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2013年4月19日金曜日

売れたま!特別編Vol.232 2013/04/18 セグメンテーション特集 33

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
 〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.232(累計1008) 2013/04/18
購読者:28,264 (まぐまぐ:16,312 メルマ!:946 めろんぱん:10,996)

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 ■■__年末年始特別号:セグメンテーション特集 33__■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●セグメント・戦場の選択基準は、「儲かるか」「勝てるか」「やり
 たいか」の3つ。


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◆年末年始特別号!
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いよいよ4月!

東京で桜が散っても終わる気配のない、年末年始特別号!

実戦的セグメンテーションを深く彫り込む、日本でも珍しい特集。

今回の特集は、「セグメンテーション」! マーケティングで恐らく
は一番難しいことの1つです。どう切り込むのか?


我らがヒロイン「売多真子」(うれた・まこ)、真子の親戚にしてメ
ンター「売多勝」(うれた・まさる)。2人は以下の本の登場人物。

○「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
http://ow.ly/89pSR
真子が、勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!

○「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
http://ow.ly/6s63d
上の本の続編。真子が社長として、戦略を駆使してライバルと戦う!


●あらすじ

大晦日の夜、売多真子と勝は、年末に売多家が集まる温泉宿に集合。
電車の中、そして除夜の鐘を聞きながら続く2人のレッスン。一夜明
けて、お正月を迎えて……


今号はシリーズ第33回目です。

最近お読み始めになられた方は、バックナンバーをどうぞ↓
http://archive.mag2.com/0000111700/20121228030000000.html

この第1回目の記事から「次の記事」をクリックしてお読みください



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◆まずは、前号の復習から!
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*本編の「今の時間」は、年が明けた1月2日の午後です。

1月1日、真子と勝はほぼ1日中マーケティングレッスンに明け暮れ
た。翌1月2日は、朝の温泉を楽しみ、宿を後にして帰京。


2人を乗せた電車はどんどん東京に近づいている。

車内アナウンスが流れる。
「次の〜○○駅で〜3分間停車ぁ、いたしぃます」

「やったぁ、チャンスとーらい!」
「何が?」
「お湯もらってくる! お湯があればエスプレッソ作れるでしょ?」
「できるけど、どこでお湯もらうんだ?」
「ダメモトで頼んでみるよ!」

真子が今洗ったばかりのステンレスボトルを持って、駅のホームへと
駆けだしていく。「アイツ、どこに行くつもりだ?」と思って勝が真
子の姿を目で追うと、真子はホームの立ち食いソバ店に飛び込んだ。

「なるほどなあ……立ち食いソバ屋にはお湯があるか……でも間に合
 うのか??」 勝がつぶやく。

「おい、電車が出るぞ」と勝が自分に声をかけるかのように言うと、
真子が店から飛び出し、電車へと駆け込む。

ほどなくして真子が電車の廊下に姿を現すと、得意満面で笑みを浮か
べ、勝の隣の窓側席に自分自身を押し込んでいく。


「へっへー、おソバ屋さんでお湯もらってきたよ〜」
「すげーな、オマエ。よく思いついたな」
「だって飲みたかったんだもーん」
「必要は発明の母、ってヤツか。しかよくお湯もらえたな」
「カワイイ女の子はトクだよねー。お湯ください! って言ったら、
 おじさんが喜んでお湯くれたよ」

真子が勝にステンレスボトルを差し出す。

「カワイイ女の子だからじゃなくて店員さんがいい人だったんだろ。
 何だよ、そのおにぎりは……」
「あ、これ? さすがにタダでお湯もらうのも悪いから、おにぎり買
 ってきたの。勝さん、食べる?」
「いや、もういい」
「じゃー、真子が食べるねー。ね、苦労してお湯もらってきたんだか
 ら、エスプレッソ作ってよね」
「はいはい……まあオレも飲みたかったからな」

