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■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
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━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.203(累計0979) 2013/01/07
購読者:27,877 (まぐまぐ:16,363 メルマ!:950 めろんぱん:10,564)
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■■__年末年始特別号:セグメンテーション特集 4__■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●「主流派の消失」により、ニーズが多様化した。その結果、性別・
年代だけではセグメンテーションできなくなった!
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◆年末年始特別号!
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年末年始好例の「特別号」は、やっぱりお馴染みのこの2人。
我らがヒロイン「売多真子」(うれた・まこ)と、真子の親戚にして
そのメンター「売多勝」(うれた・まさる)です。2人は以下の本の
登場人物です。まだお読みでない方はぜひ!
○「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
http://ow.ly/89pSR
売多真子が、勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
マーケティングの最初の1冊としてオススメ。
○「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
http://ow.ly/6s63d
上の本の続編。真子が社長になり、ライバルと戦っていく! 戦略構
築から実行プロセスまで、社長の視点を物語で体感!
例によってこのシリーズはどのくらいの長さになるかは、この2人の
活躍次第ですので、現時点ではわかりません。
今回の特集は、「セグメンテーション」! マーケティングで恐らく
は一番難しいこのと1つです。
そのセグメンテーションにどう切り込むのか?
今号はその4回目となります。
●あらすじ
大晦日の夜、売多真子と勝は、年末に売多家が集まる温泉宿へと一緒
に向かった。電車の中で始まったマーケティングレッスン。
宿についてからも、にぎやかな2人のレッスンは続いています。
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◆まずは、前号の復習から!
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*本編の日付は、年が明けたばかりの1月1日です。
「新年が明けたねー! 今年もよ、ろ、し、く、はーと♪」
「まあお互いに頑張ろう」
「うん♪」
「まだ眠くないだろ? 午前0時を過ぎたばっかだし」
「もっちろん」
「じゃあ時間もったいないし、続けるか」
勝 :じゃあまずは復習から、な。
真子:うん。現代は、性別・年代だけでセグメンテーションできる時
代ではなくなってきた!
勝 :例えば?
真子:例えば小学館の「小学3年生」とかは、昔は100万部超だっ
たのに、もう4〜5万部。学年だけじゃ切れない。
勝 :何で?
真子:ニーズが多様化してきたから! 親も子供も。
勝 :そうだな。これ、「小学3年生」全員に売ろうとすると、むし
ろ売れない、という典型的な事例だな。
真子:あ、なるほど。同じ「小学3年生」でも、色々と違うから、ど
こかに絞った方がいいんだ!
勝 :そう。
真子:でもそうすると、顧客数が減るよね?
勝 :そんなことないだろ。学年のワクが外れるから、増えることだ
ってあるぞ。
真子:あ、そうか。小学3年生じゃなくても良くなるワケか。
勝 :そう。それがこれからやる「括って広げる」ってこと。で、復
習の続きに戻ると?
真子:「ニーズの多様化」っていうと、中流意識がなくなかったか、
と思ったらそうでもなかった。
勝 :そうだな。みんな「中流」だとは思ってる。ただその中で色々
変わって来た、ということだろうな。
真子:それで、セグメンテーションは、「分ける」というよりは、
「ニーズで括る」方が今の時代には合ってる!
勝 :そうそう。例えば?
真子:例えばスーパーマーケットが「シニア対応」で、カートから買
い物カゴを持ち上げて袋詰め台に移さなくてもいいようにした
勝 :その「ニーズ」は?
真子:「重い買い物カゴを、カートから袋詰め台に移したくない!」
勝 :その「ニーズ」で「括れる」顧客層は?
真子:シニアの方だけじゃなくて、私みたいにか弱い女の子とか、た
くさん買い物して買い物カゴが重いお客様!
勝 :そうだな。「ニーズを具体化」することで、むしろ「顧客層」
は広げられる。それが「ニーズで括る」という発想。あとは?
真子:あと、性別・年代でセグメンテーションすると、それでセグメ
ンテーションを「やった気」になっちゃう。
勝 :そうだよな。思考停止しやすくなる。
真子:じゃあ「ニーズで括る」っていうのはどうすればいいの、って
いうところで終わりました!
勝 :OK。じゃあ今号の内容だな。
真子:新年最初のレッスンだねー。今年もよ、ろ、し、く、ね♪
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◆「主流派」の消失
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勝 :これから「ニーズで括る」話をしようと思ったんだけどさ……
真子:思ってたんだけど……?
