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2013年1月11日金曜日

売れたま!特別編Vol.204 2013/01/10 セグメンテーション特集 5

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
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━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.204(累計0980) 2013/01/10
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 ■■__年末年始特別号:セグメンテーション特集 5__■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●顧客のニーズがわからない理由は、顧客像が具体化されていないか
 ら。まずは顧客像を具体化しよう!


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◆年末年始特別号!
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年末年始好例の「特別号」は、やっぱりお馴染みのこの2人。

我らがヒロイン「売多真子」(うれた・まこ)と、真子の親戚にして
そのメンター「売多勝」(うれた・まさる)です。2人は以下の本の
登場人物です。まだお読みでない方はぜひ!


○「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
http://ow.ly/89pSR

売多真子が、勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
マーケティングの最初の1冊としてオススメ。


○「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
http://ow.ly/6s63d

上の本の続編。真子が社長になり、ライバルと戦っていく! 戦略構
築から実行プロセスまで、社長の視点を物語で体感!


例によってこのシリーズはどのくらいの長さになるかは、この2人の
活躍次第ですので、現時点ではわかりません。


今回の特集は、「セグメンテーション」! マーケティングで恐らく
は一番難しいこのと1つです。

そのセグメンテーションにどう切り込むのか?



●あらすじ

大晦日の夜、売多真子と勝は、年末に売多家が集まる温泉宿へと一緒
に向かった。電車の中で、そして除夜の鐘を聞きながら続いた2人の
レッスン。

一夜明けて、お正月を迎えて……



今号はシリーズ第5回目です。

最近お読み始めになられた方は、バックナンバーからどうぞ。第1回
目はコチラです↓

http://archive.mag2.com/0000111700/20121228030000000.html

ここから「次の記事」をクリックしてお読みください。



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◆まずは、前号の復習から!
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*本編の日付は、年が明けたばかりの1月1日の朝です。


「あ、叔母さん、おはよーございます! 本年もよろしくお願い申し
 上げます!」

1月1日の朝、宿の座敷に真子の明るい声が響き渡る。

「あらあら真子ちゃん、本年もよろしくお願いします。真子ちゃんは
 いつも元気だねぇ」
「それしか取り柄がありませんから!」
「うんうん、そうだねぇ」
「やーだ、謙遜ですってばぁ、きゃははは」
「勝ちゃんはどーしたんだい? 昨日も随分遅くまで仲良くしてたみ
 たいだけど?」
「そーそー、そうなんですよー。私、起こしてきます」

「誰もコイツと仲良くなんてしてませんよ」

いつの間にか現れていた勝が、真子の肩越しに声をかける。

「わあぁ! あ、勝さん、びっくりしたあ」
「叔母さん、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願
 い申し上げます」
「あらあら勝ちゃん、こちらこそよろしくね」

「勝さん、髪の毛くらいとかしてきなよー。お正月くらいさー」
「いーよ別に、何を今さらだ」
「じゃあ、私がやってあげる。じっとしててね」
「あ、やめろ、触るな、大きなお世話……やめろってば」
「もー、何恥ずかしがってるのよー。それこそ何を今さらだよ」

「2人とも、お雑煮ができてるよ。お屠蘇と」
「わあ、お腹減った! ほら、勝さんも!」
「オレはいい。朝食は食べない。それよりカプチーノ作るわ」
「あ、いつもの携帯用エスプレッソマシンか……ねー、縁起物なんだ
 からお屠蘇いただこーよー」
「そーよ、勝ちゃん、お屠蘇くらいしなさいよ」
「じゃあ、エスプレッソでやります」
「もー、じゃー私、お雑煮食べるね!」


「ふう……一息ついたねー」
「元旦から落ち着かないヤツだな」
「何よー、勝さんだってそーじゃん。ね、続き始めるんでしょ?」
「今年は初詣行かなくていいーのか?」
「やっだー、勝さん、やっぱり真子と行きたいんだぁ」
「何言ってんだ、行くなら1人で行け」
「ダーメ、後で行こうね」
「とりあえず始めようぜ。そんなにゆっくりもしてられないし」


真子:前号の復習からだよね。前号は「主流派の消失」について、世
   帯構造の変化を中心に分析しました!

勝 :それはどういうことだ?

