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2012年8月10日金曜日

売れたま!特別編Vol.178 2012/08/09 夏休み特別号:密着軸の経営戦略 11

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.178 2012/08/09
購読者:27,539 (まぐまぐ:16,590 メルマ!:958 めろんぱん:9,991)

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 ■■■■__夏休み特別号:密着軸の経営戦略 11__■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●お客様の「個別ニーズ」を引き出した上で、「個別ニーズに合った
 提案」をしよう! 提案力を高めよう!


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◆登場人物紹介:売多真子 & 売多勝 + 松井恵利
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●密着軸の経営戦略特集!

恒例の連載シリーズは、「密着軸の経営戦略」です!

恐らくは、多くの企業、特に中小企業は密着軸を(暗黙のうちに、と
いう場合も含めて)取っていることが多いですし、また、取るべきだ
と個人的にも思います。

以下がその前提となる知識です


○戦略BASiCS:経営戦略を考える5つのポイント

 Battlefield:戦場・競合 どんな市場でどんな競合と戦う?
 Asset:独自資源     強みを競合がマネできない理由
 Strength:強み     顧客が競合でなく自社を選ぶ理由
 i
 Customer:顧客     自社が取引したい具体的顧客像
 Selling message     強みを顧客に刺さるように伝える


○3つの差別化軸:売り手が差別化する3つの方法

手軽軸:顧客の簡便性ニーズに応える
    → 競合より安い・早いで差別化する

商品軸:顧客の品質・技術ニーズに応える 
    → 競合より高品質・新技術で差別化する

密着軸:顧客の個別ニーズに応える→
    → 競合より個別ニーズ対応で差別化する



●今シリーズの登場人物3名

○売多真子:女性 20代半ば?
・イタリアンレストランチェーン「そーれ・しちりあーの」の経営者

○売多勝 :男性 30代後半?
・新進気鋭のマーケティングコンサルタント。真子の親戚で幼なじみ

○松井恵利:女性 20代半ば?
・真子の同級生。家業の果物屋を継ぎ、その経営刷新に奮闘中


◇「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
 売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
http://ow.ly/89pSR

◇「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
 上の本の続編。戦略構築から実行まで、社長の視点を物語で体感!
http://ow.ly/6s63d

◇「経営戦略虎の巻CD」(CD7枚組) 佐藤義典著
 戦略BASiCSを徹底解説。上の3人が登場する小説が特典に!
http://sandt.co.jp/keieitoranomaki.htm



●ここまでのあらすじ

高原のペンションに「山ごもり」して合宿を行った真子、勝、恵利の
3人。話し合っている最中に、ふとしたことから「密着軸」について
ペンションのテラスで勝の講義を受けることに。


連載第1回目はこちらからお読みいただけます。右側の「記事履歴」
というところから上(新しい)の方へとお進みください。

http://archive.mag2.com/0000111700/20120706015000000.html


今回は連載の11回目です。



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◆まずは、前号の復習から!
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日が落ちた高原のペンションは夕食の時間だ。真子たちが仕事用に借
りていたウッドテーブルの上に、何も載っていない皿が置いてある。

白い皿についているソースが、つい先ほどまで皿の上に食べ物がのっ
ていた証しとなっている。


真子:ね、オードブル、おいしかったねー! サーモン。

勝 :燻製具合が絶妙だったな。スモークの香りが柔らかくて。うち
   でも作ってみたいよな。

恵利:はい、ホントおいしかったですね。

真子:何かさ、おいしーもの食べると幸せな気分になれるよね!

勝 :じゃあ、その幸せな気分のまま、話を続けるぞ。

真子:えー、食べてるときは食べることに集中しようよー!

勝 :今、食べることに集中してたじゃねーかよ。料理の合間の時間
   がもったいないだろ。

真子:もー。次のお皿、早く来ないかなー。次はスープかな?

勝 :じゃあ恵利ちゃん、お願い。

恵利:はい、前号の復習ですよね。今は、「密着軸の3ステップ」を
   やっています。


恵利が、自ら作った「恵利ノート」を見せながら説明する。


○密着軸の3ステップ

ステップ1)お客様の個別ニーズを知る
ステップ2)個別ニーズを叶える
ステップ3)個別ニーズを覚える


真子:個別ニーズを知って、叶えて、覚える、だね。

恵利:前号は、このうちのステップ1)お客様の個別ニーズを知る、
   について、特に「ニーズを引き出す」ことについてでした。


○密着軸の3ステップ

ステップ1)お客様の個別ニーズを知る
A)ニーズを引き出す
B)ニーズに合った提案をする


A)「ニーズを引き出す」2つの方法

1)顧客情報の収集・蓄積・カルテ化
2)診断・計測による顧客情報の収集

→これによって、次の「提案」の説得力が高まる!