勝 :「ニーズの多様化」っていう前に、「何が変わって、何が変わ
っていないのか」というのをデータでおさえておこうか。
真子:そんなデータあるの?
勝 :例えばわかりやすいのがこれ。厚労省の「国民生活基礎調査」
の結果。「世帯構造」の変化。
勝が例によってノートパソコンを操作し、真子に見せる
−−−−−−−−−< デ ー タ 要 約 >−−−−−−−−−
単独世帯 夫婦のみ 夫婦と未婚の子 3世代
1970 18.5 10.7 41.2 19.2
1989 20.0 16.0 39.3 14.2
2010 25.5 22.6 30.7 7.9
国民生活基礎調査
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001101476
表番号2
−−−−−−−−−< デ ー タ 要 約 >−−−−−−−−−
勝 :ホントは1990年のデータがあれば、20年おきに見られた
んだけど、その年の数字が見つからなかったんだよな。
真子:うん、えっと……あ、単独世帯が増えて、3世代世帯が減って
る。よく言われるヤツだよね。1人世帯が増えてる、って。
勝 :そうそう。数字自体は見ればわかるから、その意味を考えてい
こうか。
真子:その「意味」って?
勝 :この数字から何がわかる? 単独世帯が増えてる、とかそうい
うのは見ればわかるけどさ。
真子:え? うーんっと……ええっと……???
勝 :それぞれの世帯の「差」はどうなってる?
真子:えっと……あ! 「夫婦と未婚の子」世帯が最大だったけど、
「単独世帯」とか「夫婦のみ」世帯に抜かれそう!
勝 :そうそう。昔は、「夫婦と未婚の子」世帯に、それにその親が
いる「3世代」世帯を足すと6割超えてた。
真子:なーるほどねー。その人達が主要顧客だったんだねー。
勝 :それがさ、今は単独世帯もあれば、夫婦のみ世帯もあれば、子
アリ世帯もあれば……って、「分散」したよな。
真子:そっか、「親子がいる世帯」ばかりじゃなくなった!
勝 :そうそう。多数派がなくなったっていうか、「主流派の消失」
っていう感じか。
真子:色んな世帯が増えた、ってことかー。逆に言えば、それまでは
「みんな似たような感じ」だったってことかな?
勝 :そうなんだよな。親子で暮らしてて、家庭によっては祖父母が
いて、夜はみんなで巨人戦を見ながらご飯。
真子:きゃははは、今やそんなの無いよねー。
勝 :巨人戦、TVでやらなくなったからな。オレ等が子供だった頃
からすると信じがたい。ラジオでさえやらない日がある。
真子:それも時代の変化、ってことかー。
勝 :だから、「親子がいる世帯」を主要顧客層にしていて、そこか
ら変化が無い業態は、伸びにくい市場だよな。
真子:例えば?
勝 :例えばファミレス。市場はこんな感じ
2004年度 1.25兆円 (市場占有率2006年版)
2011年度 1.17兆円 (日経シェア調査2013年版)
真子:そんな減ってないよね?
勝 :この市場の中でこの数字はある意味大健闘。でもさ、ファミレ
スの草分けの「すかいらーく」なんかはもう無いからな。
真子:あ、前にニュースで見た。「ガスト」になったんだよね。
勝 :すかいらーくグループでも、ガスト、和食の「夢庵」、中華の
「バーミヤン」とか、色々できたよな。何でだ?
真子:えっと……あ、なるほど、「ニーズの多様化」に対応してるっ
てこと?
勝 :そうそう。家族揃って「子供はみんなハンバーグ」っていう時
代ではなくなったってことだ。
真子:そりゃーそーだよねー。
勝 :さっきの「巨人」の例でも、野球だけじゃなくてサッカーとか
出てきたんだよな。そういう意味でみんな「多様化」してる。
真子:あ、すかいらーくも巨人も同じなんだ!
勝 :あと、自動車の「クラウン」なんかもそれに入りそうだ。90
年の販売台数は年間20万台、今は3万台前後*だってさ。
*参考
http://toyokeizai.net/articles/-/12291?page=2
真子:うわー、すごい減ったね!
勝 :真子、「いつかはクラウン」っていうコピーわかる? 昭和の
名コピー。
真子:え? 何それ?
勝 :そうだよな……働いて偉くなって、「いつかはクラウンに乗ろ
う」って頑張った時代があったんだよ。
真子:それもこの時代?
勝 :そうだな、まあ90年代まで、って感じか。
真子:勝さんもそうなの?