真子:昔は、みんな結婚して、子供がいて、おじいちゃんおばあちゃ
   んが同居してたけど、みんながそうじゃなくなった。

勝 :そうだな。データは?


真子がノートを広げ、「はい!」と言いながら勝に見せる。

−−−−−−−−−< デ ー タ 要 約 >−−−−−−−−−

      単独世帯  夫婦のみ  夫婦と未婚の子  3世代
                 
1970  18.5  10.7  41.2    19.2
1989  20.0  16.0  39.3    14.2
2010  25.5  22.6  30.7     7.9


国民生活基礎調査
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001101476
表番号2

−−−−−−−−−< デ ー タ 要 約 >−−−−−−−−−


真子:んーとね、この「夫婦と未婚の子」とか「3世代」がどんどん
   減って、「単独世帯」「夫婦のみ」が拮抗してきてる。

勝 :そうだな。それはどういうことだ?

真子:社会の多数派が、減っていった、つまり「主流派の消失」!

勝 :世帯構造の変化としては、具体的に何が起きてる?

真子:結婚してるか、子供がいるか、共働きか、みたいな「組み合わ
   せ」が増えて、バラけた感じ。

勝 :そうだな。「バラけた」から、「分ける」「切る」みたいな発
   想だと、セグメンテーションしにくくなってる。

真子:だから「分ける」よりは「括る」んだよね! それでじゃあど
   うやればいいの、っていうところまで来ました!



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆「括って広げる3ステップ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

勝 :「括って広げる」基本的な考え方は、実は前々号でやってる。
   スーパーマーケットの「シニア対応」ってところで。

真子:えっと、シニアの方向けに「買い物カゴをカートから袋詰め台
   に移す」手間を省いたカートを作った、っていうのだよね?

勝 :それそれ。で、この便利なカートは、元々シニアの方向けに作
   ったわけだけど……

真子:私みたいな「か弱い女の子」にとっても、嬉しい!

勝 :真子がか弱いかどうかはともかく、シニアの方向けのカートが
   「か弱い女性」にも嬉しいのはどうしてだ?

真子:「ニーズ」が同じだから! 重い買い物カゴをカートから袋詰
   め台に移すのは大変、っていうニーズ!

勝 :それがまさに「ニーズで括る」っていう発想。共通したニーズ
   で括っている。すると、性別・年代を超えて顧客が広がる。

真子:共通点は「重いモノを持ち上げる力がない」ってことだよね。

勝 :そうすると「入り口」では「シニア向け」って絞っているけど
   「出口」としては、広がってるだろ?

真子:うん! ターゲットが増えてる!

勝 :これが、「括って広げる」ってこと。

真子:面白いよね。元々はシニアの方のために、って考えたのに、タ
   ーゲットが広がってるんだもんね。

勝 :顧客像を具体化することで、むしろターゲットは広がる。それ
   が「括って広げる」発想、だな。

真子:それでそれで、どうすればいーの?

勝 :「括って広げる」のは、3つのステップで考えればいい。「括
   って広げる3ステップ」だな。


勝が真子のノートに、サラサラと書き始める。

○括って広げる3ステップ

1)顧客像の具体化
2)ニーズの普遍化
3)ニーズで人を括る


真子:きったない字だなあ、もー……

勝 :うるせーな、有り難く思え。

真子:へいへい、っと。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ステップ1:顧客像の具体化
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勝 :まずは、「ステップ1:顧客像の具体化」から考えていこう。


勝がちゃぶ台の上に置かれたノートPCを操作し、真子に向けた。


−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−

○西川産業が百貨店やショッピングセンター(SC)に展開する女性
 用オーダー枕専門店が快走。ターゲットを絞り、快適な眠りの価値
 が一目でわかるように訴求、新たな顧客を取り込みつつある。


○東武百貨店池袋本店の婦人服フロアの雑貨売り場のようなコーナー
 が西川産業のオーダー枕専門店「ピローウィーカフェ」。首都圏と
 大阪市の常設5店と、SCなどに期間限定の移動店舗を常時2〜3
 カ所展開。顧客の7割は20〜30代女性が占める。


○テーマは「スイーツを選ぶように枕をつくる」。東武百貨店の店で
 はオーダー枕だけで週末に40〜60個売れる。常設店の売上高は
 月500万〜600万円。移動店舗には同900万円売る店も。