真子:こーゆー仕組みがあると、会社全体として、密着軸ができるよ
   うになるんだよね。個人ワザじゃなくって。

勝 :個人ワザはあってもいいんだけど、それを共有できるようにな
   るといいな。



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◆ステップ1)個別ニーズを知る → ニーズに合った提案をする
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恵利:前回「個別ニーズを引き出す」ことを教えていただいたので、
   今回はその次、「ニーズに合った提案」について、ですか?

勝 :そう。個別ニーズを「引き出す」だけじゃ不十分。引き出した
   ニーズに合った提案をしないとね。

恵利:ニーズを「引き出す」ことと「提案する」ことを分けている理
   由は何ですか? 割と近い概念のように見えますけど……

勝 :「引き出す」スキルと「提案する」スキルが、それぞれ違うス
   キルだから。

真子:え? どういうこと。

勝 :真子の飲食店で考えて見ようぜ。「個別ニーズを引き出すスキ
   ル」ってどんなスキルだ?

真子:えっと……質問を自然に投げかけて、聞き出していくスキル、
   って感じ?

勝 :そうだよな。じゃあ、「個別ニーズに合った提案」をするスキ
   ルは?

真子:えっと……ワインとメニューの知識とか……そのために、うち
   の店では、スタッフにメニューの試食会を開いてるんだ。

勝 :ほら、「引き出す」のと「提案をする」のは違うスキルだろ?

真子:あ、ホントだ! ニーズを聞き出すだけじゃダメだ! そのニ
   ーズと、メニューを紐づけるっていうか、つなげるっていうか



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◆ステップ1−B)ニーズに合った提案:提案の幅を広げる
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

勝 :そうそう。こういうのはどうですか、ああいうのはどうですか
   と言って「提案」するには、売り物の知識とかが必要。

真子:なあるほどぉ! 「引き出し」の多さみたいな感じ?

勝 :まあそんな感じ。「提案の幅」を広げる。


勝が、またノートパソコンをいじり、「ちょっとこれ読んでみて」と
言いながら、真子と恵利に見せる。真子は「食事中の食卓でパソコン
いじるなんて、色気がないんだから……」とぶつぶつ言いながらも、
画面に見入る。


−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−

○幹事の要望に徹底的に向き合い、店が宴会の盛り上げ役を買って出
 るのが、岐阜県瑞穂市の居酒屋「笑い飯」。週に平均10組近くの
 宴会予約が入り、10月中旬の段階ですでに昨年を上回る数の忘年
 会の予約があるという。


○宴会を成功させる秘訣は幹事との徹底した打ち合わせ。「前夜祭」
 と称して、宴会前日の夜か当日夕方、幹事にわざわざ来店してもら
 い、参加者の印象深いエピソードを聞き出す。


○演出のアイデアがない幹事には、店長が宴会参加者の性別や年齢、
 趣味などを聞き、予約客に合った企画を3〜4種類提案。企画は過
 去に宴会でウケたもので、参加者を感動させるものから、悪ふざけ
 で笑わせるものまで、50種類以上のバリエーションがある。


○「店からのプランを押し付けずに、お客に付き合うことを売りにし
 ている」と店長は話す。


2010/11/12, 日経MJ P.15

−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−


真子:へー、面白いね。この居酒屋は、宴会の盛り上げ屋さんだ!

恵利:「個別ニーズを引き出す」から、「ニーズに合わせた提案」と
   いう、勝さんがおっさしゃった通りの流れを実行してますね

勝 :まあ、ある意味「引き出して提案する」っていうのは当たり前
   の流れだからね。

真子:ね、「50種類以上」の演出のネタがあるって、すごいよね?

勝 :お、そうそう。そこがポイント。「提案の幅」が広いほど、お
    客様に合った「個別適合度」の高い提案ができる。

恵利:あ、「提案の幅」が、個別適合度を高める、つまりお客様に合
   った提案につながる、ということですね?