勝 :昔は車持ってたけど、オレは自動車に酔うからな……教習所で
自分の運転に酔ってトイレに駆け込んだことあるし。
真子:きゃーははは、おもしろーい。
勝 :クラウン、すかいらーく、巨人ってみんな昔は「主流派」だっ
たのにそれがいつか「バラけた」んだよな。
真子:「主流派の消失」がこの時代に起きたんだ!
勝 :オレはそう思ってる。さっきのデータで他に気づくことは無い
か? 「時間」っていう切り口で。
真子:え……「時間」って……あ! 70年→89年より、89年→
10年の変化の方が大きい!
勝 :そう。これを見てみ。平均世帯人員の推移。
平均世帯人員 5年前との差(ポイント)
1960 4.13
1965 3.75 0.38
1970 3.45 0.30
1975 3.35 0.10 ●
1980 3.28 0.07 ●
1985 3.22 0.06 ●
1990 3.05 0.17
1995 2.91 0.14
2000 2.76 0.15
2005 2.68 0.08
2010 2.59 0.09
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001101476
表番号7 を著者が加工
真子:あ、ホントだ、70〜85年ってほとんど変わってない!
勝 :そうなんだよ。70年代、80年代、って比較的このあたりの
ことが安定してた時代なんだよな。変化が少なかった。
真子:へー、そうなんだあ……
勝 :で、「画一的な好み」が存在しやすかったんじゃないか、とオ
レは考えている。
真子:それで、90年以降、一気に「主流派の消失」が進んだって感
じかな?
勝 :データを見る限り、そう言えそうだよな。
真子:なんかさー、おっきなカタマリが90年代以降、砕けてバラバ
ラになった、っていうイメージかな?
勝 :あ、そうそう。クラウン、すかいらーく、巨人、みんなそんな
感じだよな。あとさっき見たばっかりの紅白*もそうだよな
*ここでの時間は、1月1日になったばかりです
真子:あ、昔、紅白の視聴率ってすっごく高かったんでしょ?
勝 :関東で80%超えてたこともあるらしーぜ。
真子:うっわー。でももうありえないよねー。お笑いとか、ボブ・サ
ップみたいなヤツとか、色々あるもんね。
勝 :ボブ・サップってまた懐かしいな、格闘技、な。
真子:これも「主流派の消失」だね!
勝 :そうそう。あと、スキー場の食堂。昔、カレー、ラーメンくら
いしかなかった。マジで牛丼があればいい方だったぞ。
真子:えー、今イタリアンとかあるよね?
勝 :そうそう。まさにそういうことなんだよ。カレー、ラーメンだ
けですむ時代じゃなくなった。
真子:そっかー、そんなところでも同じことが起きてるんだー。
勝 :90年代以降、一気にそうなった感じがするな。
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◆「所得格差拡大」のウソ
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真子:あとさ、「所得格差の拡大」って言われるのもそうだよね?
勝 :何それ?
真子:え? 所得の格差って広がってるんでしょ? やっだあー、勝
さん、そんなことも知らないのー?
勝 :そんなこと、誰が言ってるの?
真子:え? そ、それは知らないけど……新聞とかで……
勝 :オマエ、そんなこと信じてるの?
真子:だって……みんな言ってるんだもん……
勝 :みんなが言ってたら本当なのか? 調べたのか?
真子:う、ううん……
勝 :ちゃんと検証しておけよ……厚労省が、「所得再分配調査」っ
てやってるんだけどさ……
勝が「ふう」とため息をつきながら、真子にノートPCを向ける。
300万円未満 300-499 500-999 1000万円以上
1985 31.7 28.6 32.6 6.8
1990 24.9 24.2 38.0 13.1
1995 22.4 21.5 38.0 17.9
2000 27.6 22.3 34.2 15.8
2005 30.6 23.4 32.9 12.8
2010 32.9 24.4 30.9 11.7
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001101550
表番号2 を 著者が加工
*数字の和が100ピッタリにはなりません。
真子:えっと……1985年から、所得が高い人が増えていって、
2010年には又戻った、って感じ?
勝 :そんな感じだな。1985年と2010年を比べると、ほんの
少しだけ1000万円以上世帯が増えただけだな。
真子:でも、それって格差が広がってるっていうことでしょ?
勝 :じゃあ、「ジニ係数」を見てみようぜ。
真子:「ジニ係数」って?