○展開を始めたのは2010年。27〜28歳の女性社員3人を指名
 し、顧客像を同世代の「28歳の女性」に設定。外から見えない内
 袋にも5種類のデザインを用意。「私たちは下着も裏地がかわいい
 ものを選ぶ」という意見を反映。顧客像が33歳の「お姉さん版」
 店舗の出店準備も進めており、13年秋にも出店を始める計画だ。


2012/12/28 日経MJ P.16

−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−


真子:あれ、私この事例知ってる。何でだろう……

勝 :何でだろうって、夏休み特別号↓でやっただろうが……「密着
   軸の経営戦略」な。あの長かったヤツ。

http://archive.mag2.com/0000111700/20120821003000000.html


真子:あ、「オーダーメイド」の例だ! コレ何でカフェっぽくした
   んだろうと思ってたら、ターゲットが28歳女性なんだ!

勝 :そうそう。だから27〜28歳の女性社員を起用したわけだ。

真子:すごいねー。そこまで完全に一致させてるんだ!

勝 :そりゃそうだろ。一番ニーズがわかるわけだからな。



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◆「20代女性のニーズ」などは存在しない!
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真子:ねー、「28歳」まで具体化しないとダメなの?

勝 :ダメ。っていうかBtoCの場合、年齢の特定は、最低限。
   「28歳女性」でさえ、まだ広い。

真子:えー、でもさー、「ウチの顧客ターゲットは20代女性」とか
   って、よく言うじゃん。

勝 :言うかどうかはともかく、「20代女性のニーズ」なんてもの
   は存在しない。

真子:え? ないの? 20代女性なんていっぱいいるよ?

勝 :いや、「20代の人」なんて存在しない。

真子:え? え? いるよ? 私も20代女性だよ?

勝 :それに答える前に、真子、セグメンテーションって何だっけ?

真子:人によってニーズが違うから分けて対応すること!

勝 :そうだよな。例えば20歳の女性には、どんなニーズがある?
   都会暮らしだとして。真子は20歳のときどうだった?

真子:やっだー、知ってるく、せ、にー。一杯一緒に遊んだじゃん。

勝 :オマエが勝手に来てただけだろ。いーから答えろ。

真子:20歳だと女子大生! 私はいっぱい遊んでた。でもお金は全
   然なかったなー。

勝 :オマエ、ホントよくオレのところに飯タカリに来てたよな。

真子:タカリじゃないもん。勝さんと一緒にご飯食べたかったんだも
   ん。まー実際お金もなかったけど。

勝 :コスメは? どんなメークしてた?

真子:あんましなかった。勝さん、素顔の真子が好きだよ、って言っ
   てくれてたじゃん。

勝 :そんなこと、ひっとことも言ってねーだろ。

真子:だってめんどくさかったんだもん。それに私、お化粧なんかし
   なくても、こ、の、び、ぼ、う、はーと♪

勝 :はいはい。で、服は?

真子:勝さん、服なんか買ってくれなかったじゃん。

勝 :当たり前だ、オレはオマエの財布じゃねー。

真子:勝さんが買ってくれなかったから、安いのを時間かけて選んで
   何とかオシャレに見せようとしてた。

勝 :そうだよな。それで21歳になると変わるよな? 特に3年生
   後半になるとさ。何が始まる?

真子:え? あ、そうか、就活が始まるね。そうそう、遊び回る余裕
   がなくなった。大変だったなあ……

勝 :コスメは?

真子:さすがに一応メークしたよ。無難で受けがよさそうなの。

勝 :服はどうした?

真子:就活用のスーツを買った! 紺色の無難なヤツ。

勝 :それ、今でも着られるか?

真子:やっだー、勝さん、見たいの?

勝 :いーから。

真子:私、体型変わってないもん。着られますよーだ。

勝 :っていうか、とってあるのか? まだ着るのか?

真子:あ、そっか。捨てちゃったかも。

勝 :何で?

真子:だって……一応私、社長だし……さすがに、それなりの服を着
   てないと……。

勝 :だろ? 着てるスーツは全然違うよな? 同じ20代女性、し
   かも同じ真子、という人間でも、だぞ。

真子:そりゃそーだよ。当たり前じゃん。

勝 :あのなあ……もう1回言うぞ? 21歳の真子と、今の真子は
   同じ20代女性でもニーズが全然違うよな?