勝がタナの上の荷物から携帯用エスプレッソマシンと、カップを取り
出す。勝がマシンを操作する間に、真子はおにぎりをパクつく。

勝が「ほら、2ショットできたぞ」と、真子にカップを渡すと、真子
は「やったあ」と両手でカップを抱え、一気に飲み干す。その間にも
勝はマシンを操作し、真子が空にしたカップに注いでいく。

「あれ、お代わりくれるのー?」
「これはオレのだよ!」
「きゃははは、そりゃそっかー」
「あれだけポッド(コーヒーの粉が入ったパック)持ってきて、まさ
 か使い切るとはな……」
「勝さん、飲みすぎー」
「オマエもだよ!」

勝は入れたばかりのエスプレッソを、大事そうに口にする。

「ふう……」
「なんか一息ついたねー」
真子が食べ終えたおにぎりやポッドののゴミをビニール袋に集める。
「そうだな。じゃあ始めるか」


真子:はーい。まずは復習ね。今やってるのはこれでーす♪


真子がノートを開きながら説明していく。


○セグメンテーションの「括って広げる3ステップ」

ステップ1:顧客像の具体化
ステップ2:ニーズの普遍化
ステップ3:ニーズで人を括る


○セグメンテーションで「括る」ための切り口

切り口1:使い方・利用場面
・価値は使い方に現れる。逆に使い方を見ればニーズがわかる!

切り口2:困りごと
・どんなことに困っているのか、困りごとが同じならニーズが同じ!

切り口3:体質
・肌質・髪質・アルコールへの耐性などでニーズが違う!

切り口4:所有資源
・お金・時間・エネルギー・車などの持ち物などでニーズが違う!

切り口5:こだわり・マニアレベル
・ビギナーとマニアでニーズが違う!

切り口6:購買履歴
・何を買ったかで、直接の購買行動がわかる!

切り口7:競合
・どの競合商品を買うかに、ニーズが現れる

切り口8:バイヤー・ユーザー
・「買う人」と「使う人」が違う場合は、それぞれにニーズが違う!

切り口9:ありたい姿
・「ありたい姿」の違いは、ベネフィットの違いそのものとなる

切り口10:属性
・BtoCなら性別・年齢など、BtoBなら業種・企業規模など


真子:それで、前号は「良いセグメンテーションの条件」でしたぁ!
   それがコレでーす。


○セグメンテーションの前提:顧客のニーズの違いを捉えていること

○良いセグメンテーションの3条件

1)論理性:括れるか?
・明確な基準で、モレなくダブりなく分けられるか

2)実戦性:使えるか?
・具体的な打ち手に落ちるか、アクセスできるか

3)戦略性:勝てるか?
・自社の「強み」が活きるか


勝 :OK。

真子:これ、シンプルでいーねー。

勝 :「単純」であることは、必ずしも「簡単」であることを意味し
   ないからな。むしろ逆の場合が多い。

真子:うん。でも、「単純」じゃないと理解できないからさ。

勝 :まあ真子はそうだよな。

真子:きゃははは、そーだよねー、ってひっどーい!

勝 :まあいいから次な。

真子:はーい。



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◆「セグメント」=「戦場」を選ぶ3つの基準
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勝 :じゃあ今からは、セグメントを選ぶ3つの基準、な。

真子:え? さっきのとは違うの?

勝 :さっきのは「セグメンテーション」だから、「分け方」「括り
   方」の話。

真子:ここからは?

勝 :「選び方」の話。まずはきちんと「分ける」「括る」ことがで
   きていないと「選ぶこと」ができないから……

真子:あ、だから「分け方」「括り方」が先なんだ。

勝 :そう。分けたあとで、「どうやって選ぶか」ってことな。

真子:なるほどねー。ターゲティングの話?

勝 :そうも言えるし、「戦場」の選び方とも言える。

真子:え? あ、そっか、セグメンテーションは、「戦場」の分け方
   でもあるからだ。

勝 :そうそう。うまく「括られている」セグメンテーションは、
   「戦場」と等しくなることが多い。なぜだ?