勝 :「所得の再分配の不平等」を表す数字。大きいほど不平等。
○ジニ係数
当初所得 再分配所得 再分配改善度
1962 0.3904 0.3442 11.8%
1972 0.3538 0.3136 11.4%
1981 0.3515 0.3177 9.6%
1990 0.4334 0.3643 15.9%
1999 0.4720 0.3814 19.2%
2002 0.4983 0.3812 26.4%
2008 0.5318 0.3758 29.3%
○当初所得:雇用者所得、事業所得、農耕・畜産所得、財産所得、家
内労働所得及び雑収入並びに私的給付(仕送り、企業年金、生命保
険金等の合計額)の合計額
○再分配所得:当初所得から税金、社会保険料を控除し、社会保障給
付(現金、現物)を加えたもの
(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/tyousa/index.html#10)
所得再分配調査
1981年
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001048090
1990年
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001048075
2008年
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001067028
真子:どう見ればいいの?
勝 :「当初所得」っていうのが、言ってみれば「額面の収入」。
真子:だから「当初」にもらえるはずだったお金、ってことか。
勝 :そこから税金、社会保険料を払って、社会保障をもらって、と
いう「再分配」をした後が「再分配所得」、要は「手取り」。
真子:「再分配改善度」は、その「再分配」の大きさ、かな?
勝 :そう。数字はどうなってる?
真子:えっと……当初所得のジニ係数は増えてる? つまり、額面で
の格差はやっぱり増えてる!
勝 :そうだな。「再分配所得」の方は?
真子:あ、あれ? 全然増えてない! それどころか、1999年以
降はむしろ減ってる!
勝 :っていうことは?
真子:1999年以降は、むしろ「再分配所得」については、格差は
小さくなってる!
勝 :そう。小泉政権は、2001年4月〜2006年9月だから、
「小泉政権は格差を広げた」なんてこの調査からは言えない。
真子:えー、そうなんだー。でもみんなそう言ってるじゃん。選挙の
ときの決まり文句になってるよね?
勝 :それ、多分「当初所得」の話だろ。自分に都合のいい数字だけ
を取り上げてるわけだな。簡単に信じるなよ。
真子:じゃあ、格差拡大なんてウソなんだあ!
勝 :この調査によれば、「再分配所得」の格差は縮小してるな。少
なくとも「拡大」はしていない。
真子:何でみんな「格差拡大だ!」なんてウソつくのよー?
勝 :そういうことにしといた方が、都合がいい人がいるんだろ。そ
れどころか、1999年以降の「再分配改善度」は急上昇。
真子:これって、お金持ちから取る分を増やしてるってこと?
勝 :そういうこと。良いか悪いかはともかく「金持ち優遇」なんて
全然ウソ。高所得層に厳しく、低所得層にやさしくなってる。
真子:どのくらいが分岐点なの?
勝 :例外はあるけど、ざっくり年収550万円以上だと、もらう分
より、払う方が多い。つまり「損」してる。
真子:逆に550万円未満は、もらう方が多いんだ?
勝 :ざっくり、そうなる*。コトの良し悪しは別にして。
真子:それって平等なのかな?
勝 :「低所得者にやさしい」とも言えるし「頑張った人が報われな
い」とも言えるな。同じことをどっちから見るか、だ。
真子:えー、そーなんだー! じゃあ頑張る分だけ損ってこと?
勝 :カネ、という意味ではそうなるな。「格差拡大」には「頑張っ
た人が報われる」っていう一面もあるからな。
真子:えー、じゃー頑張らない方がトクな社会なんだあ……ショック
勝 :その取り方は人それぞれだけど、ヘタすると税金の担い手であ
る高所得層が日本から逃げ出す。それは本当にまずい。
真子:そっかあ……勝さんは?
勝 :オレは税金には関係なく頑張るよ。税金はきちんと使ってくれ
とはすごく思うけどさ。
真子:何かさー、自分で税金の使い道決められたらいーのにねー。
勝 :それはすごくそう思う。子供を産んで育てる世代への再分配が
最優先だと思うけどな。
真子:うん、少子化だしね。
勝 :実体はその真逆だけどな。
真子:え?
勝 :子育て層の負担が一番大きく、70代が一番給付受けてる。
真子:え、ええ?