勝 :そうなんだよ。商品軸なら「最高の提案」が1つあればいいん
   だけどね。

真子:あ、そうか。商品軸は「最高のもの」がある、っていう発想だ
   から、1つでいいんだ。

勝 :そう。それでその「1つ」を徹底的に磨き込むのが商品軸的な
   発想だな。

真子:逆に密着軸だと、色々と提案ができたほうがいいんだよね?

勝 :密着軸は個別適合度を高めるのがカギ。そのためには、「提案
   の幅」を広げ、あらゆる個別ニーズに対応できるようにする。

真子:だから50種類以上のネタを持ってるんだね!

勝 :そういうこと。「ニーズに合った提案」ができるようになるこ
   との1つのカギが「提案の幅」を広げること。

真子:じゃあ、ネタを増やせばいいの?

勝 :「ネタ」っていうか、「組み合わせ」を増やすっていうのが、
   ポイントになることが多いな。

恵利:組み合わせ、ってどういうことですか?

勝 :イメージとしてはこういう感じ。


勝が恵利のノートに、サラサラと図を描いていく。


 組み合わせ素材  →   顧客ごとに組み合わせ提案

   ○△□       → ○■  顧客A
   ●▲■       → ●◇  顧客B
   ◇▼◎       → ◎▲  顧客C


恵利: ↑ この「組み合わせ素材」を色々と組み合わせて、個別の
   お客様毎に、その個別ニーズに合った提案をするんですね?

勝 :そういうこと。そうなると、「組み合わせ素材」、真子がいう
   ところの「ネタ」が多い方が組み合わせが増えるよな。

真子:ね、さっきの居酒屋さんの話だと、色々なネタを組み合わせて
   幹事さんに提供すればいい、っていうことだよね?

勝 :そうそう。そのあたりが「ニーズに合った提案」をする際のカ
   ギになってくる。

恵利:だから「提案の幅」を広げれば、「組み合わせ」が増えて、よ
   り「個別ニーズに合った提案」ができるようになるんですね。

勝 :そういうこと。「提案力」は、この「組み合わせの妙」である
   ということも多いぜ。

真子:なーるほどねー。「提案力」って言われてもよくわからないけ
   ど、お客様に合わせて「ネタを組み合わせる力」なんだね!

勝 :そういう力も、提案力に含まれるな。



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◆ステップ1−B)ニーズに合った提案:購買履歴から推測する
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真子:でもさ、居酒屋さんだったら直接話して聞けばいいけど、そう
   いうことができない場合はどうすればいいの?

勝 :そういう場合は、顧客情報とか、データベースを使うことが多
   いな。

恵利:どういうことですか?

勝 :例えばこういう感じ。


勝が再度パソコンをいじると、モニタを真子と恵利に向ける。


−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−

◇ネットプライスドットコムはインターネット通販で、消費者の好み
 に応じた商品を紹介するサービスを今月下旬から始める。スマホ向
 けにアプリを提供する。


◇アプリは「ネップコーン」。マクロミルの子会社と共同で開発。消
 費者の好みや生活スタイルに合わせた商品を提案する仕組み。アプ
 リでは動物のキャラクターがファッションや家電などネットプライ
 スが販売している商品について質問。答えた消費者の好みや購入状
 況を点数化して分析。本人の好みが分かるようになると、それに応
 じた商品を提案していく。


◇ネットプライスドットコムによると、サイト上に商品を並べて販売
 するよりも、個人の好みに応じてきめ細かく提案するほうが購入率
 は数倍高くなるという。


2011/11/04 日経MJ P.7

−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−


恵利:個人の好みに応じて提案すると、購入率が数倍になる!?

真子:え、そんなこと書いて……あ、ホントだ!

勝 :まあそりゃそうだろ。欲しいモノを提案してもらえれば、買う
   確率は高まるだろうな。

恵利:えっと……この場合は「好みをお客様に聞く」ことと、「購入
   状況」の2つがポイントなんですね。

勝 :そうだな。特に「購買履歴」は、その人の「好み」を直接表す
   ことが多いから。人は「買ったモノに好みが表れる」。

真子:買ったモノに好みが表れる……なるほど……

勝 :だから、「購買履歴」は「個別ニーズ」を知るカギになること
   が多い。購買履歴を知ると、「提案」をしやすくなるな。

恵利:お客様に「好み」がわかるからですか?