真子:セグメンテーションは「ニーズで括る」ことで、「戦場」は、
   「同じニーズの集合」だから!

勝 :そういうこと。で、セグメントの基本的な「選択基準」は3つ
   ある。

真子:また3つなんだー。

勝 :あえてそうしてる部分はあるけどな。9個もあると多すぎるし
   1つに絞れるほど簡単でもない。

真子:なるほどー。

勝 :で、その3つの「選択基準」は、何だと思う??

真子:なんだろーな……「売れるか?」とか? きゃははは。

勝 :惜しい。それも入ってくるけど、もう少し広い概念。

真子:え? 惜しいの? やだー、真子えらーい。

勝 :いいから。

真子:「売れる」より広い概念、かあ……

勝 :「売れる」ことの目的は?

真子:売れることの目的?

勝 :そう。



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◆セグメント選択基準1)市場の魅力度:儲かるか?
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真子:あ! 「儲かる」ことだ!! 利益が出る!

勝 :正解! 選択基準その1は、「儲かるか」。ちょっと堅い表現
   にすると、「市場の魅力度」だな。

真子:「市場の魅力度」っと。儲かるか、ってことは、価格が高くつ
   けられる、とか?

勝 :それもあるけど、まずは、そのセグメントの「市場規模」が十
   分にあるか。

真子:あ、そっか。市場が小さすぎると、売上が取れないからだ。

勝 :そう。どのくらいをもって「十分に大きいか」は、会社によっ
   て変わるけどな。大企業なら、大きな市場が必要。

真子:ねー、この「市場規模」って業種業態とは限らないんだよね?
   「戦場」は業種じゃないんだから。

勝 :もちろん。「ファミリー」セグメントの「外食」、なんていう
   と、マクドナルド、ファミレスに回転寿司……

真子:だとすると、市場規模を測るのは工夫がいるよね。「ファミリ
   ーの外食」市場なんて都合の良い数字があるかわかんない……

勝 :そうだな。そういう、「人×使い方」で推測していくしかない
   かもしれない。

真子:そっかー。

勝 :だからこそ、セグメンテーションの切り口の「論理性」が大事
   でもある。

真子:あ、「良いセグメンテーションの3条件」の「1)論理性」!
   数値化できるかかどうか。

勝 :そういうこと。で、市場規模は、どう「分解」する?

真子:えっと……客数×客単価、かな?

勝 :正解。それが「売上」だよな。利益を構成するのは、「売上」
   と、何だ? 「売上」に何を掛けると「利益」になる?

真子:売上に何を掛けると利益に……あ! 「利益率」!

勝 :そうだな。「市場の魅力度」という意味であと必要なのは?

真子:え? 「売上」と、「利益率」に……まだあるの??

勝 :今のことだけ考えてちゃダメだよな? 未来のことも……

真子:え……? あ! 将来性! その市場が将来伸びるかどうか!

勝 :そうそう。正確に言えば「成長性」。そのあたりが、「1)市
   場の魅力度」で検討すべきことになるよな。

真子:なるほど。「儲かるか」を市場規模、利益率、成長性、でチェ
   ックするんだ。

勝 :そう。それが「基準1)市場の魅力度」。じゃあ次の基準な。

真子:ねー、市場の魅力度、っていうより「儲かるか」って言ってく
   れた方がいーよー。

勝 :まあそうなんだよな。「市場の魅力度は?」って言われるより
   「儲かるか?」って聞かれた方が、アタマが働くよな。

真子:うん!

勝 :だから、基準1は「儲かるか」。次は何だと思う?



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◆セグメント選択基準2)長期的競合優位:勝てるか?
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真子:んーと……儲かるか……以外にあるんだよね……?

