、どうしても同じ情報を見て、
同じ発想をしてしまいます。

「畑違い」の方と話すことで、「アタマへの刺激」が産まれるんです
よね。

そうすると「拡散」してしまう可能性がありますが、そこはそれ、
「戦略BASiCS」という「共通言語」がありますので、違う業界
の方同士が同じ言語で話せるわけです。

この2日間は、「終わり」ではなく「始まり」です。ぜひ成果につな
げていくよう、頑張ってください!!



○1000号突破! 勝手にカウントアップ!

*今号で(多分)累計1,019号!


●売れたま!1000号を超えてその19:魔法の言葉

「こんな長いメルマガ1000号発行している物好きな人が、どんな
ことを考えているのか興味がある」(という言い方ではありませんで
したが)という方がいらしたので、このコーナー、続きます。

以下、あくまでも私の個人的な意見であって、これが正しいとか、み
んなこうあるべきだ、などというつもりは全くありません。将来的に
は、言ってることが全く変わる可能性もあります。あくまで現時点で
の、あるメルマガ発行人の独り言です。


前回、「思考停止」に陥りがちな「要注意ワード」というお話をした
かと思います。

・高品質
・高性能
・安心安全
・非日常
・おいしい

などですね。いずれも「抽象度」が高すぎる言葉です。

「うちの商品の強みは「高品質」であることです!」

というような言葉が出てきたときは、私のセンサーが働きます。その
ときには、「具体性」を高める必要があります。


そんなときに発する、「魔法の言葉」があります。それは……

「例えば、どういうことですか?」

です。

「高品質とは、例えばどういうことですか?」

と聞いて、

「あ、それはですね、競合がこうで、でもうちの商品は……だから、
 壊れにくいんです」

などの言葉につながればOKです。その「高品質」を言語化して定義
したうえで、顧客にとっての価値(ベネフィット)へ転化することに
なります(それはそれで大変ですけど)。


「高品質とは、例えばどういうことですか?」

と聞いて、フリーズしてしまう場合は「思考停止」に陥っている可能
性がありますので、要注意です。


「例えばどういうことですか?」

というのは、具体性を高める「魔法のツッコミワード」なんですね。


この言葉を投げかける対象は、クライアントに限らず、自分自身にも
投げかけます。

自分のアタマが停止したな、と思ったら、「それ、例えばどういうこ
となんだ?」と自分に問いかけます。すると、さらに思考が深くなっ
ていくこともあります。

こういう、「投げかける質問リスト」というのは、アタマを働かせる
秘訣でもあるんです。

どういう「質問リスト」があるかは、売多勝さんが真子に投げかける
言葉にかなり反映されていますので、そういう視点で再読されてみて
も面白いかもしれません。



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 日本能率協会マネジメントセンター
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●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
 ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
http://www.sandt.co.jp/kotowaza.htm

────────< マーケティングの思考法 >────────

●最新刊 「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
 日本能率協会マネジメントセンター
 右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
http://www.sandt.co.jp/shiko.htm

──────< 物語でわかるマーケティング >────────

●「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
 物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
http://www.sandt.co.jp/shiroineko.htm

●「ドリルを売るには穴を売れ」 佐藤義典著 青春出版社
 マーケティング入門:読みやすい小説
http://www.sandt.co.jp/drill.htm

●「売れる会社のすごい仕組み」 佐藤義典著
 青春出版社
 売れる戦略構築から実行プロセスまでを物語で体感!
http://www.sandt.co.jp/shikumi.htm


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◆次号予告:「サムライのまち」 後編
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●BASiCSの「一貫性」「具体性」について、さらにつっこんで
 考えていきましょう!


▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!

▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!


売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……

〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
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