勝 :最終的にはそうなんだけど、もっと単純に、こういう話。


勝が恵利のノートを手に取ると、また書いていく。


       買った商品
  お客様1 A、B、C
  お客様2 D、E、F
  お客様3 A、C
  お客様4 D、E
  お客様5 A
  お客様6 D


勝 :お客様1〜6が、お客様1人1人で、A〜Fが買った商品名。

真子:それでそれで?

勝 :で、お客様5の方には、何を勧めればいい?

真子:ニーズ聞かないとわかんなーい。

勝 :だから、この図から考えろよ。

恵利:えっと……あ! わかりました。商品Cを勧めます!

勝 :お、正解。

真子:えーわかんなーい。恵利、何でよー?

恵利:だって、商品Aを買われたお客様1もお客様3も、商品Cを買
   ってるのよ? だから、商品Aを買うと、Cも買うかな、って

真子:え、お客様1と3は……あ、ホントだ! Cを買ってる!

勝 :例えば、商品Aを「ビール」、商品Cを「唐揚げ」と考えると
   わかりやすいな。

恵利:あ、はい、ビールと唐揚げで、「晩酌」ですよね。ビールを買
   われた方に、唐揚げを勧めればいいんですね。

勝 :じゃあ真子、お客様6には何を勧める? もうわかるよな?

真子:ええっとねー……商品E! 商品Dを買ってるお客様2もお客
   様4も、合わせて商品Eを買ってるから!

勝 :そういうこと。これなら、購買履歴がわかれば機械的に処理で
   きる。こういうのが基本的な仕組みになる。

恵利:はい、商品Aを買った人は、商品Cを買う確率が高いから商品
   Aを買った人には商品Cを勧めよう、ということですね?

真子:そんなの当たり前じゃん。

勝 :だからその「当たり前」をきちんとやるのが大事なんだよ。こ
   ういう動きが最近結構目立つよな。



勝が再びパソコンのモニタを真子たちに見せる。


−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−

◇サンキュードラッグ(北九州市)、杏林堂薬局(浜松市)、くすり
 のマルト(福島県いわき市)など地方に地盤を持つ有力ドラッグス
 トアや、メーカー・卸が共同で顧客ID付きPOSデータを分析・
 活用する研究会を10月に立ち上げる。


◇400万人規模のデータを収集し、効率的な売り場づくりに役立て
 る。購買履歴を詳細に把握できるID─POSは小売業で利用が広
 がっているが、自社データの分析にとどまるケースが多い。地域や
 立地の違いなどによる比較ができるようにして収益向上を図る。


◇参加企業がデータベースを使い、購入者の属性や店舗別に購買履歴
 を分析。例えば1回の買い物で同時に選んだ商品の組み合わせから
 相性の良さなどを調べ、的確な販促策を導く、などの使い方を想定


2012/07/23 日経MJ P.7

−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−


恵利:「顧客ID付きPOSデータ」って何ですか?

勝 :その通りの意味。「誰が何を買ったかがわかるPOSデータ」
   ってこと。

真子:え?

勝 :真子、スーパーマーケットのポイントカード持ってるよな?

真子:うん。ポイントが貯まるやつ。

勝 :それを店で買うときに使うと、真子の「ID番号」がわかるだ
   ろ? 他の誰かじゃなく、真子が何を買ったがわかる。

真子:うん……あ、そうすると、「私の購買履歴」がわかるんだ!

勝 :そうそう。実際には、真子の名前とかはどうでもいい。例えば
   ケーキを買う人はコーヒーも買う、っていうのがわかればいい

恵利:あ、なるほど。そうすれば、コーヒーとケーキを同じコーナー
   で陳列する、みたいなことができるんですね。

勝 :そうそう。POSデータを合算して見ちゃうと、そういう「人
   による違い」がわからない、つまり個別ニーズが見えない。

真子:あー、だから、「人別に何を買ったがわかるようになる」こと
   が大事なんだ。

勝 :意外に、このあたりってまだまだやりようがあると思うぞ。

恵利:やっぱりお客様を「個別」に見ることが大事なんですね。

勝 :お客様の個別ニーズに応えたければ、ね。

恵利:はい、ではここで一旦まとめていいですか?

勝 :うん、ぜひお願い。


恵利が恵利ノートにてきぱきとまとめていく。



○密着軸の3ステップ

ステップ1)お客様の個別ニーズを知る
A)ニーズを引き出す
B)ニーズに合った提案をする


A)ニーズを引き出す の2つの方法

1)顧客情報の収集・蓄積・カルテ化
2)診断・計測による顧客情報の収集


B)ニーズに合った提案をする

1)提案の幅を広げる
2)購買履歴から推測する


恵利:いかがですか?