勝 :そのセグメントがすっごい魅力的だったとしても、それだけじ
   ゃダメだろうが。

真子:んー……男の子だったら、真子の魅力でノックアウトできるん
   だけどな……

勝 :それ、ホントか??

真子:もちろん!

勝 :「真子の魅力」って、誰と比べて言ってる?

真子:え? そ、そりゃ……他の女の子?

勝 :だから、その「他の女の子」のなかに、真子より魅力的な子は
   いないって言えるのか?

真子:も、ももも、も、もちろん……

勝 :オマエの魅力はおいといて、今のがヒントだぞ。

真子:え? 「他の女の子のなかに真子より魅力的な子は……」あ!
   わかった! 「競合が強いか」だ!!

勝 :そうそう。もうちょっと平たく表現すると?

真子:その競合に「勝てるか」!! も、もちろん真子は勝てるんだ
   からね!

勝 :だから真子の話はおいといて、その魅力的なセグメントを、強
   い競合が独り占めしてたら、手が出せないだろうが。

真子:そっかあ……

勝 :さっきのセグメント選択基準は何だっけ?

真子:儲かるか! 市場規模、利益率、成長性。

勝 :魅力的な「儲かる」セグメントだったら、みんなほっとかない
   よな? っていうか、魅力的なセグメントほど……

真子:競合が激しい! そうかあ……そうだよね……魅力的な人ほど
   彼女がいるかもしれないってことか……

勝 :そういうこと。市場規模なんかが大きいところには、滅茶苦茶
   強い「競合」がいるんだよな。

真子:えっと……あ、その競合が強いからこそ、市場規模が大きいっ
   てことだ!

勝 :そういうこと。「勝てる」かどうかは、どうやって判断する?

真子:「強み」があるか、だよね。

勝 :そうそう。「強み」っていうのは?

真子:「お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由」!

勝 :それを作れるか。競合がいてもいい。っていうか競合がいない
   戦場なんてない。「自社を選ぶ理由」が作れればいい。

真子:え? 競合がいてもいい……あ、勝てればいいんだね。

勝 :そういうこと。

真子:これ、前号の「勝てるか」とダブるよね? 「良いセグメンテ
   ーションの条件」の、「勝てるか」と。

勝 :そうそう。セグメンテーションがうまく切れていれば、勝てる
   セグメントを選べるはずだぞ。

真子:そっか、「分ける」基準として「勝てるか」っていうのを入れ
   ておいて、「選ぶ」基準で「勝てるセグメント」を選ぶんだ。

勝 :そう! これ、売れたま!の2011年12月15で取り上げ
   た記事だけど、その例としてわかりやすい。


勝が真子にノートパソコンを向けると、真子が覗き込む。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇「ダイエーが食品や日用品を恒常的に低価格で販売する「毎日安売
 り」手法を本格展開する。チラシ代や人件費削減などで店の運営費
 全体を約1割抑える分、店頭価格を通常より2〜3割引き下げる」


◇「効率的に運営するため、EDLP業態の店は平日の来店頻度が高
 く、狭い商圏の中に多くの居住者が住む住宅街に立地する店が向
 く(中略)週末に買いだめする客が多い郊外の店では、毎日安売り
 する集客効果が低くなってしまう」


◇「同店も昨年11月にEDLPを導入した直後はチラシをやめたこ
 とによる客数減でいったん売り上げが落ちた。だが、利用頻度が高
 い近隣住民を中心に「毎日安い」ことへの認知度が徐々に高まって
 客数が回復。今年3〜8月の売上高は前年同期を上回り、営業利益
 は同2倍以上になった」


2011/12/02 日経MJ P.14

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


真子:あ、これ見たことある! 「EDLP」つまり「毎日安売り」
   がダイエーの「強み」で……

勝 :その「強み」を反映する「セグメントの切り口」は?