真子:うん! あ……そうか、だから「28歳」まで具体化しないと
   ダメなんだ!

勝 :そうそう。28歳だと、どうなる?

真子:んーとね、働いていれば、もう1人前。お給料もちょっと増え
   てくる。

勝 :そうだよな。お金にちょっとだけ余裕が出てくるよな。コーチ
   のバッグくらいなら買える。

真子:あ、ボーナス貯めればヴィトンも買えるねー。新入社員だとち
   ょっと厳しいけど。

勝 :あとさ、仕事の責任も増えるよな?

真子:あ、うん。忙しくなる! 帰りも遅くなってくる。

勝 :仕事してればそうだよな。あとさ、真子は結婚して子供がいる
   友だちとかいないのか?

真子:あ、そうか。そういう子もいるね。そうなると全然ニーズが違
   う! 仕事してなければ、スーツもいらないしね。

勝 :だからそういうこと。さて、もう一度聞く。「20代女性のニ
   ーズ」って何だ?

真子:た、確かに……人によって全然違う……

勝 :だから、「20代女性のニーズ」なんてものは存在しない。
   20歳女子大生のニーズ、28歳専業主婦ならまだわかるけど

真子:あ、そうか! 「20代女性」っていうと一番ニーズが変わる
   ときだ! 就職、結婚、出産……色んなことが起きる!

勝 :だろ? 「20代女性」には、女子大生、新入社員、専業主婦
   に独身有職、共働き、全部入る。ニーズバラバラ。

真子:そうだねぇ……コスメも、着るモノも、遊ぶところも全然違う
   よねえ……子供の有無でも全然違うしね……。

勝 :真子さ、20歳の真子と、今の真子と、「同じ人」か? マー
   ケティング的に見て、だぞ。

真子:ううん、全然違う! 共通点があるとすれば……20歳のとき
   も今も、すっごく魅力的なお、ん、な、の、こ、はーと♪

勝 :マーケティング的に見てだ、っつってるだろ。

真子:やだあー、「すっごく魅力的」っていうのは認めるんだー。

勝 :無視。だから、20歳の女子大生、28歳の専業主婦はいても
   「20代の女性は存在しない」っていう意味がわかるな?

真子:うん! 20歳と21歳でもニーズが変わる!

勝 :物理的にも「同時に20歳と21歳である人」はいないだろ。

真子:やーだー、あったりまえじゃーん。

勝 :だから、「20代の女性は存在しない」んだっつーの!

真子:あー、そういうことかあ……

勝 :っていうかさあ……この話「新人OL、つぶれかけの会社をま
   かされる」でやっただろ?

真子:え、そ、そうだっけ?

勝 :やった。


「化粧品も食事をする場所も時間も、20歳と29歳では全く違うで
しょう。つまり、「20代女性のニーズ」などというものは、そもそ
も存在しないのです。」 P.86


真子:あ、ホントだー。この本、結構ムズカシイ話してるねー。

勝 :そう。入門書と言いつつ、レベル高い。表現の難易度を下げて
   るけど、内容の難易度は結構高い。



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◆顧客像を具体化すれば、ニーズが具体化される!
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勝 :結局、「ニーズがわからない」という場合、顧客を具体化して
   いないことが理由、ということが結構多い感じがする。

真子:そっか、「20代女性」っていっても色々いるから……人によ
   って全然言うことが違ってくるんだろうね。

勝 :だから、顧客像を「具体化」すれば、ニーズも具体化される。
   逆に「20代女性のニーズ」なんて広すぎて誰にもわからない。

真子:でもそれって、「28歳女性」でもそうなんじゃないの? 同
   じ28歳でも、独身もいれば、専業主婦もいれば……

勝 :そう! だから、記事のピローウィーカフェも、多分「28歳
   女性」以上に具体化しているんだろうな。

真子:そっか、記事に出てきた以上の具体的な設定があるかもしれな
   いってことだ。

勝 :そうだな。まず、ピローウィーカフェは池袋、新宿、横浜、福
   岡みたいな大都市に出店してるから……

真子:あ、「都市部」に住んでる人だね。

勝 :で、池袋とか新宿に出てこられる人、という意味では?

真子:あ、働いている人!

勝 :あとは?

真子:28歳だと……結婚してるのかなー。気になるなー……

勝 :なんで気になるんだ?