勝 :OKOK。

恵利:これで、密着軸3ステップのまだステップ1、なんですよね?

勝 :うん。まだまだ続く。



そこに絶妙なタイミングで、スリッパのパタパタという音をさせなが
ら、オーナーが次のお皿を持ってきた。

「やったあ!」と真子が思わず声をあげる。「いちいち騒がないの」
と制する恵利。

「枝豆の冷製スープになります」と言いながらガラスの器で供された
スープは、鮮やかな緑色をしている。ガラスが冷えている証しか、う
っすらと水蒸気がついている。

説明が終わるのもそこそこに、つかみかからんばかりの勢いでお皿に
向かう真子と勝。そんな2人を柔らかな眼差しで見つめ、自らもその
細い指でつまんだスプーンでスープを口に運ぶ恵利。

「ね、これすっごくダシが効いてるね! 何かな?」「この甘みはタ
マネギじゃねーか? こんな感じの味になるだろ」と真子と勝が早速
評論を始める。

「冷製スープって、冷やさないといけないし、冷えたときの味を計算
して作らないといけないから、大変なんだよな」

勝が言うと、「何、勝さん、真子のために作ってくれるの? やった
あ!」と真子が返す。恵利があわてて「だ、ダメよ、ね、勝さん、私
が作りますから食べに来てください」と会話に飛び込む。「え、恵利
ちゃんがオレのために? やったあ! 行く行く!」


先ほどまでの真剣な会話からうって変わって、にぎやかな会話が始ま
った。ペンションの夜はまだまだこれからだ。


(次回に続きます)



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◆今日のまとめ
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●お客様の個別ニーズを引き出したら、それに合った提案をしよう。
 提案のカギは、「提案の幅」と「購買履歴」。


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▼今日の日記▲

今日、オフィス近くのコンビニのカップラーメンコーナーを見たら…
カップヌードルキングという商品が! 今年の1月から出ていたよう
なのですが、今まで気づきませんでした(お恥ずかしい……)。

「キング」と言うだけあって、確かに、パッケージがでかい!!

麺の量を、日清のHPから見てみると

カップヌードル 65g  170円(税別)
ビッグ     85g  190円(税別)
キング    105g  215円(税別)

という感じになってますね。通常のカップヌードルの約6割増、とい
うことになります。

今までの「大盛」に当たる「ビッグ」でも、量は案外少なく、「超大
盛を出せばいいのになあ……」と常々思っていたのですが、ついに出
た待望の超大盛!

で、当然買ってすぐ食べてみたんですが……確かに結構食べ応えがあ
ります。これでも1食分としてはまだ足りないのですが、これに冷凍
食品のギョーザでもあれば、とりあえずはお腹をもたせることができ
そうです。

麺1gあたりの金額でみると、通常サイズの2.6円/gから、キン
グサイズは2.0円/gとなっていますので、金額的にもオトクです
ね。

今度から、会社の非常食保管庫に入るのは、この「キング」になりそ
うです。

あとは、2倍の130gとかの商品、「エンペラー」を作ってほしい
なあ……



●今日のiPod Tune:猛暑を楽しもう! 夏のHot Tunes 2012


夏真っ盛り! 暑い日が続きます。

ということで、今年も始めました! 夏の歌2012!

今日はこの曲で夏を楽しみましょう!


○真っ赤な女の子 by 小泉今日子


1983年5月リリース、キョンキョンの5枚目のシングルにして、
彼女がメジャーシーンへと着々と上る道程の一里塚の1曲。オリコン
やザ・ベストテンなどでの存在感が徐々に高まって来た頃です。

5月リリースですが、歌詞を見る限り、明確に夏の歌です。昔って、
リリースからヒットまでって結構時間あったんでしたっけ? あまり
記憶にないのですが……

「真っ赤」とは、おそらくは夏に日焼けして真っ赤になった、という
ことかと思いますが、衣装も真っ赤だったように記憶しています。色
々な意味で「一貫性」のあった曲でしたね♪



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http://www.sandt.co.jp/shiko.htm



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◆次号予告:密着軸の経営戦略 12
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●本シリーズの中核部分の1つ、「密着軸の3ステップ」。さらに続
 けて見ていきましょう!


▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!

▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!


売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……

〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
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