真子:「来店頻度!」 よく来店されるお客様にとって、EDLPは
   ありがたい! でも土日来店客にとってはそうでもない……

勝 :そうだよな。だから、EDLPを「強み」と考えるなら、来店
   頻度という「切り口」を加えておいて……

真子:「セグメント選択基準」として、それを使う!! 来店頻度が
   高いお客様を選ぶんだ!

勝 :そういうことだ。

真子:なるほどぉ……ね、勝てそうじゃないセグメントでも、勝てる
   「部分」はあるよね? そのセグメントをもう一度分けて……

勝 :お、そうそう。勝てるところを切り取っていく、という手はあ
   る。でも、そのセグメントが小さすぎたらダメだよな??

真子:そ、そうだけど……

勝 :だから、どんな基準でチェックすればいい? さっきやったぞ

真子:え? あ! そうか、「儲かるか」だ!

勝 :そうそう。だから??

真子:だから……「勝てそうもない」セグメントでも、勝てそうな一
   部をまた切り取って、「儲かるか」をチェックする!

勝 :そういうこと。「儲かるか」「勝てるか」っていうのを組み合
   わせて考えていく。

真子:うん、わかった。

勝 :これが基準2、「勝てるか」だな。

真子:うん。これが2つめ、ってことは、もう1つあるんだよね。3
   つある、って言ってたよね?

勝 :そうだな。なんだと思う?

真子:えっと、儲かるか、勝てるか、と来て……何だろう……?? 
   ヒントください!

勝 :儲かるか、は対「顧客」、勝てるかは対「競合」だよな。あと
   残るは……?



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◆セグメント選択基準3)自社の意思:やりたいか?
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真子:顧客、競合と来て、残るは……? 何?

勝 :「自分」。

真子:え……「自分」?

勝 :そう。自分自身。「自社の意思」として、やりたいと思える顧
   客かどうか。平たく言えば「やりたいか」。

真子:あ、なるほどぉ。「やりたいか」かぁ。

勝 :そう。組織として、あるいは従業員全員が、「尽くしたい」と
   思える顧客か。

真子:でもさ、「儲かる」「勝てる」セグメントを「やりたくない」
   なんてことあるの?

勝 :当たり前だ。仮に「儲かる」「勝てる」としても「やらない」
   という意思決定をすることはある。

真子:な、なんで? 儲かって勝てても?

勝 :だからそれは必要条件だけど、十分条件じゃねーんだよ。企業
   理念とかと一致しないのなら、やるべきじゃない。

真子:あ……そっかあ……例えばどういうの?

勝 :例えば「お互いに敬意を持てる人」としか仕事しない、とか。
   人をアゴで使うような人は「儲かる」としてもお断りだ。

真子:なあるほどねー。それは人それぞれ、かあ……

勝 :そうだな。だから、他人がどうこう言うことではないな。

真子:でもさー、株主様は「儲け」を重視するよね?

勝 :だから、株主様了承の上で、か、そういう株主を探すか。オレ
   は、自分が100%株主なのはそういう理由。

真子:あ、そーなんだぁ。そういう風に考えていくんだ……

勝 :統治形態なんかも、つながってくるんだよな。



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◆セグメント選択基準とBASiCS
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勝 :でさ、唐突だけど、戦略BASiCSって何だっけ?

真子:えー、それはわかるよー。


真子がさらさらとノートに書いていき、はい、と勝に見せる。

 Battlefield:戦場・競合
 Asset:独自資源
 Strengh:強み
 Customer:顧客
 Selling message:メッセージ


真子:この5つで、マーケティング戦略を考える!

勝 :そうだよな。それで、セグメント選択基準は、それぞれ、
   BASiCSのどれの話だ?

真子:え?? あ……選択基準1は、「戦場」「顧客」ってこと?
   「儲かるか」って市場規模とかだから……

勝 :そうそう。選択基準2は?

真子:基準2は「勝てるか」だから……「競合」に対する「強み」で
   いいのかな?

勝 :そうなるよな。じゃあ、選択基準3の「やりたいか」は?