勝 :もちろん、70代は自分で払った年金をもらってる、っていう
のもあるけど、数字はこうなってる*。
世帯主の年齢 当初所得 再分配所得 再分配計数
29歳以下 306万 262万 − 8.8
30〜35歳 471万 429万 − 8.9
35〜40歳 545万 475万 −12.8
40〜44歳 667万 579万 −13.3
45〜49歳 715万 634万 −11.4
70〜74歳 204万 439万 +114.9
75歳以上 147万 472万 +221.4
再分配係数(%)=(再分配所得−当初所得)÷当初所得×100
*参考資料:
所得再分配調査 2008 「報告書」
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001067028
勝 :「再分配計数」が、プラスならもらう方が多いし、マイナスな
ら払う方が多い。
真子:40代の人の負担が大きいね。
勝 :所得が高いからしょうがない部分はあるけどな。
真子:うわあ……20代の人の「手取り」より、70代の人の手取り
の方が大きいんだ……
勝 :そうだな。オレらが70代になったときにもそうなっていれば
その意味では「公平」だけどな。
真子:20代の人の方がお金使ってくれそうなのに……うーーん、考
えさせられるね……
勝 :こんな数字もある。世帯平均所得の推移のデータ。
全世帯 高齢者世帯 児童のいる世帯
1990 596.6 263.9 670.4
2000 616.9 319.5 725.8
2010 538.0 307.2 658.1
国民生活基礎調査2011
www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa11/xls/08.xls
真子:え? この20年間で、「全世帯」でも「児童のいる世帯」で
も減ってるのに、「高齢者世帯」だけすっごい増えてる!
勝 :さっきの数字と整合性があるよな。それで、高齢者が増えてる
わけだから、まあ「高齢者市場」はチャンスありだよな。
真子:まあそうだけど……
勝 :納得いかない面は色々あるだろうが、事実はこうなってる。
「ニーズの多様化」は、必ずしも所得格差を原因としてない。
真子:うーーん……色々考えないといけないね……
勝 :まずは、周りが言ってることを鵜呑みにするなってことだな。
真子:うん……ハンセー。でも、所得格差が広がらなくても、ニーズ
は多様化するんだね。
勝 :そりゃ、選択肢が増えたりするからな。同じ所得でも、カレー
とラーメンだけじゃなくて……
真子:あ、パスタもピザもあれば、そっちを食べるかもしれないって
ことだ。
勝 :そういうこと。ニーズの多様化は、情報量の増加、選択肢の増
加と手を携えながら進行したんだと思ってる。
真子:あと、ネットとかの情報源も増えたしね。
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◆「十把一絡げ」では対応できない!
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勝 :で、ようやくセグメンテーションの話に戻ろう。
真子:あ、そっか、その話だった、忘れてた、きゃははは!
勝 :最初の「世帯構造の変化」については、これは数字ではっきり
出てたよな。
真子:うん、「主流派が消失」したんだよね?
勝 :それはオレの仮説だけど、多分合ってると思う。昔は、年齢が
同じなら、同じような生活をしていたんだろうな。
真子:うん。夕食はみんな一緒で、お父さんはビールに枝豆……
勝 :それが、さっきの「世帯構造の変化」で相当変わる。例えば、
子供の有無で全然違う。
真子:あと、共働きかどうか、でも違うよね。
勝 :お、鋭いじゃん。共働き世帯は相当増えてるはずだけど、ちょ
っと調べてみるか……
勝がネットを調べてみると、簡単に見つかる。
男性雇用者+無業の妻 雇用者の共働き世帯
1980 1114万世帯 614万世帯
1990 897万世帯 897万世帯
2006 854万世帯 977万世帯
http://wwwhakusyo.mhlw.go.jp/wpdocs/hpax200801/b0055.html
真子:わー、やっぱり共働き世帯が増えてるね。
勝 :そうそう、で、世帯構造の「組み合わせ」が増えた。
・結婚しているか
・共働きか
・子供が居るか
真子:なるほど、昔は、「主流派」は結婚して、奥さんは専業主婦で
子供がいる世帯だったけど……
勝 :そういう世帯ばかりではなくなった、っていうこと。
真子:それに、情報が増えたり、趣味が増えたり、みたいのもあるん
だよね、きっと。
勝 :そうだな。さっきの「TVは巨人戦」だけじゃなくて、ケーブ
ルTVとかでチャンネルも増えたりした。
真子:あ、なるほどね。インターネットもできたし。
勝 :このあたりの「世帯の多様化」と「選択肢の増加」が相互作用
しつつ「ニーズがバラけた」、つまり「多様化」したんだろう
真子:だから、性別・年代だけでは切れなくなった!