真子:だってー……色々とさぁ……ねえ……

勝 :真子はどう思うんだ?

真子:え? ま、勝さん? そ、そんな……そんな突然言われても…
   ココロの準備が……

勝 :はあ? 28歳だと未婚者と既婚者、どっちが多い、って質問
   に心の準備がいるのか?

真子:えー、なんだー、もう……。都市部だと、未婚者が多そう!

勝 :正解。東京都で見ると28歳女性は58%が未婚。2010年
   の国勢調査で*。全国平均では未婚者は52%。

*国勢調査2010 表番号5−1
www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001034991&cycode=0


真子:そうなんだ! 6割近くが未婚なんだぁ! 心強いな。

勝 :となると、ピローウィーカフェの顧客像は「都市部の28歳独
   身有職女性」ということだろうな。

真子:それならニーズは大分具体化できるね。ね、話は変わるけど、
   昔は結婚するのはもっと早かったんだよね、きっと?

勝 :えっと……1970年だと、25〜29歳の80%が「有配偶
   者」つまり既婚*だな。


*国勢調査 表番号4
www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001007702&cycode=0


真子:ひょえー。今と全然違うんだ! ね、これ前号の内容と一致す
   るよね? 「昔はみんな同じだった」っていうのと。

勝 :鋭いな。1970年なら「20代後半〜30代女性」という粗
   っぽい括りで良かった。30代だと既婚者が90%超えるぞ。

真子:わ! みんな結婚して、子供産んでたんだねー。

勝 :昔は「20代女性」でも、まだ何とかなったかもしれないな。
   今は「都市部の28歳独身有職女性」でもまだ最低限。

真子:あとは何を具体化するの?

勝 :デザインの好みとか。「スイーツを選ぶように枕をつくる」っ
   ていうコンセプトだから、カフェによく行く人、とかな。

真子:あ、ライフスタイルみたいな感じ? 買い物する場所とか、よ
   く行くお店、とか……

勝 :それも含めて。雑貨店風の店にしてる、というのも、多分雑貨
   店によく行く人、ということにしてるんだろうな。

真子:あ、なるほど。そう言われてみれば、そこまで考えないと店作
   りができないよね。

勝 :そうなんだよ! 「20代向けの店を作れ」って言われても、
   「え? 20代って誰ですか?」ってなるよな。

真子:うん! 女子大生向けの店と、29歳キャリアウーマン向けの
   店じゃ、全然違う!

勝 :そうなるよな。

真子:でも、「都市部の28歳独身有職女性」って言っても、その問
   題は起きるよね? 同じ28歳でも、いろんな人がいるし……

勝 :だから、最終的に「1人」になるまで具体化する。例えば「売
   多真子、ウン歳」まで具体化すれば1通りに決まる。

真子:まあそうだけど……どうやって?

勝 :真子の会社がやってるレストラン、そーれ・しちりあーののコ
   ンセプト考えたとき、ターゲットに誰を想定した?

真子:私! カワイイカワイイ真子ちゃん!

勝 :ほら、「1人」をターゲットにしただろ。そこまでやれば、絶
   対に一貫性が取れる。店作り、HPのデザイン、メニュー……

真子:そりゃそうだよね。でもそーすると、顧客が狭すぎないの?

勝 :だから、後で「括って広げる」んだろうが。この段階では、ひ
   たすら「具体化」していく。「1人」になるまで。

真子:なんで?

勝 :だから「具体的なニーズを知る」ためだってば。「1人」の人
   なら、個別具体的なニーズがわかるだろうが。

真子:そっか。あ! だから、西川は同じ「顧客像」の社員を、ピロ
   ーウィーカフェの担当に器用したんだ! 28歳の!

勝 :そうだろうな。ここまで考えると、年齢までを合わせる必要が
   あることがわかるよな。

真子:うん!

勝 :それに、28歳を想定顧客だとしても、別に30歳の人が買わ
   ないわけじゃない。同じニーズなら買ってくれる。

真子:じゃあ「28歳」なんて具体化する必要ないじゃん。ニーズが
   同じならいいんでしょ?