真子:企業理念だから……「独自資源」のソフト資源になる……あ!
   この選択基準って、BASiCSなんだ!!

勝 :そういうこと。BASiCSがそれぞれのチェックポイントに
   なっているんだよな。

真子:そうなんだ!! 3つの選択基準はBASiCSそのもの!

勝 :実はそういうこと。じゃあ、ここまでをまとめてみ。


真子は「うん!」と元気よく返事をすると、ノートにまとめていくと
すぐにノートを勝に見せる。


○セグメント・戦場の選択基準

選択基準1)市場の魅力度:儲かるか?

・市場規模、利益率、成長性
・BASiCSでは「B:戦場」「C:顧客」


選択基準2)長期的競合優位:勝てるか?

・そのセグメントにとっての「競合」ではなく自社を選ぶ理由を作れ
 るか
・BASiCSでは、「B:競合」に対する「S:強み」


選択基準3)自社の意思:やりたいか?

・自社の企業理念などとの適合
・BASiCSだは、「A:独自資源」の企業理念との適合


真子:どう??

勝 :うん、これでいい。

真子:やりぃ。これも、「儲かるか」「勝てるか」「やりたいか」っ
   て、シンプルでいーねー。

勝 :だろ? 覚えられないような基準じゃ、実戦で役に立たないか
   らな。こういうシンプルなチェックリストが大事。

真子:うん!



「○○駅〜、○○駅〜」

東京に近づくにつれて、車内アナウンスで流れる駅名も、聞いたこと
のある駅名になってくる。

「しかし、よく食った正月だったよな……」
「きゃははは、そーだねー」
「まあ、毎年のことだけどさ……」
「でも、帰ったら体重計が怖いなあ……」
「……」
「な、なによ、ちょっとは反応してよ」
「何を今更というか、何というか……」
「ひ、ひっどーい!」
「っていうか、もう別にいいだろ」
「あ、そっか、「今の真子がいいんだ」ってこと? そっかー」
「は?」
「うん、じゃあそれでいいや」
「いや、オレだって帰ったら運動するからな。食べた分は消費する」
「えー、裏切りものー」
「もう、明日くらいからジムもやってるだろうしな」
「そーなんだー」
「オマエもちょっとは運動しろ」
「ねーでもでも、脳みその運動は一杯したよ!」
「そりゃそーだな」
「アタマってエネルギー使うんだよね? そーだ、それで運動したこ
 とにしよー。うん、そーだ」
「そういうお気楽さは見習いたいよ、ホントに……」



次号、最終号……かも??



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◆今日のまとめ
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●セグメント・戦場の3つの選択基準は、「1)儲かるか」「2)勝
 てるか」「3)やりたいか」。覚えて、チェックポイントにしよう


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**************************************************************
▼今日の日記▲

一昨日、火曜日は日本経営合理化協会のセミナーでした。

戦略BASiCSと顧客情報をつなげよう、という意欲的な試みで、
資料作りに結構時間がかかり、久しぶりに徹夜しました……(と、売
れたま!でも書きましたね。その「徹夜した!」というのを見て来ま
した! という方もいらっしゃっていただき、嬉しかったです)。

売れたま!の読者さんも多く、大変盛り上がった1日となったかと思
います。


BASiCSは「定性的」なロジックでありつつ、「定量的」に見る
こともできます。というか、見る必要があります。

例えば「顧客」の客数・客単価、市場規模、などは「量」の話になっ
てきますよね。

「強み」も、「競合」との「顧客内シェア」を比べながら考えること
ができます。

その意味で、「戦略」と「顧客データベース」は、レベルが違うよう
な話に見えて、非常に近しい存在なんですね。

どこまでそのあたりが伝わったかはわかりませんが、参考になったの
であれば嬉しいです!



○1000号突破! 勝手にカウントアップ!

*今号で(多分)累計1,008号!