勝 :そういうこと。だから「ニーズで括る」のが今の時代には合っ
てる、っていうこと。
真子:なるほどねー。
勝 :逆に言えば、「性別・年代で切れた」のは、「主流派」がいて
かつ世帯構造が安定していた1970〜80年代の特殊事情。
真子:あ! むしろ「性別・年代」で切れた時代が特殊だった!
勝 :オレはそう思う。真子、セグメンテーションって何だっけ?
真子:「人によってニーズが違うから、ニーズで分ける」こと!
勝 :で、その時代は、「たまたま、ニーズと性別・年代が一致して
いた」時代だった、ってこと。「たまたま」な。
真子:だから、その時代は「性別・年代」でも良かったんだ。それが
多様化した今では切れなくなったんだね。
勝 :その頃に若手だった人が今会社のリーダーだとすると、その成
功体験に引っ張られてる可能性はあるな。
真子:でもさ、「ニーズで分ける」限り大丈夫なんでしょ?
勝 :「分ける」じゃなくてニーズで「括る」な。じゃあそれを……
「勝ちゃん、真子ちゃん、2人とももう休んだら? もう遅いよ」
「え?」
親戚に声をかけられて回りを見ると、もう誰もいない。テーブルの上
には空いた食器、誰も座っていない座布団がその回りに散っている。
「うわ、こんな時間か!」
「真子としゃべってると時間がたつのが早いでしょ、はーと♪」
「そうだな、さすがに寝るとするか……」
「ね、ね、今日見る夢が初夢だよね? きっと真子の夢を見るよ!」
「正月からそんな悪夢見たくはないな」
「またまた〜真子は勝さんの夢を見ようっと」
「や、め、ろ。肖像権侵害だ」
「そんなの真子の自由ですよ〜だ」
「どーせオマエが見る夢なんて食い物の夢だろ」
「きゃははは、ナスと挽肉のパスタだと縁起良さそうだね」
「タカの爪のペペロンチーノとかな」
「あ、それでもいいや。そうしようっと。じゃあまた明日ね〜」
「ああ、お休み」
次号に続きます!
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◆今日のまとめ
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●世の中の「主流派が消失」したことで、ニーズがバラけた! だか
ら性別・年代では括れない時代になった!
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▼今日の日記▲
世間的には、今日くらいから仕事始めでしょうか。色々な場所で、い
つもどおり、になっていますよね。
年末に飛び込んできたニュースでは、「松井秀喜選手の引退」が印象
に残りました。ドームに巨人戦を見に行くと、よく打ってくれたのを
覚えています。ヤンキース移籍4年目の2006年に手首骨折したの
ですが、その前日の試合をヤンキー・スタジアムに見に行ったんです
よね……(チケットは、結構取れるものなんだ、と思いました)。
巨人で10年間、その間の数字はまさに驚異的、OPSが1を超えた
のが5回(今年セ・リーグMVPの阿部慎之助選手ですら1を超えて
いません)! メジャーでもワールドシリーズMVPですもんね。
正直、2012年の成績では厳しいな……と思っていましたので、寂
しいですが、いつかは引退の時が来るんですもんね。
私の引退はいつなんだろう? 力の限り仕事ができなくなるときが、
いつか来るんだろうか……そのときに、「オレにはアレ以上のことは
できなかった。悔いはない」と言えるんだろうか……そんなことを考
えさせられました。
○1000号間近! 勝手にカウントダウン
*今号で(多分)累計979号 1000号まであと21号!
●今日のiPod Tune:始まりの歌2013
1月は1年の始まり! 始まりにふさわしい歌で始めましょう!
今日の始まりの歌は……
○Jump by Van Halen
1983年リリース、彼らの唯一の全米ナンバーワンヒット。アルバ
ム「1984」のリリースが(当然)1984年ですが、このシング
ルのリリースがアルバムに先行します。
曲についての説明は不要かと思いますが、ハードロックというよりは
シンセポップ、ですね。
年賀状の決まり文句が「今年は飛躍の年に」ですが、英語にすれば、
まさに「JUMP」ですね。
さあ、アナタも一緒に……JUMP! 飛躍の年にしましょう!
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◆次号予告:年末年始特別号 セグメンテーション特集 5
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●今回は、前号の次号予告でやった「ニーズで括る」方法はできなく
て申し訳ありません……次号こそ、見ていきましょう!
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!
▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!
売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……
〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
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「インド人を右に」とレスするたびに右に動いていくスレ
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1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 14:05:17.71
ID:yDRFQxCW0┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓┃ ┃┣
11 年前
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