勝 :だから、顧客像を具体化しなきゃ、どんな「ニーズ」があるの
   かがわからないだろうが。

真子:あ、そうか。まずはニーズを具体化しないといけないからだ。

勝 :そうそう。それで、その「具体化された顧客像」に向けての打
   ち手が効く人は、同じニーズを持っている、ということになる

真子:そうか……ある1人の人に効く打ち手が、他の人に効くんであ
   れば、その人たちを「括って」しまえばいいんだ!

勝 :だからさっきからそう言ってるだろうが。

真子:なーるほどねー。まずはお客様を具体化しようってことだ。で
   その人のニーズに応えていくんだ。

勝 :それが、「括って広げる3ステップ」の、「ステップ1:顧客
   像の具体化」だな。

真子:うん!



「ね……勝さん、お腹減らない?」
「さっきお雑煮食ってただろうが……ってそう言えば減って来たな」
「あれ? みんないなくなっちゃった……わ、もうお昼だ!* 」

(ここでの時間は、1月1日の昼過ぎくらい、です)

「そうか、朝起きるのがちょっと遅かったからな……」
「そういえば、叔母さんが昼ご飯はついてない、って言ってたよ」
「オレは別に食わなくてもいいけどな。めんどくさいし」
「やっだー、真子と話してる方が楽しーんだね」
「いや、それなら寝る」
「ダメだよー、宿の食堂に食べに行こうよー」
「カロリーより、カフェイン補給したいんだけどな……」
「きっとコーヒーくらいあるよー、行こうよー、ねー、ねー」
「わかったよ……じゃあさっさと片付けて、昼飯食いにいくか」
「うん!」

バサバサとノートや筆記用具をバッグに手荒くしまっていく真子。勝
は腕時計をもう一度チラ、と見て、ノートパソコンのモニタをぱたり
と閉じた。



次号に続きます!



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◆今日のまとめ
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●顧客を具体化すれば、ニーズも具体化される。まずは「1人」の顧
 客像を具体的に考えよう!


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▼今日の日記▲

ハーバードビジネスレビュー(日本版です)の1月号が「戦略をシン
プルに」という、「うん、その通りだ!」というタイトルの特集だっ
たので、買ってざっと目を通していました。色々と示唆のある記事も
あるのですが、衝撃的だったのは……「夢の中でスキル向上を図る」
という記事! 

記事曰く、スポーツ選手だってイメージトレーニングをするんだから
それと同じだ、と。本当にそうなのかどうかはわかりませんが、面白
いことを考えますよね。実際に、夢の中でトレーニングした人は、リ
アル世界でも成績が向上している、という調査結果が載っています。
そこまでするのがスゴイ、と。

確かに私も夢の中で、お客様とミーティングしていたりはするのです
が、そのお客様も現実世界では全然知らない人だったりします。私の
場合は「これが夢だ」と認識するのは、夢を見ているまさにそのとき
に目覚ましで起きたときで、そうでもなければ夢を見たかどうかすら
覚えていません(私は、ですが)。

ただ、私の経験則として「夢に見るくらい真剣にやっていれば、何事
も上達する」というのはあるんですよね。英語で夢を見られるときは
相当英語漬けになっていた時だったりしました。夢を見る、というこ
とは、それを相当意識している、ということですから、無意識のうち
にイメージトレーニングをしているのかもしれません。

と考えると(卵が先か鶏が先は、という話はおいといて)、案外「夢
の中でトレーニング」というのはありえるのかも……



○1000号間近! 勝手にカウントダウン

*今号で(多分)累計980号 1000号まであと20号!



●今日のiPod Tune:始まりの歌2013


1月は1年の始まり! 始まりにふさわしい歌で始めましょう!

お正月はおみくじをひきますよね。

「吉」をムリヤリ英語にすれば(多分) Lucky、大吉なら(多分)
Very Luckyでしょうか……(適当です)。

ということで、今日の「始まりの歌」は……


○I Should Be So Lucky by Kylie Minogue


1987年末にリリースされ、1988年に世界的に大ヒットした曲
ですね。彼女の代表曲の1つです。

プロデュースは、当時絶頂を誇っていたStock Aitken Waterman(い
わゆるSAW)です。彼ららしいポップでノリノリな曲。

ノリの良いメロディに比べ、歌詞はちょっと悲しいです。I AM so
luckyではなく、I SHOULD BE so lucky というのは、「だったらいい
のになあ……」という願望を表していると思われます。

今年の運勢がLuckyであることを願って♪



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