●売れたま!1000号を超えてその8:考える、ということ 7

「こんな長いメルマガ1000号発行している物好きな人が、どんな
ことを考えているのか興味がある」(という言い方ではありませんで
したが)という方がいらしたので、このコーナー、続きます。

以下、あくまでも私の個人的な意見であって、これが正しいとか、み
んなこうあるべきだ、などというつもりは全くありません。将来的に
は、言ってることが全く変わる可能性もあります。あくまで現時点で
の、あるメルマガ発行人の独り言です。



「考える」ということのさらに続きです。

私は大学時代から、競技ディベートをずっとやってきたことを書いて
きていますが、まだ続きます。

ディベートは、「勝ち負け」がつきます。それがゲームとしての面白
さを生み出し、「真剣」になるんですよね。

しかも、ディベート界のOBを見ても、きら星のごとく優秀な方々が
いらっしゃいます。同期にも優秀なメンバーがいましたので「勝つ」
ためには、真剣に「どう勝つか」ということを考える必要があるんで
すよね。ある意味で自分の身を実験台にした、「戦略」「勝ち方」の
「実戦練習」なわけです。


私が勝てていたときに確立したパターンは、「品質先行の商品軸型」
でした。「他校より先に、新しい議論を考え出します。ある意味で、
「新技術開発」のようなものです。当然他校は対策できていないため
最初のうちは勝てます。

当然、すぐに他校から研究されます。逆に自分たちに対してその議論
をぶつけてきたりします。そのときには、議論の弱点がわかっていま
すから、こちらはその議論を潰せます。

しかし、自分たちの議論はそのときには少し改良・先行しています。
すると、他校にとっては「新しい議論」に見えますので、またこちら
が勝ちやすくなります。

シーズン通して、先行し続けられると、圧倒的な強さを持てます。シ
ーズン後半に追いつかれると、ちょっとキツい戦いを強いられます。


いずれにしても、「勝ち方」ということを、ディベートをやっている
最中はもちろん、コーチとして見ているときにも真剣に考えるわけで
す。

「唯一絶対の勝ちパターン」はなく、当然それぞれの「強み」を活か
して戦う、ということになりますね。

ディベートでは、「体重が重い方あるいは軽い方が勝ちやすい」とい
うようなことはなく、同じ土俵での勝負です(英語でやりますので、
英語力の差は出ますが)。

ですから、やり方次第では、結構勝てるのです。

ディベートばっかりしていましたので、大学時代にいわゆる「楽しい
こと」、コンパだとかスキーだとか、というようなことはほとんどし
ていません(ディベートは楽しかったですけどね)。ちなみに学校の
勉強もしていません。そんな時間があったら、ディベートの準備に費
やしてました……(苦笑)。

ディベートには、学生時代だけで数千時間を費やしています。社会人
になってからも関わっていましたから、万の単位の時間をかけている
んですよね。


社会人になりますと、なかなかこのようにそれ「だけ」に集中するこ
とが難しくなります。すると、その「差」は縮まらないんですよね。

そして、「思考力」などは、使えば使うほど高まります。すると、差
がむしろ開いていく、ということになります。

大学時代のこの「ディベートの貯金」というのは、本当に大きかった
ですね。これがなかったらどんな人生になっていたかと思うと、ゾッ
とします。

今でもたまにディベートの審査員などには行くようにしていますが、
それはこの私のある意味「人生を変えてくれた」ディベート界への恩
返しであり、今ディベートを頑張っている学生さんに少しでもそんな
ことが伝えられれば、ということです。


あ、私にとっては「ディベート」が「独自資源」になっているわけで
すが、それぞれの方がそれぞれの学生時代を過ごされてきたかと思い
ます。その「経験」を「独自資源」として使えばいいと思います。

どんな経験をしたにしても、過去に戻ることはできません。しかし、
「経験」を再編集することはできます。経験から「学んだこと」とし
て意味づけするわけですね。



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